JP3065517B2 - 多相交流より直流を得る電圧形コンバータの制御装置 - Google Patents
多相交流より直流を得る電圧形コンバータの制御装置Info
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- Control Of Ac Motors In General (AREA)
Description
御源として使用される多相電圧形コンバータの制御装置
に関する。
PWMパターン合成してコンバータブリッジを制御する
PWM合成法によるものが多い。このパターン合成はシ
ステム動特性を無視して、いわゆるオープンループで作
成される。
ターン合成は、コンバータの出力の平均値が所要値とな
るように半導体開閉信号を決めている。このため、不必
要とするスイッチング動作をもたらし、また、システム
瞬時状態を無視しているので、高性能の制御特性を得る
のは難しい。さらに、上記パターン合成は電源電圧位相
に同期する必要があり、ノイズ、あるいは電源電圧歪み
による同期ミスに起因する制御システムへの悪影響があ
る。また、このための特別な対策をとるとシステムがコ
ストアップする。
してなされたものであって、本発明の目的は、スイッチ
動作を扱うのが得意とするスライディングモード制御理
論を用いて、電源電圧同期を必要としない交流電源瞬時
電力を制御することによって制御性能を上げるととも
に、不必要なスイッチング動作を排除し、出力電圧を所
要値に追従させ、かつ、電源力率角も所要値に一致させ
る多相電圧形コンバータの制御装置を提供することであ
る。
ある。同図において、1〜7は本発明の交流電力制御器
を構成する各要素であり、後述する直流制御器8、無効
電力指令値算出手段9から有効、無効電力の指令値
P* ,Q* が与えられ、交流有効電力P,無効電力Qを
上記指令値に追従させる。
効電力偏差を求める第1の手段であり、第1の手段は、
無効電力指令値P* と交流有効電力Pとの偏差sp を算
出する。2は交流無効電力偏差を求める第2の手段であ
り、第2の手段は無効電力指令値Q* と交流無効電力Q
との偏差sq を算出する。交流電力制御の目標は上記電
力偏差sp ,sq をゼロに制御することである。また、
偏差の極性は後述するスライディングモード制御でベク
トル選択の一つの判別基準となる。
無効成分Ueq q を算出する第3の手段である。なお、上
記第3の手段3は本発明の請求項1では、電源電圧、交
流瞬時電力値P,Q及び電力偏差sp ,sq に基づいて
上記有効成分Ueq p 、無効成分Ueq q を計算するが、請
求項8では電源電圧、交流電力指令値P* Q* 及び電力
偏差sp ,sq に基づいて計算する。4は制御入力ベク
トルを計算する第4の手段であり、出力電圧値と、電源
電圧瞬時値とスイッチ状態で決まる電圧ベクトル値の積
で計算され、その時に制御に使える制御入力ベクトルを
計算する。そのベクトルの有効成分は交流有効電力を制
御する入力となり、無効成分は交流無効電力を計算する
入力となる。5は制御入力ベクトルのうち、有効電力制
御偏差を収束させるベクトルを抽出するため、有効成分
の極性を判別する第5の手段、6は無効電力偏差を収束
させるベクトルを抽出するため、無効成分の極性を判別
する第6の手段である。
束させるスイッチングベクトルを選択し、その対応する
半導体開閉信号を多相電圧形コンバータ負荷系12内の
多相電圧形コンバータブリッジに出力する第7の手段で
ある。8は直流制御器であり、コンバータ出力の直流電
圧を与えられた指令値に一致させるよう電源有効電力指
令値を出力する。9は交流有効電力指令値P* もしくは
交流有効電力Pと電源力率角の指令値φ * に一致させる
ような交流無効電力指令値Q* を出力する無効電力指令
値算出手段、11は負荷電力のフィードバック、あるい
は、フィードフォワードパスである。
1の発明は、偏差sp ,sq もしくはその偏差の極性を
求める第1、第2の手段と、等価入力ベクトルの有効成
