JP2912385B2 - Dnaプローブアッセイおよびそれに用いるキット - Google Patents

Dnaプローブアッセイおよびそれに用いるキット

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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
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    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q1/00Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、試料中のDNAのストランドに相補的なDNAを
有する標識プローブストランドを用い、標識プローブス
トランドを分析することにより試料中のDNAの存在を検
出するためのアッセイ法に関する。
(従来の技術および発明が解決しようとする課題) 一般にDNAプローブアッセイには、試料中の第一のオ
リゴヌクレオチドのストランドの1または2以上のコピ
ーを分析することが含まれるが、このことは、該第一の
ストランドに相補的なオリゴヌクレオチドの第二のスト
ランドを複数導入して、該第一のストランドが試料中に
存在する場合に該第一のストランドにハイブリダイズさ
せることによって行なわれる。第二のストランドは標識
される(たとえばリン−32、アクリジンやルミノールの
ような化学発光化合物、フルオレセインやローダミンの
ような蛍光化合物、ビオチン、アルカリボスファターゼ
や酸性ホスファターゼのような酵素、およびそのような
標識を含有するリポソームにより)ので、該ストランド
は試料中で検出することができる。
過去におけるDNAプローブアッセイに付随する問題の
一つは、ハイブリダイズしたプローブストランドをハイ
ブリダイズしていないプローブストランドから分離する
点にある。プローブ、目的物およびプローブ−目的物二
量体間での大きさ(サイズ)の相異に基づいた分離シス
テムを作動させることもできるが、これに用いる方法は
長時間を要し、自動化が困難である。一例として、サザ
ーンブロッティングアッセイ[サザーン(Southern)、
Journal Molecular Biology、98:503〜517(1975)]は
自動化が困難である。サイズ分離を利用した他のアッセ
イは、B型肝炎(HB)ウイルスのためのアボット・ラボ
ラトリーズジェノスチックス(Genostics)アッセイで
ある。このジェノスチックスアッセイでは、天然のHB D
NAをヨウ素−125標識プローブとハイブリダイズさせ
る。DNA−プローブハイブリッドを、ついで、充分な容
量の溶出液を用いてサイズ排除カラムに通し、収集フラ
スコ中にハイブリッド溶液のみを集める。ついでフラス
コを標準的な方法により放射性同位体についてアッセイ
する。この方法はよく作動するものであるが、なお専門
家が試験を行う必要がある。この方法はまた、自動化に
は向かない。自動化システムにおける分離の問題には満
足のいく解決法がほとんど提起されていないのが現状で
ある。
(課題を解決するための手段) 本発明は、試料中の第一のオリゴヌクレオチド配列を
検出するためのアッセイ法であって、 (i)実質的に中性に荷電された、該第一のオリゴヌク
レオチド配列とハイブリダイズすることのできる第二の
オリゴヌクレオチド配列を試料中に導入して、該第一の
オリゴヌクレオチド配列と該第二のオリゴヌクレオチド
配列をハイブリダイズさせ、 (ii)正に荷電した固相に該試料を接触させてハイブリ
ダイズしたオリゴヌクレオチドを該固相に保持させるこ
とにより、該ハイブリダイズした第二のオリゴヌクレオ
チドからハイブリダイズしていない第二のオリゴヌクレ
オチドを分離し、ついで (iii)該固相または該ハイブリダイズしていない第二
のオリゴヌクレオチド配列における該第二のオリゴヌク
レオチド配列の存在、量を分析することにより該試料中
の該第一のオリゴヌクレオチド配列の存在または量を決
定する ことを特徴とする方法;および 第一のオリゴヌクレオチド配列の存在について試料を分
