JP2902160B2 - 半導体発光装置の製造方法 - Google Patents

半導体発光装置の製造方法

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JP2902160B2
JP2902160B2 JP15544791A JP15544791A JP2902160B2 JP 2902160 B2 JP2902160 B2 JP 2902160B2 JP 15544791 A JP15544791 A JP 15544791A JP 15544791 A JP15544791 A JP 15544791A JP 2902160 B2 JP2902160 B2 JP 2902160B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シリコン基板上にLE
Dアレイを備えた半導体発光装置を製造する方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】例えば、ページプリンタの感光ドラムの
露光用光源としてLEDアレイを用いることが提案され
ている。
【0003】そのようなLEDアレイの基板としては、
強度が大きく、熱伝導率が良く、廉価なことからシリコ
ン(Si)が適している。またLEDとしては、発光特
性がよく、電子の移動度が高いガリウム砒素(GaA
s)、アルミニウムガリウム砒素(AlGaAs)等の
化合物半導体が適している。また、そのような半導体を
シリコン基板上に形成する上では、有機金属気相エピタ
キシー(MOCVD)、分子線エピタキシー(MBE)
等により、シリコン基板に半導体結晶をエピタキシャル
成長させ、そのエピタキシャル層によりLEDアレイを
構成するのが量産性等の点から適している。
【0004】しかし、シリコン基板上にLEDアレイを
備えた半導体発光装置の具体的な製造方法は従来提案さ
れていなかった。
【0005】また、シリコン基板上にガリウム砒素等の
半導体結晶をエピタキシャル成長させる場合、そのシリ
コン結晶と半導体結晶との格子定数の相違によるミスフ
ィット転位や、シリコン結晶中の転位が半導体結晶中に
受け継がれることによる転位や、シリコン基板上の自然
酸化膜等により半導体結晶層に欠陥が生じる。このよう
な半導体結晶層における欠陥はLEDの発光特性を劣化
させる。
【0006】そこで図12に示すように、シリコン基板
101に、まずバッファ層102となる半導体結晶を成
長させ、しかる後にN型半導体層103およびP型半導
体層104となる半導体結晶を成長させ、その半導体層
103、104によりLEDを構成することが提案され
ている。
【0007】図11は、そのバッファ層102を形成す
る際の時間と温度の関係を示す。まず、シリコン基板1
01上の自然酸化膜を950℃程度の高温下で除去す
る。次に、一旦温度を低下させてから660℃程度に昇
温し、バッファ層102を主構成する半導体結晶を成長
させる。その半導体結晶層102aに熱応力を加えるた
め、温度を一旦低下させてから850℃程度まで上昇さ
せるサイクルを複数回繰り返す。その熱応力により、図
12において破線105で示すように、転位をバッファ
層102の内部に閉じ込めたり側方に逃し、LEDを構
成する半導体層103、104における転位を低減して
いる。
【0008】また、そのバッファ層102を主構成する
半導体結晶層102aの途中に単一の歪超格子層106
を形成することで、図12において破線107で示すよ
うに、転位をバッファ層102の内部に閉じ込めたり側
方に逃がし、LEDを構成する半導体層103、104
における転位を低減している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】具体的にシリコン基板
上にLEDアレイを構成する方法として、シリコン基板
の一方の主面の全面に半導体結晶をエピタキシャル成長
