JP2902508B2 - ポジ型の感光性液組成物 - Google Patents

ポジ型の感光性液組成物

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JP2902508B2
JP2902508B2 JP21595691A JP21595691A JP2902508B2 JP 2902508 B2 JP2902508 B2 JP 2902508B2 JP 21595691 A JP21595691 A JP 21595691A JP 21595691 A JP21595691 A JP 21595691A JP 2902508 B2 JP2902508 B2 JP 2902508B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポジ型の感光性液組成
物(フォトレジスト)、詳しくは、アルカリ可溶性の高
分子物質と感光剤を、特定比率の混合溶剤に溶解したポ
ジ型の感光性液組成物に関するものである。本発明の液
組成物は、特に集積回路作製のためのフォトレジストと
して好適である。
【0002】
【従来の技術】ポジ型のフォトレジストは、アルカリ金
属−可溶性フェノール−ホルムアルデヒドノボラック樹
脂を、感光性材料(通常、置換ナフトキノンジアジド化
合物)と一緒に包含しており、樹脂及び感光剤は、有機
溶剤又は溶剤混合物に溶解され、製造業者によって又は
使用者によって、基板上に薄膜又は被膜として塗布され
て、好適に使用される。このフォトレジスト配合物のノ
ボラック樹脂構成分は、アルカリ水溶液に可溶である
が、ナフトキノン系感光剤は、樹脂に対する溶解速度抑
制剤として作用する。しかし、被覆された基板の選択し
た部分を化学線により露光すると、感光剤は、放射によ
り誘発される構造的変換を受け、露光していない部分よ
りも可溶性にされる。この溶解速度の差は、基板をアル
カリ現像液に浸漬した際に、フォトレジスト被膜の露光
下部分の溶解を促進し、露光されていない部分は、ほと
んど影響を受けず、したがって、ポジ型のレリーフパタ
ーンが基板上に生じる。
【0003】たいていの場合、現像した基板は基板腐食
剤溶液によって処置される。フォトレジスト被膜は、基
板の被覆した部分を腐食剤から保護し、したがって腐食
剤は、ポジ型フォトレジストの場合に化学線に露光した
部分に相当する、基板の露光していない部分を腐食する
ことのみ可能である。したがって、腐食したパターン
は、基板上に生じることができ、それは、選択的露光パ
ターンを、現像よりも先に被覆した基板上に生じさせる
ために使用された、マスク、ステンシル、型板等のパタ
ーンに相当する。上記した方法によって得られた、基板
上のフォトレジストのレリーフパターンは、例えば、小
型化された集積電子部品の製造において使用されるよう
な、露光マスク又はパターンとして適用されることも含
めて、種々の適用に有用である。工業的利用において重
要なフォトレジスト組成物の性質は、レジストの感光速
度、現像コントラスト、レジストの解像力及びレジスト
の付着力等である。
【0004】特に若干の露光が、例えば多重パターンを
繰返し法によって発生させる場合に必要とされるか、又
は減少した濃度の光が、例えば光をレンズ及び単色光フ
ィルター通過させる投影露光技術の場合に使用されるよ
うな適用において、増加した感光速度はフォトレジスト
に重要である。したがって、増加した感光速度は、マス
ク又は一連の回路パターンを基板上に得るために、若干
の多重露光(ステッパー(Stepper))を行なわ
なければならないような方法で使用されるレジスト組成
物に特に重要である。この最適条件は、特殊な現像モー
ドで一定の温度及び現像時間、並びに露光したレジスト
部分の完全な現像を得るために選択した現像剤系を包含
し、露光していない最大レジスト膜厚を維持することに
より、損失は初期膜厚の約10%を超えない。
【0005】現像コントラストは、現像の露光した部分
での膜損失の百分率と、露光していない部分での膜損失
の百分率との比較に起因する。通常、露光したレジスト
被覆基板の現像は、露光した部分での被膜が、実質的に
完全に溶解除去されるまで連続され、したがって、現像
コントラストは露光した被覆部分を完全に除去した際
に、露光していない部分での膜被覆損失の百分率を測定
することによって簡単に定めることができる。レジスト
解像力は、1対の最少の等間隔の線を再現するためのレ
ジスト系の能力、及び現像して露出した空間内での高度
