JP3314794B2 - 半導体レーザおよびその製造方法 - Google Patents

半導体レーザおよびその製造方法

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JP3314794B2 JP03840394A JP3840394A JP3314794B2 JP 3314794 B2 JP3314794 B2 JP 3314794B2 JP 03840394 A JP03840394 A JP 03840394A JP 3840394 A JP3840394 A JP 3840394A JP 3314794 B2 JP3314794 B2 JP 3314794B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、多重量子構造の活性層
を有する半導体レーザおよびその製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体基板上に細線形、ドット形
の微細な半導体活性層が形成されている構成を有する半
導体レーザが種々提案されている。
【0003】このような量子細線構造の半導体レーザに
よれば、キャリアを低次元の空間に閉じ込めることによ
る量子力学的効果により、キャリアの状態密度が急峻に
なるため光学利得スペクトルが急峻になり、そのため最
大利得値が増大することを利用して、低しきい値性、発
振スペクトルの高安定性等を示す高性能な特性を有する
レーザを実現することができる。
【0004】ところで、従来の多重量子細線の活性層を
有する半導体レーザにおいては、量子細線構造を作成す
るにあたり、予め量子井戸層を半導体基板上に成長し、
その後、電子線リソグラフィー法等で微細なマスクを形
成し、ドライ、およびウエットエッチング法により量子
井戸層をエッチングする方法で形成されていた。また、
これとは逆に、予め基板上にSiO2 等の微細マスクを
形成し、その後選択成長することにより量子細線構造を
形成する方法などが採られていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の多重量
子細線構造の活性層を有する半導体レーザの場合、量子
井戸層をエッチングした量子細線構造を形成する方法に
おいては、プロセスが複雑であることに加え活性層をド
ライエッチング法で形成する場合には活性層に損傷が入
ること、ウエットエッチング法ではサイドエッチングが
入るなど制御性が無い等欠点を有していた。また、予め
基板上にSiO等の微細マスクを形成し、その後選択
成長することにより量子細線構造を形成する方法におい
ても、基板準備のプロセスが複雑であることに加え、レ
ーザへの応用の場合にはマスクの除去、再成長の工程が
必要であり工程が増え、活性層に損傷が入り、さらには
生産性に乏しい等の欠点を有していた。
【0006】よって、本発明は、上述した欠点のない、
新規な多重量子細線構造の活性層を有する半導体レーザ
およびその製造方法を提案せんとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、半導体基板上に少なくともガイド層、発
光活性層、ガイド層構造を有する半導体多層膜を積層し
た半導体レーザにおいて、前記発光活性層が、原子ステ
ップの凝集による周期的コラゲーションを有する歪超格
子構造のガイド層と該歪超格子構造の上に成長した量子
細線構造を有する歪量子井戸層の発光層からなるもの
である。
【0008】また、本発明は、半導体基板上に少なくと
も多重量子井戸構造の活性層を有する半導体レーザにお
いて、前記半導体基板が(001)方位から1°以上傾
斜したものを用い、原子ステップの凝集による周期的コ
ラゲーションを有するとともに発振波長に対して吸収を
生じない歪超格子構造をガイド層内に備え、該歪超格子
構造の上に成長した量子細線構造を有する歪量子井戸層
を活性層とするものである。
【0009】また、本発明は、半導体基板が(001)
方位から[100]方向に1°以上傾斜したものを用い
ることを特徴としている。
【0010】また、本発明は、半導体基板が(001)
方位から[110]方向に1°以上傾斜したものを用い
ることによっても実現できる。
【0011】また、本発明は、半導体基板上に少なくと
もガイド層、発光活性層、ガイド層構造を有する半導体
多層膜を積層した半導体レーザにおいて、前記発光活性
層が歪超格子構造のガイド層と歪量子井戸層の発光層か
らなり、該量子井戸層は原子ステップの凝集による周期
