JP3194756B2 - カバー巻取り装置 - Google Patents

カバー巻取り装置

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JP3194756B2
JP3194756B2 JP15919991A JP15919991A JP3194756B2 JP 3194756 B2 JP3194756 B2 JP 3194756B2 JP 15919991 A JP15919991 A JP 15919991A JP 15919991 A JP15919991 A JP 15919991A JP 3194756 B2 JP3194756 B2 JP 3194756B2
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順一 山本
直行 松田
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ミノルタ株式会社
ミネソタ・マイニング・アンド・マニュファクチュアリング・カンパニー
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カバー巻取り装置、特
に感光性フィルムを収容したマガジンの開口部を覆う遮
光性シート状カバーを巻取り軸に巻取り、巻戻し可能な
巻取り装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、感光性フィルム上にレーザビーム
を照射して画像を形成するプリンタ装置においては、多
数枚の感光性フィルムを収容したマガジンを装置本体に
着脱可能な構成としている。この種のマガジンで使い捨
てタイプのものは、箱状マガジンの開口部の周囲に設け
た鍔部に遮光性のシート状カバーを貼り付け、装置本体
への装填時にはこのカバーを巻取り軸によって先端部分
から剥離しつつ所定位置まで巻き取り、マガジンを装置
本体から取り出す際には巻取り軸を逆転させてカバーを
巻き戻しつつ鍔部上に再度貼り付けていた(例えば、特
開平2−216142号公報参照)。
【0003】ところで、この種のカバー巻取り装置にあ
っては、カバーを巻き戻して鍔部状に貼り付けた際、カ
バーが鍔部に正確に密着し、マガジン内部が十分に遮光
されていることが必要である。しかし、従来ではカバー
の先端部が貼り付けられる前端鍔部に対して巻取り軸の
圧接力が作用しにくく、貼着が不完全で、遮光性や巻取
り処理に支障が生じるといった問題点を有していた。
【0004】
【発明の目的、構成、作用】そこで、本発明の目的は、
シート状カバーを確実にマガジンの鍔部上に貼着でき、
特にカバー先端部の前端鍔部への貼着が確実なカバー巻
取り装置を提供することにある。以上の目的を達成する
ため、本発明に係るカバー巻取り装置は、マガジンを定
位置に保持する保持手段、マガジンの前端鍔部と略同
じ投影形状の弾性を有する保持部材を含み、この保持
部材にて前端鍔部を下方から支えることを特徴とする。
【0005】前記保持部材は弾性体からなり、巻取り軸
の圧接力によって前端鍔部が下方に変形するのを防止す
る。即ち、巻取り軸の圧接力が確実に前端鍔部に作用
し、シート状カバーが確実に前端鍔部に貼り付けられる
こととなる。さらに、本発明に係るカバー巻取り装置
は、断面円形の棒状体からなる巻取り軸の円周部分の一
部を平坦にカットし、カット部以外の円周部の長さを、
マガジンの前端鍔部のカバー貼付け部の幅寸法よりも大
きく設定したことを特徴とする。
【0006】巻取り軸の円周部とカット部との境界が鍔
部に当接すると、当接部分のカバーに“しわ”が発生す
るが、前記の構成によればカバーの巻取り開始時及び巻
戻し終了時に前記境界が前端鍔部に当接することがな
く、カバー先端部に“しわ”が発生して遮光性が損なわ
れることがない。さらに、本発明に係るカバー巻取り装
置は、巻取り軸の外周面に軸方向に設けられた複数の爪
が、シート状カバーの先端部に形成された係止孔に係合
し、カバーを巻取り軸に巻き取っていく方式を採用し、
少なくとも両端に位置する爪の外側に傾斜部を設け、該
爪が係止孔に係合した際にカバーを外側に引っ張ること
を特徴とする。
【0007】即ち、カバー先端部が外側に引っ張られる
ことにより、カバー先端部が中央部分に寄り集まること
なく、前端鍔部に対する再貼着が確実に行われることと
