JP3278035B2 - 電流狭窄構造を持った量子箱構造及びその作成法 - Google Patents

電流狭窄構造を持った量子箱構造及びその作成法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体中央に孤立形成
された量子箱領域への電流注入機構を実現する電流狭窄
構造作成法及び、電流狭窄構造を持った量子箱構造に関
するものである。
【0002】
【従来技術】半導体中央に孤立形成された領域への電流
注入は、成長膜横方向での電流狭窄が困難となり、無効
電流の増大を招く。半導体中央に孤立形成された領域の
典型的な例としては量子細線、量子箱があげられる。
【0003】超格子構造を用いた半導体装置は、従来の
ものに比較して、低しきい電流の半導体レーザや高速動
作のトランジスタの実現を可能とする。現在検討されて
いる超格子構造としては、1次元量子井戸構造(量子薄
膜)が主流であり、これを利用した半導体レーザについ
ては下記の文献に記されている。例として、Tsang, W.
T., "Extremely Low Temperature (AlGa)As Modified M
ulti-Quantum Well Heterostructure Lasers Grown by
Molecular Beam Epitaxy", Appl. Phys. Lett.,39, p78
6-788 (1981)がある。1次元量子井戸構造に対して、2
次元量子井戸構造(量子細線)、3次元量子井戸構造
(量子箱)と高次元化していくと、更に優れた特徴を有
するデバイスの作成が可能となることが予想される。
【0004】図17(a),(b),(c)はそれぞれ
1次元、2次元、3次元量子井戸の構造の概念図であ
り、図18(a),(b),(c)のそれぞれは図17
(a),(b),(c)に示したものの電子の状態密度
とエネルギーの関係を示す図である。バルク結晶の状態
においては、図 18(a)中の放物線形をしていた状
態密度が、1次元、2次元、3次元量子井戸構造におい
ては、それぞれ階段状(図 18(a))、のこぎり歯
状(図18(b))およびパルス列状(図18(c))
に変化していく。この様な状態密度の変化に伴って光吸
収や発光状態も順次変化してゆくことが予想されるた
め、極めて低いしきい値の半導体レーザが期待できる。
更に、2次元量子井戸構造では散乱機構の単純化により
電子移動度が高まることも予想されており、電子デバイ
スの面からも重要となる。
【0005】2次元量子井戸構造を用いた量子細線レー
ザや3次元量子井戸を用いた量子箱レーザでは上記のよ
うな特徴から以下の様な効果が期待されている。 (1)低しきい電流レーザ。 (2)しきい電流の温度依存性が小さい。 (3)緩和振動共振周波数の増大による高速度変調の向
上。 (4)発振スペクトル線幅が狭い。
【0006】
【発明が解決しようとしている課題】以上の様に量子化
の次元を上げることは、様々な長所を有しているもので
あるが、その作成方法は未だに開発段階である。特に、
電流の注入方法に関しては更なる開発検討が必要であ
る。図19(a),(b)は量子箱を半導体中に作成し
た例を示す。図19中、201は量子箱である。通常、
キヤリアをこの量子箱201内に閉じ込めるため、20
1の量子箱周辺の材料は量子箱の材料よりもバンドギャ
ップを大きくする。ここでは、202、203の部分が
量子箱201よりもバンドギャップの広い材料である。
この様な量子箱201をもったデバイス中に電流を流す
と、図19(b)の様に電流が流れる。この図は、図1
9(a)の断面A−A’,B−B’の部分で切った場合
である。電流は、203の上層から202の下層に流れ
るものとする。供給された電流が総て量子箱201に供
給されることが望ましいのであるが、実際には量子箱2
01に流れる電流206 と量子箱外を流れる無効電流
207に分かれる。この様に半導体中央に形成された領
域への注入は、積層水平方向の電流狭窄に問題がある。
【0007】よって、本発明の目的は、上記問題点を解
決した、半導体中央に孤立形成された量子箱領域への電
