JP2907639B2 - 位相同期回路 - Google Patents

位相同期回路

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JP2907639B2
JP2907639B2 JP4170691A JP17069192A JP2907639B2 JP 2907639 B2 JP2907639 B2 JP 2907639B2 JP 4170691 A JP4170691 A JP 4170691A JP 17069192 A JP17069192 A JP 17069192A JP 2907639 B2 JP2907639 B2 JP 2907639B2
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▲真▼一 川田
祥也 鈴木
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  • Stabilization Of Oscillater, Synchronisation, Frequency Synthesizers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は位相同期回路に関し、例
えば、通信装置におけるクロック生成用の位相同期回路
に適用し得るものである。
【0002】
【従来の技術】音声やデータを伝送する通信装置におい
て、その装置内で用いられるクロックを通信網のクロッ
クに同期させて生成することがある。このような場合に
は、位相同期回路(いわゆるPLL回路)が用いられ
る。
【0003】図2は、周波数逓倍形の位相同期回路の構
成を示すブロック図である。図2において、周波数逓倍
形の位相同期回路は、位相比較器1、ローパスフィルタ
2、電圧制御型発振器(VCO)3及び分周器4から構
成されている。
【0004】位相比較器1は、基準入力端子イから入力
された基準入力信号aと、出力信号dの位相が反映され
ている分周器4から与えられた分周信号eとの位相を比
較し、位相差信号bをローパスフィルタ2に与える。位
相比較器1には、例えば、基準入力信号aのネガティブ
エッジが分周信号eのネガティブエッジより早い場合に
は、位相差信号bに位相差に等しい幅の上側パルスを発
生させ、基準入力信号aのネガティブエッジが分周信号
eのネガティブエッジより遅い場合には、位相差信号b
に位相差に等しい幅の下側パルスを発生させるものを適
用する。ローパスフィルタ2は、位相差信号bのパルス
波形から直流成分を抽出して制御信号(電圧信号)cと
して電圧制御型発振器3に与える。電圧制御型発振器3
は、入力された制御信号cに応じた周波数を有するよう
に発振し、その発振信号を出力信号dとして出力端子ロ
から出力させると共に分周器4に与える。分周器4は、
この信号dを分周して基準入力信号aの周波数と同じに
なるようにして位相比較器1に入力する。位相差によっ
て発振周波数を変化させるこのようなループ処理を通じ
て、基準入力信号aの位相変動や周波数変動に追従して
位相や周波数が変動し、基準入力信号aに位相同期した
出力信号dを形成することができる。
【0005】このような位相同期回路に適用されるロー
パスフィルタ2としては、オペアンプを用いたアクティ
ブローパスフィルタが多い。図3は、ローパスフィルタ
2の具体的な回路例を示すものである。
【0006】図3において、オペアンプ5の非反転入力
端子には、電源電圧+Ecを抵抗8及び9によって分圧
した直流バイアス電圧が入力される。また、オペアンプ
5の反転入力端子には、当該回路2の入力端子から入力
された位相差信号bが入力抵抗6を介して入力されると
共に、当該回路2の出力端子ニを介して電圧制御型発振
器3に与えられるオペアンプ5の出力信号cがコンデン
サ10及び抵抗7を介して帰還されて入力される。ここ
で、抵抗6の値をR1 、抵抗7の値をR2 、コンデンサ
10の容量をC0 とし、オペアンプ5のゲインが大きい
とすると、伝達関数f(jω)が次式で表現されるロー
パスフィルタ2を構成する。
