JP2637751B2 - トロイダル型無段変速機 - Google Patents
トロイダル型無段変速機Info
- Publication number
- JP2637751B2 JP2637751B2 JP62322906A JP32290687A JP2637751B2 JP 2637751 B2 JP2637751 B2 JP 2637751B2 JP 62322906 A JP62322906 A JP 62322906A JP 32290687 A JP32290687 A JP 32290687A JP 2637751 B2 JP2637751 B2 JP 2637751B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- pressure
- hydraulic chamber
- oil
- control valve
- valve
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Friction Gearing (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、車両等に用いられるトロイダル型無段変速
機に関する。
機に関する。
(従来の技術) トロイダル型無段変速機は、周知のように、動力源に
接続された入力ディスクと、負荷側に接続された出力デ
ィスクと、該入力ディスク及び出力ディスクの間に設け
られたパワーローラとを備えており、該パワーローラは
一般に流体圧による作動機構により制御されるよう構成
されている。
接続された入力ディスクと、負荷側に接続された出力デ
ィスクと、該入力ディスク及び出力ディスクの間に設け
られたパワーローラとを備えており、該パワーローラは
一般に流体圧による作動機構により制御されるよう構成
されている。
而して、車両等の駆動時において動力源から該トロイ
ダル型無段変速機を介して駆動トルクが負荷側に伝えら
れる場合、負荷に供給されるトルクを大きくするため、
即ち車両等の円滑な発進を行うため、該変速機は作動機
構に所要の流体圧を与えることにより変速比が大きくな
るよう制御される。
ダル型無段変速機を介して駆動トルクが負荷側に伝えら
れる場合、負荷に供給されるトルクを大きくするため、
即ち車両等の円滑な発進を行うため、該変速機は作動機
構に所要の流体圧を与えることにより変速比が大きくな
るよう制御される。
ところで、該変速機は作動機構に加えられる流体圧を
変化させることで自由に変速比を設定することができ
る。このため、変速機の作動機構を制御する流体圧(油
圧)回路の圧力調整弁は、車両等の駆動時において入力
ディスクに発生するトルクに対抗して作動機構に加えら
れる流体圧に応じて流体圧回路内の流体圧を調整するよ
う構成されている(特願昭61−269025号参照)。又、被
駆動時においては出力ディスクに発生するバックトルク
に対抗して作動機構に流体圧が加えられる。
変化させることで自由に変速比を設定することができ
る。このため、変速機の作動機構を制御する流体圧(油
圧)回路の圧力調整弁は、車両等の駆動時において入力
ディスクに発生するトルクに対抗して作動機構に加えら
れる流体圧に応じて流体圧回路内の流体圧を調整するよ
う構成されている(特願昭61−269025号参照)。又、被
駆動時においては出力ディスクに発生するバックトルク
に対抗して作動機構に流体圧が加えられる。
従って、変速機の流体圧回路内の必要な流体圧は変速
機の変速比によって、及び駆動トルク又は被駆動トルク
によって異なる。
機の変速比によって、及び駆動トルク又は被駆動トルク
によって異なる。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながら、車両等の走行状態の途中でスロットル
を絞って被駆動状態にすると、変速機の流体圧回路内の
流体圧は前記圧力調整弁により低下されるが、この場
合、変速機には負荷側からバックトルクが加えられてお
り、トロイダル型無段変速機の特性上、負荷側から変速
機の流体圧回路内の必要な流体圧を超えるバックトルク
が加えられるときは、出力ディスクからのトルクにより
パワーローラが増速側に傾転し、このために有効なエン
ジンブレーキが得られないという問題があった。
を絞って被駆動状態にすると、変速機の流体圧回路内の
流体圧は前記圧力調整弁により低下されるが、この場
合、変速機には負荷側からバックトルクが加えられてお
り、トロイダル型無段変速機の特性上、負荷側から変速
機の流体圧回路内の必要な流体圧を超えるバックトルク
が加えられるときは、出力ディスクからのトルクにより
パワーローラが増速側に傾転し、このために有効なエン
ジンブレーキが得られないという問題があった。
又、車両等の降坂時は駆動輪の回転を抑えながら走行
することが必要であるが、そうするために変速機を増速
側から減速側に戻し操作しても、前述のように有効なエ
ンジンブレーキが得られないため、急な坂の降坂時は別
個に設けられたブレーキ装置を使用しなければならず、
該ブレーキ装置の負担が増大するという問題があった。
することが必要であるが、そうするために変速機を増速
側から減速側に戻し操作しても、前述のように有効なエ
ンジンブレーキが得られないため、急な坂の降坂時は別
個に設けられたブレーキ装置を使用しなければならず、
該ブレーキ装置の負担が増大するという問題があった。
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、その目的
とする処は、動力源から負荷側への駆動トルクの伝達時
だけでなく、負荷側から動力源へバックトルクが加わっ
たときにも、所望の変速比を得ることができ、車両等に
おいて有効なエンジンブレーキを発生させることができ
るトロイダル型無段変速機を提供することにある。
とする処は、動力源から負荷側への駆動トルクの伝達時
だけでなく、負荷側から動力源へバックトルクが加わっ
たときにも、所望の変速比を得ることができ、車両等に
おいて有効なエンジンブレーキを発生させることができ
るトロイダル型無段変速機を提供することにある。
(問題点を解決するための手段) 上記目的を達成するため、本発明は、動力源に接続さ
れた入力ディスクと、負荷側に接続された出力ディスク
と、該入力ディスク及び出力ディスクの間に設けられた
パワーローラとを備え、このパワーローラを支持部材に
