JP2002190448A - 基板、電子装置およびそれらの製造方法 - Google Patents

基板、電子装置およびそれらの製造方法

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JP2002190448A
JP2002190448A JP2000387202A JP2000387202A JP2002190448A JP 2002190448 A JP2002190448 A JP 2002190448A JP 2000387202 A JP2000387202 A JP 2000387202A JP 2000387202 A JP2000387202 A JP 2000387202A JP 2002190448 A JP2002190448 A JP 2002190448A
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Hiroaki Ochimizu
洋聡 落水
Naoya Okamoto
直哉 岡本
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Fujitsu Ltd
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Fujitsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基板の製造方法は、下地基板上に、その下地
基板とは格子定数の異なる結晶層を転位や欠陥の発生を
抑えた状態で成長する技術を提供する。 【解決手段】 第1の格子定数を有する下地基板の主表
面上に、前記第1の格子定数に対して成長許容範囲内の
格子定数を有する化学反応可能な中間層を成長する工程
と、前記中間層上に、前記第1の格子定数と異なる第2
の格子定数を有する種子結晶層を臨界膜厚以内の厚さ成
長する工程と、前記種子結晶層を局部的に除去し、下の
中間層を露出する開口部を形成する工程と、前記開口部
から前記中間層を横方向に化学反応させ、アモルファス
層に変換する工程と、前記種子結晶層と露出している前
記アモルファス層の上に前記第2の格子定数に対して成
長許容範囲内の格子定数を有する結晶層または結晶積層
を成長する工程とを含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基板、電子装置お
よびそれらの製造方法に関し、特に下地基板とその上に
形成された格子定数の異なる結晶層とを有する基板、電
子装置およびそれらの製造方法に関する。
【0002】本明細書においては、ある格子定数の下地
結晶上に、臨界膜厚を生じることなく(無限大の臨界膜
厚で)成長できる結晶の有する格子定数の範囲を成長許
容範囲内の格子定数と言う。ここで、臨界膜厚とは、あ
る格子定数の下地結晶上に他の格子定数を有する結晶層
を成長するとき、格子欠陥やミスフィット転位を急増さ
せずに成長できる最大の厚さを言う。また、この時の歪
量を臨界歪と言う。
【0003】
【従来の技術】半導体材料は、固有のバンドギャップ、
移動度、格子定数等を有する。III−V族半導体等を利
用して作製される高電子移動度トランジスタ(HEM
T)へテロバイポーラトランジスタ(HBT)、レーザ
等はそれぞれ所望の特性を実現するため種々のヘテロ接
合を利用している。半導体デバイスの特性の点からは、
所望のバンドギャップ、移動度を有する半導体材料を自
由に組み合わせてヘテロ接合を形成することが望まれ
る。
【0004】しかし、エピタキシャル結晶層は下地結晶
上に成長する必要がある。下地結晶上に多くの格子欠陥
やミスフィット転位を生じさせることなく、任意にエピ
タキシャル成長できる結晶層の格子定数および厚さは限
られた範囲内のものでしかない。この範囲を越えると、
成長結晶層内に多くの格子欠陥やミスフィット転位が導
入される。格子不整のある成長結晶についての厚さに関
するこの臨界値を臨界膜厚と言う。臨界膜厚は、格子不
整の程度に応じて定まる。格子不整が大きいと、臨界膜
厚は薄くなる。
【0005】使用する下地半導体基板が決まると、その
上に成長できるエピタキシャル層の格子定数範囲は通常
限られる。たとえば、GaAs基板を用いて、その上に
In組成の高いInGaAsをチャンネル(電子走行)
層として成長することや、1.3μm帯、1.5μm帯
の発光を実現する活性層構造を形成することは困難であ
る。