なる。
【0008】
【実施例】以下、本発明に係るカバー巻取り装置の実施
例を添付図面に基づいて説明する。図1に、本発明に係
るカバー巻取り装置を備えたプリンタ装置の全体構成を
示す。このプリンタ装置10は、内部を暗箱状態に形成
された本体11内に、主に電装ボックス12、フィルム
マガジン13、フィルム給送装置14、フィルム搬送部
15、光学ユニット16、副走査ユニット18及びレシ
ーブマガジン19がそれぞれ図示のように配設されてい
る。
【0009】マガジン13は、電装ボックス12の直上
に交換自在に装填され、未露光の感光性フィルム20を
積層して収納したもので、上面を以下に説明する遮光性
のシート状カバー41(図2、図3参照)で必要に応じ
て自動的に開口部を形成したり、遮蔽したりするように
構成されている。前記マガジン13上には、この中に収
納された感光性フィルム20を1枚ずつ給送するための
バキューム方式のフィルム給送装置14が設けられてい
る。この給送装置14は、真空吸着盤21を有する吸着
盤保持ユニット22がアーム23の先端に取り付けら
れ、真空吸着盤21が水平の姿勢を保ちながら支軸24
を中心に矢印で示すように揺動し、最上部のフィルム2
0を吸着してフィルム搬送部15の入口部に接離可能に
設置された搬送用ローラ対25の間に送り込むように構
成されている。
【0010】フィルム搬送部15の搬送用ローラ対25
は、駆動ローラである下ローラと従動ローラである上ロ
ーラから構成され、上ローラは下ローラに対して接離可
能に支軸28を中心に揺動し、その開放状態において給
送装置14でピックアップされた1枚のフィルム20の
先端が挿入され、次いで圧接状態においてくわえ込んだ
フィルム20を搬送ガイド板29上に送るようになって
いる。この搬送部15の中央部には、上ローラと下ロー
ラで構成される斜行矯正ローラ対30が設けられてい
て、駆動される上ローラが支軸31を中心に揺動し、搬
送用ローラ対25により送られてきたフィルム20の姿
勢を補正するようになっている。そして、送られてきた
フィルム20は支軸33を中心に揺動するストッパ32
に当接し、位置規制されて一時停止する。
【0011】副走査ユニット18は弾性部材で被覆され
た回転自在な上側のニップローラ35,35’と反時計
回り方向に回転駆動される副走査ドラム36とからな
る。前記フィルム20は、ストッパ32を開放すること
により、副走査ドラム36上を移動し、このとき光学ユ
ニット16から副走査ドラム36の軸方向に主走査され
るレーザビームにて画像露光される。このようにして露
光されたフィルム20は、レシーブマガジン19内に排
出される。そして、レシーブマガジン19内に収容され
た露光後のフィルム20は、レシーブマガジン19を遮
光状態としてレシーブマガジン19ごとプリンタ装置1
0外へ取り出され、その後現像処理されることとなる。
なお、レシーブマガジン19の位置に現像装置を内蔵さ
せておき、露光後のフィルム20を逐次現像してプリン
タ装置10外へと排出するようにしてもよい。
【0012】一方、本プリンタ装置10に隣接してホス
ト装置1が設置されている。プリントすべき画像情報は
このホスト装置1から1画像分ずつプリンタ装置10に
通信される。次に、マガジン13の機構及びカバー巻取
りユニットを説明する。図2において、感光性フィルム
を積層状態で収容するマガジン13は、遮光性を有する
プラスチック製の箱体をなし、上面には鍔部13aがフ
ランジ状に設けられている。この鍔部13aには図示し
ない粘着テープが貼り付けられている。そして、このマ
ガジン13の上面には遮光性のシート状カバー41が設
けられ、このカバー41はマガジン13の鍔部13aに
粘着テープにより繰り返し剥離あるいは貼着されるよう
になっている。鍔部13aの先端部分には突片部13b
と切欠き部13cとが交互に形成されている。
【0013】マガジン13を載置するための枠状の載置
台39は先端に支持板39aを有し、この支持板39a
上には鍔部13aの突片部13b、切欠き部13cとほ
ぼ同じ投影形状のクッション材50が取り付けられてい
る。シート状カバー41は、マガジン13の鍔部13a
の大きさに対応し、図3に示すように、先端部分にはほ
ぼ楕円状の係止孔41aが形成されている。この係止孔
41aは鍔部13aの切欠き部13cに対応する位置に
