JP2916092B2 - 多相交流より直流を得る電圧形コンバータの制御装置 - Google Patents

多相交流より直流を得る電圧形コンバータの制御装置

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JP2916092B2
JP2916092B2 JP4730795A JP4730795A JP2916092B2 JP 2916092 B2 JP2916092 B2 JP 2916092B2 JP 4730795 A JP4730795 A JP 4730795A JP 4730795 A JP4730795 A JP 4730795A JP 2916092 B2 JP2916092 B2 JP 2916092B2
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芸峰 陳
淳 藤川
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Toyo Denki Seizo KK
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は直流源あるいは制御源と
して使用される多相電圧型コンバータの制御装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、多相電圧型コンバータの制御法
は、PWMパターン合成してコンバータブリッジを制御
するPWM合成法によるものが多い。このパターン合成
はシステム動特性を無視して、いわゆるオープンループ
で作成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記したパターン合成
法は、コンバータの出力の平均値が所要値となるように
半導体開閉信号を決めるものであり、このため、不必要
なスイッチング動作をもたらすとともに、システムの瞬
時状態を無視しているので、高性能の制御特性を得るこ
とが難しいといった問題があった。
【0004】本発明は上記した従来技術の問題点を考慮
してなされたものであって、本発明の目的は、スイッチ
動作を扱うのを得意とするスライディングモード制御理
論を用いてシステム状態を瞬時制御することにより、制
御性能を上げるとともに、不必要なスイッチング動作を
排除し、出力電圧を所要値に追従させ、かつ、電源力率
角を所要値に一致させることができる多相電圧形コンバ
ータの制御装置を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】図1は本発明の原理図で
ある。同図において、8は直流制御器であり、直流電圧
0 (コンバータ出力)を与えられた指令値V0 * に一
致させる交流電流有効成分指令値id * を出力する。ま
た、9は無効電流指令値算出手段であり、上記直流制御
器8が出力する交流電流有効成分指令値id * もしくは
交流電流有効成分id と電源力率角の指令値φ* から電
源力率角を指令値φ* に一致させるような交流電流無効
成分指令値iq * を出力する。
【0006】また、1〜7は交流電流制御器を構成する
各要素であり、上記直流制御器8および無効電流指令値
算出手段9から有効成分、無効成分の指令値id * ,i
q *が与えられ、交流電流有効成分id 、無効成分iq
を上記指令値に追従させる。上記交流電流制御器におい
て、1は交流電流有効電流偏差を求める第1の手段であ
り、第1の手段は、有効成分指令値id * と交流電流有
効成分id との偏差sd を算出する。
【0007】2は交流電流無効電流偏差を求める第2の
手段であり、第2の手段は、無効成分指令値iq * と交
流電流無効成分iq との偏差sq を算出する。本発明に
おける制御の目的は上記偏差sd ,sq をゼロに制御す
ることにより、直流電圧V0 (コンバータ出力)を与え
られた指令値V0 * に一致させるとともに、電源力率角
を所要値に制御することである。また、偏差の極性は後
述するスライディングモード制御でベクトルの選択の一
つの判断基準となる。
