JP2909161B2 - エンジンのオイルポンプ駆動装置 - Google Patents

エンジンのオイルポンプ駆動装置

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JP2909161B2
JP2909161B2 JP2190703A JP19070390A JP2909161B2 JP 2909161 B2 JP2909161 B2 JP 2909161B2 JP 2190703 A JP2190703 A JP 2190703A JP 19070390 A JP19070390 A JP 19070390A JP 2909161 B2 JP2909161 B2 JP 2909161B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、クランクケースにオイルポンプを組み込ん
だエンジンにおいて、そのオイルポンプを駆動するため
の装置に関する。
[従来の技術] 従来、クランクケースにオイルポンプを組み込んだ自
動二輪車用のエンジンが知られている。
このエンジンでは、クランク軸がクランクケースの側
壁を貫通して外方に導出されているとともに、この側壁
の外面にオイルポンプが取り付けられており、このオイ
ルポンプのポンプ軸とクランク軸とは、側壁の外側で互
いに噛み合う歯車を介して連動されている。
また、クランク軸の外方への導出端には、フライホイ
ールマグネトが取り付けられている。フライホイールマ
グネトは、ステータコイルを支持するベース板を有して
おり、このベース板の中央部をクランク軸が貫通してい
る。そして、このベース板は、上記側壁に固定されて、
クランクケースカバーとしての機能も兼ねており、この
ベース板によって上記オイルポンプや歯車が外方から覆
われている。
[発明が解決しようとする課題] ところが、この従来の構成によると、オイルポンプは
クランク軸と平行をなす別軸上に設けられているので、
クランク軸上に位置するフライホイールマグネトのベー
ス板で、オイルポンプやその駆動用の歯車を一体的に覆
うようにすると、このベース板が大型化したり、ベース
板の形状が複雑化することになる。
このため、ベース板を受けるクランクケースの合面形
状も複雑となり、その分、加工に手間を要して、コスト
高を招くといった不具合がある。
本発明は、このような事情にもとづいてなされたもの
で、円形のベース板でオイルポンプやこのポンプ駆動用
の伝達機構を覆い隠すことができ、ベース板を始めとし
てこのベース板を受けるクランクケースの形状を簡略化
できるとともに、上記伝達機構の潤滑性を充分に確保し
つつ、潤滑オイルの撹拌抵抗を小さく抑えることができ
るエンジンのオイルポンプ駆動装置の提供を目的とす
る。
[課題を解決するための手段] 上記目的を達成するため、本発明に係るエンジンのオ
イルポンプ駆動装置は、 潤滑オイルが蓄えられたオイルパンを有するクランク
ケースと; このクランクケースに回転自在に支持されるととも
に、このクランクケースの側壁を貫通して外方に突出さ
れた端部を含むクランク軸と; このクランク軸の端部に取り付けられたフライホイー
ルマグネトと; 上記クランクケースの側壁の外側面に取り付けられ、
上記クランク軸の下方においてこのクランク軸と平行に
配置されたポンプ軸を有するオイルポンプと; 上記クランク軸上の駆動歯車と上記ポンプ軸上の従動
歯車とを有して上記オイルポンプの外側方に配置され、
上記クランク軸の回転を上記ポンプ軸に伝える伝達機構
と; 上記クランクケースの側壁の外側面に突設され、上記
クランク軸、ポンプ軸および伝達機構を連続して取り囲
むとともに、上記クランク軸よりもポンプ軸の方向に偏
って位置された円筒状の壁部と; この壁部の開口端に取り付けられ、上記フライホイー
ルマグネトのステータコイルを支持して上記オイルポン
プおよび伝達機構を覆い隠すとともに、上記クランク軸
に対し上記ポンプ軸の方向に偏心して位置された円形の
ベース板と;を備え、 上記クランクケースの側壁の外側面に、上記オイルポ
ンプを収める凹部を形成するとともに、 上記ベース板は、上記クランクケースの側壁の外側面
および上記壁部の内面と協働して上記オイルポンプおよ
び伝達機構を収容する収容室を形成し、 この収容室に臨むクランクケースの側壁に、上記従動
