JP4163321B2 - 半導体発光装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は半導体発光装置に係わり、特に半導体レーザとして好適な、リッジ導波型ストライプ構造を有する半導体発光装置およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体発光装置を簡易に作製する場合に、リッジ導波型と呼ばれる構造がよく用いられる。図2にその構造の作製方法を示す。まず、最初に基板201上に第1導電型クラッド層202、活性層203、第2導電型クラッド層204および第2導電型コンタクト層205を成長する。次に、フォトリソグラフィーによるパターニングによりストライプ状の開口部を設けたレジスト211をウエハー表面に形成し、このレジスト211をマスクとして第2導電型クラッド層204を所望の厚みだけ残るようにウェットエッチングしてストライプ状のリッジを形成する。この後、エピタキシャル側の全表面にSiNx等の絶縁性を有する保護膜206を形成し、フォトリソグラフィーによるパターニングによってストライプ状の開口部を設けたレジストを用いてリッジ頂部の保護膜だけをエッチングにより除去する。これによって、リッジ頂部以外からは電流が流れないようにしている。このとき場合によっては、リッジ側面に他の保護膜をさらに形成することがある。この後、エピタキシャル側電極207および基板側電極208を形成する。
【0003】
このような構造を採用することで、電流はクラッド層のリッジ部を通じて注入された後、活性層203に注入される。したがって、リッジ部の下の活性層領域に電流が集中し、活性層のバンドギャップに対応した波長を有する光が発生する。このとき、活性層のバンドギャップは上下のクラッド層よりも通常小さく、かつ活性層の屈折率は上下のクラッド層よりも大きいために、活性層内に有効にキャリアおよび光を閉じ込めることができる。また、非リッジ部210には半導体部分に比べて屈折率の小さい保護膜206を形成しているため、非リッジ部210の下の活性層領域の実効屈折率は、リッジ部のそれより小さくなる。その結果、発生した光はリッジ部210の下の活性層領域に閉じ込められることになる。このため、レーザ発振のための横モードを安定化し、しきい値電流を低減させることができる。
【0004】
しかしながら、このような従来のリッジ導波路半導体発光装置の製造法では、リッジ部をエッチングにより形成するため、非リッジ部210におけるクラッド層の厚みを精度よく制御することが困難であった。その結果、非リッジ部のクラッド層の厚みのわずかな違いにより、この部分の実効屈折率が大きく変動し、半導体発光装置のレーザ特性が変動し製品歩留まりを向上させることが難しかった。また、単一横モードのレーザを作製する場合、リッジ上部の幅はせいぜい大きくても数ミクロン程度であるが、従来の製造法ではセルファライン等のプロセス簡素化技術を用いることが困難であるために、非常に高精度な位置合わせ技術が必要とされていた。このような複雑かつ微細なフォトリソグラフィ技術は、素子の作製工程を煩雑にし、素子の作製歩留まりをも低下させていた。さらに、SiNx膜をリッジ側面に形成すると、リッジ側面表面側に0.1μm程度の空乏層が形成されるために、実効的な電流チャンネル幅が小さくなり、通過抵抗を大きくしてしまうという問題も生じていた。
【0005】
一方、近年、記録密度向上のために情報処理用光源として、従来のAlGaAs(波長780nm近傍)に代わって、AlGaInP系を用いた可視(通常630〜690nm)レーザが実用化されているが、短波長化かつ低しきい値・高温動作に向けて以下に述べる検討がなされてきた。
AlGaInP/GaInP系からなる可視レーザの作製において、(100)面から[011]方向(もしくは[0−1−1]方向)にオフした基板を用いることにより、自然超格子の形成(オーダーリング)によるバンドギャップの縮小を抑制し、短波長化しやすくしたり、p型ドーパント(たとえばZn、Be、Mg)の高濃度ドーピングをしやすくし、ヘテロ障壁の増大による素子の発振しきい値電流や温度特性を向上させることが可能となる。ただし、オフ角度が小さいときには、ステップバンチングが顕著に現れ、ヘテロ界面に大きな凹凸が形成されてしまい、量子井戸構造(約10nm以下のGaInP井戸層)を作製したときに、バルク活性層に対する量子効果によるPL波長(あるいは発振波長)の短波長化シフト量が設計値より小さくなってしまう。オフ角度を大きくすることにより、ステップバンチングを抑制し、ヘテロ界面が平坦となり、設計通りに量子効果による短波長化が可能となる。このように、短波長化の阻害要因となっている自然超格子の形成やステップバンチングの発生を抑制し、かつp型高濃度ドーピングによる短波長化による発振しきい値電流の増加および温度特性の劣化を抑制するために、通常(100)面から[011]方向(もしくは[0−1−1]方向)に6〜16度程度オフした基板が用いられる。ただし、650nm、635nmなどの目的とする波長により、GaInP井戸層の厚みや歪み量を考慮して、適切なオフ角度を選択する必要がある。
