JP2911500B2 - キナクリドン顔料、その製造方法及び利用方法 - Google Patents

キナクリドン顔料、その製造方法及び利用方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、2:1よりも小さい長さ対幅の平均比率およ
び0.4μmよりも小さい平均粒度を有する結晶粒の形を
特徴とする、2,9−ジメチルキナクリドン顔料又は2,9−
ジメチルキナクリドンと場合により置換されたキナクリ
ドン類との混晶顔料又は混合物、その製造方法及びその
使用方法に関する。本発明に従って製造されるキナクリ
ドン顔料は、有利な表面特性及び実用上の有利な諸性質
で優れている。
〔従来の技術〕
本発明に従う2,9−ジメチルキナクリドン混晶顔料
は、公知の2,9−ジメチルキナクリドンの結晶格子を有
する混晶に基づくものである。
例えば、西ドイツ特許第1,261,106号に記述されてい
るように、例えばポリ燐酸のような酸性縮合剤の中で、
2,5−ジフェニルアミノテレフタル酸を閉環させ、得ら
れた粗製キナクリドンを溶剤処理によって顔料に変える
ことにより、キナクリドン顔料を製造することが知られ
ている。この方法では、顔料は異なった結晶粒の形状を
有している。方形の板状結晶や立方形の粒子(これらの
若干のものは非常に狭い粒度範囲を有する)に加えて、
特に2,9−ジメチルキナクリドン顔料の場合には針状及
び棒状の粒子も形成されるが、前者は種々の高分子材料
の着色において極めて優れたレオロジー的挙動を示す。
結晶粒が針状又は棒状である顔料は、例えば種々のラッ
カー系に用いた際に、粘度及び分散性において難点をも
たらし、そして例えば光沢、凝集化及び色強度等に関し
て色彩上の欠点をもたらす。
このような不満足な顔料特性を改善するための一連の
対策が知られており、それらは多くの場合に上述のよう
な欠点の著しい低下をもたらす。
例えばアルキルフエノールポリグリコールエーテルス
ルホネートのような界面活性剤を使用してキナクリドン
顔料を製造することがドイツ特許第2,152,485号から知
られており、また例えば第4級アンモニウム化合物を用
いる方法がヨーロッパ特許第0,142,066号から公知であ
る。少量のキナクリドンスルホン酸又はキナクリドンス
ルホン酸誘導体をキナクリドン顔料に加えることが米国
特許第3,386,843号に開示されている。
米国特許第4,732,618号は、高分子材料を用いてキナ
クリドン顔料を製造することを開示している。ヨーロッ
パ特許第009,720号、ドイツ特許出願公開第3,031,301号
明細書、ドイツ特許出願公開第3,106,906号明細書及び
ドイツ特許出願公開第3,743,619号明細書には、例えば
キナクリドンカルボキサミド類、キナクリドンスルホン
アミド類又はキナクリドンメチレンイミダゾール類のよ
うな顔料誘導体を、例えばラッカーの調整の間に又はそ
の製造の間に、顔料に加えることによって、上記の諸性
質を改善することが開示されている。
キナクリドン類、フタルイミド類及びホルムアルデヒ
ドの縮合生成物をキナクリドン顔料に加えてその顔料の
諸性質を改善することが、既に刊行物に記載されてい
る。すなわち、例えばヨーロッパ特許出願公開第069,39
6号明細書には、結晶成長を制御するためにこのような
型の縮合生成物を加えることが記載されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
前述したように、その二次利用加工に際して著しいレ
オロジー的及び色彩的欠点を有する2,9−ジメチルキナ
クリドン顔料において、前述した若干の方法はそのレオ
ロジー的及び色彩的性質を部分的に改善し得る。しかし
ながらこれらの方法によっては高度に透明な塗装におい
て良好な色彩的性質とともに良好なレオロジー特性を達
成することは不可能である。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者等は、2:1よりも小さい長さ対幅の平均比率
および0.4μmよりも小さい平均粒度を有する結晶粒の
