JP2906261B2 - 無段変速機の遠心油圧補正装置 - Google Patents
無段変速機の遠心油圧補正装置Info
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- JP2906261B2 JP2906261B2 JP2001590A JP159090A JP2906261B2 JP 2906261 B2 JP2906261 B2 JP 2906261B2 JP 2001590 A JP2001590 A JP 2001590A JP 159090 A JP159090 A JP 159090A JP 2906261 B2 JP2906261 B2 JP 2906261B2
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- hydraulic
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- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16H—GEARING
- F16H61/00—Control functions within control units of change-speed- or reversing-gearings for conveying rotary motion ; Control of exclusively fluid gearing, friction gearing, gearings with endless flexible members or other particular types of gearing
- F16H61/66—Control functions within control units of change-speed- or reversing-gearings for conveying rotary motion ; Control of exclusively fluid gearing, friction gearing, gearings with endless flexible members or other particular types of gearing specially adapted for continuously variable gearings
- F16H61/662—Control functions within control units of change-speed- or reversing-gearings for conveying rotary motion ; Control of exclusively fluid gearing, friction gearing, gearings with endless flexible members or other particular types of gearing specially adapted for continuously variable gearings with endless flexible members
- F16H61/66272—Control functions within control units of change-speed- or reversing-gearings for conveying rotary motion ; Control of exclusively fluid gearing, friction gearing, gearings with endless flexible members or other particular types of gearing specially adapted for continuously variable gearings with endless flexible members characterised by means for controlling the torque transmitting capability of the gearing
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- Engineering & Computer Science (AREA)
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- Transmissions By Endless Flexible Members (AREA)
- Control Of Transmission Device (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は変速用Vベルトを使用した無段変速機に関