【0008】3は基準電圧ベクトルの有効成分Vd 、無
効成分Vq を算出する第3の手段であり、電源電圧、交
流電流値id ,iq もしくは交流電流指令値id * ,i
q *、および電流制御偏差sd ,sq に基づいて計算す
る。第3の手段の出力は、第5,第6の手段の制御電圧
ベクトルの選択の判断基準となる。
【0009】4は制御ベクトルを計算する第4の手段で
あり、出力電圧値とスイッチ状態よりその時制御に使え
る電圧ベクトルを計算する。そのベクトルの有効成分は
交流電流の有効成分を制御する入力、無効成分は交流電
流の無効成分を制御する入力となる。5は制御ベクトル
のうち、有効成分制御偏差を収束させるベクトルを抽出
するため、有効成分の極性を判別する第5の手段、6は
制御ベクトルのうち、無効成分制御偏差を収束させるベ
クトルを抽出するため、無効成分の極性を判別する第6
の手段である。
【0010】7は有効成分偏差、無効成分偏差を共に収
束させるスイッチングベクトルを選択し、その対応する
半導体開閉信号を多相電圧形コンバータブリッジに出力
する第7の手段である。前記課題を解決するため、本発
明の請求項1の発明は、電圧型コンバータの出力電圧V
0 と出力電圧指令値V0 * とから交流電流の有効成分の
指令値id * を求める直流制御器と、与えられた電源力
率指令角φ* に基づき交流電流無効成分指令値iq *
求める無効電流指令値算出手段と、上記有効成分指令値
d * と交流電流の有効成分id との偏差sd もしくは
その偏差の極性を求める第1の手段と、上記無効成分指
令値iq * と交流電流の無効成分iq の偏差sq もしく
はその偏差の極性を求める第2の手段と、電源電圧、電
源電流値および上記第1、第2の手段で求めた交流電流
有効、無効成分偏差sd ,sq から基準電圧ベクトルの
有効成分Vd 、無効成分Vq を求める第3の手段と、コ
ンバータの出力電圧値V0 とスイッチ状態で決まる制御
電圧ベクトルに対して、その有効成分V0 d と無効成
分V0 q を計算する第4の手段と、上記第4の手段で
計算された制御電圧ベクトルに対して、その有効成分V
0 d と、上記第3の手段で求めた基準電圧ベクトルの
有効成分Vd との差を求め、その差、もしくは、その差
の極性と上記第1の手段で求めた交流電流有効成分偏差
d の極性に基づき制御ベクトルを選択するための出力
を発生する第5の手段と、上記第4の手段で計算された
制御電圧ベクトルに対して、その無効成分V0 q と、
上記第3の手段で求めた基準電圧ベクトルの無効成分V
q との差を求め、その差、もしくは、その差の極性と上
記第1の手段で求めた交流電流無効成分偏差sq の極性
に基づき制御ベクトルを選択するための出力を発生する
第6の手段と、上記第5の手段と第6の手段の出力に基
づき制御ベクトルを選択する第7の手段とを設け、上記
第7の手段により得たスイッチングベクトルにより多相
コンバータを構成する半導体スイッチの開閉指令を与
え、多相電圧形コンバータの出力電圧を制御するように
構成したものである。
【0011】本発明の請求項2の発明は、請求項1の発
明において、制御電圧ベクトルの有効成分V0 d と基
準電圧ベクトルの有効成分Vd の差を求め、上記差と交
流電流有効成分偏差sd の極性との積が、回路パラメー
タ定数の誤差により定まる上記基準電圧ベクトルの有効
成分Vd の誤差の最大値Δd のマイナス値より小さいと
き出力を発生する第5の手段と、制御電圧ベクトルの無
効成分V0 q と基準電圧ベクトルの無効成分Vq の差
を求め、上記差と交流電流無効成分偏差sq の極性との
積が、回路パラメータ定数の誤差により定まる上記基準
電圧ベクトルの無効成分Vq の誤差の最大値Δq のマイ
ナス値より小さいとき出力を発生する第6の手段とを設
けたものである。
【0012】本発明の請求項3の発明は、請求項1また
は請求項2の発明において、直流制御器にコンバータの
出力電圧指令値V0 * の二乗値に比例した値と出力電圧
の二乗値に比例した値を入力し、上記直流制御器がその
偏差より交流電流有効成分指令値id * を得るように構