の画像端末突鋭度をもって、露光の間に利用されるマス
クの介在間隔の能力に起因する。多くの工業的適用にお
いて、特に、小型電子部品の製造において、フォトレジ
ストは、高度の解像力を著しく細かい線及び間隔に対し
て(1ミクロン又はそれ以下の程度で)得るために必要
とされる。著しく小さい寸法を1ミクロン又はそれ以下
の程度で再現するためのレジストの能力は、シリコンチ
ップ及び同様の構成素子に大規模に集積回路を製造する
際にきわめて重要である。このようなチップ上での回路
密度は、フォトリソグラフィー技術を利用する場合は、
レジストの解像能力を増大させることによってのみ増大
することができる。レジスト被膜の露光した部分が不溶
性になり、かつ露光していない部分が現像液によって溶
解されるようなネガ型のフォトレジストは、この目的の
ために半導体工業によって広範囲に使用されたのである
が、ポジ型のフォトレジストは本質的に高い解像力を有
し、かつネガ型のフォトレジストの代替品として利用さ
れる。小型化集積回路構成素子の製造において、常用の
ポジ型フォトレジストを使用することによる問題は、ポ
ジ型レジストが一般にネガ型レジストよりも遅い感光速
度を有することである。
【0006】溶剤又は溶剤混合物としては、例えばエー
テル、エステル及びケトン、例えば酢酸ブチル及びキシ
レンを含むか又は含まないメチルセロソルブアセテート
又はエチルセロソルブアセテート(ECA)、グリコー
ルモノメチルエーテル、並びにメチルイソブチルケトン
又はアセトンのような種々の物質が公知であるが、さら
に、高められた温度に抵抗しようとする、フォトレジス
ト配合物は、例えばジメチルホルムアミド、セロソルブ
エステル及びグリコールエーテルのようなアルコールエ
ーテル及びアミドが溶剤として使用される。上記の溶剤
のうち、従来は、エチルセロソルブアセテート(EC
A)がポジ型フォトレジストの塗布溶剤として性能が優
れており、ごく一般的に使用されてきた。しかし、最
近、ECAなどのセロソルブ類は毒性が高いことが指摘
され、環境濃度規制の強化が行なわれた。セロソルブを
溶剤として大量に使用していた塗装業界では、すでに代
替溶剤への切り替えが行なわれており、また、半導体業
界でも、特に欧米では切り替えへの動きが始まってい
る。
【0007】また、特公平3−1659号公報には、ポ
ジ型フォトレジスト用の溶剤として、グリコールエーテ
ルエステル、特にプロピレングリコールメチルエーテル
アセテートを用いることが記載されている。さらに、特
公平3−22619号公報には、ポジ型フォトレジスト
用の溶剤として、モノオキシモノカルボン酸エステル、
特に2−エトキシプロピオン酸エチルを用いることが記
載されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、溶剤を選択す
る場合、従来は、溶剤の製造業者又はフォトレジスト製
造業者が、特別の溶剤を使用するということから生じう
る環境への影響を考慮にいれていない。多数の使用者
は、例えば小規模でのみ被覆を行ない、溶剤を回収する
装置を所有しないか、又は溶剤蒸気を環境上安全に除去
する装置を所有しない。最近では、より厳しい標準規格
が有機溶剤の使用に対して設定確立されたので、溶剤を
選定することも制限された。また、特公平3−1659
号公報に記載されたグリコールエーテルエステル、特に
プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PE
GMEA)を溶剤として用いる場合、沸点が低く蒸発速
度が速すぎて塗布の均一性が得られず、レジストの保存
安定性が悪いという問題点がある。また、特公平3−2
2619号公報に記載されたモノオキシモノカルボン酸
エステル、特に2−エトキシプロピオン酸エチル(EE
P)を溶剤として用いる場合、沸点が高く蒸発速度が遅
すぎて膜厚が薄くなりすぎるという問題点がある。した
がって、本発明の課題は、沸点、蒸気圧及び溶解力の点
で、これまで使用された溶剤に相当する溶剤を含有し、
他の所望の性質は不変のままで有効な感光速度を有し、
かつ健康に対してほとんど害のないフォトレジスト溶剤
を得ることである。本発明は、上記の諸点に鑑みなされ
たもので、アルコキシプロピオン酸エステル系の溶剤と
グリコールエステル系の溶剤とを、ある特定の比率で混
合した混合溶剤を使用することにより、健康に対してほ
とんど害がなく、かつ各種性能に優れたポジ型の感光性