よって入力ディスク及び出力ディスクの軸方向と直角な
方向に変位可能に支持し、この支持部材の変位方向両端
に、該支持部材を変位させるとともに前記入力ディスク
に発生するトルクに対抗する油圧が生じる駆動トルク側
油圧室と、前記出力ディスクに発生するバックトルクに
対抗する油圧が生じるバックトルク側油圧室とを設け、
駆動トルク発生時には前記駆動トルク側油圧室に、バッ
クトルク発生時には前記バックトルク側油圧室にそれぞ
れ圧油の供給を切り替えて変速比を制御するコントロー
ルバルブと、油ポンプから供給される圧油を調圧してこ
れを前記コントロールバルブに供給するレギュレータバ
ルブとを備えたトロイダル型無段変速機において、 前記レギュレータバルブを、変速機本体の一部分に同
一径で所定長さのシリンダ状に形成された内周面と、そ
の内部に液密且つ軸方向摺動自在に嵌合されて直列に配
置された弁体及びスプールと、この双方の対向面から軸
線上を互いに反対方向に形成された孔内に挿入されて両
孔底に当接するコイルスプリングと、この対向面の反対
側のスプールの端面から孔底同士が接近するよう軸線上
に形成された別の孔内に挿入されて孔底とシリンダ状の
前記内周面の端面に当接するコイルスプリングとで構成
し、 前記弁体とスプールの対向面間に第1の油圧室を画成
するとともに、この第1の油圧室を前記コントロールバ
ルブの油路を経由して前記駆動トルク側油圧室に連通せ
しめ、上記反対側のスプールの端面に第2の油圧室を画
成し、該第2の油圧室を前記コントロールバルブの油路
を経由して前記バックトルク側油圧室に連通せしめ、 前記油ポンプから前記レギュレータバルブに供給された
圧油は、その油圧を前記第1の油圧室と反対側の弁体の
端面に作用するとともに、前記第1の油圧室に作用する
油圧とこの第1の油圧室内のコイルスプリング圧又は前
記第2の油圧室に作用する油圧とこの第2の油圧室内の
コイルスプリング圧とで調圧されて前記コントロールバ
ルブに供給されるとともに、コントロールバルブが制御
を開始するとき該コントロールバルブを経由して前記駆
動トルク側油圧室又はバックトルク側油圧室に供給され
るようにしたことを特徴とする。
れた入力ディスクと、負荷側に接続された出力ディスク
と、該入力ディスク及び出力ディスクの間に設けられた
パワーローラとを備え、このパワーローラを支持部材に
よって入力ディスク及び出力ディスクの軸方向と直角な
方向に変位可能に支持し、この支持部材の変位方向両端
に、該支持部材を変位させるとともに前記入力ディスク
に発生するトルクに対抗する油圧が生じる駆動トルク側
油圧室と、前記出力ディスクに発生するバックトルクに
対抗する油圧が生じるバックトルク側油圧室とを設け、
駆動トルク発生時には前記駆動トルク側油圧室に、バッ
クトルク発生時には前記バックトルク側油圧室にそれぞ
れ圧油の供給を切り替えて変速比を制御するコントロー
ルバルブと、油ポンプから供給される圧油を調圧してこ
れを前記コントロールバルブに供給するレギュレータバ
ルブとを備えたトロイダル型無段変速機において、 前記レギュレータバルブを、変速機本体の一部分に同
一径で所定長さのシリンダ状に形成された内周面と、そ
の内部に液密且つ軸方向摺動自在に嵌合されて直列に配
置された弁体及びスプールと、この双方の対向面から軸
線上を互いに反対方向に形成された孔内に挿入されて両
孔底に当接するコイルスプリングと、この対向面の反対
側のスプールの端面から孔底同士が接近するよう軸線上
に形成された別の孔内に挿入されて孔底とシリンダ状の
前記内周面の端面に当接するコイルスプリングとで構成
し、 前記弁体とスプールの対向面間に第1の油圧室を画成
するとともに、この第1の油圧室を前記コントロールバ
ルブの油路を経由して前記駆動トルク側油圧室に連通せ
しめ、上記反対側のスプールの端面に第2の油圧室を画
成し、該第2の油圧室を前記コントロールバルブの油路
を経由して前記バックトルク側油圧室に連通せしめ、 前記油ポンプから前記レギュレータバルブに供給された
圧油は、その油圧を前記第1の油圧室と反対側の弁体の
端面に作用するとともに、前記第1の油圧室に作用する
油圧とこの第1の油圧室内のコイルスプリング圧又は前
記第2の油圧室に作用する油圧とこの第2の油圧室内の
コイルスプリング圧とで調圧されて前記コントロールバ
ルブに供給されるとともに、コントロールバルブが制御
を開始するとき該コントロールバルブを経由して前記駆
動トルク側油圧室又はバックトルク側油圧室に供給され
るようにしたことを特徴とする。
(作用) 本発明によれば、油ポンプからレギュレータバルブに
供給された圧油は、その油圧を第1の油圧室と反対側の
弁体の端面に作用するとともに、第1の油圧室に作用す
る油圧とこの第1の油圧室内のコイルスプリング圧又は
第2の油圧室に作用する油圧とこの第2の油圧室内のコ
イルスプリング圧とで調圧されてコントロールバルブに
供給されるともに、コントロールバルブが制御を開始す
るとき該コントロールバルブを経由して駆動トルク側油
圧室又はバックトルク側油圧室に供給されるようにした
ため、動力源から負荷側への駆動トルクの伝達時だけで
なく、逆に負荷側からエンジン側へバックトルクが加わ
ったときでも、バックトルク側油圧室に所定の大きさの
油圧を作用させることができ、所望を変速比を素早く得
て有効なエンジンブレーキを発生させることができる。
供給された圧油は、その油圧を第1の油圧室と反対側の
弁体の端面に作用するとともに、第1の油圧室に作用す
る油圧とこの第1の油圧室内のコイルスプリング圧又は
第2の油圧室に作用する油圧とこの第2の油圧室内のコ
イルスプリング圧とで調圧されてコントロールバルブに
供給されるともに、コントロールバルブが制御を開始す
るとき該コントロールバルブを経由して駆動トルク側油
圧室又はバックトルク側油圧室に供給されるようにした
ため、動力源から負荷側への駆動トルクの伝達時だけで
なく、逆に負荷側からエンジン側へバックトルクが加わ
ったときでも、バックトルク側油圧室に所定の大きさの
油圧を作用させることができ、所望を変速比を素早く得
て有効なエンジンブレーキを発生させることができる。
又、本発明によれば、レギュレータバルブを、変速機
本体の一部分に同一径で所定長さのシリンダ状に形成さ
れた内周面と、その内部に液密且つ軸方向摺動自在に勘
合されて直列に配置された弁体及びスプールと、この双
方間に介在するコイルスプリングとで構成したため、内
周面の直径が2段等になっているバルブと比べて加工が