【0006】半導体基板上に、その半導体とは格子定数
の大きく異なる結晶を成長すると、成長した結晶層内に
転位や欠陥が多く発生し、結晶層の特性が劣化する。こ
の劣化を防止するために下地半導体基板上に格子定数が
徐々に、または階段的に変化する組成傾斜層を成長する
技術が知られている。このような組成傾斜層を介在させ
ることにより、その上に成長する結晶層内の転位や欠陥
を減少させることができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】組成傾斜層上に、下地
基板と格子定数の異なる結晶層を成長することにより、
結晶層内の転位や欠陥を減少させることができるが、こ
の効果は十分とは限らない。下地結晶上に格子定数の異
なる結晶層を成長するための新たな技術が望まれてい
る。
【0008】本発明の目的は、下地基板上に、その下地
基板とは格子定数の異なる結晶層を転位や欠陥の発生を
抑えた状態で成長する技術を提供することである。
【0009】本発明の他の目的は、下地基板上に、その
下地基板とは格子定数の異なる結晶層を転位や欠陥の発
生を抑えた状態で成長した基板やこのような基板を用い
た電子装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の一観点によれ
ば、第1の格子定数の結晶で形成された主表面を有する
下地基板と、前記下地基板の主表面を覆うアモルファス
層と、前記アモルファス層上に成長され、前記第2の格
子定数に対して成長許容範囲内の格子定数を有する結晶
層または結晶積層とを有する基板が提供される。
【0011】本発明の他の観点によれば、第1の格子定
数を有する下地基板の主表面上に、前記第1の格子定数
に対して成長許容範囲内の格子定数を有する化学反応可
能な中間層を成長する工程と、前記中間層上に、前記第
1の格子定数と異なる第2の格子定数を有する種子結晶
層を臨界膜厚以内の厚さ成長する工程と、前記種子結晶
層を局部的に除去し、下の中間層を露出する開口部を形
成する工程と、前記開口部から前記中間層を横方向に化
学反応させ、アモルファス層に変化させる工程と、前記
種子結晶層と露出している前記アモルファス層の上に前
記第2の格子定数に対して成長許容範囲内の格子定数を
有する結晶層または結晶積層を成長する工程とを含む基
板の製造方法が提供される。
【0012】下地基板上に、中間層を介して形成された
種子結晶層が、中間層がアモルファス相に変換されるこ
とにより、歪みから解放される。その後、種子結晶層上
に成長許容範囲内の格子定数を有する結晶層を任意に成
長することが可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施例を説明する。
【0014】図1(A)〜(D)は、本発明の実施例に
よる基板の製造方法の主要工程を示す基板の断面図であ
る。
【0015】図1(A)に示すように、下地基板である
GaAs基板1の表面上に、中間層としてAlAs層2
をエピタキシャルに成長する。AlAsは、GaAsと
ほとんど同じ格子定数を有し、GaAs上に格子欠陥、
ミスフィット転位の非常に少ない状態でほとんど任意の
厚さエピタキシャルに成長することができる。AlAs
層2は、例えば厚さ50nm程度成長する。
【0016】AlAs層2の上に、種子結晶層としてI
xGa1-xAs層7を成長する。InxGa1-xAsは、
GaAsより大きな格子定数を有する。In組成xが大
きくなるほど、GaAs基板1との格子不整が大きくな
り、臨界膜厚は小さくなる。例えば、In組成xとし
て、InPに格子整合するx=0.53を選び、Inx
Ga1-xAs層3(x=0.53)を臨界膜厚以下の厚
さ約3nm程度成長する。基板と格子不整であることに
より、InxGa1-xAs層3(x=0.53)は圧縮歪
みを持つ歪層となる。
【0017】これらの結晶成長は、例えばMOVPEに
より行ない、原料としてトリメチルアルミニウム(TM
Al)、トリメチルインジウウム(TMIn)、トリエ
チルガリウム(TEGa)、アルシン(AsH3)を用
いる。
【0018】図1(B)に示すように、種子結晶層3の
上に、レジスト層を塗布し、露光、現像することにより
レジストパターンPRを作成する。レジストパターンP
Rは、例えばストライプ状又は格子状の開口部を有す
る。開口部は、例えば数100μm平方の領域ARを囲
み、幅約100μmを有する。
【0019】このレジストパターンPRをエッチングマ
