JP2909140B2 - 検体測定方法およびその装置 - Google Patents

検体測定方法およびその装置

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JP2909140B2 JP2107149A JP10714990A JP2909140B2 JP 2909140 B2 JP2909140 B2 JP 2909140B2 JP 2107149 A JP2107149 A JP 2107149A JP 10714990 A JP10714990 A JP 10714990A JP 2909140 B2 JP2909140 B2 JP 2909140B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は医療検査領域における検体測定方法およびそ
の装置に関し、特に、1回の検体測定で確実に目的とす
る測定対象物の測定が行える検体方法およびその装置に
関する。
〔従来の技術〕
医療検査領域において、血液から得られる情報には多
種多様なものがある。血液中には赤血球,白血球,血小
板等はもとより、その他種々の抗原或いは、抗体が含ま
れており、これらを目的に合わせて測定することによ
り、種々の検査を行うことができる。
従来、このような血液等の検体の検査を行う方法とし
ては、抗原或いは抗体等の測定対象物の濃度が測定措置
の測定可能範囲に適合するように、予め検体を適正と想
定される希釈倍率で希釈後、測定を実行する検体測定方
法が一般的に適用されている。ここで検体を希釈して使
用するのは、検体濃度に対して使用する測定装置の測定
可能範囲が狭いためである。一般に未知のサンプルの測
定(或いは定量)を行う場合、所定の方法で大まかな濃
度を調べた後、該サンプル濃度が使用する測定装置の測
定可能範囲になるように調整(希釈)して、測定を実行
するが、血液等を検体(サンプル)とする場合は、後術
するように検体の取り得る濃度範囲が想定でき、且つ、
所定の分布を有しているため、予め検体を適正と想定さ
れる希釈倍率で希釈する方法が適用される。例えば、検
体として血漿を用い、該血漿中の特定の抗原量(測定対
象物の濃度)を検査する場合、例えば、測定に使用する
測定装置の測定可能範囲が0〜5000mg/dl,検体の抗体量
のバラツキ範囲(検体が取り得る抗体量の範囲)が1000
〜100000mg/dl,抗体量の正常値の範囲(正常者の抗体量
範囲であり、換言すれば、最も分布頻度の高い範囲)が
2000〜10000mg/dlとすると、検体を1/10の希釈すること
により測定装置の測定可能範囲の測定によって0〜5000
0mg/dlの範囲の抗体量を検査するようにしている。従っ
て、検体の希釈倍率(ここでは、10倍)は、前述した抗
体量の正常値の範囲(最も分布頻度の高い範囲)に基づ
いて決定される。これにより大多数の検体の測定が可能
であり、且つ、個々の検体毎の濃度調整を行う必要がな
いため、測定を効率的に行うことができる。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、従来の検体測定方法によれば、最も分
布頻度の高い範囲(正常値の範囲)を測定装置の測定可
能範囲に調整することにより、測定の効率化を図ること
ができるものの、測定した検体が測定装置の測定可能範
囲からはずれた場合、再度適当な濃度に希釈し直して測
定(再検)する必要があるため、手間及び時間かかると
いう問題点があった。
また、検体濃度が測定装置の測定可能範囲か否かの判
断は、測定する検体の反応経過を連続モニターして、測
定可能範囲に納まるか否かを予測して判断しているた
め、必ずしも判断が完全でなく、更に、測定する検体が
異常に高濃度の場合、所謂、プローゾン現象によって低
濃度の検体のような測定値を示すため、測定した検体が
低濃度であると誤認するという問題点もあった。
本発明は上記に鑑みてなされたものであって、1回の
測定で確実に検体を実行し、手間及び時間のかかる再検
を回避できることを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
