JP2910174B2 - 車両用舵角制御装置の故障検出装置 - Google Patents

車両用舵角制御装置の故障検出装置

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JP2910174B2 JP17154690A JP17154690A JP2910174B2 JP 2910174 B2 JP2910174 B2 JP 2910174B2 JP 17154690 A JP17154690 A JP 17154690A JP 17154690 A JP17154690 A JP 17154690A JP 2910174 B2 JP2910174 B2 JP 2910174B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、車両の前輪及び後輪の何れか一方の舵角を
制御する舵角制御系を有する車両用舵角制御装置の故障
検出装置に関し、特に舵角制御系の故障を誤検出するこ
となく正確に検出することができるようにしたものであ
る。
〔従来の技術〕
この種の車両用舵角制御装置の故障検出装置として
は、例えば本出願人が先に提案した実開平1−168366号
公報に記載されているものがある。
この従来例は、後輪舵角センサで検出した実際の後輪
舵角θと操舵角センサで検出した操舵角に基づいて演
算した目標舵角θとの差値の絶対値を偏差θとし、
この偏差Δθと予め設定された故障判断閾値αとを比較
してΔθ>αの状態が所定時間継続したときに後輪舵角
制御系の異常であると判断するようにしている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、上記従来の車両用舵角制御装置の故障
検出装置にあっては、目標舵角と実際の後輪舵角との偏
差即ち制御誤差の絶対値がある所定値を越えたときに故
障発生と判断するようにしているので、一般に舵角制御
系は、正常状態でも目標舵角や外乱の周波数成分が高く
なるほど制御誤差を生じ易く、目標舵角や外乱が低周波
数域であるときの特性を基準として故障判断閾値を小さ
く設定すると、高周波数の動作域では舵角制御系が正常
であるにもかかわらず誤って故障と判断するおそれがあ
り、逆に高周波数域の特性を基準として故障判断閾値を
大きくすると故障検出の感度が鈍くなるという未解決の
課題があった。
そこで、本発明は、上記従来例の未解決の課題に着目
してなされたものであり、舵角制御系が制御誤差を生じ
易い高周波数域での故障判断を避け、制御誤差が確実に
零に近くなるはずである低周波数域の動作域において故
障判断することにより、舵角制御系の正確な故障判断を
行うことができる車両用舵角制御装置の故障検出装置を
提供することを目的としている。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するために、請求項(1)に係る車両
用舵角制御装置の故障検出装置は、第1図の基本構成図
に示すように、車両の前輪及び後輪の何れか一方の舵角
を制御する舵角制御系を有する車両用舵角制御装置にお
いて、実舵角を検出する舵角検出手段と、該舵角検出手
段の実舵角と前記舵角制御系の舵角目標値との偏差を演
算する偏差演算手段と、該偏差演算手段の偏差を低域通
過特性を有する伝達特性に基づいて補正する補正手段
と、該補正手段の補正値に基づいて前記舵角制御系の故
障を判断する故障判断手段とを備えたことを特徴として
いる。
また、請求項(2)に係る車両用舵角制御装置の故障
検出装置は、前記補正手段は、その低域通過特性が故障
検出対象となる舵角制御系の正常時の舵角目標値に対す
る実舵角の伝達特性に応じて設定されていることを特徴
としている。
〔作用〕
請求項(1)に係る車両用舵角制御装置の故障検出装
置においては、目標舵角と実舵角との偏差を補正手段
で、低域通過特性を有する伝達特性に基づいて補正する
ようにしているので、制御誤差を生じ易い高周波数域で
の故障判断を避け、低周波数域でのみ故障判断を行うこ