形成されている。一方、カバー41の巻取り軸17は平
面状にカットされたカット面17aに係止孔41aに対
応する爪17bが形成されている。巻取り軸17は、ホ
ームポジションにおいて、載置台39の両側に設けた位
置決め板51の凹部52に落ち込んだ状態で保持されて
いる。巻取り軸17がこの状態から矢印w方向に回転す
ることにより、爪17bが係止孔41aに係合し、カバ
ー41を先端部分から巻き取りつつ鍔部13a上から剥
離していく。
【0014】前記マガジン載置台39は基台40上に一
体的に固定されている。基台40はマガジン装着部のド
ア(図示せず)を開けることにより、装置本体11から
図2中右斜め下方に引き出し可能となっている。従っ
て、装置本体11へのマガジン13の装填は基台40を
引き出すことによって行われる。次に、マガジン13の
カバー41を巻き取って剥離及び巻き戻して貼着するた
めのカバー巻取りユニットについて説明する。
【0015】このカバー巻取りユニットは、図2に示す
ように、マガジン13及びマガジン載置台39を下方及
び両側部で取り囲み込む凹状の支持フレーム42が設置
され、その両側板の上部に支軸87を介して揺動自在に
取り付けたプレート100,101に巻取り軸17が回
転可能に設置されている。プレート100,101はス
プリング102によって支軸87を支点として下方に付
勢されており、巻取り軸17はマガジン13の鍔部13
a上に弾性的に圧接される。
【0016】支持フレーム42は、巻取り軸17がマガ
ジン13の鍔部13aに沿って一体的に水平移動するよ
うに、支持フレーム42に支軸92を介して設けられた
ピニオン47,47が基台40,40上に掛け渡された
ラック保持板45,45上のラック45a,45aと係
合して移動可能に設けられている。そして、支持フレー
ム42の右側の側板には、巻取り軸17を回転駆動する
と共にこの巻取りユニットを全体的に移動させるための
ギヤ機構43a,43b及び巻取りモータ(図示せず)
等が搭載され、支持フレーム42及びそれに搭載されて
いる各部品が矢印b方向(巻取り方向)あるいはそれと
は逆の矢印b’方向(巻戻し方向)に移動するように構
成されている。
【0017】カバー41の巻取り時には、巻取りモータ
にて回転駆動されるギヤ44がギヤ機構43aに係合
し、巻取り軸17が矢印w方向へ回転する。この回転に
よってプレート100,101が支軸87を支点として
上方に回動すると共に、巻取り軸17がカバー41の先
端部に乗り上げ、爪17bがカバー41の係止孔41a
に係合する。さらに巻取り軸17が回転することによっ
てカバー41が巻取り軸17の周囲に順次巻き取られ、
支持フレーム42がラック45a,45a上で矢印b方
向に移動する。これによって、カバー41がマガジン1
3の鍔部13a上から剥離され、内部に収容されている
フィルム20を取り出すのに必要な開口部を形成する。
【0018】支持フレーム42の移動軌跡上には、巻取
り開始位置(ホームポジション)を検出するための及び
巻取り終了位置を検出するための二つのセンサ(図示せ
ず)が設置されており、後者のセンサで支持フレーム4
2が巻取り終了位置まで移動したことを検出することに
より巻取りモータの正転がオフされ、カバー巻取り処理
が停止される。
【0019】一方、カバー41を巻き戻すには、ギヤ4
4をギヤ機構43bに係合させ、巻取りモータを逆転さ
せる。これにてピニオン47が矢印rw方向に回転駆動
され、支持フレーム42が矢印b’方向に移動する。こ
のとき、巻取り軸17はフリー状態であり、巻取り軸1
7は鍔部13a上を矢印rw方向に従動回転し、その外
周に巻き取られているカバー41を順次鍔部13a上に
貼り付けていく。最終的には、巻取り軸17の爪17b
がカバー41の係止孔41aから外れ、巻取り軸17は
位置決め板51の凹部52に落ち込む。
【0020】次に、図4、図5を参照して、巻取り軸1
7によるカバー41の巻取り開始部(巻戻し終了部)の
構成及び巻取り軸17の動作について説明する。まず、
クッション材50は、マガジン13の前端鍔部13a’
に対して巻取り軸17が隙間を生じることなく、均一に
圧接することを本来の目的として設置されている。換言
すれば、クッション材50は巻取り軸17によるカバー
41の巻戻し時にカバー41の先端部を前端鍔部13