させ、そのエピタキシャル層の不要部分をフォトリソグ
ラフィ等により除去してLEDアレイとすることが考え
られる。
【0010】しかし、LED材料として好ましい前記ガ
リウム砒素等はシリコンに対し熱膨張係数が異なるた
め、それら半導体結晶をリアクターの内部で高温下にシ
リコン基板の一方の主面側全面にエピタキシャル成長さ
せた後、温度を低下させると基板に反りが生じ、エピタ
キシャル層にクラックが入り、そこから電流がリークす
るという問題がある。
【0011】また、シリコン基板上に成長させる半導体
結晶層の欠陥は、前述のようなバッファ層102を形成
しても充分に低減させることはできなかった。具体的に
は、結晶欠陥の多さを表すE.P.D.(etch pit dens
ity)を1×106 /cm2 以下には低減できなかった。
これは、図12において破線108で示すように、転位
の一部はバッファ層102を通り抜けて半導体層10
3、104に至ることによる。
【0012】また、バッファ層102の途中に形成する
歪超格子層106は、図13に示すように、バッファ層
102を主構成する半導体結晶102aと格子定数の異
なる第1の半導体結晶106aと、この第1の半導体結
晶106aと格子定数の異なる第2の半導体結晶106
bとを交互に複数回繰り返して成長させることで形成さ
れる。例えば、バッファ層102を主構成する半導体結
晶102aをガリウム砒素結晶とする場合、歪超格子層
106の第1の半導体結晶106aはインジウムガリウ
ム砒素(InGaAs)結晶とし、第2の半導体結晶1
06bはガリウム砒素結晶とする。これにより、歪超格
子層106においては第1の半導体結晶106aの成長
層と第2の半導体結晶106bの成長層の間に、成長方
向(図13において上下方向)に直交する方向の応力が
作用する。この応力により、歪超格子層106において
は成長方向に直交する方向の歪が生じ、この歪は図13
において矢印で示すように成長方向に沿って等しく分布
する。このような歪超格子層106における歪により、
前述のように転位107をバッファ層102の内部に閉
じ込めたり側方に逃がしている。
【0013】しかし、歪超格子層106は半導体結晶の
エピタキシャル層内に歪を生じさせるものであるため、
図12において破線109で示すように、歪超格子層1
06の成長方向上端側(図中上方側)が転位の発生源と
なる。そのため、バッファ層102の途中に歪超格子層
106を形成しても充分にE.P.D.を低減させるこ
とができなくなる。
【0014】本発明は上記技術的課題を解決することの
できる半導体発光装置の製造方法を提供することを目的
とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本件第1発明の特徴とす
るところは、シリコン基板の一方の主面に形成された酸
化シリコン膜の一部を除去し、これにより酸化シリコン
膜を絶縁マスクとし、この絶縁マスクにより選択された
シリコン基板部分にバッファ層を主構成する半導体結晶
をエピタキシャル成長させると共に、そのバッファ層内
に歪超格子層を形成し、その歪超格子層の歪の大きさを
成長方向に沿って異なるものとし、その歪が最も大きく
なる部分を結晶成長方向上端よりも下方に配置し、その
バッファ層の上に、LEDを構成する半導体結晶をエピ
タキシャル成長させる点にある。
【0016】本件第2発明の特徴とするところは、シリ
コン基板の一方の主面に形成された酸化シリコン膜の一
部を除去し、これにより一方の主面に形成された酸化シ
リコン膜を絶縁マスクとし、この絶縁マスクにより選択
されたシリコン基板部分にバッファ層を主構成する半導
体結晶をエピタキシャル成長させると共に、そのバッフ
ァ層内に歪の大きさが異なる複数の歪超格子層を結晶成
長方向に間隔をおいて形成し、歪が最も大きな歪超格子
層を結晶成長方向最上方の歪超格子層よりも下方に配置