歯車が位置された収容室の底部と上記オイルパンとを連
通させるオイル入口を形成するとともに、このオイル入
口よりも上記従動歯車の回転方向に沿う上側に位置し
て、上記収容室と上記オイルパンとを連通させるオイル
出口を形成したことを特徴としている。
[作用] このような構成によれば、ベース板がクランク軸から
ポンプ軸の方向に大きく張り出すので、単なる円形のベ
ース板を用いてオイルポンプやこれを駆動するための伝
達機構をクランクケースの外側方から覆い隠すことがで
きる。このため、ベース板の形状が複雑化したり、この
ベース板自体が重く大きなものとなることはなく、ベー
ス板の軽量化やコンパクト化が可能となるとともに、こ
のベース板を受けるクランクケースの構造も簡略化する
ことができる。
また、伝達機構を収容する収容室は、オイルパンとは
仕切られた別室にて構成されているので、オイルパン内
の潤滑オイルは、オイル入口のみを介して収容室に流入
することになり、この収容室への潤滑オイルの自由な流
入が制限される。
しかも、オイル出口は、オイル入口に対し従動歯車の
回転方向に沿う上側にずれた位置において収容室に開口
されているので、オイル入口から収容室に流入した潤滑
オイルは、回転する従動歯車によって掻き上げられ、上
記オイル出口に積極的に導かれる。
このため、潤滑オイルが収容室に滞留し難くなって、
この収容室内での潤滑オイルの油面を低く抑えることが
でき、従動歯車による潤滑オイルの撹拌抵抗が小さくな
る。
その上、収容室の周面を構成する壁部は円筒状である
から、収容室の側面形状が円形となって、この収容室の
底部が従動歯車に沿うように円弧状に湾曲されることに
なり、ここに潤滑オイルが集中して溜り易くなる。それ
とともに、オイルポンプは、側壁の凹部内に入り込んで
いるので、このオイルポンプが収容室に大きく張り出す
ことはなく、その分、収容室をコンパクトに形成するこ
とができる。
したがって、収容室に流入する潤滑オイルが少量で
も、この潤滑オイル中に従動歯車が充分に浸り、少量の
潤滑オイルで伝達機構を確実に潤滑することができる。
[実施例] 以下本発明の一実施例を、スクータ形の自動二輪車に
適用した図面にもとづいて説明する。
第7図中符号1で示すフレームは、その前端にステア
リングヘッドパイプ2を備えている。ステアリングヘッ
ドパイプ2には、フロントフォーク3を介して前輪4が
支持されている。
また、ステアリングヘッドパイプ2には、下向きに延
びる一本のダウンチューブ5が連結されている。ダウン
チューブ5の下端部は、後方に向って略水平に延びてお
り、その後部には左右一対のメインパイプ6が連結され
ている。メインパイプ6は、ダウンチューブ5の後方で
立ち上げられており、この立ち上がり部7の上端は、後
方に向って延びる延長部8をなしている。そして、この
延長部8の上面には、燃料タンク9や例えばヘルメット
を収納するための収納ボックス10が設置されている。こ
れら燃料タンク9や収納ボックス10の上面には、シート
11が配置されている。
上記メインパイプ6の延長部8の下方には、スイング
式のエンジンユニット15が配置されている。エンジンユ
ニット15は、第5図に示すように、4サイクル単気筒エ
ンジン16と、このエンジン16のクランクケース17の左側
から後方に延びる変速機ケース18を備えており、この変
速機ケース18の後端部には後輪19が支持されている。
クランクケース17は、左ケース17aと右ケース17bとに
分割されている。これら左右のケース17a,17bの間に
は、クランク室20が形成されており、このクランク室20
内には、クランク軸21が収容されている。クランク軸21
は、エンジン16の左右方向に沿って横置きに配置されて
おり、このクランク軸21の両端のジャーナル部22が、軸
受23を介して上記左右のケース17a,17bの側壁24に支持
されている。そして、クランク軸21のジャーナル部22
は、側壁24を貫通してクランクケース17の左右両側に導
出されている。
なお、クランクケース17の左ケース17aと、これに連
なる変速機ケース18の左側面には、ケースカバー25が取
り付けられており、このケースカバー25は、クランク軸
21の回転を後輪19に伝える図示しないVベルト自動変速
機を覆っている。
クランクケース17の前端部には、前方に向って略水平
に延びるシリンダブロック27が連結されている。シリン
