JP2002357655A - パルス圧縮装置及びパルス圧縮方法 - Google Patents

パルス圧縮装置及びパルス圧縮方法

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JP2002357655A
JP2002357655A JP2001163773A JP2001163773A JP2002357655A JP 2002357655 A JP2002357655 A JP 2002357655A JP 2001163773 A JP2001163773 A JP 2001163773A JP 2001163773 A JP2001163773 A JP 2001163773A JP 2002357655 A JP2002357655 A JP 2002357655A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大目標付近の小目標の検出と低S/N目標の
検出とを同時に可能とする。 【解決手段】 参照信号を記憶する参照信号記憶部3
と、受信信号にパルス圧縮処理を施して出力するパルス
圧縮フィルタ部1と、逆関数フィルタ係数を算出するフ
ィルタ係数発生部6と、パルス圧縮フィルタ部1の出力
信号の指定領域に対して逆関数フィルタ処理を施す逆関
数フィルタ部4と、逆関数フィルタ部4の出力信号から
目標信号を抽出し、その位置及び信号強度を出力する目
標検出部21と、パルス圧縮フィルタ部1の出力信号か
ら目標信号を抽出し、その位置及び信号強度を出力する
目標検出部22と、目標検出部22の出力信号からサイ
ドローブレベルがノイズレベルを越える目標を抽出し、
前記指定領域を逆関数フィルタ部4へ出力する統合処理
部5とを備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電波を用いて反射
体を検出するレーダ装置等に広く用いられるパルス圧縮
装置及びパルス圧縮方法に関し、特に反射体の検出能力
を改良したパルス圧縮装置及びパルス圧縮方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】パルス圧縮とは、送信信号の振幅を低く
抑える代わりに、パルス幅を長くすることにより所要の
平均送信電力を確保しつつ、パルスを長くした分、距離
分解能が劣化しないように送信パルス内に変調をかけ、
受信信号に対しての計算処理によりパルス幅を狭くして
距離分解能を確保する技術である。
【0003】図4[a]は、パルス圧縮装置の第一従来
例を示すブロック図である。以下、この図面に基づき説
明する。
【0004】第一従来例のパルス圧縮装置は、レーダ装
置に用いられる一般的なものである。このパルス圧縮装
置では、受信信号がパルス圧縮フィルタ部1に入力され
る。同時にパルス圧縮フィルタ部1では、参照信号記憶
部3に格納された参照信号を読み取る。参照信号とは、
送信信号、又は事前に測定するなどして得た検出位置が
既知である受信信号のことである。パルス圧縮フィルタ
部1は、これらの受信信号及び参照信号を用いて相関処
理であるパルス圧縮処理を行い、その結果を目標検出部
2へ出力する。パルス圧縮フィルタ部1から出力される
信号には、目標である反射体の位置に対応して検出時間
が現れ、反射体からの反射強度に対応して振幅が変化す
るピークが現れる。目標検出部2においては、この信号
に対し一定しきい値を越えた信号を抽出するなどして検
出処理を行い、検出した信号の検出位置や強度などを目
標検出結果として出力する。
【0005】図4[b]は、パルス圧縮装置の第二従来
例を示すブロック図である。以下、この図面に基づき説
明する。ただし、図4[a]と同じ部分は同じ符号を付
すことにより説明を省略する。
【0006】第二従来例のパルス圧縮装置は、第一従来
例のパルス圧縮装置に対し、逆関数フィルタ処理を追加