し、そのバッファ層の上に、LEDを構成する半導体結
晶をエピタキシャル成長させる点にある。
【0017】
【作用】本件各発明方法によれば、シリコン基板の一方
の主面に形成された酸化シリコン(SiOx)膜の一部
を除去し、これにより酸化シリコン膜を絶縁マスクとす
ることで、シリコン基板の一方の主面の必要部分のみを
選択して半導体結晶をエピタキシャル成長させることが
できる。よって、シリコン基板の一方の主面の全面に半
導体結晶を成長させる場合に比べ、シリコンと半導体結
晶との熱膨張係数の相違による基板の反りを小さくし、
エピタキシャル層にクラックが入るのを防止できる。
【0018】本件第1発明の構成によれば、バッファ層
内に形成される歪超格子層の歪の大きさは成長方向に沿
って異なるものとなり、その歪が最も大きくなる部分は
結晶成長方向上端よりも下方に位置する。これにより、
歪超格子層の成長方向上端側における歪を小さくするこ
とで、その成長方向上端側からの転位の発生を低減する
ことができ、かつ、その成長方向上端よりも下方で歪を
最大とすることで、転位を効果的にバッファ層の内部に
閉じ込めたり側方に逃がすことができる。
【0019】本件第2発明の構成によれば、バッファ層
内に形成される複数の歪超格子層のうち、歪が最も大き
な歪超格子層は結晶成長方向最上方の歪超格子層よりも
下方に位置する。これにより、結晶成長方向最上方の歪
超格子層の成長方向上端側における歪を小さくすること
で、その成長方向上端側からの転位の発生を低減するこ
とができ、かつ、その結晶成長方向最上方の歪超格子層
の下方の歪超格子層の歪を最大とすることで、転位を効
果的にバッファ層の内部に閉じ込めたり側方に逃がすこ
とができる。
【0020】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。
【0021】図5、図6は本件発明方法により製造され
るLEDアレイを備えた半導体発光装置4の構成を示す
ものであって、シリコン基板1の一方の主面1aに複数
のメサ形状のLED5が列をなして形成されている。
【0022】そのシリコン基板1の一方の主面1aと他
方の主面1bとは熱酸化法により形成された酸化シリコ
ン膜2a、2bにより覆われている。一方の主面1aを
覆う酸化シリコン膜2aは一部が除去されることで絶縁
マスクとされている。この絶縁マスクにより選択された
シリコン基板部分、すなわち酸化シリコン膜2aにより
覆われていない一方の主面2aにエピタキシャル層3が
形成されている。このエピタキシャル層3は、バッファ
層3aと、N形半導体層3bと、P形半導体層3cと、
ドーパントの多いP形半導体層3dとで構成される。こ
のエピタキシャル層3の半導体層3b、3c、3dによ
りLED5が構成される。また、エピタキシャル層3は
パッシベーション膜9により覆われている。そして、ド
ーパントの多いP形半導体層3dと基板1の他方の主面
1bとに電極6a、6bが接続されている。その電極6
a、6bは例えばクロム金(CrAu)とされる。
【0023】図1〜図4に基づき、上記半導体発光装置
4の製造方法を説明する。
【0024】まず、図1に示すように、シリコン基板1
の一方の主面1aと他方の主面1bの全面に、酸化シリ
コン膜2a、2bを熱酸化法により形成する。具体的に
は、シリコン基板1を1100℃〜1150℃の酸素
(O2 )雰囲気中において約60分間酸化処理すること
で、厚さ1500Å〜20000Åの酸化シリコン膜2
a、2bを形成する。
【0025】次に、シリコン基板1の一方の主面1aに
形成された酸化シリコン膜2aの一部をフォトリソグラ
フィーにより除去する。これにより、その一方の主面1
aに形成された酸化シリコン膜2aを絶縁マスクとし、
このマスク2aにより選択されたシリコン基板部分に半
導体結晶を成長させてエピタキシャル層3を形成する。
半導体結晶の成長法としては、例えば有機金属気相エピ
