JP2908448B1 - 半導体集積回路 - Google Patents

半導体集積回路

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JP2908448B1
JP2908448B1 JP10214578A JP21457898A JP2908448B1 JP 2908448 B1 JP2908448 B1 JP 2908448B1 JP 10214578 A JP10214578 A JP 10214578A JP 21457898 A JP21457898 A JP 21457898A JP 2908448 B1 JP2908448 B1 JP 2908448B1
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Abstract

【要約】 【課題】 MOSトランシ゛スタのしきい値電圧によらず、かつ、
チッフ゜面積の増大及び消費電流を増加させずに効果的な昇
圧動作が可能な半導体集積回路を提供する。 【解決手段】 インハ゛ータINVは駆動ハ゜ルス信号CLKを入力し、
信号CLKBを出力する。インハ゛ータINV1〜INV4は、駆動ハ゜ルス信号
CLKを入力し、それぞれ信号ND1、ND2、ND4およびND4を出力
する。基準電圧供給用Nチャネルトランシ゛スタN01は、ト゛レインが端子TV
DDに接続され、ケ゛ートが基準電圧端子REFに、ソースが接点ND5
に接続されている。電流供給用Pチャネルトランシ゛スタP1〜P4は、そ
れぞれソースが接点PD5、PD6、PD7、PD8に接続され、ケ゛ートおよ
びト゛レインが接点PD6、PD7、PD8に接続されている。チャーシ゛ホ゜ンフ
゜出力端子CPOUTに接続されている。昇圧用キャハ゜シタC1〜C4
は、容量カッフ゜リンク゛により昇圧動作を行う。BP1は寄生ハ゛イホ゜
ーラトランシ゛スタであり、電流供給用Pチャネルトランシ゛スタP1〜P4のウエル、
ソースおよびト゛レインで構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内部に電源電圧よ
り高い電圧を発生するチャージポンプを含んだDC/D
Cコンバータ等の半導体集積回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の半導体集積回路におけるチャージ
ポンプを図6を用いて説明する。図6は従来のチャージ
ポンプの構成を示すブロックである。インバータINV
は、駆動パルス信号CLKを入力し、出力として信号C
LKBを出力する。インバータINV1は、駆動パルス
信号CLKを入力し、信号ND1を出力する。インバー
タINV3は、駆動パルス信号CLKを入力し、信号N
D3を出力する。
【0003】インバータINV2は、信号CLKBを入
力し、信号ND2を出力する。インバータINV4は、
信号CLKBを入力し、信号ND4を出力する。N01
は基準電圧供給用Nチャネルトランジスタであり、ゲー
トが基準電圧線VREFに接続され、ドレインが電源端
子TVDD、ソースが接点ND5に接続されている。
【0004】N02は電流供給用Nチャネルトランジス
タであり、ドレインが接点ND6に接続され、ソースお
よびゲートが接点ND5に接続されている。N03は電
流供給用Nチャネルトランジスタであり、ドレインが接
点ND7に接続され、ソースおよびゲートが接点ND6
に接続されている。
【0005】N04は電流供給用Nチャネルトランジス
タであり、ソースおよびゲートが接点ND7に接続さ
れ、ドレインが接点ND8に接続されている。N05は
電流供給用Nチャネルトランジスタであり、ソースおよ
びゲートが接点ND8に接続され、ドレインがチャージ
ポンプ出力端子CPOUTに接続されている。
【0006】C1は昇圧用キャパシタであり、インバー
タINV1の出力端子と接点ND5との間に介挿されて
いる。C2は昇圧用キャパシタであり、インバータIN
V2の出力端子と接点ND6との間に介挿されている。
C3は昇圧用キャパシタであり、インバータINV3の
出力端子と接点ND7との間に介挿されている。C4は
昇圧用キャパシタであり、インバータINV4の出力端
子と接点ND8との間に介挿されている。
【0007】次に、基準電圧供給用Nチャネルトランジ
スタN01および電流供給用NチャネルトランジスタN
02〜N05のしきい値電圧VTN0を「VTN0=
0.1V」とし、基準電圧端子REFの電圧は、電源電