し,特にシーブに対する遠心油圧の影響を除去するため
の遠心油圧補正室が設けられている無段変速機の遠心油
圧補正装置に関する。
し,特にシーブに対する遠心油圧の影響を除去するため
の遠心油圧補正室が設けられている無段変速機の遠心油
圧補正装置に関する。
(従来の技術) 変速用Vベルトを使用した無段変速機には種々のタイ
プのものがあるが,一般に自動車用のものは,入力側シ
ーブと出力側シーブに各々油圧室を付設し,この各油圧
室に導入される油圧を変化させて入力側シーブおよび出
力側シーブに巻き付けられるVベルトの巻付き半径を変
えることにより,無段階に変速を行っている。
プのものがあるが,一般に自動車用のものは,入力側シ
ーブと出力側シーブに各々油圧室を付設し,この各油圧
室に導入される油圧を変化させて入力側シーブおよび出
力側シーブに巻き付けられるVベルトの巻付き半径を変
えることにより,無段階に変速を行っている。
このような型式の無段変速機においては,油圧室がシ
ーブとともに回転しこの油圧室内の油に遠心力が働いて
遠心油圧を発生することにより,シーブに作用する押圧
力のバランスを狂わせてしまい,所定の変速比を得るこ
とが出来ないという問題が生じる。そこで,このような
油圧室内に発生する遠心油圧による影響を除去するた
め,従来から遠心油圧補正室を油圧室に併設した無段変
速機が考え出されて来ている。
ーブとともに回転しこの油圧室内の油に遠心力が働いて
遠心油圧を発生することにより,シーブに作用する押圧
力のバランスを狂わせてしまい,所定の変速比を得るこ
とが出来ないという問題が生じる。そこで,このような
油圧室内に発生する遠心油圧による影響を除去するた
め,従来から遠心油圧補正室を油圧室に併設した無段変
速機が考え出されて来ている。
従来のこのような遠心油圧補正室を備えた無段変速機
としては,特開昭59-99157号公報または特開昭60-16406
8号公報に記載のものがある。
としては,特開昭59-99157号公報または特開昭60-16406
8号公報に記載のものがある。
この特開昭59-99157号公報に記載の無段変速機は,第
4図に示すように,出力側シーブ1に油圧室2が付設さ
れ,さらにこの油圧室2のシーブ1に対し反対側位置に
遠心油圧補正室3が形成されていて,この遠心油圧補正
室3に油を充満させておくことにより,シーブ1の回転
に併って油圧室2内に発生する遠心油圧を遠心油圧補正
室3内に同様に発生する遠心油圧によって打ち消すよう
になっている。
4図に示すように,出力側シーブ1に油圧室2が付設さ
れ,さらにこの油圧室2のシーブ1に対し反対側位置に
遠心油圧補正室3が形成されていて,この遠心油圧補正
室3に油を充満させておくことにより,シーブ1の回転
に併って油圧室2内に発生する遠心油圧を遠心油圧補正
室3内に同様に発生する遠心油圧によって打ち消すよう
になっている。
また,特開昭60-164068号公報に記載の無段変速機
も,第5図に示すように,出力側シーブ11に油圧室12が
付設され,さらにこの油圧室12に遠心油圧補正室13が併
設されて,この油圧室12と遠心油圧補正室13に発生する
遠心油圧が互いに打ち消し合うよう構成されている。
も,第5図に示すように,出力側シーブ11に油圧室12が
付設され,さらにこの油圧室12に遠心油圧補正室13が併
設されて,この油圧室12と遠心油圧補正室13に発生する
遠心油圧が互いに打ち消し合うよう構成されている。
(発明が解決しようとする課題) しかし,上記従来の無段変速機のうち第4図のもの
は,図から分る通り,油圧室2を形成するシリンダ壁4
が軸方向に延長されてピストン5の端部外周面に摺接さ
れることにより遠心油圧補正室3が形成されているた
め,遠心油圧補正室3内における遠心油圧の径方向受圧
面積が油圧室2内における遠心油圧の径方向受圧面積よ
りも必然的に小さくなってしまい,油圧室2内に発生す
る遠心油圧の影響を十分に排除することが出来なかっ
た。
は,図から分る通り,油圧室2を形成するシリンダ壁4
が軸方向に延長されてピストン5の端部外周面に摺接さ
れることにより遠心油圧補正室3が形成されているた
め,遠心油圧補正室3内における遠心油圧の径方向受圧
面積が油圧室2内における遠心油圧の径方向受圧面積よ
りも必然的に小さくなってしまい,油圧室2内に発生す
る遠心油圧の影響を十分に排除することが出来なかっ
た。
また第5図のものは,油圧室12を形成するシリンダ壁
14が軸方向に延長されその先端部がシャフト16の外周面
に摺接されることによって遠心油圧補正室13が形成され
ているため,油圧室12内と遠心油圧補正室13内における
遠心油圧の径方向受圧面積が等しくなっているが,シリ
ンダ壁14がシーブ11の軸方向ストロークに併ってシャフ
ト16上をストロークするため,このストロークスペース
をシャフト16の軸方向に沿って設ける必要があり,その
分だけ変速機の軸方向長さが長くなってしまうという欠