【0007】 f(jω)=−(1+jωC0 R1 )/jωC0 R1 図4は、図2に示した位相同期回路の各部タイミングチ
ャートである。
【0008】位相比較器1は、図4(A)に示す基準入
力信号aが図4(B)に示す分周信号eよりネガティブ
エッジでとらえて進み位相の場合にはその位相差に応じ
た幅を有する上側パルスの図4(C)に示す位相差信号
bを出力し、基準入力信号aが分周信号eよりネガティ
ブエッジでとらえて遅れ位相の場合にはその位相差に応
じた幅を有する下側パルスの位相差信号bを出力し、基
準入力信号aと分周信号eとの位相が一致している場合
にはハイインピーダンスの位相差信号bを出力する。図
4の前半期間は、基準入力信号aが進み位相、同一位
相、遅れ位相、同一位相の場合を示している。図4
(C)に示す位相差信号bが入力されると、ローパスフ
ィルタ2は、図4(D)に示す制御信号cを電圧制御型
発振器3に出力し、基準入力信号aが進み位相のときに
電圧制御型発振器3の発振周波数を高め、基準入力信号
aが遅れ位相のときに電圧制御型発振器3の発振周波数
を低め、基準入力信号aと分周信号eとが同一位相のと
きに電圧制御型発振器3の発振周波数を固定させる。
【0009】例えば、通信装置に適用されている位相同
期回路においては、通信状態によっては基準入力信号a
が入力されないことや瞬断が生じることがある。図4の
後半期間は、基準入力信号aが時点T1 以降途絶えた場
合を示している。このような基準入力信号aがない状態
においては、位相比較器1は基準入力信号aが遅れ位相
と継続してとらえるので、下側レベルを継続してとる位
相差信号bを出力し、これによりローパスフィルタ2は
発振周波数を一段と低めるように制御信号cを変化さ
せ、制御信号cは最終的に発振周波数を最も低めるレベ
ル(上限レベル)で飽和される。従って、基準入力信号
aが入力されない期間での出力信号dの周波数は、意図
している周波数から大きく隔たったものとなる。
【0010】例えば、この出力信号dがクロックとなる
場合、基準入力信号aがない状態でもクロックを利用さ
れて各部の処理が実行されることがあり、周波数が大き
くずれると各部の処理を正確に実行できなくなる。
【0011】図5は、このような不都合を解決できる既
に提案されている位相同期回路を示すものである。な
お、図5において、図2との対応、同一部分には同一符
号を付して示している。
【0012】この位相同期回路は、図2に示した位相同
期回路の構成に加えて、ローパスフィルタ2からの制御
信号cの長時間の平均値をホールドするためのローパス
フィルタ11、アナログ/デジタル変換器12、デジタ
ル/アナログ変換器13と、ローパスフィルタ2からの
制御信号c又はホールドされた平均信号hを選択して電
圧制御型発振器3に与える選択スイッチ14と、基準入
力信号aの入力断を検出してホールド動作及びスイッチ
ング動作を制御する入力断信号fを出力する入力断検出
器15とを備えている。
【0013】図6は、図5に示す構成を有する位相同期
回路の各部タイミングチャートを示すものである。
【0014】図6(A)に示す基準入力信号aが時点T
1 で入力されなくなると、ローパスフィルタ2から出力
された制御信号cは、図6(B)に示すように徐々に最
大レベルへ向かって上昇を始める。このような入力断時
点T1 から多少遅れた時点T2 で、入力断検出器15
は、図6(C)に示すように、入力断検出信号fをアク
ティブとする。
【0015】ローパスフィルタ11は、直前のローパス
フィルタ2より時定数が長く選定されており、ローパス
フィルタ2から出力された制御信号cを長時間平均した
図6(D)に示す平均信号gをアナログ/デジタル変換
器12に与える。このアナログ/デジタル変換器12
は、平均信号gをデジタル信号に変換してデジタル/ア
ナログ変換器13に与え、デジタル/アナログ変換器1
3は入力されたデジタル信号をアナログ信号に変換す
る。ここで、デジタル/アナログ変換器13は、入力断
検出信号fがアクティブな間は、新たなデジタル信号を
取り込むことなく前に取り込んだデジタル信号に対して
デジタル/アナログ変換を行ない(ホールド動作を行な