的コラゲーションを有する量子細線であることによって
実現できる。
【0012】さらに、他の発明としては、半導体基板上
に複数の半導体多層膜を積層し、結晶成長の異方性によ
る量子細線構造の活性層を有する半導体レーザの製造方
法であって、少なくとも傾斜基板上に原子ステップの凝
集する歪超格子層からなる薄膜を形成する工程と、前記
薄膜上に歪量子井戸活性層からなる原子ステップの周期
的なコラゲーションを形成する工程からなることを特徴
とするものである。
【0013】また、本発明の半導体レーザの製造方法に
おいては、前記歪超格子層の歪層がInGaAsP薄膜
であり、前記歪量子井戸活性層がInGaAs薄膜層で
あることを特徴とするものである。
【0014】
【作用】本発明による多重量子構造の活性層を有する半
導体レーザによれば、傾斜した化合物半導体基板上への
歪超格子層を形成することにより原子サイズのステップ
の凝集による周期性を持つコラゲーションを促進し、そ
の上に形成する歪量子井戸活性層に周期的なコラゲーシ
ョン構造の多重量子細線構造が形成されるという結晶成
長固有の特性を利用したものであり、ステップの凝集を
促進する歪超格子層に歪量子井戸活性層の発光波長帯に
対して吸収を生じない組成を選んでいるため、レーザ発
光特性は歪量子井戸活性層に形成される量子細線による
量子力学的な効果を顕著に実現したものとなる。
【0015】また、本発明は、半導体多層薄膜の歪み界
面でのステップの凝集による周期的なコラゲーション構
造の形成という結晶成長による固有の特性を利用して量
子細線を形成するものであり、従来の半導体レーザのよ
うに活性層成長の前後で量子細線を形成するための微細
パタンの形成やエッチング工程がないため、量子細線構
造の活性層を有する高性能な半導体レーザを再現性良く
実現することができる。
【0016】
【実施例】次に、図を参照して、本発明の実施例を述べ
る。
【0017】(実施例1)図1は、本発明の第1の実施
例のレーザエピ断面図を示す。1はn+ −InP基板、
2はn−InPバッファ層、3,6はInGaAsPガ
イド層、4はInGaAsP/InGaAsP歪超格子
層、5はInGaAs歪量子井戸活性層、7はp−In
Pクラッド層、8はp+ −InGaAsキャップ層であ
る。まず、この構造を実現するための製造方法について
述べる。化合物半導体基板上に多重量子細線構造の半導
体多層薄膜を積層するために、有機金属気相成長(MO
CVD)装置あるいは分子線エピタキシー(MBE)装
置を用いた。MOCVD法では、半導体薄膜成長用の原
料としてトリメチルインジウム(TMI),トリエチル
ガリウム(TEG),アルシン(AsH3 ),p型ドー
パントとしてジエチルジンク(DEZn)を利用した。
エピタキシャル成長温度は630℃、成長圧力は約0.
1気圧、水素ガスキャリアである。薄膜の成長速度は約
2μm/hである。
【0018】n+ −InP半導体基板1を(001)方
位から1°以上傾斜したものを基板ホルダーに設置し、
所定の温度に設定したのち、n−InPバッファ層2、
InGaAsPガイド層3を連続して成長する。引き続
き、InGaAsP/InGaAsP歪超格子層4およ
びInGaAs歪量子井戸活性層5を成長する。その
後、InGaAsPガイド層6、p−InPクラッド層
7を積層する。
【0019】次に、活性層への注入電流の狭窄のための
InP埋め込み層8を形成するため、幅1.5〜2μm
程度のストライプで活性層を横切る深さまでエッチング
を行う。そのためにフォトリソグラフィーでパターニン
グし、これをマスクにウエットあるいはドライエッチン
グでエッチングする。その後、InP埋め込み層を成長
する。このときSiO2 あるいはSi34 等の絶縁膜
をエッチングマスクとし、さらには埋め込み成長時の選
択成長マスクとして使用する。埋め込み成長後、絶縁膜
マスクを除去しp−InPクラッド層7の増し成長とp
+ −InGaAsキャップ層9を積層する。
【0020】埋め込み成長後、Cr/AuあるいはTi
/Pt/Au等のp電極10、AuGeNi等のn電極
11を形成する。その後、オーミックシンターし、電極
部まで形成する。図2は、本発明の実施例1のレーザの
構造を示す断面図を示す。
【0021】以上の製造工程により、本発明のInGa
AsP/InGaAsP歪超格子層4の上にInGaA
s歪量子井戸活性層5が製造されるが、本発明のInG
aAs歪量子井戸活性層5は結晶成長による固有な細線
構造を利用するものである。すなわち、傾斜したInP
基板上へのInGaAsP/InGaAsP歪超格子層