点があった。
14が軸方向に延長されその先端部がシャフト16の外周面
に摺接されることによって遠心油圧補正室13が形成され
ているため,油圧室12内と遠心油圧補正室13内における
遠心油圧の径方向受圧面積が等しくなっているが,シリ
ンダ壁14がシーブ11の軸方向ストロークに併ってシャフ
ト16上をストロークするため,このストロークスペース
をシャフト16の軸方向に沿って設ける必要があり,その
分だけ変速機の軸方向長さが長くなってしまうという欠
点があった。
この発明は,上記従来の無段変速機の有している欠点
を解消するために為されたものである。すなわち,シー
ブに付設された油圧室内にその回転によって発生する遠
心油圧のシーブに対する影響をほぼ完全に除去すること
が出来るとともに,そのために変速機の軸長が延長され
ることの無い無段変速機の遠心油圧補正装置を提供する
ことを目的とする。
を解消するために為されたものである。すなわち,シー
ブに付設された油圧室内にその回転によって発生する遠
心油圧のシーブに対する影響をほぼ完全に除去すること
が出来るとともに,そのために変速機の軸長が延長され
ることの無い無段変速機の遠心油圧補正装置を提供する
ことを目的とする。
(課題を達成するための手段) この発明は、上記目的を達成するために、シャフトに
固定された固定シーブと該シャフトの軸方向にスライド
自在でかつ該シャフトと一体回転する可動シーブとの間
のV字状部分にベルトが巻き付けられて動力の伝達を行
い、前記可動シーブに油圧室が付設されて該油圧室内の
油圧によって該可動シーブが前記固定シーブ側に付勢さ
れ、前記油圧室の前記可動シーブと反対側に遠心油圧補
正室を備えている無段変速機において、前記シャフトに
補助シリンダが軸方向にスライド不能にかつ該シャフト
と一体回転するよう嵌合され、前記補助シリンダの外周
面に一端部が前記可動シーブに固定されたシリンダの他
端部が軸方向にスライド自在に外嵌され、前記シリンダ
に前記シャフトに対して固定されたピストンが内嵌さ
れ、前記ピストンと前記可動シーブとの間に前記油圧室
が、前記ピストンと前記シリンダおよび前記補助シリン
ダとの間に前記遠心油圧補正室が形成され、前記遠心油
圧補正室が前記油圧室の内径部から外径部に亘って該油
圧室と前記軸方向に対向していることを特徴としてい
る。
固定された固定シーブと該シャフトの軸方向にスライド
自在でかつ該シャフトと一体回転する可動シーブとの間
のV字状部分にベルトが巻き付けられて動力の伝達を行
い、前記可動シーブに油圧室が付設されて該油圧室内の
油圧によって該可動シーブが前記固定シーブ側に付勢さ
れ、前記油圧室の前記可動シーブと反対側に遠心油圧補
正室を備えている無段変速機において、前記シャフトに
補助シリンダが軸方向にスライド不能にかつ該シャフト
と一体回転するよう嵌合され、前記補助シリンダの外周
面に一端部が前記可動シーブに固定されたシリンダの他
端部が軸方向にスライド自在に外嵌され、前記シリンダ
に前記シャフトに対して固定されたピストンが内嵌さ
れ、前記ピストンと前記可動シーブとの間に前記油圧室
が、前記ピストンと前記シリンダおよび前記補助シリン
ダとの間に前記遠心油圧補正室が形成され、前記遠心油
圧補正室が前記油圧室の内径部から外径部に亘って該油
圧室と前記軸方向に対向していることを特徴としてい
る。
(作用) 上記本発明による無段変速機の遠心油圧補正装置は,
油圧室内の油圧を制御して無段変速を行う際,例えばピ
ストンに小孔を設けておくことにより,遠心油圧補正室
内にも無圧状態で油が充満される。このように遠心油圧
補正室内を無圧状態にしておくのは,例えば補助シリン
ダに前記ピストンの小孔よりも大きい小孔を設ける等の
手段が用いられる。
油圧室内の油圧を制御して無段変速を行う際,例えばピ
ストンに小孔を設けておくことにより,遠心油圧補正室
内にも無圧状態で油が充満される。このように遠心油圧
補正室内を無圧状態にしておくのは,例えば補助シリン
ダに前記ピストンの小孔よりも大きい小孔を設ける等の
手段が用いられる。
そして油圧室が可動シーブとともに回転することによ
って油圧室内に遠心油圧が発生し可動シーブに対して固
定シーブ方向に作用するが,これと同時に遠心油圧補正
室内にも遠心油圧が発生しシリンダに対して前記油圧室
の遠心油圧と反対方向に作用する。このとき,補助シリ
ンダによって,遠心油圧補正室の遠心油圧の大きさを可
動シーブに対する油圧室の遠心油圧の大きさと等しくす
ることが出来るので,油圧室に発生する遠心油圧の影響
をほぼ完全に除去することが出来る。
って油圧室内に遠心油圧が発生し可動シーブに対して固
定シーブ方向に作用するが,これと同時に遠心油圧補正
室内にも遠心油圧が発生しシリンダに対して前記油圧室
の遠心油圧と反対方向に作用する。このとき,補助シリ
ンダによって,遠心油圧補正室の遠心油圧の大きさを可