ダブロック27内には、単一のシリンダ28が形成されてお
り、このシリンダ28内のピストン29は、コネクティング
ロッド30を介してクランク軸20に連結されている。
また、シリンダブロック27の前端部には、シリンダヘ
ッド31が連結されている。シリンダヘッド31の前端内部
には、第5図に示すように動弁室32が形成されている。
動弁室32には、図示しない吸気弁と排気弁を開閉駆動す
る一本のカム軸33が収容されている。このカム軸33は、
カムチェーン34を介してクランク軸21と連動されてい
る。
エンジン16のシリンダブロック27の周囲は、エアシュ
ラウド35によって覆われている。エアシュラウド35の右
端部には、ファンカバー36が連続して設けられている。
このファンカバー36は、クランクケース17の右ケース17
bを側方から覆うクランクケースカバーを兼ねており、
このファンカバー36の内側には、軸流形のファン37が配
置されている。ファン37は、シリンダブロック27の右側
方に位置しており、上記エアシュラウド35とファンカバ
ー36との連続部分に対向して設けられている。そして、
ファン37の回転軸38は、上記右ケース17bから延びる支
持ステー39のボス部40に軸受41を介して軸支されてお
り、この回転軸38上には、従動プーリ42が取り付けられ
ている。
ファンカバー36は、クランク軸21の右端部に位置する
フライホイールマグネト45も一体に覆っている。フライ
ホイールマグネト45は、クランク軸21と一体に回転する
ロータハウジング46と、このロータハウジング46の内側
に配置されたステータコイル47を備えている。ロータハ
ウジング46は、クランク軸21が貫通するボス部46aを備
えている。このボス部46aには、駆動プーリ48が一体に
形成されており、この駆動プーリ48と上記ファン37の従
動プーリ42との間には、Vベルト49が掛け渡されてい
る。
このため、ファン37は、クランク軸21からの動力伝達
により回転駆動されるようになっており、このファン37
が回転駆動されると、エアシュラウド35の右側面の吸込
口50から吸引された外気が、シリンダブロック27の周囲
に強制的に送風されるようになっている。
また、本実施例のエンジン16にあっては、そのシリン
ダヘッド31が水冷式となっており、このシリンダヘッド
31は、燃焼室51の周囲を取り囲む冷却水通路52を備えて
いる。冷却水通路52は、図示しない配管を介してラジエ
ータ53に連なっている。このラジエータ53は、上記ファ
ンカバー36の吸込口50に設置されている。
このため、ラジエータ53は、エンジン冷却風の吸い込
み上流端に位置されており、エンジン運転中は常に外気
が導かれるようになっている。
ラジエータ53からのエンジン冷却水を冷却水通路52に
導く配管の途中には、冷却水ポンプ54が設けられてい
る。この冷却水ポンプ54は、第5図に示すように、シリ
ンダヘッド31の左側面に設置されており、そのインペラ
55の駆動軸56が、カム軸33の左端部に同軸的に連結され
ている。
一方、上記右ケース17bの側壁24の外側面には、第1
図および第3図に示すように円筒状の壁部60が突設され
ている。そして、この側壁24の壁部60で囲まれた部分を
上記クランク軸21のジャーナル部22が貫通しており、こ
のジャーナル部22は、壁部60の中心よりも上方に偏心し
た位置を貫通している。また、このジャーナル部22の貫
通部分の下方には、凹部61が設けられており、この凹部
61にトロコイド形のオイルポンプ62が組み込まれてい
る。
オイルポンプ62は、ポンプボデー63と、このポンプボ
デー63の一端面を覆うポンプカバー64を備えている。ポ
ンプカバー64は、ねじ65を介してポンプボデー63に固定
されており、このねじ65は、ポンプボデー63をも上記側
壁24の凹部61に共締めしている。
ポンプボデー63とポンプカバー64との間のポンプ室66
には、インナーロータ67とアウターロータ68が収容され
ている。インナーロータ67は、ポンプ軸69と一体に回転
するようになっており、このポンプ軸69は、クランク軸
21の下方において、このクランク軸21と平行に設けられ
ている。そして、ポンプ軸69の一端は、ポンプカバー64
を貫通して上記側壁24の軸受凹部70に回転自在に支持さ