形を特徴とし、有利な表面特性及び実用上の有利な諸性
質によって優れている。2,9−ジメチルキナクリドン顔
料及び2,9−ジメチルキナクリドンと、外側の2つの縮
合ベンゼン環においてハロゲン原子、例えばフッ素又は
塩素原子、(C1−C6)−アルキル基、(C1−C6)−アル
コキシ基、H2N−CO−基、(C1−C8)−アルキル−NH−C
O−基、又は で置換されていてもよいキナクリドン類との混晶顔料又
は混合物が、2,9−ジメチルキナクリドンの酸性溶液
(例えば濃硫酸やトリフルオロ酢酸等)中の溶液、又は
2,9−ジメチルキナクリドンと置換又は非置換キナクリ
ドン類との酸性溶媒中の溶液に、及び/又はこのような
酸性溶液の約0℃ないし約150℃、好ましくは約20ない
し約135℃の温度における加水分解の間に、及び/又は
上記キナクリドンの粗キナクリドンの水又は溶媒混合物
中での約60℃ないし約200℃、好ましくは約100ないし約
150℃の温度における精製の間に、又はその前に、これ
らのいずれの場合にも一般式(I) QA−Y〕 (I) の化合物を約1ないし20重量%、好ましくは約2.5ない
し約10重量%の量で添加することによって製造できるこ
とを見出した。この場合上記一般式(I)において、Q
は置換されていないか又はハロゲン原子、例えばフッ素
又は塩素原子、(C1〜C6)−アルキル基、(C1−C6)−
アルコキシ基、H2N−CO−,(C1−C8)−アルキル−NH
−CO−基,又は で置換されているキナクリドン残基であり、Aは直接結
合、又は−O−,−S−,NR1−,−CO−,−SO2−,−C
R2R3−,例えばフエニレンのようなアリーレン,及びこ
れらの化学的に合理的な組合せよりなる群から選択され
た架橋基であり、そしてYは−NR4R5基又は5、6又は
7員の複素環の残基であってこれは窒素及び/又は酸素
及び/又は硫黄よりなる群から選択されたヘテロ原子を
1ないし3個含み、R1ないしR5は互いに独立にそれぞれ
水素原子及び/又は1ないし22個の炭素原子のアルキル
基又はアルキレン基を表わし、そしてnは1ないし4の
数を表わす。(ただし、一般式(I)において、Qが非
置換のキナクリドンであり、Aが−CO−であり、そして
Yが−NR4R5である化合物を除く) この方法に用いられる化合物は、好ましくは上記一般
式(I)において、Qが置換されていないか、又は(C1
−C6)−アルキル基、又は塩素原子によって置換されて
いるキナクリドン残基であり、Aが−CH2−,−NR6−,
−SO2−,−CO−,−CR7R8−又はこれらの化学的に合理
的な組合せを表わし、そしてYが−NR9R10基又は5、6
又は7員の複素環の残基であってこれは窒素及び/又は
酸素及び/又は硫黄からなる群から選択されたヘテロ原
子を1ないし3個含み、その際R6ないしR10は(C1
C6)アルキル基であり、そしてnが1又は2の数を表わ
すものである(ただし、一般式(I)において、Qが非
置換のキナクリドンであり、Aが−CO−であり、そして
Yが−NR9R10である化合物を除く)。
針状粒子を形成する傾向のある2,9−ジメチルキナク
リドン又は2,9−ジメチルキナクリドンと置換又は非置
換キナクリドン類との混晶顔料又は混合物を製造すると
きに、前記式(I)の化合物をその顔料の前段階の間
に、最も遅くてもその顔料の仕上げ段階までの間に加え
ることによって表面特性及び実用上の諸性質が上記化合
物を加えることなく、又はこれを顔料の仕上げ工程の後
で加えて得られるものよりも有利に極めて大きく異なっ
ていて、殆ど立方晶の結晶よりなるキナクリドン顔料を
得ることができる。
未処理の顔料又は同じ条件で不適当な物質を用いて処
理した顔料と比べて、その物理的な諸性質において、極
めて大きな差異を見出すことができる。
本発明に従う方法により作られた顔料においては針状
結晶又は棒状結晶の成長に著しい影響がもたらされる。
その結晶の長さ対幅の比は4−5:1から2:1以下までにな
る。その表面積は未処理の対照生成物と比べて著しく大
であり、またその平均粒子直径は極めて小さくなり、そ