圧端子TVDDの電圧よりも充分低い電圧「VREF=
1.5V」とする。
【0008】また、この従来例のチャージポンプの動作
について、図6および図7を用いて説明する。図7は、
従来例のチャージポンプの動作を示すタイミングチャー
トである。例えば、チャージポンプの駆動パルスとし
て、駆動パルス信号CLKが入力される。時刻t1にお
いて、駆動パルス信号CLKがハイレベル(VDD)か
らロウレベル(0V)になると、インバータINVの出
力信号CLKBがロウレベルからハイレベルに遷移す
る。
【0009】これにより、インバータINV1の出力信
号ND1がハイレベルとなるため、昇圧用キャパシタC
1との容量カップリングにより、接点ND5の電位VN
D5は、 「VND5=VREF−VTN0+VDD」 と求められる。
【0010】また、インバータINV2の出力信号ND
2がロウレベルとなるため、昇圧用キャパシタC2の容
量カップリングにより、接点ND6の電位VND6は、
その直前の電位よりも電圧VDD分だけ下がろうとす
る。しかしながら、電流供給用Nチャネルトランジスタ
N02がオンし、接点ND5から接点ND6へ電流IN
02が流れるため、接点ND6の電位VND6は、 「VND6=VND5−VTN0=VREF−2VTN
0+VDD」 と、接点ND5よりもVTN0だけ低い電圧として求め
られる。
【0011】次に、時刻t101において、駆動パルス
CLKがロウレベルからハイレベルになると、インバー
タINVの出力信号CLKBがハイレベルからロウレベ
ルとなる。これにより、インバータINV2の出力信号
ND2がハイレベルとなるため、昇圧用キャパシタC2
との容量カップリングにより、接点ND6の電位VND
6は、 「VND6=VND5−VTN0+VDD=VREF−
2VTN0+2VDD」 として求められる。この結果、電流供給用Nチャネルト
ランジスタN03はオンする。
【0012】接点ND7の電位は、接点ND6から接点
ND7への電流IN03により、 「VND7=VND6−VTN0=VREF−3VTN
0+2VDD」 として求められる。そして、時刻t102において、時
刻t100と同様な動作が繰り返される。
【0013】上述したように、駆動パルスの入力に応じ
て、前段から次段へ電流を供給することにより、次段の
電位が、前段の電位よりも「VDD−VTN0」分だけ
高くなる。そして、この動作を繰り返すことにより、チ
ャージポンプ出力CPOUTを所望の電圧まで昇圧す
る。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、VTN
0は、MOSトランジスタのソースおよびドレインの電
圧による基板バイアス効果により上昇する。このため、
チャージポンプ出力端子CPOUTに近い程、電流供給
用NチャネルトランジスタのVTN0が高くなるため、
昇圧効率が悪くなる欠点がある。
【0015】また、上述した基板バイアス効果を考慮
し、しきい値電圧VTN0を低く設定した場合、例え
ば、「VTN0=−0.1V」とすると、前段から次段
に電流を供給し、次段の電位が上昇しても、電流供給用
Nチャネルトランジスタがカットオフせず、次段から前
段に電流が逆流するため、次段の電位が下がってしま
い、充分な昇圧ができなくなる問題がある。
【0016】そこで、電流供給用MOSトランジスタの
電流の逆流を防止する方法として、特開平8−2564
73号にあるように、電流供給用MOSトランジスタの
基板電圧を駆動パルスにより供給することで、電流供給
用トランジスタをオフさせたい時のみ、電流供給用MO
Sトランジスタのしきい値を、基板バイアス効果により
高くするという手段がある。
【0017】しかしながらこの場合、電流供給用MOS
トランジスタの基板の電位が駆動パルスの振幅により変
動するため、論理回路部分へのこの変動の影響を防止す
るため、半導体基板を多層にしなければならないこと、
また基板電圧を供給するための回路が必要になることな
どにより、チップ面積が増大し、かつ消費電流が増加す
るという問題がある。
【0018】本発明はこのような背景の下になされたも
ので、MOSトランジスタのしきい値電圧によらず、か
つ、チップ面積の増大及び消費電流を増加させずに効果
的な昇圧動作が可能な半導体集積回路を提供する事にあ
る。
【0019】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
予め供給される第1の電圧を所定の第2の電圧まで昇圧