れている。ポンプ軸69の他端は、ポンプボデー63を貫通
して壁部60の内側に導出されており、このポンプ軸69の
導出端には、従動歯車71が固定されている。従動歯車71
は、側壁24の外側方において上記クランク軸21と一体に
回転する駆動歯車72と噛み合っており、これら両歯車7
1,72がクランク軸21の回転をポンプ軸69に伝える伝達機
構を構成している。
このため、従動歯車71と駆動歯車72は、第1図および
第3図に示すように、上記壁部60の内側でフライホイー
ルマグネト45と対向して、このフライホイーマグネト45
のベース板73により外側方から覆われている。
すなわち、ベース板73は、フライホイールマグネト45
のステータコイル47を支持するためのものであり、この
ベース板73は、上記壁部60の開口形状に合致した円板状
をなしている。ベース板73の中心から上方に偏心した位
置には、クランク軸21のジャーナル部22が貫通する貫通
孔75が形成されている。貫通孔75の開口周縁部には、ロ
ータハウジング46内に入り込む円筒状の支持部76が突設
されており、この支持部76の先端面に上記ステータコイ
ル47がねじ77を介して固定されている。
このベース板73の外周縁部は、上記円筒状の壁部60の
先端開口部に重ね合わされており、その周方向に離間し
た四箇所が上記壁部60の内面に連なるボス部60aにねじ7
8を介して固定されている。
したがって、ベース板73は、クランク軸21に対しオイ
ルポンプ62側に偏った位置において、上記壁部60の先端
開口部を閉塞している。そして、このベース板73は、上
記右ケース17bの側壁24の外側面および壁部60の内面と
協働して上記オイルポンプ62やその従動歯車71および駆
動歯車72を収容するポンプ収容室79を構成している。
一方、側壁24には、ポンプ室66に連なる吸入口80と、
吐出口81が形成されている。吸入口80は、下向きに延び
る吸入通路82を介してクランクケース17の底部のオイル
パン83に連なっており、この吸入通路82のオイルパン83
への開口部分には、オイルストレーナ84が取り付けられ
ている。また、オイルパン83の底面には、オイルストレ
ーナ84に対向してドレン孔85が開口されている。ドレン
孔85は、ドレンプラグ86によって閉塞されており、この
ドレンプラグ86と上記吸入通路82の開口周縁部との間
で、オイルストレーナ84が挾持されている。
また、吐出口81は、前向きに延びる吐出通路88を介し
て右ケース17bの前面のオイルクリーナ室90に連なって
いる。オイルクリーナ室90は、右ケース17bの前面に開
口する収容凹部91と、この収容凹部91の前面開口を閉塞
する蓋板92とで構成される。オイルクリーナ室90には、
オイルクリーナ93が収容されている。オイルクリーナ93
は、筒状の金網にて構成され、その両端が夫々シール部
材94,95を介して収容凹部91と蓋板92との間で挾み込ま
れている。
オイルクリーナ93の内側の空間は、前側のシール部材
94と蓋板92とに跨がるオイル通路96に連なっている。こ
のオイル通路96の下流端は、蓋板92の前面に開口する接
続口97に連なっている。接続口97には、オイル配管98の
一端が接続されている。オイル配管98は、シリンダブロ
ック27の下方を通してシリンダヘッド31に導かれてお
り、その先端がシリンダヘッド31の動弁室32に接続され
ている。
また、オイルクリーナ93の内側の空間は、後側のシー
ル部材95の通孔99を介して吐出管100に連なっており、
この吐出管100は、図示しないオイル通路を経てクラン
ク軸21の軸受部分に連なっている。
前側のシール部材94には、オイルクリーナ93の内側の
空間とオイルクリーナ室90とを直接連通させるバイパス
通路101が形成されている。バイパス通路101は、オイル
クリーナ93が目詰まりを起こした際に、オイルポンプ62
からオイルクリーナ室90に送られる潤滑オイルを、オイ
ルクリーナ93の内側の空間に直接導くものであり、その
オイルクリーナ93の内側への開口部分には、リリーフ弁
102が設けられている。リリーフ弁102の弁体103は、常
時バイパス通路101を閉塞しており、上記オイルクリー
ナ93が目詰まりを起こしてオイルクリーナ室90内のオイ
ル圧が所定値に達した際に、バイパス通路101を開放す
るようになっている。