してこれらは一般式(I)の化合物の濃縮および仕上げ
条件によって制御することができる。このように本発明
に従う方法によって製造された顔料は、全ての公知のラ
ッカー系の着色に際して非常に透明度の高いコーティン
グをもたらし、これは実用上非常に重要であり、しかも
その上に極めて高い色強度と優れたレオロジー挙動をも
示す。
前記式(I)の化合物を顔料の仕上げ処理の前に加え
ることにより、非常に微細に分割された低結晶性の、又
は溶解したキナクリドンを得ることができ、これは例え
ば2,5−ジフェニルアミノテレフタル酸をポリ燐酸又は
そのエステル中で閉環させて加水分解することにより、
又はキナクリドン類を例えば硫酸から再結晶させること
により、或はこれを乾式粉砕又は湿式粉砕することによ
って得ることができる。
本発明に従う2,9−ジメチルキナクリドン顔料の粗キ
ナクリドン類を製造するための好ましい方法は、対応す
る2,5−ジフェニルアミノテレフタル酸をポリ燐酸又は
そのモノメチルエステル中で閉環させ、そして閉環後の
溶融物を水又は水/溶剤混合物で加水分解する方法であ
る。前述の式(I)の化合物はこの閉環段階の間に、上
記閉環後の溶融物の加水分解の間に、又は最も遅くても
仕上げ処理に先立って、例えばアルコール性溶剤中の仕
上げ処理用懸濁液に加えることができる。
顔料誘導体は、例えば酸性閉環反応、加水分解の間
に、又は仕上げ処理の前に、乾燥粉末の状態のみでな
く、加水分解の間に、又は仕上げ処理の前に、水で湿潤
させるか又は溶剤で湿潤させた生成物の状態で加えるこ
ともできる。好ましくは粉末状態の顔料誘導体を閉環反
応の間にその酸性閉環剤に加えるか又は仕上げ処理に先
立ってその仕上げ用懸濁液に加えるのがよく、そして湿
潤した顔料誘導体は仕上げ処理用懸濁液に加えるのがよ
い。
顔料誘導体と顔料との組合せに応じて、最適のレオロ
ジー的特性及び色彩的諸性質を得るために要求される添
加剤の量は、約0.5ないし約20重量%、好ましくは約2
ないし約10重量%である。
本発明に従う方法で非常に好ましく用いられる化合物
は、前述の一般式(I)において、Qが(C1−C6)−ア
ルキル基又は塩素原子によって置換されているか又は置
換されていないキナクリドン残基であり、Aが−CH
2−,−NH−,−SO2−,−CO−,又はこれらの化学的に
合理的な組合せであり、そしてYが−NR11R12の基〔式
中、R11及びR12は(C1−C4)−アルキル基である〕であ
るか又はイミダゾール残基,ベンズイミダゾール残基又
はイミドール残基であり、そしてnは1又は2の数であ
る化合物である。(ただし、一般式(I)において、Q
が非置換のキナクリドンであり、Aが−CO−であり、そ
してYが−NR11R12である化合物を除く Yの特に重要な芳香族複素環残基は、イミダゾール、
ベンズイミダゾール及びインドールである。
前述の一般式(I)の化合物の製法は公知の方法で行
われる。すなわち一般式(II) QCH2−Y〕 (II) (式中、Q及びnは上述の意味を有し、そしてYは窒素
及び/又は酸素及び/又は硫黄からなる群から選択され
た1〜3個のヘテロ原子を含む5、6又は7員の複素環
残基である) で表される化合物は、ヒドロキシメチル複素環又は複素
環と対応するキナクリドンとを、例えばパラホルムアル
デヒドのようなホルムアルデヒド放出性の物質の存在下
に、例えば硫酸又はポリ燐酸のような酸性反応媒体中で
縮合させることによって製造される。
前記の製造はまた顔料の合成の間に、例えばポリ燐酸
中での2,5−ジフェニルアミノテレフタル酸のキナクリ
ドンへの閉環反応の間に行なうこともできる。
下記一般式(III) QCONH(CH2mY〕 (III) (式中、Q及びnは後述の意味を有し、Yは−NR4R5
残基であり、そしてmは1ないし6の数である) で表される化合物は、例えばスクシノ琥珀酸エステルを
対応するアミノベンズアミド類と縮合させ、得られた対
応する2,5−ジフェニルアミノジヒドロテレフタル酸エ
ステルを脱水素し、そして酸性媒体中で直接に、又は加
水分解の後での或る中間段階として閉環反応させること
