JP2909159B2 - 平滑化処理方法および平滑化処理による雑音除去装置およびそれを用いる光パルス試験装置 - Google Patents

平滑化処理方法および平滑化処理による雑音除去装置およびそれを用いる光パルス試験装置

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JP2909159B2 JP2181735A JP18173590A JP2909159B2 JP 2909159 B2 JP2909159 B2 JP 2909159B2 JP 2181735 A JP2181735 A JP 2181735A JP 18173590 A JP18173590 A JP 18173590A JP 2909159 B2 JP2909159 B2 JP 2909159B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は平滑化処理方法および平滑化処理による雑
音除去装置およびそれを用いる光ファイバ測定用光パル
ス試験器(Optical Time Domain Refletometer:以下OTD
Rと記す)に関する。
[従来の技術] 従来より、被測定用光ファイバに光パルスを入射し、
光ファイバの障害点から戻る反射光パルスと光ファイバ
内で生じる後方散乱とを受光部で電気信号に変換して検
出し、この検出信号に所定の演算処理を施すことによ
り、被測定用光ファイバの光損失や障害点の測定を行な
うOTDRが知られている。
この種のOTDRにおいては、特に後方散乱光の検出信号
が微弱であるために、A/D変換器を利用した積算平均化
(ディジタル形アベレージング)法によってS/Nの改善
を図り、波形歪を生じることなく雑音に埋れた信号を検
出することが必須となっている。
ところで、ディジタル形アベレージング処理による雑
音除去テクニックのS/N改善量は平均化回数およびA/D変
換器のビット数に依存しているために、測定処理時間が
実際的に制限を受ける点および量子化雑音によって現実
的に得られるS/N改善量には自から限界があった。この
ため、このテクニックを用いるOTDRにおいても、特に長
距離光ファイバに対する高精度の測定が困難となる場合
があった。
一方、測定時間の制限による影響を受けることなく、
平滑化(スムージング)処理によって測定波形に含まれ
ている雑音成分を低減して、目的とする信号成分を抽出
するための演算処理テクニックのうち、移動平均法と呼
ばれるテクニックが知られている。
この移動平均法は、雑音を低減させるために、以下の
ような処理をディジタル化された波形データに対して行
なうものである。
いま、波形データが、n個の離散値x(i)(ただし
i=1,2,3,…,n)である場合、N(=2m+1)個の離散
点からなる“重み関数"w(j)(ただしj=−m,…,−
1,0,1,…,m)を用いて、x(i)の処理結果つまり平均
値y(i)をつぎのように求める。
なお、使用する重み関数w(j)が第2図(a)に示
すような矩形である場合を単純移動平均法と呼び、第2
図(b)に示すような関数である場合を多項式適合法と
呼ぶ。
式でわかるように、この移動平均法は、x(i)を
中心とするN個のデータを、w(j)という関数によっ
て重みづけ平均処理を行って平均値y(i)を求めるも
のである。
しかるに、このような処理を行なう移動平均法は、平
滑化区間Nの間で、波形レベルが急激に変化している場
合、つまり、矩形波パルス状の波形の立上りや立下りの
部分において、その変化の度合がゆるやかになる、つま
り波形がなまるという欠点がある。
また、上述のような移動平均法の欠点を解消するため
に、適応化平滑法が知られている。
すなわち、適応化平滑法は、波形データの雑音の分散
σn 2と、x(i)を中心とする平滑化区間Nの波形デー
タの分散σx 2(i)を求め、それらを用いて平滑値y
(i)を次式で求めるものである。
ここで(i)はN個の波形データの単純移動平均法
により求めた平均値である。
このような適応化平滑法では、σx 2(i)≒σn 2であ
ればy(i)≒(i)、σx 2(i)》σn 2であればy
(i)≒x(i)になるという特徴をもっている。
すなわち、適応化平滑法では、上述した特徴によって