動シーブに対する油圧室の遠心油圧の大きさと等しくす
ることが出来るので,油圧室に発生する遠心油圧の影響
をほぼ完全に除去することが出来る。
また可動シーブと一体的にスライドするシリンダが補
助シリンダの外周面と摺動するので,シャフトにシリン
ダの為のストローク空間を確保する必要が無い。
助シリンダの外周面と摺動するので,シャフトにシリン
ダの為のストローク空間を確保する必要が無い。
(実施例) 以下,この発明を,図面に示す実施例に基づいてさら
に詳細に説明する。
に詳細に説明する。
第1図は本発明によるVベルト式無段変速機の一実施
例を示すスケルトン図,第2図は同実施例の主要部分を
示す側断面図である。
例を示すスケルトン図,第2図は同実施例の主要部分を
示す側断面図である。
第1図において,図示しないエンジンから入力シャフ
ト21を介して入力側シーブ22に入力された駆動力は,さ
らにVベルト23を介して出力側シーブ24に伝達されて出
力シャフト25から出力される。そして,入力側シーブ22
と出力側シーブ24間において,Vベルト23の入力側シーブ
22および出力側シーブ24に対する巻付き半径によって決
定される変速比に基づいて駆動力の伝達が行われる。
ト21を介して入力側シーブ22に入力された駆動力は,さ
らにVベルト23を介して出力側シーブ24に伝達されて出
力シャフト25から出力される。そして,入力側シーブ22
と出力側シーブ24間において,Vベルト23の入力側シーブ
22および出力側シーブ24に対する巻付き半径によって決
定される変速比に基づいて駆動力の伝達が行われる。
この入力側シーブ22および出力側シーブ24におけるV
ベルトの巻付き半径は,これら入力側シーブ22および出
力側シーブ24に各々付設された油圧室C1およびC2内の油
圧を調圧することにより,各々の可動側シーブを軸方向
にスライドすることによって変化され,これによって変
速比が任意に設定される。
ベルトの巻付き半径は,これら入力側シーブ22および出
力側シーブ24に各々付設された油圧室C1およびC2内の油
圧を調圧することにより,各々の可動側シーブを軸方向
にスライドすることによって変化され,これによって変
速比が任意に設定される。
なお,以上の構成については,従来のものと同様であ
る。
る。
出力側シーブ24は,第2図で特に示すように,両端を
ボールベアリング27および28によって回転自在に支持さ
れた出力シャフト25に一体的に形成された固定シーブ24
Aと,出力シャフト25にスライド自在に嵌合されて固定
シーブ24Aと対向する可動シーブ24Bとから成り,この固
定シーブ24Aと可動シーブ24Bとの間に形成されるV字状
部分にVベルト23を挟持している。なお,可動シーブ24
Bは,出力シャフト25との間に介装されたボールスプラ
イン29によって,軸方向にスライド自在にかつ円周方向
には出力シャフト25と一体的に回転するようになってい
る。
ボールベアリング27および28によって回転自在に支持さ
れた出力シャフト25に一体的に形成された固定シーブ24
Aと,出力シャフト25にスライド自在に嵌合されて固定
シーブ24Aと対向する可動シーブ24Bとから成り,この固
定シーブ24Aと可動シーブ24Bとの間に形成されるV字状
部分にVベルト23を挟持している。なお,可動シーブ24
Bは,出力シャフト25との間に介装されたボールスプラ
イン29によって,軸方向にスライド自在にかつ円周方向
には出力シャフト25と一体的に回転するようになってい
る。
この可動シーブ24Bの図面左側方部において,ピスト
ン30が出力シャフト25に軸方向および円周方向に固定さ
れた状態で嵌合されており,さらに補助シリンダ31がこ
のピストン30の図面左側方位置において出力シャフト25
に一体回転するよう嵌合されている。そして,この補助
シリンダ31の端部側壁が,ピストン30の図面左側端部と
出力シャフト25に取り付けられた出力ギア32との間に挟
持されて軸方向において固定されており,また,この補
助シリンダ31の円筒部内にピストン30の図面左側円筒部
が遊嵌されている。
ン30が出力シャフト25に軸方向および円周方向に固定さ
れた状態で嵌合されており,さらに補助シリンダ31がこ
のピストン30の図面左側方位置において出力シャフト25
に一体回転するよう嵌合されている。そして,この補助
シリンダ31の端部側壁が,ピストン30の図面左側端部と
出力シャフト25に取り付けられた出力ギア32との間に挟
持されて軸方向において固定されており,また,この補
助シリンダ31の円筒部内にピストン30の図面左側円筒部
が遊嵌されている。
さらに,可動シーブ24Bの側壁外周部にはシリンダ33
の図面右側端部が固定され,このシリンダ33の図面左側
端部は補助シリンダ31の外周面に,軸方向にスライド自
在にかつOリング34によって気密性を保った状態で嵌合
され,これによって,可動シーブ24Bの外側面とピスト