スクとし、種子結晶層3を選択的にエッチングする。例
えば、クエン酸系のエッチング液を用い、InGaAs
層3を選択的にウエットエッチングする。AlAs層2
は、ほとんどエッチングされない。種子結晶層3がエッ
チングされ、開口部4が形成されると共に、その下に配
置されたAlAs層2が露出する。その後レジストパタ
ーンPRは除去する。
【0020】図1(C)に示すように、スチーム酸化に
よりAlAs層2を開口部4から横方向に酸化し、アモ
ルファス相の酸化層2xに変換する。AlAsの構成元
素であったAsは、スチーム酸化により外界に離散し、
アモルファス相の酸化層2xは、Alが酸化したAl2
3と考えられる。スチーム酸化は、例えば80℃の純
水に窒素を流量約1LMでバブリングし、水蒸気を含む
窒素ガスを350℃程度に加熱した基板上に導入するこ
とで行なう。
【0021】AlAs層がアモルファス相の酸化層に変
換されると、もはやエピタキシャル層ではなくなり、そ
の上に形成されたInGaAs種子結晶層3は、下地基
板1の格子定数から解放され、歪みが緩和する。種子結
晶層以外の開口領域はアモルファス層が露出し、結晶成
長の種子とはならない。もし、開口部でAlAs層が消
失し、基板表面が露出すると、その上に成長するエピタ
キシャル層に対して基板の格子定数が影響を及ぼすこと
になる。従って、AlAs層が十分残るエッチング条件
を選択することが好ましい。
【0022】図1(D)に示すように、歪みの解放され
た種子結晶層3の上に、成長許容範囲内の格子定数を有
する結晶層5、例えば種子結晶層3と格子整合するIn
yAl1-yAsバッファ層(y=0.52)を選択成長可
能なエピタキシャル成長で形成する。種子結晶層3上に
成長するエピタキシャル層が露出したアモルファス層表
面も覆う。この状態は、InP基板上にInyAl1-y
sバッファ層(y=0.52)を成長した状態とほぼ同
等である。さらに、所望の結晶層又は結晶積層6を成長
することにより、所望の特性を有する半導体装置用の層
構造を作成することができる。
【0023】図1(A)の状態においては、種子結晶層
3は、中間層2を介して下地基板1の上に成長されてお
り、下地基板1の格子定数の制約を受ける。種子結晶層
3の厚さを臨界膜厚以下とすることにより、格子欠陥、
ミスフィット転位の少ない層を成長する。その後、種子
結晶層3と下地基板1との間に介在する中間層2をアモ
ルファス状態に変換することにより、種子結晶層3は下
地基板1の格子定数の制約から解放され、歪みが緩和さ
れる。
【0024】従って、図1(D)に示すように、種子結
晶層3の上に種子結晶層3と同一の格子定数又は成長許
容範囲内の格子定数を有する結晶層5を任意の厚さ成長
することが可能となる。アモルファス層の上の種子結晶
層を成長種として、結晶層5を成長することにより、露
出したアモルファス中間層2の上も結晶層5で覆われ
る。以下、このような基板を用いて半導体デバイスを形
成する実施例を説明する。
【0025】図2(A)は、高電子移動度トランジスタ
(HEMT)用の半導体積層の構成を示す。下地基板1
1、中間層12、種子結晶層13は、図1(A)〜
(D)に示した実施例同様、GaAs基板、AlAs
層、In0.53Ga0.47As層で形成する。種子結晶層1
3の上に、In0.52Al0.48Asのバッファ層15、I
0. 53Ga0.47Asチャネル層16、n型にドープした
In0.52Al0.48As電子供給層17、In0.53Ga
0.47Asキャップ層18を順次エピタキシャルに成長す
る。これらのエピタキシャル成長は、選択成長が可能な
MOVPEまたはガスソースMBEで行なうことが好ま
しい。
【0026】In0.52Al0.48Asは、In0.53Ga
0.47Asよりも大きなバンドギャップを有し、電子供給
層17と接するチャネル層16の界面付近に深いポテン
シャル井戸が形成される。このポテンシャル井戸は、電
子供給層17から供給される電子を、二次元電子ガスと
して輸送することができる。GaAs基板を用いている
にも拘わらず、チャネル層16のIn組成を高く選択す
ることができるため、高い二次元電子ガス移動度を実現
することができる。In0.53Ga0.47Asキャップ層1
8は、低いコンタクト抵抗を実現する。
【0027】図2(B)に示すように、キャップ層18
の中間部分を除去し、両側に残ったキャップ層18の上
にソース電極19、ドレイン電極20を形成し、中間に