平滑化区間Nの間で波形レベルが急激に変化している場
合(つまりσx 2(i)》σn 2の時)は、y(i)≒x
(i)となり、原波形がそのまま平滑値となり、波形の
なまりは生じない。
ところが、雑音成分も、そのまま平滑値として出力さ
れるため雑音が低減されないという欠点をもっている。
なお、OTRDRにおいては波形なまりが生じたり、雑音
が効果的に低減されないと、所望の波形点にマーカーを
正しく合せて障害点を高精度で判定することが不可能に
なってしまう。
[発明が解決しようとする課題] 前述したように、測定時間の制限による影響を受けな
い平滑化処理による雑音低減テクニックにおいて、移動
平均法に含まれる単純移動平均法および多項式適合法は
雑音の低減には効果的であるものの、信号波形になまり
が生じるという問題がある。また、適応化平滑法では信
号波形になまりが生じるという問題は解消されるが、波
形のレベルが急激に変化するような場合、その部分の雑
音が低減されないという欠点を有している。
また、これがため、OTDRにおいても平滑化処理による
雑音低減テクニックを単純には採用し得ないという問題
があった。
そこで、本発明は以上のような点に鑑みてなされたも
ので、その目的とするところは、信号波形のなまりを抑
制し且つ効果的な雑音低減を可能とする平滑化処理方法
および平滑化処理による雑音除去装置およびそれを用い
ることにより、短かい測定時間で高精度の測定を可能と
するOTDRを提供することにある。
[課題を解決するための手段および作用] 第1の発明によると、被平滑化処理用の波形データを
入力する波形データ入力手段と、前記波形データ入力手
段によって入力された前記波形データに関する雑音の分
散値(σn 2)を算出する雑音分散値算出手段と、前記波
形データについての雑音の低減度を決める定数(K)を
入力する低減度定数入力手段と、前記雑音分散値算出手
段によって算出される雑音の分散値(σn 2)および前記
低減度定数入力手段によって入力される雑音の低減度を
決める定数(K)に基いて前記波形データのばらつきに
関する制限値 を算出する制限値算出手段と、前記波形データ入力手段
によって入力された前記波形データに関する平滑化区間
(N)値を入力する平滑化区間値入力手段と、前記平滑
化区間値入力手段によって入力された平滑化区間(N)
値に従って平滑化すべき特定点の波形データx(i)と
平滑化区間(N)に含まれる前記特定点の波形データを
除く(N−1)個の各波形データx(j)それぞれとの
波形レベル差の絶対値|x(i)−x(j)|を算出する
波形レベル差算出手段と、前記波形レベル差算出手段に
よって算出された波形レベル差の絶対値|x(i)−x
(j)|および前記制限値算出手段によって算出された
制限値 とを比較し、該比較結果が のとき、x(j)=x(i)とし、且つ のとき、x(j)=x(j)として波形データを出力す
る波形レベル差制限手段と、前記波形レベル差制限手段
によって出力される波形データについて移動平均法によ
る平滑化処理を行なう移動平均処理手段とを具備し、波
形なまりを生じることなく効果的に雑音を低減し得るこ
とを特徴とする平滑化処理による雑音除去装置が提供さ
れる。
第2の発明によると、被測定用光ファイバに光パルス
を入射する手段と、前記被測定用光ファイバからの反射
光を受光する受光手段と、前記受光手段から出力される
信号を処理する信号処理手段とを具備する光パルス試験
装置において、前記信号処理手段が少なくとも前記信号
に対応する波形データについて平滑化処理する第1の発
明に従って平滑化処理による雑音除去装置を含んでいる
ことにより、波形なまりを生じることなく効果的に雑音
を低減して高精度の測定を短時間で可能とすることを特
徴とする光パルス試験装置が提供される。
第3の発明によれば、被平滑化処理用の波形データに
関する雑音の分散値(σn 2)を算出する第1の段階と、 前記第1の段階によって算出された雑音の分散値(σ
n 2)および雑音の低減度を決める定数(K)に基いて前
記被平滑化処理用の波形データのばらつきに関する制限
を算出する第2の段階と、 前記被平滑化処理用の波形データに関する平滑化区間
(N)値に従って平滑化すべき特定点の波形データx