ン30との間に油圧室C2が,さらにピストン30とシリンダ
33および補助シリンダ31との間に遠心油圧補正室C3が形
成されている。また、第2図に示すとおり、遠心油圧補
正室C3が油圧室C2の内径部から外径部に亘って径方向に
延在して該油圧室C2と軸方向に対向し、両室C2,C3の受
圧面積を同等としている。
の図面右側端部が固定され,このシリンダ33の図面左側
端部は補助シリンダ31の外周面に,軸方向にスライド自
在にかつOリング34によって気密性を保った状態で嵌合
され,これによって,可動シーブ24Bの外側面とピスト
ン30との間に油圧室C2が,さらにピストン30とシリンダ
33および補助シリンダ31との間に遠心油圧補正室C3が形
成されている。また、第2図に示すとおり、遠心油圧補
正室C3が油圧室C2の内径部から外径部に亘って径方向に
延在して該油圧室C2と軸方向に対向し、両室C2,C3の受
圧面積を同等としている。
そして,この油圧室C2内において可動シーブ24Bとピ
ストン30との間にスプリング35が介装されて可動シーブ
24Bを固定シーブ24A側に付勢するようになっている。ま
た,ピストン30に小孔h1が形成されて,この小孔h1を介
して油圧室C2と遠心油圧補正室C3とが僅かに連通されて
おり,補助シリンダ31の端部側壁に小孔h2が形成され
て,この小孔h2を介して遠心油圧補正室C3が外部と連通
されている。この小孔h2とピストン30に形成された小孔
h1とは,ピストン30の小孔h1の方が小さくなるように径
が設定されている。また,油圧室C2には,出力シャフト
25に形成された油路L1およびL2から圧油が導入されるよ
うになっている。
ストン30との間にスプリング35が介装されて可動シーブ
24Bを固定シーブ24A側に付勢するようになっている。ま
た,ピストン30に小孔h1が形成されて,この小孔h1を介
して油圧室C2と遠心油圧補正室C3とが僅かに連通されて
おり,補助シリンダ31の端部側壁に小孔h2が形成され
て,この小孔h2を介して遠心油圧補正室C3が外部と連通
されている。この小孔h2とピストン30に形成された小孔
h1とは,ピストン30の小孔h1の方が小さくなるように径
が設定されている。また,油圧室C2には,出力シャフト
25に形成された油路L1およびL2から圧油が導入されるよ
うになっている。
なお,補助シリンダ31,出力ギア32およびローラベア
リング27は,出力シャフト25の端部に螺着されたナット
36によって締め上げられて軸方向において隙間が生じな
いよう固定されている。
リング27は,出力シャフト25の端部に螺着されたナット
36によって締め上げられて軸方向において隙間が生じな
いよう固定されている。
次に,上記無段変速機の変速比変更の際の作動を説明
する。
する。
変速比を大きくする場合には,入力側の油圧室C1の油
圧を下げ,出力側の油圧室C2に油路L1,L2から圧油を導
入する。これによって,第2図の上状態で示すように,
可動シーブ24Bが固定シーブ24A側に付勢されてスライド
され,Vベルト23が可動シーブ24Bおよび固定シーブ24Aの
外周側に移動して挟持される。
圧を下げ,出力側の油圧室C2に油路L1,L2から圧油を導
入する。これによって,第2図の上状態で示すように,
可動シーブ24Bが固定シーブ24A側に付勢されてスライド
され,Vベルト23が可動シーブ24Bおよび固定シーブ24Aの
外周側に移動して挟持される。
また変速比を小さくする場合には,入力側の油圧室C1
の油圧を下げ,出力側の油圧室C2の油圧を下げる。これ
によって,第2図の下状態で示すように,可動シーブ24
BがVベルト23に付勢されてスプリング35に抗して固定
シーブ24Aから離間する方向にスライドされ,Vベルト23
が可動シーブ24Bおよび固定シーブ24Aの内周側に移動し
て挟持される。
の油圧を下げ,出力側の油圧室C2の油圧を下げる。これ
によって,第2図の下状態で示すように,可動シーブ24
BがVベルト23に付勢されてスプリング35に抗して固定
シーブ24Aから離間する方向にスライドされ,Vベルト23
が可動シーブ24Bおよび固定シーブ24Aの内周側に移動し
て挟持される。
以上のように変速比が無段階に設定されるが,このと
き,油圧室C2内の圧油はピストン30の小孔h1を通って遠
心油圧補正室C3内に供給され,この遠心油圧補正室C3を
充満させる。そして,小孔h1から流出する油量よりも油
路L1,L2から供給される油量の方が多いので,油圧室C2
内において可動シーブ24Bを付勢してVベルト23を挟持
するための油圧が確保されている。また,このピストン
30の小孔h1の径は補助シリンダ31に形成された小孔h2の
径よりも小さいので,過剰の油は小孔h2から排出され,
従って,遠心油圧補正室C3内は油で充満されているが,
油圧室C2からの圧油によって油圧が発生することはな
い。
き,油圧室C2内の圧油はピストン30の小孔h1を通って遠
心油圧補正室C3内に供給され,この遠心油圧補正室C3を
充満させる。そして,小孔h1から流出する油量よりも油
路L1,L2から供給される油量の方が多いので,油圧室C2
内において可動シーブ24Bを付勢してVベルト23を挟持
するための油圧が確保されている。また,このピストン
30の小孔h1の径は補助シリンダ31に形成された小孔h2の
径よりも小さいので,過剰の油は小孔h2から排出され,
従って,遠心油圧補正室C3内は油で充満されているが,
油圧室C2からの圧油によって油圧が発生することはな
い。
このような状態で油圧室C2および遠心油圧補正室C3が
出力側シーブ24および出力シャフト25とともに回転する
と,油圧室C2内の油に遠心力が作用するため,可動シー
ブ24Bを固定シーブ24A側に付勢してVベルト23を挟持す
る力Fは, F=Fpo+Fsp+Fpc Fpo:油圧室C2内の油圧による力 Fsp:スプリング35による力 Fpc:油圧室C2内に発生する遠心油圧となる。ここ
で,Fpcはピストン30の外径R0と内径Ri(第2図参照)と
回転数Nによって決定され Fpc=K・N2・(R0 2−Ri 2)2 K:定数 で与えられる。
出力側シーブ24および出力シャフト25とともに回転する
と,油圧室C2内の油に遠心力が作用するため,可動シー
ブ24Bを固定シーブ24A側に付勢してVベルト23を挟持す
る力Fは, F=Fpo+Fsp+Fpc Fpo:油圧室C2内の油圧による力 Fsp:スプリング35による力 Fpc:油圧室C2内に発生する遠心油圧となる。ここ
で,Fpcはピストン30の外径R0と内径Ri(第2図参照)と
回転数Nによって決定され Fpc=K・N2・(R0 2−Ri 2)2 K:定数 で与えられる。
この油圧室C2内における遠心油圧の発生と同時に,遠
心油圧補正室C3内にも油が充満されていることによって
遠心油圧が発生し,シリンダ33および補助シリンダ31の
端面に対し可動シーブ24Aに対する油圧室C2内の遠心油
圧の作用方向と反対方向に作用する。このときのシリン
ダ33および補助シリンダ31に作用する遠心油圧による力
Fpc′は Fpc′=K・N2・{(R0 2−R1 2)2−(R2 2−R1 2)2} R1:軸心から小孔h2までの径 (第2図参照) R2:補助シリンダ31の外径 (第2図参照) で与えられる。
心油圧補正室C3内にも油が充満されていることによって
遠心油圧が発生し,シリンダ33および補助シリンダ31の
端面に対し可動シーブ24Aに対する油圧室C2内の遠心油
圧の作用方向と反対方向に作用する。このときのシリン
ダ33および補助シリンダ31に作用する遠心油圧による力
Fpc′は Fpc′=K・N2・{(R0 2−R1 2)2−(R2 2−R1 2)2} R1:軸心から小孔h2までの径 (第2図参照) R2:補助シリンダ31の外径 (第2図参照) で与えられる。
従って,油圧室C2と遠心油圧補正室C3に発生する遠心
油圧が互いに反対方向に作用することによって,可動シ
ーブ24Bに作用する遠心油圧による力は, Fpc−Fpc′ =K・N2・[(R0 2−Ri 2)2−{(R0 2−R1 2)2−(R2 2−R
1 2)2}] となる。
油圧が互いに反対方向に作用することによって,可動シ
ーブ24Bに作用する遠心油圧による力は, Fpc−Fpc′ =K・N2・[(R0 2−Ri 2)2−{(R0 2−R1 2)2−(R2 2−R
1 2)2}] となる。
ここで[(R0 2−Ri 2)2−{(R0 2−R1 2)2−(R2 2−
R1 2)2}]を出来るだけ小さくなるようR1,Riを設定すれ
ば,可動シーブ24Bのベルト挟持力に対する遠心油圧の
影響が小さくなる。例えばR1=Riとなるよう設定する
と, Fpc−Fpc′=K・N2・(R2 2−Ri 2)2≒0 となって第4図の従来のものと比べて非常に小さくな
り,油圧制御による無段変速が遠心油圧の影響をほとん
ど受けることなく行われる。
R1 2)2}]を出来るだけ小さくなるようR1,Riを設定すれ
ば,可動シーブ24Bのベルト挟持力に対する遠心油圧の
影響が小さくなる。例えばR1=Riとなるよう設定する
と, Fpc−Fpc′=K・N2・(R2 2−Ri 2)2≒0 となって第4図の従来のものと比べて非常に小さくな
り,油圧制御による無段変速が遠心油圧の影響をほとん
ど受けることなく行われる。
第3図は,本発明の他の実施例を示すものであって,
遠心油圧補正室C3内の油を外部に排出するのに,前記実
施例のように補助シリンダに小孔を設ける代りに,出力
シャフト25′の補助シリンダ31′の嵌合部に半月状の切
欠き25′aを,ピストン30′の出力シャフト25′とのセ
ンタリングの一部に切欠き30′aを,そして出力ギア3
2′の一部に切欠32′aを各々形成して,遠心油圧補正
室C3からの排出油路を形成したものである。