成したものである。本発明の請求項4の発明は、請求項
1,2または請求項3の発明において、交流電流無効成
分指令値iq * を、交流電流有効成分指令値id * と電
源力率角の指令値φ* から算出する無効電流指令値算出
手段を設けたものである。
【0013】本発明の請求項5の発明は、請求項1,
2,3または請求項4の発明において、交流電流無効成
分指令値iq * を、交流電流有効成分id と電源力率角
の指令値φ* から算出する無効電流指令値算出手段を設
けたものである。本発明の請求項6の発明は、請求項
1,2,3,4または請求項5の発明において、電源電
圧、交流電流有効成分指令値、無効成分指令値および上
記第1、第2の手段で求めた交流電流有効成分、無効成
分偏差sd ,sq から基準電圧ベクトルの有効成分
d 、無効成分Vq を求める第3の手段を設けたもので
ある。
【0014】
【作用】上記機能を達成するため、本発明においては、
以下のようにして電圧形コンバータを制御する。まず、
コンバータシステムのダイナミックスを分析して本発明
の制御方法を説明する。
【0015】以下簡単のため、主に三相交流電源の場合
を対象に本発明の理論的な根拠を説明するが、本発明は
上記三相交流電源に限定されるものではない。図2は三
相電圧形コンバータ主回路構成図であり、同図におい
て、12は三相電圧形コンバータブリッジ、13は交流
リアクトル、14は三相交流電源、15は直流コンデン
サ、16は負荷であり、Lは交流リアクトルの値、Cは
コンデンサの値、Rは負荷抵抗値を示しており、同図に
おいて、以下の定義をする(なお、以下に示すVS ,i
s ,uはベクトルである)。。
【0016】電源電圧をVs =〔Vs1,Vs2,Vs3T
とする。なお、上記式において、VsK=Vg cos 〔ωt
−2π(k−1)/3〕(k=1,2,3)である。ま
た、電源線電流をis =〔is1,is2,is3T とし、
出力直流電圧をV0とする。さらにu=〔u1 ,u2
3 T と定義する。なお、uk は次の(1)式で定義
されるスイッチング関数である。
【0017】 uk =1:図2の上アームon, 下アームoff 0:図2の上アームoff,下アームon k=1,2,3 (1) 三相の場合、図3に示す8種類のスイッチベクトルP0
〜P7が使用できる(図3において、例えばベクトルP
1の〔1,0,0〕はu1 =1,u2 =0,u 3 =0に
対応する)。なお、本発明は、後述するように、上記ス
イッチベクトルを所要の制御目的を達成するように選択
して、コンバータのスイッチング動作を制御し、出力電
圧を制御するとともに電源力率角を所要値に制御するも
>のである。
【0018】さて、以上の定義により、is ,V0 を状
態変数にとると、図2の三相電圧形コンバータ主回路の
状態方程式は次の(2)式となる。 LiS1' =Vs1+V0 (u1 +u2 +u3 )/3−V0 1 LiS2' =Vs2+V0 (u1 +u2 +u3 )/3−V0 2 LiS3' =Vs3+V0 (u1 +u2 +u3 )/3−V0 3 CV0 ' =is11 +is22 +iS33 −V0 /R (2) なお、上記式において、回路抵抗は微小なため省略して
いる。また、上記式において、iS1' ,iS2' ,iS3'
,V0 ' はiS1,iS2,iS3,V0 の微分値である。
【0019】次に制御上の容易さのために、上記三相モ
デルを電源電圧を基準にしたd−q座標系の2相モデル
に変換すると、次の(3)式が得られる。なお、id '
,i q ' はid ,iq の微分値である。 Lid ' =Vsd+ωLiq −V0 d Liq ' =Vsq−ωLid −V0 q CV0 ’=id d +iq q −V0 /R (3) 本発明は、前記した制御目的を達成するため、交流電流
を制御するものであり、上記(3)式から交流電流の有
効成分id 、無効成分iq はそれぞれ制御電圧ベクトル
の有効成分V0 d 、無効成分V0 q により制御でき
る。
【0020】すなわち、後述するように、上記V
