JP2903102B2 - 高温高強度TiAl基合金 - Google Patents

高温高強度TiAl基合金

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JP2903102B2
JP2903102B2 JP6054807A JP5480794A JP2903102B2 JP 2903102 B2 JP2903102 B2 JP 2903102B2 JP 6054807 A JP6054807 A JP 6054807A JP 5480794 A JP5480794 A JP 5480794A JP 2903102 B2 JP2903102 B2 JP 2903102B2
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健紀 橋本
稔 信木
森彦 中村
晴夫 土肥
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KAGAKU GIJUTSUCHO KINZOKU ZAIRYO GIJUTSU KENKYU SHOCHO
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KAGAKU GIJUTSUCHO KINZOKU ZAIRYO GIJUTSU KENKYU SHOCHO
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22CALLOYS
    • C22C14/00Alloys based on titanium

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、高温高強度TiAl
基合金に関するものである。さらに詳しくは、この発明
は、十分な常温伸びを有するとともに、高温強度特性に
も優れたTiAl基合金に関するものである。
【0002】
【従来の技術とその課題】耐熱材料の軽量化は、航空・
宇宙関連機器やエンジン機器などのエネルギー効率の向
上に重要とされている。このため、従来より、Ti−A
l系金属間化合物が候補材料として注目されており、そ
の実用化への検討が精力的になされてきている。そし
て、TiAl系合金については、これまでにその実用化
に際して障害となる常温延性や成形加工性などの諸問題
が克服されつつあり、現在では、より向上させた高温強
度特性の開発が要望されている。
【0003】このようなTiAl系合金の高温高強度化
に向けて、従来では、C,N,O等の添加によって微細
粒子を析出させたり、あるいはNb,Ta等の元素を3
〜10%固溶させるなどの試みが行われている。しかし
ながら、前者の場合には、析出する微粒子が1000℃
程度の高温において不安定となり、高温高強度の実現は
達成されていないのが実情であり、後者の場合には、一
応、高温高強度特性が実現されてはいるものの、実用化
に際しては、製造コスト並びに軽量化の点において改善
される必要がある。
【0004】この他、TiB2 の分散強化という手法も
提案されているが、実際には、サブミクロンの微細粒子
の分散には成功してはいない。この発明は、以上の通り
の事情に鑑みてなされたものであり、従来のTiAl系
合金の欠点を解消し、2%以上の十分な常温伸びを確保
しながらも、高温高強度化を図ることができ、しかもそ
れを経済的に実現することのできる、高温高強度TiA
l基合金を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の課題
を解決するものとして、Tiが46〜54モル%及びA
lが46〜52モル%含有されたTiAl基合金であっ
て、このTiAl基合金にはSbが0.1〜1モル%添
加されるとともに、Hf又はZrのいずれか1種の元
素、あるいはHf及びZrが合計で0〜3モル%添加さ
れ、γ相、α2 相及び10〜40nmの微細粒Sb−r
ich相の3相が共存していることを特徴とする高温高
強度TiAl基合金を提供する。
【0006】また、この発明の高温高強度TiAl基合
金は、常温延性を確保するために、α2 相および微細粒
のSb−rich相が体積%で、各々、2〜10%の割
合でγ相とともに共存することをその好適な一態様とし
てもいる。
【0007】
【作用】上記の通りのこの発明の合金においては、軽量
耐熱材料として従来知られているTi−Al系化合物の
1000〜1100℃における高温強度と比較して、極
めて高い値を示し、通常のアーク溶解法等により製造で
き、しかも常温においてTiAl−γ単相合金より優
れ、実用化に必要となる2%以上の伸びを有する。