分U eq p 、無効成分Ueq q を求める第3の手段と、制御
入力ベクトルV0 UP ,V0Uq を求める第4の手段
と、制御入力ベクトルの有効成分V0 UP と等価入力ベ
クトルの有効成分Ueq p との差を求め、その差もしくは
その差の極性と有効電力偏差sp の極性に基づき制御入
力ベクトルを選択するための出力を発生する第5の手段
と、制御入力ベクトルの無効成分V0 UP と等価入力ベ
クトルの無効成分Ueq q との差を求め、その差もしくは
その差の極性と無効電力偏差sq の極性に基づき制御ベ
クトルを選択するための出力を発生する第6の手段と、
第5の手段と第6の手段の出力に基づき制御ベクトルを
選択する第7の手段とを設け、第7の手段により得たス
イッチングベクトルにより多相コンバータを構成する半
導体スイッチの開閉指令を与えるように構成したもので
ある。
明において、制御入力ベクトルの有効成分V0 UP と等
価入力ベクトルの有効成分Ueq p との差を求め、その差
と交流有効電力偏差sp の極性との積が、回路パラメー
タ定数の誤差により定まる上記等価入力ベクトルの有効
成分Ueq p の誤差の最大値△pのマイナス値より小さい
とき出力を発生する第5の手段と、制御入力ベクトルの
無効成分V0 Uq と等価入力ベクトルの無効成分Ueq q
との差を求め、その差と交流無効電力偏差sqの極性と
の積が、回路パラメータ定数の誤差により定まる上記等
価入力ベクトルの無効成分Ueq q の誤差の最大値△qの
マイナス値より小さいとき出力を発生する第6の手段を
設けたものである。
は請求項2の発明において、直流制御器にコンバータの
出力電圧指令値V0 * の二乗に比例した値と出力電圧の
二乗値に比例した値を入力し、上記直流制御器がその偏
差を増幅した値Pamp より交流有効電力指令値P* を得
るように構成したものである。
は請求項2の発明において、直流制御器にコンバータの
出力電圧指令値V0 * 二乗値に比例した値と出力電圧の
二乗値に比例した値を入力し、直流制御器がその偏差を
増幅した値△P* に負荷が消費する電力値PD * を加算
して交流有効電力指令値P* を得るように構成したもの
である。
は請求項2の発明において、直流制御器にコンバータの
出力電圧指令値V0 * の二乗値に比例した値と出力電圧
の二乗値に比例した値を入力し、上記直流制御器がその
偏差を増幅した値△P* に負荷が消費する電力値PD を
ローパスフィルタを通した値を加算して交流有効電力指
令値P* を得るように構成したものである。
2,3,4または請求項5の発明において、交流無効電
力指令値Q* を交流有効電力指令値P* と電源力率角の
指令値φ* から算出する無効電力指令値算出手段を設け
たものである。
2,3,4または請求項5の発明において、交流無効電
力指令値Q* を、交流有効電力Pと電源力率角の指令値
φ* から算出する無効電力指令値算出手段を設けたもの
である。
2,3,4,5,6または請求項7の発明において、電
源電圧、交流有効電力指令値P* 、無効電力指令値Q*
および上記第1、2の手段で求めた交流有効、無効電力
偏差sp ,sq から等価入力ベクトルの有効成分
Ueq p 、無効成分Ueq q を求める第3の手段を設けたも
のである。
下のようにして電圧形コンバータを制御する。まず、コ
ンバータシステムのダイナミックスを分析して本発明の
制御方法を説明する。以下、簡単のため、主に三相交流
電源の場合を対象に本発明の理論的な説明をするが、本
発明は上記三相交流電源に限定されるものではない。
であり、同図において、15は三相交流電源、14は交
流リアクトル、13は三相電圧形コンバータブリッジ、
16は直流コンデンサ、17は負荷であり、Lは交流リ
アクトルの値、Cはコンデンサの値を示しており、同図
において、以下の定義をする(なお、以下に示すVs,
is ,Vc ,uはベクトルである)。電源電圧をVs =
〔Vs1,Vs2,Vs3〕T とする。
3)Ecos 〔ωt−2π(k−1)/3)〕(k=1,