析するためのキットであって、 a)正に荷電した固相、および (b)該第一のオリゴヌクレオチド配列とハイブリダイ
ズすることのできる実質的に中性に荷電した第二のオリ
ゴヌクレオチド配列 からなることを特徴とするキットを提供するものであ
る。
本発明のDNAプローブアッセイに用いるプローブスト
ランドは、ハイブリダイズしたプローブストランドをハ
イブリダイズしていないプローブストランドから容易に
分離することを可能にする。従って、本発明のDNAプロ
ーブアッセイは、適当な標識を用いれば、自動化装置を
用いて作動させるよう容易に適合させることができる。
本発明のアッセイによれば、第一のオリゴヌクレオチ
ド配列に相補的な第二のプローブオリゴヌクレオチド配
列を試料中に導入することにより、試料中の該第一のオ
リゴヌクレトチド配列を検出することができる。第二の
オリゴヌクレオチド配列は、該第一のオリゴヌクレオチ
ド配列および該第二のプローブオリゴヌクレオチド配列
がハイブリダイズすることができるように、中性に荷電
したヌクレオチドからなる。ハイブリダイズしたプロー
ブストランドからハイブリダイズしていないプローブス
トランドを分離するには、正に荷電した固相に試料を接
触させ、ついで洗浄するだけでよい。試料中の第一のオ
リゴヌクレオチドストランドを構成する各ヌクレトチド
中にはP=O残基が存在するため、第一のオリゴヌクレ
オチド配列は固有の負の荷電を含んでいる。この負に荷
電した部分は正に荷電した固相上に保持されるから、ハ
イブリダイズされたプローブストランドもまた固相上に
保持される、ハイブリダイズしていない中性に荷電した
プローブストランドは、固相上に保持されない。それゆ
え、プローブストランドに適当な標識を用いれば、標識
の存在について固相またハイブリダイズしていないプロ
ーブストランドをアッセイすることにより、試料中の第
一のプローブストランド配列の量または存在を分析する
ことができる。
本発明の第一の態様においては、プローブストランド
をアルキルホスホネートヌクレオチドから合成し、その
ことにより荷電したP=O残基をプローブストランドか
ら除くことによってプローブストランドを中性に荷電す
るようにする。アルキルホスホネートヌクレオチドは、
キラルに分割し、各ヌクレオチドのうち実質的にR立体
異性体のみを用いるのが好ましい。RとSの立体異性体
の混合物(ラミセ混合物)は、キラルに分割したプロー
ブストランドほどには試料中の第一のオリゴヌクレオチ
ド配列と充分にハイブリダイズしないことがわかってい
る。
以下、本発明をさらに詳しく説明する。
本発明は、プローブストランドと試験すべき試料中の
オリグヌクレオチド配列とがハイブリダイズするDNAプ
ローブアッセイにおいて、中性に荷電したDNAプローブ
ストランドを使用することを含む。血液、細菌または他
の体液などの試料中のDNAは、通常、荷電したP=O残
基を有するヌクレオチドからなっており、このためDNA
ストランドおよび試料は全体的に負の荷電を有する。荷
電していないプローブストランドが試料中の負に荷電し
たオリゴヌクレオチド配列とハイブリダイズすると、ハ
イブリダイズしたDNAストランドもまた全体的にみれば
負に荷電している。それゆえ、ハイブリダイズしたプロ
ーブストランドおよびハイブリダイズしていないプロー
ブストランドの両方を含んでいる試料を正に荷電した固
相と接触させることによって、ハイブリダイズしたDNA
ストランドをハイブリダイズしていないプローブストラ
ンドから分離することができる。負に荷電したハイブリ
ダイズしたストランドは正に荷電した固相上に集まる
が、荷電していないハイブリダイズしていないプローブ
ストランドは集まらない。ハイブリダイズしたプローブ
ストランドを含んでいる固相をハイブリダイズしていな
いプローブストランドを含んでいる液相から分離するの
は当該技術分野で知られた簡単なことであり、また試料
中の決定すべきオリゴヌクレオチド配列の存在または量
は、固相上のハイブリダイズしたプローブストランドの
量を測定するかまたは液相中のハイブリダイズしていな
いプローブストランドの量を測定することにより確かる
ことができる。本発明の好ましい態様においては、目的
DNAを含む試料中に存在しているかもしれないタンパク
質を加水分解するために、プローブストランドを導入す