【0008】すなわち、この合金は、γ相(L10 構
造)をベースとし、α2 相(DO19構造)およびSb−
rich相(C16構造)の3相が共存する組成であるた
めに、この材料の使用温度範囲(1100℃以下)にお
いて組織は極めて安定である。また、1100〜135
0℃における熱処理により、サブミクロンの微細粒Sb
−rich相の分散と適量の板状α2 相の生成が容易に
形成され、常温延性と高温・高強度特性を兼備えてい
る。
【0009】さらに詳しく説明すると、Tiを46〜5
4モル%及びAlを46〜52モル%含有するTiAl
基合金において、γ相(L10 構造)をベースとして板
状のα2 相(Ti3 Al相,DO19構造)が析出するた
め、常温伸びを2%以上有し、常温延性を十分に確保す
ることができる。そして、このα2 相は、体積%で2〜
10%合金中に含まれていることが常温延性の確保には
望ましい。 また、0.1〜1モル%という少量のSb
の添加により、合金の固溶強化とともに、10〜40n
m程度のサブミクロンの微細なSb−rich相(C16
構造)粒子が変形転位を固着させるため、1000℃以
上における高温強度が向上する。一方、Sbを1モル%
よりも多量に添加してしまうと、Sb−rich相粒子
が粗大化し、変形転位の固着が不可能となる。
【0010】さらにまた、上記の通り、Hf又はZrの
いずれか1種、あるいはその両方が合計で0〜3モル%
の範囲で少量添加されることによって、上記のSb−r
ich相の分散がより一層微細となる。一方、3モル%
よりも多量に添加すると、α2 相の析出を増大させ、し
かもSb−rich相粒子の粗大をも引き起こし、10
00℃以上における高温強度が低下してしまう。なお、
高温高強度特性を確保するためには、微細粒のSb−r
ich相は、α2 相と同様に、体積%で2〜10%合金
中に含有されていることが好ましい。
【0011】以上のHfとZrは、ともにTiと同じI
VA族に属し、化学的に非常に類似した性質を有してい
る。このため、いずれか一方、あるいはその内の一部を
他方で置換しても同様の作用効果が得られる。このよう
に、この発明の高温高強度TiAl基合金においては、
γ相をベースとしてα2 相及びSb−rich相の3相
が共存し、その結果、たとえば1100℃以下の使用温
度範囲においてもその組織がきわめて安定となる。
【0012】このようなTiAl基合金については、1
100〜1350℃での熱処理によって、Sb−ric
h相の分散と適量のα2 相とが容易に生成する。このた
め、この発明の高温高強度TiAl基合金は、その製造
が容易でもある。さらにこの発明の高温高強度TiAl
基合金には、Sn,Mn及びSiからなる群から選択さ
れる少なくとも1種以上の元素を少量添加することも可
能である。すなわち、Sn,Mn又はSiを単独で、あ
るいはSn及びMn、Sn及びSi又はMn及びSiの
2種元素を混合させて、もしくはSn,Mn及びSiの
3種の元素を混合させて合金に添加することができる。
その添加量は、たとえば0〜3モル%とすることができ
る。
【0013】これらの元素は、α2 相の界面転位密度の
増加に寄与することが知られており、その添加によって
より大きな常温延性の確保に有益と考えられる。
【0014】
【実施例】以下実施例を示し、この発明の高温高強度T
iAl基合金についてさらに詳しく説明する。 実施例1 Ti,Al及びSbをモル%として各々50,49.6
及び0.4含有させたアルゴン雰囲気アーク溶解材につ
いて1200℃で3時間の均質化熱処理を加えた。この
合金材の1200℃における平衡状態図での位置は、図
1中に黒丸で示されている。
【0015】この合金材の組織観察を行ったところ、図
2に示した通り、γ相をベースとして、体積率で2〜8
%程度のα2 相(Ti3 Al)と、2〜9%程度のSb
−rich相とが析出物として含まれていることが確認
された。また、γ平均結晶粒径は100μm程度であっ
た。このような合金材は、常温において2.3%の伸び
を示し、1000及び1100℃における高温強度(耐
力)は、それぞれ230MPa及び160MPaであっ
た。少量のSbの添加により高温強度が向上するのは固
溶強化と、図3の1000℃において変形した圧縮試験
後の塑性変形の様子にも見られるように、10−40n
mのSb相粒子が変形転位を固着させることによるもの
と考えられる。多量に添加すると、Sb相粒子は粗大と
なり、変形転位の固着は生じなくなる。2.3%程度の
常温伸びを得るには2−10%程度のα2 相、すなわち
Ti3Al相の存在は有効であり、そのためには110