また、活性層が自然超格子により形成されると、通電中に自然超格子が壊れて混晶化し、レーザ発振波長あるいは発光波長が変化したり、素子特性が劣化するなどの問題が生じる場合がある。上記のGaInP、AlGaInP以外のGaInAs、AlGaInAs、GaInAsPなどのGaとInを構成元素として含む材料を活性層に用いる場合においても、自然超格子が形成されやすく、自然超格子の形成を抑制するためには、同様にオフ基板を用いることが上述の問題を解決するためにも有効である。
【0006】
このとき導波ロス、ミラ−ロスを低減させるために、通常基板オフ方向となるべく垂直な方向にストライプ状の共振器を形成させる。図3(a)および(b)は、従来の半導体からなる電流ブロック層を用いたリッジ型あるいはグルーブ型のインナーストライプ構造の断面を示したものである。図中、301は基板、302は第1導電型クラッド層、303は活性層、304は第2導電型クラッド層、305は第1導電型電流ブロック層、306は第2導電型コンタクト層、307はエピタキシャル側電極、308は基板側電極、311は基板、312は第1導電型クラッド層、313は活性層、314は第2導電型第1クラッド層、315は第1導電型電流ブロック層、316は第2導電型第2クラッド層、317は第2導電型コンタクト層、318はエピタキシャル側電極、319は基板側電極である。この場合、基板のオフによりリッジあるいはグルーブの形状が左右非対称となり、光密度分布が左右非対称となったり、あるいはリッジまたはグルーブの底で電流注入が不均一になったりしやすくなるために、光ディスク等の情報処理用レーザに要求される安定な基本横モードが得られにくくなり、キンクレベルが低下したり、あるいはビームプロファイルの左右の非対称性が増大するといった問題が生じやすくなる。特に、光分布の裾がブロック層にまでしみ出す実屈折率ガイドにおいて、この問題は顕著になると考えられる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
これらの従来技術の問題点を考慮して、本発明は簡便な方法で製造することが可能で、レーザ特性が安定している、リッジ導波型ストライプ構造を有する半導体発光素子を提供することを解決すべき課題とした。また本発明は、AlGaInP/GaInP系可視レーザのように、短波長化のためにオフ角度の大きい基板を用いた場合にも、上記リッジ導波型レーザにおけるリッジ形状の左右非対称性が、光強度分布の左右非対称性に影響をほとんど受けることなく、安定な基本横モードが高出力動作まで得られる半導体発光素子を提供することを解決すべき課題とした。さらに本発明は、複雑かつ微細なフォトリソグラフィ技術を必要とせずに、素子の作製工程を簡素化し、かつ素子の作製歩留まりも極めて良好な半導体発光素子の製造方法を提供することも解決すべき課題とした。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、リッジ導波型半導体発光装置において、ストライプ領域の両側を保護膜で覆うことにより、複雑かつ微細なフォトリソグラフィ技術が必要でなくなり、素子の作製工程を簡素化し、かつ素子の作製歩留まりを大幅に向上できることを見いだした。また、かかる構造を有する半導体発光装置は、保護膜を用いる選択成長により容易に製造可能であることを見出し、さらに、AlGaInP/GaInP系可視レーザのように、短波長化のためにオフ角度の大きい基板を用いた場合にも、上記リッジ導波型レーザにおけるリッジ形状の左右非対称性が、光強度分布の左右非対称性に影響をほとんど受けることなく、安定な基本横モードが高出力動作まで得られることを見いだし、本発明に到達した。
【0009】
すなわち本発明は、表面が低次の面方位に対してオフアングルを有する基板上に、活性層を有する化合物半導体層、該化合物半導体層の上に形成され且つ電流が注入されるストライプ領域に対応する領域に開口部を有する選択成長保護膜、および該開口部を覆って前記選択成長保護膜の上面の一部にかかるようにラテラル成長により形成されたリッジ型化合物半導体層を有し、前記オフアングルの方向が、ストライプ領域の長手方向に直交する方向から±30°以内の方向であることを特徴とする半導体発光装置を提供するものである。
また本発明は、表面が低次の面方位に対してオフアングルを有する基板上に、活性層を有する化合物半導体層、該化合物半導体層の上に形成され且つ電流が注入されるストライプ領域に対応する領域に開口部を有する選択成長保護膜、および該開口部を覆って前記選択成長保護膜の上面の一部にかかるようにラテラル成長により形成され且つ側壁の少なくとも一部が順メサ型であるリッジ型化合物半導体層を有し、前記オフアングルの方向が、ストライプ領域の長手方向に直交する方向から±30°以内の方向であることを特徴とする半導体発光装置も提供するものである。
【0010】