したものである。逆関数フィルタ部4では、受信信号に
対するパルス圧縮フィルタ部1からのパルス圧縮処理後
の信号と、逆関数フィルタ処理を行うためのフィルタ係
数発生部6で作成されるフィルタ係数とを用い、逆関数
フィルタ処理を行った結果を出力する。逆関数フィルタ
部4の出力信号は、パルス圧縮フィルタ部1で入力する
受信信号を、下記式1で表現されるフィルタを通過させ
て得られる信号と、等価となる。これにより、サイドロ
ーブレベルを低減する効果が期待できる。
【0007】 H(ω)=S(ω)/{α+(1−α)|S(ω)|}・・・(式1) S(ω):パスル圧縮信号のスぺクトラム、α:定数(1>α≧0)
【0008】ここで言うサイドローブとは、処理後の信
号において反射体の検出位置の前後に生じる振幅の大き
な不要信号のことである。このサイドローブレベルが受
信機の内部雑音信号などによる装置のノイズレベルを越
えて現れた場合、サイドローブを目標位置として誤検出
したり、サイドローブ内にある小目標の検出を妨げたり
する。したがって、目標の正確な検出のためには、でき
るだけサイドローブを低減する必要がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、第一従
来例では、大目標付近に存在する小目標の検出が困難で
あった。パルス圧縮処理波形において検出される目標信
号付近には、参照信号波形の相関時間に相当するサイド
ローブが存在する。そのため、大目標におけるパルス圧
縮処理波形のサイドローブが存在する位置に小目標があ
ると、その小目標の信号がサイドローブに埋もれてしま
う。
【0010】その問題を解決するために考案された第二
従来例では、サイドローブ内にあるために検出できなか
った小目標を検出できるようになるものの、低S/N目
標の検出が困難となってしまうという問題があった。そ
の理由は、逆関数フィルタ部を追加することにより、サ
イドローブが低減されるので大目標付近の小目標の検出
が可能となるものの、パルス圧縮後の信号におけるS/
N特性が劣化するため、低S/N目標の検出が困難とな
ってしまうためである。
【0011】
【発明の目的】このように、従来技術では、サイドロー
ブ内の小目標を検出しようとすると低S/N目標を検出
できなくなり、逆に低S/N目標を検出しようとすると
サイドローブ内の小目標を検出できなくなるという問題
があった。そこで、本発明の目的は、サイドローブ内の
小目標の検出と低S/N目標の検出とを両立できる、パ
ルス圧縮装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明に係るパルス圧縮
装置は、参照信号を記憶する参照信号記憶部と、受信信
号に対し前記参照信号に基づきパルス圧縮処理を施して
出力するパルス圧縮フィルタ部と、前記参照信号を用い
て逆関数フィルタ係数を算出するフィルタ係数発生部
と、前記パルス圧縮フィルタ部からの出力信号に対して
前記逆関数フィルタ係数を用い、指定領域に対して逆関
数フィルタ処理を施して出力する逆関数フィルタ部と、
この逆関数フィルタ部の出力信号から目標信号を抽出
し、その目標の位置及び信号強度を出力する第一の目標
検出部と、前記パルス圧縮フィルタ部の出力信号から目
標信号を抽出し、その目標の位置及び信号強度を出力す
る第二の目標検出部と、前記第二の目標検出部の出力信
号からサイドローブレベルがノイズレベルを越える目標
を抽出し、その目標を含む領域を前記指定領域として前
記逆関数フィルタ部へ出力する統合処理部と、を備えた
ものである(請求項1)。
【0013】また、前記統合処理部は、前記第一及び第
二の目標検出部の出力信号において同一位置に目標があ
る場合にS/Nの大きい方を選択する、としてもよい
(請求項2)。
【0014】更に、前記統合処理部は、前記目標を中心
として前後にそれぞれ送信パルス幅分の領域を前記指定
領域として前記逆関数フィルタ部へ出力する、としても
よい(請求項3)。