2,3)である。ここで、Eは電源線間電圧実効値を表
す。また、電源線電流is をis =〔is1,is2,
is3〕T と定義し、出力直流電圧をV0 とする。さら
に、u=〔u1 ,u2 ,u3 〕T と定義する。なお、u
k は次の(1)式のように定義されるスイッチング関数
である。
〜P7が使用可能である(図3において、例えばベクト
ルP1の〔1,0,0〕はu1 =1,u2 =0,u3 =
0に対応する)。なお、本発明は、後述するように、上
記スイッチベクトルを所要の制御目的を達成するように
選択して、コンバータのスイッチング動作を制御し、出
力電圧を制御するとともに電源力率角を所要値に制御す
るようにしたものである。
態変数にとると、図2の回路の状態方程式は次の式
(2)となる。 Lis1' = Vs1+V0 (u1+u2+u3)/3−V0 u1 Lis2' = Vs2+V0 (u1+u2+u3)/3−V0 u2 Lis3' = Vs3+V0 (u1+u2+u3)/3−V0 u3 CV0 ' =is1u1 +is2u2 +is3u3 −i0 (2) なお、上記式において回路抵抗は微小なため省略してい
る。また、上記式において、i0 は負荷電流で、is1'
,is2' ,is3' ,V0 ' はis1,is2,is3,V0
の微分値である。
に、上記の3相の量に対して、三相の電圧瞬時値を用い
て、次のような変換を施す。 Xp =Vs1x1 +Vs2x2 +Vs3x3 Xq =〔1/√(3)〕〔Vs1(x2 −x3 )+Vs2(x3 −x1 ) +Vs3(x1 −x2 ) (3) 電源電流is1,is2,is3 について、上記変換を行う
と(x1 =is1,x2=is2,x3 =is3 とおく
と)、Xp 、Yp は瞬時電力P,Qになることが分か
る。すなわち、次の(4)式となる。 P=Vs1is1+Vs2iS2+Vs3is3 Q=〔1/√(3)〕〔Vs1(is2−is3)+Vs2(is3−is1) +Vs3(is1−is2) (4)
ング関数uに対しては、上記(3)式による変換値
Up ,Uq は図4に示すように電源電圧瞬時値の簡単な
組み合わせにより得られる電圧ベクトルとなる。また、
電源電圧自身Vs1,Vs2,Vs3に対しては、無効成分が
0、有効成分はE2 となり、電源線間実効値の二乗値と
なることが分かる。
に基づき、電源有効、無効電力(P,Q)を状態変数と
する交流回路の状態方程式は次の(5)式のようにな
る。 LP' =E2 +ωLQ−V0 Up LQ’=−ωLP−V0 Uq (5) ここで、P’,Q’はP,Qの微分値である。ここで、
本発明の主要点の一つは交流電力制御であり、上記
(5)式から、有効電力P、無効電力QはそれぞれV0
UP ,V0 Uq で制御できることが分かる。以下、(V
0 UP ,V0 Uq )を制御入力ベクトルとする。
0 UP ,V0 Uq と後述する等価操作ベクトル
(Ueq p ,Ueq q )との差と、電力制御偏差ベクトル極
性とに基づき、上記スイッチング関数uを選定し、交流
有効電力P、無効電力Qを所望の値に制御する。また、
図2に示した交直流回路から次の(6)式を導くことが
でき、これはエネルギー保存則そのものにほかならない
が、本発明の直流制御器の設計に活用している。
る手法について説明する。交流有効電力指令値をP* 、
電源力率角指令値をφ* とすると、交流無効電力指令値
Q* は次の(7)式で求めることができる。 Q* =tan(φ* ) P* (7) なお、交流有効電力Pは上記交流有効電力指令値P* に
一致するように制御されるので、上記(7)式におい
て、P* をPに置き換えても、同様に交流無効電力指令
値Q* を求めることができる。ここで、前記した交流有
効電力P、無効電力Qと、上記交流有効電力指令値
P * 、無効電力指令値Q* により、電力制御偏差ベクト
ルsp ,sq を(8)式のように定義する。 sp =P* −P sq =Q* −Q (8)
用いて制御則を決めるが、それによると、等価入力を導