4の薄膜成長中に原子サイズのステップの凝集による周
期性を持つコラゲーションが形成される。このコラゲー
ションは成長が進み歪ヘテロ界面が現れる毎にステップ
の凝集が進むため、歪超格子構造4の成長初期では顕著
ではないステップの凝集は歪超格子構造4の成長後半に
は明瞭なコラゲーション構造が発生するに至るほど顕著
なものとなる。その後、成長されるInGaAs歪量子
井戸活性層5もコラゲーション構造をとり、多重量子細
線構造が形成される。
【0022】このとき、歪超格子構造4はInGaAs
歪量子井戸活性層5の波長帯に対して吸収を生じない組
成を選んでいる。例えば、1.55μm帯である層厚4
7ÅのIn0.62Ga0.38As歪量子井戸活性層に対し
て、歪InGaAsP層は膜厚50Åで、その組成とし
てはIn0.95Ga0.05As0.450.55であり、InGa
AsP層は膜厚100Åで、その組成としてはIn0.76
Ga0.24As0.550.45である。また、層数としては5
層である。さらに歪超格子構造4、InGaAs歪量子
井戸活性層5の歪層、膜厚は全体で転位発生の臨界値以
下になるようにしている。
【0023】本発明のInGaAs歪量子井戸活性層5
のコラゲーションの大きさ(量子細線の大きさでもあ
る)を電子顕微鏡で観察すると、InP(001)基板
面に[110]方向に2度傾斜した基板の場合には、図
3(A)に平面図および(B)に断面図を示すような、
平面が線状、断面が四角形状の細線であり、量子細線の
周期が約200nmで、その振幅が約9nmであった。
図中、Aはコラゲーションの振幅、Pは周期を示す。量
子細線の大きさや形状は、基板の傾斜角度やInGaA
sP/InGaAsP歪超格子層4の膜厚と組成で制御
することができる。図3(A)の量子細線30同士の間
は成長条件によって離れていることもあれば接触してい
ることもある(後記図6,図7の量子ドットの場合も同
様に成長条件によってドット間が離れたり接触したりし
ている)。基板の傾斜角度とコラゲーションとの関係を
明らかにするために、基板を(001)ジャスト基板か
ら数度ずつ傾斜させ、(111)ジャスト基板までにわ
たってコラゲーションの形成を調べた結果、(001)
のジャスト(0度)基板および(111)ジャスト基板
ではコラゲーションは形成できなかった。傾斜角度が1
度以上の基板ではコラゲーションが観測でき、基板傾斜
角度が53.7度まで多様なコラゲーションを確認し
た。コラゲーションの形成は、基板の傾斜によるステッ
プ密度のある値以上の存在が必要であり、(001)面
と(111)面が混在して形成されている原子的ステッ
プの凝集により生成することがわかる。
【0024】なお、本発明のInGaAs歪量子井戸活
性層5のコラゲーションの形成にはその下層のInGa
AsP/InGaAsP歪超格子層4が必要で、単なる
InGaAsP層では形成できない。すなわち、n+
InPの傾斜基板1上に、n−InPバッファ層2およ
びInGaAsPガイド層3を形成しても、InGaA
sPガイド層3に歪みが含まれていないため、ステップ
の凝集が起らず、コラゲーションが形成できないのであ
る。その理由は、歪み層成長時にステップを有する結晶
成長の表面においては、結晶成長で生成するステップの
歪み界面での横方向の成長速度(VA )と歪みのない界
面での横方向での成長速度(VB )に差異があり、この
成長速度の差異はヘテロ界面のエネルギーの大きさに比
例するため、歪み層上への成長によりステップの凝集が
顕著となるためである。
【0025】本発明のポイントは、傾斜基板上にガイド
層を形成した後にInGaAsP/InGaAsP歪超
格子層4を形成し、その上にInGaAs歪量子井戸活
性層5のコラゲーションを結晶成長固有の特性を利用し
て形成したことにあり、InGaAsP/InGaAs
P歪超格子層4はInGaAs歪量子井戸活性層5のコ
ラゲーション構造を形成するための機能を発揮するもの
であるため、光学的作用が必要なく、発振波長に対して
吸収を生じないInGaAsP/InGaAsP歪超格
子層4であればよい。このため、InGaAs歪量子井
戸活性層5はコラゲーションによる量子細線としての量
子井戸効果のみを抽出するため、従来のInP基板上歪
量子井戸レーザと比べて、低しきい値で急峻な発振スペ
クトルで、かつスペクトルの安定性に優れていた。これ
はキャリアを低次元の空間に閉じ込めることによる量子
力学的効果により、キャリアの状態密度が急峻になるた
め光学利得スペクトルが急峻になり、そのため最大利得