本発明の半導体発光装置は、活性層を有する化合物半導体層がさらに第1導電型クラッド層および第2導電型第1クラッド層を有することや、リッジ型化合物半導体層が第2導電型第2クラッド層を有することが好ましい。リッジ型化合物半導体層の頂部および側面をすべて覆うようにコンタクト層が形成されているものも好ましい。基板表面の低次の面方位が(100)またはそれと等価な面であることが好ましく、オフアングルが30°以下であることが好ましい。また、ストライプ領域の長手方向が[0−11]またはそれと等価な方向から±30°以内の方向であり、オフアングルの方向が[011]またはそれと等価な方向から±30°以内の方向であることが好ましい。活性層はAlGaInP層またはGaInP層であることが好ましく、基板はGaAsなどの閃亜鉛型結晶から構成されることが好ましい。さらに保護膜と活性層を有する化合物半導体層との間に酸化防止層が形成され、該酸化防止層が保護膜の開口部において活性層を有する化合物半導体層を覆うことが好ましい。
【0011】
本発明は、表面が低次の面方位に対してオフアングルを有する基板上に活性層を有する化合物半導体エピタキシャル層を成長する工程、該化合物半導体エピタキシャル層の表面にストライプ状の開口部を有する選択成長保護膜を形成する工程(ただし、前記オフアングルの方向は、前記ストライプ状の開口部の長手方向に直交する方向から±30°以内の方向である)、並びに該開口部を覆って前記選択成長保護膜の上面の一部にかかるように第2導電型第2クラッド層を有するリッジ型化合物半導体エピタキシャル層をラテラル成長する工程を含むことを特徴とする半導体発光装置の製造方法も提供する。活性層を有する化合物半導体エピタキシャル層がさらに第1導電型クラッド層および第2導電型第1クラッド層を有するようにすることが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の半導体発光装置について、以下に各層の詳細と製造工程例を示しながら具体的に説明する。
本発明の半導体発光装置は、基板上に、活性層を有する化合物半導体層、該化合物半導体層の上に形成され且つ電流が注入されるストライプ領域に対応する領域に開口部を有する選択成長保護膜、および該開口部を覆うように形成されたリッジ型化合物半導体層を有するものである。
【0013】
基板上にはバッファ層が設けられていても良く、第1導電型クラッド層は第1導電型第1クラッド層と第1導電型第2クラッド層からなる2層構造を有していてもよい。活性層を挟むクラッド層は活性層よりも屈折率が小さい層である。これらのクラッド層と活性層からなる化合物半導体層は、光ガイド層として機能する層を含んでいてもよい。
第2導電型第1クラッド層の上には、開口部を有する保護膜を有する。第2導電型第1クラッド層と保護膜との間には酸化防止層が形成されていてもよい。保護膜の開口部によって画定されるストライプ領域および該ストライプ領域の上には、活性層より屈折率の小さい層を含むリッジ型の化合物半導体層を有する。この化合物半導体層は、通常は大部分が第2導電型第2クラッド層からなる。第2導電型第2クラッド層の他には、例えば光ガイド層として機能する層を含んでいてもよい。リッジ頂部および側面の実質的全面は、低抵抗のコンタクト層によって覆われていることが好ましい。
【0014】
本発明の半導体発光装置に使用する基板は、その上にダブルへテロ構造の結晶を成長することが可能なものであれば、材料の特性や種類については特に限定されない。好ましいのは導電性がある材料であり、望ましくはその上への結晶薄膜成長に適したGaAs、InP、GaP、ZnSe、ZnO、Si、Al2O3等の結晶基板、特に閃亜鉛鉱型構造を有する結晶基板である。基板結晶成長面は低次な面またはそれと結晶学的に等価な面が好ましく、(100)面およびそれと結晶学的に等価な(100)面や(111)面等の面がより好ましい。
【0015】
なお、本明細書において「(100)面」という場合は、必ずしも厳密に(100)シャストの面である必要はなく、最大30°程度のオフアングルを有する場合まで包含する。オフアングルの大きさは上限は30°以下が好ましく、16°以下がより好ましく、下限は0.5°以上が好ましく、2°以上がより好ましく、7°以上がさらに好ましく、10°以上が最も好ましい。オフアングルの方向は、ストライプ領域の長手方向に直交する方向から、±30°以内の方向が好ましく、±7°以内の方向がより好ましく、±2°以内の方向が最も好ましい。また、ストライプ領域の方向は、基板の面方位が(100)の場合、[0−11]またはそれと等価な方向が好ましく、オフアングルの方向は[011]方向またはそれと等価な方向から±30°以内の方向が好ましい。また、基板はウルツ型等の六方晶型の基板でもよく、その場合は例えばAl2O3、6H−SiC等を用いることができる。
【0016】
クラッド層、活性層およびコンタクト層の材質および構造については特に限定されないが、AlGaAs、AlGaInAs、AlGaInP、GaInAsP、AlGaInN、BeMgZnSe、MgZnSSe、CdZnSeTe等の一般的なIII-V 族、II-VI 族半導体を用いるのが好ましい。このとき、クラッド層としては活性層より屈折率が小さい材料が選択され、コンタクト層としては通常はバンドギャップがクラッド層よりも小さい材料が選択される。金属電極とのオーミック性をとるための低抵抗で適当なキャリア密度として、下限は、1×1018cm-3以上が好ましく、3×1018cm-3以上がより好ましく、5×1018cm-3以上が最も好ましい。上限は、2×1020cm-3以下が好ましく、5×1019cm-3以下がより好ましく、3×1019cm-3以下が最も好ましい。