上記の目的を達成するため、請求項1の検体測定方法
は、抗原或いは抗体等の測定対象物の濃度が測定装置の
測定可能範囲に適合するように、予め検体を適正と想定
される希釈倍率で希釈後、測定を実行する検体測方法に
おいて、前記検体を異なる希釈倍率で希釈して複数の希
釈検体を作成し、且つ、前記複数の希釈検体を測定する
工程を含み、前記異なる希釈倍率は、前記複数の希釈検
体の測定によって得られる前記測定対象物の測定可能濃
度範囲が、一部重なるように設定されているものであ
る。
また、請求項2の検体測定方法は、抗原或いは抗体等
の測定対象物の濃度が測定装置の測定可能範囲に適合す
るように、予め検体を適正と想定される希釈倍率で希釈
後、測定を実行する検体測定方法において、前記検体を
二連の反応部を有する二連反応容器に収納し、該二連反
応容器中の検体を異なる希釈倍率で希釈して希釈検体を
作成し、且つ、該二連反応容器中の希釈検体を同時に測
定するものである。
また、請求項3の検体測定方法は、請求項2に記載の
検体測定方法において、前記異なる希釈倍率が、前記二
連反応容器中の希釈検体の測定によって得られる前記測
定対象物の測定可能濃度範囲が、連続或いは一部重なる
ように設定されているものである。
また、請求項4の検体測定装置は、抗原或いは抗体等
の測定対象物の濃度が測定装置の測定可能範囲に適合す
るように、予め検体を適正と想定される希釈倍率で希釈
後、測定を実行する検体測定装置において、前記検体を
複数の反応容器にそれぞれ分注する第1の分注手段と、
前記検体の種類に対応して用意された希釈倍率情報に基
づいて、前期複数の反応容器毎にそれぞれ異なる希釈倍
率で希釈液を分注して複数の希釈検体を作成する第2の
分注手段と、前記複数の希釈検体を測定する測定手段
と、を備え、前記異なる希釈倍率は、前記複数の希釈検
体の測定によって得られる前記測定対象物の測定可能濃
度範囲が、一部重なるように設定されているものであ
る。
また、請求項5の検体測定装置は、抗原或いは抗体等
の測定対象物の濃度が測定装置の測定可能範囲に適合す
るように、予め検体を適正と想定される希釈倍率で希釈
後、測定を実行する検体測定装置において、前記測定対
象物を収容するための二連の反応部を有する二連反応容
器と、前記二連反応容器に前記検体を分注する第1の分
注手段と、前記検体の種類に対応して用意された希釈倍
率情報に基づいて、前記二連反応容器中に希釈液を分注
して異なる希釈倍率の希釈検体を作成する第2の分注手
段と、前記測定容器中の希釈検体を同時に測定する測定
手段と、を備えたものである。
さらに、請求項6の検体測定装置は、請求項5に記載
の検体測定装置において、前記異なる希釈倍率が、前記
二連反応容器中の希釈検体の測定によって得られる前記
検体の測定可能濃度範囲が、連続或いは一部重なるよう
に設定されているものである。
〔作用〕
本発明の検体測定方法およびその装置は、検体を異な
る希釈倍率で希釈して複数の希釈検体を作成し、且つ、
複数の希釈検体を測定することにより、1回の処理で測
定できる検体の濃度範囲を広くする。
〔実施例〕
以下、本発明の検体測定方法およびその装置を詳細に
説明する。
第1図(a),(b)は本発明の検体測定方法を適用
した測定装置の第1の実施例の構成を示し、複数の反応
容器101を円形に配列して装填した回転テーブル102と、
試料103及び第1の反応試薬104を所定位置aに停止した
反応容器101に分注する試料分注器105と、反応容器101
に希釈液106を分注して希釈を行う希釈液分注器107と、
反応容器101に第2の反応試薬108を分注する反応試薬分
注器109と、試料分注器105及び反応試薬分注器109を介
して所定の分注処理を実施した反応容器101の化学変化
を測定するLED110,フォトセンサ111(光学的検出手段)
と、前記LED110及びフォトセンサ111によって測定した
測定データを入力して、演算処理を行うデータ処理部11
2と、データ処理部112の処理結果を出力するプリンタ11
3と、反応容器101中の溶液を撹拌して均一にするための