入したら制御則が容易になるので、ここで、その理論に
基づき、等価入力に相当する等価入力ベクトルUeq p ,
Ueq q を次の(9)式のように定義する。 Ueq p =E2 +ωLQ−γsp Ueq q =−ωLP−γsq (9) なお、γ(≧0)は偏差収束の速さを決める正の定数ま
たは関数とする。さらに、上記式に交流有効電力、無効
電力P,Qを用いたが、その指令値P* Q* で置き換え
てもかまわない。
束させるために、次の(10)式の極性条件を満足する
ようにスイッチングベクトルuを選択すればよい。 sign(V0 Up −Ueq p )=−sign(sp ) sign(V0 Uq −Ueq q )=−sign(sq ) (10) すなわち、V0 Up −Ueq p の符号がsp の符号と相反
対し、かつ、V0 Uq−Ueq q の符号がsq の符号と相
反対するようなスイッチングベクトルuを選定し、これ
に基づき電圧形コンバータを制御すれば、上記制御偏差
ベクトルをゼロに収束させることができ。
アクトルL値)が正確で、巻き線抵抗等がゼロであると
して、等価入力ベクトルを算出しているが、実際には、
上記値に誤差が含まれるので、等価入力ベクトル
Ueq p ,Ueq q の計算に誤差が生じる場合がある。そこ
で、上記誤差を制御則に取り込み、下記のようにし制御
則を修正することにより、ロバスト性を保証できるよう
になる。
ルUeq p ,Ueq q の計算における誤差の最大値を下記
(11)式のようにΔp ,Δq とする。 |ΔUeq p |≦Δp |ΔUeq q |≦Δq (11) そして、上記Δp ,Δq をしきい値として制御則に取り
込み、前記(10)式を次の(12)式のように変え
る。 ρp =(V0 Up −Ueq p )sign(sp )+Δp <0 ρq =(V0 Uq −Ueq q )sign(sq )+Δq <0 (12) すなわち、例えば、sp >0,sq >0の場合、少なく
とも最大誤差分−Δp,−Δq だけ、V0 Up ,V0 U
q がUeq p ,Ueq q より小さくなるようなスイッチング
ベクトルuを選定することにより、交流側回路定数の誤
差があっても、制御偏差ベクトルをゼロに収束させるこ
とができる。なお、上記ρp ,ρq は右辺式から計算さ
れた値であるが、その値が小さい程、偏差の収束率が高
いので、収束率の目安とすることができる。
コンデンサ電圧(コンバータ出力電圧)の関係について
検討する。交流制御ループを十分速く整定できたら、交
流リアクトルに蓄えるエネルギーは一定と見なすことが
できるので、前記(6)式の右辺の第1項は省略でき、
電力フローは次式(13)で支配される。
電力PD でコンバータと負荷のかかわりは、負荷の種類
と関係なくこの電力だけですべてを定めてしまう。上記
式の第1項は電源から入る電力Pから負荷がとりそこな
った電力分であり、直流コンデンサを充放電させ、直流
電圧の調整に当てられる。そこで、電力指令値P* を次
の(14)式のように機能をはっきり分けた2つの部分
から構成するのが分かりやすい。 P* =P* D +ΔP* (14) P* D は直流負荷で消費される電力瞬時値あるいは平均
値に相当し、その分だけフィードバックすればよい。ま
た、ΔP* は直流コンデンサを充放電させる電力に相当
する。負荷電力を完全にP* D で補償したら次の式(1
5)が成り立つ。
関係になり、動作点付近で線形化近似して制御器を決め
ることが避けられないようであるが、その二乗V0 2 は
単純な積分である線形関係なので、これに注目すれば、
直接V0 より、その二乗値をフィードバックして制御系
を構成した方が、線形制御理論を直接使えるので好都合
で、システム自身から要求される本質的なものと言え
る。例えば、図5に示すような電力フィードバック+P
I制御器を適用しても、負荷種類および動作点と関係な
しで、固定ゲインで一定の電圧制御特性が得られる。
前記図1において、手段1〜7、9および多相電圧コン