い)、入力断検出信号fがインアクティブなときは、次
々と入力されるデジタル信号に対してデジタル/アナロ
グ変換を行ない、変換した図6(E)に示すアナログ信
号hを選択スイッチ14に与える。従って、入力断検出
信号fがインアクティブなときは、アナログ/デジタル
変換器12に入力される平均信号gと、デジタル/アナ
ログ変換13から出力される信号hとは量子化誤差を除
き等しいものである。
【0016】選択スイッチ14は、アクティブな入力断
検出信号fが与えられるまでは、ローパスフィルタ2か
らの制御信号cを選択し、入力断検出信号fがアクティ
ブとなった以降、デジタル/アナログ変換器13からの
出力信号(ホールドされた平均信号)hを選択し、その
選択信号i(図6(F)参照)を電圧制御型発振器3に
制御信号として与える。なお、選択切換時点T2 におけ
る出力信号hは、それまでの制御信号cを長時間平均し
たものであるので、制御信号cにほぼ近いものであり、
切換による選択信号iの変動は小さい。
【0017】以上のように、基準入力信号aがなくなっ
たときには、位相差信号bから直流成分を抽出した制御
信号cではなく、その長時間平均した信号gのホールド
信号hを電圧制御型発振器3に入力して発振させるの
で、基準入力信号aがない期間でも出力信号dの周波数
が所定のものから大きくずれることがないようにできて
いる。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、図5に
示す位相同期回路は、図2に示す位相同期回路に比べ
て、基準入力信号aが途絶えた場合にも出力信号dの周
波数を所定の周波数から大きくずれることを防止できる
という利点を有するが、基準入力信号aの入力が再開し
たときに以下のような欠点を有する。
【0019】かかる欠点を図6を用いて説明する。上述
したように、時点T2 で到来しなくなった基準入力信号
aの到来が時点T3 で再開すると、ローパスフィルタ2
から出力される制御信号c及びローパスフィルタ11か
ら出力される平均化信号gは、この直後から徐々に変化
し始める。入力断検出器15は、この時点T3 から僅か
に遅れた時点T4 で、基準入力信号aの復旧を検出して
入力断検出信号fをインアクティブとする。これによ
り、選択スイッチ14は、デジタル/アナログ変換器1
3からのアナログ信号hを選択していた状態から、ロー
パスフィルタ2から出力される制御信号cを選択する状
態に切り替わる。この切替わり前の信号hは、入力断検
出信号fがアクティブとなった時点T2 におけるローパ
スフィルタ11の出力信号gの値であるので、ローパス
フィルタ2から出力される制御信号cが再開以降徐々に
低下しているとはいえ、選択された信号iは、切替わり
前後で値が大きく異なってしまう。そのため、基準入力
信号aの到来が再開しても、出力信号dがこの基準入力
信号aの位相に同期するまでの同期引き込み時間が長く
なる。
【0020】例えば、通信装置のクロック発生回路にこ
のような位相同期回路を適用する場合、通信状態によっ
て基準入力信号aが到来しないこともあり、これが到来
するようになってもクロックの同期外れ量が大きくその
期間が長くなって、データを正確に処理できないことも
生じる。
【0021】本発明は、以上の点を考慮してなされたも
のであり、基準入力信号が到来しない期間においても出
力信号の周波数が所定周波数から大きくずれたものとな
ることを防止できると共に、基準入力信号の到来が再開
した場合に出力信号の周波数変動が少なくてしかも迅速
に同期引き込みできる位相同期回路を提供しようとする
ものである。
【0022】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
め、本発明においては、位相比較器、ローパスフィルタ
及び電圧制御型発振器を少なくとも備えた位相同期回路
において、以下の各手段を設けた。
【0023】すなわち、位相比較器への基準入力信号が
なくなったことを検出する入力断検出手段と、ローパス
フィルタが位相比較器から与えられた位相差信号から形
成した電圧制御型発振器への制御信号、又は、この制御
信号を長時間平均した平均信号のレベルを、入力断検出