タキシーや分子線エピタキシーを用いる。
【0026】図2は、シリコン基板1の一方の主面1a
に形成された酸化シリコン膜2aの一部を除去すること
で形成された絶縁マスクの平面視形状を示す。その酸化
シリコン膜2aは、前記LEDアレイの形成位置を覆う
部分が帯状に除去されると共に、この帯状除去部分7の
長手方向(図2において左右方向)に沿う部分が、長手
方向間に間隔をおいて長方形状に除去されている。その
帯状除去部分7内と、その長方形除去部分8内とに半導
体結晶を成長させ、その帯状除去部分7内に前記LED
アレイを構成するためのエピタキシャル層3を成長さ
せ、その長方形除去部分8内にも同様の構造のエピタキ
シャル層3′を成長させる。
【0027】なお、シリコン基板1の一方の主面1aに
おける帯状除去部分7の長手方向に沿う部分は、電極6
aの引き出し部が配置されるため、半導体結晶を成長さ
せる必要はなく、酸化シリコン膜により覆うことも可能
である。しかし、絶縁マスクの帯状除去部分7に半導体
結晶を成長させる際に、その帯状除去部分7の長手方向
に沿う部分に半導体結晶を成長させないと、シリコン基
板1上において半導体結晶が成長する部分の面積が小さ
くなりすぎてしまい、絶縁マスクの上から半導体結晶が
成長してしまう。そのような酸化シリコン膜2aにより
構成される絶縁マスク上から成長した半導体結晶は結晶
性が悪く、帯状除去部分7において成長するエピタキシ
ャル層の結晶性を悪化させてしまう。
【0028】そこで、絶縁マスクの帯状除去部分7の長
手方向に沿う部分を長手方向間に間隔をおいて除去し、
この除去部分内にも半導体結晶をエピタキシャル成長さ
せ、エピタキシャル層における結晶性が悪化するのを防
止し、LED5の発光特性を良好なものとしている。こ
の際、絶縁マスクの帯状除去部分7の長手方向に沿う部
分を長手方向間に間隔をおかずに除去すると、その部分
に成長する半導体結晶とシリコン基板1との熱膨張係数
の相違により基板1の反りが大きくなるため、絶縁マス
クの帯状除去部分7の長手方向に沿う部分は長手方向間
に間隔をおいて除去するものとしている。
【0029】なお、酸化シリコン膜2aの一部を除去し
てマスクを形成する際、シリコン基板1の一方の主面1
aよりも1μm〜2μm程度深めに堀り下げて除去する
ことにより、半導体発光装置4の厚みを小さくすること
ができ好ましい。
【0030】次に、図3に示すように、前記帯状除去部
分7内に成長したエピタキシャル層3を、長手方向間に
間隔をおいて複数部分に分離することでLEDアレイを
構成する。この分離は例えばフォトエッチングにより行
なう。この際、長方形除去部分8内に形成されたエピタ
キシャル層3′も合わせて除去する。なお、長方形除去
部分8内に成長させたエピタキシャル層3′を除去せず
残してもよいが、除去した方が電極6aの引き出し部の
屈曲がなくなり、電極6aにクラックが生じるのを防止
できる。
【0031】次に前記パッシベーション膜9を形成し、
しかる後に、図4に示すように電極6aを形成する。最
後に、基板1の他方の主面1b側の電極6bを形成す
る。
【0032】上記構成によれば、シリコン基板1の一方
の主面1aに形成された酸化シリコン膜2aを絶縁マス
クとすることで、シリコン基板1の一方の主面1aの必
要部分のみを選択して半導体結晶をエピタキシャル成長
させている。これにより、シリコン基板の一方の主面の
全面に半導体結晶を成長させる場合に比べ、温度変化に
よる基板1の反りが小さくなり、エピタキシャル層3に
クラックが入るのが防止されている。この際、絶縁マス
クの帯状除去部分7内に成長した単一のエピタキシャル
層7を長手方向間に間隔をおいて複数部分に分離するこ
とでLEDアレイを構成しているので、当初から個々の
LEDを構成する多数のエピタキシャル層を成長させる
場合に比べ、エピタキシャル層における応力状態が均一
なものとなり、エピタキシャル層における結晶性が悪化
するのを防止でき、LEDの発光特性を良好なものとで
きる。
【0033】また、シリコン基板1の一方の主面1aと
他方の主面1bの双方に熱酸化法により安定した酸化シ
リコン膜2a、2bを形成しているので、シリコン基板
1や酸化シリコン膜2a、2bが容易に分解することは
なく、エピタキシャル層3の内部へのシリコンの混入が
低減され、エピタキシャル層3の結晶性を良好なものと
できる。これにより、LED5の発光特性を良好なもの
とできる。
【0034】図7に基づき、本件第1発明による上記エ
ピタキシャル層3の形成工程を示す。
【0035】まず、絶縁マスクにより選択されたシリコ
ン基板上の自然酸化膜を950℃程度の高温下で除去す
る。
【0036】次に、一旦温度を低下させてから、660
℃程度に昇温してバッファ層3aを主構成する半導体結
晶3Aをエピタキシャル成長させる。その半導体結晶3
Aは、例えばガリウム砒素、ガリウム砒素リン(GaA
sP)、ガリウムリン(GaP)等を用いることができ
る。その半導体結晶3Aの成長層の温度を一旦低下させ
てから850℃程度まで上昇させるサイクルを複数回繰
り返すことで熱応力を加える。これにより転位をバッフ
ァ層3a内に閉じ込めたり、バッファ層3aの側方に逃
がし、LED5を構成する半導体層3b、3c、3dに
おける転位を低減する。
【0037】その半導体結晶3Aの成長層の上に第1歪
超格子層14を形成する。これにより、転位をバッファ
層3a内に閉じ込めたり、バッファ層3aの側方に逃が
し、LEDを構成する半導体層3b、3c、3dにおけ
る転位を低減する。
【0038】その第1歪超格子層14の上にバッファ層
3aを主構成する半導体結晶3Aをエピタキシャル成長
させ、この半導体結晶3Aの成長層の上に第2歪超格子
層15を形成する。これにより、第1歪超格子層14を
通り抜けた転位をバッファ層3a内に閉じ込めたり、バ
ッファ層3aの側方に逃がし、LEDを構成する半導体
層3b、3c、3dにおける転位を低減する。
【0039】次に、バッファ層3aの上にLEDを構成
する半導体結晶をエピタキシャル成長させる。その半導
体結晶としては、例えばアルミニウムガリウム砒素、ガ
リウム砒素、インジウムガリウム砒素、ガリウム砒素リ
ンを用いることができる。
【0040】上記各歪超格子層14、15は、バッファ
層3aを主構成する半導体結晶3Aと格子定数の異なる
第1の半導体結晶14a、15aと、この第1の半導体
結晶14a、15aと格子定数の異なる第2の半導体結
晶14b、15bとを交互に複数回繰り返して成長させ
ることで形成する。本実施例では、バッファ層3aを主
構成する半導体結晶3Aをガリウム砒素とし、歪超格子
層14、15の第1の半導体結晶14a、15aはイン
ジウムガリウム砒素とし、第2の半導体結晶14b、1
5bはガリウム砒素としている。これにより、各歪超格
子層14、15においては第1の半導体結晶14a、1
5aの成長層と第2の半導体結晶14b、15bの成長
層との間に応力が作用し、その応力により、各歪超格子
層14、15に成長方向に直交する方向の歪が生じる。
この歪の大きさが成長方向に沿って異なるものとされ、
図中矢印で示すように分布する。すなわち、各歪超格子
層14、15における歪は成長方向上方(図中上方)に
向かうに従い次第に小さくなり、成長方向下端において
歪が最も大きくなるものとされている。
【0041】これにより、各歪超格子層14、15の成
長方向上端側における歪を小さくすることで、その成長
方向上端側からの転位の発生を低減し、かつ、その成長
方向上端よりも下方で歪を最大とすることで、転位を効
果的にバッファ層3aの内部に閉じ込めたり側方に逃が
している。
【0042】なお、歪超格子層14、15における歪の
大きさは、歪超格子層を構成する半導体結晶の組成や厚
さを異なったものとすることで変化させることができ
る。例えば、歪超格子層14、15の第1の半導体結晶
14a、15aをインジウムガリウム砒素結晶とし、第
2の半導体結晶14b、15bをガリウム砒素結晶とす
る場合、第1の半導体結晶14a、15aにおけるInAs
のGaAsに対する組成比を、結晶成長方向上方に向かうに
従い次第に小さくすれば、歪超格子層14、15におけ
る歪は成長方向上方に向かうに従い次第に小さくなる。
また、第1の半導体結晶14a、15aの膜厚を、結晶
成長方向上方に向かうに従い次第に小さくすれば、歪超
格子層14、15における歪は成長方向上方に向かうに
従い次第に小さくなる。
【0043】上記構成により、E.P.D.を3×10
5 /cm2 まで低減することができた。
【0044】なお、歪超格子層14、15を構成する半
導体結晶の種類は、バッファ層3aを主構成する半導体
結晶に応じて適宜選択すればよく、例えば第1の半導体
結晶14a、15aをInx Ga1-x Asとし、第2の
半導体結晶14b、15bをIny Ga1-y Asとする
といったように、組成比の異なるインジウムガリウム砒
素を用いて構成してもよい。
【0045】また、上記実施例ではバッファ層3aに2
層の歪超格子層15、16を形成したが、1層でもよ
く、あるいは3層以上形成するようにしてもよい。
【0046】また、上記実施例では、各歪超格子層1
4、15における歪は成長方向上方に向かうに従い次第
に小さくり、成長方向下端において歪が最も大きくなる
ものとしたが、図8に示すように、成長方向上方と成長
方向下方に向かうに従い次第に小さくし、成長方向中途
において歪が最も大きくなるものとしてもよく、要は、
歪が最も大きくなる部分を結晶成長方向上端よりも下方
に配置すればよい。
【0047】図9に基づき、本件第2発明による上記エ
ピタキシャル層3の成形工程を示す。
【0048】まず、絶縁マスクにより選択されたシリコ
ン基板上の自然酸化膜を950℃程度の高温下で除去す
る。
【0049】次に、一旦温度を低下させてから、660
℃程度に昇温してバッファ層3aを主構成する半導体結
晶3Aをエピタキシャル成長させる。その半導体結晶3
Aとしては、例えばガリウム砒素、ガリウム砒素リン、
ガリウムリン等を用いることができる。その半導体結晶
層3Aの成長層の温度を一旦低下させてから850℃程
度まで上昇させるサイクルを複数回繰り返すことで熱応
力を加える。これにより転位をバッファ層3a内に閉じ
込めたり、バッファ層3aの側方に逃がし、LED5を
構成する半導体層3b、3c、3dにおける転位を低減
する。
【0050】その半導体結晶3Aの成長層の上に、第1
歪超格子層14を形成する。これにより、転位をバッフ
ァ層3a内に閉じ込めたり側方に逃がし、LEDを構成
する半導体層3b、3c、3dにおける転位を低減す
る。
【0051】その第1歪超格子層14の上にバッファ層
3aを主構成する半導体結晶3Aをエピタキシャル成長
させ、この半導体結晶3Aの成長層の上に第2歪超格子
層15を形成する。これにより、第1歪超格子層14を
通り抜けた転位をバッファ層3a内に閉じ込めたり、バ
ッファ層3aの側方に逃がし、LEDを構成する半導体
層3b、3c、3dにおける転位を低減する。
【0052】その第2歪超格子層15の上にバッファ層
3aを主構成する半導体結晶をエピタキシャル成長さ
せ、この半導体結晶3Aの成長層の上に第3歪超格子層
16を形成する。これにより、第2歪超格子層15を通
り抜けた転位をバッファ層3aの内部に閉じ込めたり側
方に逃がし、LEDを構成する半導体層3b、3c、3
dにおける転位を低減する。
【0053】次に、バッファ層3aの上にLEDを構成
する半導体結晶をエピタキシャル成長させる。その半導
体結晶としては、例えばアルミニウムガリウム砒素、ガ
リウム砒素、インジウムガリウム砒素、ガリウム砒素リ
ンを用いることができる。
【0054】上記各歪超格子層14、15、16は、バ