【0017】
中でも活性層の材料が、GaInP、AlGaInP、GaInAs、AlGaInAs、GaInAsPなどのGaとInを構成元素として含む材料である場合は、自然超格子が形成されやすいために、オフ基板を用いることによる自然超格子抑制の効果は大きい。
活性層は、単一の層からなる場合に限定されず、量子井戸層および該量子井戸層を上下から挟む光ガイド層からなる単一量子井戸構造(SQW)や、複数の量子井戸層およびそれらに挟まれたバリア層ならびに最上の量子井戸層の上および最下の量子井戸層の下に積層された光ガイド層からなる多量子井戸構造(MQW)であってもよい。
【0018】
本発明の半導体発光装置では、化合物半導体層の上に酸化防止層を設けてもよい。酸化防止層を設けておけば、リッジ形状のクラッドを再成長により形成したときに、再成長界面で通過抵抗を増大させるような高抵抗層の発生を防ぐことが容易にできるようになる。このため酸化防止層は、活性層を有する化合物半導体層と以下に記載する保護膜との間に形成して、保護膜の開口部において酸化防止層が化合物半導体層を覆うようにするのがよい。
【0019】
酸化防止層としては、酸化されにくいか或いは酸化されてもクリーニングが容易な材料であれば特に限定されない。具体的には、Al等の酸化されやすい元素の含有率が低い(0.3以下程度)III-V族化合物半導体層が挙げられる。また、材料または厚みを選択することにより、活性層からの光を吸収しないようにすることが好ましい。酸化防止剤の材料は、通常は活性層材料よりバンドギャップの大きい材料の中から選択されるが、バンドギャップが小さい材料であっても、厚さが50nm以下、より好ましくは30nm以下、最も好ましくは10nm以下であれば、実質的に光の吸収が無視できるので使用可能である。
【0020】
本発明の半導体発光装置に使用する保護膜についても特に限定されないが、ストライプ領域に形成されたリッジ部の下の活性層の領域にのみ電流注入を行えるようにする必要がある。すなわち、ストライプ状開口部両脇の保護膜で電流狭窄を行うために、保護膜は絶縁性を有する必要がある。また、活性層では水平方向にリッジ部と非リッジ部の間で実効屈折率差をつけ、レーザ発振の横モードの安定化を図るために、保護膜の屈折率はリッジ型半導体層、すなわち第2導電型第2クラッド層の屈折率よりも小さいことが好ましい。しかし、実用上は、保護膜とクラッド層との屈折率差が大きすぎると活性層内での横方向の有効屈折率段差が大きくなり易いために、リッジ下の第2導電型第1クラッド層を厚くしなければならなくなり、横方向に漏れ電流が大きくなる傾向がある。一方、保護膜とクラッド層との屈折率差が小さすぎる場合、保護膜の外側へ光が漏れやすくなるために保護膜をある程度厚くする必要があるが、このことにより劈開性が悪くなる傾向がある。これらを考え併せて、保護膜とクラッド層との屈折率差の下限は0.2以上が好ましく、0.3以上がより好ましく、0.5以上が最も好ましい。上限は3.0以下が好ましく、2.5以下がより好ましく、1.8以下が最も好ましい。また、保護膜の厚みは、絶縁特性を充分に示すことができ、かつ保護膜の外側に光が漏れない程度の厚さがあれば特に問題はない。保護膜の厚みの下限は10nm以上が好ましく、30nm以上がより好ましく、50nm以上が最も好ましい。上限は500nm以下が好ましく、300nm以下がより好ましく、200nm以下が最も好ましい。
【0021】
保護膜は、誘電体であることが好ましく、具体的には、SiNX膜、SiO2膜、SiON膜、Al2O3膜、ZnO膜、SiC膜およびアモルファスSiからなる群から選択されるのが好ましい。特にSiNX膜、SiO2膜、Al2O3膜はリッジ部の選択成長に適しているために好ましい。保護膜は、マスクとしてMOCVDなどを用いてリッジ部を選択再成長により形成する場合に用いられるとともに、電流狭窄の目的でも用いられる。プロセスの簡便さから、電流狭窄用の保護膜と選択成長用の保護膜は同一組成のものを使用することが好ましいが、必要に応じて組成の異なる層を多層に成膜してもよい。
【0022】
閃亜鉛型構造を有する基板表面が(100)面またはそれと結晶学的に等価な面を有するときは、第2導電型第2クラッド層が保護層上に容易に成長し、リッジ(第2導電型第2クラッド層)側壁に後述のコンタクト層が容易に成長するように、保護膜の開口部で規定されるストライプ領域が[01−1]B方向またはそれと結晶学的に等価な方向に伸びているのが好ましい。このとき、リッジ側壁の大部分は、通常(311)A面や(3−1−1)A面などの[311]A面に形成され、リッジを構成する第2導電型第2クラッド層の成長面のほぼ全面上にコンタクト層を形成することが可能になる。同じ理由から、ウルツ型構造を有する基板を用いるときは、ストライプ領域は例えば(0001)面上に[11−20]方向または[1−100]方向に伸びているのが好ましい。エピタキシャル層をHVPE法により成長させるときは、[11−20]も[1−100]も同じ結果になる。エピタキシャル層をMOCVD法により成長させるときは、[11−20]が好ましい。これは、第2導電型第2クラッド層がAlGaAs、特にAl組成が0.2〜0.9、好ましくは0.3〜0.7であるAlGaAsからなるときに顕著である。なお、本明細書において「[01−1]B方向」とは、通常のIII−V族またはII−VI族半導体において、(100)面と(01−1)面との間に存在する(11−1)面にV族またはVI族の元素が存在するように定義する。また、「[01−1]B方向」は、[01−1]B方向ジャストの方向のみならず、[01−1]B方向から±10度程度傾いた方向も含む。なお、本発明の実施態様は、ストライプ領域が[01−1]B方向に伸びている態様に限定されるものではない。他の態様について以下においてさらに説明する。