る前にタンパク質分解酵素プロテイナーゼKを試料に加
える。
中性に荷電したオリゴヌクレオチド 本発明に用いる中性に荷電したオリゴヌクレオチド
は、アルキルホスホネートであるのが好ましく、これは
塩基中の通常のP=Oで示される負に荷電した残基をア
ルキル化ホスホネート基で置き換えたものである。使用
することのできるアルキルホスホネートの具体例として
は、メチルホスホネート、エチルホスホネート、メチル
チオホスホネートおよびメトキシホスホネートが挙げら
れる。上記アルキルホスホネートが3′位において付加
することのできるヌクレオチドの例としては、チミジ
ン、グアニジン、アデノシン、ジチジンおよび5−アミ
ノアリルウリジンが挙げられる。
アルキル化ホスホネートヌクレオチドを用いてプロー
ブストランドに「中性の荷電」を付与するに際して、プ
ローブストランドを100%アルキルホスホネートヌクレ
オチドから合成する必要はない。プローブストランドが
充分な割合の「中性に荷電した」ヌクレオチドから合成
され、ハイブリダイズしていないプローブストランドは
正に荷電した固相を通り抜けてしまうかまたは洗浄によ
り除くことができるが、ハイブリダイズしたプローブス
トランドは固相により保持される限り、そのようなプロ
ーブストランドは「実質的に中性に荷電した」ものとし
て本発明の範囲に含まれる。本発明のプローブストラン
ドは、中性に荷電したヌクレオチドを少なくとも75%含
んでいなければならないと思われる。
アルキル化ホスホネートヌクレオチドを合成する際
に、各リン上にキラル中心が生成することがわかってい
る。ヌクレオチドのR立体異性体およびS立体異性体を
互いに分割し、R立体異性体ヌクレオチドのみからプロ
ーブストランドを合成するのが好ましい。R立体異性体
ヌクレオチドは、S立体異性体やラセミ体からのプロー
ブストランドに比べて試料中の目的オリゴヌクレオチド
配列と一層容易にハイブリダイズすることがわかってい
る。R立体異性体とS立体異性体の分離は、以下の実施
例1に記載してある。中性に荷電したオリゴヌクレオチ
ドを製造するのに用いることのできる他の方法として
は、4種の主要なヌクレオシド三リン酸のためにキラル
に分割したα−P−アルキルヌクレオシド三リン酸を調
製し、ついでこれらの塩基をDNAポリメラーゼを用いて
酵素的にプローブ中に導入する方法が挙げられる。
固相 本発明では、正に荷電した固相物質を利用する。本発
明の固相物質は、負に荷電したハイブリダイズしたプロ
ーブストランドを誘引することのできる内在的な能力に
よって選択することができ、たとえば、メチル化羊毛、
ナイロン、およびある種のガラスが固有の正の荷電を有
している。別のやり方として、正に荷電した物質を固相
物質上にコーティングするかまたは結合させることがで
きる。固相物質には、流体が容易にその中を流れ通り過
ぎることのできる、当該技術分野で知られたあらゆる多
孔質物質が含まれる、たとえば、固相物質には、(1)
1または2以上のアッセイ試薬を含有する1または2以
上の層を有するフロースルー(flow through)アッセイ
に用いるためのガラス繊維、セルロース、またはナイロ
ン、(2)ディップ・アンド・リード(dip and read)
アッセイのためのディップスティック、または(3)1
またはすべての試薬が固相物質の単一のストリップの別
々の領域に含まれているクロマトグラフィー法のための
ストリップ(たとえば、紙)または薄層(たとえば、ニ
トロセルロース)が含まれる。しかしながら、固相物質
は多孔質物質に限られるものではない。固相物質は、ビ
ーズ、磁気ビーズ、ラテックス粒子、ガラス試験管、ま
たは内存的な正の荷電を有するかまたは正に荷電した物
質を保持することのできる他のあらゆる物質が含まれ
る。
天然の物質、合成物質、または合成的に修飾した天然
に存在する物質を固相物質として用いることができる。
そのような物質の具体例としては、多糖類、たとえば紙
やセルロース誘導体(酢酸セルロース、ニトロセルロー
スを含む)のようなセルロース物質;シリカ;不活化ア
ルミナ、ケイソウ土、硫酸マグネシウムのような無機物
質、または多孔質ポリマーマトリックス中に均一に分散
させた他の微細に粉砕した無機物質(この場合のポリマ
ーとしては、塩化ビニル、塩化ビニル−プロピレンコポ