露出した電子供給層17の上にゲート電極21を形成す
る。ソース電極19、ドレイン電極20は、例えばIn
GaAsとオーミック接触を形成するAuGe/Au積
層で形成する。ゲート電極21は、例えばInAlAs
とショットキ接触を形成するAl層で形成する。
【0028】なお、ソース電極19、ドレイン電極20
を形成した後、合金化を行なったり、ソース電極19、
ドレイン電極20を形成する領域に、深くn型不純物を
打ち込み、チャネルとソース電極、ドレイン電極との間
の電気的接続を促進することが好ましい。種子結晶層1
3の開口部上の結晶は結晶性が低下することがあり得る
ので、HEMTの能動領域は種子結晶層13の存在する
領域上方に形成することが好ましい。
【0029】なお、作成する半導体デバイスはHEMT
に限らない。例えば、HBTやレーザ等を作成すること
もできる。
【0030】図3(A)は、HBTを形成する場合の層
構成を概略的に示す。GaAs基板31の上にAlAs
層をエピタキシャルに成長し、その上にInGaAs層
33を種子結晶層としてエピタキシャルに成長する。そ
の後InGaAs層33に開口を設け、その下のAlA
s層を横方向酸化し、Al23層32に変換する。
【0031】その後、種子結晶層33の上に、InGa
Asバッファ層35、n+型InGaAs層サブコレク
タ層36、n型InGaAsコレクタ層37、p+型I
nGaAsベース層38、n型InAlAsエミッタ層
39、n+型InGaAsコンタクト層40をエピタキ
シャルに積層する。エピタキシャル成長は前述の実施例
同様、選択成長の可能なMOVPEまたはガスソースM
BEで行なう。
【0032】その後、ホトレジストマスクを用い、図に
示すようにn+型InGaAsサブコレクタ層36を露
出するステップ構造、p+型InGaAsベース層38
を露出するステップ構造を作成する。n+型InGaA
sコンタクト層40の上にエミッタ電極41を形成し、
+型InGaAs層38の上にベース電極42を形成
し、n+型InGaAsサブコレクタ層36の上にコレ
クタ電極43を形成する。
【0033】エミッタ電極、コレクタ電極は、n型領域
とオーミック接触するAuGe/Au積層等で形成し、
ベース電極はp型領域とオーミック接触するTi/Pt
/Au積層等で形成する。エミッタ領域39がベース領
域38のInGaAsよりバンドギャップの広いInA
lAsで形成されているので、ヘテロバイポーラトラン
ジスタが形成される。
【0034】このようにして、GaAs基板31の上
に、より大きな格子定数を有する積層構造により、HB
Tを作成することができる。In組成の高いInGaA
sを用いることにより高速動作可能で抵抗の低いHBT
を作成することができる。
【0035】図3(B)は、レーザを形成する場合の基
板の構成を概略的に示す。GaAs基板51の上にAl
As層から変換したアモルファスAl23層52を配置
し、その上にInGaAs種子結晶層53を配置する。
ここまでの構成は、例えば前述の実施例と同様である。
【0036】InGaAs種子結晶層53の上に、In
GaAsバッファ層55、n+型InGaAsコンタク
ト層56、n型InPクラッド層57、n型InGaA
sPガイド層58、InGaAsP活性層59、p型I
nGaAsPガイド層60、p型InPクラッド層6
1、p+型InGaAsコンタクト層62を選択成長で
エピタキシャルに積層する。
【0037】p+型InGaAsコンタクト層62から
n型InPクラッド層57までをストライプ状にエッチ
ングする。p+型InGaAsコンタクト層62の上に
p側電極63を形成し、n+型InGaAsコンタクト
層56の上にn側電極64を形成する。p側電極63と
しては、例えばTi/Pt/Au積層を用いる。n側電
極64としては、例えばAuGe/Au積層を用いる。
【0038】InGaAsP活性層59は、たとえば
1.3μm帯または1.5μm帯の発光波長を持つよう
に組成を選択する。ガイド層は活性層より低屈折率の組
成、クラッド層はさらに低屈折率の組成とする。なお、
ガイド層は、必ずしも必要ではなく、活性層をクラッド
層で挟んでもよい。なお、活性層59は、単一の半導体
層に変え、多重量子井戸で形成することもできる。
【0039】図3(C)は、多重量子井戸で形成した活
性層59の構成例を示す。1.2ミクロン組成又は1.
3ミクロン組成のInGaAsPバリア層Bと、バリア
層よりもバンドギャップの狭い1.3μm組成又は1.