撹拌プルーブ114と、各分注器105,107,109の分注処理の
制御,回転テーブル102の回転制御,LED110及びフォトセ
ンサ111の測定制御,撹拌プルーブ114の制御等を行う制
御部115とから構成される。
以上の構成において、希釈倍率の設定,制御部の
制御,測定装置の動作の順に検体測定方法を説明す
る。
希釈倍率の設定 第1の実施例では、検体を異なる希釈倍率で希釈して
2個の希釈検体を作成し、且つ、希釈検体の少なくとも
1つは、測定対象物が正常濃度範囲の場合に前述の測定
装置における測定可能範囲となるように設定し、更に、
2個の希釈検体の測定によって得られる測定対象物の測
定可能濃度範囲が、連続或いは一部重なるように希釈倍
率を設定する。
第2図(a)は2個の希釈検体の希釈倍率の設定を説
明するための図である。例えば、検体中の測定対象物A
の測定装置による測定可能範囲が0〜100mg/dl,正常濃
度範囲(正常者の検体中の濃度)が100〜200mg/dl,正常
値及び異常値を含めて測定対象物Aが取る濃度範囲(但
し、異常値を含めるため必ずしもこの範囲に納まるもの
ではない)が100〜5000mg/dlの場合、先ず、測定装置で
正常濃度範囲が測定できるように第1の希釈倍率を設定
する。ここでは、100〜200mg/dl(正常濃度範囲)を測
定可能範囲で測定するために、検体するために、検体を
10倍に希釈して検体原濃度0〜1000mg/dlの範囲を0〜1
00mg/dlとして測定する。次に、測定装置で測定対象物
Aの全ての濃度範囲が測定できるように第2の希釈倍率
を設定する。第1の希釈倍率で作成した希釈検体で前述
したように0〜1000mg/dlの範囲の測定を行えるので、
ここでは少なくとも1000〜5000mg/dlの範囲の濃度が測
定できるように第2の希釈倍率を設定する必要がある。
従って、検体を50倍に希釈し、検体原液濃度で0〜5000
mg/dlを測定装置で測定する。即ち、第1の希釈倍率及
び第2の希釈倍率による測定対象物の測定可能範囲は以
下のようになり、2個の希釈検体によって測定対象物A
の濃度範囲を全て測定することが可能となる。
第1の希釈倍率……0〜1000mg/dl 第2の希釈倍率……0〜5000mg/dl 上記の希釈倍率によると2個の希釈検体による測定に
よって0〜1000mg/dlの範囲が重なっており、この部分
の測定に関してダブルで測定されることになる。また、
測定対象物Aでは第1の希釈倍率で正常濃度範囲を全て
測定できるように設定してが、例えば、測定対象物B
(正常濃度範囲以外の条件が測定対象物Aと同一であ
る)で示すように、正常濃度範囲の一部分をそれぞれ第
1及び第2の希釈倍率の希釈検体の分けて測定するよう
にしても良い。
第1の希釈倍率……0〜1000mg/dl (正常濃度範囲の0〜1000mg/dl) 第2の希釈倍率……0〜5000mg/dl (正常濃度範囲の0〜1200mg/dl) 更に、測定対象物Cで示すように、正常濃度範囲が装
置の測定可能範囲内である場合は、希釈倍率を1倍(即
ち、希釈せずに原液のまま使用)に設定しても良い。
第2図(b)は本実施例の測定装置における希釈倍率
の設定例を測定対象物を具体的に挙げて示したものであ
る。
i.AFP(アルファフェトプロテイン) AFPは身体にガン等の腫瘍がある場合に生成される物
質であり、正常濃度は20ng/ml程度以下と極めて少な
く、それ以上を異常と判定する。従って、第1の希釈倍
率(1倍)で0〜2000ng/mlの測定を行い、第2の希釈
倍率(500倍)で0〜100万ng/mlの範囲の測定を行う。
これによって、AFPの濃度範囲は0〜100万ng/mlを全て
測定することができる。
ii.β−M(β−マイクログロブリン) 第1の希釈倍率(1倍)で0〜2200μg/lを測定し、
第2の希釈倍率(25倍)で0〜60000μg/lの範囲を測定
する。尚、60000μg/lより大きな濃度は測定不可である
が、測定装置の出力において明らかに異常の値として処
理することができるため、実用的には問題はない。
iii.IgG(IgG抗体) 第1の希釈倍率(1倍)で0〜5000mg/dlを測定し、