する半導体集積回路において、整流素子と容量素子とか
らなるチャージポンプ方式の電圧昇圧手段と、前記整流
素子と並列に設けられた、前記整流素子の電圧降下値よ
り小さな電圧降下値を有する電流供給用素子とを具備す
ることを特徴とする。
【0020】請求項2記載の発明は、前記整流素子がゲ
ートとドレインとが接続されたMOSトランジスタで構
成されていることを特徴とする。
【0021】請求項3記載の発明は、請求項2記載の半
導体集積回路において、前記MOSトランジスタがNM
OSトランジスタであることを特徴とする。
【0022】請求項4記載の発明は、請求項2記載の半
導体集積回路において、前記MOSトランジスタがPM
OSトランジスタであることを特徴とする。
【0023】請求項5記載の発明は、請求項1ないし請
求項4のいずれかに記載の半導体集積回路において、前
記電流供給用素子がバイポーラトランジスタであること
を特徴とする。
【0024】請求項5記載の発明は、請求項5記載の半
導体集積回路において、前記バイポーラトランジスタが
CMOSトランジスタのウエル、ソースおよびドレイン
から構成される寄生バイポーラトランジスタであること
を特徴とする。
【0025】本発明の半導体集積回路は、チャージポン
プの電流供給用MOSトランジスタのソース、基板、ド
レインから成る寄生バイポーラトランジスタにより、次
段への電流供給を行うことで、しきい値が高い電流供給
用MOSトランジスタを使用した場合でも、効率良く昇
圧することができることを特徴とする。
【0026】図1において、電流供給用Pチャネルトラ
ンジスタP1には、ソースにつながる接点ND5をエミ
ッタ、基板およびドレインにつながる接点ND6をベー
スおよびコレクタとする寄生バイポーラトランジスタB
P1が存在する。このチャージポンプにより昇圧する場
合、駆動パルス信号CLKをハイレベルからロウレベル
に切り換えることにより、インバータINV1の出力N
D1をロウレベルからハイレベルとする。
【0027】ここで、昇圧用キャパシタC1との容量カ
ップリングにより、接点ND5の電位も上がるため、電
流供給用PチャネルトランジスタP1はオンし、接点N
D6に電流を供給する。また、この時、寄生バイポーラ
トランジスタBP1も同様にオンするため、接点ND6
に電流が供給される。
【0028】上述したように、本発明の半導体集積回路
は、電流供給用MOSトランジスタだけでなく、寄生バ
イポーラトランジスタを介して、次段に対して電流の供
給を行うことにより、電流供給用MOSトランジスタの
しきい値によらず、効率良く、所定の電圧まで昇圧する
ことができる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態について説明する。図1は本発明の第1の実施形
態によるチャージポンプの構成を示すブロック図であ
る。この図において、INVはインバータであり、駆動
パルス信号CLKを入力し、信号CLKBを出力する。
【0030】INV1はインバータであり、駆動パルス
信号CLKを入力し、信号ND1を出力する。INV3
はインバータであり、駆動パルス信号CLKを入力し、
信号ND3を出力する。INV2はインバータであり、
信号CLKBを入力し、信号ND2を出力する。INV
4はインバータであり、信号CLKBを入力し、信号N
D4を出力する。
【0031】N01は基準電圧供給用Nチャネルトラン
ジスタであり、ドレインが端子TVDDに接続され、ゲ
ートが基準電圧端子REFに、ソースが接点ND5に接
続されている。P1は電流供給用Pチャネルトランジス
タであり、ソースが接点PD5に接続され、ゲートおよ
びドレインが接点PD6に接続されている。
【0032】P2は電流供給用Pチャネルトランジスタ
であり、ソースが接点PD6に接続され、ゲートおよび
ドレインが接点PD7に接続されている。P3は電流供
給用Pチャネルトランジスタであり、ソースが接点PD
7に接続され、ゲートおよびドレインが接点PD8に接
続されている。P4は電流供給用Pチャネルトランジス
タであり、ソースが接点PD8に接続され、ゲートおよ
びドレインがチャージポンプ出力端子CPOUTに接続
されている。
【0033】C1は昇圧用キャパシタであり、インバー
タINV1の出力端子と接点PD5との間に介挿されて
いる。C2は昇圧用キャパシタであり、インバータIN
V2の出力端子と接点PD6との間に介挿されている。
C3は昇圧用キャパシタであり、インバータINV3の