とになるので、正確な故障判断を行うことができる。
また、請求項(2)に係る車両用舵角制御装置の故障
検出装置においては、補正手段の低域通過特性が故障検
出対象となる舵角制御系の正常時の舵角目標値に対する
実舵角の伝達特性に応じて設定されていることにより、
その低域通過出力は舵角制御系が正常なときには略零と
なり、舵角制御系が異常となって、定常的な偏差が生じ
たときのみ偏差に応じた出力が得られることになり、故
障判断手段での故障判断をより正確に行うことができ
る。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
第2図は本発明を四輪操舵車の後輪舵角制御系に適用
した場合の第1実施例を示す概略構成図である。
図中、1は後輪舵角制御系であって、この後輪舵角制
御系1は、左右の後輪2L,2Rを機械的に転舵する舵角可
変機構3と、この舵角可変機構3を駆動制御する制御装
置4とを備えている。
舵角可変機構3は、左右の後輪2L,2Rに取付けたナッ
クルアーム5L,5R間に、キングピン軸6L,6R及びボールジ
ョイント7L,7Rを介してタイロッド8が連結されている
と共に、このタイロッド8に形成されたすべりねじ9
に、外周面に外歯を形成したナット10が螺合され、この
ナット10の外歯にステップモータ11の回転軸に取付けら
れた歯車12が噛合された構成を有し、ステップモータ11
を回転駆動することにより、タイロッド8が左右方向に
移動して後輪2L,2Rが転舵される。
制御装置4は、第3図に示すように、前輪の舵角δ
を検出する例えば前輪のタイロッドに連結されたポテン
ショメータで構成される前輪舵角センサ15と、車速を検
出する車速センサ16と、駆動モータ11の回転角を検出す
る舵角検出手段としての回転方向に応じて90度の位相差
を有する2種類のパルスPA及びPBを出力するロータリエ
ンコーダ17と、このロータリエンコーダ17から出力され
るパルスPA及びPBが入力され、これら両パルスに基づい
て回転方向を弁別して加算パルス及び減算パルスを形成
し、これらをアップダウンカウンタで加減算してディジ
タル値の現在モータ回転角θを出力する現在回転角計測
回路18と、前輪舵角センサ15から出力される前輪舵角検
出値δ、車速センサ16から出力される車速検出値V、
及び現在回転角計測回路18から出力される現在モータ回
転角θが夫々入力されるマイクロコンピュータ20と、こ
のマイクロコンピュータ20から出力される回転駆動信号
S1、回転方向信号S2,S3及び故障信号S4が直接供給され
るモータ駆動回路21とを備えている。
ここで、マイクロコンピュータ20は、少なくともA/D
変換機能を有する入力インタフェース回路20a、D/A変換
機能を有する出力インタフェース回路20b、演算処理装
置20c及び記憶装置20dを備えており、演算処理装置20c
で、入出力インタフェース回路20aを介して前記舵角セ
ンサ15の前輪舵角検出値δ、車速センサ16の車速検出
値V、及び現在回転角計測回路18の現在モータ回転角θ
を読込み、前輪舵角検出値δ及び車速検出値Vに基づ
いて後輪舵角目標値δを算出し、これを目標モータ回
転角に変換し、この目標モータ回転角と現在モータ
回転角θとの偏差εに基づいてPID制御して目標駆動電
流値を形成し、この目標駆動電流を回転駆動信号S1
として回転方向信号S2,S3と共に出力インタフェース回
路20bからモータ駆動回路21に出力すると共に、前記目
標モータ回転角と現在モータ回転角θとの偏差でなる
制御誤差eを算出し、この制御誤差eを低域通過フィル
タ処理を行って、そのフィルタ出力の絶対値と予め設定
した故障判断閾値f0とを比較して故障判断を行い、故障
と判断されたときに例えば論理値“1"の故障信号S4をモ
ータ駆動回路21に出力してその電源を遮断する。
ここで、駆動モータ11を駆動して舵角可変機構3を制
御する後輪舵角制御系は、一般に第4図に示すように、
モータ目標回転角と駆動モータ11の現在回転角θ
が比較部31に供給され、この比較部31で算出された偏差