第2の希釈倍率(2倍)で0〜10000mg/dlの範囲を測定
する。尚、IgGの例では正常濃度範囲の測定を第1及び
第2の希釈倍率の両方で測定することができることにな
る。
尚、第2図(a),(b)に示した装置の測定可能範
囲は、使用する装置によって異なるため、この範囲に限
定されるものではない。また、測定対象物の濃度範囲も
異常検体濃度の最大値及び最小値に依存するため、経験
的な数値を挙げたものであり、これに限定されるもので
はない。更に、上記の条件と同一の場合でも、これと異
なる希釈倍率を設定することができるのは勿論である。
制御部の制御 制御部115は、各分注器105,107,109の分注処理の制
御,回転テーブル102の回転制御,LED110及びフォトセン
サ111の測定制御,撹拌プルーブ114の制御等の測定装置
全般の制御を担っているが、ここで特に本発明の要部で
ある希釈倍率に基づいて希釈処理の制御について説明す
る。
制御部115は、その内部のROM(図示せず)に各測定対
象物の希釈倍率を下記の表に示すように既定値として記
憶している。
制御部115は所定の入力手段を介して、測定対象物
(測定項目名)が指定されると、例えば、AFPの入力が
あると、該当する第1及び第2の希釈倍率に基づいて試
料103の分注・希釈処理を行う。具体的には、第1の希
釈倍率(1倍)に基づいて、試料103の分注量と、希釈
液106の分注量の比率を演算し、試料分注器105を制御し
て所定位置の反応容器101に試料103を分注し、その後、
希釈液分注器107を制御し、所定量の希釈液106を分注し
て希釈を行う(AFPは、希釈倍率1倍であるので実際に
は希釈液106の分注量はゼロである)。続いて、所定位
置に次の反応容器101が搬送されると、第2の希釈倍率
(500倍)に基づいて、試料103の分注量と、希釈液106
の分注量の比率を演算し、試料分注器105を制御して所
定位置の反応容器101に試料103を分注し、その後、希釈
液分注器107を制御し、所定量の希釈液106を分注して希
釈を行う。尚、上記2回の分注・希釈処理において試料
103は同一のものが使用される。即ち、制御部115は試料
103毎に2種類の希釈倍率で測定を行うように制御す
る。
尚、ROMに記憶している第1及び第2の希釈倍率は、
前述したように既定値として使用されるが、所定の入力
手段を介して第1及び第2の希釈倍率が入力された場合
は、入力値に基づいて希釈を行い、測定を実行する。
測定装置の動作 先ず、測定を開始する準備処理として、試料103,第1
の反応試薬104,第2の反応試薬108,及び,希釈液106を
それぞれ所定の位置に配置し、入力手段(図示せず)を
介して測定対象物を指定する。制御部115の測定対象物
の指定に基づいて、ROMより第1及び第2の希釈倍率を
入力する。続いて、所定の測定開始ボタンが押下される
と、試料分注器105及び希釈液分注器107を介して、所定
位置aに停止した反応容器101に第1の希釈倍率に基づ
いた量の試料103,第1の反応試薬104,及び,希釈液106
を添加し、撹拌プルーブ114で溶液を均一に混合する
(第1回目の分注処理)。制御部115は第1回目の分注
処理が終了すると、回転テーブル102を反応容器1個分
だけ回転させて、所定位置aの反応容器101を所定位置
bに移動させ、新しく所定位置aに移動してきた反応容
器101に第2の希釈倍率に基づいた量の試料103,第1の
反応試薬104,及び,希釈液106を添加し、撹拌プルーブ1
14で溶液を均一に混合する。一方、所定位置bの反応容
器101(第1回目の分注処理で試料103等を添加した反応
容器101)に、反応試薬分注器109を介して、第2の反応
試薬108を添加する(第2回目の分注処理)。制御部115
は第2回目の分注処理が終了すると、回転テーブル102
を回転させて、LED110及びフォトセンサ111で所定位置
bの反応容器101の測定を行い、所定位置cの搬送して
停止する。同時にこの回転によって所定位置aの反応容
器101が所定位置bに搬送され停止する。以下、同様に