出力端子と接点PD7との間に介挿されている。C4は
昇圧用キャパシタであり、インバータINV4の出力端
子と接点PD8との間に介挿されている。
【0034】BP1は寄生バイポーラトランジスタであ
り、エミッタが接点PD5に接続され、ベースおよびコ
レクタが接点PD6に接続されている。BP2は寄生バ
イポーラトランジスタであり、エミッタが接点PD6に
接続され、ベースおよびコレクタが接点PD7に接続さ
れている。
【0035】BP3は寄生バイポーラトランジスタであ
り、エミッタが接点PD7に接続され、ベースおよびコ
レクタが接点PD8に接続されている。BP4は寄生バ
イポーラトランジスタであり、エミッタが接PD8に接
続され、ベースおよびコレクタがチャージポンプ出力端
子CPOUTに接続されている。
【0036】次に、上記寄生バイポーラトランジスタB
P1(BP2〜BP4)を、図2を用いて説明する。図
2は、寄生バイポーラトランジスタBP1(BP2〜B
P4)の断面図である。ここで、この半導体集積回路
は、CMOS(複合金属酸化膜半導体)構造で形成され
ている。
【0037】この図において、PSUBは半導体基板で
あり、表面に各トランジスタが形成される。NCはNウ
エルコンタクトであり、接点PD6とNウエルNWEL
Lとのコンタクトを取りやすくしている。PDおよびP
SはP型拡散層であり、それぞれ電流供給用Pチャネル
トランジスタP1のドレインもしくはソースを形成す
る。
【0038】Gは電流供給用PチャネルトランジスタP
1のゲートであり、印可される電圧により電流供給用P
チャネルトランジスタP1のオンまたはオフの動作を行
う。寄生バイポーラトランジスタBP1は、電流供給用
PチャネルトランジスタのP型拡散層PD、P型拡散層
PSおよび基板N型ウェルNWELLによって構成され
ている。
【0039】例えば、基準電圧供給用Nチャネルトラン
ジスタN01がオン状態となるしきい値電圧VTN0を
「VTN0=0.1V」とし、電流供給用Pチャネルト
ランジスタP1〜P4のしきい値電圧VTPを「VTP
=−0.8V」、寄生バイポーラトランジスタBP1〜
BP4の順方向電流が流れ始めるエミッタ−ベース間電
圧VFBを「VFB=0.3V」とする。図1におい
て、基準電圧端子REFの電圧VREFは、電源電圧V
DDよりも充分低い電圧「VREF=1.5V」とす
る。
【0040】次に、本発明の第1の実施形態によるチャ
ージポンプの動作について、図1および図3を用いて説
明する。図3は、このチャージポンプの動作を示すタイ
ミングチャートである。例えば、駆動パルス信号CLK
が供給される。時刻t1において、駆動パルス信号CL
Kがハイレベル(VDD)からロウレベル(0V)にな
ると、インバータINVの出力信号CLKBは、ロウレ
ベルからハイレベルに遷移する。
【0041】そして、インバータINV1の出力信号N
D1がハイレベルとなるため、昇圧用キャパシタC1と
の容量カップリングにより、接点PD5の電位VPD5
は、 「VPD5=VREF−VTN0+VDD」 となる。ここで示されるΔVは、次段の電流供給用Pチ
ャネルトランジスタP2のソースへ電流を供給すること
により、電流供給用PチャネルトランジスタP2のソー
スおよび電流供給用PチャネルトランジスタP1のゲー
トの容量に応じて低下する電圧の値を示している。
【0042】一方、インバータINV2の出力信号ND
2がロウレベルとなるため、昇圧用キャパシタC2との
容量カップリングにより、接点PD6の電位がその直前
の電位よりも電源電圧VDD分だけ下がろうとする。し
かしながら、電流供給用PチャネルトランジスタP1お
よび寄生バイポーラトランジスタBP1がオンし、接点
PD5から接点PD6へ電流IP1が電流供給用Pチャ
ネルトランジスタP1を介して、また電流IBP1が寄
生バイポーラトランジスタBP1を介して流れる。
【0043】ここで、|VTP|>VFBの関係にある
ため、接点PD6の電位VPD6は、 「VPD6=VPD5−VFB=VREF−VTN0+
VDD−VFB」 となる。
【0044】次に、時刻t2において、駆動パルスCL
Kがロウレベルからハイレベルになると、インバータI
NVの出力信号CLKBは、ハイレベルからロウレベル
へ遷移する。
【0045】そして、インバータINV2の出力信号P
D2がハイレベルとなるため、昇圧用キャパシタC2と
の容量カップリングにより、接点PD6の電位VPD6
は、 「VPD6=VPD5−VFB+VDD=VREF−V