流注入機構を実現する電流狭窄構造作成法及び、電流狭
窄構造を持った量子箱構造を提供することにある。
【0008】
【課題を解決する為の手段】上記目的を達成する半導体
装置作成法は、閃亜鉛鉱型結晶構造を有した半導体基板
の少なくとも一部に異なる面方位を持つ面部を形成する
工程と、該異なる面方位を持つ面部の上で、面方位によ
って導電型の異なる結晶成長法を一部に使用する結晶成
長法により半導体層を積層して量子箱を形成する工程と
を含むことを特徴とする。この場合、異なる面方位を持
つ面部が縦横方向において充分小さく、その回りの露出
面の面方位が適当であれば(即ち、次工程の結晶成長法
でpnp又はnpn構造が形成される面方位であれ
ば)、そのまま、面方位によって導電型の異なる結晶成
長法を一部に使用することにより半導体層を積層して量
子箱領域へのみ電流注入される量子箱を形成することが
できる。
【0009】異なる面方位を持つ面部が広い場合は、閃
亜鉛鉱型結晶構造を有した半導体基板の少なくとも一部
に異なる面方位を持つ面部を形成する工程の次に、該異
なる面方位を持つ面部に選択成長を用いて部分的に電流
狭窄する構造を形成する工程を実行したり、該異なる面
方位を持つ面部を部分的にエッチングして取り除き部分
的に電流狭窄する構造を形成する工程を実行したりす
る。
【0010】具体的には、以下の様にしてもよい。該異
なる面方位を持つ面部はIII面とV面を持つノコギリ
状の第1の周期構造部である。III族面とV族面がG
a面、As面である。該選択成長は第1の周期構造を横
切る方向に第2の周期構造で行なう。該エッチングは第
1の周期構造を横切る方向に第2の周期構造で行なう。
該結晶成長法は両性不純物を用いる。本方法を実施する
ドーパントとしてはSiのみではなく、SeとZnを同
時にドーピングしても同様の効果が得られる。
【0011】また、上記目的を達成する電流狭窄構造を
持った量子箱構造は、量子箱の回りにpnp又はnpn
構造が形成されていて、該量子箱にのみ電流が流れる様
に電流狭窄する電流狭窄構造を持つことを特徴とする。
【0012】本方法は、基板を加工し所望の半導体膜の
みに電流を流せるように、積層横方向に半導体のp/n
極性が変化する様にした構成を提案するものである。或
は、本方法は、基板を加工し量子箱に対応した部分のみ
半導体のp/n極性が変化する様にし、電流が量子箱部
分にのみ流れる様にした構成を提案するものである。
【0013】具体例で本発明の原理を説明する。GaA
sを代表とするジンクブレンド構造(閃亜鉛鉱型結晶構
造)を有する半導体基板でかつ{111}面に対して0
度〜20度の範囲で傾いた表面方位を持つ領域を少なく
とも一部に有した半導体基板上に、周期的凹凸を形成し
(即ち、異なる面方位を持つ面部を形成する)、該凹凸
上および他の平坦な面に両性不純物を有するIII−V
膜をエピタキシャル成長させることにより、電流狭窄層
を持った量子箱を作成する。また、半導体の結晶成長速
度はその結晶面により異なる。例えば、(111)面は
(100)面に比較し成長速度は遅く、更に(110)
は(111)面よりも遅い。詳しくは、Journal of App
lied Physics Vol.64, 3522 (1988)の文献を参照された
い。これらの原理を利用すると容易に半導体細線、箱に
有効な電流狭窄構造が作成できる。
【0014】より具体的には、1つの具体例では以下の
3つのステップを含む。まず第1のステップとして、ジ
ンクブレンド構造を有した半導体{111}A面から0
〜20度の範囲で傾いた表面方位を持つ基板1に、例え
ば、所定のピッチのグレーティングを形成する。作成法
としては、干渉露光法を利用する。図1中、4は干渉露
光にて作成されたピッチ240nmの周期構造である。
第2のステップとして、その周期構造4を横方向に細線
構造に分離する。図1中、3はSiO2膜であり厚みは
200nmとする(以下では、この領域をも符号3で示
す)。第3のステップとして、その周期構造4およびS
iO23上に、固体ソースのMBE法、または一部の分
子線源をガス化したGSMBE法、あるいは分子線源に