【0015】本発明に係るパルス圧縮方法は、本発明に
係るパルス圧縮装置で使用されるものである(請求項4
〜6)。
【0016】換言すると、本発明に係るパルス圧縮装置
は、通常のパルス圧縮処理に加え、パルス圧縮フィルタ
部の出力信号に対して直接目標検出した結果に対し、統
合処理部において算出した目標信号のS/Nから、サイ
ドローブレベルが装置のノイズレベルを越えると判断で
きる目標信号を抽出し、抽出された目標信号検出位置を
中心として前後それぞれの送信パルス幅分の領域にの
み、パルス圧縮フィルタ部の出力信号に対して逆関数フ
ィルタ部による逆関数フィルタ処理を行う。これによ
り、通常の逆関数フィルタ処理を含む装置に比べ、逆関
数フィルタ処理に要するハードウェア規模及び処理時間
を縮小している。また、パルス圧縮フィルタ部の出力信
号に対して直接目標検出した結果と、パルス圧縮フィル
タ部の出力信号に対して逆関数フィルタ部による逆関数
フィルタ処理を行った後に目標検出した結果とを、統合
処理部において比較する。そして、同一位置に目標が検
出された場合は、目標からの反射信号のない状態で測定
されたパルス圧縮結果から求めたノイズレベルと目標検
出結果の信号強度レベルとから求められるS/Nを、そ
れぞれの結果について比較し、S/Nの高い方の目標を
選択することにより、検出結果の統合を行う。これによ
り、サイドローブの低減と低S/N目標の検出とを同時
に実現する。
【0017】すなわち、通常のパルス圧縮処理に加え、
パルス圧縮処理の結果においてサイドローブレベルが装
置のノイズレベルを越える目標を検出し、その検出され
た部分に対してのみ、逆関数フィルタ処理を用いたパル
ス圧縮処理を行う。この逆関数フィルタ処理は、パルス
圧縮波形に存在するサイドローブレベルを低減すること
により、大目標付近に存在する小目標の検出を可能とす
る。これにより、通常の逆関数フィルタを有するパルス
圧縮装置に比べ、逆関数フィルタ処理に要する処理時間
及び装置規模を縮小することができる。なおかつ、逆関
数フィルタ処理後の信号に対する目標検出結果と逆関数
フィルタ処理の無い信号に対する目標検出結果とを比較
し、同一距離に目標信号が検出された場合は、それらの
目標検出結果のうち高いS/Nの目標信号を選択するこ
とにより検出結果を統合する。これにより、従来検出で
きなかった目標を低サイドローブ化により検出できると
ともに、タイムサイドローブによる誤検出を無くすこと
ができる。しかも、逆関数フィルタ処理を行う従来の装
置では困難だった低S/N目標の検出も可能となるの
で、より精度の高い目標検出が実現される。
【0018】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係るパルス圧縮
装置の一実施形態を示すブロック図である。以下、この
図面に基づき説明する。ただし、図4[b]と同じ部分
は同じ符号を付すことにより説明を省略する。
【0019】本実施形態のパルス圧縮装置は、送信信号
波形を参照信号として記憶する参照信号記憶部3と、受
信信号に対し前記参照信号に基づきパルス圧縮処理を施
して出力するパルス圧縮フィルタ部1と、前記参照信号
を用いて逆関数フィルタ係数を算出するフィルタ係数発
生部6と、パルス圧縮フィルタ部1からの出力信号に対
して前記逆関数フィルタ係数を用い、指定領域に対して
逆関数フィルタ処理を施して出力する逆関数フィルタ部
4と、逆関数フィルタ部4の出力信号から目標信号を抽
出し、その目標の位置及び信号強度を出力する目標検出
部21と、パルス圧縮フィルタ部1の出力信号から目標
信号を抽出し、その目標の位置及び信号強度を出力する
目標検出部22と、目標検出部22の出力信号からサイ
ドローブレベルがノイズレベルを越える目標を抽出し、
その目標を含む領域を前記指定領域として逆関数フィル
タ部4へ出力する統合処理部5とを備えたものである。
【0020】また、統合処理部5は、目標検出部21,