リマー、塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー、天然に存
在する布(たとえば、綿)および合成の布(たとえば、
ナイロン)が挙げられる);シリカゲル、アガロース、
デキストランおよびゼラチンのようなゲル;ポリアクリ
ルアミドのようなポリマーフィルムなどが挙げられる。
好ましい固相物質には、ファットマン(Whatman)934
−AH濾紙(名目上の厚さ:0.33mm)のような多孔質ガラ
ス繊維物質または他の繊維マトリックス装置が含まれ
る。物質の厚さは重要ではなく、試験試料の流動性など
のような、主として試料またはアッセイすべき分析対象
物の性質に依存した単なる選択の問題に過ぎないであろ
う。
固相物質の固有の荷電を変化させ、または大きくする
ために、正に荷電した物質を固相物質に直接コーティン
グするか、または該正に荷電した物質を微細粒子にコー
ティングして該微細粒子を固相物質に保持させることが
できる。別のやり方として、荷電した固相物質として微
細粒子を単独で用いることができる。可能な荷電物質の
一つはポリマー性カチオンであり、該ポリマー性カチオ
ンは固相物質によって保持され、負に荷電したハイブリ
ダイズしたプローブストランドを反対荷電間での引力に
より引き付け保持するであろう。広範囲の専売ポリカチ
オンが入手可能であり、これには、ガフコート(GafQua
t)(GAFコーポレーション、ウエイン、ニュージャージ
ー07470)、セルコート(CelQuat)L−200およびセル
コートH−100[ナショナル・スターチ・アンド・ケミ
カル・コーポレーション(National Starch and Chemic
al Corporation)、ブリッジウォーター、ニュージャー
ジー08807]のような第四級アンモニウム塩が含まれ
る。
荷電物質を粒子(たとえばビーズや微細粒子)上にコ
ーティングすることができる。これらの粒子は、カラム
中の保持するかまたは可溶性試薬と試験試料との混合物
中に懸濁することにより固相として働くし、または粒子
自体を固相物質により保持し固定化することもできる。
本明細書において「保持し固定化する」とは、固相物質
上の粒子が固相物質内のどこの位置へでも実質的に移動
し得ることを意味する。これらの物質は、ポリスチレ
ン、ポリメチルアクリレート、ポリプロピレン、ラテッ
クス、ポリテトラフルオロエチレン、ポリアクリロニト
リル、ポリカーボネートまたは同様の物質からなる適当
な微細物質から当業者により選択することができる。粒
子の大きさは重要ではないが、粒子の平均直径は使用し
た固相物質の平均孔径よりも小さいのが好ましい。
以下の実施例は本発明のDNAプローブアッセイを行う
ための好ましい態様を示すものである。しかしながら、
本発明はこれらに限られるものではない。
実施例1 鏡像体的に純粋な3′−メチルホスホネート置換ヌク
レオチドを、レスニコウスキー(Lesnikowski)、ウオ
ーカニン(Wolkanin)およびステック(Stec)の方法
[Tetrahedron Letters、28、5535〜8(1987)]によ
り調製した。5′−O−モノメトキシトリチルチミジン
−3′−O−(O−(4−ニトロフェニル)メタンホス
ホネート)のSp鏡像体(下記式)およびRp鏡像体(下
記式)の合成法は、以下のとおりである。
5′−MMT−N−4−ベンゾイルアデノシン、5′−M
MT−N−4−ベンゾイルシチジン、および5′−MMT−
N−2−イソブチルグアニジンメチルホスホネート誘導
体を同様に調製した。火炎乾燥フラスコ中のアルゴン雰
囲気下のピリジン(6ml)中のMeP(O)Cl2(200mg)の
溶液に、ピリジン(3ml)中の5′−O−モノメトキシ
トリチルチミジン(257.7mg)の溶液を室温にて45分か
けて加えた。添加を完了したら混合物をさらに1時間撹
拌し、ついで4−ニトロフェノール(627mg)を一度に
加えた。1時間撹拌した後、50%ピリジン水溶液(2m
l)で反応を停止させた。飽和NaHCO3(90ml)を加えた
後、懸濁液をCHCl3で抽出した(2×100ml)。クロロホ
ロム抽出物をMgSO4上で乾燥させ、濾過し、蒸発させ、
真空乾燥した。残渣をCHCl3中の1%MeOH(6ml)中に溶