有機金属を用いるMOMBE法、あるいは全て分子線源
をガス化したCBE法によって、SiO2膜3を形成し
ない領域2で電流をブロックする様に半導体結晶を成長
する。
【0015】図2をもって説明する。図2は、図1を符
号5の方向から見た断面図である。この図2(a)に示
した様に周期構造層4とSiO2膜3で囲まれた基板1
の領域2上に、電流をブロックする為にまず半導体膜7
をを成長する。この半導体膜7は下層4、1とは極性が
異なる(図2(b)参照)。続いてSiO2層3を除去
する(図2(c)参照)。除去した層上に、基板1と同
一の導電型を持つ層8を形成する。続いて、9の両性不
純物を含んだ層、更に10の基板1と同一の導電型を持
つ層を積層する。領域2の層4、7、8は領域3上に形
成した量子箱の為の電流ブロック層となる。詳細は後で
記述する。続いて、活性層となる、つまり量子箱を含む
層11を成長する。更に、基板1とは反対の極性になる
層12を成長して電流狭窄を実現する。即ち、領域3の
所定の面方位の面に積層された量子箱にのみ電流が流れ
る様にする。
【0016】領域2の電流狭窄メカニズムについて説明
する。領域2付近の電流の流れを、図2(d)に示した
A−A’の部分である図3をもって説明する。電流狭窄
は、上述した様に、層4、7、8で行う。極性は層4と
層8が同じで層7のみが異なることから、層4、7、8
の接合はpnpかnpn(図3ではnpn)になる。よ
って電流13は層7にてブロックされる。こうして領域
2上の積層では電流が流れない。続いて、SiO2膜の
あった領域3における電流の流れを図4をもって説明す
る。図4は図1で符号6の方向から見た図2(d)のB
−B’の部分の断面図である。n型の基板1を利用した
場合の構成について記述する。
【0017】上で述べた様に、グレーティング4上にま
ずn型AlGaAs8を成長する。ここでは不純物とし
てSnを使用している。更に、両性不純物を含む層9を
形成する。ここでは、SiドープAlGaAs層を成長
した。更に、その上にSnドープAlGaAs10を成
長し、その上に活性層領域である11のアンドープ又は
SiドープGaAsを形成している。活性領域の最後と
して12のp型、ここではBeドープAlGaAsを形
成する。電流の流れについて説明する。(111)A面
(或は{100}面に対して20度以上の面)に対応し
た領域15は、層9のSiドープAlGaAsの部分が
p型にドーピングされるため、層8、9、10でnpn
接合が形成される。これに対して、{100}面(ここ
で、{100}面は(100)面、(010)面、(0
01)面等の等価な面を含むものとする。)から0度か
ら20度の範囲で傾いた面の領域16では、層9はn型
となる。よって、層8、9、10でnnn接合が形成さ
れて電流が流れ、電流17はこの部分のみを流れる。図
4で、18は斜面に形成された量子効果が得られる程度
の3次元量子構造である。
【0018】以上の様にSiO23を用いた選択成長に
より、SiO23の形成されなかった領域2(図2
(a)参照))での電流ブロックができ、両性不純物を
用いた成長によって、半導体中央に形成された領域18
に近接した領域3(図2(d)参照)での電流狭窄がで
きる。この結果、本方法を用いると電流は半導体中央に
孤立形成された3次元量子構造18のみに供給される。
【0019】図4の領域18において、30nm程度の
大きさの角を作成する方法を以下に説明する。図5にお
いて、グレーティング4は(111)A面から5度傾い
た基板1上に形成している。この時に成長条件として、
斜面部分のステップ面21(例えば、{100}面)よ
りテラス平面20(例えば、{111}面)での成長速
度が遅くなるような条件を選ぶことで、{111}面か
らなるテラス20と{100}面又は{311}面の段
差部21からなるノコギリ形状24を層19で形成する
ことができる。この上に、同様の条件で層19とは異な
る材質の半導体膜22を成長する。{111}面20で
の成長が遅くなる様な条件を選ぶ。この結果、22の半
導体膜はステップ部分21に集中するような形となる。