液組成物を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明のポジ型の感光性液組成物は、水中で不溶
性であり、かつアルカリ水溶液中で可溶性である少なく
とも1つの高分子量結合体、及び感光剤を、アルコキシ
プロピオン酸エステル系の溶剤であるエトキシプロピオ
ン酸エチルエステル(EEP)とグリコールエステル系
の溶剤であるプロピレングリコールメチルエーテルアセ
テート(PEGMEA)とを、エトキシプロピオン酸エ
チルエステル/プロピレングリコールメチルエーテルア
セテートの混合重量比が80/20〜60/40の比率
で混合した溶剤に溶解させてなることを特徴としてい
る。上記の構成で使用されるアルコキシプロピオン酸エ
ステル系の溶剤は、モノオキシモノカルボン酸エステル
であり、下記一般式により示される化合物(1)が好ま
しい。 R1O−R2−COOR3 (1) (式中、R1は水素原子又は炭素原子数1〜4のアルキ
ル基、R2は炭素原子数1〜4のアルキル基、並びにR3
は炭素原子数1〜4のアルキル基を意味する。)
【0010】上記(1)式のモノオキシモノカルボン酸
エステル類の具体例としては、オキシ酢酸メチル、オキ
シ酢酸エチル、オキシ酢酸ブチル等のオキシ酢酸アルキ
ル類、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メト
キシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エ
チル等のアルコキシ酢酸アルキル類、3−オキシプロピ
オン酸メチル、3−オキシプロピオン酸エチル等の3−
オキシプロピオン酸アルキル類、3−メトキシプロピオ
ン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル等の3−
アルコキシプロピオン酸アルキル類、2−オキシプロピ
オン酸メチル、2−オキシプロピオン酸エチル、2−オ
キシプロピオン酸プロピル等の2−オキシプロピオン酸
アルキル類、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メ
トキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン
酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル等の2−ア
ルコキシプロピオン酸アルキル類、2−オキシ−2−メ
チルプロピオン酸メチル、2−オキシ−2−メチルプロ
ピオン酸エチル等の2−オキシ−2−メチルプロピオン
酸アルキル類、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸
メチル、2−エトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル
等の2−アルコキシ−2−メチルプロピオン酸アルキル
類、2−オキシ−3−メチルブタン酸メチル、2−オキ
シ−3−メチルブタン酸エチル等の2−オキシ−3−メ
チルブタン酸アルキル類、2−メトキシ−3−メチルブ
タン酸メチル、2−エトキシ−3−メチルブタン酸メチ
ル、2−メトキシ−3−メチルブタン酸エチル、2−エ
トキシ−3−メチルブタン酸エチル等の2−アルコキシ
−3−メチルブタン酸アルキル類を挙げることができ
る。
【0011】レジスト溶剤の選定を行なうにあたり、特
に、その溶剤が満たすべき条件として、以下に示す
(1)〜(7)の項目が挙げられる。 (1) 安全性 (2) 臭気 (3) 感光剤、染料等の溶解性 (4) 経時安定性 (5) 適切な沸点 (6) 塗布膜厚の均一性に関する物性(蒸発速度、粘
度、表面張力) (7) 画像性能に与える影響 前記のモノオキシカルボン酸エステル中で、特に上記の
条件を満たす優れた溶剤として、上記のように、本発明
においてはエトキシプロピオン酸エチルエステル(EE
P)を含有し、これに、グリコールエステル系の溶
あるプロピレングリコールメチルエーテルアセテート
(PEGMEA)を溶剤全量の40〜20重量%、好ま
しくは33〜27重量%、特に好ましくは31〜29重
量%混合する。ここで、グリコールエステル系の他の溶
剤としては、プロピレングリコールアルキルエーテルア
セテートなどのグリコールエーテルエステルなどを挙げ
ることができ、上記のように本発明では、プロピレング
リコールメチルエーテルアセテート(PEGMEA)を
用いる。なお、本発明のポジ型の感光性液組成物の中の
エトキシプロピオン酸エチルエステル及びプロピレング