解し、この溶液を同じ溶媒を充填したフラッシュクロマ
トグラフィーカラムにかけた。CHCl3中のMeOHの1〜8
%勾配を用い、化合物を溶出した。シリカゲル上、CHCl
3:MeOH=95:5においてRfが0.6および0.53であるUV活性
スポットから、化合物(8.59mg)および化合物(91
mg)がそれぞれ得られた。
実施例2 上記レスニコウスキー、ウオーカニンおよびステック
の方法と同様にして、実施例1で得た光学的に純粋な化
合物を下記式で示される3′−アセトキシチミジンと縮合した。式:
5′:−TT*T*T*T*T−3′(式中、星印は光学
的に純粋な3′→5′メチルホスホネート結合を表す)
で示されるオリゴマーを、5′方向に成長するオリゴヌ
クレオチド鎖へ化合物を連続的に縮合することを含む
段階工程により調製した。通常のホスホジエステル結合
が得られる最後の縮合は、5′−アセトキシチミジン−
3′−ホスフェート、DCCおよびテトラゾールを用いて
行った。アルゴン雰囲気下で0℃のTHF(7ml)中の3′
−アセトキシチミジン(16.6mg)の溶液に、THF(30μ
)中の2.0Mt−BuMgClをスポイトで加えた。15分以内
に白色の沈殿が生成した。懸濁液を0℃にてさらに30分
間撹拌し、ついでTHF(3ml)中に溶解した化合物(32
mg)を加えた。混合物を室温で1時間撹拌し、ついでDM
F(100μ)を加えた。混合物を全部で19時間撹拌し
た。溶媒を真空下で除き、残渣を真空乾燥した。この物
質をCHCl3中の0.8%MeOH中に入れた。CHCl3中の0.8%、
2%、4%、6%および8%MeOH各250mlの段階勾配を
用い、この物質のフラッシュクロマトグラフィーを行っ
た。CHCl3中の6%MeOHに生成物が溶出し、CHCl3:MeOH=95:5においてRfが0.32であっ
た。CHCl3:MeOH(7:3)中の2%トルエンスルホン酸を
用い、得られた付加物の5′末端からモノメトキシトリ
チル基を除いて下記化合物を得た。
ついで、化合物を、鎖を延長し、t−BuMgClで5′
−OHを脱プロトン化し、得られたアニオンを他の化合物
と反応させるために用いた。
実施例3 実施例4に記載するイオン捕捉アッセイに用いるた
め、ガラス繊維フィルターディスクのためのカチオン性
クオートコーティングプロトコールを以下に詳述する。
10個のファットマン(Whatman)の細いガラス繊維フィ
ルターディスク(2.5cmID)のそれぞれを、水中のセル
コートL−200(ナショナル・スターチ・アンド・ケミ
カル・コーポレーション、バッチ#10、製造年月日5−
3−82)の溶液(25mg/ml;10ml)中に2時間30分浸漬し
た。ついでセルコート溶液をデカントし、各ディスクを
蒸留水(10×20ml)で洗浄した。これらのカチオンフィ
ルターを用いたアニオン捕捉の効率を試験するために、
以下のコントロール実験を行った。16−mer M13ハイブ
リダイゼーションプローブプライマー5′−dCACAATTCC
ACACAAC−3′(ニュー・イングランド・バイオラブズ
(New England Biolabs)、#1202、ロット14〜15)の
試料(0.5ピコモル)を、T4ポリヌクレオチドキナーゼ
およびγ−32P ATP(2.5ピコモル)を用いてキナーゼ処
理した。放射性DNAを500μに希釈し、3アリコートに
て6個の1cmIDフィルターディスクに加えた。このうち
3個のディスクはセルコートL−200で処理をしていた
が、他の2個は同処理をしていなかった。ディスクを10
0mM NaCl/10mMトリス/1mM EDTA緩衝液(pH8.0;STE)(1
ml)で洗浄した。放射活性についてフィルターをシンチ
レーションカウンター中でアッセイした。セルコート処
理したフィルターは全体で71%の放射活性カウントを保
持したが、コントロールのフィルターは7%の放射活性
カウントを保持しただけであった。従って、本発明のカ
チオン性のクオート処理したガラス繊維フィルターは、
クオート処理していないガラス繊維フィルターに比べて
DNAのようなポリアニオンを取り込み保持することがで
きる。従って、このイオン性捕捉アッセイ態様を用いて
DNAをアッセイすることができる。
実施例4 オリゴマー:5′−TT*T*T*T*T−3′(式