バータ負荷系13を含む直流系回路ブロック、11’は
負荷電力フィードバックパスであり、同図に示すよう
に、上記直流電圧(コンバータ出力電圧)V0 の二乗V
0 2 とその指令値の二乗V0 *2の差をPI演算器から構
成される直流増幅器ブロック19に与え、その増幅され
た値に、負荷消費する電力P* D を加算して、電源交流
有効電力指令値P* を演算する。この場合、直流制御閉
ループ特性は次の(16)式となり、KP ,KI ゲイン
はコンデンサ値と所望応答特性より一義的に定まり簡単
に決められる。
が含まれる場合、上記電力フィードバックパス11’を
無くしてもある程度の制御性は得られる。また、インバ
ータなどの消費電力に高調波成分を多く含む負荷に対し
ては、直流コンデンサで直流電圧が高調波の影響をあま
り受けないので、負荷消費電力をローパスフィルタを通
して図5に示すようにフィードバックすれば、コンバー
タ制御に余分な努力を省くことができる。
ンバータを制御するようにしたものであり、本発明にお
いては、図1に示すように制御装置を構成し電圧形コン
バータを制御する。すなわち、まず、直流制御器8にお
いて、一例として図5のブロック18により出力電圧V
0 とその指令値V0 * 及び負荷電力値から交流有効電力
指令値P*を算出する。また、無効電力指令値算出手段
9において、前記(7)式により、交流有効電力指令値
P* と電源力率角指令値φ* から交流無効電力指令値Q
* 得る。なお、ここで、図1の点線10で示すように、
P* をPに置き換えても、同様に交流無効電力指令値Q
* を求めることができる。
前記(8)式により制御偏差ベクトルsp ,sq を求め
る。一方、第3の手段3において前記(9)式により等
価入力ベクトルUeq p ,U eq q を計算し、第4の手段に
おいて、直流電圧V0 と電源電圧と動作可能なスイッチ
状態より制御入力ベクトルの有効成分V0 Up 、無効成
分V0 Uq を計算する。そして、第4の手段において、
上記等価入力ベクトルUeq p ,Ueq q と制御入力ベクト
ルV0 Up ,V0 Uq との差V0 Up −Ueq p ,Ueq q
−V0 Uq を求める。
(V0 Up −Ueq p )、(Ueq q −V 0 Uq )と、前記
した制御偏差ベクトルsp ,sq の極性から(必要に応
じて回路パラメータ誤差により定まるUeq p ,Ueq q の
誤差の最大値ΔP ,Δq を考慮して)、スイッチングベ
クトルを選択するための出力を発生し、第7の手段7は
前記(10)または(12)式を満足するスイッチング
ベクトルuを選定し、選定されたベクトルにより多相電
圧形コンバータ12を構成する半導体スイッチを開閉
し、出力電圧を制御する。
上記のように構成したので、直流電圧制御偏差、力率角
偏差を共にゼロに収束させることができ、所望の制御目
的を達成することができる。また、本発明の請求項2の
ように、第5、第6の手段を構成することにより、回路
パラメータに変動があっても、制御性能を保証すること
ができる。
ように、直流制御器にコンバータの出力電圧とその指令
値の二乗値に比例した値を入力した制御器を構成して、
交流有効電力指令値P *を得ることにより、図5に示し
たPI制御器のような線形制御器を用いることができ、
動作状態に係わらず、固定ゲインで一定の特性を得るこ
とができる。
うに構成することにより、直流制御器により負荷消費す
る電力分はすばやく補償され、負荷変動による直流電圧
ドロープ量を小さく抑えることができる。また、本発明
の請求項6、7のように、交流有効電力指令値P* もし
くは交流有効電力Pと電源力率角指令値φ* から交流無
効電力指令値Q* を得ることにより、出力電圧ととも
に、電源側の力率角を指定通りに制御できるようにな
る。また、本発明の請求項8のように、等価入力ベクト
ルの演算に交流電力値P,Qをその指令値P* ,Q* で
代用することにより、計算量を軽減することが可能で、
また、制御則をテーブル化することが容易となる。