εがPID制御部32に供給されて目標電流値に変換さ
れ、この目標電流値がモータ駆動回路21で駆動電流I
に変換されて駆動モータ11に供給され、この駆動モータ
11の回転によって舵角可変機構3で後輪2L,2Rの転舵角
δが制御されるブロック線図で表すことができる。
この後輪舵角制御系の運動方程式は、下記(1)式で
表すことができる。
T−d=Ia・S2θ ……(1) ここに、Tは駆動モータ11の駆動トルク、dはコーナ
リングフォース,路面凹凸等に起因する外乱トルク、Ia
は駆動モータ回転子,舵角可変機構3,タイヤ等のモータ
軸回り慣性モーメント、Sは微分演算子、θは現在モー
タ回転角である。
そして、モータ駆動回路21による電流制御系の動作
は、駆動モータ11の動作に比べて著しく速いので、PID
制御部32から出力される目標電流とモータ駆動回路21
から出力される駆動電流Iとは略一致することから、目
標舵角と実舵角との伝達特性は、下記(2)式で表
すことができる。
この(2)式において、微分演算子Sを零とおくと、
現在モータ回転角θと目標モータ回転角とが一致する
ことになる。すなわち、定常的な外乱に対してモータ回
転角θは影響を受けないことになる。
また、目標モータ回転角に対する現在モータ回転角
θの伝達特性は第5図に示すように、低域通過特性を有
し、この第5図から目標モータ回転角θの周波数域がカ
ットオフ周波数ωより十分低いときは、伝達特性のゲ
インが“1"となり、且つ位相遅れが0゜となるので、θ
≒となり、制御誤差は非常に小さいが、カットオフ周
波数ωより高い周波数域では、ゲインが低下すると共
に位相遅れが大きくなることから目標モータ回転角に
対する現在モータ回転角θの制御誤差e(=θ−)が
大きくなる。この制御誤差eのパワースペクトラムを第
6図に示す。
したがって、制御誤差eを第7図に示すように、カッ
トオフ周波数がωの低域通過フィルタでフィルタ処理
することにより、このフィルタ出力は制御誤差eが大き
くなる周波数域を含まない値となり、後輪舵角制御系が
正常であるときには略零となり、後輪舵角制御系に異常
を生じたときには制御誤差eに定常的な偏差が生じるこ
とになり、フィルタ出力を予め設定した故障判断閾値f0
と比較することにより、正確な故障判断を行うことがで
きる。
また、マイクロコンピュータ20の記憶装置20dには、
演算処理装置20cの演算処理に必要なプログラムが格納
されていると共に、予め設定された故障判断閾値e0が記
憶されている。
モータ駆動回路21は、第8図に示すように、電源入力
端子21aが電源リレー21bを介して極性切換リレー21cの
常閉接点tA及び極性切換リレー21dの常開接点tBに接続
され、これら極性切換リレー21c及び21dの可動接点tC
に前記ステップモータ11が接続され、且つ極性切換リレ
ー21cの常開接点tB及び極性切換リレー21dの常閉接点tA
がパワートランジスタ21eを介して接地された構成を有
する。ここで、電源リレー21bはそのリレーコイルlb
一端が電源端子21aに、他端がパワートランジスタ21fを
介して接地され、パワートランジスタ21fのベースにマ
イクロコンピュータ20から出力される故障信号S4が供給
される。また、極性切換リレー21c及び21dのリレーコイ
ルlc及びldの一端が接地され、他端にマイクロコンピュ
ータ20から出力される回転方向信号S2及びS3が供給され
る。さらに、パワートランジスタ21eのベースにパルス
幅変調回路21gが接続され、このパルス幅変調回路21gに
マイクロコンピュータ20から出力される駆動制御信号S1
が供給されると共に、ステップモータ11の駆動電流を検
出する電流センサ21hからの電流検出値が供給され、こ
のパルス幅変調回路21gで電流センサ21hの電流検出値と
駆動制御信号S1とを比較して両者が一致するようにデュ
ーティ比を制御してパルス信号を形成し、これをパワー
トランジスタ21eに供給する。なお、21iは、逆極性電圧
を吸収するフライホイールダイオードである。
次に、上記実施例の動作をマイクロコンピュータ20の
処理手順を示す第9図及び第10図を伴って説明する。
第9図は駆動モータ11を制御する舵角制御処理であっ
て、先ずステップで、前輪舵角センサ15の前輪舵角検
出値δ及び車速センサ16の車速検出値Vを読込む。
次いで、ステップに移行して、前記ステップで読
込んだ前輪舵角δ及び車速Vに基づいて後輪の目標舵
角δを算出し、これを記憶装置20dの所定記憶領域に
更新記憶する。この後輪の目標舵角δは、例えば車速
Vに基づいて下記(3)式の演算を行って定常横すべり
角を零とするように前輪舵角δに対する後輪舵角δ
の比Kを算出し、この舵角比Kに前輪舵角δを乗算す
ることにより算出することができる。
ここで、aは前輪及び重心点間距離、bは後輪及び重
心点間距離、lはホイールベース、CF,CRは前,後輪コ
ーナリングパワー、Mは車両質量である。
したがって、目標後輪舵角δは、上記(3)式から
明らかなように、車速が所定車速未満であるときには車
両の旋回性能が向上するように、後輪の転舵方向が前輪
のそれと逆方向になり、また車速が所定車速を越える
と、車両の走行安定性を向上させるように後輪の転舵方
向が前輪のそれと同方向となるように設定される。
次いで、ステップに移行して、上記ステップで算
出した目標後輪舵角δに基づいて駆動モータ11の目標
モータ回転角を算出し、これを記憶装置20dの所定記
憶領域に過去3回前までの値を順次シフトしながら更新
記憶する。
次いで、ステップに移行して、現在回転角計測回路
18に格納されている駆動モータ11の現在モータ回転角θ
を読込み、次いでステップに移行して前記ステップ
で算出した目標モータ回転角から現在モータ回転角θ
を減算して両者の偏差εを算出してからステップに移
行する。
このステップでは、PID制御を行うために、偏差ε
をもとに下記(4)式の演算を行って目標電流値を算
出し、これを記憶装置20dの所定記憶領域に更新記憶す
る。
ここで、K1は比例ゲイン、K2は積分ゲイン、K3は微分
ゲイン、Sはラプラス演算子である。
次いで、ステップに移行して、左切りであるか否か
を判定する。この判定は、前回の目標モータ回転角
(K-1)と今回の目標モータ回転角(K)を比較することに
より行い、(K)(K-1)であるときには、左切りと判
断してステップに移行し、転舵方向信号S2及びS3を共
に論理値“0"としてからステップに移行し、(K)
(K-1)であるときには、右切りと判断してステップ
に移行し、転舵方向信号S2及びS3を共に論理値“1"とし
てからステップに移行する。
ステップでは、上記ステップで算出した目標電流
値を駆動制御信号S1としてモータ駆動回路21に出力す
ると共に、転舵方向信号S2及びS3をモータ駆動回路21に
出力してから前記ステップに戻る。
このように、モータ駆動回路21に駆動制御信号S1及び
転舵方向信号S2,S3が入力されると、転舵方向信号S2,S3
が論理値“0"(又は論理値“1")であるときには、極性
切換リレー21c及び21dは、それらのリレーコイルlc及び
ldが非付勢状態(又は付勢状態)となるので、可動接点
tCが常閉接点tA(又は常開接点tB)側に切換えられてお
り、駆動モータ11に正極性(又は逆極性)の直流電流が
入力される状態となる。この状態で、パルス幅変調回路
21gから駆動制御信号S1の電流値に応じたデューティ比
のパルス信号がパワートランジスタ21eのベースに供給
されることから、このパルス信号に応じたパルス電流が
駆動モータ11に供給され、この駆動モータ11が正転(又
は逆転)駆動されてタイロッド8が右動(又は左動)し
て後輪2L,2Rが左転舵(又は右転舵)される。このと
き、後輪2L,2Rの転舵角δは、駆動モータ11の回転角
θに比例するので、転舵角δはδ=Knθ(Knはナッ
ト10及び歯車12のギヤ比、すべりねじ9のリード長、ナ
ックルアーム5L,5Rのレバー比等で決定される定数)で
表すことができる。
また、演算処理装置20cは所定時間例えば20msec毎の
タイマ割込処理によって第8図に示す故障判断処理を実
行する。
この故障判断処理は、先ずステップで、前記ステッ
プで記憶した目標モータ回転角(K)を読出し、次い
でステップに移行して現在回転角計測回路18に格納さ
れている現在モータ回転角θ(K)を読込んでからステッ
プに移行する。
このステップでは、下記(5)式に従ってステップ
で読込んだ現在モータ回転角θ(K)からステップで
読出した目標モータ回転角予測値(K)を減算した値を
制御誤差e(K)として算出し、これを記憶装置20dの現在
制御誤差記憶領域に更新記憶すると共に、前回の制御誤
差e(K-1)を前回制御誤差記憶領域にシフトする。
次いで、ステップに移行して、制御誤差e(K)に対し
て第7図に示す後輪舵角制御系のカットオフ周波数ω
以下のカットオフ周波数を有する一次の低域通過フィル
タ処理を行って下記(7)式に示すフィルタ出力F(K)
算出し、これを記憶装置20dの現在フィルタ出力記憶領
域に更新記憶すると共に、前回のフィルタ出力F(K-1)
前回フィルム出力記憶領域にシフトする。
すなわち、フィルタ出力F(K)は、(6)式で表すこと
ができる。
ここで、afは定数、Z-1は遅れ演算子、(1+af)Z-1
/(1+afZ-1)はカットオフ周波数ω以下のカットオ
フ周波数を持つデジタルフィルタの伝達特性である。
したがって、上記(6)式からフィルタ出力F(K)は、 F(K)=−afF(K-1)+(1+af)e(K-1) ……(7) の演算を行うことにより算出することができる。
このフィルタ出力F(K)は、後輪舵角制御系が正常な場
合には、F(K)となり、後輪舵角制御系が異常となっ
て制御誤差e(K)に定常的な偏差が生じたときのみF(K)
0となる。
次いで、ステップに移行して、上記ステップで算
出したフィルタ出力F(K)の絶対値|F(K)|が予め設定した
故障判断閾値f0以上であるか否かを判定する。この判定
は、後輪舵角制御系が異常状態であるか正常状態である
かを判定するものであり、|F(K)|<f0であるときには、
後輪舵角制御系が正常状態であると判断してステップ
に移行して論理値“1"の故障信号S4をモータ駆動回路21
に送出してからタイマ割込処理を終了し、|F(K)|≧f0
あるときには、後輪舵角制御系に故障が発生した異常状
態であるものと判断して、ステップに移行して論理値
“0"の故障信号S4をモータ駆動回路21に送出してからタ
イマ割込処理を終了する。
このように、故障判断処理において、後輪舵角制御系
が正常状態と判断されたときには、故障信号S4が論理値
“1"となり、これがモータ駆動回路21に供給されるの
で、モータ駆動回路21の電源リレー21bのリレーコイルl
bが通電状態となってその常開接点が閉じることによ
り、駆動モータ11に駆動電流が供給されるが、逆に後輪
舵角制御系が故障状態と判断されたときには、故障信号
S4が論理値“0"となることにより、電源リレー21bのリ
レーコイルlbが非通電状態となってその常開接点が開く
ことにより、駆動モータ11への駆動電流の供給が遮断さ
れ、駆動モータの駆動が停止される。
したがって、上記故障判断処理において、目標モータ
回転角と現在モータ回転角θとの制御誤差e(K)を低域
通過フィルタ処理したフィルタ出力F(K)を故障判断閾値
f0と比較して後輪舵角制御系の故障判断を行うようにし
ているので、制御誤差が大きくなる後輪舵角制御系のカ
ットオフ周波数ω以上の周波数域での制御誤差e(K)
減衰されることにより、制御誤差e(K)の少ない周波数域
でのみ故障判断を行うことになり、しかもこの周波数域
では、後輪舵角制御系が正常状態であるときに、フィル
タ出力F(K)が略零となってF(K)<f0となり、後輪舵角制
御系が異常状態であるときには、そのときの制御誤差e
に定常的な偏差が生じることにより、フィルタ出力F(K)
が大きな値となってF(K)≧f0となり後輪舵角制御系の故
障を確実に検出することができる。
なお、上記実施例においては、後輪舵角制御系の故障
判断をマイクロコンピュータ20を適用して行う場合につ