中、T*は3′から5′へとR立体化学のMeP(O)結
合を表す)の5′末端を32Pで標識するために、T4ポリ
ヌクレオチドキナーゼおよびγ−32PATPで処理した。つ
いで末端標識したプローブを55℃にて1時間、pd
(A)20(ファルマシア、ロット#00088472)にハイブ
リダイズした。実施例3で得たクオート処理フィルター
ディスクに上記二量体を適用しSTE緩衝液(1ml)で洗浄
したときは、シンチレーションカウンティングにより示
されるように放射性カウントのほとんどがフィルターデ
ィスク上に残った。このことは、ハイブリダイゼーショ
ンが起こったことを示していた。従って、本質的に標的
DNAを用いて中性プローブをフィルターに結合させるこ
とにより、標的中性プローブを本アッセイ形態において
検出することができる。コントロール実験においては、
オリゴマーをγ−32P−ATPおよびT4ポリヌクレオチド
キナーゼでキナーゼ処理し、放射性プローブをクオート
非処理フィルターディスクに適用した。1mlのSTEで洗浄
した後に、標的中性プローブから放出される全放射能カ
ウントは1%未満しか検出することができなかった。
実施例5 本実施例では、ラセミ体メチルホスホネート中性プロ
ーブの合成および精製を記載する。M13に相補的な17−m
er GT*C*A*T*A*G*C*T*G*T*T*T
*C*C*T*G*(式中、*は結合塩基間の5′末
端および3′末端間でのラセミMeP(O)結合を表す)
を、適当なメチルホスホールアミダイト(methylphosph
oramidites)を用い、アプライドバイオシステムズDNA
シンセサイザー(Applied Biosystems DNA synthesize
r)上で合成した。トリチル基を有する中性オリゴヌク
レオチドを逆相HPLCにより精製し、ついで80%酢酸水溶
液(300μ)によりトリチル基を除去した、このトリ
チル除去中性プローブをゲル電気泳動(50mMヒスチジ
ン、pH7.6、300v)により精製した。ついで32P ATP(ア
マーシャム)およびポリヌクレオチドキナーゼ(ファル
マシア)を用い、プローブの5′末端を37℃で30分間
標識した。プローブを50%ホルムアミド(500μ)中
に入れ、10μアリコートにてセルコート−L200処理フ
ィルター(1cmID)上に適用した。30秒後にフィルター
をSTE緩衝液(1ml)で洗浄した。フィルターのシンチレ
ーションカウンティングは、全部で0.97%の放射能がフ
ィルターディスク上に残っていることを示していた。
実施例6 本発明のイオン捕捉形態でM13DNAをアッセイするため
に、ほとんど中性のDNAプローブを用いた。一本鎖鋳
型DNA標的(M13mp18、ニュー・イングランド・バイオラ
ブズ、404C)およびコントロールDNA(φX174、BRL、52
645A)を3Mホスフェート(pH6.8)中に希釈し、溶液25
μ中にDNAの最終濃度15ピコモルとした。ついで。キ
ナーゼ処理プローブを溶液をDNAアリコートに加え
た。ついで溶液を5分間沸騰させ、ついで47℃に冷却し
た。5時間インキュベートした後、個々の試料の加工
(processing)が始まるまで氷水中に冷却停止させた。
ハイブリダイゼーション溶液をセルコートL200処理ガラ
ス繊維ディスク(1cmID円形)に適用し、0.02%NaN3
含むSTE(pH7.8、1ml)で洗浄した。ついで、残留する
放射能についてディスクをシンチレーションカウンター
中でアッセイした。プローブ/M13フィルター上のカウ
ントは、プローブのみを有するフィルター上のカウン
トよりも30%高いことが観察された。この結果は、本発
明のイオン捕捉アッセイ形態において適当なラセミ体メ
チルホスホネートプローブを用いることにより、あらゆ
る配列の標的DNAをアッセイすることができることを示
している。
実施例7 本発明のイオン捕捉形態でM13DNAをアッセイするため
に、ほとんど中性のDNAプローブ6(実施例5)を用い
ることができる。一本鎖鋳型DNA標的(M13mp18、ニュー
・イングランドア・バイオラブズ)およびコントロール
DNA(φX174、ベセスダ・リサーチ・ラボラトリーズ)
を緩衝液(30mM NaCl、10mMトリス、10mM MgCl2、pH8.