【0023】
例えばMOCVD法を用いるときの成長条件は適宜決定することができる。例えば、保護層の開口部で規定されるストライプ領域が[011]A方向に伸びているときは、成長速度は異方性を有するように決定することができる。すなわち、成長速度は、(100)面における成長が速く、(1−11)B面や(11−1)B面などの[111]B面ではほとんど成長しないように調節するのが好ましい。このような異方性条件下でストライプ状の窓の(100)面上に選択成長させるときは、側面が(1−11)B面や(11−1)B面などの[111]B面であるリッジが形成される。このとき、MOCVD法の条件は、より等方性が高い成長が起こり、リッジ頂部である(100)面上と(1−11)B面や(11−1)B面などの[111]B面からなるリッジ側面上にコンタクト層が形成されるように選択する。
【0024】
本発明の第1の側面により提供される半導体発光装置の製造方法は特に制限されない。通常は、基板上にダブルヘテロ構造を形成し、電流注入を行うストライプ領域上に形成した保護膜を利用することによって、リッジ型を有する第2導電型第2クラッド層とコンタクト層を選択成長する。このとき、第2導電型第2クラッド層の一部を保護膜上に形成することができるようにするために、第2導電型第2クラッド層がストライプ領域が基板表面内で伸びる方向と垂直な方向に容易に成長するように条件を設定する。すなわち、ラテラル成長が起きる条件を選択する。特に、基板表面が(100)面であるときは、保護膜の開口部で規定されるストライプ領域が[01−1]B方向にし、温度や原料供給量等を適当に調節する。第2導電型第2クラッド層がIII−V族化合物半導体であるときは、温度が低くてV/III比が大きいほどラテラル成長が容易である。Al含有組成物を用いるときは、Al含有量が多いほどラテラル成長が容易である。
【0025】
また、図1(b)に示すように、保護膜はストライプ領域を画定する側面と上面においてのみ第2導電型クラッド層と接しており、リッジ型の第2導電型第2クラッド層頂部および側面には保護膜が形成されていないのが好ましい。このような構造であれば、製造が容易になり、かつ通過抵抗等の特性が改善されるので好ましい。ストライプ領域の幅は、2.2〜1000μmにするのが好ましい。幅をこの範囲内にすることによって、高出力動作を実現することができる。
【0026】
第2導電型第2クラッド層の高さ(厚さ)は、ストライプ領域の幅の0.25倍から2.0倍程度であるのが好ましい。この範囲であれば、後述する電流ブロック層やリッジダミー層に比して著しく突出することがなく、ジャンクションダウンで用いた場合にリッジ部にストレスがかかって寿命に悪影響を与えることもなく、また、逆に周囲に比して著しく低いために電極形成工程等の後工程が行い難くなることもないため好ましい。
【0027】
第2導電型第2クラッド層のリッジ頂部および/または側面にはコンタクト層を形成しておくのが好ましい。好ましいのは、リッジ頂部および側面の全面にコンタクト層を形成した態様である。コンタクト層の上に形成する電極や第2導電型第2クラッド層とコンタクト層との間に十分な接触面積を持たせることにより、装置全体の抵抗を低く抑えることができる。コンタクト層が形成されたリッジ頂部および側面の一部は、さらに酸化防止等の目的で保護膜で覆うことも可能である。この態様も、リッジ側面にコンタクト層を形成せずに保護膜を形成した態様よりは装置全体の抵抗を小さく抑えることができる。特に、AlGaInP系やAlGaInN系など比抵抗の高い材料(とりわけp型)において、装置全体の抵抗低減に有効である。
【0028】
本発明の半導体発光装置を製造する際には、従来から用いられている方法を適宜選択して使用することができる。結晶の成長方法は特に限定されるものではなく、ダブルヘテロ構造の結晶成長やリッジ部の選択成長には、有機金属気相成長法(MOCVD法)、分子線エピタキシー法(MBE法)、ハイドライドあるいはハライド気相成長法(VPE法)、液相成長法(LPE法)等の公知の成長方法を適宜選択して用いることができる。
【0029】