遠心油圧補正室C3内の油を外部に排出するのに,前記実
施例のように補助シリンダに小孔を設ける代りに,出力
シャフト25′の補助シリンダ31′の嵌合部に半月状の切
欠き25′aを,ピストン30′の出力シャフト25′とのセ
ンタリングの一部に切欠き30′aを,そして出力ギア3
2′の一部に切欠32′aを各々形成して,遠心油圧補正
室C3からの排出油路を形成したものである。
このように,排出油路を補助シリンダ31′の軸心に最
大限近接して設けることにより,遠心油圧による影響を
非常に小さくすることが出来る。
大限近接して設けることにより,遠心油圧による影響を
非常に小さくすることが出来る。
なお,以上の実施例においては,出力側シーブについ
て説明を行ったが,入力側シーブに遠心油圧補正室を設
ける場合も同様に構成することが出来る。
て説明を行ったが,入力側シーブに遠心油圧補正室を設
ける場合も同様に構成することが出来る。
(発明の効果) 以上のように,本発明によれば,油圧室に発生する遠
心油圧の大きさと遠心油圧補正室に発生する遠心油圧の
大きさとを等しくすることが出来るので,遠心油圧によ
る影響を完全に除去することが出来,適正な変速比を得
ることが出来る。また可動シーブと一体的にスライドす
るシリンダのストローク空間をシャフト上に確保する必
要が無いので,変速機の軸長を短縮化でき,またこれに
よって例えば出力ギア等の取付け位置に対する制約も少
なくなるので,変速機の構成の自由度が飛躍的に増大す
る。
心油圧の大きさと遠心油圧補正室に発生する遠心油圧の
大きさとを等しくすることが出来るので,遠心油圧によ
る影響を完全に除去することが出来,適正な変速比を得
ることが出来る。また可動シーブと一体的にスライドす
るシリンダのストローク空間をシャフト上に確保する必
要が無いので,変速機の軸長を短縮化でき,またこれに
よって例えば出力ギア等の取付け位置に対する制約も少
なくなるので,変速機の構成の自由度が飛躍的に増大す
る。
第1図は本発明の一実施例を示すスケルトン図,第2図
は同実施例の要部を示す側断面図,第3図は本発明の他
の実施例を示す側断面図,第4図は従来例を示す側断面
図,第5図は他の従来例を示す側断面図である。 22……入力側シーブ、23……Vベルト 24……出力側シーブ、24A……固定シーブ 24B……可動シーブ、25……出力シャフト 30……ピストン、31……補助シリンダ 32……出力ギア、33……シリンダ C1,C2……油圧室、C3……遠心油圧補正室 h1,h2……小孔
は同実施例の要部を示す側断面図,第3図は本発明の他
の実施例を示す側断面図,第4図は従来例を示す側断面
図,第5図は他の従来例を示す側断面図である。 22……入力側シーブ、23……Vベルト 24……出力側シーブ、24A……固定シーブ 24B……可動シーブ、25……出力シャフト 30……ピストン、31……補助シリンダ 32……出力ギア、33……シリンダ C1,C2……油圧室、C3……遠心油圧補正室 h1,h2……小孔
Claims (1)
- 【請求項1】シャフトに固定された固定シーブと該シャ
フトの軸方向にスライド自在でかつ該シャフトと一体回
転する可動シーブとの間のV字状部分にベルトが巻き付
けられて動力の伝達を行い、前記可動シーブに油圧室が
付設されて該油圧室内の油圧によって該可動シーブが前
記固定シーブ側に付勢され、前記油圧室の前記可動シー
ブと反対側に遠心油圧補正室を備えている無段変速機に
おいて、 前記シャフトに補助シリンダが軸方向にスライド不能に
かつ該シャフトと一体回転するよう嵌合され、前記補助
シリンダの外周面に一端部が前記可動シーブに固定され
たシリンダの他端部が軸方向にスライド自在に外嵌さ
れ、前記シリンダに前記シャフトに対して固定されたピ
ストンが内嵌され、前記ピストンと前記可動シーブとの
間に前記油圧室が、前記ピストンと前記シリンダおよび
前記補助シリンダとの間に前記遠心油圧補正室が形成さ
れ、前記遠心油圧補正室が前記油圧室の内径部から外径
部に亘って該油圧室と前記軸方向に対向していることを
特徴とする無段変速機の遠心油圧補正装置。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001590A JP2906261B2 (ja) | 1990-01-10 | 1990-01-10 | 無段変速機の遠心油圧補正装置 |
US07/639,539 US5145464A (en) | 1990-01-10 | 1991-01-10 | Centrifugal cvt oil pressure control device |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001590A JP2906261B2 (ja) | 1990-01-10 | 1990-01-10 | 無段変速機の遠心油圧補正装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03209040A JPH03209040A (ja) | 1991-09-12 |