所定位置bの反応容器101に、反応試薬分注器109を介し
て、第2の反応試薬108を添加後、測定を行う。
第3図は測定開始時に所定位置aに停止している反応
容器101を1番目として数えた順番と試料103及び希釈倍
率の関係を示し、例えば、試料103としてX,Y,Zの3つの
試料の測定を実施すると、図示の如く、1番目の反応容
器101には試料Xが第1の希釈倍率で分注・希釈されて
測定され、2番目の反応容器101には試料Xが第2の希
釈倍率で分注・希釈されて測定され、3番目の反応容器
101には試料Yが第1の希釈倍率で分注・希釈されて測
定され、4番目の反応容器101には試料Yが第2の希釈
倍率で分注・希釈されて測定され、5番目の反応容器10
1には試料Zが第1の希釈倍率で分注・希釈されて測定
され、6番目の反応容器101には試料Zが第2の希釈倍
率で分注・希釈されて測定される。換言すれば、1つの
試料に対して異なる2つに希釈倍率による測定が行われ
る。また、この2つの希釈倍率は前述した方法によっ
て、少なくとも一方の希釈倍率が測定対象物の正常濃度
範囲を測定可能に設定されており、且つ、測定対象物の
濃度範囲を必要十分に含むように設定されているため、
例えば、AFPの測定で、50mg/dl(正常値)の試料や、或
いは、2000mg/dl(1000mg/dl以上である異常値)の試料
があっても、前述した方法で確実に測定することができ
る。
尚、第1の実施例では、希釈液分注器107を用いて、
希釈液106を反応容器101に分注して、反応容器101内で
希釈を行う構成としたがこれに限定されるものではな
く、例えば、試料103を所定の希釈容器に分注後、該希
釈容器に希釈液106を分注して希釈を行い、希釈後の試
料103を反応容器101に分注する構成でも良いのは勿論で
ある。
第4図(a),(b)は本発明の検体測定方法を適用
した測定装置の第2の実施例の構成を示し、第1の実施
例の反応容器101に換えて、同図(b)に示すように2
つの容器部401a,401bを有する2連反応容器401を用いた
ものである。その他の構成は第1の実施例と共通であ
り、同一の符号で記載するため説明を省略する。
第5図は、2連反応容器401を用いた場合の動作を説
明するための図であり、測定開始時に所定位置aに停止
している2連反応容器401を1番目として数えた順番と
試料103及び希釈倍率の関係を示し、例えば、試料103と
してX,Y,Zの3つの試料の測定を実施すると、図示の如
く、1番目の2連反応容器401の容器部401aには試料X
が第1の希釈倍率で分注・希釈され、1番目の2連反応
容器401の容器部401bには試料Xが第2の希釈倍率で分
注・希釈される。容器部401a,401bの両方に試料が分注
されると、1番目の2連反応容器401の測定が実施され
る。即ち、容器部401a,401bの測定が同時に行われる。
同様に、2番目の2連反応容器401の容器部401aには試
料Yが第1の希釈倍率で分注・希釈され、1番目の2連
反応容器401の容器部401bには試料Yが第2の希釈倍率
で分注・希釈され、同様に、容器部401a,401bの測定が
同時に行われる。従って、該2連反応容器401を用いる
ことにより、容器数と測定できる試料数を対応させるこ
とができる。換言すれば、1個の反応容器で1つの試料
に対して異なる2つの希釈倍率による測定を行うことが
できる。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明の検体測定方法およびそ
の装置は、検体を異なる希釈倍率で希釈して複数の希釈
検体を作成し、且つ、複数の希釈検体を測定するため、
1回の測定で確実に検体の測定を実行することができ、
手間及び時間のかかる再検を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図(a),(b)は本発明の検体測定方法を適用し
た測定装置の第1の実施例の構成を示す説明図、第2図
(a)は2個の希釈検体の希釈倍率の設定の説明図、第
2図(b)は第1の実施例の測定装置における希釈倍率