簡単であるとともに、直径の異なる部分間の芯ずれによ
って弁体がこじれ易くなることがない。その上、コイル
スプリングは、弁体とスプールの双方の対向面から軸線
上を互いに反対方向に形成された孔内に挿入されて両孔
底に当接するため、該コイルスプリングを介在させても
レギュレータバルブの全長を短縮することができる。従
って、レギュレータバルブと内周面間の摩擦が少なくな
り、又、レギュレータバルブの隙間を小さくして圧油の
漏れを少なくでき、該レギュレータバルブの感度が高め
られて変速制御の精度向上を図ることができる。
本体の一部分に同一径で所定長さのシリンダ状に形成さ
れた内周面と、その内部に液密且つ軸方向摺動自在に勘
合されて直列に配置された弁体及びスプールと、この双
方間に介在するコイルスプリングとで構成したため、内
周面の直径が2段等になっているバルブと比べて加工が
簡単であるとともに、直径の異なる部分間の芯ずれによ
って弁体がこじれ易くなることがない。その上、コイル
スプリングは、弁体とスプールの双方の対向面から軸線
上を互いに反対方向に形成された孔内に挿入されて両孔
底に当接するため、該コイルスプリングを介在させても
レギュレータバルブの全長を短縮することができる。従
って、レギュレータバルブと内周面間の摩擦が少なくな
り、又、レギュレータバルブの隙間を小さくして圧油の
漏れを少なくでき、該レギュレータバルブの感度が高め
られて変速制御の精度向上を図ることができる。
(実施例) 以下に本発明の実施例を添付図面に基づいて説明す
る。
る。
第1図は本発明に係るトロイダル型無段変速機の断面
図、第2図は第1図のII−II線断面図である。
図、第2図は第1図のII−II線断面図である。
図中、1は自動二輪車のトラクション伝動機構である
トロイダル型無段変速機であって、第1図に示すよう
に、該変速機1の入力軸2はその両端部がそれぞれボー
ルベアリング3及びニードルベアリング4を介してケー
シング5に回転可能に支承されている。
トロイダル型無段変速機であって、第1図に示すよう
に、該変速機1の入力軸2はその両端部がそれぞれボー
ルベアリング3及びニードルベアリング4を介してケー
シング5に回転可能に支承されている。
上記入力軸2の第1図中左端部は遠心クラッチを介し
て動力源である内燃エンジンのクランク軸(共に図示省
略)に連結されており、該入力軸2の同図右端部にはカ
ムプレート7が一体回転可能に嵌着されている。そし
て、動力源から入力軸2に伝達される動力はこのカムプ
レート7からコロ8を介して入力ディスク9に伝達され
るように構成されている。
て動力源である内燃エンジンのクランク軸(共に図示省
略)に連結されており、該入力軸2の同図右端部にはカ
ムプレート7が一体回転可能に嵌着されている。そし
て、動力源から入力軸2に伝達される動力はこのカムプ
レート7からコロ8を介して入力ディスク9に伝達され
るように構成されている。
又、入力ディスク9は入力軸2にニードルベアリング
13を介して回転可能に支承されており、この入力ディス
ク9に対向して出力ディスク10が配設され、該出力ディ
スク10は入力軸2にニードルベアリング14を介して回転
可能に支承されている。
13を介して回転可能に支承されており、この入力ディス
ク9に対向して出力ディスク10が配設され、該出力ディ
スク10は入力軸2にニードルベアリング14を介して回転
可能に支承されている。
ところで、入力ディスク9と出力ディスク10には相互
に対向する回転曲面9a及び10aがそれぞれ形成されてお
り、これらの回転曲面9a,10a間には一対のパワーローラ
11,11が配設されている。そして、入力ディスク9から
の動力は、両パラーローラ11,11を介して出力ディスク1
0へ伝達される。
に対向する回転曲面9a及び10aがそれぞれ形成されてお
り、これらの回転曲面9a,10a間には一対のパワーローラ
11,11が配設されている。そして、入力ディスク9から
の動力は、両パラーローラ11,11を介して出力ディスク1
0へ伝達される。
上記パワーローラ11,11はそれぞれピボットシャフト1
2,12に回転可能に軸支され、これらのピボットシャフト
12,12は入力軸2と直行する方向に配置され、前記ケー
シング5に固定された作動機構17に取り付けられてい
る。そして、パワーローラ11,11はピボットシャフト12,
12を介して作動機構17によってその作動が制御され、こ
の結果、入力ディスク9と出力ディスク10の回転比が所
要の値に制御されて所望の変速比が得られる。
2,12に回転可能に軸支され、これらのピボットシャフト
12,12は入力軸2と直行する方向に配置され、前記ケー
シング5に固定された作動機構17に取り付けられてい
る。そして、パワーローラ11,11はピボットシャフト12,
12を介して作動機構17によってその作動が制御され、こ
の結果、入力ディスク9と出力ディスク10の回転比が所
要の値に制御されて所望の変速比が得られる。
一方、出力ディスク10のボス部は出力ギヤ15の軸部の
一端に嵌着されており、該出力ギヤ15の軸部の他端はボ
ールベアリング18を介してケーシング5に回転可能に支
承されている。そして、出力ギヤ15は、自動二輪車の駆
動輪側(負荷側)に連結された連結ギヤ15に噛合されて
いる。
一端に嵌着されており、該出力ギヤ15の軸部の他端はボ
ールベアリング18を介してケーシング5に回転可能に支
承されている。そして、出力ギヤ15は、自動二輪車の駆
動輪側(負荷側)に連結された連結ギヤ15に噛合されて
いる。
次に、上述したトロイダル型無段変速機1におけるパ
ワーローラ11,11の作動機構17を制御する油圧(流体
圧)回路について、第3図を参照しながら説明する。
ワーローラ11,11の作動機構17を制御する油圧(流体
圧)回路について、第3図を参照しながら説明する。
第3図において、ケーシング5内に設けられた作動機
構17は、第2図に示すパワーローラ11,11を油圧により
変速機1の変速比の増速側及び減速側の双方にそれぞれ
作動させるよう構成されている。即ち、パワーローラ1
1,11がそれぞれ支持された支持部材17a,17a′は、駆動
トルク側油圧室17b,17bに供給される油圧により入力デ
ィスク9の回転方向と逆方向に変位されるよう構成され
ている。そして、駆動トルク側油圧室17b,17b内の油圧
を所要の圧力にすることにより、入力ディスク9から出
力ディスク10への駆動トルクの伝達時には、入力ディス