a’上に確実に再貼着させ、マガジン13内部の遮光性
を確保することを本来の目的とする。また、本実施例の
如く、巻取り軸17の回転に基づいて巻取り軸17が前
端鍔部13a’に乗り上げ、爪17bがカバー41の係
止孔41aに係合する方式を採用している場合、カバー
41の先端部が確実に前端鍔部13a’に貼り付けられ
ていないと、爪17bが係止孔41aに入り込まず、巻
取り不良が発生するおそれを有する。
【0021】そこで、本実施例では、クッション材50
を前端鍔部13a’と同じ投影形状とすることによっ
て、スプリング102によって付与される巻取り軸17
の圧接力を前端鍔部13a’に効果的に作用させるよう
にした。また、クッション材50はホームポジションに
おける巻取り軸17の回転を阻止するストッパとしても
機能する。図4に示すように、ホームポジションにおい
て巻取り軸17は矢印rw方向に回転する傾向にある。
しかし、カット面17aと円周面17cとの境界に形成
される稜線部17dがクッション材50の前面に当接
し、巻取り軸17が矢印rw方向に回転することを防止
する。
【0022】なお、前端鍔部13a’の保持部材として
は、必ずしも弾材料からなるクッション材50である必
要はない。巻取り軸17の圧接力がカバー41を介して
前端鍔部13a’に作用するのを保障できればよく、例
えば板金加工されたもの、樹脂成形品であってもよい。
図11は板金加工によって前端鍔部13a’と同形状に
形成された保持板39bを前端鍔部13a’の直下に設
置したもので、保持板39bはマガジン載置台39に固
定されている。
【0023】ところで、巻取り軸17は図4に示す状態
から矢印w方向に回転を始め、前端鍔部13a’上に乗
り上げる。図5に一点鎖線で示す状態は、巻取り軸17
の爪17bがカバー41の係止孔41aに食い込んだと
きを示す。実線は巻取り軸17がカバー41の先端を若
干巻き取って前端鍔部13a’上に乗り上げた状態を示
す。爪17bが係止孔41aに食い込み、カバー41の
巻取りが確実に行われるためには、図3に示すように、
爪17bの長さCが係止孔41aの幅寸法Dよりも大き
いことが必要である。もし、逆の条件に設定されている
と、巻取りの初期において爪17bが係止孔41aから
外れてしまうおそれがある。
【0024】図5は同時に、カバー41の巻戻し時に、
巻取り軸17が前端鍔部13a’からホームポジション
へ落ち込む状態(実線位置から一点鎖線位置へ)をも示
しているといえる。巻戻し終了時に巻取り軸17が実線
位置から一点鎖線位置へ移動する時間、即ち、前端鍔部
13a’を押圧する時間は極めて短く(約1秒以下)、
カバー41の先端部を充分に加圧できない。そこで、巻
戻し終了時に巻取り軸17が実線位置から一点鎖線位置
を経て図4に示す角度まで回転する位置へ往復移動する
過程を複数回繰り返させること、あるいは巻取り軸17
を図5の一点鎖線位置で数秒間停止させることにより、
カバー41の先端部に対する加圧効果を上げることがで
きる。一方、巻取り開始時に以上の処理を実行すること
により、カバー41の先端部を前端鍔部13a’に確実
に貼着させ、爪17bによる係止孔41aへの係合をよ
り確実なものとすることができる。
【0025】前記巻取り軸17は断面円形の棒状体の円
周部分の一部を平坦にカットしている。従って、カット
面17aと円周面17cとの境界に稜線部17dが形成
され、巻取り軸17の回転に伴って稜線部17dが当接
するカバー41上に“しわ”41cが発生する(図6参
照)。特に、“しわ”が前端鍔部13a’上で発生する
とマガジン13内部の遮光性が損なわれる。
【0026】そこで、本実施例においては、前端鍔部1
3a’の幅寸法A(図2参照)に対して、巻取り軸17
の円周面17c(図5参照)の長さBがA<Bとなるよ
うに設定した。巻取り軸17は、図5に示すように、爪
17bを支点として前端鍔部13a’上に乗り上げ、矢
印w方向に回転する。従って、A<Bの条件を満足する
ことにより、稜線部17dが前端鍔部13a’上でカバ
ー41に当接することはなく、“しわ”が前端鍔部13
a’上で発生することはない。
【0027】また、カバー41の先端部は係止孔41a
が巻取り軸17の爪17bに係合した際、幅方向の中央
部分に寄り集まりつつ巻取られると、カバー41の中央
部分に“しわ”が発生し、このように発生する“しわ”