0)中に希釈し、25μの溶液中でのDNAの最終濃度を1
〜100ピコモルとする。キナーゼ処理プローブ溶液をD
NAのアリコートに加え、最終容量を50μとする。この
溶液を2分間沸騰させ、ついで45℃に冷却する。16時間
インキュベートした後、氷水中で冷却停止させる。ハイ
ブリダイゼーション溶液を96ウエルマイクロタイタープ
レートの個々のウエルに加えるが、このとき各ウエルは
0.1%ポリリシン(100−mer、シグマ、セントルイス、M
O)でコーティングしてある。ハイブリダイゼーション
混合物をウエル中、22℃で30分間インキューベートし、
ついでマイクロタイタープレートを緩衝液で洗浄する。
ウエルは分離することができ、液体シンチレーションカ
ウンティングにより放射能をカウントして標的DNAが捕
捉されたかどうかを確立することができる。
実施例8 本質的に実施例7に記載したようにして、M13DNAをア
ッセイするためにほとんど中性のプローブを用いるこ
とができる。プローブをキナーゼ処理しないが、標準的
な方法を用いてアルカリホスファターゼに結合させる、
希釈およびハイブリダイゼーション緩衝液は、0.1%BSA
を含んでいた。ハイブリダイズする前にプローブ−鋳型
混合物を沸騰させることはせず、45℃で16時間インキュ
ベートさせるだけである。実施例7に記載のようにし
て、溶液を処理マイクロタイタープレートに加え、イン
キュベートし、洗浄する。ウエルを分離して放射能をカ
ウントする代わりに、そのままのプレートの各ウエルに
ジニトロフェニルホスホネートを含有する溶液を加え
る。22℃で15分間インキュベートした後、1MH2SO4のア
リコートを加え、分光測光法により各ウエル中の色を決
定し、標的DNAが捕捉されたかどうかを確立する。
実施例9 本実施例では、本発明の方法をキットに使用すること
を記載する。目的のDNAを含有している血清試料をまず
プロテイナーゼKで溶解し、カチオン性ガラス繊維フィ
ルター上の部位について競合するポリアニオン性のタン
パク質を破壊する。ついで標識中性プローブを加える。
プローブと標的とのハイブリダイゼーションが完了した
後、カチオン荷電フィルターに試料を通す。ついでフィ
ルターをSTEで洗浄する。濾過した後、適当な方法を用
いて標識DNAプローブをフィルター上でアッセイするこ
とができる。溶液相アッセイを所望とするときは、フィ
ルターディスクに結合したDNA−プローブ二量体を2Mピ
ペリジン水溶液で処理し、ついで他の洗浄工程を行うこ
とができる。ピペリジン処理により中性プローブ骨格が
開裂し、洗浄工程により標識溶液が得られる。
実施例10 本実施例では、三リン酸のαリン上にキラルなメチル
ホスホネート基を有するヌクレオシド三リン酸の合成を
記載する。必要な4つのキラルなP−メチル三リン酸を
鋳型の存在下でDNAポリメラーゼで処理することによ
り、キラルなメチルホスホネート骨格を有する相補的な
プローブストランドが得られる。αPS−およびPR−メチ
ルチミジン三リン酸の合成を記載する。αPS−およびPR
−メチルATP、CTPおよびGTPも同様にして合成した。ピ
リジン中の3′−O−アセチルチミジンの1M溶液をMeP
(O)Cl2の3.0当量に加えた。室温で1.5時間撹拌した
後、9.0当量の4−ニトロフェノールを加えた。CHCl3
の0.5〜10%MeOH直線勾配を用い、RおよびS鏡像体を
シリカゲルカラム上のHPLCにより分離した。個々の鏡像
体のリンにおける絶対配置の確立は、塩基により3′−
アセトキシ基を脱保護し、ついでその場で環状化して環
状3′,5′−メタンホスホネート(cTMPCH3)(立体配
置は知られている)を得ることにより行った。分割した
鏡像体を二リン酸アニオンで処理し、ジオキサン/THF中
の三リン酸を得た。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C12Q 1/68 WPI(DIALOG)