TN0+2VDD−VFB」 となり、電流供給用PチャネルトランジスタP2および
寄生バイポーラトランジスタBP2はオンする。
【0046】この結果、接点PD7の電位VPD7は、
接点PD6から接点PD7への電流IP2およびIBP
2により、 「VPD7=VPD6−VFB=VREF−VTN0+
2VDD−2VFB」 となる。
【0047】そして、結果的に、チャージポンプ出力端
子TCPOUTの電圧VCPOUTは、 「VCPOUT=VND8−VFB=VREF−VTN
0+4VDD−4VFB」 の電圧まで昇圧される。
【0048】この様に、駆動パルスCLKの入力に基づ
き、前段の電流供給用Pチャネルトランジスタから次段
の電流供給用Pチャネルトランジスタへ電流を供給す
る。この結果、次段の電流供給用Pチャネルトランジス
タのドレインの電位が、前段の電流供給用Pチャネルト
ランジスタのドレインの電位に比べ、「VDD−VF
B」分だけ高くなる。そして、時刻t3において、時刻
t1と同じ動作が繰り返される。
【0049】従って、上述した動作を繰り返すことによ
り、チャージポンプ出力端子CPOUTを所望の電圧ま
で昇圧することができる。ここで、電流供給用Pチャネ
ルトランジスタの基板であるNウェルは、図2に示すよ
うに、NウェルコンタクトNCを介して、電流供給時
は、ソース側に比べ、電位の低いドレイン側に接続され
ているため、前段からの電流供給時に、基板バイアス効
果によるしきい値電圧VTP上昇の影響を受けない。
【0050】また、VTPが高い場合でも、寄生バイポ
ーラトランジスタにより、次段へ電流を供給するため、
VTPを低く設定する必要がなく、電流供給用MOSト
ランジスタのしきい値を低く設定することで発生する電
流の逆流による昇圧効率の低下を防止する。
【0051】さらに、電流供給用Pチャネルトランジス
タのソースとドレイン間の電位差が大きい時は、チャネ
ル電流により、次段へ電流供給し、ソースとドレイン間
の電位差が小さい時は、寄生バイポーラトランジスタに
より、次段へ電流供給するため、回路の追加によるチッ
プ面積の増大を招くことなく、昇圧効率を上げることが
できる。
【0052】以上のように、電流供給用MOSトランジ
スタのソース、ドレイン、半導体基板で構成される寄生
バイポーラトランジスタを介して、次段へ電流の供給を
行うことにより、電流供給用MOSトランジスタのしき
い値によらず、効率良く昇圧できるため、電流供給用M
OSトランジスタの基板バイアス効果による次段への電
流供給能力の低下や、電流供給用MOSトランジスタの
しきい値の低い場合の電流の逆流による昇圧効率の低下
を防止できる。
【0053】また、電流供給用MOSトランジスタのソ
ースとドレインとの間の電位差が大きい時は、チャネル
電流により、次段へ電流を供給する。また、ソースとド
レインとの間の電位差が小さい時は、寄生バイポーラト
ランジスタにより、次段へ電流供給するため、回路の追
加によるチップ面積の増大を招くことなく、昇圧効率を
上げることができる。
【0054】以上、本発明の一実施形態を図面を参照し
て詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限ら
れるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設
計変更等があっても本発明に含まれる。例えば、図4
は、本発明の第2の実施形態によるチャージポンプの構
成を示すブロック図である。
【0055】この図において、図1の本発明の第1の実
施形態と同等の部分には、同一の符号が付されており、
この同一符号の部分の説明は省略する。この第2の実施
形態では、電流供給用MOSトランジスタとして、Nチ
ャネルトランジスタが使用されている。
【0056】N11は電流供給用Nチャネルトランジス
タであり、ドレインおよびゲートが接点QD5、ソース
が接点QD6に接続されている。N12は電流供給用N
チャネルトランジスタであり、ドレインおよびゲートが
接点QD6に接続され、ソースが接点QD7に接続され
ている。
【0057】N13は電流供給用Nチャネルトランジス
タであり、ドレインおよびゲートが接点QD7へ接続さ
れ、、ソースが接点QD8に接続されている。N14は
電流供給用Nチャネルトランジスタであり、ドレインお
よびゲートが接点QD8に接続され、ソースがチャージ
ポンプ出力端子TCPOUTに接続されている。
【0058】C1は昇圧用キャパシタであり、インバー