5μm組成のInGaAsPウエル層Wを交互に積層
し、多重量子井戸活性層59を形成する。なお、ガイド
層58、60としては、1.1μm組成、又は1,2μ
m組成のInGaAsPを用いることができる。
【0040】レーザの構造は、上述の実施例のものに限
らない。公知の種々のレーザー構造を採用することがで
きる。
【0041】このように、下地基板上に化学反応により
アモルファス層に変換できる中間層を介して臨界膜厚以
下の種子結晶層を形成し、その後中間層をアモルファス
層に変換することにより、種子結晶層上にその成長許容
範囲内の格子定数を有する結晶層を任意に成長すること
ができる。好ましくは、化学反応は酸化反応である。酸
化させる中間層としては、AlxGa1-xAs、(0.5
<または=x<または=1)、InAlAsを用いるこ
とができる。
【0042】中間層の厚さは、約20nm〜200nm
とすることが好ましい。種子結晶層に形成する開口部
は、幅10μm〜200μmとすることが好ましい。開
口部に囲まれる領域は、特に制限されないが、数μm〜
数mmの領域とすることが好ましい。開口部に囲まれる
領域を広く選択すると、横方向酸化に必要な時間が長く
なる。横方向酸化の時間を短くすると、横方向酸化でき
る領域の面積が狭くなる。
【0043】なお、上述の実施例においては、種子結晶
層上方に半導体デバイスを形成したが、アモルファス層
上方にも半導体デバイスを作成してもよい。ただし、種
子結晶層上に成長する結晶は高い結晶性が保証される
が、アモルファス層の上に成長する結晶は結晶性が低下
することも考えられる。安全のためには、素子領域に合
わせた開口部を形成することが好ましい。
【0044】図4(A),(B),(C),(D)は、
横方向酸化を行なうための開口パターンの例を示す。図
4(A)は、正方形の領域3を囲んで格子状に開口4を
形成する場合を示す。図4(B)は、長方形の領域3を
囲んで格子状に開口4を形成する場合を示す。これらの
パターンはレーザ、HEMT等の個別半導体デバイスを
作成する場合に好適であろう。
【0045】図4(C)は、幅広のストライプ領域3を
画定する幅狭のストライプ状開口4を示す。横方向酸化
を均一な条件で生じさせるのに好適であろう。直列接続
された複数の半導体デバイスを作成する場合にも好適で
あろう。
【0046】図4(D)は、回路パターン3を画定する
ように開口4を作成する場合を示す。例えば、高周波集
積回路を形成する場合、配線、半導体デバイス、キャパ
シタ等の回路要素を接続した形状に回路パターン3を設
計し、この回路パターンを画定するように開口4を設計
する。
【0047】以上実施例に沿って本発明を説明したが、
本発明はこれらに制限されるものではない。例えばIn
xGa1-xAs組成として、x=0.53を用いたが、0
<または=x<または=1であればよく、それに格子整
合するようにその上の層の組成を調整すればよい。種子
半導体層としてInGaAsを用いたが、III族元素と
してIn、Al、Gaのいずれかまたはそれらの組み合
わせ、V族元素としてAs、P、Sbのいずれかまたは
それらの組み合わせを用いたIII‐V族化合物半導体を
採用することもできる。但し、Alを含むIII−V族化
合物半導体を用いる場合には、酸化がおきないように、
Alの組成を0.4以下に選択することが望ましい。種
子結晶層の上に成長する半導体層は、III族元素として
In、Al、Gaのいずれかまたはそれらの組み合わ
せ、V族元素してAs、P、Sbのいずれかまたはそれ
らの組み合わせを持ちたIII‐V族化合物半導体を用い
ても良い。半導体基板としてGaAsを用いる場合を説
明したが、他の半導体基板を用いることもできる。たと
えば、InP基板を用いても良い。この場合、中間半導
体層として例えばIn0.52Al0.48Asを用いることが
できる。
【0048】その他、種々の変更、改良、組み合わせが
可能なことは当業者に自明であろう。
【0049】以下本発明の特徴を記載する。
【0050】(付記1) 第1の格子定数の結晶で形成
された主表面を有する下地基板と、前記下地基板の主表
面を覆うアモルファス層と、前記アモルファス層上にパ
ターン状に形成され、前記第1の格子定数と異なる第2の
格子定数を有する種子結晶層と、前記種子結晶層とその
周囲に露出した前記アモルファス層との上に成長され、
前記第2の格子定数に対して成長許容範囲内の格子定数
を有する結晶層または結晶積層と、を有する基板。
【0051】(付記2) 前記基板はGaAsであり、
前記アモルファス層はAlAsを酸化した層である付記
1記載の基板。