(i)と平滑化区間(N)に含まれる前記特定点の波形
データを除く(N−1)個の各波形データx(j)それ
ぞれとの波形レベル差の絶対値|x(i)−x(j)|を
算出する第3の段階と、 前記第3の段階によって算出された波形レベル差の絶
対値|x(i)−x(j)|および前記算出された制限値 とを比較し、該比較結果が のとき、x(j)=x(i)とし、且つ のとき、x(j)=x(j)として波形データを出力す
る第4の段階と、 前記第4の段階によって出力される波形データについ
て移動平均法による平滑化処理を行なう第5の段階とを
具備してなることを特徴とする平滑化処理方法が提供さ
れる。
[実施例] 初めに、本発明の平滑化処理方法および平滑化処理に
よる雑音除去装置の原理について説明すると、本発明の
平滑化処理による雑音低減テクニックでは、波形データ
に対して以下の処理を行なうものである。
まず、平滑化処理に供される所定ビットの波形データ
の雑音の分散σn 2を求める。次に平滑化しようとする特
定点の波形データx(i)と、平滑化区間Nのx(i)
を除くN−1個の各波形データx(j)それぞれとの差
の絶対値|x(i)−x(j)|を求める。
そして、|x(i)−x(j)|と制限値 (Kは定数)とを比較し、該比較結果が のとき、そのx(j)を x(j)=x(i) … とし、 のとき、その波形データx(j)をそのまま x(j)=x(j) … として、N個の波形データについて前述した公知の単純
移動平均法(あるいは多項式適合法でもよい)による平
滑化処理を行ない、それをx(i)の平滑値とする。
つまり、本発明の平滑化処理による雑音低減テクニッ
クの特徴は、平滑化区間Nの波形データについて、その
波形データのばらつきを という値で制限を設けてから移動平均処理を行うことに
ある。
また、Kは雑音の低減度を決めるための定数であり、
例えば4〜7の間の望ましい値に設定される。
第3図(a)は上式の意味を説明するための図で、平
滑化すべき波形データx(i)とx(j)のレベル差の
絶対値が制限値 を超えていないときは、波形データx(j)をそのまま
x(j)として、且つ、制限値を超えているときは波形
データx(j)をx(i)のレベルに引き下げて、当該
波形データx(i)についての単純移動平均法による平
滑化処理に供するということを示している。
第3図(b)も上式の意味を説明するための図で、平
滑化すべき波形データx(i)とN−1個(この場合6
個)のx(j)とのレベル差の絶対値が制限値 を越えているときには波形データx(j)をすべてx
(i)のレベルに引き上げて該x(i)についての単純
移動平均法による平滑化処理に供するということを示し
ている。
次に、以上のような原理に基くこの発明の実施例につ
いて詳細に説明する。
第1図は本発明の第1の実施例として平滑化処理によ
る雑音除去装置の構成を機能的に示す要部のブロック図
である。
先ず、入力端INに加えられた平滑化処理に供される波
形データ1に含まれている雑音の分散σn 2を、σn 2算出
部2によって算出する。そして、平滑化しようとするi
番目の波形データx(i)と、x(i)を中心とするj
=i−mからj=i+mまでのN−1(=2m)個の各波
形データx(j)とのレベル差の絶対値|x(i)−x
(j)|をそれぞれ波形レベル差算出部3にて算出す
る。なお、平均化区間NはN値入力部4から入力され
る。
一方、K値入力部5より入力されたKと、前記σn 2
出部2で得られたσn 2を用いて、制限値算出部6におい
て制限値 を算出する。
次に、この制限値 と、波形レベル差算出部4で得られた各x(j)とx
(i)とのレベル差の絶対値|x(i)−x(j)|を波
形レベル差制限部7において比較する。
この波形レベル差制限部7は、その比較において、絶
対値|x(i)−x(j)|が制限値 を超えていないときはx(j)をそのまま出力し、且つ
超えているときはその超えているx(j)のレベルをx
(i)のレベルに置きかえて出力する。
そして、置きかえられたx(j)を含むN−1個のx
(j)とx(i)、合わせてN個の波形データについて
の単純移動平均を単純移動平均処理部8にて算出し、そ
の結果をx(i)の平滑化データ9として出力端OUTか
ら出力する。
