JP2908538B2 - マガジンのセット機構 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、マガジンのセット機構、特に多数枚の感光
性フィルム、コート紙等を１枚ずつ送り出すために積層
状態で収納するマガジンをプリンタ等の装置本体へセッ
トするための機構に関する。

従来の技術と課題 従来、複写機やプリンタの分野で、マガジン内に積層
されている多数枚のシートを最上部のものから１枚ずつ
ピックアップして給送する装置が種々知られている。と
ころで、この種のマガジンは装置本体の置台に着脱可能
にセットされる。しかし、マガジン置台の先端部分の空
間には、マガジンの遮光カバーを巻き取るための機構が
設置されており、オペレータが手を入れることができ
ず、しかもマガジンにシートがフルに収納されていると
手で支えるには重く、マガジンを直接セット位置に置く
ことは困難である。

そのため、マガジンの先端部を置台上に当接させて傾
斜状態で前方にスライドさせるセット方法が考えられ
る。しかし、マガジンに遮光カバーを確実に貼り付ける
ために、マガジンの鍔部に対向する置台の上面にはクッ
ション材が設けられている。このクッション材にマガジ
ンの鍔部が当接した状態では、マガジンのセットに際し
て位置調整が極めて困難である。

そこで、本発明の課題は、マガジンを何ら支障なく簡
単に装置本体の置台にセットすることのできるマガジン
のセット機構を提供することにある。

課題を解決するための手段と作用 以上の課題を解決するため、本発明は、多数枚の感光
性シートが収容されており、上面開口部に遮光性カバー
を貼着するための鍔部を有するマガジンを、装着本体の
置台に着脱自在に保持するマガジンのセット機構におい
て、マガジン及び置台に形成された互いに係合する突部
及び凹部と、置台上に設けられたクッション材とを備
え、マガジンを置台上でセット方向にスライドさせた際
に、前記突部及び凹部の係合作用にて、セット位置の直
前でマガジンの先端部が持ち上げられて前記鍔部が前記
クッション材よりも高く位置し、マガジンがセット位置
に保持された際には、前記突部及び凹部の係合作用に
て、マガジンの先端部に対する持ち上げが解除されると
共に、前記鍔部が前記クッション材上に圧着することを
特徴とする。

即ち、マガジンをセットする際、マガジンはセット位
置の直前で先端部が持ち上げられ、鍔部が置台上に設置
されているクッション材との干渉を防止されて何ら支障
なくスムーズにセットされる。しかも、セットされた状
態において、マガジンの鍔部はクッション材上に圧着す
るため、遮光性シートカバーの剥離・貼着もスムーズで
ある。

実施例 以下、本発明に係るマガジンのセット機構の実施例を
添付図面に基づいて説明する。

第１図に、本発明に係るマガジンのセット機構を含む
プリンタ装置の全体構成を示す。このプリンタ装置10
は、内部を暗箱状態に形成された本体11内に、主に電装
ボックス12、フィルムマガジン13、フィルム給送装置1
4、フィルム搬送部15、光学ユニット16、副走査ユニッ
ト18及びレシーブマガジン19がそれぞれ図示のように配
設されている。

マガジン13は、電装ボックス12の直上に交換自在に装
填され、未露光の感光性フィルム20を積層して収納した
もので、上面を遮光性のシート状カバー41（第２図参
照）で必要に応じて自動的に開口部を形成したり、遮蔽
したりするように構成されている。

前記マガジン13上には、この中に収納された感光性フ
ィルム20を一枚ずつ給送するためのバキューム方式のフ
ィルム給送装置14が設けられている。この給送装置14
は、真空吸着盤21を有する吸着盤保持ユニット22がアー
ム23の先端に取り付けられ、真空吸着盤21が水平の姿勢
を保ちながら支軸24を中心に矢印で示すように揺動し、
最上部のフィルム20を吸着してフィルム搬送部15の入口
部に接離可能に設置された搬送用ローラ対25a,25bの間
に送り込むように構成されている。

フィルム搬送部15の搬送用ローラ対25a,25bの上ロー
ラ25aは下ローラ25bに対して接離可能に支軸28を中心に
揺動し、その開放状態において真空吸着盤21でピックア
ップされた１枚のフィルム20の先端が挿入され、次いで
圧接状態においてくわえ込んだフィルム20を搬送ガイド
板29上に送るようになっている。ストッパ32は支軸33を
支点として揺動可能に設置されている。搬送ガイド板29
上を送られてきたフィルム20はこのストッパ32に当接
し、位置規制されて一時停止する。また、フィルム20の
搬送不良は、フィルム検出用のセンサSE1とタイマとの
組合わせで検出される。