0 d ,V0 q と後述する基準電圧ベクトル〔Vd
q T との差と、電流制御偏差ベクトルの極性とに基
づき、上記スイッチング関数uを選定し、交流電流の有
効成分id 、無効成分iq を所望値に制御する。次に、
上記スイッチングベクトルuを選定する手法について説
明する。
【0021】交流電流有効成分指令値をid * 、電源力
率角指令値をφ* とすると、交流電流無効成分指令値i
q * は次の(4)式で求めることができる。 iq * =tan(φ* )id * (4) なお、交流電流の有効成分id は上記交流電流有効成分
指令値id * に一致するように制御されるので、上記
(4)式において、id * をid に置き換えても、同様
に交流電流無効成分指令値iq * を求めることができ
る。
【0022】ここで、前記した交流電流の有効成分
d 、無効成分iq と、上記交流電流有効成分指令値i
d * 、交流電流無効成分指令値iq * により、電流制御
偏差ベクトルsd ,sq を(5)式のように定義する。 sd =id * −idq =iq * −iq (5) 本発明はスライディングモード制御理論を用いて制御則
を決めるが、それによると、等価入力を導入したら制御
則が容易になるので、ここでその理論に基づき、等価入
力に相当する次のような基準電圧ベクトルVd ,Vq
選定する。
【0023】すなわち、上記電流制御偏差ベクトル
d ,sq をゼロに収束させるため、前記(3)式から
上記基準電圧ベクトルVd ,Vq を次の(6)式のよう
に定義する。 Vd =Vsd+ωLViq −γsdq =Vsq−ωLVid −γsq (6) なお、γ(≧0)は偏差収束の速さを決める定数または
関数とする。また、上記式においては、交流電流有効成
分、無効成分id ,iq を用いたが、その指令値
d * ,iq * で置き換えても構わない。
【0024】上記制御偏差ベクトルをゼロに収束させる
ため、次の(7)式の極性条件を満足するようにスイッ
チングベクトルuを選択する。 sign(V0 d −Vd )=−sign(sd ) sign(V0 q −Vq )=−sign(sq ) (7) すなわち、制御電圧ベクトルと基準電圧ベクトル有効成
分の差V0 d −Vdの符号がsd と相反し、かつ、制
御電圧ベクトルと基準電圧ベクトル無効成分の差V0
q −Vq の符号がsq と相反するようにスイッチングベ
クトルuを選定し、これに基づき電圧形コンバータを制
御すれば、上記制御偏差をゼロに収束させることができ
る。
【0025】次に、上記交流電流有効成分指令値id *
と直流コンデンサ電圧(コンバータ出力電圧)の関係に
ついて検討する。ここで、コンバータの負荷を抵抗負荷
と想定し、交流側の制御が充分に安定に制御できるとす
ると、電源から入る電力のほとんどは直流側に流れると
考えられ、次の(8)式が成り立つ。
【0026】 Vsdd =(1/2)C(dV0 2/dt)+(V0 2/R) (8) 上記(8)式を変形すると、次の(9)式となる。 V0 2/id =Vsd{(C/2)s+(1/R)} (9) 上記関係から、V0 2とid は線形一次遅れの関係にある
ことが分かり、交流電流有効成分指令値id * を演算す
るには、V0 2を制御した方がPI(比例積分)制御等の
線形制御理論を活用でき好都合である。
【0027】一例として図4に示すブロック図で交流電
流有効成分指令値id * を簡単に演算することができ
る。すなわち、上記直流電圧(コンバータ出力電圧)V
0 の二乗V0 2とその指令値の二乗V0 *2の差をPI演算
器から構成される直流制御ブロック17に与え、コンバ
ータを含む直流回路ブロック18の交流電流有効成分指
令値id * を演算する。
【0028】なお、上記直流制御ブロック17におい
て、指令追従特性を改善し、オーバシュートを克服する
ために、比例ゲイン{1/(RVsd)}のフィードフォ
ワードパスを追加している。これで、有効成分指令値の
大部分はこのパスから素早く流れ込み、負荷抵抗Rが大
体分かっていて、直流電圧の精度もそれほど要求されな