【0052】(付記3) 前記結晶層または結晶積層は
GaAsよりもInPに近い格子定数を有するInGa
As層またはInAlAs層を含む付記2記載の基板。
【0053】(付記4) 第1の格子定数の結晶で形成
された主表面を有する下地基板と、前記下地基板の主表
面を覆うアモルファス層と、前記アモルファス層上にパ
ターン状に形成され、前記第1の格子定数と異なる第2の
格子定数を有する種子結晶層と、前記種子結晶層とその
周囲に露出した前記アモルファス層との上に成長され、
前記第2の格子定数に対して成長許容範囲内の格子定数
を有する結晶層または結晶積層と、前記結晶層または結
晶積層上に形成された電極とを有する電子装置。
【0054】(付記5) 第1の格子定数を有する下地
基板の主表面上に、前記第1の格子定数に対して成長許
容範囲内の格子定数を有する化学反応可能な中間層を成
長する工程と、前記中間層上に、前記第1の格子定数と
異なる第2の格子定数を有する種子結晶層を臨界膜厚以
内の厚さ成長する工程と、前記種子結晶層を局部的に除
去し、下の中間層を露出する開口部を形成する工程と、
前記開口部から前記中間層を横方向に化学反応させ、ア
モルファス層に変換する工程と、前記種子結晶層と露出
している前記アモルファス層の上に、前記第2の格子定
数に対して成長許容範囲内の格子定数を有する結晶層ま
たは結晶積層を成長する工程とを含む基板の製造方法。
【0055】(付記6) 前記化学反応が酸化反応であ
る付記5記載の基板の製造方法。
【0056】(付記7) 前記中間層はAlAs層であ
り、前記酸化反応がスチーム酸化であり、前記アモルフ
ァス層はAl23層である付記6記載の基板の製造方
法。
【0057】(付記8) 第1の格子定数を有する下地
基板の主表面上に、前記第1の格子定数に対して成長許
容範囲内の格子定数を有する化学反応可能な中間層を成
長する工程と、前記中間層上に、前記第1の格子定数と
異なる第2の格子定数を有する種子結晶層を臨界膜厚以
内の厚さ成長する工程と、前記種子結晶層を局部的に除
去し、下の中間層を露出する開口部を形成する工程と、
前記開口部から前記中間層を横方向に化学反応させ、ア
モルファス層に変換する工程と、前記種子結晶層と露出
している前記アモルファス層の上に、前記第2の格子定
数に対して成長許容範囲内の格子定数を有する結晶層ま
たは結晶積層を成長する工程と、前記結晶層または結晶
積層の上に電極を形成する工程とを含む電子装置の製造
方法。
【0058】(付記9) 前記下地基板がGaAs基板
であり、前記結晶層ないし結晶積層がGaAsよりも大
きな格子定数を有するIII−V族化合物半導体の層また
は積層であり、前記電子装置が高電子移動度トランジス
タ、ヘテロバイポーラトランジスタ、レーザのいずれか
である請求項8項記載の電子装置の製造方法。
【0059】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ある格子定数を有する下地基板上に、下地基板と異なる
格子定数を有する結晶層又は結晶積層を、臨界膜厚を越
えて形成することが可能となる。
【0060】このような基板を用いることにより、種々
の半導体装置を作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例による基板の製造方法を説明
するための基板の断面図である。
【図2】 本発明の実施例により作成する半導体デバイ
スの構成を概略的に示す基板の断面図である。
【図3】 本発明の実施例により作成する半導体デバイ
スの構成を概略的に示す基板の断面図である。
【図4】 本発明の実施例に使用する開口の形状の例を
示す概略平面図である。
【符号の説明】
1 下地基板 2 中間層 3 種子結晶層 4 開口 PR レジストパターン 5 バッファ層 6 結晶層又は結晶積層 11 下地基板 12 中間層 13 種子結晶層 15 バッファ層 16 チャネル層 17 電子供給層 18 キャップ層 19 ソース電極 20 ドレイン電極 21 ゲート電極 31 下地基板 32 中間層 33 種子結晶層 35 バッファ層 36 サブコレクタ層 37 コレクタ層 38 ベース層 39 エミッタ層 40 コンタクト層 51 下地基板 52 中間層 53 種子結晶層 55 バッファ層 56 コンタクト層 57、61 クラッド層 58、60 ガイド層 59 活性層 62 コンタクト層 63、64 電極 B バリア層 W ウエル層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 21/331 H01L 29/72 H 