Claims (16)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】試料中の第一のオリゴヌクレオチド配列を
    検出するためのアッセイ法であって、 (i)実質的に中性に荷電された、該第一のオリゴヌク
    レオチド配列とハイブリダイズすることのできる第二の
    オリゴヌクレオチド配列を試料中に導入して、該第一の
    オリゴヌクレオチド配列と該第二のオリゴヌクレオチド
    配列とをハイブリダイズさせ、 (ii)正に荷電した固相に該試料を接触させてハイブリ
    ダイズしたオリゴヌクレオチドを該固相に保持させるこ
    とにより、該ハイブリダイズした第二のオリゴヌクレオ
    チドからハイブリダイズしていない第二のオリゴヌクレ
    オチドを分離し、ついで (iii)該固相または該ハイブリダイズしていない第二
    のオリゴヌクレオチド配列における該第二のオリゴヌク
    レオチド配列の存在、量を分析することにより該試料中
    の該第一のオリゴヌクレオチド配列の存在または量を決
    定する ことを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】第二のオリゴヌクレオチド配列の分析を、
    該配列を検出可能な標識で標識することにより行う請求
    項(1)記載のアッセイ法。
  3. 【請求項3】中性に荷電したオリゴヌクレオチド配列が
    アルキルホスホネートヌクレオチドを含む請求項(1)
    記載のアッセイ法。
  4. 【請求項4】第二のオリゴヌクレオチド配列がキラルに
    分割したヌクレオチドから選ばれたものである請求項
    (3)記載のアッセイ法。
  5. 【請求項5】正に荷電した固相が多孔質物質からなるも
    のである請求項(1)記載のアッセイ法。
  6. 【請求項6】多孔質物質が正に荷電した物質でコーティ
    ングされている請求項(5)記載のアッセイ法。
  7. 【請求項7】正に荷電した物質が、第四級アンモニウム
    塩、ガフコート、セルコートL−200およびセルコート
    H−100よりなる群から選ばれたものである請求項
    (6)記載のアッセイ法。
  8. 【請求項8】第一のオリゴヌクレオチド配列の存在につ
    いて試料を分析するためのキットであって、 (a)正に荷電した固相、および (b)該第一のオリゴヌクレオチド配列とハイブリダイ
    ズすることのできる実質的に中性に荷電した第二のオリ
    ゴヌクレオチド配列 からなることを特徴とするキット。
  9. 【請求項9】第二のオリゴヌクレオチド配列がアルキル
    ホスホネートヌクレオチドを含む請求項(8)記載のキ
    ット。
  10. 【請求項10】アルキルホスホネートヌクレオチドがキ
    ラルに分割したものである請求項(9)記載のキット。
  11. 【請求項11】アルキルホスホネートヌクレオチドがR
    立体異性体である請求項(10)記載のキット。
  12. 【請求項12】第二のオリゴヌクレオチド配列が標識を
    含む請求項(8)記載のキット。
  13. 【請求項13】固相が多孔質である請求項(8)記載の
    キット。
  14. 【請求項14】固相が多孔質であり、正に荷電した物質
    でコーティングされている請求項(8)記載のキット。
  15. 【請求項15】正に荷電した物質が、第四級アンモニウ
    ム塩、ガフコート、セルコートL−200およびセルコー
    トH−100よりなる群から選ばれたものである請求項(1
    4)記載のキット。
  16. 【請求項16】試料中のタンパク質を消化するためにタ
    ンパク質分解酵素をさらに含む請求項(8)記載のキッ
    ト。
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