ク9に発生するトルクにより作用する力と駆動トルク側
油圧室17b,17b内の油圧により支持部材17a,17a′が押圧
される力とが釣り合った位置でパラーローラ11,11が静
止する。即ち、第4図に示すように、入力ディスク9に
発生するトルクTiはパワーローラ11,11と入力ディスク
9との各接点に1/2ずつ作用し、これらの各接点には入
力ディスク9の回転方向の力Ti/2riが発生する。ここ
で、riは入力ディスク9の回転中心と前記各接点との距
離である。
構17は、第2図に示すパワーローラ11,11を油圧により
変速機1の変速比の増速側及び減速側の双方にそれぞれ
作動させるよう構成されている。即ち、パワーローラ1
1,11がそれぞれ支持された支持部材17a,17a′は、駆動
トルク側油圧室17b,17bに供給される油圧により入力デ
ィスク9の回転方向と逆方向に変位されるよう構成され
ている。そして、駆動トルク側油圧室17b,17b内の油圧
を所要の圧力にすることにより、入力ディスク9から出
力ディスク10への駆動トルクの伝達時には、入力ディス
ク9に発生するトルクにより作用する力と駆動トルク側
油圧室17b,17b内の油圧により支持部材17a,17a′が押圧
される力とが釣り合った位置でパラーローラ11,11が静
止する。即ち、第4図に示すように、入力ディスク9に
発生するトルクTiはパワーローラ11,11と入力ディスク
9との各接点に1/2ずつ作用し、これらの各接点には入
力ディスク9の回転方向の力Ti/2riが発生する。ここ
で、riは入力ディスク9の回転中心と前記各接点との距
離である。
そして、上記力Ti/2riはパラーローラ11,11と出力デ
ィスク10との各接点を支点としてパワーローラ11,11と
入力ディスク9との各接点に作用するため、パワーロー
ラ11,11の回転中心が受ける力、即ち支持部材17a,17a′
が受ける力はそれぞれTi/riになる。
ィスク10との各接点を支点としてパワーローラ11,11と
入力ディスク9との各接点に作用するため、パワーロー
ラ11,11の回転中心が受ける力、即ち支持部材17a,17a′
が受ける力はそれぞれTi/riになる。
このようにして、入力ディスク9により支持部材17a,
17a′が受ける力Ti/riと断面積がSHである駆動トルク側
油圧室17b,17b内の油圧PHにより支持部材17a,17a′が受
ける力PH・SHとが釣り合う位置まで支持部材17a,17a′
が変位され続け、この変位に伴って入力ディスク9と出
力ディスク10との間でパワーローラ11,11がその自己傾
転作用により所定の角度まで傾転して変速作用が完了す
る。
17a′が受ける力Ti/riと断面積がSHである駆動トルク側
油圧室17b,17b内の油圧PHにより支持部材17a,17a′が受
ける力PH・SHとが釣り合う位置まで支持部材17a,17a′
が変位され続け、この変位に伴って入力ディスク9と出
力ディスク10との間でパワーローラ11,11がその自己傾
転作用により所定の角度まで傾転して変速作用が完了す
る。
又、前記支持部材17a,17a′は、バックトルク側油圧
室17c,17cに供給される油圧により出力ディスク10の回
転方向と逆方向に変位されるよう構成されている。そし
て、バックトルク側油圧室17c,17c内の油圧を所要の圧
力に設定することにより、出力ディスク10から入力ディ
スク9へのバックトルクの伝達時には、パワーローラ1
1,11が出力ディスク10に発生するトルクにより作用する
力とバックトルク油圧室17c,17c内に油圧により支持部
材17a,17a′が押圧される力とが釣り合った位置でパワ
ーローラ11,11が静止する。
室17c,17cに供給される油圧により出力ディスク10の回
転方向と逆方向に変位されるよう構成されている。そし
て、バックトルク側油圧室17c,17c内の油圧を所要の圧
力に設定することにより、出力ディスク10から入力ディ
スク9へのバックトルクの伝達時には、パワーローラ1
1,11が出力ディスク10に発生するトルクにより作用する
力とバックトルク油圧室17c,17c内に油圧により支持部
材17a,17a′が押圧される力とが釣り合った位置でパワ
ーローラ11,11が静止する。
即ち、第5図に示すように、出力ディスク10に発生す
るトルクToはパワーローラ11,11と出力ディスク10との
各接点に1/2ずつ作用し、これらの各接点は出力ディス
ク10の回転方向の力To/2roが発生する。ここで、roは出
力ディスク10の回転中心と前記各接点との距離である。
そして、この力To/2roはパワーローラ11,11と入力ディ
スク9との各接点を支点としてパワーローラ11,11と出
力ディスク10との各接点に作用するため、パワーローラ
11,11の回転中心が受ける力、即ち支持部材17a,17a′が
受ける力はそれぞれTo/roになる。
るトルクToはパワーローラ11,11と出力ディスク10との
各接点に1/2ずつ作用し、これらの各接点は出力ディス
ク10の回転方向の力To/2roが発生する。ここで、roは出
力ディスク10の回転中心と前記各接点との距離である。
そして、この力To/2roはパワーローラ11,11と入力ディ
スク9との各接点を支点としてパワーローラ11,11と出
力ディスク10との各接点に作用するため、パワーローラ
11,11の回転中心が受ける力、即ち支持部材17a,17a′が
受ける力はそれぞれTo/roになる。
このようにして、出力ディスク10により支持部材17a,
17a′が受ける力To/roと断面積SLのバックトルク側油圧
室17c,17c内の油圧PLにより支持部材17a,17a′が受ける
力PL・SLが釣り合う位置まで支持部材17a,17a′が変位
され続け、この変位に伴って入力ディスク9と出力ディ
スク10との間でパワーローラ11,11がその自己傾転作用
により所定の角度まで傾転して所要の変速作用が完了す
る。
17a′が受ける力To/roと断面積SLのバックトルク側油圧
室17c,17c内の油圧PLにより支持部材17a,17a′が受ける
力PL・SLが釣り合う位置まで支持部材17a,17a′が変位
され続け、この変位に伴って入力ディスク9と出力ディ
スク10との間でパワーローラ11,11がその自己傾転作用
により所定の角度まで傾転して所要の変速作用が完了す
る。
而して、前記作動機構17の駆動トルク側油圧室17b,17