同様に、22の半導体膜とは異なる23の半導体膜を続
いて堆積する。この時の条件も{111}面20の成長
速度が遅い条件を選ぶ。この繰り返しにより組成の異な
る領域が部分的に形成できる。本発明の一つのポイント
は成長速度の異なる複数の面を形成することにある。
【0020】重要なポイントは、量子効果が期待される
幅に加工された、例えば、周期構造を用いて、成長しに
くい面と成長速度の速い面を形成すること、かつ成長し
やすい面の一片の長さが量子効果が期待できるサイズ
(50nm)程度で容易に制御できること、これらを満
たせば容易に半導体領域を箱状に部分的に閉じ込めるこ
とがきる。成長法としては、固体ソースのMBE法、ま
たは一部の分子線源をガス化したGSMBE法、あるい
は分子線源に有機金属を用いるMOMBE法、あるいは
全ての分子線源をガス化したCBE法によって半導体結
晶を成長する。
【0021】以上述べたようにして、傾斜領域を持つ基
板上に特定の周期をもつ半導体膜を作り込むことができ
る。この様に形成された周期構造のステップ部分21の
大きさを50nm以下にすることにより、量子効果を持
たせることができる。そして、このステップ部分21の
大きさは、図6において符号26で示したグレーティン
グのピッチと(111)面からの傾斜角で決定される。
【0022】具体的な一例を述べる。図6は図5の一部
分を拡大したものである。26は、干渉露光にて作成し
たグレーティングのピッチである。Λ1は240nmで
ある。この上にエピタキシャル法によって膜19を積層
するとステップ(100)面の幅B、29は次の様な式
で決定される。 B=Λ1sinθ/sinθ’ ここで、θは基板面からの{111}面20の傾斜角
度。θ’は、ここでは{111}面20とステップを形
成している面21(例えば(100)面とする)が成す
角で、例えば54.7度である。基板からの傾斜角27
を5度程度とするとステップ21に形成される(10
0)面の幅B、29は25.6nmとなる。この上にエ
ピタキシャル成長により、結晶を成長する。例えば、M
BE法を用いたGaAs上のGaAs膜の成長であれ
ば、(100)面と(111)面との成長速度の差は3
倍程度とれ、(100)面の方が速い。こうして図5に
示した様にステップ21に対応したところに量子井戸が
形成される。供給する材料を変えることにより容易に積
層可能である。この様な成長機構を有する部分にSiド
ープGaAs及びAlGaAsを積層すると、成長膜の
一部に極性の異なる領域が部分的に形成できる。以上の
様に作成することにより、電流狭窄構造を持ったデバイ
スを作成することが可能となる。
【0023】他の具体例で本発明の原理を説明する。上
記と同様に、GaAsを代表とするジンクブレンド構造
を有する半導体基板でかつ{111}面に対して0度〜
20度の範囲で傾いた表面方位を少なくとも一部に持つ
半導体基板上に、例えば、周期的凹凸を形成し、該凹凸
上および他の平坦な面に両性不純物を有するIII−V
膜をエピタキシャル成長させることにより、成長後に加
工することなく電流狭窄層を持った量子箱を作成する。
【0024】この具体例では、以下の3つのステップを
含むものとする。まず、箱の作り方である。図11にお
いて、まず第1のステップとして、図1と同様に、基板
101上にグレーティング104を形成する。作成法と
しては、干渉露光法を利用する。その作成法に関しては
実施例中で記述する。図11中、104は干渉露光にて
作成されたピッチ120nmの周期構造である。第2の
ステップとして、その周期構造104に、横方向に、量
子効果が出る程度の島103を形成する。図11中、1
02は量子効果が出るように加工した結果形成された溝
である。第3のステップとして、その周期構造104及
び溝102上に固体ソースのMBE法、または一部の分
子線源をガス化したGSMBE法、あるいは分子線源に
有機金属を用いるMOMBE法、あるいは全ての分子線
源をガス化したCBE法によって半導体結晶を成長す
る。この様子は第1の具体例での説明とほぼ同じであ
る。即ち、溝底面と周期構造テラス面上では両性不純物