値が増大したためである。なお、InGaAs歪量子井
戸活性層5を多重にすることは可能であり、その層数は
歪み層全層の総膜厚が転位発生の臨界膜厚以下であれば
よい。
【0026】なお、従来技術により微傾斜基板上に歪み
多重量子井戸構造の活性層を有するレーザの場合には、
ステップの凝集が不完全であり、さらに不均一であるた
め、量子細線としての周期的再現性が不備であり量子効
果の現われる部分と現われない部分が混在することとな
り、活性層全体の光学スペクトルが平坦な特性となって
しまう。
【0027】また、従来の多重量子細線構造の活性層を
有する半導体レーザの製造方法では、(1)量子井戸層
をエッチングしている量子細線構造を形成する方法にお
いては、活性層をドライエッチング法で形成する場合に
は活性層に損傷が入ること、(2)ウエットエッチング
法ではサイドエッチングが入るなど制御性が無い等の欠
点を有していた。また、従来の予め基板上にSiO2
の微細マスクを形成し、その後選択成長することにより
量子細線構造を形成する方法においても、マスクの除
去、再成長の行程が必要であり行程が増え、損傷が入る
等の欠点を有していた。
【0028】これに対して、本発明の製造方法は、
(1)量子井戸層のエッチングによる量子細線構造を形
成する工程を必要としないこと、(2)量子細線の大き
さは基板の傾斜角度と歪超格子層4の組成や膜厚による
歪量で制御できること、(3)量子細線の大きさがエッ
チングマスクなどの加工精度に依存しないこと、などの
特徴を有している。
【0029】以上は、MOCVD法による半導体多層膜
の成長の場合であるが、MBE成長による半導体多層膜
の成長では、成長温度を500℃、成長圧力を10-5
orrとし、原料として金属ガリウム(Ga)、インジ
ウム(In)、アルシン(AsH3 )、ホスフィン(P
3 )を、ドーパントとしてn型がシリコン(Si)、
p型がベリリウム(Be)を用い、成長速度が2μm/
hの成長条件によっても本発明を実施できた。
【0030】(実施例2)図4は、本発明の第2の実施
例のレーザエピ断面図を示す。12はn+ −GaAs基
板、13はn−GaAsバッファ層、14はn−A1G
aAsクラッド層、15および20はA1GaAsガイ
ド層、16および19はA1GaAsSCH層、17は
InGaAsP/A1GaAs歪超格子構造、18はI
nGaAs歪量子井戸活性層、21はp−A1GaAs
クラッド層、22はp+ −GaAsキャップ層である。
【0031】この構造を実現するために、まず、エピタ
キシャル結晶成長装置(MOCVD法:有機金属気相成
長装置あるいはMBE法:分子線エピタキシー法)によ
り、エピ層13から22まで成長する。なお、半導体薄
膜用材料として、実施例1で使用したものに加えMOC
VD法ではトリメチルアルミニウム(TMA)を、MB
E法ではアルミニウム(A1)、砒素(As固体)を用
いた。成長温度は600℃〜750℃である。
【0032】このとき、n+ −GaAs半導体基板12
を(001)方位から1°以上傾斜したものを用いる。
歪超格子構造の成長中にステップの凝集による周期性を
持つコラゲーションが形成される。このコラゲーション
は成長が進み歪ヘテロ界面が現れる毎にステップの凝集
が進むため、歪超格子構造17の成長初期では顕著では
ないステップの凝集は歪超格子構造17の成長後半には
明瞭なコラゲーション構造が発生するに至るものとな
る。その後成長されるInGaAs歪量子井戸活性層1
8もコラゲーション構造をとり、多重量子細線構造が形
成される。
【0033】ここで、歪超格子構造17はInGaAs
歪量子井戸活性層18の波長帯に対して吸収を生じない
組成を選んでいる。例えば、0.98μm帯である層厚
100ÅのIn0.8 Ga0.2 As歪量子井戸活性層に対
して、歪InGaAsP層は膜厚100Åで、その組成
としてはIn0.48Ga0.52As0.370.63であり、A1
GaAs層は膜厚100Åで、その組成としてはA1
0.1 Ga0.9 Asである。また、層厚としては1〜5層
である。また、歪超格子構造17は、InGaAs歪量
子井戸活性層18の歪層の歪量、膜厚は全体で転位発生
の臨界値以下になるようにしている。
【0034】成長後、キャップ層22並びにクラッド層
21を加工して、幅1.5〜3μm程度のリッジを形成
する。そのためにフォトリソグラフィーでパターニング
し、これをマスクにウエットあるいはドライエッチング
で22,21層をエッチングする。深さは横モードを考
慮して決定し、ガイド層20までエッチングする場合も