b及びバックトルク側油圧室17c,17c内の油圧PH及びPLは
コントロールバルブ25により制御される。即ち、コント
ロールバルブ25は、第3図に示すように、変速機1のハ
ウジングの所定箇所に形成されたシリンダ状の内周面に
液密且つ軸方向摺動自在に嵌合されたスリーブ25aと、
該スリーブ25aの内周面に液密且つ軸方向摺動自在に嵌
合されたスプール25dと、該スリーブ25a及びスプール25
dの間に介装されたコイルスプリング25eとで構成されて
おり、スリーブ25aの周壁の所定箇所に穿設された孔と
スプール25dの外周面の所定箇所に形成された環状溝と
の間には、スリーブ25a又はスプール25dの何れかの軸方
向の移動量に応じて開口面積が変えられる間隙25b及び2
5cが形成されている。そして、スリーブ25aは図示しな
いステップモータに連結されており、該ステップモータ
によりスリーブ25aを第3図中右方から左方に移動させ
ると変速比が減速側から増速側に変化するよう構成され
ている。
b及びバックトルク側油圧室17c,17c内の油圧PH及びPLは
コントロールバルブ25により制御される。即ち、コント
ロールバルブ25は、第3図に示すように、変速機1のハ
ウジングの所定箇所に形成されたシリンダ状の内周面に
液密且つ軸方向摺動自在に嵌合されたスリーブ25aと、
該スリーブ25aの内周面に液密且つ軸方向摺動自在に嵌
合されたスプール25dと、該スリーブ25a及びスプール25
dの間に介装されたコイルスプリング25eとで構成されて
おり、スリーブ25aの周壁の所定箇所に穿設された孔と
スプール25dの外周面の所定箇所に形成された環状溝と
の間には、スリーブ25a又はスプール25dの何れかの軸方
向の移動量に応じて開口面積が変えられる間隙25b及び2
5cが形成されている。そして、スリーブ25aは図示しな
いステップモータに連結されており、該ステップモータ
によりスリーブ25aを第3図中右方から左方に移動させ
ると変速比が減速側から増速側に変化するよう構成され
ている。
一方、スプール25dは不図示のリンク機構及びカムを
介して支持部材17aに連結されており、入力ディスク9
又は出力ディスク10に発生するトルクTi又はToにより前
述したように支持部材17aが傾転されると、カム及びリ
ンク機構を介してスプール25dが移動される。即ち、支
持部材17aが第3図中上方、即ち、変速比の減速側に移
動されると、スプール25dはコイルスプリング25eの付勢
力に抗して同図中右方に移動される。又、支持部材17a
が第3図中下方、即ち変速比の増連側に移動されると、
スプール25dはコイルスプリング25eの付勢力により同図
中左方に移動される。
介して支持部材17aに連結されており、入力ディスク9
又は出力ディスク10に発生するトルクTi又はToにより前
述したように支持部材17aが傾転されると、カム及びリ
ンク機構を介してスプール25dが移動される。即ち、支
持部材17aが第3図中上方、即ち、変速比の減速側に移
動されると、スプール25dはコイルスプリング25eの付勢
力に抗して同図中右方に移動される。又、支持部材17a
が第3図中下方、即ち変速比の増連側に移動されると、
スプール25dはコイルスプリング25eの付勢力により同図
中左方に移動される。
このようにして、ステップモータによるスリーブ25a
の移動又は入出力ディスク9,10に発生するトルクTi,To
によるスプール25dの移動及びそれにより生ずる自己傾
転によって間隙25b又は25cの開口面積が制御され、これ
らの開口面積に応じて油路b又は油路cを介して駆動ト
ルク側油圧室17b,17b又はバックトルク側油圧室17c,17c
に供給される油圧PH又はPLが制御される。
の移動又は入出力ディスク9,10に発生するトルクTi,To
によるスプール25dの移動及びそれにより生ずる自己傾
転によって間隙25b又は25cの開口面積が制御され、これ
らの開口面積に応じて油路b又は油路cを介して駆動ト
ルク側油圧室17b,17b又はバックトルク側油圧室17c,17c
に供給される油圧PH又はPLが制御される。
一方、前記コントロールバルブ25には以下のようにし
て油路aを介して圧油が供給される。
て油路aを介して圧油が供給される。
即ち、油溜20内の油は内燃エンジンのクランク軸によ
って駆動される油ポンプ21によりフィルタ22、及びリリ
ーフバルブ23が設けられた油路dを介してレギュレータ
バルブ24に供給される。
って駆動される油ポンプ21によりフィルタ22、及びリリ
ーフバルブ23が設けられた油路dを介してレギュレータ
バルブ24に供給される。
上記レギュレータバルブ24はコントロールバルブ25に
接続された油路a内の油圧を調整するものであって、第
3図に示すように、これは変速機1のハウジング5の一
部分に同一径で所定長さのシリンダ状に形成された内周
面24Aと、油路a及び油路dの連通状態を制御する弁体2
4aと、該弁体24aを油路a及び油路dの連通遮断方向
(第3図中左方向)に付勢するコイルスプリング24b及
び24cと、該両コイルスプリング24b,24c間に介装された
スプール24dとで構成されている。尚、一方のコイルス
プリング24bは、弁体24aとスプール24dの対向面から軸
線上を互いに反対方向に形成された孔24a−1,24d−1内
に挿入されて両孔底に当接せしめられている。又、他方
のコイルスプリング24cは、スプール24dの弁体24aとの
対向面とは反対側の端面から孔底同士が接近するよう軸
線上に形成された別の孔24d−2内に挿入されて孔底と
前記内周面24Aの端面に当接せしめられている。
接続された油路a内の油圧を調整するものであって、第
3図に示すように、これは変速機1のハウジング5の一
部分に同一径で所定長さのシリンダ状に形成された内周
面24Aと、油路a及び油路dの連通状態を制御する弁体2
4aと、該弁体24aを油路a及び油路dの連通遮断方向
(第3図中左方向)に付勢するコイルスプリング24b及
び24cと、該両コイルスプリング24b,24c間に介装された
スプール24dとで構成されている。尚、一方のコイルス
プリング24bは、弁体24aとスプール24dの対向面から軸
線上を互いに反対方向に形成された孔24a−1,24d−1内
に挿入されて両孔底に当接せしめられている。又、他方
のコイルスプリング24cは、スプール24dの弁体24aとの
対向面とは反対側の端面から孔底同士が接近するよう軸
線上に形成された別の孔24d−2内に挿入されて孔底と