いばあいPI演算を使用せずに、このパスだけでも充分
通用する。
【0029】なお、以上の説明では、回路定数(交流リ
アクトルLの値)が正確にわかり、巻き線抵抗等がゼロ
であるとして、基準電圧ベクトルを算出しているが、実
際には、上記値に誤差が含まれるので、基準電圧ベクト
ルVd ,Vq の計算に誤差が生ずる場合がある。そこ
で、上記誤差を制御則に取り込み、下記のように制御則
を修正することにより、ロバスト性を保証できるように
なる。
【0030】上記誤差を考慮するため、基準電圧ベクト
ルVd ,Vq の計算における誤差の最大値を下記(1
0)式のようにΔd ,Δq とする。 |ΔVd |≦Δd |ΔVq |≦Δq (10) そして、上記Δd ,Δq をしきい値として制御則に取り
込み、前記(7)式を次の(11)式のように変える。
【0031】 ρd =(V0 d −Vd )sign(sd )+Δd <0 ρq =(V0 q −Vq )sign(sq )+Δq <0 (11) すなわち、例えば、少なくとも負の最大誤差分−Δd
−Δq だけV0 d ,V0 q がVd ,Vq より小さく
なるようなスイッチングベクトルuを選定することによ
り、交流側回路定数の誤差があっても、制御偏差ベクト
ルをゼロに収束させることができる。
【0032】なお、上記ρd ,ρq は右辺の式から計算
された値であるが、その値が小さいほど、偏差の収束率
が高いので、収束率の目安とすることができる。本発明
は上記した原理に基づき、電圧形コンバータを制御する
ものであり、本発明においては、図1に示すように制御
装置を構成して電圧形コンバータを制御する。
【0033】まず、直流制御器8において、例えば図8
に示すブロック17により出力電圧V0 から交流電流有
効成分指令値id * を算出する。また、無効電流指令値
算出手段9において、前記した(4)式により、交流電
流有効成分指令値id * と電源力率角指令値φ* から交
流電流無効成分指令値i q * を得る。
【0034】なお、ここで、図1の点線10に示すよう
にid * をid に置き換えても、同様に交流電流無効成
分指令値iq * を求めることができる。ついで、第1、
第2の手段1,2において、前記(5)式により制御偏
差ベクトルsd ,sq を求める。一方、第3の手段3に
おいて前記(6)式により基準電圧ベクトルVd ,Vq
を計算し、第4の手段4において、直流電圧V0 と動作
可能なスイッチ状態より制御ベクトルの有効成分V0
d 、無効成分V0 q を計算する。
【0035】そして、上記基準電圧ベクトルVd ,Vq
と制御電圧ベクトルV0 d ,V0q との差V0 d
−Vd ,V0 q −Vq を求める。第5の手段5および
第6の手段6は上記(V0 d −Vd )、(V0 q
q )と、前記した制御偏差ベクトルsd ,sq の極性
から(必要に応じて回路パラメータ誤差により定まるV
d ,Vq の誤差の最大値Δd ,Δq を考慮して)、スイ
ッチングベクトルを選択するための出力を発生し、第7
の手段7は前記(7)または(11)式を満足するスイ
ッチングベクトルuを選定し、選定されたベクトルによ
り多相電圧形コンバータ11を構成する半導体スイッチ
を開閉し、出力電流を制御する。
【0036】本発明の請求項1〜6の発明においては、
上記のように構成したので、直流電圧制御偏差、力率角
偏差を共にゼロに収束させることができ、所望の制御目
的を達成することができる。また、本発明の請求項2の
ように、第5、第6の手段を構成することにより、回路
パラメータに変動があっても、制御性能を保証すること
ができる。
【0037】さらに、本発明の請求項3の発明のよう
に、直流制御器にコンバータの出力電圧とその指令値の
二乗値に比例した値を入力し、交流電流有効成分指令値
d *を得ることにより、図4に示したPI制御器のよ
うな線形制御器を用いることができ、動作状態に係わら
ず、固定ゲインで一定の特性を得ることができる。ま
た、本発明の請求項4、請求項5のように、交流電流有
効成分指令値id *もしくは交流電流有効成分id と電