ッファ層3aを主構成する半導体結晶3Aと格子定数の
異なる第1の半導体結晶14a、15a、16aと、こ
の第1の半導体結晶14a、15a、16aと格子定数
の異なる第2の半導体結晶14b、15b、16bとを
交互に複数回繰り返して成長させることで形成する。本
実施例では、バッファ層3aを主構成する半導体3Aを
ガリウム砒素とし、歪超格子層14、15、16の第1
の半導体結晶14a、15a、16aはインジウムガリ
ウム砒素とし、第2の半導体結晶14b、15b、16
bはガリウム砒素としている。これにより、各歪超格子
層14、15、16においては第1の半導体結晶14
a、15a、16aの成長層と第2の半導体結晶14
b、15b、16bの成長層との間に応力が作用し、そ
の応力により、各歪超格子層14、15、16には成長
方向に直交する方向に歪が生じる。各歪超格子層14、
15、16の歪の大きさは、図中矢印で示すように互い
に異なるものとされている。すなわち、結晶成長方向最
上方の歪超格子層16の歪が最も小さくされ、結晶成長
方向最下方の歪超格子層14の歪が最も大きくされてい
る。
【0055】これにより、結晶成長方向最上方の歪超格
子層16の成長方向上端側における歪を小さくすること
で、その成長方向上端側からの転位の発生を低減し、か
つ、その結晶成長方向最上方の歪超格子層16の下方の
歪超格子層14の歪を最大とすることで、転位を効果的
にバッファ層3aの内部に閉じ込めたり側方に逃がして
いる。
【0056】なお、歪超格子層14、15、16におけ
る歪の大きさは、歪超格子層を構成する半導体結晶層の
組成や厚さを異なったものとすることで変えることがで
きる。例えば、歪超格子層14、15、16の第1の半
導体結晶14a、15a、16aをインジウムガリウム
砒素結晶とし、第2の半導体結晶14b、15b、16
bをガリウム砒素結晶とする場合、第1の半導体結晶1
4a、15a、16aにおけるInAsのGaAsに対する組成
比を、結晶成長方向最下方の歪超格子層14において最
大とし、結晶成長方向最上方の歪超格子層16において
最小とすれば、結晶成長方向最上方の歪超格子層16の
歪が最も小さくされ、結晶成長方向最下方の歪超格子層
14の歪が最も大きくされる。また、歪超格子層14、
15、16を構成する第1の半導体結晶14a、15
a、16aの膜厚を、結晶成長方向最下方の歪超格子層
14において最大とし、結晶成長方向最上方の歪超格子
層16において最小とすれば、結晶成長方向最上方の歪
超格子層16の歪が最も小さくされ、結晶成長方向最下
方の歪超格子層14の歪が最も大きくされる。
【0057】上記構成により、E.P.D.を3×10
5 /cm2 まで低減することができた。
【0058】なお、歪超格子層14、15、16を構成
する半導体結晶は、バッファ層3aを主構成する半導体
結晶に応じて適宜選択すればよく、例えば第1の半導体
結晶14a、15a、16aをInx Ga1-x Asと
し、第2の半導体結晶14b、15b、16bをIny
Ga1-y Asとするといったように、組成比の異なるイ
ンジウムガリウム砒素を用いて構成してもよい。
【0059】また、上記実施例ではバッファ層3aに3
層の歪超格子層14、15、16を形成したが、2層で
もよく、あるいは4層以上形成するようにしてもよい。
【0060】また、上記実施例では、各歪超格子層1
4、15、16における歪は結晶成長方向最上方の歪超
格子層16の歪が最も小さくされ、結晶成長方向最下方
の歪超格子層14の歪が最も大きくされたが、図10に
示すように、成長方向最上方と成長方向最下方の歪超格
子層14、16に対し、成長方向中央の歪超格子層15
において歪が最も大きくなるものとしてもよい。要は、
バッファ層3a内に歪の大きさが異なる複数の歪超格子
層を結晶成長方向に間隔をおいて形成し、歪が最も大き
な歪超格子層を結晶成長方向最上方の歪超格子層よりも
下方に配置すればよい。
【0061】