により得ることができる。エステルのみならずそれから
得られる酸も例えばキナクリドンの前段階の酸性閉環反
応の間に直接その顔料製造に加えることができる。
下記一般式(IV) QSO2−NH(CH2mY〕 (IV) (式中、Q及びnは後述の意味を有し、Yは−NR4R5
残基であってmは1ないし6の数である) で表される化合物の製造は、例えば対応するキナクリド
ン類を塩化チオニルの存在下にスルホクロリネーション
し、そして得られたスルホクロライドを対応するアミン
類と縮合させることによって実施することができる。
上述の一般式(III)及び(IV)において、Qは好ま
しくは非置換のキナクリドン又はジメチルキナクリドン
であり、そしてnは1から2までの数である。
2,9−ジメチルキナクリドン混晶顔料は、2,9−ジメチ
ルキナクリドンと一般式(V) (式中、R13及びR14は互いに独立に水素原子、例えばフ
ッ素又は塩素原子のようなハロゲン原子、(C1−C6)−
アルキル、(C1−C6)−アルコキシ、H2N−CO−,−(C
1−C8)−アルキル−NH−CO−基、又は である) で表されるキナクリドン類とからなる混晶である。
本発明に従うこのような2,9−ジメチルキナクリドン
と置換又は非置換キナクリドン類とからなる混晶は、好
ましくは少なくとも60重量%の2,9−ジメチルキナクリ
ドンを含み、残部が非置換のキナクリドンである。
本発明に従う顔料は特に種々の天然又は合成材料の着
色に適している。これらの高分子量材料は、セルロース
エーテル類及びエステル類、例えばエチルセルロース、
ニトロセルロース、セルロースアセテート、セルロース
ブチレート、天然樹脂又は合成樹脂、例えば重合樹脂又
は縮合樹脂、例えばアミノ樹脂、特に尿素/ホルムアル
デヒド及びメラミン/ホルムアルデヒド樹脂、アルキド
樹脂、アクリル樹脂、フエノール樹脂、ポリカーボネー
ト、ポリオレフィン、例えばポリスチレン、ポリ塩化ビ
ニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアクリロニ
トリル、ポリアクリル酸エステル類、ポリアミド類、ポ
リウレタン類又はポリエステル類、ゴム、カゼイン、シ
リコーン及びシリコーン樹脂等であって、それらは単一
であっても混合物であってもよい。
上記の高分子量有機化合物が、プラスチック材料、溶
融物又は紡糸用溶液、ラッカー、塗料又は印刷インキの
形で存在するかどうかによって別段の違いは現われな
い。それぞれの用途に応じて本発明に従う顔料はトナー
として、或は調合剤又は分散物の形で用いるのが有利で
ある。
特に好ましいラッカー系は、アルキドメラミン樹脂ラ
ッカー又はアクリルメラミン樹脂ラッカー及びポリイソ
シアネート−架橋可能アクリル樹脂を基材とする2成分
ラッカーの群の焼付けエナメルである。多数の印刷イン
キのうちでも特にニトロセルロース系の印刷インキが適
している。
本発明に従う顔料は多くの適用媒体の中に容易に且つ
極めて微細に分散させることができる。
これらの分散液は凝集に対して高い抵抗性を示し且つ
高い顔料含有率においても優れたレオロジー特性を有す
る。それらは高い色強度、高い光沢及び高い透明度と共
に優れた竪ろう度を有するコーティング及び印刷物を得
るのに使用することができる。
諸性質を試験するために、公知の多数の系からオイル
溶媒、合成樹脂酸及び無水フタル酸よりなる不乾性アル
キド樹脂、及びブタノールでエーテル化したメラミン樹
脂とリシネン酸(ricineic acid)(ショートオイル)
を基材とする不乾性アルキド樹脂を基材とするアルキッ
ド−メラミン樹脂ラッカー(AM)、及び非水性分散物を
基材とするアクリル樹脂焼付けエナメル塗料(TSA−NA
D)を選んだ。
分散された後の磨砕物のレオロジー特性を下記の5段
階基準によって評価する。: 5:高度に流動状 4:流動状 3:粘稠 2:僅かに硬化 1:硬化 磨砕した材料を顔料濃度4%まで稀釈した後に、ラッ
カーの粘度をERICHSEN社のRossmann301型の「ビスコス
バチュラ(viscospatula)」により評価した。