これらの一連の処理は、実際にはCPUとその周辺回路
(ROM,RAM,I/0インターフェース、キーボード)で行な
うことができる。
第4図(a)に示す原波形データについての本発明に
よるN=3の場合の平滑化データは第4図(b)に示す
ようになり、この平滑化データが第4図(c)に示す単
純移動平均法による平滑化処理の平滑化データで生じて
いる波形なまりを(図示5′〜8′参照)含むことな
く、効果的にS/Nの改善が図られていることを示してい
る。
第5図は上述した第1の実施例の平滑化処理による雑
音除去装置(平滑化処理部19)をOTDRに適用した第2の
実施例を示す。
この実施例によるOTDRは、タイミング発生部11、発光
部12、方向性結合器13、受光部14、第1,第2の増幅器15
a,15bと可変減衰器15dを備えた増幅部15、A/D変換部1
6、単純加算処理部(積算平均処理部)17、平滑化処理
部19、対数変換部20、表示部21、ROM22、RAM23およびCP
U部28によって概略構成されている。そして、このOTDR
は被測定用光ファイバ30への光パルスの供給により被測
定用光ファイバ30から反射してくる後方散乱光およびフ
レネル反射光を受光検出し、この受光信号を増幅部15で
増幅した後、A/D変換部16でA/D変換することによって得
られるディジタル化された波形データを、測定ポイント
(例えば250〜5000ポイントの各ポイント)毎に単純加
算処理(積算平均化処理)および平滑化処理してその結
果を表示部21に波形表示している。そして、増幅器15に
おける可変減衰器15dの減衰量は、表示波形に飽和を生
じないようにするために最適な値に手動的または自動的
に可変制御される。
CPU部28は、キーボード28bによる指令を、I/Oインタ
ーフェース28a介して受けると共に、タイミング発生部1
1、表示部21、単純加算処理部17、RAM23、平滑化処理部
19、対数変換部20およびROM22をコントロールする。
タイミング発生部11は発光部12の発光素子(例えば、
レーザダイオード;LD)を励振するためのトリガ信号、A
/D変換器16および単純加算処理部17を駆動するためのサ
ンプリングパルスを生成出力している。
発光部12はタイミング発生部11より供給されるトリガ
信号に基づいて光パルスを出力しており、この光パルス
は方向性結合器13を介して被測定用光ファイバ30に出射
されるようになっている。
方向性結合器13は被測定用光ファイバ30に対して発光
部12より光パルスが供給されることにより被測定用光フ
ァイバ30から反射してくる後方散乱光およびフレネル反
射光を受光部14側に分離している。
受光部14は例えば、アバランシェフォトダイオード
(APD)で構成され、方向性結合器13によって分離され
る被測定用光ファイバ30からの後方散乱光およびフレネ
ル反射光を受光検出している。増幅部15は第1の増幅器
15、可変減衰器15d、第2の増幅器15bを備えて構成され
ている。前段に設けられた第1の増幅器15aは、受光部1
4からの検出信号を所定の増幅度をもって増幅してい
る。可変減衰器15dは第1の増幅器15aによって増幅され
た信号を減衰し、再び後段の第2の増幅器15bによって
所定の増幅度をもって増幅しており、この増幅された信
号はA/D変換部16に出力される。
A/D変換部16はタイミング発生部11より供給されるサ
ンプリングパルスに基づいて第2の増幅部15bから出力
される信号をA/D変換し例えば6ビットのディジタルデ
ータとして単純加算処理部17に出力している。
単純加算処理部17はA/D変換部16と同様にタイミング
発生部11より供給されるサンプリングパルスに基づいて
A/D変換された信号を被測定用光ファイバ30の測定ポイ
ント毎に順次例えば210〜226回について積算平均化処理
して平滑化処理部19に例えば1ポイントで32ビットのデ
ータとして出力している。
平滑化処理部19は前述した第1の実施例における平滑
化処理による雑音除去装置として、上述の単純加算処理
部19による積算平均化処理による雑音低減の不足分を補
なう形でさらに平滑化処理による雑音低減を行なって、
対数変換部20にそれの出力データを供給している。
対数変換部20は平滑化処理部19からの出力データを順