を含む結晶成長の時に同じ極性を持つことになるので、
溝102及び周期構造104のテラス面にはnpn又は
pnpの電流ブロック構造が積層される。
【0025】重要なポイントは、上記と同様に、量子効
果が期待される幅に加工された、例えば、周期構造を用
いて、成長しにくい面と、成長速度の速い面を形成する
こと、かつ成長しやすい面の一片の長さが量子効果が期
待できるサイズ(50nm)程度で容易に制御できるこ
と、これらを満たせば容易に半導体領域を箱状に部分的
に閉じ込めることができる。
【0026】具体的な例を述べると、グレーティングピ
ッチΛ1は120nmである。この時、ステップに形成
される(100)面の幅B、29は、上記の関係から、
12.8nmとなる。この上にエピタキシャル成長によ
り、結晶を成長することにより、電流狭窄構造を持った
デバイスを作成することが可能となる。
【0027】この具体例の電流を注入する機構について
記述する。図12をもって説明する。上述した様に、S
iはIII−V化合物にとって両性不純物として働く。
Gaサイトに入れ替わればn型に、Asサイトと入れ替
わればp型に極性を変化させる。一般的に、{111}
A面上にSiドープGaAsを成長させるとp型GaA
sが成長できる。これに対して{100}面上に成長さ
せるとn型が形成できる。この特性を利用して電流狭窄
を実現する。図12はその実例である。基板上に、12
6に示したグレーティングを形成する。この上にSiド
ープGaAsまたはAlGaAsを成長すると、グレー
ティング斜面にはn層が成長し、グレーティングの頂上
付近にはp型が形成される。その結果、層127はp/
n両領域が部分的に形成される。下層126と同一極性
を持つn型は、128に示す様にグレーティング斜面に
形成される。同様に、その上に積層した131(Siド
ープAlGaAs)層にも横方向にステップ面130上
のn領域132が点在する。この結果、電流134は、
126のグレーティング領域から領域128、132を
通って上部に抜ける。これに対して、129の面{11
1}に対応した部分に成長した膜はSiがGaサイトに
入りp型となる。よって、126のグレーイングと12
7の界面でp/n接合を作ると共に、層131と層13
3の界面においても、n/p接合が形成され、電流13
5はブロックされ層133には到達しない。ここで12
8、132はn型GaAs及びAlGaAs領域であ
る。電流のブロックは{111}A面129に対応した
領域、つまり{111}A 面を基本とすると図13に
示すような平坦な領域で発生し、電流137は流れない
(従って、溝102でも同様に電流は流れない)。よっ
て、グレーティングのある部分136付近のみに電流1
38が通電される現象が観測される。本方法は、このS
iドープGaAs、AlGaAs膜によるp/nの変化
とBeドープによる組み合わせにより電流を狭窄しよう
とするものである。
【0028】ここまで説明してきた図12、図13は図
11を106の方向から観察したもので、図11を垂直
な方向105から観察すると図14の様な構成となって
おり、141の斜面には結晶成長しにくくすることが好
ましい。142の部分は、グレーティングが存在してい
る部分である。143の間隔を変化させることにより量
子箱の密度を制御することができる。
【0029】
【実施例1】以下に具体的な作成法を提示する。図7は
量子箱を利用したレーザである。基板46は{111}
A面から5度傾いたp基板である。基板46は符号53
の〈100〉方向に傾いている。符号54の方向は〈−
110〉方向である。この上にBeドープAlGaAs
47を積む。ここで一旦成長を止め、51のグレーティ
ングを干渉露光法を用いて形成する。エッチングは塩素
を用いたドライエッチングを使用した。グレーティング
51のピッチは約120nmであり、高さは200nm
とした。一方、箱形状を作成する為には、グレーティン
グ51に対して垂直方向の分離が必要である。図7中、
52に示す電流ブロック領域(図2における半導体膜7
のある領域)は先に示したSiO2の選択成長で作成し
た。この周期は100nmである。
【0030】この上に量子箱である活性領域48を形成
する。符号54の方向から見た活性領域48の構成を図
8に示す。グレーティング51上に、55のBeドープ
AlGaAsを50nm積層する。更に、この上に、5
6の活性層としてアンドープ又は低濃度のSiドープG
aAsを積層する。この結果、量子箱57が形成され
る。更に、この上に、58のSnドープAlGaAsを
100nm形成する。Snは、{111}A面において
もn型となる。更に、59のSiドープAlGaAsを
50nm形成する。層59は、部分的に、60ではSi
がAsサイトに入る為p型となり、61ではn型とな
る。そして、この活性領域48上に、49のクラッドを
形成する。この後の工程は図7と同様である。
【0031】60に対応した部分はp型となっている
為、層49と層58でnpn を形成し、電流35は層
58付近でブロックされる。これに対して、61に対応
した{100}面付近の面はn型となるため、層49、
58でnnn接合ができ、容易に電流62は領域61を
通って流れ、領域61が有るため量子箱57に電流が集
中する。この時、符号53の方向から見た構造について
の電流狭窄は、図2で説明した手段で行なわれる。この
上には、図7で示した様に、49のSnドープAlGa
Asクラッド、50のSnドープGaAs層をそれぞれ
1.0μm、0.5μm積層している構成となってい
る。最後にレーザとするための共振器方向を符号54の
方向に取り、共振器面は塩素のドライエッチングで形成
する。
【0032】
【実施例2】図9は本発明の第2の実施例である。図9
中、64は基板であるところのnーGaAs である。
基板64は、(111)A面から符号71の方向、つま
り〈100〉方向に5度傾いている。この上に、65の
n−AlGaAsを1.5μm作成している。ドーパン
トはSnである。ここでも、第1実施例と同様に成長を
止め、活性領域66を形成する。符号70の方向から見
た活性領域66の構成を図10に示す。69のグレーテ
ィング上に、75のSnドープのn−AlGaAsを成
長する。更に、この上に電流狭窄層を作成する。76は
SiドープAlGaAsである。これを50nm作成す
る。更に、78はSnドープAlGaAsを20nm作
成し、そして最後に79のアンドープ又はSiドープG
aAsを15nm積層し、83の箱形状の活性領域を作
成した。66の領域はこれで完成する。この66の領域
に、67のBeドープAlGaAsを成長し、そして図
9に示した様に最後にキャップ層として68のBeドー
プGaAsを成長してレーザが完成する。
【0033】領域66付近の電流の流れを説明する。電
流は75、76、78の層により周期的にブロックされ
る。76の層はSiドープとするため、(111)A面
に対応した80の領域はp型となる。よって、(11
1)A面に対応した領域上では層75、76、78でn
pnが形成され、電流はブロックされる。一方、層76
の81の領域は、(100)面に対応した部分であるた
めn型の極性を示す。よって、電流82の様にステップ
に対応して電流が通過し、量子井戸83に電流は集中す
る。この時、符号71の方向から見た構造についての電
流狭窄は、図2で説明した手段で行なわれる。領域66
はこの様な構成になっており、先にも述べたように活性
領域66の上にはクラッド67、キャップ68を形成し
ている。図9に示した様に、グレーティング69の周期
は符号71の方向に延びている。この構成では、箱形状
の横方向の幅72は40nm になる様に、電子ビーム
露光を用いて作成した。動作は第1実施例と同じであ
る。
【0034】
【実施例3】以上は図1、図2で原理を説明した実施例
であるが、次に、図11乃至図14で原理を説明した実
施例を述べる。以下に、図15に沿って具体的な作成法
を提示する。図15は量子箱を利用したレーザである。
基板146は{111}A面から5度傾いたp基板であ
る。基板146は符号153の〈100〉方向に傾いて
いる。符号154の方向は〈−110〉方向である。こ
の上に、147のBeドープAlGaAsを積む。ここ