手段が検出している期間だけ保持する信号保持手段と、
入力断検出手段が検出している期間では信号保持手段が
保持している信号を電圧制御型発振器に与え、その他の
期間ではローパスフィルタから出力された制御信号を電
圧制御型発振器に与える選択手段と、入力断検出手段が
検出している期間で、位相比較器とローパスフィルタと
を切り離すと共に、ローパスフィルタ内のコンデンサの
両端電圧を検出開始時点の電圧に保持させるローパスフ
ィルタ状態保持手段とを設けた。
【0024】そして、ローパスフィルタとして、オペア
ンプを有するアクティブローパスフィルタを適用すると
共に、ローパスフィルタ状態保持手段が、コンデンサの
両端に、信号保持手段の出力信号とオペアンプのバイア
ス電圧とを接続することで、コンデンサの両端電圧を入
力断検出手段が検出し始めた時点の電圧に保持するよう
にした
【0025】
【作用】本発明は、位相比較器への基準入力信号がなく
なっている期間及び基準入力信号の到来が再開したとき
の不都合を解決することを意図しているために、当然
に、基準入力信号がなくなったことを検出する入力断検
出手段を設けている。
【0026】また、入力断期間においても、電圧制御型
発振器からの出力信号の周波数が所定周波数から大きく
ずれることを防止するため、ローパスフィルタから電圧
制御型発振器への制御信号、又は、この制御信号を長時
間平均した平均信号のレベルを、入力断検出手段が検出
している期間だけ保持する信号保持手段と、入力断期間
では信号保持手段が保持している信号を電圧制御型発振
器に与え、その他の期間ではローパスフィルタから出力
された制御信号を電圧制御型発振器に与える選択手段と
を設けている。
【0027】さらに、基準入力信号の到来が再開したと
きの同期引き込みを早めると共に、そのときの発振周波
数の変動を押さえるべく、入力断期間で、位相比較器と
ローパスフィルタとを切り離すと共に、ローパスフィル
タ内のコンデンサの両端電圧を検出開始時点の電圧に保
持させるローパスフィルタ状態保持手段を設け、ローパ
スフィルタの制御信号が電圧制御型発振器に再度与えら
れるようになったときの制御信号レベルを入力断時のレ
ベルに近付けるようにした。
【0028】以上のような位相比較器への基準入力信号
がなくなっている期間での不都合を解決する構成と、基
準入力信号の到来が再開したときの不都合を解決する構
成とを融合したならば全体構成を簡単にすることができ
る。そこで、ローパスフィルタとして、オペアンプを有
するアクティブローパスフィルタを適用すると共に、ロ
ーパスフィルタ状態保持手段が、コンデンサの両端に、
信号保持手段の出力信号とオペアンプのバイアス電圧と
を接続することで、コンデンサの両端電圧を入力断検出
手段が検出し始めた時点の電圧に保持するようにした
【0029】
【実施例】以下、本発明を周波数逓倍型の位相同期回路
に適用した一実施例を図面を参照しながら詳述する。こ
こで、図1がこの実施例の構成を示すものであり、図5
との同一、対応部分には同一符号を付して示している。
【0030】図1において、この実施例では、位相比較
器1及び電圧制御型発振器3の間には、基準入力信号a
の到来の有無によって、ローパスフィルタとして機能し
たり、入力断時の出力周波数の変動抑圧回路として機能
したりする制御信号形成回路30が介挿されている。
【0031】この制御信号形成回路30は、入力断検出
器15からの入力断検出信号fの指示内容に応じて、当
該回路30の機能を切り替えるための2個の選択スイッ
チ37及び38を備えている。
【0032】制御信号形成回路30は、図3との比較か
ら明らかなように、選択スイッチ37及び38が共に接
点aに接続したときに、オペアンプを用いたアクティブ
ローパスフィルタを構成する複数の要素を備えている。
すなわち、オペアンプ31と、このオペアンプ31の反
転入力端子に位相比較器1からの位相差信号bを入力さ
せる入力抵抗32と、電源電圧+Ecを分圧してオペア
ンプ31の非反転入力端子に直流バイアス電圧VB とし
て入力させるための抵抗33及び34と、オペアンプ3
1の出力信号cをオペアンプ31の反転入力端子に帰還
させるコンデンサ36及び抵抗35の直列回路とを備え
ている。
【0033】上述した各要素に加えて、制御信号形成回
路30は、入力断時の出力周波数の変動抑圧回路として
機能するための専用構成として、オペアンプ31の出力
端子に接続されているローパスフィルタ39と、このロ
ーパスフィルタ39の出力信号gをデジタル信号に変換
するアナログ/デジタル変換器40と、変換されたデジ
タル信号をアナログ信号hに変換して選択スイッチ38
の接点bに与えるデジタル/アナログ変換器41とを備
えている。なお、選択スイッチ37が接点bを選択して
いる状態では、オペアンプ31の非反転入力端子と反転
入力端子とは、直接接続される。また、ローパスフィル
タ39の時定数は、選択スイッチ37及び38が接点a
に接続してオペアンプ31を中心として構成されたロー
パスフィルタの時定数より長く選定されている。
【0034】図7は、この実施例の各部タイムチャート
を示すものであり、以下、この図7を参照しながら実施
例の動作を説明する。
【0035】図7(A)に示す基準入力信号aが正常に
到来していて入力断検出器15からの図7(C)に示す
入力断検出信号fがインアクティブである期間(時点T
1 以前)では、選択スイッチ37及び38は共に接点a
に接続されており、制御信号形成回路30はローパスフ
ィルタとして機能する。すなわち、位相比較器1から出
力された図7(B)に示す位相差信号bの直流成分を抽
出した図7(E)に示す信号cを電圧制御型発振器3に
図7(G)に示すように制御信号iとして与える。従っ
て、基準入力信号aが到来しているときの位相同期回路
全体の同期動作は、従来回路(図2や図5)と同様であ
る。
【0036】なお、この期間においても、ローパスフィ
ルタ39はオペアンプ31からの出力信号cの長時間平
均値信号gをアナログ/デジタル変換器40に出力し、
アナログ/デジタル変換器40はこの信号gをデジタル
信号に変換してデジタル/アナログ変換器41に与え、
デジタル/アナログ変換器41は入力されたデジタル信
号を図7(F)に示すアナログ信号hに変換する。この
期間では、入力断検出信号fがインアクティブであるの
で、デジタル/アナログ変換器41は更新された入力デ
ジタル値を次々と取込み、従って、この期間では、ロー
パスフィルタ39の出力信号gとデジタル/アナログ変
換器41の出力信号hとは量子化誤差を除いて等しい。
デジタル/アナログ変換器41からの信号hは、選択ス
イッチ38に入力されるが、この期間では選択されな
い。
【0037】ここで、基準入力信号aが正常にある場
合、オペアンプ31の図7(D)に示す反転入力の電圧
jはオペアンプ31の利得が非常に大きいので、巨視的
に見ると、非反転入力と同電位となり、すなわちバイア
ス電圧VB となる(微視的に見れば反転入力と非反転入
力との差電圧を増幅したものがオペアンプの出力に表れ
る)。従って、オペアンプ31からの制御信号cは、位
相差信号bとバイアス電位VB との電位差を積分したも
のとなっている。
【0038】このような同期状態において、時点T1 で
基準入力信号aが断となると、オペアンプ31からの制
御信号(電圧)cは徐々に上昇し、従って、電圧制御型
発振器3に与えられる制御信号iも徐々に上昇する。
【0039】基準入力信号aが断となった時点T1 から
僅かに遅れた時点T2 で入力断検出器15が入力断を検
出し、入力断検出信号fをアクティブとする。これによ
り、選択スイッチ37及び38は接点b側に切替わり、
デジタル/アナログ変換器41は入力デジタル値を更新
しなくなる。
【0040】デジタル/アナログ変換器41が入力デジ
タル値を更新しなくなるので、デジタル/アナログ変換
器41は、入力断検出信号fをアクティブとなる直前の
ローパスフィルタ39の出力信号gのレベルと等しいレ
ベルを有する出力信号hを継続して出力し続け、これが
選択スイッチ38を介して制御信号iとして電圧制御型
発振器3に与えられる。このレベルは、入力断検出信号
fをアクティブとなる直前の信号cの長時間平均値とな
っているので、選択スイッチ38が切替わっても制御信
号iのレベルはその前後でほとんど変化せず、入力断が
生じても電圧制御型発振器3の発振周波数は入力断が発
生する以前の周波数を維持する。
【0041】また、選択スイッチ37の切換によって、
オペアンプ31の反転入力端子及び非反転入力端子が接
続されるのでこれらの電位は当然に等しい電位(VB )
になり、その出力はオフセットがなければ中心電圧(こ
の場合、VB を想定)になる。上述したように、選択ス
イッチ38の切換によって、デジタル/アナログ変換器
41からの固定レベルの出力信号hが電圧制御型発振器
3への制御信号iとなり、コンデンサ36の一端に印加
される。従って、入力断を検出しても、電圧制御型発振
器3の制御電圧cとオペアンプ31の反転入力の電圧V
B との電位差は入力断が発生する以前とほぼ同じであ
る。これによりコンデンサ36の両端電圧が維持され
る。
【0042】基準入力信号aの到来が時点T3 で再開す
ると、位相差信号bに有効なパルスが生じるようになる
が、制御信号生成回路30がこれを取り込むような状態
に切替わっていないので(位相同期回路が開ループのま
まであるので)、制御信号生成回路30は入力断時と同
様な動作を継続する。
【0043】この時点T3 から僅かに遅れた時点T4
で、入力断検出器15が入力信号aの復旧を検出する
と、選択スイッチ37、38及びデジタル/アナログ変
換器41に与える入力断検出信号fをインアクティブと
する。これにより、選択スイッチ37及び38は接点a
に切替わり、デジタル/アナログ変換器41は入力を更
新する状態になる。この時点T4 においては、コンデン
サ36は入力断直前の両端電圧を保持しているので、電
圧制御型発振器3への制御電圧iは入力断直前の電圧と
なる。勿論、基準入力信号aと、分周器4からの出力信
号eとの位相は合っていないので、位相比較器1の出力
信号bは図7(B)に示すようにパルス波形が繰返すも
のとなり、時点T4 以降はこの位相差信号bの直流成分
を抽出したものが制御信号c(この期間ではこれがその
まま最終的な制御信号iになる)となる。この制御信号
cの波形は入力断直前の値から同期状態に入っていくた
め、その変動範囲は狭くかつその時間(同期引き込み時
間)も短い。
【0044】従って、上記実施例によれば、入力断があ
ったときに、入力断直前の制御信号の長時間の平均値信
号を制御信号として電圧制御型発振器に与えるようにし
たので、入力断の期間における出力信号の周波数が所定
周波数から大きくずれることを防止することができる。
【0045】また、上記実施例によれば、入力がある期
間において制御信号を形成するローパスフィルタを構成
するコンデンサの両端電圧を、入力断期間において維持
させるようにしたので、入力が復旧したときに小さな周
波数変動で迅速に同期引き込み状態にさせることができ
る。
【0046】コンデンサの両端電圧を維持させるための
構成として、入力断直前の制御信号の長時間の平均値信
号を形成維持する構成を利用したので、上述の二つの効
果を得るための構成を簡単なものとすることができる。
【0047】通信装置のクロック発生回路にこの実施例
の位相同期回路を適用した場合には、基準入力信号の断
及び復旧時の特性を改善できるので、クロックを利用し
た各処理(例えば、ビット値の確定処理)の精度をも向
上させることができる。
【0048】なお、上記実施例においては、分周前の信
号を出力信号として取り出す位相同期回路を示したが、
分周後の信号を出力信号として取り出し位相同期回路に
本発明を適用することができる。また、分周回路を備え
ていない位相同期回路にも本発明を適用することができ
る。
【0049】また、上記実施例においては、入力がある
ときの制御信号の長時間平均値を、入力断期間に制御信
号として保持するものを示したが、入力断を検出したと
きの制御信号の値を入力断の期間に保持するようにして
も良い。ここで、保持するための構成もアナログ/デジ
タル変換器及びデジタル/アナログ変換器の組み合わせ
に限定されるものではない。
【0050】さらに、上記実施例においては、制御信号
を形成するローパスフィルタとしてオペアンプを有する
アクティブローパスフィルタを示したが、他の形式のロ
ーパスフィルタを有する位相同期回路に対しても本発明
を適用することができる。
【0051】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、位相比
較器への基準入力信号がなくなったことを検出する入力
断検出手段と、ローパスフィルタが位相比較器から与え
られた位相差信号から形成した電圧制御型発振器への制
御信号、又は、この制御信号を長時間平均した平均信号
のレベルを、入力断期間だけ保持する信号保持手段と、
入力断期間では信号保持手段が保持している信号を、そ
の他の期間ではローパスフィルタから出力された制御信
号を電圧制御型発振器に与える選択手段と、入力断期間
で、位相比較器とローパスフィルタとを切り離すと共
に、ローパスフィルタ内のコンデンサの両端電圧を検出
開始時点の電圧に保持させるローパスフィルタ状態保持
手段とを設け、ローパスフィルタとして、オペアンプを
有するアクティブローパスフィルタを適用すると共に、
ローパスフィルタ状態保持手段が、コンデンサの両端
に、信号保持手段の出力信号とオペアンプのバイアス電
圧とを接続することで、コンデンサの両端電圧を上記入
力断検出手段が検出開始した時点の電圧に保持するよう
にしたので、基準入力信号が到来しない期間においても
出力信号の周波数が所定周波数から大きくずれたものと
なることを防止できると共に、基準入力信号の到来が再
開した場合に出力信号の周波数変動が少なくてしかも迅
速に同期引き込みできるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の構成を示すブロック図である。
【図2】従来回路(その1)の構成を示すブロック図で
ある。
【図3】図2のローパスフィルタの詳細構成を示す回路
図である。
【図4】図2の回路の各部タイミングチャートである。
【図5】従来回路(その2)の構成を示すブロック図で
ある。
【図6】図5の回路の各部タイミングチャートである。
【図7】実施例の各部タイミングチャートである。
【符号の説明】
1…位相比較器、3…電圧制御型発振器、15…入力断
検出器、30…制御信号形成回路、31…オペアンプ、
32〜35…抵抗、36…コンデンサ、37,38…選
択スイッチ、39…ローパスフィルタ、40…アナログ
/デジタル変換器、41…デジタル/アナログ変換器。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 位相比較器、ローパスフィルタ及び電圧
    制御型発振器を少なくとも備えた位相同期回路におい
    て、 上記位相比較器への基準入力信号がなくなったことを検
    出する入力断検出手段と、 上記ローパスフィルタが上記位相比較器から与えられた
    位相差信号から形成した上記電圧制御型発振器への制御
    信号、又は、この制御信号を長時間平均した平均信号の
    レベルを、上記入力断検出手段が検出している期間だけ
    保持する信号保持手段と、 上記入力断検出手段が検出している期間では上記信号保
    持手段が保持している信号を上記電圧制御型発振器に与
    え、その他の期間では上記ローパスフィルタから出力さ
    れた制御信号を上記電圧制御型発振器に与える選択手段
    と、 上記入力断検出手段が検出している期間で、上記位相比
    較器と上記ローパスフィルタとを切り離すと共に、上記
    ローパスフィルタ内のコンデンサの両端電圧を検出開始
    時点の電圧に保持させるローパスフィルタ状態保持手段
    とを備え 上記ローパスフィルタとして、オペアンプを有するアク
    ティブローパスフィルタを適用すると共に、 上記ローパスフィルタ状態保持手段が、上記コンデンサ
    の両端に、上記信号保持手段の出力信号と上記オペアン
    プのバイアス電圧とを接続することで、上記コンデンサ
    の両端電圧を上記入力断検出手段が検出開始した時点の
    電圧に保持する ことを特徴とする位相同期回路。
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