JPH0346492Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、巻線が収められて突き合せられた２
つの壺形コアを拘持する締付金具に関するもので
ある。

［従来の技術］ 従来の壺形コアを締め付ける締付金具は、第４
図に示すように巻線１５を収納し上下より突き合
わせられた２つの壺形コア５のうち上部の壺形コ
ア５の上面を支える基板１と、その対向する辺よ
り垂下し、下部の壺形コア５の下面縁端を拘持す
る腕板２とにより形成されている。巻線１５より
の引き出し線７は壺形コア５に設けられている引
き出し線溝６より外部に引き出し、巻枠に添設す
る端子板９のボビン端子１０に接続される。また
巻線１５のシールド部分はシールド線８を他の引
き出し線７と同様に壺形コア５の引き出し溝６を
通し端子板９のボビン端子１０に接続している。
また第５図に示すように２個の壺形コア５の突き
合わせ面に別の端子リング１６を挟み、これにシ
ールド線を接続する場合もある。

［考案が解決しようとする問題点］ 従来の締付金具においては、巻線１５の引出線
のシールド線８は他の引き出し線７とともに壺形
コア５の引き出し溝６を通し、巻枠に添設されて
いる端子板９のボビン端子１０に接続しているの
で、シールド線８と他の引き出し線７とは近接し
充分な絶縁耐圧に耐えられない欠点がある。また
ボビン端子１０は締付金具とは電気的に接続され
ず、プリント配線板に取りつけるときプリント配
線板のアース個所と接続するために他のアース線
を必要とする欠点がある。

［問題を解決するための手段］ 本考案は、従来のかかる欠点を除き、壺形コア
５を締めつける締付金具の上部の基板１の両側縁
に、壺形コア５の引き出し溝６に対向する位置に
側方に向けシールド線を接続するためのシールド
端子を突設するととともに、両腕板２の下部にプ
リント配線板に取り付けるための取付端子を設け
てなるものである。

［作用］ 本考案は締付金具を使用すれば、シールド線８
はシールド端子３に接続し、プリント配線板に貫
設する取付用孔に取付端子を挿入し、かつ、プリ
ント配線板のアースと接続すれば、シールド線８
は締付金具を介してアースされる。

［実施例］ 次に本考案の実施例を詳細に説明する。

本考案の締付金具は、第１図、第２図に示すよ
うに、壺形コア５の上面を支える基板１と、これ
の対向する辺より垂下し、上部の壺形コア５と突
き合わせられる下部の壺形コア５の下面縁辺を拘
持する腕板２とを有し、基板１の両側縁より側方
にシールド線を接続するためのシールド端子３を
突設し、かつ、腕板２より下方に向けてプリント
配線板に取り付けるための取付端子４を突設して
なる。

また、この締付金具は、第２図のように、巻枠
に巻回された巻線１５を収容し上下より突き合わ
せられた２つの壺形コア５のうち上部の壺形コア
５の上面に基板１を当接し、壺形コア５の引き出
し溝６とシールド端子３とを対向させ、かつ、腕
板２の下部にて下部の壺形コア５の下縁辺を挟持
し固定する。

巻線１５の引き出し線７はシールド線８ととも
に壺形コア５の引き出し溝６より引き出し、引き
出し線７は巻枠に添設されている端子板９のボビ
ン端子１０に接続し、かつ、シールド線８は締付
金具の基板１に突出するシールド端子３に接続す
る。したがつて前記取付端子４をプリント配線板
に取りつけアースと接続するシールド線８はアー
スされる。

また本考案の他の実施例は、第３図のように締
付金具を上下２個に分割し、上部金具１１にシー
ルド端子３を突設し、下部金具１１′に取付端子
４を突設し、かつ、上部金具１１と下部金具１
１′を孔１２と突起１３との嵌合で結合させてな
る。

本考案は、壺形コア５の内部に巻線１５および
シールド板を収容してなるトランスおよびコモン
モードチヨークコイルなどに適用される。

本考案をトランスに適用した実施例を第６図お
よび第７図に基いて詳細に説明する。

前記巻線１５は１次巻線１５ａと２次巻線１５
ｂとからなる。これらの１次巻線１５ａと２次巻
線１５ｂとの間には、銅などの金属板からなるシ
ールド板１７が配設されている。このシールド板
１７は、ノイズを防ぐためのものである。このシ
ールド板７にはシールド線８が半田付けなどによ
り接続されている。

このシールド線８の一端部は第２図に示すよう
に壺形コア５の外へ引き出されて基板１に突設さ
れたシールド端子３に接続されている。すなわ
ち、シールド板１７はシールド線８により基板１
に接続されている。この基板１の取付端子４をプ
リント配線板に取り付けてアースすると、シール
ド板１７および基板１はアースされる。

第６図に示す実施例の電気回路が第７図に示さ
れているので、次にこれを説明する。

前記１次巻線１５ａと２次巻線１５ｂとの間
に、シールド板１７が配置され、このシールド板
１７はシールド線８によつて基板１に接続され、
かつ、これらのシールド板１７および基板１がア
ースされる。

［考案の効果］ 以上に述べたように、本考案によれば、シール
ド線は巻線の引き出し線とは別の端子に接続され
るので、特に絶縁処理を行なうことなく充分な絶
縁耐力が得られ、かつ、シールド線８の増設も可
能でプリント配線板への取付も容易である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による締付金具の実施例の外観
斜視図、第２図は本考案による締付金具を用いた
巻線組立の外観斜視図、第３図は本考案による他
の実施例の締付金具の外観斜視図、第４図は従来
の締付金具を用いた壺形コアとの巻線組立の外観
斜視図、第５図は従来の壺形コアの突き合せ面に
リング端子を挟んだ巻線の分解斜視図、第６図は
本考案をトランスに適用した実施例の要部を示す
一部切欠斜視図および第７図は第６図に示す実施
例の電気回路図である。 １：基板、２：腕板、３：シールド端子、４：
取付端子、５：壺形コア、６：引き出し溝、７：
引き出し線、８：シールド線、９：端子板、１
０：ボビン端子、１１，１１′：金具、２：孔、
１３：突起、５：巻線、６：端子リング、１７：
シールド板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 巻線およびシールド板を収納し突き合わせられ
   た２つの壺形コアのうち上部の壷形コアの上面を
   支える基板にこれの両縁より腕板を垂下し、か
   つ、これらの両腕板で下部の壺形コアの下面縁端
   を拘持してなる締付金具において、前記基板の両
   側縁より前記シールド板に接続されたシールド線
   を接続するためのシールド端子を突設し、かつ、
   前記両腕板のそれぞれに下方に向けプリント配線
   板に取り付けるための取付端子を突設してなる壺
   形コア用締付金具。