源力率角指令値φ* から交流電流無効成分指令値iq *
を得ることにより、負荷電流とともに、電源側の力率角
を指定通りに制御できるようになる。
【0038】またさらに、本発明の請求項6の発明のよ
うに、基準電圧ベクトルの演算に交流電流値id ,iq
をその指令値id * ,iq * で代用することにより、計
算量を軽減することが可能となり、また、制御則をテー
ブル化することが容易になる。
【0039】
【実施例】図5は本発明の実施例の制御装置の構成を示
す図である。同図において、12’は多相コンバータブ
リッジ、13’は交流リアクトル、14’は多相交流電
源、15’は直流コンデンサ、16’は負荷である。ま
た、19は電源電圧検出器、20は電源電流検出器、2
1は直流電流検出器である。
【0040】22,22’は上記検出器出力のアナログ
信号をデジタル信号に変換するA/D変換器、23はデ
ィジタルシグナル・プロセッサ(以下DSPと略記す
る)であり、DSP23は上記A/D変換器22,2
2’の出力を前記した手法で処理し、多相電圧形コンバ
ータブリッジ12’の開閉信号を出力する。24は多相
電圧形コンバータ12’のゲートを制御するゲート駆動
回路である。
【0041】図6は図5に示したDSP23における処
理を示すフローチャートである。同図は、交流電流有効
成分指令値id * と電源力率角指令値φ* が入力されて
からコンバータ開閉信号を出力するまでのフローチャー
ト示しており、出力電圧指令値V0 * と直流出力V0
ら交流電流有効成分指令値id * を求める処理は示して
いないが、例えば前記図4に示した直流制御器をDSP
23の前段に設けるか、あるいは、DSP23におい
て、前記図4のブロック図に示した処理を行うことによ
り出力電圧V0 とその指令値V0 * から交流有効成分指
令値id * を求めることができる。
【0042】次に、同図により本実施例を説明する。同
図のステップS1で電流有効成分指令値id * と力率角
指令値φ* を入力し、ステップS2において、前記した
(4)式により、電流無効成分指令値iq *を求める。
ステップS3において、A/D変換器22,22’でデ
ジタル信号に変換された交流電圧Vs 、交流電流is
出力電圧V0 をDSP23に入力する。
【0043】ステップS4において、上記入力信号から
三相交流電流信号を二相d−q座標系へ変換し、その有
効成分id ,無効成分iq を求める。ステップS5にお
いて、前記(5)式により、電流制御偏差sd ,sq
計算し、ステップS6において、電流制御偏差sd ,s
q の極性を求める。ステップS7において、前記(6)
式により、基準電圧ベクトルVd ,Vq を求める。ステ
ップS8において、前記前記図3に示した8種類のベク
トルk=0〜7に対し、出力電圧V0 により制御電圧ベ
クトルV0 d ,V0 q を計算する。
【0044】ステップS9において、上記k=0〜7の
ベクトルに対して、前記(7)式に示す有効成分極性条
件を満たすベクトルを記憶する(m個)。ステップS1
0において、上記ステップS9で記憶されたk=0〜m
のベクトルに対して、前記(7)式の無効成分極性条件
を満たすベクトルを選択する。ステップS11におい
て、選択されたベクトルに対応するスイッチ開閉信号を
出力する。
【0045】上記のようにして求められたスイッチ信号
はDSP23からゲートドライバ24に送られ、コンバ
ータブリッジ12’のスイッチング素子が制御される。
なお、上記実施例のステップS9、ステップS10にお
いては、前記(7)式を満たすベクトルを選択するよう
にしているが、前記(11)式を満足するベクトルを選
択するように構成することもでき、これにより、交流側
のLパラメータや回路抵抗の変動に対しても、制御性能
を保証できるようになる。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、本発明において
は、以下の効果を得ることができる。 (1)負荷電圧を制御できるとともに、電源側力率角を
指定通り調整することができる。 (2)基準電圧ベクトルVd ,Vq の誤差の最大値