構成を示す図である。同図において、15’は多相交流
電源、14’は交流リアクトル、13’は多相電圧形コ
ンバータブリッジ、16は直流コンデンサ、17’は負
荷である。また、21は電源電圧検出器、22は電源電
流検出器、23は直流電圧検出器である。24,24’
は上記検出器が出力するアナログ信号をデジタル信号に
変換するA/D変換器、25はディジタルシグナル・プ
ロセッサ(以下DSPと略記する)であり、DSP25
は上記A/D変換器24,24’の出力を前記した手法
で処理し、多相電圧形コンバータブリッジ13’の開閉
信号を出力する。26は多相電圧形コンバータブリッジ
13’のゲートを駆動するゲートドライバーである。
理を示すフローチャートである。同図は、交流有効電力
指令値P* と電源力率角指令値φ* が入力されてからコ
ンバータ開閉信号を出力するまでのフローチャート示し
ており、出力電圧指令値V0 * から交流有効電力指令値
P* を求める処理は示されていないが、前記図5に示し
た直流制御器をDSP23の前段に設けるか、あるい
は、DSP23において、前記図5のブロック図に示し
た処理を行うことにより出力電圧V0 とその指令値V0
* から交流有効電力指令値P* を求めることができる。
図のステップS1で有効電力指令値P* と力率角指令値
φ* を入力し、ステップS2において、前記した(7)
式により、無効電力指令値Q* を求める。ステップS3
において、A/D変換器24,24’でデジタル信号に
変換された交流電圧Vs 、交流電流is 、出力電圧V0
をDSP25に入力する。ステップS4において、三相
交流電圧、電流信号から(4)式に基づき、電源有効電
力P、無効電力Qを求める。ステップS5において、前
記(8)式により、交流電力偏差sp ,sq を計算し、
ステップS6において、その極性を求める。ステップS
7において、(9)式により、等価入力ベクトル
Ueq p ,Ueq q を求める。
8種類のスイッチングベクトルk=0〜7に対し、電源
電圧と出力電圧V0 により制御入力ベクトルV0 Up 、
V0Uq を計算する。ステップS9において、上記k=
0〜7のベクトルに対して、前記(10)式の有効成分
極性条件を満たすベクトルを記憶する(m個)。ステッ
プS10において、上記ステップS9で記憶されたk=
0〜mのベクトルに対して、前記(10)式の無効成分
極性条件を満たすベクトルを選択する。ステップS11
において、選択されたベクトルに対応するスイッチ信号
を出力する。
はDSP25からゲートドライバー26に送られ、コン
バータブリッジ13’のスイッチング素子が制御され
る。なお、上記実施例のステップS9、ステップS10
においては、前記(10)式を満たすベクトルを選択す
るようにしているが、前記(12)式を満足するベクト
ルを選択するように構成することもでき、これにより、
交流側のLCパラメータや回路抵抗の変動に対しても、
制御性能を保証できるようになる。
は、以下の効果を得ることができる。 (1)出力電圧を制御できるとともに、電源側力率角を
指定通り調整することができる。 (2)等価操作ベクトルUeq p ,Ueq q の誤差の最大値
Δp ,Δq を考慮した(12)式を用いてスイッチング
ベクトルを選択することにより、回路パラメータ変動が
あっても制御性能が補償される。いわゆるロバスト性を
持つ制御系を構成することができる。
判断、加減算、乗算以外のものがないので、プログラミ
ングや制御回路を簡素化することができる。 (4)出力電圧二乗値フィードバックにより、制御器の
設計が容易になり、近似化制御を避け、広範囲の安定
性、均一した制御性能を得ることが可能となる。 (5)負荷電力フィードバック或いはフィードフォワー
ドを直接導入できるので、出力電圧の変動は小さく抑え
ることが可能である。 (6)直接電源瞬時電力を制御するので、従来のように
電源電圧位相と同期を必要としないので、歪み等に起因
する同期ミス等の問題がなくなる。
ある。
クトルを示す図である。
係を示す図である。