ある。リッジ形成後、マスクを剥離し、スパッタリング
等で絶縁膜23(SiO2 等)を表面全体に形成し、リ
ッジ上部のSiO2 をエッチオフした後、Cr/Auあ
るいはTi/Pt/Au等のp電極24、AuGeNi
等のn電極25を形成する。その後、オーミックシンタ
ーし、電極部まで形成する。図5は、本発明の実施例2
のレーザ構造図(断面図)を示す。
【0035】本発明のInGaAs歪量子井戸活性層1
8のコラゲーションの大きさ(量子細線の大きさでもあ
る)を電子顕微鏡で観察すると。GaAs(001)基
板面に[110]方向に2度傾斜した基板の場合には、
図3(A)に平面図、(B)に断面図を示すような形状
をしており、量子細線の周期が約250nmで、その振
幅が約20nmであった。
【0036】また、
【0037】
【外1】
【0038】基板{(311)B基板に相当する}の場
合には、図6(A)に平面図、(B)に断面図を示すよ
うな平面が六角形状で断面が台形の形状をしており、量
子細線の周期が約30〜150nmで、その振幅が約2
0nmのドット形状であった。図中、Aはコラゲーショ
ンの振幅、Pは周期を示す。
【0039】本発明による実施例2のレーザは従来のG
aAs基板上歪量子井戸レーザに比べて、低しきい値で
発振スペクトルの安定性に優れていた。さらに従来のG
aAs基板上量子細線レーザと比べて、低しきい値で発
振スペクトルの安定性に優れていた。これらは本発明に
よる実施例1の場合と同様の理由による。
【0040】(実施例3)エピタキシャル結晶成長装置
(MOCVD法:有機金属気相成長装置あるいはMBE
法:分子線エピタキシー法)により、実施例1のレーザ
と同様のエピ構造を成長する。この時、n+ −InP半
導体基板1を(001)方位から[110]方向に1°
以上傾斜したものを用いる。本発明の実施例1と同様の
行程でレーザ構造を作製する。
【0041】この面方位の基板上では歪超格子構造の成
長中にキンク、ステップの凝集による周期性を持つドッ
ト形状が形成される。このドット形状は成長が進み歪ヘ
テロ界面が現れる毎にキンク、ステップの凝集が進むた
め、歪超格子構造4の成長初期では顕著ではないキン
ク、ステップの凝集は歪超格子構造4の成長後半には明
瞭なドット形状が発生するに至るものとなる。その後成
長されるInGaAs歪量子井戸活性層5もドット形状
をとり、多重量子ボックス構造が形成される。この時、
歪超格子構造4はInGaAs歪量子井戸活性層5の波
長帯に対して吸収を生じない組成を選んでいる。また、
歪超格子構造4、InGaAs歪量子井戸活性層5の歪
層、膜厚は全体で転位発生の臨界値以下になるようにし
ている。
【0042】本発明のInGaAs歪量子井戸活性層1
8のコラゲーションの大きさ(量子細線の大きさでもあ
る)を電子顕微鏡で観察すると、
【0043】
【外2】
【0044】図7(A)に平面図、(B)に断面図を示
すような平面が三角形、断面が四角形のドット断面形状
で、量子細線の周期が約100〜200nmで、その振
幅が約10nmであった。図中、Aはコラゲーションの
振幅、Pは周期を示す。
【0045】本発明による実施例3のレーザは本発明に
よる実施例1のレーザと比べて、さらに低しきい値で発
振スペクトルの安定性に優れていた。これは活性層構造
が多重量子ドット構造となったことにより量子力学的効
果がさらに増大したためである。
【0046】
【発明の効果】本発明によるレーザはキャリアを低次元
の空間に閉じ込めることによる量子力学的効果により、
キャリアの状態密度が急峻になるため光学利得スペクト
ルが急峻になり、最大利値が増大したため、低しきい値
で発振スペクトルが急峻でかつ安定性が優れている。ま
た、本発明の製造方法は、量子細線の形成を結晶成長に
より行なうため、エッチングする工程が不要であり、活
性層に損傷がなく、量子細線の制御性が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による半導体レーザの一実施例1のレー
ザエピ断面を示す模式的断面図である。
【図2】本発明による半導体レーザの一実施例1のレー
ザ構造を示す模式的断面図である。
【図3】本発明による量子細線の概略図であり、(A)
は平面図、(B)は断面図である。
【図4】本発明による半導体レーザの一実施例2のレー
ザエピ断面を示す模式的断面図である。
【図5】本発明による半導体レーザの一実施例2のレー
ザ構造を示す模式的断面図である。
【図6】量子ドットの形状の概略図であり、(A)は平
面図、(B)は断面図である。
【図7】量子ドットの形状の概略図であり、(A)は平
面図、(B)は断面図である。
【符号の説明】
1 n+ −InP基板 2 InPバッファ層 3 InGaAsPガイド層 4 InGaAsP/InGaAsP歪超格子構造
(層) 5 InGaAs歪超格子活性層 6 InGaAsPガイド層 7 p−InPクラッド層 8 InP埋め込み層 9 p+ −InGaAsコンタクト層 10 p電極 11 n電極 12 n+ −GaAs基板 13 n−GaAsバッファ層 14 n−A1GaAsクラッド層 15 A1GaAsガイド層 16 A1GaAsSCH層 17 InGaAsP/A1GaAs歪超格子構造 18 InGaAs歪超格子活性層 19 A1GaAsSCH層 20 A1GaAsガイド層 21 p−A1GaAsクラッド層 22 p+ −GaAsキャップ層 23 絶縁膜 24 p電極 25 n電極 30 量子細線 A コラゲーションの振幅 P コラゲーションの周期
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 リヒャルト ネェツェル 東京都千代田区内幸町1丁目1番6号 日本電信電話株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−53602(JP,A) 特開 平5−48201(JP,A) 特開 平3−34594(JP,A) 特開 平3−3384(JP,A) 特開 平6−21564(JP,A) 特開 平5−326922(JP,A) 特開 平6−85387(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01S 5/00 - 5/50

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板上に少なくともガイド層、発
    光活性層、ガイド層構造を有する半導体多層膜を積層し
    た半導体レーザにおいて、 前記発光活性層が、原子ステップの凝集による周期的コ
    ラゲーションを有する歪超格子構造のガイド層と該歪超
    格子構造の上に成長した量子細線構造を有する歪量子井
    戸層の発光層からなることを特徴とする半導体レー
    ザ。
  2. 【請求項2】 半導体基板上に少なくとも多重量子井戸
    構造の活性層を有する半導体レーザにおいて、 前記半導体基板が(001)方位から1°以上傾斜した
    ものを用い、原子ステップの凝集による周期的コラゲー
    ションを有するとともに発振波長に対して吸収を生じな
    い歪超格子構造をガイド層内に備え、該歪超格子構造の
    上に成長した量子細線構造を有する歪量子井戸層を活性
    層とすることを特徴とする半導体レーザ。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、半導体基板
    が(001)方位から[100]方向に1°以上傾斜し
    たものを用いることを特徴とする半導体レーザ。
  4. 【請求項4】 請求項1または2において、半導体基板
    が(001)方位から[110]方向に1°以上傾斜し
    たものを用いることを特徴とする半導体レーザ。
  5. 【請求項5】 半導体基板上に少なくともガイド層、発
    光活性層、ガイド層構造を有する半導体多層膜を積層し
    た半導体レーザにおいて、 前記発光活性層が歪超格子構造のガイド層と歪量子井戸
    層の発光層からなり、該量子井戸層は原子ステップの凝
    集による周期的コラゲーションを有する量子細線である
    ことを特徴とする半導体レーザ。
  6. 【請求項6】 半導体基板上に複数の半導体多層膜を積
    層し、結晶成長の異方性による量子細線構造の活性層を
    有する半導体レーザの製造方法であって、少なくとも傾
    斜基板上に原子ステップの凝集する歪超格子層からなる
    薄膜を形成する工程と、前記薄膜上に歪量子井戸活性層
    からなる原子ステップの周期的なコラゲーションを形成
    する工程からなることを特徴とする半導体レーザの製造
    方法。
  7. 【請求項7】 請求項6において前記歪超格子層の歪層
    がInGaAsP薄膜であり、前記歪量子井戸活性層が
    InGaAs薄膜層であることを特徴とする半導体レー
    ザの製造方法。
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