22の出力信号において同一位置に目標がある場合にS
/Nの大きい方を選択する。更に、統合処理部5は、目
標を中心として前後にそれぞれ送信パルス幅分の領域
を、前記指定領域として逆関数フィルタ部4へ出力す
る。
【0021】本実施形態のパルス圧縮装置は、通常のパ
ルス圧縮処理に加え、パルス圧縮フィルタ部1の出力信
号に対して直接目標検出し、その結果に対して統合処理
部5において次のように処理する。算出した目標信号の
S/Nから、サイドローブレベルが装置のノイズレベル
を越えると判断できる目標信号を抽出し、抽出された目
標信号検出位置を中心として前後に送信パルス幅分の領
域に対してのみ、パルス圧縮フィルタ部1の出力信号に
対して逆関数フィルタ部4による逆関数フィルタ処理を
行う。これにより、通常の逆関数フィルタ処理を含む装
置に比べ、逆関数フィルタ処理に要するハードウェア規
模及び処理時間を縮小している。
【0022】また、パルス圧縮フィルタ部1の出力信号
に対して直接目標検出した結果と逆関数フィルタ部4に
よる逆関数フィルタ処理を行った後に目標検出した結果
とを、統合処理部5において比較する。そして、同一位
置に目標が検出された場合は、目標からの反射信号のな
い状態で測定されたパルス圧縮結果から求めたノイズレ
ベルと、目標検出結果の信号強度レベルとから求められ
るS/Nを比較し、よりS/Nの高い目標を選択する検
出結果の統合を行うことで、サイドローブの低減による
効果と低S/N目標の検出とを同時に実現する。
【0023】要約すると、本実施形態のパルス圧縮装置
は、従来のパルス圧縮装置に対し、次の点が異なる。統
合処理部5により検出されたサイドローブレベルが装置
のノイズレベルを越える目標を含んだ部分に対してサイ
ドローブレベルの低減を可能にする逆関数フィルタ部4
を含んだ処理を追加し、その結果と逆関数フィルタ部4
を含まない処理の結果とを統合処理部5において比較
し、同一距離においてS/Nの高い方の信号を選択出力
する統合処理をしている点で大きく異なる。
【0024】参照信号記憶部3には、送信信号波形デー
タが参照信号として格納されている。パルス圧縮フィル
タ部1は、入力した受信信号と参照信号記憶部3から取
り出した参照信号とを用いてパルス圧縮処理を施し、そ
の結果であるパルス圧縮信号を出力する。
【0025】フィルタ係数発生部6は、参照信号記憶部
3に格納されている参照信号を用いて、逆関数フィルタ
部4において逆関数フィルタ処理を行うための、フィル
タ係数を算出し出力する。逆関数フィルタ部4は、統合
処理部5から指定のあった領域の入力信号に対して、フ
ィルタ係数発生部6からのフィルタ係数を用いて逆関数
フィルタ処理を行い、その結果を出力する。
【0026】目標検出部22は、入力信号に対し一定し
きい値を越える信号を検出することにより目標信号を検
出し、検出された目標信号の位置及び強度の情報を出力
する。統合処理部5は、パルス圧縮フィルタ部1の出力
に対する目標検出部22の目標検出結果のS/Nを算出
し、その結果からサイドローブレベルが装置のノイズレ
ベルを越える目標信号を抽出し、その検出位置を中心と
して前後に送信パルス幅分の処理範囲を逆関数フィルタ
部4に対して指定する。
【0027】更に、統合処理部5は、目標検出部22か
らの入力と指定した処理範囲に対する目標検出結果であ
る目標検出部21からの入力とを比較し、同一距離の検
出結果に対してS/Nの高い方を選択する検出結果の統
合を行うことにより、装置に入力された受信信号に対応
する目標検出結果を出力する。
【0028】次に、本実施形態のパルス圧縮処理におけ
る動作を説明する。
【0029】参照信号記憶部3は、送信信号、又は位置
などが既知である反射体からの反射信号を、参照信号と
して格納している。パルス圧縮フィルタ部1は、受信信
号を入力し、この受信信号に対し参照信号記憶部3から
取り出した参照信号を用いてパルス圧縮処理を行い、算