副走査ユニット18は弾性部材で被覆された回転自在な
上側のニップローラ35a,35bと第１図中反時計回り方向
に回転駆動される副走査ドラム36からなる。前記フィル
ム20はストッパ32を開放することにより、副走査ドラム
36上を移動し、このとき光学ユニット16から副走査ドラ
ム36の軸方向に主走査されるレーザビームにて画像露光
される。このようにして露光されたフィルム20は、レシ
ーブマガジン19内に排出される。そして、レシーブマガ
ジン19内に収容された露光後のフィルム20は、レシーブ
マガジン19を遮光状態としてレシーブマガジン19ごとプ
リンタ装置10外へ取り出され、その後現像処理されるこ
ととなる。なお、レシーブマガジン19の位置に現像装置
を内蔵させておき、露光後のフィルム20を逐次現像して
プリンタ装置10外へと排出するようにしてもよい。

一方、本プリンタ装置10に隣接してホスト装置１が設
置されている。プリントすべき画像情報はこのホスト装
置１から１画像分ずつプリンタ装置10に通信される。

ここで、マガジン13の構成、特にカバー巻取り装置に
ついて第２図を参照して説明する。

感光性フィルム20を積層状態で収容するマガジン13
は、遮光性プラスチック製の箱体をなし、上面には鍔部
13aがフランジ状に設けられている。この鍔部13aには粘
着テープが貼り付けられている。マガジン13の上面には
遮光性のシート状カバー41が鍔部13aに粘着テープによ
り繰り返し剥離あるいは貼着されるように設けられてい
る。

マガジン13は、以下に詳述するように、マガジン載置
台39上に着脱可能な状態でセットされる。このマガジン
載置台39は前後部に設けた２本の基台40,40上に一体的
に固定されている。また、この基台40,40はマガジン装
着部のドア（図示せず）を開けることにより、装置本体
11内より第２図中右斜め下方に引出し可能となってい
る。従って、装置本体11内へのマガジン13の装填は基台
40,40を引き出すことによって行なわれる。

カバー巻取り部は、マガジン13のカバー41を巻き取っ
て剥離及び巻き戻して貼着するためのもので、マガジン
13及びマガジン載置台39を下方及び両側部で取り囲む支
持フレーム42に巻取り軸17を回転可能に設置すると共
に、巻取りモータ（図示せず）及びギヤ機構43a,43bが
設置されている。支持フレーム42は、巻取り軸17がマガ
ジン13の鍔部13a上を水平移動するように、支持フレー
ム42に設けられたピニオン47,47が基台40,40上に掛け渡
されたラック保持板45,45上のラック45a,45aと係合して
いる。

カバー41の巻取り時には、巻取りモータにて回転駆動
されるギヤ44がギヤ機構43aに係合し、巻取り軸17が矢
印ｗ方向へ回転する。この回転によって予め先端部分が
巻取り軸17に係止されたカバー41が巻取り軸17の周囲に
順次巻き取られ、支持フレーム42がラック45a,45a上で
矢印ｂ方向に移動する。これによって、カバー41がマガ
ジン13の鍔部13a上から剥離され、内部に収容されてい
るフィルム20を取り出すのに必要な開口部を形成する。

一方、カバー41を巻き戻す際には、ギヤ44をギヤ機構
43bに係合させ、巻取りモータを逆転させる。これにて
ピニオン47が矢印rw方向に回転駆動され、支持フレーム
42が矢印ｂ′方向に移動する。このとき、巻取り軸17は
フリー状態であり、巻取り軸17は鍔部13a上を矢印rw方
向に従動回転し、その外周に巻き取られているカバー41
を順次鍔部13a上に貼り付けていく。なお、載置部39aの
上面にはクッション材61が設けられている。このクッシ
ョン材61が弾性変形するため、載置部39aと巻取り軸17
の間でマガジン13のカバー41と鍔部13aは十分に密着さ
れて確実な遮蔽が行なわれる。

次に、マガジン13のセット機構とそのセット方法につ
いて説明する。

マガジン13は、第３図、第４図、第７図に示すよう
に、セット方向Ａの先端部裏面に一対の突部50,50が設
けられ、この突部50,50にはセット方向Ａに対して立ち
上がった傾斜面50a,50aが形成されていると共に、底面
に位置決め用の凹部50b,50bが形成されている。

一方、載置台39は、第５図、第６図に示すように、セ
ット方向Ａの先端側にマガジン13の前記凹部50b,50bに
対応する位置決め用の突起60,60が形成されている。さ
らに、載置台39の先端にはクッション材61が取り付けら
れ、後端部にはマガジン13の着脱を容易にするための切
欠き62が形成されている。

マガジン13を載置台39上にセットするには、載置台39
を装置本体11から引き出した状態で、まず、第8a図に示
すように、マガジン13の突部50,50を載置台39の底板に
当接させ、マガジン13の後端部裏面を載置台39の後端部
に乗せる。この状態でマガジン13をセット方向Ａにスラ
イドさせると、突部50,50の傾斜面50a,50aが載置台39の
突起60,60に乗り上げ、マガジン13の鍔部13aの先端がク
ッション材61と衝突することなく、その上方に位置する
（第8b図参照）。

さらに、マガジン13をセット方向Ａに押しやると、凹
部50b,50bが突起60,60に係合し、マガジン13が載置台39
に全体的に落ち込み、セットが完了する（第8c図参
照）。このとき、マガジン13の鍔部13aの先端はクッシ
ョン材61上にセットされ、前記カバー41の先端部が巻取
り軸17に係合する。