も遮光性に悪影響を与える。そこで、本実施例では、図
7に示す如く、爪17bの先端に角度θが60゜の傾斜
部17e,17e’を形成し、センタラインCLよりも
外側の傾斜部17e’が係止孔41aに接触し、カバー
41の先端部を外側に引っ張るように作用する構成とし
た。これによって、巻取り軸17に巻き取られる際カバ
ー41の先端部が中央部分に寄り集まって“しわ”が発
生する不具合が解消される。
【0028】具体的には、爪17bの中心と係止孔41
aとの中心は若干ずらして設定され、オフセットOFが
形成されている。このオフセットOFは、センタライン
CLを境にして爪17bの中心が係止孔41aの中心よ
りも外側に位置するように設定され、外側の傾斜部17
e’が係止孔41aの外側に接触し、カバー41を外側
に付勢する。また、オフセットOFの寸法は外側よりも
内側の爪17bと係止孔41aとの組み合わせのものに
対して大きい値とすることが好ましい。即ち、カバーの
両端部よりも中央部分を強く外側に引っ張った方が、
“しわ”を防止するうえで好ましい。
【0029】また、本実施例では、カバー41の巻戻し
時における巻取り軸17の移動スピードに変化を持た
せ、シール効果を向上させた。図8に示すように、カバ
ー41が開閉されるのはラインEまでであり、カバー4
1は斜線で示す部分でのみ鍔部13a上で剥離、貼着が
行われる。このような場合、ラインEの近傍E’部分で
カバー41に作用するテンションが大きく変化し、E’
部分でカバー41が鍔部13aから浮き上がる可能性が
ある。
【0030】本実施例では、巻取り軸17の移動領域を
F,G,Hに分け、カバー41の浮上がりが発生するお
それのあるE’部分に近い領域Fでは移動スピードを遅
くした。時間をかけて圧接することにより浮上がりが防
止される。中間領域Gはカバー41に作用するテンショ
ンが安定し、圧接力も十分に加わるため、巻取り軸17
を比較的高速で移動させる。また、前端鍔部13a’上
の領域Hはシールすべき面積が広く、圧接力が十分に加
わりにくいため、移動スピードを遅くし、貼着を確実な
ものとする。
【0031】具体的には巻取り軸17の移動スピード
は、領域Fでは20mm/sec、領域Gでは50mm
/sec、領域Hでは20mm/secとした。また、
カバー41に関しては、材質をポリエチレン系の樹脂製
のシートとすると、巻取り時のテンションで数mm程度
伸びてしまう。カバー41に伸びが発生すると、先端部
分がマガジン13の前端鍔部13a’からはみ出し、め
くれ上がってしまう。これでは、巻取り軸17でカバー
41を再度巻取る際、爪17bによる係止孔41aへの
係合が不可能となったり、マガジン13を外部に取り出
した際にめくれ上がった部分から剥離する不具合が生じ
る。
【0032】このような不具合を防止するためには、図
9に示すように、予めカバー41の先端部分の伸びを見
込んで、見込み量dだけカバー41の先端部分を前端鍔
部13a’よりも短く設定しておけばよい。さらに、巻
取り軸17のカット面17aが剛性を有していると、巻
取り軸17のホームポジションでの高さに誤差を生じた
りすると、図5に示す一点鎖線の状態においてカット面
17aがカバー41を介して前端鍔部13a’に密着し
ないおそれがある。このような不具合を防止するために
は、図10に示すように、爪17bの根元部近傍に弾性
材17fを設ければよい。弾性材17fによってカバー
41の先端部の前端鍔部13a’への密着性が向上し、
シール性が良好となる。
【0033】なお、本発明に係るカバー巻取り装置は前
記各実施例に限定するものではなく、その要旨の範囲内
で種々に変更することができる。特に、巻取り軸を回転
させるための駆動系は種々の形態を採用することができ
る。また、巻取り軸へ圧接力を作用させるには、スプリ
ング102以外の手段を使用してもよい。
【0034】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
よれば、マガジンの前端鍔部と略同じ投影形状の弾性を
有する保持部材にて前端鍔部を支えるようにしたため、
巻取り軸の圧接力が前端鍔部に確実に作用し、シート状
カバーの貼着が確実なものとなる。また、本発明によれ
ば、巻取り軸の実質的な円周部の長さを前端鍔部のカバ
ー貼付け部の幅寸法よりも大きく設定したため、円周部