光沢測定はByk−Mallinckrodt社の光沢計「マルチグ
ロス(multigloss)」によってDIN 67530(ASTM D 52
3)に従い20゜の角度で行なった。
色彩特性を評価するために上記の4%濃度ラッカー
を、透明度評価のために1本の黒い帯を印刷した白色ボ
ール紙にRK−Print Coat Instruments Ltd.社のハンド
コータNo.8によって塗装し(湿潤膜厚100Im)、次いで
オーブン中で140℃において20分間焼付けた。
〔実施例〕
以下に実施例をあげるがこれらの中で「部」は重量部
を表わす。
例1(E1) ポリ燐酸中での閉環と水中での加水分解により得られ
た27.6%濃度の、水で湿潤した粗製の2,9−ジメチルキ
ナクリドン135部を100%純度のイソブタノール240部の
中に懸濁させ、そしてこの懸濁部を25℃−30℃において
30分間撹拌する。次に1.96部の(3′−ジメチルアミノ
プロピル)−キナクリドンビススルホンアミドを粉末と
して加え、そしてこの混合物を15分間撹拌する。次に33
%濃度の水酸化ナトリムウ溶液2.9部及び水59部を加え
る。この懸濁液を次に密閉容器中で90℃に加熱し、そし
て90℃において1時間撹拌する。これを次に115℃に加
熱してこの温度で3時間撹拌する。次にイソブタノール
を蒸留除去し、そして顔料は濾過によって分離する。
これによって38.7部のマゼンタ顔料が得られたが、こ
れは優れたレオロジー特性を有する。
比較例 1A(CE1A) 顔料誘導体の添加を行なうことなく例1の操作を繰返
した。
比較例 1B(CE1B) 1.96部の(3′−ジメチルアミノプロピル)−キナク
リドンビススルホンアミドをイソブタノールが蒸留除去
された後ではじめて加え、そしてその混合物を引き続い
て更に3時間80℃において撹拌したことを除いて例1の
操作を繰返した。
比較例 1C(CE1C) 1.96部のビス−(フタルイミドメチル)−キナクリド
ンをキナクリドン誘導体として用いたことを除いて例1
の操作を繰返した。
アルキド−メラミン樹脂ラッカーAM−Lの中での試験
によって、例1に従い作られた顔料は各比較例において
得られた顔料よりも極めて高い色強度を有し、そして全
影においてより強く透明であることが示された。
比較例 CE1Aと比較した色彩特性 E1:遥かに高透明度、遥かに高い色強度、より強い青色 CE1B:より高い透明度、より高い色強度、僅かに強い青
色 CE1C:若干より透明度、僅かに高い色強度 例2 溶剤処理を150℃において3時間実施したことを除い
て例1に記載した操作を繰返し、例1において得られた
生成物よりも若干隠蔽性の高いマゼンタ顔料が得られ
る。
色彩特性:より強く透明,極めて高い色強度、例2より
も若干強い青色 例3 50部の2,5−ジ−(4′−メチルフェニルアミノ)テ
レフタル酸を125℃において撹拌と共に1時間の間に150
部のポリ燐酸(P2O5濃度83%)の中に撹拌添加し、そし
てこの混合物を2時間撹拌する。次にこの酸性キナクリ
ドン溶液を、非置換キナクリドンと4−メチル−5−ヒ
ドロキシメチルイミダゾールとの1:2のモル比の縮合生
成物1.25部が懸濁している600部の水の中で20℃におい
て加水分解させる。分離された粗製の水湿潤キナクリド
ンを270部のイソブタノールと6.6部の33%濃度水酸化ナ
トリウム溶液の中に懸濁させ、そしてこの混合物を次に
密閉容器の中で150℃において3時間撹拌する。次にイ
ソブタノールを蒸留分離し、そして更に1.25部の前記し
た縮合生成物をその顔料懸濁液に加える。次にこれを50
℃において2時間撹拌し、そして顔料を分離する。
優れたレオロジー特性を有する高度に透明なマゼンタ
顔料45部が得られる。
比較のために、加水分解の間にキナクリドン誘導体の
添加を行なわずに顔料を調製した。イソブタノールを分
離した後で2.5部の上述の縮合生成物を加える。
例2において得られた顔料よりも更に相当に隠蔽性の
高いマゼンタ顔料45部が得られる。
色彩特性:比較例3Aよりも非常に強く透明、極めて高い