を示す図である。
る。
チャートである。
の手段 4 出力電圧と電圧ベクトルより制御入力ベクトル
を求める第4の手段 5,6 sp ,sq の収束条件を算出する第5、第6の
手段 7 制御ベクトルを選択する第7の手段 8 交流有効電力指令値を求める直流制御器 9 交流無効電力指令値を求める第9の手段 11,11” 負荷消費電力フィードバック或いはフィ
ードフォワード 12 多相電圧形コンバータ 13,13’ 多相電圧形コンバータブリッジ 14,14’ 電源側交流リアクトル 15,15’ 多相電源 16,16’ 直流コンデンサ 17,17’ 負荷ブロック 18 直流制御器 19 電圧二乗値偏差増幅器 20 直流回路ブロック 21 電源電圧検出器 22 電源電流検出器 23 直流電圧検出器 24,24’ A/D変換器 25 デジタルシグナル・プロセッサ 26 ゲートドライバー
Claims (8)
- 【請求項1】 多相交流電源より直流を得る電圧形コン
バータと、該コンバータの出力電圧Vo と、該出力電圧
の一致させる出力電圧指令値Vo * から交流有効電力指
令値P* を求める直流制御器と、 与えられた電源力率角指令値φ* と上記交流有効電力指
令値P* から交流無効電力指令値Q* を求める無効電力
指令値算出手段と、 交流有効電力P、無効電力Qをそれぞれ前記交流有効電
力指令値P* と無効電力指令値Q* に一致させる交流電
力制御器とを備えた多相電圧形コンバータ制御装置にお
いて、 上記交流電力制御器は、上記有効電力指令値P* と交流
有効電力Pとの偏差s p もしくはその偏差の極性を求め
る第1の手段と、 上記無効電力指令値Q* と交流無効電力Qとの偏差sq
もしくはその偏差の極性を求める第2の手段と、 電源電圧、電源瞬時電力値及び上記第1、2の手段で求
められた電源有効、無効電力偏差sp ,sq から等価入
力ベクトルの有効成分Ueq p 、無効成分Ueq qを求める
第3の手段と、 電源電圧瞬時値とスイッチ状態で決まる電圧ベクトルに
対して、その有効成分Up と無効成分Uq をそれぞれ直
流電圧V0 と積算して求まる制御入力ベクトル(V0 U
P,V0 Uq ) を計算する第4の手段と、 上記第4の手段で計算された制御入力ベクトルに対し、
その有効成分V0 UPと上記第3の手段で求めた等価入
力ベクトルの有効成分Ueq p との差を求め、その差もし
くはその差の極性と上記第1の手段で求めた交流有効電
力偏差sp の極性に基づき制御入力ベクトルを選択する
ための出力を発生する第5の手段と、 上記第4の手段で計算された制御入力ベクトルに対し、
その無効成分V0 UPと上記第3の手段で求めた等価入
力ベクトルの無効成分Ueq q との差を求め、その差もし
くはその差の極性と上記第2の手段で求めた交流無効電
力偏差sq の極性に基づき制御ベクトルを選択するため
の出力を発生する第6の手段と、 上記第5の手段と第6の手段の出力に基づき制御ベクト
ルを選択する第7の手段とを備え、 上記第7の手段により得たスイッチングベクトルにより
多相コンバータを構成する半導体スイッチの開閉指令を
与えることを特徴とする多相交流より直流を得る電圧形
コンバータの制御装置。 - 【請求項2】 制御入力ベクトルの有効成分V0 UP と
等価入力ベクトルの有効成分Ueq p との差を求め、その
差と交流有効電力偏差sp の極性との積が、回路パラメ
ータ定数の誤差により定まる上記等価入力ベクトルの有
効成分Ueq pの誤差の最大値△pのマイナス値より小さ
いとき出力を発生する第5の手段と、 制御入力ベクトルの無効成分V0 Uq と等価入力ベクト
ルの無効成分Ueq q との差を求め、その差と交流無効電
力偏差sq の極性との積が、回路パラメータ定数の誤差
により定まる上記等価入力ベクトルの無効成分Ueq q の
誤差の最大値△qのマイナス値より小さいとき出力を発
生する第6の手段を備えたことを特徴とする請求項1の
多相交流より直流を得る電圧形コンバータの制御装置。 - 【請求項3】 直流制御器にコンバータの出力電圧指令