また、上記ポンプ収容室79に臨む右ケース17bの側壁2
4には、第3図に示すようにポンプ収容室79内にオイル
パン83内の潤滑オイルを導くオイル入口105と、このポ
ンプ収容室79内に導かれた潤滑オイルをオイルパン83内
に戻すオイル出口106が形成されている。オイル入口105
は、ポンプ収容室79の底部に位置するとともに、オイル
出口106は、オイル入口105に対し従動歯車71の回転方向
に沿う前方斜め上側に位置しており、このオイル入口10
5の口径は、オイル出口106の口径よりも小さく形成され
ている。
なお、オイル出口106の真上には、従動歯車71によっ
て掻き上げられる潤滑オイルの流れを塞き止めてオイル
出口106に導くオイル遮蔽壁107が設けられている。
したがって、ポンプ収容室79内の従動歯車71と駆動歯
車72は、オイルパン83内の潤滑オイルにより潤滑され
る。
このような構成によれば、オイルポンプ62を駆動する
従動歯車71と駆動歯車72を、クランク軸21上に位置する
フライホイールマグネト45のベース板73で覆うに当り、
このベース板73を円形に形成するとともに、上記クラン
ク軸21に対しオイルポンプ62側に偏らせて設けたので、
このベース板73がクランク軸21上でオイルポンプ62側に
向って大きく張り出すことになり、単なる円形のベース
板73で以て従動歯車71と駆動歯車72を覆うことができ
る。
このため、従来のようにベース板73の形状が複雑化し
たり、このベース板73自体が重く大きなものとなること
もなく、このベース板73の軽量化とコンパクト化が可能
となる。
また、ベース板73を円形とすれば、このベース板73を
支持する壁部60も単なる円筒状に形成すれば良いので、
クランクケース17側の構造も簡略化することができる。
このため、上記ベース板73を始めとして、クランクケー
ス17の加工を容易に行うことができ、その分、製造コス
トを低減することができる。
さらに、上記構成によると、オイルポンプ62を駆動す
る従動歯車71および駆動歯車72は、オイルパン83に蓄え
られた潤滑オイルによって潤滑されるが、これら従動歯
車71および駆動歯車72が収容されたポンプ収容室79は、
オイルパン83とは側壁24を介して仕切られた別室にて構
成されているとともに、このオイルパン83に対しては小
径なオイル入口105を介して連なっているので、ポンプ
収容室79への潤滑オイルの自由な流入が制限される。
しかも、オイル出口106は、オイル入口105に対し従動
歯車71の回転方向に沿う上側にずれた位置においてポン
プ収容室79に開口されているので、オイル入口105を介
してポンプ収容室79に流入した潤滑オイルは、従動歯車
71の回転に追従して掻き上げられることになり、この潤
滑オイルがオイル出口106に向けて積極的に導かれる。
このため、潤滑オイルがポンプ収容室79に滞留し難く
なり、このポンプ収容室79に溜まる潤滑オイルの油面を
低く抑えることができる。よって、潤滑オイルに対する
従動歯車71の浸漬レベルが低くなり、潤滑オイルの撹拌
抵抗を小さく抑えることができる。
加えて、ポンプ収容室79の周面を構成する壁部60は円
筒状をなしているから、このポンプ収容室79の側面形状
が円形となって、このポンプ収容室79の底部が従動歯車
71に沿うように円弧状に湾曲されることになり、ポンプ
収容室79の底部に潤滑オイルが集中して溜り易くなる。
また、オイルポンプ62は、側壁24の凹部61内に入り込
んでいるので、このオイルポンプ62がポンプ収容室79に
大きく張り出すことはなく、その分、ポンプ収容室79を
コンパクトに形成することができる。
このため、ポンプ収容室79への潤滑オイルの流入量を
少なくとも、この潤滑オイル中に従動歯車71が充分に浸
り、少量の潤滑オイルで従動歯車71および駆動歯車72を
確実に潤滑することができる。
なお、本発明に係るエンジンは、Vベルト自動変速機
を一体化したユニットスイング式に特定されないことは
勿論である。
[発明の効果] 以上詳述した本発明によれば、単なる円形のベース板
でポンプ軸を駆動する伝達機構を覆うことができるの
で、ベース板の形状が複雑化したり、このベース板が重
く大きなものとなることもなく、ベース板の軽量化とコ
ンパクト化が可能となる。
また、ベース板が円形となれば、このベース板を受け
るクランクケース側の構造も簡略化できるので、上記ベ