いて説明したが、これに限定されるものではなく、比較
器、アナログローパスフィルタ等の電子回路を組み合わ
せて構成することもできる。
また、上記各実施例においては、後輪舵角制御系の故
障判断を行う場合について説明したが、これに限定され
るものではなく、前輪舵角制御系の故障判断を行うよう
にしてもよい。この場合には、目標モータ回転角を、ス
テアリングホイールの回転角又は操舵トルクを検出し、
これに基づいて目標モータ回転角を算出する。
さらに、上記各実施例においは、舵角検出手段とし
て、ロータリエンコーダ17,モータ回転角計測回路18を
適用した場合について説明したが、これに限らず後輪側
のタイロッド8の移動量をポテンショメータ等の移動量
センサで直接検出するようにしてもよい。
〔発明の効果〕
以上説明したように、請求項(1)に係る車両用舵角
制御装置の故障検出装置によれば、目標舵角と実舵角と
の偏差を偏差演算手段で算出し、その演算結果を補正手
段で低域通過フィルタ処理したフィルタ出力と故障判断
閾値と比較して後輪舵角制御系の故障判断を行うように
しているので、制御誤差が大きくなる周波数域での制御
誤差が減衰されて、制御誤差の少ない周波数域でのみ故
障判断を行うことになり、舵角制御系の特性にかかわら
ず、誤判断を伴うことなく高感度で舵角制御系の故障判
断を行うことができる効果が得られる。
また、請求項(2)に係る車両用舵角制御装置の故障
検出装置によれば、補正手段の低域通過特性を故障検出
対象となる舵角制御系の正常時の舵角目標値に対する実
舵角の伝達特性に応じて設定するようにしているので、
制御誤差を生じ易い舵角制御系のカットオフ周波数以上
の周波数域を確実に減衰させることができ、より正確な
故障判断を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の概略構成を示す基本構成図、第2図は
本発明の一実施例を示す概略構成図、第3図は制御装置
の一例を示すブロック図、第4図は後輪舵角制御系のブ
ロック線図、第5図は周波数と伝達特性におけるゲイン
及び位相との関係を示す特性線図、第6図は制御誤差の
パワースペクトラムを示す特性線図、第7図は低域通過
フィルタの周波数とゲインとの関係を示す特性線図、第
8図はモータ駆動回路を示すブロック図、第9図は舵角
制御処理の一例を示すフローチャート、第10図は故障判
断処理の一例を示すフローチャートである。 図中、1は後輪舵角制御系、2L,2Rは後輪、3は舵角可
変機構、4は制御装置、8はタイロッド、11は駆動モー
タ、15は前輪舵角センサ、16は車速センサ、17はロータ
リエンコーダ、18は現在回転角計測回路、20はマイクロ
コンピュータ、21はモータ駆動回路である。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車両の前輪及び後輪の何れか一方の舵角を
    制御する舵角制御系を有する車両用舵角制御装置におい
    て、実舵角を検出する舵角検出手段と、該舵角検出手段
    の実舵角と前記舵角制御系の舵角目標値との偏差を演算
    する偏差演算手段と、該偏差演算手段の偏差を低域通過
    特性を有する伝達特性に基づいて補正する補正手段と、
    該補正手段の補正値に基づいて前記舵角制御系の故障を
    判断する故障判断手段とを備えたことを特徴とする車両
    用舵角制御装置の故障検出装置。
  2. 【請求項2】前記補正手段は、その低域通過特性が故障
    検出対象となる舵角制御系の正常時の舵角目標値に対す
    る実舵角の伝達特性に応じて設定されている請求項
    (1)記載の車両用舵角制御装置の故障検出装置。
JP17154690A 1990-06-29 1990-06-29 車両用舵角制御装置の故障検出装置 Expired - Fee Related JP2910174B2 (ja)

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