とカット部との境界が前端鍔部に当接することがなく、
カバー先端部に“しわ”が発生して遮光性が損なわれる
ことはない。
【0035】また、本発明によれば、巻取り軸に軸方向
に設けられた複数の爪のうち少なくとも両端に位置する
爪の外側に傾斜部を設け、該爪がシート状カバーの先端
部に形成した係止孔に係合した際にカバーを外側に引っ
張るように構成したため、カバー先端部が中央部分に寄
り集まって“しわ”になることがなく、カバーの再貼
着、遮光性が良好なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るカバー巻取り装置を備えたプリン
タ装置の全体構成図。
【図2】本発明に係るカバー巻取り装置の一実施例を示
す斜視図。
【図3】カバーとその巻取り軸を示す斜視図。
【図4】巻取り軸の動作を説明するための断面図。
【図5】巻取り軸の動作を説明するための断面図。
【図6】カバーに発生する“しわ”を示すためのマガジ
ンの平面図。
【図7】巻取り軸の爪とカバーの係止孔との関係を示す
説明図。
【図8】巻取り軸の移動スピードを説明するための図、
(a)は平面図、(b)は正面図。
【図9】カバー先端部分の長さと前端鍔部との関係を示
すためのマガジンの平面図。
【図10】巻取り軸の変形例を示すための断面図。
【図11】本発明に係るカバー巻取り装置の他の実施例
を示す斜視図。
【符号の説明】
13…マガジン 13a…鍔部 13a’…前端鍔部 17…巻取り軸 17a…カット面 17b…爪 17c…円周面 17d…稜線部 17e,17e’…傾斜面 39…載置台 39b…保持板 41…シート状カバー 41a…係止孔 50…クッション材 102…スプリング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 順一 大阪府大阪市中央区安土町二丁目3番13 号 大阪国際ビル ミノルタカメラ株式 会社内 (72)発明者 松田 直行 大阪府大阪市中央区安土町二丁目3番13 号 大阪国際ビル ミノルタカメラ株式 会社内 (56)参考文献 特開 平2−216142(JP,A) 特開 平3−152027(JP,A) 特開 平2−150884(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B65H 1/00 - 3/68

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 略箱形状のマガジンの開口縁部に設けた
    鍔部上に貼り付けられたシート状カバーを、巻取り軸が
    正転又は逆転しつつ鍔部上を移動することにより、巻取
    り又は巻戻し可能なカバー巻取り装置において、 前記巻取り軸を前記マガジンの鍔部上に弾性的に圧接す
    る圧接手段と、 前記マガジンを定位置に保持する保持手段と、 前記鍔部の前端部分と略同じ投影形状をなし、前記保持
    手段と鍔部の前端部分との間に介在された弾性を有する
    保持部材と、 を備えたこと を特徴とするカバー巻取り装置。
  2. 【請求項2】 略箱形状のマガジンの開口縁部に設けた
    鍔部上に貼り付けられたシート状カバーを、巻取り軸が
    正転又は逆転しつつ鍔部上を移動することにより、巻取
    り又は巻戻し可能なカバー巻取り装置において、 前記巻取り軸は断面円形の棒状体の円周部分の一部を平
    坦にカットされ、カット部以外の円周部の長さが、前記
    鍔部の先端部分であるカバー貼付け部の幅寸法よりも大
    きく設定されていること、 を特徴とするカバー巻取り装置。
  3. 【請求項3】 略箱形状のマガジンの開口縁部に設けた
    鍔部上に貼り付けられたシート状カバーを、巻取り軸が
    正転又は逆転しつつ鍔部上を移動することにより、巻取
    り又は巻戻し可能なカバー巻取り装置において、 前記巻取り軸の外周面に軸方向に複数の爪を形成すると
    共に、前記シート状カバーの先端部に前記爪が係合可能
    な係止孔を形成し、 少なくとも両端に位置する爪の外側に傾斜部を設け、該
    爪が係止孔に係合した際にシート状カバーを中心部から
    巻取り軸方向の外側に引っ張ること、 を特徴とするカバー巻取り装置。
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