本発明の半導体発光装置は、表面が低次の面方位に対してオフアングルを有する基板上に第1導電型クラッド層、活性層および第2導電型第1クラッド層を含むエピタキシャル層を成長し、該エピタキシャル層表面に開口部を有する保護膜を形成し、該開口部に第2導電型第2クラッド層を選択成長することによって製造することができる。その後、該リッジ側面に保護膜を形成することなく該リッジの頂部および側面に電極を形成するのが好ましい。各層の具体的成長条件等は、層の組成、成長方法、装置の形状等に応じて異なるが、MOCVD法を用いてIII −V族化合物半導体層を成長する場合、ダブルヘテロ構造は、成長温度650〜750℃程度、V/III 比20〜60程度(AlGaAsの場合)あるいは350〜550程度(AlGaInPの場合)、リッジ部分は成長温度600〜700℃、V/III 比40〜60程度(AlGaAsの場合)あるいは350〜550程度(AlGaInPの場合)で行うのが好ましい。
【0030】
特に保護膜を用いて選択成長するリッジ部分がAlGaAs、AlGaInPのようにAlを含む場合、成長中に微量のHClガスを導入すれば、マスク上へのポリの堆積が防止されるため非常に好ましい。しかし、Alの組成が高いほど、あるいはマスク部/開口部の比が大きいほど、他の成長条件を一定とした場合、ポリの堆積を防止し、かつ開口部のみに選択成長を行う(セレクティブモード)のに必要なHCl導入量は増加する。一方、HClガスの導入量が多すぎるとAlGaAs層の成長が起こらず、逆に半導体層がエッチングされてしまうが(エッチングモード)が、Al組成が高くなるほど他の成長条件を一定とした場合、エッチングモードになるのに必要なHCl導入量は増加する。そこで、最適なHCl導入量はトリメチルアルミニウム等のAlを含んだIII 族原料供給モル数に大きく依存する。具体的には、HClの供給モル数とAlを含んだIII 族原料供給モル数の比(HCl/III 族)は、0.01以上50以下、より好ましくは0.05以上10以下、最も好ましくは0.1以上5以下とするとよい。ただし、リッジにInを含む化合物半導体層を選択成長(特に、HCl導入)させる場合に、リッジの組成制御が困難になりやすい。
【0031】
第2導電型第2クラッド層は、絶縁体からなる保護膜の上面にかかるように成長して、保護膜とリッジの近傍にしみ出す光の分布の制御性を良くするのが好ましい。また、第2導電型第2クラッド層上の成長可能な面の実質的全面にコンタクト層を成長させ、クラッド層側面の酸化を抑制したり、エピタキシャル面側の電極との接触面積の増加を行い、電極とのコンタクト抵抗を低減したりすることもできる。これら再成長部のクラッド層やコンタクト層を絶縁膜上部にかかるように成長することはそれぞれ単独に行っても良いし、両方を組み合わせても良い。
【0032】
さらに、再成長でリッジを形成する場合にはリッジ部の組成、キャリア濃度や成長速度の制御性を向上するために電流注入されるリッジ部より大面積となる電流注入を行わないリッジダミー層を設けることも可能である。この際、リッジダミー層の部分には電流の通過を防止するために酸化膜等との絶縁性の被覆層やサイリスタ構造等を作製している。また、オフ基板上に電流注入ストライプをオフ方向となるべく垂直な方向に形成させた場合、再成長のリッジは左右非対称となるが、図2に示すような従来の半導体からなるブロック層よりも、保護膜とリッジ部のクラッド層との屈折率差を容易に大きくすることができたり、ストライプ方向を適切に選ぶことにより再成長部のクラッド層が保護膜の上面にかかるように成長させることができるので、保護膜とリッジ近傍にしみ出す光の分布の対称性は良好であり、高出力まで安定な基本横モード発振が得られる。このように、本発明は様々なリッジストライプ型導波路構造半導体発光装置に応用可能である。
【0033】
本発明を適用した最も好ましい形態としては、低次の面方位に対してオフアングルを有する基板上に絶縁体からなる保護膜を用いて、ダブルヘテロ構造のエピタキシャル面側に酸化抑制層を設けた状態で、電流が注入されるストライプ領域にリッジ形状のクラッド層およびその上にコンタクト層を絶縁体からなる保護膜上部までかかるように再成長し、この際にリッジ部より大面積となる非電流注入のリッジダミー層を設けて、かつリッジ側面には絶縁体からなる保護膜を形成されておらず、リッジの上面および側面に電極が形成されているものである。
【0034】
上記の電極付きウエハから劈開により切り出されたレーザチップは、通常ヒートシンク、光出力モニター用フォトダイオードとともに窒素雰囲気でCANパッケージに封止して、組み上げられる。最近では、小型化、低コスト化を目的として、レーザチップが光学部品と一体となった集積型光ピックとして組み上げられる場合もある。本発明はこれらを始めとする広範な用途に供し得るものである。本発明を用いた半導体レーザ装置として、情報処理用光源(通常AlGaAs系(波長780nm近傍)、AlGaInP系(波長600nm帯)、InGaN系(波長400nm近傍))について述べたが、通信用信号光源(通常InGaAsPあるいはInGaAsを活性層とする1.3μm帯、1.5μm帯)レーザ、ファイバー励起用光源(InGaAs歪み量子井戸活性層/GaAs基板を用いる980nm近傍、InGaAsP歪み量子井戸活性層/InP基板を用いる1480nm近傍など)レーザなどの通信用半導体レーザ装置など幅広い用途(特に高出力動作)に適用することができる。また、通信用レーザでも円形に近いレーザはファイバーとの結合効率を高める点で有効である。さらに本発明の構造は半導体レーザ以外に端面発光型などの発光ダイオード(LED)としても応用可能である。