色強度、若干強い青色 例4 85部の2,5−ジ−(4′−メチルフェニルアミノ)テ
レフタル酸と15部の2,5−ジフェニルアミノテレフタル
酸との混合物を300部のポリ燐酸モノメチル(P2O5濃度
=81%)の中で125℃において環化させる。その閉環溶
融物を5部の(3′−ジメチルアミノプロピル)キナク
リドンビススルホンアミドが懸濁している1200部の水の
中で20℃で加水分解した後に、分離された粗製のキナク
リドンを125℃において溶剤処理した。
高度に透明でレオロジー的に優れた92.5部のマゼンタ
顔料が得られた。
比較例4A 顔料誘導体の添加を行なうことなく例4の操作を繰返
した。
色彩特性:比較例4Aよりも強く透明、極めて高い色強
度、若干強い青色 例5 非置換キナクリドン、クロロアセトアミド、パラホル
ムアルデヒド及び3−アミノプロピルイミダゾールの縮
合生成物7.5部をドイツ特許公開第2,500,509号公報に記
述されているように300部のポリ燐酸(P2O5 83%)中に
溶解させる。
次に95部の2,5−ジ−(4′−メチルフェニルアミ
ノ)−テレフタル酸を125℃において撹拌しながら加
え、そしてこの混合物を2時間撹拌する。この溶液を次
に加水分解して分離された水湿潤粗製キナクリドンをジ
メチルホルムアミドの添加の後に3時間還流加熱する。
次に顔料を濾過によって分離し、水で洗浄して乾燥さ
せる。
優れたレオロジー特性を有する透明なマゼンタ顔料が
得られる。
比較例5A 顔料誘導体を添加することなく例5の操作を繰返す。
結果を下表に示す。
色彩特性:比較例5Aよりもよく強く透明、より高い色強
度、若干強い青色
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−6261(JP,A) 特開 昭58−23858(JP,A) 特開 昭55−48250(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C09B 67/52 C09B 67/20 C09B 48/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2:1よりも小さい長さ対幅の平均比率およ
    び0.4μmよりも小さい平均粒度を有する結晶粒の形を
    特徴とする、2,9−ジメチルキナクリドン顔料、又は2,9
    −ジメチルキナクリドンと、外側の2つの縮合ベンゼン
    環においてハロゲン原子、(C1−C6)−アルキル基、
    (C1−C6)−アルコキシ基、H2N−CO−基、(C1−C8
    −アルキル−NH−CO−基、又は で置換されていてもよいキナクリドン類との混晶顔料又
    は混合物を製造する方法において、2,9−ジメチルキナ
    クリドンの酸性溶媒中の溶液又は2,9−ジメチルキナク
    リドンと非置換又は置換キナクリドンとの酸性溶媒中の
    溶液に、及び/又はこのような酸性溶液の約0℃から約
    150℃までの温度における加水分解の間に、及び/又は
    上記キナクリドンの粗キナクリドンの水又は溶媒混合物
    の中での約60℃から約200℃までの温度における精製の
    間に、又はその前に、これらのいずれの場合にも一般式
    (I) QA−Y〕 (I) (式中、Qはキナクリドン残基を表わすが、これは置換
    されていないか又はハロゲン原子、(C1−C6)−アルキ
    ル基、(C1−C6)−アルコキシ基、H2N−CO−基、(C1
    −C8)−アルキル−NH−CO−基、又は で置換されており、Aは直接結合、又は−O−,−S
    −,−NR1−,−CO−,−SO2−,−CR2R3−,アリーレ
    ン及びこれらの化学的に合理的な組み合わせよりなる群
    から選択された架橋基であり、そしてYは−NR4R5基又
    は5、6又は7員の複素環残基であってこれは窒素及び
    /又は酸素及び/又は硫黄よりなる群から選択されたヘ
    テロ原子を1ないし3個含み、R1ないしR5は互いに独立