Δd ,Δq を考慮した(11)式を用いて制御ベクトル
を選択することにより、回路パラメータ変動があって
も、負荷が変わっても制御性能が保証される。いわゆる
ロバスト性を持つ制御系を構成することができる。 (3)制御の流れが簡明で、演算に極性の判断、加減
算、乗算以外のものがないので、プログラミングや制御
回路を簡素化することができる。 (4)出力電圧二乗値フィードバックにより、制御器の
設計が容易になり、近似化制御を避け、広範囲の安定
性、均一した制御性能を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理図である。
【図2】三相電圧形コンバータの主回路構成を示す図で
ある。
【図3】三相回路上で使用可能な8種類のスイッチベク
トルを示す図である。
【図4】本発明の直流電流制御ループブロック図の一例
を示す図である。
【図5】本発明の実施例の制御装置の構成を示す図であ
る。
【図6】本発明の交流制御演算の処理内容を示すフロー
チャートである。
【符号の説明】
1 交流電流有効成分制御偏差sd を求める第
1の手段 2 交流電流無効成分制御偏差sq を求める第
2の手段 3 基準電圧ベクトルVd ,Vq を算出する第
3の手段 4 制御電圧ベクトルを求める第4の手段 5,6 sd ,sq の収束条件を算出する第5、第
6の手段 7 制御ベクトルを選択する第7の手段 8 交流電流有効成分指令値を求める直流制御
器 9 交流電流無効成分指令値を求める直流制御
器 11,12' 多相電圧形コンバータブリッジ 12 三相電圧形コンバータ 13,13' 電源側交流リアクトル 14 三相電源 14’ 多相電源 15,15' 直流コンデンサ 16,16' 負荷 17 本発明の一例の直流制御器ブロック 18 直流回路ブロック 19 電源電圧検出器 20 電源電流検出器 21 直流電圧検出器 22,22' A/D変換器 23 デジタルシグナル・プロセッサ 24 ゲートドライバ Vs 多相電源電圧 is 多相交流電流 u スイッチ状態を表すスイッチング関数 Vg 多相交流電源相電圧の最大値 ω 電源角周波数 t 時間変数 V0 直流出力電圧 V0 * 直流電圧指令値 Vsd 電源電圧有効成分 Vsq 電源電圧無効成分 id 電源電流の有効成分 iq 電源電流の無効成分 id * 電源電流の有効成分指令値 iq * 電源電流の無効成分指令値 φ* 力率角指令値 sd ,sq 電源電流有効、無効成分制御偏差 Vd ,Vq 基準電圧ベクトルの有効、無効成分 ud ,uq スイッチングベクトルの有効、無効成分 L 交流リアクトルのインダクタンス値 C 直流コンデンサ値 R 負荷抵抗値 γ 偏差収束率を決める値 sign 符号関数
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−260752(JP,A) 特開 平2−241366(JP,A) 特開 平8−19261(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H02M 7/00 - 7/40

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多相交流より直流を得る電圧型コンバー
    タと、 該コンバータの出力電圧V0 と出力電圧指令値V0 *
    から交流電流の有効成分の指令値id * を求める直流制
    御器と、 与えられた電源力率指令角φ* に基づき交流電流無効成
    分指令値iq * を求める無効電流指令値算出手段と、 交流電流の有効成分id 、無効成分iq をそれぞれ上記
    交流電流有効成分指令値id * と交流電流無効成分指令
    値iq * に一致させる交流電流制御器とを備えた多相電
    圧形コンバータ制御装置において、 上記交流制御器は、 上記有効成分指令値id * と交流電流の有効成分id
    の偏差sd もしくはその偏差の極性を求める第1の手段
    と、 上記無効成分指令値iq * と交流電流の無効成分iq