【発明の効果】本件各発明方法によれば、シリコン基板
の一方の主面に形成する酸化シリコン膜を絶縁マスクと
して半導体結晶をエピタキシャル成長させ、LEDアレ
イを構成しているので、シリコンと半導体結晶との熱膨
張係数の相違によるエピタキシャル層におけるクラック
発生を防止できる。
【0062】本件第1発明によれば、バッファ層内に形
成する歪超格子層における歪の大きさを成長方向に沿っ
て異なるものとし、その歪が最も大きくなる部分を結晶
成長方向上端よりも下方に配置することで、LEDの結
晶欠陥を低減して発光特性を向上することができる。
【0063】本件第2発明によれば、バッファ層内に歪
の大きさが異なる複数の歪超格子層を結晶成長方向に間
隔をおいて形成し、歪が最も大きな歪超格子層を結晶成
長方向最上方の歪超格子層よりも下方に配置すること
で、LEDの結晶欠陥を低減して発光特性を向上するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る半導体発光装置の製造工
程の説明図
【図2】本発明の実施例に係る絶縁マスクの平面構成図
【図3】本発明の実施例に係る半導体発光装置の製造工
程の説明図
【図4】本発明の実施例に係る半導体発光装置の製造工
程の説明図
【図5】本発明の実施例に係る半導体発光装置の構成を
示す斜視図
【図6】本発明の実施例に係る半導体発光装置の断面構
成を示す図
【図7】本件第1発明の実施例に係る半導体発光装置の
構成説明図
【図8】本件第1発明の異なった実施例に係る半導体発
光装置の構成説明図
【図9】本件第2発明の実施例に係る半導体発光装置の
構成説明図
【図10】本件第2発明の異なった実施例に係る半導体
発光装置の構成説明図
【図11】半導体製造工程における時間と温度の関係を
示す図
【図12】従来の半導体発光装置の構成説明図
【図13】従来の半導体発光装置の構成説明図
【符号の説明】
1 シリコン基板 2a 酸化シリコン膜 2b 酸化シリコン膜 3 エピタキシャル層 3a バッファ層 5 LED 14、15、16 歪超格子層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01L 33/00 H01S 3/18

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリコン基板の一方の主面に形成された
    酸化シリコン膜の一部を除去し、これにより酸化シリコ
    ン膜を絶縁マスクとし、この絶縁マスクにより選択され
    たシリコン基板部分にバッファ層を主構成する半導体結
    晶をエピタキシャル成長させると共に、そのバッファ層
    内に歪超格子層を形成し、その歪超格子層の歪の大きさ
    を成長方向に沿って異なるものとし、その歪が最も大き
    くなる部分を結晶成長方向上端よりも下方に配置し、そ
    のバッファ層の上に、LEDを構成する半導体結晶をエ
    ピタキシャル成長させることを特徴とする半導体発光装
    置の製造方法。
  2. 【請求項2】 シリコン基板の一方の主面に形成された
    酸化シリコン膜の一部を除去し、これにより一方の主面
    に形成された酸化シリコン膜を絶縁マスクとし、この絶
    縁マスクにより選択されたシリコン基板部分にバッファ
    層を主構成する半導体結晶をエピタキシャル成長させる
    と共に、そのバッファ層内に歪の大きさが異なる複数の
    歪超格子層を結晶成長方向に間隔をおいて形成し、歪が
    最も大きな歪超格子層を結晶成長方向最上方の歪超格子
    層よりも下方に配置し、そのバッファ層の上に、LED
    を構成する半導体結晶をエピタキシャル成長させること
    を特徴とする半導体発光装置の製造方法。
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