リコールメチルエーテルアセテートを含む溶剤の使用量
は、レジスト等として基板へ塗布できる量であれば、特
に限定されるものでないが、通常、40〜90重量%で
ある。
【0012】本発明で使用される高分子量結合体として
は、アルカリ可溶性樹脂として代表的なアルカリ可溶性
ノボラック樹脂(以下単に「ノボラック」という)を挙
げることができる。ノボラックは、フェノール類とアル
デヒド類を酸触媒下で付加縮合して得られるものであ
る。また、本発明で使用される感光剤としては、特に限
定されるものではないが、その構造中にヒドロキシ基を
有する化合物と、1,2−ナフトキノンジアジドのスル
ホン酸エステル類、例えば、1,2−ベンゾキノンジア
ジド−4−スルホン酸エステル、1,2−ナフトキノン
ジアジド−4−スルホン酸エステル、1,2−ナフトキ
ノンジアジド−5−スルホン酸エステル、1,2−ナフ
トキノンジアジド−6−スルホン酸エステル、1,2−
ナフトキノンジアジド−8−スルホン酸エステルなどを
挙げることができ、具体的にはp−クレゾール−1,2
−ベンゾキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、レ
ゾルシノール−1,2−ナフトキノンジアジド−4−ス
ルホン酸エステル、ピロガロール−1,2−ナフトキノ
ンジアジド−5−スルホン酸エステルなどの(ポリ)ヒ
ドロキシベンゼンの1,2−キノンジアジドスルホン酸
エステル類、2,4−ジヒドロキシフェニル−プロピル
ケトン−1,2−ベンゾキノンジアジド−4−スルホン
酸エステル、2,4−ジヒドロキシフェニル−n−ヘキ
シルケトン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スル
ホン酸エステル、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン
−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エス
テル、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン−6−スル
ホン酸エステル、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン
−8−スルホン酸エステル、2,3,4−トリヒドロキ
シフェニル−n−ヘキシルケトン−1,2−ナフトキノ
ンジアジド−4−スルホン酸エステル、2,3,4−ト
リヒドロキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジ
アジド−4−スルホン酸エステル、2,3,4−トリヒ
ドロキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジ
ド−5−スルホン酸エステル、2,3,4−トリヒドロ
キシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−
6−スルホン酸エステル、2,3,4−トリヒドロキシ
ベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−8−
スルホン酸エステル、2,4,6−トリヒドロキシベン
ゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スル
ホン酸エステル、2,4,6−トリヒドロキシベンゾフ
ェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン
酸エステル、2,2',4,4'−テトラヒドロキシベン
ゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スル
ホン酸エステル、2,2',4,4'−テトラヒドロキシ
ベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−6−
スルホン酸エステル、2,2',4,4'−テトラヒドロ
キシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−
8−スルホン酸エステル、2,3,4,4'−テトラヒ
ドロキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジ
ド−5−スルホン酸エステル、2,3,4,4'−テト
ラヒドロキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジ
アジド−4−スルホン酸エステル、2,3,4,4'−
テトラヒドロキシベンゾフェノン−1,2−ベンゾキノ
ンジアジド−5−スルホン酸エステル、2,3,4,
4'−テトラヒドロキシベンゾフェノン−1,2−ナフ
トキノンジアジド−6−スルホン酸エステル、2,3,
4,4'−テトラヒドロキシベンゾフェノン−1,2−
ナフトキノンジアジド−8−スルホン酸エステル、2,
3,4,2',6'−ペンタヒドロキシベンゾフェノン−
1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステ
ル、2,4,6,3',4',5'−ヘキサヒドロキシベ
ンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−ス
ルホン酸エステルなどの(ポリ)ヒドロキシフェニルア
ルキルケトン又は(ポリ)ヒドロキシフェニルスルホン
アリールケトンの1,2−キノンジアジドスルホン酸エ
ステル類、ビス(p−ヒドロキシフェニル)メタン−
1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステ
ル、ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)メタン−
1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステ
ル、ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)メタ
ン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エ
ステル、2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)プロ
パノン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン
酸エステル、2,2−ビス(2,4−ジヒドロキシフェ
ニル)プロパン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−
スルホン酸エステル、2,2−ビス(2,3,4−トリ
ヒドロキシフェニル)プロパン−1,2−ナフトキノン
ジアジド−5−スルホン酸エステルなどのビス〔(ポ
リ)ヒドロキシフェニル〕アルカンの1,2−キノンジ
アジドスルホン酸エステル類、3,5−ジヒドロキシ安
息香酸ラウリル−1,2−ナフトキノンジアジド−4−
スルホン酸エステル、2,3,4−トリヒドロキシ安息
香酸フェニル−1,2−ナフトキノンジアジド−5−ス
ルホン酸エステル、3,4,5−トリヒドロキシ安息香
酸プロピル−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スル
ホン酸エステル、3,4,5−トリヒドロキシ安息香酸
フェニル−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホ
ン酸エステルなどの(ポリ)ヒドロキシ安息香酸アルキ
ルエステル又は(ポリ)ヒドロキシ安息香酸アリールエ
ステルの1,2−キノンジアジドスルホン酸エステル
類、ビス(2,5−ジヒドロキシベンゾイル)メタン−
1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステ
ル、ビス(2,3,4−トリヒドロキシベンゾイル)メ
タン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸
エステル、ビス(2,4,6−トリヒドロキシベンゾイ
ル)メタン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スル
ホン酸エステル、p−ビス(2,5−ジヒドロキシベン
ゾイル)ベンゼン−1,2−ナフトキノンジアジド−4
−スルホン酸エステル、p−ビス(2,3,4−トリヒ
ドロキシベンゾイル)ベンゼン−1,2−ナフトキノン
ジアジド−5−スルホン酸エステル、p−ビス(2,
4,6−トリヒドロキシベンゾイル)ベンゼン−1,2
−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステルなど
のビス〔(ポリ)ヒドロキシベンゾイル〕アルカン又は
ビス〔(ポリ)ヒドロキシベンゾイル〕ベンゼンの1,
2−キノンジアジドスルホン酸エステル類、エチレング
リコール(3,5−ジヒドロキシベンゾエート)−1,
2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、
ポリエチレングリコール−ジ(3,4,5−トリヒドロ
キシベンゾエート)−1,2−ナフトキノンジアジド−
5−スルホン酸エステルなどの(ポリ)エチレングリコ
ール〔(ポリ)ヒドロキシベンゾエート〕の1,2−キ
ノンジアジドスルホン酸エステル類、ヒドロキシ基を有
するα−ピロン系天然色素の1,2−キノンジアジドス
ルホン酸エステル類、ヒドロキシ基を有するγ−ピロン
系天然色素の1,2−キノンジアジドスルホン酸エステ
ル類、ヒドロキシル基を有するジアジン系天然色素の
1,2−キノンジアジドスルホン酸エステル類を挙げる
ことができる。特にノボラック樹脂又は/及びヒドロキ
シベンゾフェノンと結合したナフトキノン−(1,2)
−ジアジド−5−スルホニルクロリドを用いるのが望ま
しい。また、エトキシプロピオン酸エチルエステル(E
EP)/プロピレングリコールメチルエーテルアセテー
ト(PEGMEA)の混合重量比が80/20〜60/
40の範囲内のもので、特に好ましくはその混合重量比
が73/27〜67/33の比率である混合溶剤を用い
るのが望ましい。EEP/PEGMEAの混合重量比が
80/20を超える場合は、沸点が高くなり蒸発速度が
遅くなって、膜厚が薄くなりすぎるという不都合点があ
り、一方、EEP/PEGMEAの混合重量比が60/
40未満の場合は、沸点が低くり蒸発速度が速すぎて、
塗布の均一性が得られず、さらには、レジストの保存安
定性が悪いという不都合点がある。このため、従来から
用いられてきた性能の優れたエチルセロソルブアセテー
ト(ECA)と同等の性能を発揮させるためには、EE
P/PEGMEAの混合重量比を80/20〜60/4
0、望ましくは73/27〜67/33とする。
【0013】
【実施例】次に、実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明はこれらの実施例によってなんら
制約されるものではない。 実施例1 遮光下、攪拌器を付けた2 lのセパラブルフラスコに、
ノボラック樹脂とナフトキノン−(1,2)−ジアジド
−5−スルホニルクロリド系感光剤とを合わせて400
g、及びエトキシプロピオン酸エチルエステル(EE
P)を420g、プロピレングリコールメチルエーテル
アセテート(PEGMEA)を180gを仕込み、攪拌
して溶解させた。ついで、口径0.2μのメンブランフ
ィルターでろ過して500mlガラスビンに充填し、ポジ
型感光性液組成物を調整した。各試料の溶解性、溶解後
のサンプル100mlをろ過する際に要した時間のろ過速
度、フィルター上の残留物の有無、及び液中パーティク
ルカウンターによる調整直後のポジ型感光性液組成物中
の粒径0.5μ以上の微粒子数等について測定を行なっ
た。また、ここで得られたポジ型の感光性液組成物を、
シリコンウエハー上にスピナーの回転数3000、40
00、5000rpmで塗布した後、90℃、90秒プリ
ベークして、レジスト層を形成し、それぞれの回転数に
おける膜厚をナノメトリックス社製膜厚測定器ナノスペ
ックを用いて測定した。また、レジスト塗布後のウエハ
ー表面の数ポイントについて膜厚を測定し、塗布表面の
膜厚の均一性の観察を行なった。ついで、500mlガラ
スビンに充填されたポジ型感光性液組成物を、40℃に
制御された恒温槽中で約1ヶ月間保存した。この結果、
目視判定では微粒子の存在は無く、かつ液中パーティク
ルカウンターによる測定においても、粒径0.5μ以上
の微粒子数が6個/mlとほとんど変化しなかった。ま
た、調整直後と同じくレジスト膜の塗布状態にもほとん
ど変化は無く、極めて保存安定性が高いことがわかっ
た。以上の結果については、次に示す比較例1〜3の結
果と合わせて表2及び表3にまとめる。
【0014】比較例1〜3 実施例1において、溶剤をエトキシプロピオン酸エチル
エステル/プロピレングリコールメチルエーテルアセテ
ート=70/30(重量比)の溶剤(溶剤Cとする)か
らエトキシプロピオン酸エチルエステル(EEP)単
体、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート
(PEGMEA)単体、及びエチルセロソルブアセテー
ト(ECA)単体にかえた以外は、実施例1と同様にポ
ジ型感光性液組成物を調整した。今回、実施例1及び比
較例1〜3に使用した溶剤について、特にレジスト溶剤