前記内周面24Aの端面に当接せしめられている。
そして、前記弁体24a及びスプール24dは共に変速機1
のハウジング5の所定箇所に形成された前記シリンダ状
の内周面24Aに液密且つ軸方向摺動自在に嵌合されてい
る。又、弁体24aとスプール24dとの間には第1の油圧室
24eが画成されており、該第1の油圧室24eはスプール24
dの一側壁に穿設された孔24g…を経由して油路b′に連
通可能とされている。そして、該油路b′は前記コント
ロールバルブ25に接続され、この油路b′には前記油路
bに供給される油圧に対応した油圧PHが供給されるよう
になっている。
のハウジング5の所定箇所に形成された前記シリンダ状
の内周面24Aに液密且つ軸方向摺動自在に嵌合されてい
る。又、弁体24aとスプール24dとの間には第1の油圧室
24eが画成されており、該第1の油圧室24eはスプール24
dの一側壁に穿設された孔24g…を経由して油路b′に連
通可能とされている。そして、該油路b′は前記コント
ロールバルブ25に接続され、この油路b′には前記油路
bに供給される油圧に対応した油圧PHが供給されるよう
になっている。
更に、スプール24dの第3図中右側には第2の油圧室2
4fが画成されており、該第2の油圧室24fは油路c′に
連通可能とされている。そして、該油路c′は前記コン
トロールバルブ25に接続され、この油路c′には前記油
路cに供給される油圧に対応した油圧PLが供給されるよ
うになっている。
4fが画成されており、該第2の油圧室24fは油路c′に
連通可能とされている。そして、該油路c′は前記コン
トロールバルブ25に接続され、この油路c′には前記油
路cに供給される油圧に対応した油圧PLが供給されるよ
うになっている。
尚、レギュレータバルブ24及びコントロールバルブ25
からの戻り油はオイルクーラ26により冷却され、ケーシ
ング5に形成された油路e…を通じて変速機1の各部に
潤滑油として供給され、潤滑後に油溜20に戻される。
からの戻り油はオイルクーラ26により冷却され、ケーシ
ング5に形成された油路e…を通じて変速機1の各部に
潤滑油として供給され、潤滑後に油溜20に戻される。
次に、上述したトロイダル型無段変速機1に作用につ
いて説明する。
いて説明する。
自動二輪車のスロットルグリップを操作して該自動二
輪車を発進させ、或る程度の車速になるまで加速する
と、第4図に示すように、ステップモータによりコント
ロールバルブ25のスリーブ25aが増速側に移動せしめら
れる。すると、スリーブ25aとスプール25dとの間の間隙
25bがスリーブ25aの移動量に応じた開口面積で開口さ
れ、油路aから油路b及びb′へ油圧が供給される。こ
の結果、駆動トルク側油圧室17b,17b内の油圧が高くな
り、支持部材17a,17a′は図示の減速側から増速側に移
動せしめられる。
輪車を発進させ、或る程度の車速になるまで加速する
と、第4図に示すように、ステップモータによりコント
ロールバルブ25のスリーブ25aが増速側に移動せしめら
れる。すると、スリーブ25aとスプール25dとの間の間隙
25bがスリーブ25aの移動量に応じた開口面積で開口さ
れ、油路aから油路b及びb′へ油圧が供給される。こ
の結果、駆動トルク側油圧室17b,17b内の油圧が高くな
り、支持部材17a,17a′は図示の減速側から増速側に移
動せしめられる。
その後、カム及びリンク機構の作動によってスプール
25dもコイルスプリング25eの付勢力を受けて第3図に示
すように増速側まで移動せしめられ、これにより間隙25
bが或る程度閉塞され、変速機1が増速状態とされる。
尚、この場合、レギュレータバルブ24では油路b′を介
して第1の油圧室24eに供給される油圧PHとコイルスプ
リング24bの付勢力とにより弁体24aの開弁圧が決定され
る。これにより、変速機1の増速側へのシフト時に作動
機構17の駆動トルク側油圧室17b,17bに十分な油圧が供
給される。
25dもコイルスプリング25eの付勢力を受けて第3図に示
すように増速側まで移動せしめられ、これにより間隙25
bが或る程度閉塞され、変速機1が増速状態とされる。
尚、この場合、レギュレータバルブ24では油路b′を介
して第1の油圧室24eに供給される油圧PHとコイルスプ
リング24bの付勢力とにより弁体24aの開弁圧が決定され
る。これにより、変速機1の増速側へのシフト時に作動
機構17の駆動トルク側油圧室17b,17bに十分な油圧が供
給される。
而して、第5図に示すようにステップモータによりコ
ントロールバルブ25のスリーブ25aが減速側に移動せし
められると、スリーブ25aとスプール25dとの間の間隙25
cがスリーブ25aの移動量に応じた開口面積で開口され、
油路aから油路c及びc′へ油圧が供給される。この結
果、バックトルク側油圧室17c,17c内の油圧が高くな
り、支持部材17a,17a′は図示の増速側から減速側に移
動せしめられる。
ントロールバルブ25のスリーブ25aが減速側に移動せし
められると、スリーブ25aとスプール25dとの間の間隙25
cがスリーブ25aの移動量に応じた開口面積で開口され、
油路aから油路c及びc′へ油圧が供給される。この結
果、バックトルク側油圧室17c,17c内の油圧が高くな
り、支持部材17a,17a′は図示の増速側から減速側に移
動せしめられる。
一方、レギュレータバルブ24においては、油路c′を
介して第2の油圧室24fに供給される油圧PLとコイルス
プリング24cの付勢力とによって弁体24aの開弁圧が決定
される。このとき、コントロールバルブ25の間隙25bが
閉塞されるため、油路b′には油圧が供給されず、レギ
ュレータバルブ24の第1の油圧室24eは低圧になってい
る。
介して第2の油圧室24fに供給される油圧PLとコイルス
プリング24cの付勢力とによって弁体24aの開弁圧が決定
される。このとき、コントロールバルブ25の間隙25bが
閉塞されるため、油路b′には油圧が供給されず、レギ
ュレータバルブ24の第1の油圧室24eは低圧になってい
る。
従って、従来は弁体24aの背圧の供給のために油路
b′のみが設けられており、変速機1の減速側へのシフ
ト時には弁体24aの開弁圧が低下し、作動機構17のバッ
クトルク側油圧室17c,17cに十分な油圧が供給されなか
ったが、本発明に係わる変速機1においては、弁体24a
の背圧の供給のために油路b′及びc′を設けたため、