の設定例を示す説明図、第3図は反応容器の順番と試料
及び希釈倍率との関係を示す説明図、第4図(a),
(b)は本発明の検体測定方法を適用した測定装置の第
2の実施例の構成を示す説明図、第5図は2連反応容器
を用いた場合の動作を示す説明図である。 符号の説明 101……反応容器、102……回転テーブル 103……試料、104……第1の反応試薬 105……試料分注器、106……希釈液 107……希釈液分注器 108……第2の反応試薬 109……反応試薬分注器 110……LED、111……フォトセンサ 112……データ処理部、113プリンタ 114……撹拌プルーブ、115……制御部 401……2連反応容器 401a,401b……容器部

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】抗原或いは抗体等の測定対象物の濃度が測
    定装置の測定可能範囲に適合するように、予め検体を適
    正と想定される希釈倍率で希釈後、測定を実行する検体
    測定方法おいて、 前記検体を異なる希釈倍率で希釈して複数の希釈検体を
    作成し、且つ、前記複数の希釈検体を測定する工程を含
    み、 前記異なる希釈倍率は、前記複数の希釈検体の測定によ
    って得られる前記測定対象物の測定可能濃度範囲が、一
    部重なるように設定されていることを特徴とする検体測
    定方法。
  2. 【請求項2】抗原或いは抗体等の測定対象物の濃度が測
    定装置の測定可能範囲に適合するように、予め検体を適
    正と想定される希釈倍率で希釈後、測定を実行する検体
    測定方法において、 前記検体を二連の反応部を有する二連反応容器の収納
    し、該二連反応容器中の検体を異なる希釈倍率で希釈し
    て希釈検体を作成し、且つ、該二連反応容器中の希釈検
    体を同時に測定することを特徴とする検体測定方法。
  3. 【請求項3】前記異なる希釈倍率は、前記二連反応容器
    中の希釈検体の測定によって得られる前記測定対象物の
    測定可能濃度範囲が、連続或いは一部重なるように設定
    されていることを特徴とする請求項2に記載の検体測定
    方法。
  4. 【請求項4】抗原或いは抗体等の測定対象物の濃度が測
    定装置の測定可能範囲に適合するように、予め検体を適
    正と想定される希釈倍率で希釈後、測定を実行する検体
    測定装置において、 前記検体を複数の反応容器にそれぞれ分注する第1の分
    注手段と、 前記検体の種類に対応して用意された希釈倍率情報に基
    づいて、前記複数の反応容器毎にそれぞれ異なる希釈倍
    率で希釈液を分注して複数の希釈検体を作成する第2の
    分注手段と、 前記複数の希釈検体を測定する測定手段と、を備え、 前記異なる希釈倍率は、前記複数の希釈検体の測定によ
    って得られる前記測定対象物の測定可能濃度範囲が、一
    部重なるように設定されていることを特徴とする検体測
    定装置。
  5. 【請求項5】抗原或いは抗体等の測定対象物の濃度が測
    定装置の測定可能範囲に適合するように、予め検体を適
    正と想定される希釈倍率で希釈後、測定を実行する検体
    測定装置において、 前記測定対象物を収容するための二連の反応部を有する
    二連反応容器と、 前記二連反応容器に前記検体を分注する第1の分注手段
    と、 前記検体の種類に対応して用意された希釈倍率情報に基
    づいて、前記二連反応容器中に希釈液を分注して異なる
    希釈倍率の希釈検体を作成する第2の分注手段と、 前記測定容器中の希釈検体を同時に測定する測定手段
    と、 を備えたことを特徴とする検体測定装置。
  6. 【請求項6】前記異なる希釈倍率は、前記二連反応容器
    中の希釈検体の測定によって得られる前記検体の測定可
    能濃度範囲が、連続或いは一部重なるように設定されて
    いることを特徴とする請求項5に記載の検体測定装置。
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