【0035】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、濃度、厚さ、操作手順等は、本発明の精神から逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下の実施例に示す具体例に制限されるものではない。
【0036】
(実施例)
この実施例は図1に示すものである。まず、最初に(100)面から[0−1−1]A方向に10°あるいは15°程度オフさせた厚さ350μmのGaAs基板101の上に、MOCVD法により厚さ0.5μmのSiドープn型GaAsバッファ層(n=1×1018cm-3)(図示せず)、厚さ1.5μmのSiドープAl0.75Ga0.25Asクラッド層(n=1×1018cm-3)102、厚さ0.2μmのSiドープn型(Al0.7 Ga0.3 )0.5 In0.5 Pクラッド層(n=1×1018cm-3)103、厚さ30nmのノンドープ(Al0.5 Ga0.5 )0.5In0.5 P光ガイド層104あるいは厚さ5nmのノンドープ(Al0.5 Ga0.5 )0.5 In0.5 Pバリア層105に挟まれた厚さ5〜6nmのノンドープGa0.44In0.56P井戸層106(4層)からなる多重量子井戸(MQW)活性層107、厚さ0.2μmのZnドープp型(Al0.7 Ga0.3 )0.5 In0.5 Pクラッド層(p=7×1017cm-3)108、厚さ5nmのZnドープp型Ga0.5 In0.5 P酸化抑制層(p=1×1018cm-3)109を順次積層することにより、ダブルヘテロ構造を形成した(図1(a))。このとき、酸化抑制層は活性層で再結合した光を吸収しないように組成を選択する方がしきい値電流を低減する上では好ましいが、セルフパルセーションさせるために意図的に光を吸収させて可飽和吸収層として利用することも可能である。なお、光を吸収させないようにするために、上記Gax In1-x P酸化抑制層の組成をGaリッチ側(X=0.5〜1)に変えたり、Alを若干量加える((Alx Ga1-x )0.5 In0.5 P、X=0.1〜0.2程度)ことがさらに有効である。次にこのダブルヘテロ基板の表面に絶縁性のSiNx 保護膜(屈折率1.9、波長650nm)110を200nm堆積させ、フォトリソグラフィ法によりこのSiNx 膜110にオフアングルの方向と直交する[01−1]B方向に幅2.2μmのストライプ状の窓107を多数開ける。このストライプ状の窓111に、MOCVD法を用いた選択成長により、厚さ1.2μmのZnドープp型Al0.77Ga0.23Asクラッド層(p=1.5×1018cm-3;屈折率3.3、波長650nm)112と厚さ0.3μmのZnドープGaAsコンタクト層113からなるリッジを形成した(図1(b))。このとき、リッジの側面の大部分が(311)A面もしくはこれに近い面となることが多く、再成長部のクラッド層を絶縁体からなる保護膜の上面にかかるように成長し、再成長部のクラッド層上の成長可能な面の実質的全面にコンタクト層を成長させることができる。そのため、保護膜とリッジの近傍にしみ出す光の分布の制御性を良くしたり、クラッド層側面の酸化を抑制したり、エピタキシャル面側の電極との接触面積の増加を行い、電極とのコンタクト抵抗を低減したりすることもできる。この傾向は再成長リッジ部がAlGaAs、特にAlGaAsのAl組成が0.2〜0.9、好ましくは0.3〜0.8の時に顕著である。一般的なIII −V族化合物半導体において、(100)面と(01−1)面の間に存在する(11−1)面が、V族元素が現れる面である様に[01−1]B方向を定義する。
【0037】
上記のMOCVD法において、III 族原料にはトリメチルガリウム(TMG)、トリメチルアルミニウム(TMA)およびトリメチルインジウム(TMI)を、V族原料にはアルシンおよびホスフィンを、キャリアガスには水素を用いた。また、p型ドーバントにはジメチル亜鉛、n型ドーパントにはジシランを用いた。また、リッジの成長時にはHClガスをHCl/III 族のモル比が0.2、特にHCl/TMAのモル比が0.3となる様に導入した。
【0038】
この後、p型の電極114をエピタキシャル面側に蒸着し、基板101を100μmまで薄くした後に、基板側にn型の電極115を蒸着し、アロイした(図1(c))。こうして作製したウエハより、劈開によりチップを切り出して、レーザ共振器構造を形成した。このようにして作製したレーザチップの特性は、バッチ内およびバッチ間の分布を測定したところ、波長650nm付近で発振し、しきい値電流、スロープ効率等の特性が非常に良く揃っており、非常に高い信頼性が得られることが判明した。また、少なくとも50mW程度の高出力まで、キンクは観察されず、安定な基本横モードで発振することが判明した。
【0039】
【発明の効果】