で一旦成長を止め、151のグレーティングを干渉露光
法を用いて形成する。エッチングは塩素を用いたドライ
エッチングを使用した。グレーティング151のピッチ
は、約120nmであり高さは200nmとした。一
方、量子箱を作成する為には、グレーティング151に
対して垂直方向の分離が必要である。図15中、152
に示す分離溝をやはり干渉露光法を用いてを形成した。
エッチングも同様の塩素を用いたドライエッチングであ
る。成るべく端面は垂直性を出すようにし、周期は10
0nmである。この上に量子箱である活性領域148を
形成する。符号154の方向から見た活性領域148の
構成は図8に示す構造と同じである。この時、符号15
3の方向から見た構造についての電流狭窄は、図11で
説明した手段で行なわれる。
【0035】活性領域148の上には、図15で示した
様に、149のSnドープAlGaAsクラッド、15
0のSnドープGaAs層をそれぞれ1.0μm、0.
5μm積層している構成と成っている。最後にレーザと
するための共振器方向を符号154に取り、共振器面は
塩素のドライエッチングで形成した。
【0036】
【実施例4】図16は第4の実施例である。164は基
板であるところのnーGaAsである。基板164は、
(111)A面から符号171の方向、つまり〈10
0〉方向に5度傾いている。この上に、165のn−A
lGaAsを1.5μm作成している。ドーパントはS
nである。ここでも第3実施例と同様に成長を止め、活
性領域166を形成する。構成は図10に示す構造と同
じである。この166の領域に、167のBeドープA
lGaAsを成長し、そして図16に示した様に最後に
キャップ層として168のBeドープGaAsを成長し
てレーザが完成する。符号170の方向から見た構造に
ついての活性領域166付近の電流の流れは、図10を
用いた第2実施例での説明と同じである。図16に示し
た様に、グレーティング169の周期は符号171の方
向に延びている。この時、符号171の方向から見た構
造についての電流狭窄は、図11で説明した手段で行な
われる。この構成では量子箱の横方向の幅172は、4
0nmになる様に電子ビーム露光を用いて作成した。
【0037】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明によれば、両
性不純物を用い、例えば、細分化されたグレーティング
上に成長するのみで容易に電流狭窄構造が作成できる。
よって、成長膜中央に形成された領域に容易に電流を供
給できる様になり、従来例に比較し歩止まりの向上が図
れる。尚、本発明のポイントは、成長することにより同
時にp/nが横方向に形成できるものであれば容易に本
発明を実施できる。成長法としてはMOCVD、MB
E、CBE法等で実施可能である。また、化合物材料と
しても、InGaAsP、InAlAs、InGaAs
P/InAlAs、InAlGaP等III−V族化合
物半導体でも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の基本構成の説明図。
【図2】本発明の第1の基本構成の工程図。
【図3】本発明の第1の基本構成の電流ブロックの説明
図。
【図4】本発明の基本構成の電流狭窄の説明図。
【図5】本発明の基本構成の量子箱作成の説明図。
【図6】図5の部分拡大図。
【図7】本発明の第1の実施例の説明図。
【図8】本発明の第1の実施例の電流狭窄の説明図。
【図9】本発明の第2の実施例の説明図。
【図10】本発明の第2の実施例の電流狭窄の説明図。
【図11】本発明の第2の基本構成の説明図。
【図12】本発明の第2の基本構成の電流狭窄の説明
図。
【図13】本発明の基本構成の電流狭窄の説明図。
【図14】本発明の第2の基本構成の電流ブロックの説
明図。
【図15】本発明の第3の実施例の説明図。
【図16】本発明の第4の実施例の説明図。
【図17】従来例の説明図。
【図18】従来例の説明図。
【図19】従来例の説明図。
【符号の説明】