マガジン13を取り出す際には、マガジン13の後部を持
ち上げ、そのまま矢印Ａとは逆方向に後退させればよ
い。

第９図ないし第12図はマガジンセット機構の他の実施
例を示す。

第９図、第10図において、マガジン13はフロントコー
ナー部53,53が若干側方に突出し、裏面には位置決め用
の凹部54,54が形成されている。なお、マガジン13内に
は平坦な底板55が敷かれ、フィルム20を平坦に収納可能
となっている。

載置台39には、第11図、第12図に示すように、側壁の
内側先端部に傾斜面63a,63aを有する突部63,63が形成さ
れ、底板にマガジン13の凹部54,54に対応する位置決め
用の突起64,64が突設されている。

このマガジン13を載置台39上にセットするには、前述
の実施例と同様に、まず、マガジン13の先端部を載置台
39の底板に当接させ、マガジン13の後端部裏面を載置台
39の後端部に乗せる（第13a図参照）。この状態でマガ
ジン13をセット方向Ａにスライドさせると、フロントコ
ーナー部53,53が傾斜面63a,63aから突部63,63へ乗り上
げる（第13b図参照）。さらに、マガジン13をセット方
向Ａへ押し込むと、フロントコーナー部53,53が突部63,
63と先端側壁部との間に落ち込み、かつ、凹部54,54が
突起64,64に係合し、セットが完了する（第13c図参
照）。この場合も、鍔部13aの先端部はクッション材61
に衝突することなく、その上部に載置される。

マガジン13の取出し作業に関しても前記実施例と同様
であり、マガジン13の後部を持ち上げて矢印Ａとは逆方
向に後退させればよい。

なお、本発明に係るマガジンのセット機構は以上の実
施例に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種
々に変更することができる。

特に、マガジン13と載置台39の係合関係は、前記突部
50,50、凹部50b,50bと突起60,60との関係、あるいはコ
ーナー部53,53、凹部54,54と突部63,63、突起64,64との
関係以外に、種々の形態を採用することができる。

また、フィルム20は種々のサイズが存在し、マガジン
13はサイズごとに専用のものが用いられる。フィルム20
のサイズに関しては、マガジン13が本体11に装填される
際に自動的に検出する手段を設ければよい。但し、オペ
レータが図示しない操作パネル上でサイズを入力するよ
うにしてもよい。

フィルム20のピックアップ手段としては真空吸着盤以
外の手段を採用することもできる。

さらに、マガジン13に収容されるシートに関しては感
光性フィルムのみならず、複写紙、特にコート紙であっ
てもよい。

発明の効果 以上の説明で明らかなように、本発明によれば、セッ
ト位置の直前でマガジンの先端部が持ち上げられるよう
にしたため、比較的重量のあるマガジンを、その先端鍔
部がクッション材に衝突することなく、簡単に置台上に
セットすることができる。しかも、セットされた後、鍔
部はクッション材上に圧着状態にあるため、遮光性シー
トカバーの剥離・貼着を確実に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係るマガジンのセット機構を含むプリ
ンタ装置の全体構成図、第２図はマガジンのセット状態
及びカバーの巻取り状態を示す斜視図である。第３図は
マガジンの正面図、第４図は第３図の底面図である。第
５図は載置台の平面図、第６図は第５図のＸ−Ｘ断面図
である。第７図は第３図、第４図に示したマガジンの底
面を示す斜視図である。第8a図、第8b図、第8c図はマガ
ジンのセット方法を示す説明図である。第９図以下は他
の実施例を示し、第９図はマガジンの平面図、第10図は
第９図の底面図である。第11図は載置台の平面図、第12
図は第11図のＹ−Ｙ断面図である。第13a図、第13b図、
第13c図はマガジンのセット方法を示す説明図である。 13……マガジン、13a……鍔部、14……フィルム給送装
置、20……フィルム、21……真空吸着盤、39……載置
台、50……突部、50a……傾斜面、60……突起、53……
フロントコーナー部、63……突部、63a……傾斜面。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭62−181543（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) B65H 1/00 - 3/68

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】多数枚の感光性シートが収容されており、
   上面開口部に遮光性カバーを貼着するための鍔部を有す
   るマガジンを、装置本体の置台に着脱自在に保持するマ
   ガジンのセット機構において、 マガジン及び置台に形成された互いに係合する突部及び
   凹部と、 置台上に設けられたクッション材と、を備え、 マガジンを置台上でセット方向にスライドさせた際に、
   前記突部及び凹部の係合作用にて、セット位置の直前で
   マガジンの先端部が持ち上げられて前記鍔部が前記クッ
   ション材よりも高く位置し、 マガジンがセット位置に保持された際には、前記突部及
   び凹部の係合作用にて、マガジンの先端部に対する持ち
   上げが解除されると共に、前記鍔部が前記クッション材
   上に圧着すること、 を特徴とするマガジンのセット機構。