次対数変換して表示部21に供給して表示させている。
第6図は上述した第2の実施例によるOTDRでもって、
第7図に示す原波形(測定ポイント数は500)を平滑化
処理を加えて測定したときの波形データである。第6図
では平滑化区間N=21,K=4としたときの波形データの
実測例(測定ポイント数は500)を示すもので、パルス
波形の立上り、立下り部分のなまりが全くなく、また雑
音も効果的に低減されているのが分かる。
なお、本発明の平滑化処理による雑音低減テクニック
において、信号レベルが雑音レベルより小さい場合に
は、信号波形が波形歪を受けるので、先ず単純加算処理
によるアベレージングを行なって雑音レベルが所望の信
号レベルより小さくなったところで本発明の平滑化処理
による雑音低減テクニックに従ったスムージングを行な
うと、信号波形はなまることなく、雑音を効果的に低減
することができる。
第8図に、従来の単純移動平均法で平滑化処理したと
きの表示波形を示す。第8図において、雑音は十分に低
減されているが、パルス波形の立上り、立下りがなま
り、パルス幅が原波形に比べ広がってしまっている。
第9図は、従来の多項式適合法で平滑化処理したとき
の表示波形を示す。第9図において、パルス幅の広がり
は第8図のそれに比べ少いものの、雑音の低減度は悪化
している。
第10図は従来の適応化平滑法で平滑化処理したときの
表示波形を示す。第10図において、パルス幅の原波形に
対する広がりはなくなっているが、パルスの立上り部分
の雑音が低減されずに残ってしまっている。
なお、第8図乃至第10図のいずれかの場合も測定ポイ
ント数は500であり、且つ平滑化区間NはN=21であ
る。
これらの結果から、明らかに本発明による平滑化処理
による雑音低減テクニックの効果は他の平滑化処理法に
比べて格段に優れていることがわかる。
以上述べたように、本発明の平滑化処理による雑音低
減テクニックでは、平滑化処理部により、あらかじめ波
形に含まれる雑音の分散値σn 2を求め、平滑化区間Nの
波形データについて、その波形データのばらつきを (Kは定数)という値で制限してから移動平均法による
平滑化処理を実行しているので、従来の単なる移動平均
法による平滑化処理による雑音除去システムが有してい
る信号波形のなまり、あるいは波形のレベルが急激に変
化するような部分での雑音低減度の悪化という欠点を解
消することができる。
また、このような平滑化処理部を適用したOTDRにおい
ては、次のような利点が得られる。
(1)アベレージングのみで同等の効果を得ようとする
ときの測定処理時間よりも短かい測定処理時間で障害点
等からのフレネル反射光の立上がりがなまることなく、
S/Nが改善された表示波形を得ることができるので、所
望の波形点にマーカーを正しく合せて正確な障害点の測
定を行なうことが可能となる。
(2)フレネル反射の立下りやファイバ接続点での後方
散乱光の段差波形の立下りがなまらないので、2点間分
解能を改善することが可能となる。
なお、この発明は上記し且つ図示した実施例のみに限
定されることなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種
々の変形や適用が可能である。
[発明の効果] 従って、以上詳述した如く、本発明によれば、信号波
形のなまりを抑制し且つ効果的な雑音低減を可能とする
平滑化処理方法および平滑化処理による雑音除去装置お
よびそれを用いることにより、短かい測定時間で高精度
の測定を可能とするOTDRを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による第1の実施例の要部の構成を示す
ブロック図、第2図(a)は単純移動平均法による平滑
化処理で用いる重み関数を例示する図、第2図(b)は
多項式適合法による平滑化処理で用いる重み関数を例示
する図、第3図(a),(b)は本発明の平滑化処理に
よる雑音低減テクニックの原理を説明するための図、第
4図(a),(b),(c)は原波形に対する本発明の
平滑化処理による平滑化データと従来の単純移動平均法
のみによるそれとを対比させて示す図、第5図は本発明
による第2の実施例の要部の構成を示すブロック図、第
6図乃至第10図は第2の実施例による表示波形を原波形