として使用する際に重要となる物性値と、今回使用した
ノボラック樹脂及び感光剤のそれぞれの溶解性を表1に
まとめる。なお、表において、蒸発速度は酢酸ブチルを
100としたときの値を示し、◎印は「きわめて優れて
いる」、○印は「優れている」、△印は「やや劣る」を
示している。
【0015】
【表1】
【0016】以上の溶剤を用いて作製したポジ型感光性
液組成物の調整直後の粒径0.5μ以下の微粒子数は、
それぞれEEPでは7個/ml、PEGMEAでは7個/m
l、ECAで10個/mlであった。ついで、500mlガラ
スビンに充填されたポジ型感光性液組成物を、40℃に
制御された恒温槽中でそれぞれ約1ヶ月間保存した。こ
の結果、EEP及びECAについては、目視判定では微
粒子の存在は無く、かつ液中パーティクルカウンターに
よる測定においても、粒径0.5μ以上の微粒子数がそ
れぞれ8個/ml、10個/mlとほとんど変化は見られなか
った。また、調整直後と同じく、レジスト膜の塗布状態
にもほとんど変化は無いことがわかった。しかしなが
ら、PEGMEAについては、目視判定では微粒子の発
生は見られなかったが、液中パーティクルカウンターに
よる測定においては粒径0.5μ以上の微粒子数が11
個/mlと若干の増加がみられ、調整直後と比較してレジ
スト膜の塗布状態についても表面に若干のムラが見ら
れ、今回用いたノボラック樹脂、感光剤についてはPE
GMEAは、保存安定性に乏しいことがわかった。以上
の結果を、実施例1の結果と合わせて表2及び表3にま
とめる。
【0017】
【表2】
【0018】
【表3】
【0019】以上の結果より、エトキシプロピオン酸エ
チルエステル(EEP)/プロピレングリコールメチル
エーテルアセテート(PEGMEA)=70/30(重
量比)の比率で混合した溶剤は、ノボラック樹脂及び感
光剤の溶解性が非常に良好であり、これを用いてレジス
トを作製した場合、その保存安定性が極めて高いことが
わかった。
【0020】
【発明の効果】本発明は、上記のように構成されている
ので、つぎのような効果を奏する。 (1) エトキシプロピオン酸エチルエステル(EE
P)プロピレングリコールメチルエーテルアセテート
(PEGMEA)とからなり、エトキシプロピオン酸エ
チルエステル/プロピレングリコールメチルエーテルア
セテートの混合重量比が80/20〜60/40、望ま
しくは73/27〜67/33の比率である混合溶剤
は、高分子量結合体(樹脂)及び感光剤の溶解性がきわ
めて良好で、レジストを作製した際、保存安定性がきわ
めて優れている。 (2) 本発明における混合溶剤は、毒性がきわめて弱
く、環境を汚染するおそれはない。 (3) 本発明における混合溶剤は、エチルセロソルブ
(ECA)と比較して、ほぼ同等の塗布条件で同等の塗
布膜厚が得られるため、ECAを溶剤としたレジストを
使用している半導体製造ラインにおいて、従来の塗布シ
ーケンスを変更することなく、ECAの代替溶剤として
そのまま使用できるという利点がある。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水中で不溶性であり、かつアルカリ水溶
    液中で可溶性である少なくとも1つの高分子量結合体、
    及び感光剤を、エトキシプロピオン酸エチルエステル
    プロピレングリコールメチルエーテルアセテートとを、
    エトキシプロピオン酸エチルエステル/プロピレングリ
    コールメチルエーテルアセテートの混合重量比が80/
    20〜60/40の比率で混合した溶剤に溶解させてな
    ることを特徴とするポジ型の感光性液組成物
  2. 【請求項2】 高分子量結合体が、ノボラック樹脂から
    なることを特徴とする請求項1記載のポジ型の感光性液
    組成物。
  3. 【請求項3】 感光剤が、ノボラック樹脂又は/及びヒ
    ドロキシベンゾフェノンと結合したナフトキノン−
    (1,2)−ジアジド−5−スルホニルクロリドからな
    ることを特徴とする請求項1記載のポジ型の感光性液組
    成物
  4. 【請求項4】 エトキシプロピオン酸エチルエステル/
    プロピレングリコールメチルエーテルアセテートの混合
    重量比が73/27〜67/33の比率である混合溶剤
    を用いることを特徴とする請求項1、2又は3記載のポ
    ジ型の感光性液組成物。
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