出されたパルス圧縮波形を目標検出部22及び逆関数フ
ィルタ部4へ出力する。なお、受信信号には、発射した
電波が反射体で反射した信号が含まれている。
【0030】目標検出部22は、入力した信号に対し一
定しきい値を越える信号を検出することで目標信号を抽
出し、その検出位置及び信号強度などを統合処理部5へ
出力する。統合処理部5は、目標検出部22の結果を記
憶するとともに、反射体からの信号のない場合の受信機
の内部雑音などによるノイズ信号のみの状態で事前に測
定されたパルス圧縮結果を、装置のノイズレベルとして
記憶している。パルス圧縮フィルタ処理の際に現れるサ
イドローブレベルが、検出される信号の強度に比例する
ことを利用し、このノイズレベルと目標検出部22から
の検出結果の信号強度レベルとから算出されるS/Nか
ら、目標信号のサイドローブレベルが装置のノイズレベ
ルを越える目標信号を抽出し、抽出された目標信号の検
出位置に対応した処理範囲を逆関数フィルタ処理部4に
対し指定する。
【0031】このとき、統合処理部5が逆関数フィルタ
部4に対し指定する領域の根拠となる目標信号を、その
サイドローブレベルが装置のノイズレベルを越える場合
に限定しているのは、逆関数フィルタ処理によって新た
に目標信号が検出される可能性のある箇所が、この条件
を満たす目標信号が検出されている領域に限られている
からである。また、指定すべき処理範囲は、サイドロー
ブに隠れている目標の信号の検出レベルが逆関数フィル
タ処理によって損失することの無いように、目標検出位
置を中心とする前後にそれぞれ送信信号パルス幅分の領
域とする必要がある。
【0032】また、パルス幅の2倍の領域に、目標が抽
出されたとする。この目標は、複数のサイドローブレベ
ルが装置のノイズレベルを越えるものとして抽出され
る。この場合、検出された目標それぞれの処理を必要と
する領域を合わせた領域を、処理範囲として一括して指
定することにより、重なり合う領域に対し逆関数フィル
タ処理が重ねて行われることの無いように、処理時間の
無駄を防ぐ必要がある。
【0033】フィルタ係数発生部6は、参照信号記憶部
3に格納されている参照信号を用い、逆関数フィルタの
係数を作成する。逆関数フィルタ部4は、フィルタ係数
発生部6で作成されたフィルタ係数を用い、パルス圧縮
フィルタ部1から入力するパルス圧縮フィルタ処理後の
信号について、統合処理部5から指定のあった領域のみ
に逆関数フィルタ処理を行い、その結果を目標検出部2
1へ出力する。この逆関数フィルタ部4の出力信号は、
パルス圧縮部1で入力した受信信号を、式1で表現され
るフィルタを通過させることにより得られる信号と等価
となる。 H(ω)=S(ω)/{α+(1−α)|S(ω)|}・・・(式1) S(ω):パスル圧縮信号のスペクトラム、α:定数(1>α≧0)
【0034】統合処理部5は、指定した信号に対しての
逆関数フィルタ部4での処理を経て得られる目標検出部
21からの検出結果が入力されると、その検出結果に対
し目標検出部22の検出結果に対して行ったのと同じよ
うに、ノイズレベルと目標信号の強度レベルとの比較に
よってS/Nを算出し、その結果と記憶してある同一距
離における目標検出部22からの検出結果とを比較し、
よりS/Nが大きいものをその距離における最終的な目
標信号として選択し目標検出結果として出力する。
【0035】次に、計算機シミュレーションの結果を用
いて本発明の効果について具体的に説明する。図2は、
本実施形態におけるサイドローブ低減の効果を示す計算
機シミュレーション結果のグラフであり、図2[a]は
パルス圧縮フィルタ部出力、図2[b]は逆関数フィル
タ出力である。
【0036】図2に示したグラフは、サイドローブ低減
の効果を検証するために行った、単独のノイズのない反
射体からの信号に対する、パルス圧縮フィルタ部1から
出力されるパルス圧縮処理結果の出力信号(図2