    にそれぞれ水素原子及び/又は1ないし22個の炭素原子
    を有するアルキル基又はアルキレン基を表わし、そして
    nは1ないし4の数を表わす) で表される化合物(ただし、一般式(I)において、Q
    が非置換のキナクリドンであり、Aが−CO−であり、そ
    してYが−NR4R5である化合物を除く)を約1ないし20
    重量%の量で添加することを特徴とする、上記方法。
  2. 【請求項2】2:1よりも小さい長さ対幅の平均比率およ
    び0.4μmよりも小さい平均粒度を有する結晶粒の形お
    よび一般式(I) QA−Y〕 (I) (式中、Qは、置換されていないか又はハロゲン原子、
    (C1−C6)−アルキル基、(C1−C6)−アルコキシ基、
    H2N−CO−基、(C1−C8)−アルキル−NH−CO−基、又
    で置換されているキナクリドン残基を表し、Aは直接結
    合、又は−O−、−S−、−NR1−、−CO−、−SO2−、
    −CR2R3−、アリーレン及びこれらの化学的に合理的な
    組合せよりなる群から選択された架橋基であり、そして
    Yは−NR4R5基又は5、6又は7員の複素環の残基であ
    ってこれは窒素及び/又は酸素及び/又は硫黄よりなる
    群から選択されたヘテロ原子を1ないし3個含み、R1
    いしR5は互いに独立にそれぞれ水素原子及び/又は1な
    いし22個の炭素原子を有するアルキル基又はアルケニル
    基を表わし、そしてnは1ないし4の数を表わす) で表される化合物を約1ないし20重量%含有することを
    特徴とする、2,9−ジメチルキナクリドン顔料、又は2,9
    −ジメチルキナクリドンと、外側の2つの縮合ベンゼン
    環においてハロゲン原子、(C1−C6)−アルキル基、
    (C1−C6)−アルコキシ基、H2N−CO−基、(C1−C8
    −アルキル−NH−CO−基、又は の基で置換されていてもよいキナクリドン類との混晶顔
    料又は混合物(ただし、一般式(I)において、Qが、
    非置換のキナクリドンであり、Aが−CO−であり、そし
    てYが−NR4R5である化合物を除く)。
  3. 【請求項3】2:1よりも小さい長さ対幅の平均比率およ
    び0.4μmよりも小さい平均粒度を有する結晶粒の形お
    よび一般式(I) QA−Y〕 (I) (式中、Qは置換されていないか又は(C1−C6)−アル
    キル基又は塩素原子によって置換されているキナクリド
    ン残基を表わし、Aは−CH2−、NR6−、−SO2−、−CO
    −、−CR7R8−又はこれらの化学的に合理的な組合せを
    表わし、そしてYは−NR9R10基又は5、6又は7員の複
    素環の残基であってこれは窒素及び/又は酸素及び/又
    は硫黄よりなる群から選択されたヘテロ原子を1ないし
    3個含み、これらの式の中でR6ないしR10は(C1−C6
    −アルキル基であり、そしてnは1又は2の数を表わ
    す) で表される化合物を約1ないし20重量%含有することを
    特徴とする、2,9−ジメチルキナクリドン顔料、又は2,9
    −ジメチルキナクリドンと、外側の2つの縮合ベンゼン
    環においてハロゲン原子、(C1−C6)−アルキル基、
    (C1−C6)−アルコキシ基、H2N−CO−基、(C1−C8
    −アルキル−NH−CO−基、又は で置換されていてもよいキナクリドン類との混晶顔料又
    は混合物(ただし、一般式(I)において、Qが非置換
    のキナクリドンであり、Aが−CO−であり、そしてYが
    −NR9R10−である化合物を除く)。
  4. 【請求項4】請求項2又は3に記載のキナクリドン顔料
    を種々の天然又は合成材料の着色に使用する方法。
  5. 【請求項5】請求項2又は3に記載のキナクリドン顔料
    を種々のラッカー系の着色に使用する方法。
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