変速機1の減速側へのシフト時にも弁体24aの開弁圧が
低下せず、作動機構17のバックトルク側油圧室17c,17c
に十分な油圧が供給されるようになる。この結果、作動
機構17の支持部材17a,17a′が減速側の適切な位置に移
動され、パワーローラ11,11が減速側の適切な角度に傾
転され、有効なエンジンブレーキが得られるようにな
る。そして、支持部材17a,17a′が減速側に移動した後
は、カム及びリング機構の作動によってコントロールバ
ルブ25のスプール25dも減速側に移動し、これによりス
リーブ25aとスプール25dとの間の間隙25cが閉塞され、
変速機1が低速位置に設定される。
b′のみが設けられており、変速機1の減速側へのシフ
ト時には弁体24aの開弁圧が低下し、作動機構17のバッ
クトルク側油圧室17c,17cに十分な油圧が供給されなか
ったが、本発明に係わる変速機1においては、弁体24a
の背圧の供給のために油路b′及びc′を設けたため、
変速機1の減速側へのシフト時にも弁体24aの開弁圧が
低下せず、作動機構17のバックトルク側油圧室17c,17c
に十分な油圧が供給されるようになる。この結果、作動
機構17の支持部材17a,17a′が減速側の適切な位置に移
動され、パワーローラ11,11が減速側の適切な角度に傾
転され、有効なエンジンブレーキが得られるようにな
る。そして、支持部材17a,17a′が減速側に移動した後
は、カム及びリング機構の作動によってコントロールバ
ルブ25のスプール25dも減速側に移動し、これによりス
リーブ25aとスプール25dとの間の間隙25cが閉塞され、
変速機1が低速位置に設定される。
而して、本実施例によれば、レギュレータバルブ24
を、変速機1のハウジング5の一部分に同一径で所定長
さのシリンダ状に形成された内周面24Aと、その内部に
液密且つ軸方向摺動自在に嵌合されて直列に配置された
弁体24a及びスプール24dと、この双方間に介在するコイ
スプリング24b,24cとで構成したため、内周面の直径が
2段等になっているバルブと比べて該レギュレータバル
ブ24の加工が簡単化するとともに、直径の異なる部分間
の芯ずれによって弁体24aがこじれ易くなることがな
い。その上、コイルスプリング24bは、弁体24aとスプー
ル24dの双方の対向面から軸線上を互いに反対方向に形
成された孔24a−1,24d−1内に挿入されて両孔底に当接
するため、該コイルスプリング24bを介在させてもレギ
ュレータバルブ24の全長を短縮することができる。従っ
て、レギュレータバルブ24と内周面24A間の摩擦が少な
くなり、又、レギュレータバルブ24の隙間を小さくして
圧油の漏れを少なくでき、該レギュレータバルブ24の感
度が高められて変速制御の精度向上を図ることができ
る。
を、変速機1のハウジング5の一部分に同一径で所定長
さのシリンダ状に形成された内周面24Aと、その内部に
液密且つ軸方向摺動自在に嵌合されて直列に配置された
弁体24a及びスプール24dと、この双方間に介在するコイ
スプリング24b,24cとで構成したため、内周面の直径が
2段等になっているバルブと比べて該レギュレータバル
ブ24の加工が簡単化するとともに、直径の異なる部分間
の芯ずれによって弁体24aがこじれ易くなることがな
い。その上、コイルスプリング24bは、弁体24aとスプー
ル24dの双方の対向面から軸線上を互いに反対方向に形
成された孔24a−1,24d−1内に挿入されて両孔底に当接
するため、該コイルスプリング24bを介在させてもレギ
ュレータバルブ24の全長を短縮することができる。従っ
て、レギュレータバルブ24と内周面24A間の摩擦が少な
くなり、又、レギュレータバルブ24の隙間を小さくして
圧油の漏れを少なくでき、該レギュレータバルブ24の感
度が高められて変速制御の精度向上を図ることができ
る。
(発明の効果) 以上の説明で明らかなように、本発明によれば、動力
源から負荷側への駆動トルクの伝達時だけでなく、逆に
負荷側からエンジン側へバックトルクが加わったときで
も、バックトルク側油圧室に所定の大きさの油圧を作用
させることができ、所望の変速比を素早く得て有効なエ
ンジンブレーキを発生させることができるという効果が
得られる。
源から負荷側への駆動トルクの伝達時だけでなく、逆に
負荷側からエンジン側へバックトルクが加わったときで
も、バックトルク側油圧室に所定の大きさの油圧を作用
させることができ、所望の変速比を素早く得て有効なエ
ンジンブレーキを発生させることができるという効果が
得られる。
第1図は本発明に係るトロイダル型無段変速機の断面
図、第2図は第1図のII−II線断面図、第3図乃至第5
図はトロイダル型無段変速機の油圧回路図である。 1……トロイダル型無段変速機、9……入力ディスク、
10……出力ディスク、11……パワーローラ、17……作動
機構、17a……支持部材、17b……駆動トルク側油圧室、
17c……バックトルク側油圧室、21……油ポンプ、24…
…レギュレータバルブ、24A……内周面、24a……弁体、
24a−1……孔、24b,24c……コイルスプリング、24d…
…スプール、24e……第1の油圧室,24f……第2の油圧
室、25……コントロールバルブ、a〜e,b′,c′……油
路。
図、第2図は第1図のII−II線断面図、第3図乃至第5
図はトロイダル型無段変速機の油圧回路図である。 1……トロイダル型無段変速機、9……入力ディスク、
10……出力ディスク、11……パワーローラ、17……作動
機構、17a……支持部材、17b……駆動トルク側油圧室、
17c……バックトルク側油圧室、21……油ポンプ、24…
…レギュレータバルブ、24A……内周面、24a……弁体、
24a−1……孔、24b,24c……コイルスプリング、24d…
…スプール、24e……第1の油圧室,24f……第2の油圧
室、25……コントロールバルブ、a〜e,b′,c′……油
路。
Claims (1)
- 【請求項1】動力源に接続された入力ディスクと、負荷
側に接続された出力ディスクと、該入力ディスク及び出
力ディスクの間に設けられたパワーローラとを備え、こ
のパワーローラを支持部材によって入力ディスク及び出
力ディスクの軸方向と直角な方向に変位可能に支持し、
この支持部材の変位方向両端に、該支持部材を変位させ
るとともに前記入力ディスクに発生するトルクに対抗す
る油圧が生じる駆動トルク側油圧室と、前記出力ディス