[a])と、逆関数フィルタ部4の出力信号(図2
[b])とを、計算機シミュレーションにより示したも
のである。シミュレーション条件としては、受信信号及
び参照信号には、63ビットのM系列符号による符号変
調信号を使用し、前述の(式1)で示される逆関数フィ
ルタ係数の定数αは0.01とした。
【0037】図2[a]は従来のパルス圧縮装置におけ
る出力信号と等価である。したがって、逆関数フィルタ
処理の効果としてサイドローブレベルが15dB以上改
善されていることが、このシミュレーション結果よりわ
かる。
【0038】次に、目標信号検出の効果を検証するため
に行ったシミュレーション結果を、図3に示す。図3は
本実施形態における大目標信号付近の小目標検出の効果
を示すシミュレーション結果のグラフであり、図3
[a]はパルス圧縮フィルタ部出力、図3[b]は逆関
数フィルタ部出力である。
【0039】実際の観測条件により近い条件とするた
め、入力信号にホワイトノイズを加えるとともに、大目
標付近の小目標の信号を加えて、シミュレーションを行
っている。図3[a]がパルス圧縮フィルタ部1の出力
に相当するものであり、図3[b]が逆関数フィルタ部
4の出力波形となる。シミュレーション条件としては受
信信号及び参照信号は図2と同一のものとし、逆関数フ
ィルタ係数の算出に用いる定数αは0.1、大信号に対
するS/Nを30dB、小信号のS/Nを10dBとし
ている。
【0040】この二つのグラフの比較からわかるよう
に、サイドローブが低減されることにより、図2[b]
に現れているサイドローブはノイズ信号レベル以下とな
るので、検出できなかった大目標付近の小目標の信号
が、現れ検出可能となっている。しかしながら、S/N
が劣化していることから、逆関数フィルタ処理を行うと
低S/N目標の検出には不利となることがわかる。
【0041】以上のことからも分かるように、本発明で
は逆関数フィルタ処理を行う場合と行わない場合との結
果を統合処理することで、通常のパルス圧縮処理で両立
させることが困難であった、大目標付近に存在する小目
標の検出及び低S/N目標の検出を両立させることがで
きる。また、パルス圧縮フィルタ処理後のサイドローブ
レベルが装置のノイズレベルを越えかつS/Nが高い目
標信号を抽出して、その信号を含む領域にのみ逆関数フ
ィルタ処理を行うため、通常の逆関数フィルタ処理を含
むパルス圧縮装置に比べ、逆関数フィルタ処理に要する
処理時間及びハードウェア規模の縮小を可能としてい
る。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、本発明において
は、次のような効果を奏する。
【0043】第一の効果は、大目標付近の小目標を検出
できると同時に、低S/N目標をも検出できるので、精
度の高い目標検出を実現できることである。その理由
は、従来のパルス圧縮処理に加え、通常のパルス圧縮処
理によってサイドローブが装置のノイズレベルを越える
目標を検出し、その検出された部分に対し逆関数フィル
タ処理を実施し、その結果を用いて目標検出処理を行っ
た結果と、通常のパルス圧縮処理の結果を用いて目標検
出処理を行った結果とを比較し、よりS/Nの高い信号
を選択する統合処理を行うことで、逆関数フィルタ処理
を実施することによるパルス圧縮処理の際に現れていた
サイドローブを低減する効果を得ると同時に、逆関数フ
ィルタ処理の際に起きていたS/N劣化の問題を回避で
きるためである。
【0044】第二の効果は、通常のパルス圧縮処理に用
いられる逆関数フィルタ処理に比べ、逆関数フィルタ処
理に要する処理時間やハードウェア規模を縮小できるこ
とにある。その理由は、入力した信号の全てに対し逆関
数フィルタ処理を行うのではなく、サイドローブレベル
が装置のノイズレベルを越える目標信号を含む部分を抽
出し、その部分に対してのみ逆関数フィルタ処理を実施