値V0 * の二乗に比例した値と出力電圧の二乗値に比例
した値を入力し、 上記直流制御器がその偏差を増幅した値Pamp より交流
有効電力指令値P* を得ることを特徴とする請求項1ま
たは請求項2の多相交流より直流を得る電圧形コンバー
タの制御装置。 - 【請求項4】 直流制御器にコンバータの出力電圧指令
値V0 * の二乗値に比例した値と出力電圧V0 の二乗値
に比例した値を入力し、 上記直流制御器がその偏差を増幅した値△P* に負荷が
消費する電力値PD *を加算して交流有効電力指令値P
* を得ることを特徴とする請求項1または請求項2の多
相交流より直流を得る電圧形コンバータの制御装置。 - 【請求項5】 直流制御器にコンバータの出力電圧指令
値V0 * の二乗値に比例した値と出力電圧V0 の二乗値
に比例した値を入力し、 上記直流制御器がその偏差を増幅した値△P* に負荷が
消費する電力値PD をローパスフィルタを通した値を加
算して交流有効電力指令値P* を得ることを特徴とする
請求項1または請求項2の多相交流より直流を得る電圧
形コンバータの制御装置。 - 【請求項6】 交流無効電力指令値Q* を交流有効電力
指令値P* と電源力率角の指令値φ* から算出する無効
電力指令値算出手段を設けたことを特徴とする請求項
1,2,3,4または請求項5の多相交流より直流を得
る電圧形コンバータの制御装置。 - 【請求項7】 交流無効電力指令値Q* を、交流有効電
力Pと電源力率角の指令値φ* から算出する無効電力指
令値算出手段を設けたことを特徴とする請求項1,2,
3,4または請求項5の多相交流より直流を得る電圧形
コンバータの制御装置。 - 【請求項8】 電源電圧、交流有効電力指令値P* 、無
効電力指令値Q* および上記第1、2の手段で求めた交
流有効、無効電力偏差sp ,sq から等価入力ベクトル
の有効成分Ueq p 、無効成分Ueq q を求める第3の手段
を設けたことを特徴とする請求項1,2,3,4,5,
6または請求項7の多相交流より直流を得る電圧形コン
バータの制御装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7269804A JP3065517B2 (ja) | 1995-10-18 | 1995-10-18 | 多相交流より直流を得る電圧形コンバータの制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7269804A JP3065517B2 (ja) | 1995-10-18 | 1995-10-18 | 多相交流より直流を得る電圧形コンバータの制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09117149A JPH09117149A (ja) | 1997-05-02 |
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ID=17477410
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP7269804A Expired - Fee Related JP3065517B2 (ja) | 1995-10-18 | 1995-10-18 | 多相交流より直流を得る電圧形コンバータの制御装置 |
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Country | Link |
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1995
- 1995-10-18 JP JP7269804A patent/JP3065517B2/ja not_active Expired - Fee Related
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