0−1350℃の温度範囲で1時間以上の熱処理を行う
ことが望ましい。 軽量耐熱材料として従来知られてい
るTi−Al系化合物の1000及び1100℃におけ
る高温強度よりもきわめて高い値を示し、常温延性を確
保しながら、高温強度にも優れた合金材であることが確
認された。
【0016】なお、図4は、従来公知のNi基スーパー
アロイ(MA6000)とこの発明の合金とを比較した
もので、この発明の合金の優れた特性がよく示されてい
る。 実施例2 Ti,Al,Sb及びHfをモル%として各々49,4
9.6,0.4及び1含有させたアルゴン雰囲気アーク
溶解材について1200℃で3時間の均質化熱処理を加
えた。この合金材の組織観察を行ったところ、図5に示
した通り、合金組織は実施例1のものとほぼ同様であっ
たが、析出物の体積率が、3−9%と僅かに増加してい
た。
【0017】この合金材は、常温において2%の伸びを
示し、1000及び1100℃における高温強度は、そ
れぞれ250MPa及び160MPaであった。常温延
性を保持しつつ、高温強度にも優れた合金材であること
が確認された。実施例1の合金には1モル%程度のHf
の添加は、Sb相の分散を更に微細にする効果があり、
その結果高温強度が向上する。3モル%を超えるHfの
添加はTi3 Al相を著しく増大させ、かつSb相粒子
の粗大化を生じ、高温強度を低下させる。 実施例3 HfをZrに代えた他は実施例2と同様にして合金材を
作成した。
【0018】合金組織は、実施例2で作成した合金の組
織と著しく類似していた。常温伸びは2%で、1000
及び1100℃における高温強度は、それぞれ250M
Pa及び150MPaであった。Zrの添加によっても
常温延性とともに高温強度にも優れた合金材が作成可能
であることが確認された。 従って、Hfの一部をZr
で置換しても同様な結果が得られるものと考えられる。 比較例 比較のために、Sb,Hf及びZrを添加せずに、Ti
及びAlをモル%としてそれぞれ50含有させたアルゴ
ン雰囲気アーク溶解材について1200℃で3時間の均
質化熱処理を加えた。得られた合金組織は、図6に示し
た通りのものであった。
【0019】常温において2.3%の伸びを示したが、
1000及び1100℃における高温強度は、高々16
0MPa及び80MPaでしかなかった。もちろんこの
発明は、以上の例によって限定されるものではない。
【0020】
【発明の効果】以上詳しく説明した通り、この発明によ
って、常温延性を十分に保持しつつ、高温強度に優れた
新しい実用的な軽量耐熱合金材が提供される。その製造
は容易であることや、製造コストの低減が図れ、経済性
にも優れる。航空・宇宙関連機器やエンジン機器などの
エネルギー効率の向上に寄与する。
【図面の簡単な説明】
【図1】Ti−Al−Sb3元系の1200℃における
平衡状態図である。
【図2】この発明の実施例1の合金の組織を示した図面
に代わる写真である。
【図3】この発明の合金の塑性変形の様子を示した組織
の図面に代わる写真である。
【図4】従来合金との比較を示した特性図である。
【図5】実施例2の合金の組織を示した図面に代わる写
真である。
【図6】実施例3の合金の組織を示した図面に代わる写
真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−163333(JP,A) 特開 平3−197634(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C22C 14/00,21/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Tiが46〜54モル%及びAlが46
    〜52モル%含有されたTiAl基合金であって、この
    TiAl基合金にはSbが0.1〜1モル%添加される
    とともに、Hf又はZrのいずれか1種の元素、あるい
    はHfおよびZrが合計で0〜3モル%添加され、γ
    相、α2 相及び10〜40nmの微細粒Sb−rich
    相の3相が共存していることを特徴とする高温高強度T
    iAl基合金。
  2. 【請求項2】 α2 相および微細粒のSb−rich相
    が体積%で、各々、2〜10%の割合でγ相とともに共
    存する請求項1記載のTiAl基合金。
  3. 【請求項3】 Sn,Mn及びSiからなる群から選択
    される少なくとも1種の元素が0〜3モル%添加されて
    いる請求項1記載のTiAl基合金。
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