5F103 29/778 29/80 H 21/338 29/812 H01S 5/323 Fターム(参考) 5F003 BE04 BF06 BM03 BP32 5F045 AA03 AB09 AB10 AB17 AC07 AC08 AC09 AF04 CA02 CA07 CA12 CB02 DA51 DA53 5F052 DA04 DB06 GC04 KA05 5F073 AA45 AA74 CA13 CB02 CB07 DA05 DA23 DA27 DA35 EA29 5F102 FA03 GB01 GC01 GD01 GJ05 GK04 GL04 GM04 GT02 HC01 5F103 AA04 DD01 DD03 GG01 HH03 LL03 LL08 LL09 LL11 PP03 RR06

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の格子定数の結晶で形成された主表
    面を有する下地基板と、 前記下地基板の主表面を覆うアモルファス層と、 前記アモルファス層上にパターン状に形成され、前記第
    1の格子定数と異なる第2の格子定数を有する種子結晶層
    と、 前記種子結晶層とその周囲に露出した前記アモルファス
    層との上に成長され、前記第2の格子定数に対して成長
    許容範囲内の格子定数を有する結晶層または結晶積層
    と、を有する基板。
  2. 【請求項2】 第1の格子定数の結晶で形成された主表
    面を有する下地基板と、 前記下地基板の主表面を覆うアモルファス層と、 前記アモルファス層上にパターン状に形成され、前記第
    1の格子定数と異なる第2の格子定数を有する種子結晶層
    と、 前記種子結晶層とその周囲に露出した前記アモルファス
    層との上に成長され、前記第2の格子定数に対して成長
    許容範囲内の格子定数を有する結晶層または結晶積層
    と、 前記結晶層または結晶積層上に形成された電極とを有す
    る電子装置。
  3. 【請求項3】 第1の格子定数を有する下地基板の主表
    面上に、前記第1の格子定数に対して成長許容範囲内の
    格子定数を有する化学反応可能な中間層を成長する工程
    と、 前記中間層上に、前記第1の格子定数と異なる第2の格子
    定数を有する種子結晶層を臨界膜厚以内の厚さ成長する
    工程と、 前記種子結晶層を局部的に除去し、下の中間層を露出す
    る開口部を形成する工程と、 前記開口部から前記中間層を横方向に化学反応させ、ア
    モルファス層に変換する工程と、 前記種子結晶層と露出している前記アモルファス層の上
    に、前記第2の格子定数に対して成長許容範囲内の格子
    定数を有する結晶層または結晶積層を成長する工程とを
    含む基板の製造方法。
  4. 【請求項4】 第1の格子定数を有する下地基板の主表
    面上に、前記第1の格子定数に対して成長許容範囲内の
    格子定数を有する化学反応可能な中間層を成長する工程
    と、 前記中間層上に、前記第1の格子定数と異なる第2の格子
    定数を有する種子結晶層を臨界膜厚以内の厚さ成長する
    工程と、 前記種子結晶層を局部的に除去し、下の中間層を露出す
    る開口部を形成する工程と、 前記開口部から前記中間層を横方向に化学反応させ、ア
    モルファス層に変換する工程と、 前記種子結晶層と露出している前記アモルファス層の上
    に、前記第2の格子定数に対して成長許容範囲内の格子
    定数を有する結晶層または結晶積層を成長する工程と、 前記結晶層または結晶積層の上に電極を形成する工程と
    を含む電子装置の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記下地基板がGaAs基板であり、前
    記結晶層ないし結晶積層がGaAsよりも大きな格子定
    数を有するIII−V族化合物半導体の層または積層であ
    り、前記電子装置が高電子移動度トランジスタ、ヘテロ
    バイポーラトランジスタ、レーザのいずれかである請求
    項4記載の電子装置の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007503710A (ja) * 2003-08-22 2007-02-22 ザ ボード オブ トラスティース オブ ザ ユニバーシティ オブ イリノイ 半導体素子及び方法

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