1、46、64、101、146、164 基板 2 SiO2のない領域 3 SiO2膜ないしSiO2膜が形成された領域 4、104 周期構造 7 電流ブロック用の半導体膜 8 基板と同一の導電型の層 9 両性不純物を含んだ層 10 基板と同一の導電型の層 11 量子箱を含む層 12 基板と反対の導電型の層 13、17、35、62、82、134、135、13
7、138 電流 15 層9のp領域 16 層9のn領域 18、57、83 量子箱 19、22、23 周期構造4上に積層された半導
体膜 20、129 テラス面 21、130 ステップ面 24 ノコギリ形状面 26 周期構造4のピッチ 29 ステップ面21の幅 47、55、147 BeドープAlGaAs 48、66、148、166 活性領域 49、67、149、167 クラッド層 50、68、150、168 キャップ層 51、69、126、151、169、136 グ
レーティング 52 電流ブロック領域 56、79 活性層 58、65、78 SnドープAlGaAs 59、76、127、131 SiドープAlGa
As 60 層59のp領域 61 層59のn領域 75、133、165 n−AlGaAs 80 層76のp領域 81 層76のn領域 102、152 分離溝 103 島 128 層127のn領域 132 層131のn領域 141 斜面 142 グレーティング部 143 グレーティング部の間隔

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】閃亜鉛鉱型結晶構造を有した半導体基板上
    に第1の周期の凹凸を有する周期構造部を形成する工
    程、該周期構造部を横切って、これを複数の細線構造に
    分離するように該周期構造部及び該半導体基板に分離溝
    を形成する工程、及び該周期構造部が有する互いに面方
    位の異なる面部及び該分離溝上に、両性不純物を含む半
    導体層を成長させ、面方位により導電型の異なる領域を
    形成することで、該面部の一方の面方位を持つ部分と該
    分離溝とに電流ブロック構造を形成すると共に該面部の
    他方の面方位を持つ部分上に量子箱を作製する工程を含
    むことを特徴とする半導体装置の作製方法。
  2. 【請求項2】前記異なる面方位を持つ面部はIII族面
    とV族面を持つノコギリ状の第1の周期構造部であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の半導体装置の作製方法。
  3. 【請求項3】III族面とV族面がGa面、As面であ
    ることを特徴とする請求項2記載の半導体装置の作製方
    法。
  4. 【請求項4】前記エッチングは第1の周期構造部を横切
    る方向に第2の周期で行なうことを特徴とする請求項2
    記載の半導体装置の作製方法。
  5. 【請求項5】前記半導体層の積層はMBE法により行な
    われることを特徴とする請求項1記載の半導体装置の作
    製方法。
  6. 【請求項6】前記半導体層の積層は、一部または全部が
    ガス状の供給原料により行なわれることを特徴とする請
    求項1記載の半導体装置の作製方法。
  7. 【請求項7】前記半導体層の積層は、不純物がZn、S
    eで行なわれることを特徴とする請求項1記載の半導体
    装置の作製方法。
  8. 【請求項8】前記半導体層の積層は、一部または全部が
    ガス状の供給原料により行なわれることを特徴とする請
    求項7記載の半導体装置の作製方法。
  9. 【請求項9】{111}A面から0〜20度の範囲で傾
    いた面方位を持つ半導体基板を用いることを特徴とする
    請求項1記載の半導体装置の作製方法。
  10. 【請求項10】請求項1に記載の方法により作製される
    量子箱であって、該量子箱の回りにpnp又はnpn構
    造が形成されていて、該量子箱にのみ電流が流れる様に
    電流狭窄する電流狭窄構造を持つことを特徴とする量子
    箱構造。
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