JP2906261B2 true JP2906261B2 (ja) | 1999-06-14 |
Family
ID=11505727
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001590A Expired - Lifetime JP2906261B2 (ja) | 1990-01-10 | 1990-01-10 | 無段変速機の遠心油圧補正装置 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US5145464A (ja) |
JP (1) | JP2906261B2 (ja) |
Families Citing this family (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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EP0950837B1 (en) * | 1998-04-14 | 2003-02-05 | Van Doorne's Transmissie B.V. | Adjustable pulley assembly for a continuously variable transmission |
DE19932339A1 (de) | 1999-07-10 | 2001-01-11 | Zahnradfabrik Friedrichshafen | Stufenloses Getriebe |
JP2003154861A (ja) * | 2001-11-14 | 2003-05-27 | Ind Technol Res Inst | 並列式二動力ユニット複合動力システム |
JP2008087606A (ja) * | 2006-09-29 | 2008-04-17 | Honda Motor Co Ltd | 変速機 |
WO2012131999A1 (ja) * | 2011-03-31 | 2012-10-04 | トヨタ自動車株式会社 | ベルト式無段変速機 |
CA2944634A1 (en) * | 2014-03-31 | 2015-10-08 | Bombardier Recreational Products Inc. | Continuously variable transmission drive pulley |
US10473195B2 (en) * | 2017-06-06 | 2019-11-12 | GM Global Technology Operations LLC | Continuously-variable transmission |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US3782213A (en) * | 1972-06-16 | 1974-01-01 | Werner Reimers Kg | Infinitely variable cone pulley transmission |
DE3241789C2 (de) * | 1982-11-11 | 1985-08-08 | Ford-Werke AG, 5000 Köln | Getriebeaggregat für Fahrzeuge, insbesondere für Kraftfahrzeuge mit Frontantrieb |
NL8302089A (nl) * | 1983-06-13 | 1985-01-02 | Doornes Transmissie Bv | Traploos variabele overbrenging. |
NL8800315A (nl) * | 1988-02-10 | 1989-09-01 | Doornes Transmissie Bv | Traploos variabele overbrenging. |
-
1990
- 1990-01-10 JP JP2001590A patent/JP2906261B2/ja not_active Expired - Lifetime
-
1991
- 1991-01-10 US US07/639,539 patent/US5145464A/en not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03209040A (ja) | 1991-09-12 |
US5145464A (en) | 1992-09-08 |
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