ース板を始めとして、クランクケースの加工を容易に行
うことができ、エンジンの製造コストの低減に寄与す
る。
しかも、伝達機構を収容する収容室は、クランクケー
スのオイルパンとは仕切られた別室にて構成され、この
収容室への潤滑オイルの自由な流入が制限されていると
ともに、オイルパンからオイル入口を介して収容室に流
入した潤滑オイルは、回転する従動歯車により掻き上げ
られて、オイル出口の方向に積極的に導かれる。
このため、潤滑オイルが収容室に滞留し難くなるか
ら、この収容室内での潤滑オイルの油面を低く抑えるこ
とができ、その分、潤滑オイルに対する従動歯車の浸漬
レベルが低くなって、この従動歯車による潤滑オイルの
撹拌抵抗を小さく抑えることができる。
また、収容室の底部が従動歯車に沿うように湾曲され
るので、ここに潤滑オイルが集中して溜り易くなるとと
もに、収容室へのオイルポンプの張り出しを抑えて、こ
の収容室自体をコンパクトに形成することができる。し
たがって、収容室への潤滑オイルの流入量が少なくて
も、潤滑オイル中に従動歯車が充分に浸り、少量の潤滑
オイルで以って伝達機構を確実に潤滑することができ
る。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明の一実施例を示し、 第1図は、オイルポンプの組み込み部分の断面図、 第2図は、オイルポンプ回りをベース板で覆った状態の
エンジンの側面図、 第3図は、ベース板を取り外した状態のエンジンの側面
図、 第4図は、ベース板の正面図、 第5図は、エンジンの断面図、 第6図は、オイルクリーナ回りの断面図、 第7図は、自動二輪車の側面図である。 17……クランクケース、 21……クランク軸、 22……端部(ジャーナル部)、 24……側壁、 45……フライホイールマグネト、 47……ステータコイル、 60……壁部、 61……凹部、 62……オイルポンプ、 69……ポンプ軸、 71……駆動歯車、 72……従動歯車、 73……ベース板、 79……収容室(ポンプ収容室)、 83……オイルパン、 105……オイル入口、 106……オイル出口。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】潤滑オイルが蓄えられたオイルパンを有す
    るクランクケースと: このクランクケースに回転自在に支持されるとともに、
    このクランクケースの側壁を貫通して外方に突出された
    端部を含むクランク軸と; このクランク軸の端部に取り付けられたフライホイール
    マグネトと; 上記クランクケースの側壁の外側面に取り付けられ、上
    記クランク軸の下方においてこのクランク軸と平行に配
    置されたポンプ軸を有するオイルポンプと; 上記クランク軸上の駆動歯車と上記ポンプ軸上の従動歯
    車とを有して上記オイルポンプの外側方に配置され、上
    記クランク軸の回転を上記ポンプ軸に伝える伝達機構
    と; 上記クランクケースの側壁の外側面に突設され、上記ク
    ランク軸、ポンプ軸および伝達機構を連続して取り囲む
    とともに、上記クランク軸よりもポンプ軸の方向に偏っ
    て位置された円筒状の壁部と; この壁部の開口端に取り付けられ、上記フライホイール
    マグネトのステータコイルを支持して上記オイルポンプ
    および伝達機構を覆い隠すとともに、上記クランク軸に
    対し上記ポンプ軸の方向に偏心して位置された円形のベ
    ース板と;を備え、 上記クランクケースの側壁の外側面に、上記オイルポン
    プを収める凹部を形成するとともに、 上記ベース板は、上記クランクケースの側壁の外側面お
    よび上記壁部の内面と協働して上記オイルポンプおよび
    伝達機構を収容する収容室を形成し、 この収容室に臨むクランクケースの側壁に、上記従動歯
    車が位置された収容室の底部と上記オイルパンとを連通
    させるオイル入口を形成するとともに、このオイル入口
    よりも上記従動歯車の回転方向に沿う上側に位置して、
    上記収容室と上記オイルパンとを連通させるオイル出口
    を形成したことを特徴とするエンジンのオイルポンプ駆
    動装置。
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