タINV1の出力端子と接点QD5との間に介挿されて
いる。C2は昇圧用キャパシタであり、インバータIN
V2の出力端子と接点QD6との間に介挿されている。
C3は昇圧用キャパシタであり、インバータINV3の
出力端子と接点QD7との間に介挿されている。C4は
昇圧用キャパシタであり、インバータINV4の出力端
子と接点QD8との間に介挿されている。
【0059】PBP1は寄生バイポーラトランジスタで
あり、ベースおよびコレクタが接点QD5に接続され、
エミッタが接点QD6に接続されている。PBP2は寄
生バイポーラトランジスタであり、ベースおよびコレク
タが接点QD6に接続され、エミッタが接点QD7へ接
続されている。
【0060】PBP3は寄生バイポーラトランジスタで
あり、ベースおよびコレクタが接点QD7に接続され、
エミッタが接点QD8に接続されている。PBP4は寄
生バイポーラトランジスタであり、ベースおよびコレク
タが接点QD8に接続され、エミッタがチャージポンプ
出力端子TCPOUTに接続されている。
【0061】次に、上記寄生バイポーラトランジスタP
BP1(PBP2〜PBP4)を、図5を用いて説明す
る。図5は、寄生バイポーラトランジスタPBP1(P
BP2〜PBP4)の断面図である。この図において、
NSUBは半導体基板であり、表面に各トランジスタが
形成される。PCはPウエルコンタクトであり、接点Q
D5とPウエルPWELLとのコンタクトを取りやすく
している。NDRおよびNSOはN型拡散層であり、そ
れぞれ電流供給用NチャネルトランジスタN111のド
レインもしくはソースを形成する。
【0062】G1は電流供給用Nチャネルトランジスタ
N11のゲートであり、印可される電圧により電流供給
用NチャネルトランジスタN11のオンまたはオフの動
作を行う。寄生バイポーラトランジスタPBP1は、電
流供給用NチャネルトランジスタのN型拡散層NDR、
N型拡散層NSOおよびP型ウェルPWELLによって
構成されている。
【0063】例えば、基準電圧供給用Nチャネルトラン
ジスタN01がオン状態となるしきい値電圧VTN0を
「VTN0=0.1V」とし、電流供給用Nチャネルト
ランジスタN11〜N14のしきい値電圧VTNを「V
TN=0.7V」、寄生バイポーラトランジスタPBP
1〜PBP4の順方向電流が流れ始めるエミッタ−ベー
ス間電圧VFB1を「VFB1=0.3V」とする。図
1において、基準電圧端子REFの電圧VREFは、電
源電圧VDDよりも充分低い電圧「VREF=1.5
V」とする。
【0064】次に、上述した本発明の第2の実施形態の
動作について、図4を用いて説明する。例えば、駆動パ
ルス信号CLKが、ハイレベルからロウレベルになる
と、インバータINVの出力信号CLKBは、ロウレベ
ルからハイレベルとなる。
【0065】これにより、インバータINV1の出力信
号QN1がハイレベルとなるため、昇圧用キャパシタC
1との容量カップリングにより、接点QD5の電位VN
D5は、 「VQD5=VREF−VTN0+VDD」 となる。ここで示されるΔVは、次段の電流供給用Nチ
ャネルトランジスタN12のドレインへ電流を供給する
ことにより、電流供給用NチャネルトランジスタN12
のソースおよびゲートの容量に応じて低下する電圧の値
を示している。
【0066】そして、インバータINV2の出力信号N
D2がロウレベルとなるため、昇圧用キャパシタC2と
の容量カップリングにより、接点QD6の電位がその直
前の電位よりもVDD分だけ下がろうとする。しかしな
がら、電流供給用NチャネルトランジスタN11および
寄生バイポーラトランジスタPBP1がオンし、接点Q
D5から接点QD6へ電流IP11が電流供給用Nチャ
ネルトランジスタN11を介して、また電流IBP11
が寄生バイポーラトランジスタPBP1を介して流れ
る。
【0067】ここで、|VTN|>VFB1の関係にあ
るため、接点QD6の電位VQD6は、 「VQD6=VQD5−VFB1=VREF−VTN0
+VDD−VFB1」 となる。
【0068】そして、結果的に、チャージポンプ出力端
子CPOUTの電圧VCPOUTは、 「VCPOUT=VND8−VFB1=VREF−VT
N0+4VDD−4VFB1」 の電圧まで昇圧される。
【0069】このように、本第2の実施形態において
は、電流供給用MOSトランジスタとして、Nチャネル
トランジスタを用いているが、第1の実施形態と同様の
効果を得ることが可能である。
【0070】以上、実施形態について説明したが、本発