クに発生するバックトルクに対抗する油圧が生じるバッ
クトルク側油圧室とを設け、駆動トルク発生時には前記
駆動トルク側油圧室に、バックトルク発生時には前記バ
ックトルク側油圧室にそれぞれ圧油の供給を切り替えて
変速比を制御するコントロールバルブと、油ポンプから
供給される圧油を調圧してこれを前記コントロールバル
ブに供給するレギュレータバルブとを備えたトロイダル
型無段変速機において、 前記レギュレータバルブを、変速機本体の一部分に同一
径で所定長さのシリンダ状に形成された内周面と、その
内部に液密且つ軸方向摺動自在に嵌合されて直列に配置
された弁体及びスプールと、この双方の対向面から軸線
上を互いに反対方向に形成された孔内に挿入されて両孔
底に当接するコイルスプリングと、この対向面の反対側
のスプールの端面から孔底同士が接近するよう軸線上に
形成された別の孔内に挿入されて孔底とシリンダ状の前
記内周面の端面に当接するコイルスプリングとで構成
し、 前記弁体とスプールの対向面間に第1の油圧室を画成す
るとともに、この第1の油圧室を前記コントロールバル
ブの油路を経由して前記駆動トルク側油圧室に連通せし
め、上記反対側のスプールの端面に第2の油圧室を画成
し、該第2の油圧室を前記コントロールバルブの油路を
経由して前記バックトルク側油圧室に連通せしめ、 前記油ポンプから前記レギュレータバルブに供給された
圧油は、その油圧を前記第1の油圧室と反対側の弁体の
端面に作用するとともに、前記第1の油圧室に作用する
油圧とこの第1の油圧室内のコイルスプリング圧又は前
記第2の油圧室に作用する油圧とこの第2の油圧室内の
コイルスプリング圧とで調圧されて前記コントロールバ
ルブに供給されるとともに、コントロールバルブが制御
を開始するとき該コントロールバルブを経由して前記駆
動トルク側油圧室又はバックトルク側油圧室に供給され
るようにしたことを特徴とするトロイダル型無段変速
機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62322906A JP2637751B2 (ja) | 1987-12-22 | 1987-12-22 | トロイダル型無段変速機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62322906A JP2637751B2 (ja) | 1987-12-22 | 1987-12-22 | トロイダル型無段変速機 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01169167A JPH01169167A (ja) | 1989-07-04 |
JP2637751B2 true JP2637751B2 (ja) | 1997-08-06 |
Family
ID=18148943
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62322906A Expired - Fee Related JP2637751B2 (ja) | 1987-12-22 | 1987-12-22 | トロイダル型無段変速機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2637751B2 (ja) |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0617716B2 (ja) * | 1986-01-23 | 1994-03-09 | ダイハツ工業株式会社 | トロイダル形無段変速機の油圧制御装置 |
JPH01116367A (ja) * | 1987-10-30 | 1989-05-09 | Aisin Seiki Co Ltd | トロイダル形無段変速機 |
-
1987
- 1987-12-22 JP JP62322906A patent/JP2637751B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01169167A (ja) | 1989-07-04 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3692945B2 (ja) | トロイダル型無段変速機 | |
JP3624367B2 (ja) | トロイダル型無段変速機 | |
JPS59175665A (ja) | 牽引ロ−ラ無段変速機速度制御装置 | |
JP2637751B2 (ja) | トロイダル型無段変速機 | |
JP2906261B2 (ja) | 無段変速機の遠心油圧補正装置 | |
US4872377A (en) | Transmission ratio control system for a continuously variable transmission | |
JP3798200B2 (ja) | 蓄圧制御型蓄圧装置 | |
JP2636582B2 (ja) | トロイダル無段変速機の制御装置 | |
JP2881506B2 (ja) | ベルト式無段変速機の制御装置 | |
JP2649267B2 (ja) | 変速機のクラッチ制御装置 | |
JP3852173B2 (ja) | トロイダル型無段変速機 | |
JPS6213854A (ja) | Vベルト式無段変速機 | |
JP2699343B2 (ja) | 車両用ベルト式無段変速機の油圧制御装置 | |
JP2566457B2 (ja) | 無段変速機の変速制御装置 | |
JP3403455B2 (ja) | トロイダル型無段変速機 | |
JP3517960B2 (ja) | トロイダル無段変速機の変速制御装置 | |
JPH0429883B2 (ja) | ||
JP2788633B2 (ja) | ベルト無段変速機 | |
JPS634851Y2 (ja) | ||
JPH06174028A (ja) | トロイダル型無段変速機 | |
JP4192495B2 (ja) | 無段変速装置 | |
JPH0527782B2 (ja) | ||
JP2001099284A (ja) | トロイダル型無段変速機の油圧回路 | |
JPH0717877Y2 (ja) | Vベルト式無段変速機 | |
JP2802314B2 (ja) | 無段変速機の変速制御装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |