JP2906273B2 - 超音波モータ - Google Patents

超音波モータ

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JP2906273B2 JP2131627A JP13162790A JP2906273B2 JP 2906273 B2 JP2906273 B2 JP 2906273B2 JP 2131627 A JP2131627 A JP 2131627A JP 13162790 A JP13162790 A JP 13162790A JP 2906273 B2 JP2906273 B2 JP 2906273B2
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Description

【発明の詳細な説明】 A.産業上の利用分野 本発明は、電気機械変換素子により弾性体に発生した
振動によって相対運動部材を駆動する超音波モータに関
する。
B.従来の技術 進行性振動波型の超音波モータは、特開昭59−111609
号公報にも開示されているように、圧電体に交流電圧を
印加した時に生ずる圧電体(電気機械変換素子)の伸縮
振動を用いて、圧電体を貼付けた弾性体に進行性振動波
を生じさせ、弾性体に回転子を加圧接触させ摩擦駆動す
るモータでる。従来この超音波モータの支持方法として
は、次のようなものがある。
(1)ステータ(振動子)の駆動面の反対側の面にフェ
ルト等の緩衝材を設けて支持する方法。
(2)ステータの振動の中立面と同一面においてステー
タの内周側あるいは外周側にフランジを設けて挟み込ん
で支持する方法。
(3)ステータの振動の中立面と同一面上においてステ
ータの内周側あるいは外周側に複数の棒状補助振動体を
設けて支持する方法。
C.発明が解決しようとする課題 前述のごとき(1)の支持方法では、耐候性が不十分
であったり、経年変化による設定条件の変化が大きくモ
ータの信頼性に問題があった。
(2)の支持方法では、挟む部分の剛性が低いとか全
周を確実に押えられない場合には、挟む部材(固定筒
等)もしくは挟む部材とステータ支持部材との間で騒音
が発生し支持損失が大きくなり、効率が低下するという
問題があった。
また、(3)のように複数の棒状補助振動体を設けて
支持する場合、その効果を得るためには、幅が狭く厚さ
の薄いものを寸法精度を揃えて多数設けなければならず
加工が難しく高価な加工となってしまったり、狭く薄く
できない時は支持の剛性が高いためステータの振動が支
持を通し外部に伝達され騒音が生じてしまうといった問
題点があった。
本発明は、これらの問題点を解決し、信頼性が高く、
支持による損失が少なく、なおかつ安価で、振動の外部
伝達を防ぎ騒音が生じない超音波モータを提供すること
を目的としている。
D.課題を解決するための手段 上記の問題点を解決するために請求項1の発明では、
振動子に一体的に設けた支持部材を固定筒と押え環との
少なくともいずれか一方に接着剤にて接着し、固定筒と
押え環とにより挟持する。
また請求項3の発明は、上記接着剤に代えて、接着効
果のない充填材を用いたものである。
E.作用 支持部材を固定筒と押え環との少なくともいずれか一
方に接着剤にて接着し、固定筒と押え環とにより挟持し
たので、信頼性が高く、支持による損失が少なく、なお
かつ安価で、振動の外部伝達を防ぎ騒音が生じないよう
になる。また、固定部(固定筒等)を電気的に接地する
場合は振動子と固定部の間を接着剤で保護することにな
り導通が確実になる。
また上記接着剤に代えて、接着効果のない充填材を用
いてもある程度の効果を得ることができる。
F.実施例 第1図〜第3図により本発明の一実施例を説明する。
第1図は本発明に係る超音波モータの分解図、第2図は
その組立て図である。
ステータ(振動子)1は、リング状弾性体1aと、リン
グ状弾性体1aに接着されたリング状圧電体(電気機械変
換素子)1bとから構成されている。弾性体1aの駆動面は
P1は、平面研磨加工によりその平面度の公差が0.5μm
以下とされている。また弾性体1aには、その外周面から
径方向にフランジ状のステータ支持部材30が一体的に形
成されている。この支持部材30は、弾性体1aの外周面に
連設される厚さが約0.3mmの薄板部31と、この薄板部31
に連設される肉厚部32とを有し、肉厚部32の厚さは、薄
板部31より十分厚くされる。また本実施例では、肉厚部
32の下端面P3が弾性体1aの接合面P2と同一平面とされ
る。
ここで、弾性体1aの接合面P2は、圧電体1bを接着接合
したときに、圧電体1bのすべての電極と導通をとるため
平面研磨加工により駆動面P1と同程度の平面度に仕上げ
る必要がある。本実施例では、この接合平面P2と肉厚部
32の下端面P3とが同一平面とされているので、接合面P2
を平面研磨加工する際に端面P3も同時に平面研磨加工で
きる。また、平面研磨加工された端面P3が接着当接され
る押え環4の面P5も同様に平面研磨加工される。
一方、ロータ(相対運動部材)2は、リング状ロータ
母材2aと、このロータ母材2aに接着されたスライダ材2b
とから構成される。ロータ母材2aには、その中立軸近傍
から延び、加圧力を受ける支持部材2cが一体形成されて
いる。スライダ材2bの下面P6は、弾性体1aの駆動面P1と
均一に接触するようにロータ母材2aに接着された後、こ
の駆動面P1と同程度の平面度に研磨加工される。
第2図に示すように、弾性体1aの接合面P2に圧電体1b
を接着した後、支持部材30の肉厚部32の上下端面P4,P3
と固定筒5の面P7および押え環4の面P5に接着剤を塗布
し、面P7と面P4、面P5と面P3とがそれぞれ当接するよう
に押え環4を固定筒5に螺合する。これにより肉厚部32
は、固定筒5と押え環4とにより上下方向(第1の方向
および第2の方向)から挟持され固定される。このと
き、肉厚部32の下端面P3および押え環4の面P5が平面加
工されており、しかも面P7とP4そして面P5と端面P3の間
の接着剤が充填材の役目を果たしているので、弾性体1a
の駆動面P1の平面度が低下することがない。
なお、接着剤の種類は特に限定するものではないが、
中でもエポキシ系が充填効果が高い。
また面P3,P5間および面P4,P7間には、それぞれ接着剤
が介入するが、この接着剤が仮に非導電性のものであっ
ても、押え環4と固定筒5とを締め付けることにより各
面間を電気的に導通させることができる。すなわち第4
図の拡大図に示すように、面P3,P5間には、平面研磨加
工されているとはいえ微細な凹凸があり、上記締め付け
により各面の凹部の隙間に接着剤が入り込むことによっ
て各凸部同志が接触し、これにより各面間の電気的導通
が図られる。また、面P4,P7間も同様の理由により電気
的導通を図ることができる。
またロータ母材2aにはスライダ材2bが接着され、不図
示の押圧部材によりスライダ材2bの下面P6が弾性体1aの
駆動面P1に加圧接触される。
この状態で圧電体1bに交流電圧(駆動信号)が印加さ
れると、圧電体1bに屈曲振動が生じて弾性体1aの駆動面
に進行性振動波が発生し、この振動波によりロータ2が
駆動される。このとき支持部材30および弾性体1aに作用
する振動波の振幅は、第3図に示すようになっている。
すなわち薄板部31と肉厚部32の連設部分では肉厚部が固
定されているため振幅はほとんど零であり、弾性体1aに
近付くほど薄板部31の振幅は増加する。そして、弾性体
1aの中央部分付近の振幅がもっとも大きくなる。従っ
て、厚さの厚い肉厚部32を設けてもロータ2の駆動効率
が従来と比べて低下することはない。
上述のごとくステータ1とステータ1の支持部材30と
が一体とされているので耐候性がよく、経年変化による
設定条件の変化も少なく信頼性が高くなる。その上、ス
テータ1に一体的に設けた支持部材30を固定筒5と押え
環4に接着し、固定筒5と押え環4により挟持するよう
にしたため支持による損失が少なく信頼性が向上し、し
かも振動の外部伝達が防止されるので外部の部分からも
騒音が生じないようになる。また、ステータ1と固定筒
5や押え環4とを導通させてステータ1を電気的に接地
する場合はステータ1と固定筒5や押え環4との間を接
着剤で保護することになるので、この間に錆の発生や塵
の進入することが防止でき導通をより確実にすることが
できる。
なお、支持部材30は、弾性体1aの内径に形成し、弾性
体1aの内側で固定部材により接着固定保持するようにし
てもよい。また接着剤を導電性の接着剤としてもよい。
さらに接着剤に代えて、油やシリコンパテなどのよう
に、接着効果のない充填剤を用いてもある程度の効果を
得ることができる。
G.発明の効果 本発明は上述のように、振動子に一体的に設けた支持
部材を接着剤にて固定筒と押え環に接着し、固定筒と押
え環により挟持するようにしたので、支持による損失が
少なくなり信頼性が向上し、そのうえ振動の外部伝達を
防ぐので騒音が外部の部品から生じない超音波モータが
得られる。また、固定部材を電気的に接地する場合は振
動子と固定部の間を接着剤で保護するので、この間に錆
の発生や塵の進入が防止でき導通をより確実にすること
ができる。
また上記接着剤に代えて、接着効果のない充填剤を用
いてもある程度の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第4図は本発明の一実施例を示し、第1図は本
発明に係る超音波モータの構成を示す分解断面図、第2
図はそれを組立てた状態を示す断面図、第3図は各部に
おける振動の振幅を示す図、第4図は支持部材の肉厚部
と押え環との接触部分を示す拡大図である。 1:ステータ、1a:弾性体 1b:圧電体、2:ロータ 4:押え環、5:固定筒 30:支持部材、31:薄板部 32:肉厚部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H02N 2/00 - 2/18

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電気機械変換素子の励振により弾性体に振
    動を発生する振動子と、 前記振動子を固定するために該振動子に一体的に設けた
    支持部材と、 前記振動子に加圧接触され、前記振動によって駆動され
    る相対運動部材と、 前記支持部材を第1の方向から固定する固定筒と、 前記支持部材を前記第1の方向とは異なる第2の方向か
    ら固定する押え環とを有し、 前記支持部材を前記固定筒と前記押え環との少なくとも
    いずれか一方に接着剤にて接着し、前記固定筒と前記押
    え環とにより挟持するようにしたことを特徴とする超音
    波モータ。
  2. 【請求項2】前記支持部材は前記弾性体の外周面もしく
    は内周面に張り出して形成されることを特徴とする請求
    項1に記載の超音波モータ。
  3. 【請求項3】前記支持部材は薄肉部と肉厚部とを有し、
    該肉厚部において前記押え環と前記固定筒とに挟持され
    ていることを特徴とする請求項1に記載の超音波モー
    タ。
  4. 【請求項4】前記支持部材は前記押え環と前記固定筒と
    の少なくともいずれか一方と導通していることを特徴と
    する請求項1に記載の超音波モータ。
  5. 【請求項5】前記支持部材の接着面が平面加工されてい
    ることを特徴とする請求項1に記載の超音波モータ。
  6. 【請求項6】前記接着剤は導電性接着剤であることを特
    徴とする請求項1に記載の超音波モータ。
  7. 【請求項7】電気機械変換素子の励振により弾性体に振
    動を発生する振動子と、 前記振動子を固定するために該振動子に一体的に設けた
    支持部材と、 前記振動子に加圧接触され、前記振動によって駆動され
    る相対運動部材と、 前記支持部材を第1の方向から固定する固定筒と、 前記支持部材を前記第1の方向とは異なる第2の方向か
    ら固定する押え環とを有し、 前記支持部材を前記固定筒と前記押え環との少なくとも
    いずれか一方に接着効果のない充填材を介して当接さ
    せ、前記固定筒と前記押え環とにより挟持するようにし
    たことを特徴とする超音波モータ。
  8. 【請求項8】前記支持部材は前記弾性他の外周面もしく
    は内周面に張り出して形成されることを特徴とする請求
    項7に記載の超音波モータ。
  9. 【請求項9】前記支持部材は薄肉部と肉厚部とを有し、
    該肉厚部において前記押え環と前記固定筒とに挟持され
    ていることを特徴とする請求項7に記載の超音波モー
    タ。
  10. 【請求項10】前記支持部材は前記押え環と前記固定筒
    との少なくともいずれか一方と導通していることを特徴
    とする請求項7に記載の超音波モータ。
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