    偏差sq もしくはその偏差の極性を求める第2の手段
    と、 電源電圧、電源電流値および上記第1、第2の手段で求
    めた交流電流有効、無効成分偏差sd ,sq から基準電
    圧ベクトルの有効成分Vd 、無効成分Vq を求める第3
    の手段と、 コンバータの出力電圧値V0 とスイッチ状態で決まる制
    御電圧ベクトルに対して、その有効成分V0 d と無効
    成分V0 q を計算する第4の手段と、 上記第4の手段で計算された制御電圧ベクトルに対し
    て、その有効成分V0 d と、上記第3の手段で求めた
    基準電圧ベクトルの有効成分Vd との差を求め、その
    差、もしくは、その差の極性と上記第1の手段で求めた
    交流電流有効成分偏差sd の極性に基づき制御ベクトル
    を選択するための出力を発生する第5の手段と、 上記第4の手段で計算された制御電圧ベクトルに対し
    て、その無効成分V0 q と、上記第3の手段で求めた
    基準電圧ベクトルの無効成分Vq との差を求め、その
    差、もしくは、その差の極性と上記第1の手段で求めた
    交流電流無効成分偏差sq の極性に基づき制御ベクトル
    を選択するための出力を発生する第6の手段と、 上記第5の手段と第6の手段の出力に基づき制御ベクト
    ルを選択する第7の手段とを備え、 上記第7の手段により得たスイッチングベクトルにより
    多相コンバータを構成する半導体スイッチの開閉指令を
    与えることを特徴とする多相交流より直流を得る電圧形
    コンバータの制御装置。
  2. 【請求項2】 制御電圧ベクトルの有効成分V0 d
    基準電圧ベクトルの有効成分Vd の差を求め、 上記差と交流電流有効成分偏差sd の極性との積が、回
    路パラメータ定数の誤差により定まる上記基準電圧ベク
    トルの有効成分Vd の誤差の最大値Δd のマイナス値よ
    り小さいとき出力を発生する第5の手段と、 制御電圧ベクトルの無効成分V0 q と基準電圧ベクト
    ルの無効成分Vq の差を求め、 上記差と交流電流無効成分偏差sq の極性との積が、回
    路パラメータ定数の誤差により定まる上記基準電圧ベク
    トルの無効成分Vq の誤差の最大値Δq のマイナス値よ
    り小さいとき出力を発生する第6の手段とを備えたこと
    を特徴とする請求項1の多相交流より直流を得る電圧形
    コンバータの制御装置。
  3. 【請求項3】 直流制御器にコンバータの出力電圧指令
    値V0 * の二乗値に比例した値と出力電圧の二乗値に比
    例した値を入力し、 上記直流制御器がその偏差より交流電流有効成分指令値
    d * を得ることを特徴とする請求項1または請求項2
    の多相交流より直流を得る電圧形コンバータの制御装
    置。
  4. 【請求項4】 交流電流無効成分指令値iq * を、交流
    電流有効成分指令値id * と電源力率角の指令値φ*
    ら算出する無効電流指令値算出手段を設けたことを特徴
    とする請求項1,2または請求項3の多相交流より直流
    を得る電圧形コンバータの制御装置。
  5. 【請求項5】 交流電流無効成分指令値iq * を、交流
    電流有効成分id と電源力率角の指令値φ* から算出す
    る無効電流指令値算出手段を設けたことを特徴とする請
    求項1,2または請求項3の多相交流より直流を得る電
    圧形コンバータの制御装置。
  6. 【請求項6】 電源電圧、交流電流有効成分指令値、無
    効成分指令値および上記第1、第2の手段で求めた交流
    電流有効成分、無効成分偏差sd ,sq から基準電圧ベ
    クトルの有効成分Vd 、無効成分Vq を求める第3の手
    段を設けたことを特徴とする請求項1,2,3,4また
    は請求項5の多相交流より直流を得る電圧形コンバータ
    の制御装置。
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