および従来の各種の平滑化処理による表示波形とを対比
させて示す図である。 1……波形データ(入力)、2……σn 2算出部、3……
波形レベル差算出部、4……N値入力部、5……K値入
力部、6……制限値算出部、7……波形レベル差制限
部、8……単純移動平均処理部。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01M 11/00 - 11/02 G06F 15/353

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被平滑化処理用の波形データを入力する波
    形データ入力手段と、 前記波形データ入力手段によって入力された前記波形デ
    ータに関する雑音の分散値(σn 2)を算出する雑音分散
    値算出手段と、 前記波形データについての雑音の低減度を決める定数
    (K)を入力する低減度定数入力手段と、 前記雑音分散値算出手段によって算出される雑音の分散
    値(σn 2)および前記低減度定数入力手段によって入力
    される雑音の低減度を決める定数(K)に基いて前記波
    形データのばらつきに関する制限値 を算出する制限値算出手段と、 前記波形データ入力手段によって入力された前記波形デ
    ータに関する平滑化区間(N)値を入力する平滑化区間
    値入力手段と、 前記平滑化区間値入力手段によって入力された平滑化区
    間(N)値に従って平滑化すべき特定点の波形データx
    (i)と平滑化区間(N)に含まれる前記特定点の波形
    データを除く(N−1)個の各波形データx(j)それ
    ぞれとの波形レベル差の絶対値|x(i)−x(j)|を
    算出する波形レベル差算出手段と、 前記波形レベル差算出手段によって算出された波形レベ
    ル差の絶対値|x(i)−x(j)|および前記制限値算
    出手段によって算出された制限値 とを比較し、該比較結果が のとき、x(j)=x(i)とし、且つ のとき、x(j)=x(j)として波形データを出力す
    る波形レベル差制限手段と、 前記波形レベル差制限手段によって出力される波形デー
    タについて移動平均法による平滑化処理を行なう移動平
    均処理手段とを具備してなることを特徴とする平滑化処
    理による雑音除去装置。
  2. 【請求項2】被測定用光ファイバに光パルスを入射する
    手段と、 前記被測定用光ファイバからの反射光を受光する受光手
    段と、 前記受光手段から出力される信号を処理する信号処理手
    段とを具備する光パルス試験装置において、 前記信号処理手段が少なくとも前記信号に対応する波形
    データについて平滑化処理する請求項(1)に記載の平
    滑化処理による雑音除去装置を含んでいることを特徴と
    する光パルス試験装置。
  3. 【請求項3】被平滑化処理用の波形データに関する雑音
    の分散値(σn 2)を算出する第1の段階と、 前記第1の段階によって算出された雑音の分散値
    (σn 2)および雑音の低減度を決める定数(K)に基い
    て前記被平滑化処理用の波形データのばらつきに関する
    制限値 を算出する第2の段階と、 前記被平滑化処理用の波形データに関する平滑化区間
    (N)値に従って平滑化すべき特定点の波形データx
    (i)と平滑化区間(N)に含まれる前記特定点の波形
    データを除く(N−1)個の各波形データx(j)それ
    ぞれとの波形レベル差の絶対値|x(i)−x(j)|を
    算出する第3の段階と、 前記第3の段階によって算出された波形レベル差の絶対
    値|x(i)−x(j)|および前記算出された制限値 とを比較し、該比較結果が のとき、x(j)=x(i)とし、且つ のとき、x(j)=x(i)として波形データを出力す
    る第4の段階と、 前記第4の段階によって出力される波形データについて
    移動平均法による平滑化処理を行なう第5の段階とを具
    備してなることを特徴とする平滑化処理方法。
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