明は、これらの実施形態に限定されるものではなく、各
種の変更、変形が可能である。例えば、電流供給用MO
Sトランジスタおよび昇圧用キャパシタは、4つに限ら
ず、1、2 … N個と増加させることができる。また、
基準電圧端子REFの電圧VREFとして電源電圧VD
Dを用いることも可能である。
【0071】
【発明の効果】本発明によれば、電流供給用MOSトラ
ンジスタのソース、ドレイン、基板で構成される寄生バ
イポーラトランジスタを介して、次段へ電流の供給を行
うことにより、電流供給用MOSトランジスタのしきい
値によらず、効率良く昇圧できるため、電流供給用MO
Sトランジスタの基板バイアス効果による次段への電流
供給能力の低下や、電流供給用MOSトランジスタのし
きい値の低い場合の電流の逆流による昇圧効率の低下を
防止できる。
【0072】また、本発明によれば、電流供給用MOS
トランジスタのソースとドレイン間の電位差が大きい
時、チャネル電流により、次段へ電流供給し、ソースと
ドレイン間の電位差が小さい時、寄生バイポーラトラン
ジスタにより、次段へ電流供給するため、回路の追加に
よるチップ面積の増大を招くことなく、昇圧効率を上げ
る降下がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態による半導体集積回
路の構成を示すブロック図である。
【図2】 図1におけるバイポーラトランジスタP1
(P2、P3、P4)の断面図である。
【図3】 図1に示す半導体集積回路の動作を説明する
フローチャートである。
【図4】 本発明の第2の実施形態による半導体集積回
路の構成を示すブロック図である。
【図5】 図4におけるバイポーラトランジスタN11
(N12、N13、N14)の断面図である。
【図6】 従来例による半導体集積回路の構成を示すブ
ロック図である。
【図7】 図6に示す半導体集積回路の動作を説明する
フローチャートである。
【符号の説明】 BP1、BP2、BP3、BP4 P1、P2、P3、P4 電流供給用PチャンネルMO
Sトランジスタ C1、C2、C3、C4 昇圧用キャパシタ INV、INV1、INV2、INV3、INV4 イ
ンバータ N01 基準電圧供給用Nチャネルトランジスタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−294267(JP,A) 特開 平8−256473(JP,A) 特開 平8−47246(JP,A) 特開 平8−322242(JP,A) 特開 平7−327357(JP,A) 特開 平7−194098(JP,A) 特開 平6−283667(JP,A) 特開 昭64−45157(JP,A) 特開 昭61−268053(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01L 27/04 H01L 21/822

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 予め供給される第1の電圧を所定の第2
    の電圧まで昇圧する半導体集積回路において、 整流素子と容量素子とからなるチャージポンプ方式の電
    圧昇圧手段と、 前記整流素子と並列に設けられた、前記整流素子の電圧
    降下値より小さな電圧降下値を有する電流供給用素子と
    を具備することを特徴とする半導体集積回路。
  2. 【請求項2】 前記整流素子がゲートとドレインとが接
    続されたMOSトランジスタで構成されていることを特
    徴とする請求項1記載の半導体集積回路。
  3. 【請求項3】 前記MOSトランジスタがNMOSトラ
    ンジスタであることを特徴とする請求項2記載の半導体
    集積回路。
  4. 【請求項4】 前記MOSトランジスタがPMOSトラ
    ンジスタであることを特徴とする請求項2記載の半導体
    集積回路。
  5. 【請求項5】 前記電流供給用素子がバイポーラトラン
    ジスタであることを特徴とする請求項1ないし請求項4
    のいずれかに記載の半導体集積回路。
  6. 【請求項6】 前記バイポーラトランジスタがCMOS
    トランジスタのウエル、ソースおよびドレインから構成
    される寄生バイポーラトランジスタであることを特徴と
    する請求項5記載の半導体集積回路。
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