本発明の半導体発光装置は、レーザ特性が安定していて、簡便な方法で製造することができる。また、AlGaInP/GaInP系可視レーザのように、短波長化のためにオフ角度の大きい基板を用いた場合にも、上記リッジ導波型レーザにおけるリッジ形状の左右非対称性が、光強度分布の左右非対称性に影響をほとんど受けることなく、安定な基本横モードが高出力動作まで得られる。また本発明の製造方法によれば、複雑かつ微細なフォトリソグラフィ技術を必要としない簡素化した工程によって、半導体発光装置を高い作製歩留まりで製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の半導体発光装置およびその製造方法を説明する断面説明図である。
【図2】 従来のリッジ部をエッチングにより形成してなる半導体発光装置およびその製造方法を説明する断面説明図である。
【図3】 従来の半導体からなる電流ブロック層を用いたリッジ型あるいはグルーブ型のインナーストライプ構造の半導体発光装置およびその製造方法を説明する断面説明図である。
Claims (15)
- 表面が低次の面方位に対してオフアングルを有する基板上に、活性層を有する化合物半導体層、該化合物半導体層の上に形成され且つ電流が注入されるストライプ領域に対応する領域に開口部を有する選択成長保護膜、および該開口部を覆って前記選択成長保護膜の上面の一部にかかるようにラテラル成長により形成されたリッジ型化合物半導体層を有し、前記オフアングルの方向が、ストライプ領域の長手方向に直交する方向から±30°以内の方向であることを特徴とする半導体発光装置。
- 表面が低次の面方位に対してオフアングルを有する基板上に、活性層を有する化合物半導体層、該化合物半導体層の上に形成され且つ電流が注入されるストライプ領域に対応する領域に開口部を有する選択成長保護膜、および該開口部を覆って前記選択成長保護膜の上面の一部にかかるようにラテラル成長により形成され且つ側壁の少なくとも一部が順メサ型であるリッジ型化合物半導体層を有し、前記オフアングルの方向が、ストライプ領域の長手方向に直交する方向から±30°以内の方向であることを特徴とする半導体発光装置。
- 前記の活性層を有する化合物半導体層がさらに第1導電型クラッド層および第2導電型第1クラッド層を有することを特徴とする請求項1または2に記載の半導体発光装置。
- 前記リッジ型化合物半導体層が第2導電型第2クラッド層を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の半導体発光装置。
- 前記リッジ型化合物半導体層の頂部および側面をすべて覆うようにコンタクト層が形成されていることを特徴とする請求項4に記載の半導体発光素子。
- 前記基板表面の低次の面方位が(100)またはそれと等価な面であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の半導体発光装置。
- 前記オフアングルが30°以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の半導体発光装置。
- 前記オフアングルが0.5°以上であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の半導体発光装置。
- 前記ストライプ領域の長手方向が[0−11]またはそれと等価な方向から±30°以内の方向であり、オフアングルの方向が[011]またはそれと等価な方向から±30°以内の方向であることを特徴とする請求項6に記載の半導体発光装置。
- 前記活性層が、AlGaInP層またはGaInP層であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の半導体発光装置。
- 前記基板が閃亜鉛型結晶から構成されることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の半導体発光装置。
- 前記基板がGaAsから構成されることを特徴とする請求項11に記載の半導体発光装置。
- 前記選択成長保護膜と前記の活性層を有する化合物半導体層との間に酸化防止層が形成され、該酸化防止層が選択成長保護膜の開口部において活性層を有する化合物半導体層を覆うことを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の半導体発光装置。
- 表面が低次の面方位に対してオフアングルを有する基板上に活性層を有する化合物半導体エピタキシャル層を成長する工程、該化合物半導体エピタキシャル層の表面にストライプ状の開口部を有する選択成長保護膜を形成する工程(ただし、前記オフアングルの方向は、前記ストライプ状の開口部の長手方向に直交する方向から±30°以内の方向である)、並びに該開口部を覆って前記選択成長保護膜の上面の一部にかかるように第2導電型第2クラッド層を有するリッジ型化合物半導体エピタキシャル層をラテラル成長する工程を含むことを特徴とする半導体発光装置の製造方法。
- 前記の活性層を有する化合物半導体エピタキシャル層がさらに第1導電型クラッド層および第2導電型第1クラッド層を有することを特徴とする請求項14に記載の半導体発光装置の製造方法。
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