しているためである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るパルス圧縮装置の一実施形態を示
すブロック図である。
【図2】本実施形態におけるサイドローブ低減の効果を
示す計算機シミュレーション結果のグラフであり、図2
[a]はパルス圧縮フィルタ部出力、図2[b]は逆関
数フィルタ出力である。
【図3】本実施形態における大目標信号付近の小目標検
出の効果を示すシミュレーション結果のグラフであり、
図3[a]はパルス圧縮フィルタ部出力、図3[b]は
逆関数フィルタ部出力である。
【図4】図4[a]はパルス圧縮装置の第一従来例を示
すブロック図であり、図4[b]はパルス圧縮装置の第
二従来例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 パルス圧縮フィルタ部 21 目標検出部(第一の目標検出部) 22 目標検出部(第二の目標検出部) 3 参照信号記憶部 4 逆関数フィルタ部 5 統合処理部 6 フィルタ係数発生部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 参照信号を記憶する参照信号記憶部と、 受信信号に対し前記参照信号に基づきパルス圧縮処理を
    施して出力するパルス圧縮フィルタ部と、 前記参照信号を用いて逆関数フィルタ係数を算出するフ
    ィルタ係数発生部と、 前記パルス圧縮フィルタ部からの出力信号に対して前記
    逆関数フィルタ係数を用い、指定領域に対して逆関数フ
    ィルタ処理を施して出力する逆関数フィルタ部と、 この逆関数フィルタ部の出力信号から目標信号を抽出
    し、その目標の位置及び信号強度を出力する第一の目標
    検出部と、 前記パルス圧縮フィルタ部の出力信号から目標信号を抽
    出し、その目標の位置及び信号強度を出力する第二の目
    標検出部と、 前記第二の目標検出部の出力信号からサイドローブレベ
    ルがノイズレベルを越える目標を抽出し、その目標を含
    む領域を前記指定領域として前記逆関数フィルタ部へ出
    力する統合処理部と、 を備えたパルス圧縮装置。
  2. 【請求項2】 前記統合処理部は、前記第一及び第二の
    目標検出部の出力信号において同一位置に目標がある場
    合にS/Nの大きい方を選択する、 請求項1記載のパルス圧縮装置。
  3. 【請求項3】 前記統合処理部は、前記目標を中心とし
    て前後にそれぞれ送信パルス幅分の領域を前記指定領域
    として前記逆関数フィルタ部へ出力する、 請求項1又は2記載のパルス圧縮装置。
  4. 【請求項4】 参照信号を記憶し、 受信信号に対し前記参照信号に基づきパルス圧縮処理を
    施して出力し、 前記参照信号を用いて逆関数フィルタ係数を算出し、 前記パルス圧縮処理後の出力信号に対して前記逆関数フ
    ィルタ係数を用い、指定領域に対して逆関数フィルタ処
    理を施して出力し、 この逆関数フィルタ処理後の出力信号から目標信号を抽
    出し、その目標の位置及び信号強度を第一の目標検出信
    号として出力し、 前記パルス圧縮処理後の出力信号から目標信号を抽出
    し、その目標の位置及び信号強度を第二の目標検出信号
    として出力し、 前記第二の目標検出信号からサイドローブレベルがノイ
    ズレベルを越える目標を抽出し、その目標を含む領域を
    前記指定領域とする、 パルス圧縮方法。
  5. 【請求項5】 前記第一及び第二の目標検出信号におい
    て同一位置に目標がある場合にS/Nの大きい方を選択
    する、 請求項4記載のパルス圧縮方法。
  6. 【請求項6】 前記目標を中心として前後にそれぞれ送
    信パルス幅分の領域を前記指定領域とする、 請求項4又は5記載のパルス圧縮方法。
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