JP2900144B2 - 電線ボックス支持用棒材の取付具とその取付具を用いた電線ボックス取付構造 - Google Patents

電線ボックス支持用棒材の取付具とその取付具を用いた電線ボックス取付構造

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JP2900144B2
JP2900144B2 JP8199100A JP19910096A JP2900144B2 JP 2900144 B2 JP2900144 B2 JP 2900144B2 JP 8199100 A JP8199100 A JP 8199100A JP 19910096 A JP19910096 A JP 19910096A JP 2900144 B2 JP2900144 B2 JP 2900144B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、間仕切り用の柱体
などを利用して電線ボックスをその支持用棒材を介して
所定位置に設置するときに用いられる電線ボックス支持
用棒材の取付具に関する。また、本発明は、そのような
取付具を用いた電線ボックス取付構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、図10に示した電線ボックス支持
用棒材の取付具Aが知られていた。この取付具Aは、矩
形の金属板を打ち抜くことによって座板部110とその
座板部110の中央の上下一対の挟持片部120,12
0とを形成したものであり、その挟持片部120,12
0には電線ボックス支持用棒材(不図示)に対する係合
爪部121,121がV形に切り込まれて形成されてお
り、また、上記座板部110が湾曲形状に曲がってい
る。
【0003】図9は図10の取付具Aを用いて間仕切り
用の柱体10,10に電線ボックス支持用棒材1を介し
て電線ボックスBを設置した事例を示している。同図の
ように、上記棒材1は、左右の柱体10,10に設けら
れた孔(図に現れていない)に貫挿されてそれらの柱体
10,10の相互間に水平に横架されていると共に、そ
れぞれの柱体10,10の上記孔から突き出た上記棒材
1の端部に、上記取付具Aが嵌合されている。棒材1の
端部に嵌合された上記取付具Aは、それに具備されてい
る一対の挟持片部120,120が上記棒材1を弾性的
に挟持しており、しかもそれらの挟持片部120,12
0の上記係合爪部121,121がその棒材1に係合
し、上記座板部110が上記柱体10に押し付けられて
いる。そして、上記電線ボックスBが取付金具Cを介し
て上記棒材1に取り付けられている。なお、1’は上記
取付具Aを用いて左右の柱体10,10の相互間に亘っ
て横架された棒材、18は上記電線ボックスBから立ち
上げられた電線管19を上記棒材12に保持させるため
の保持具である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来の取付具
Aは、棒材1にその端部側から差し込んでその棒材1に
保持されるようになっているので、その棒材1を柱体1
0に取り付けるときには、柱体10に棒材1を挿通する
ための孔を開け、その孔に上記棒材1を貫挿させてか
ら、その棒材1の端部に上記取付具Aを差し込まなけれ
ばならないという作業上の面倒があるばかりでなく、棒
材1には、左右の柱体10,10の間隔よりも長いもの
を使わねばならないという不便があった。
【0005】本発明は以上の事情に鑑みてなされたもの
であり、柱体に固着した取付具の棒材支持部に対して棒
材の端部を嵌め込むだけでその棒材をその棒材支持部で
支持させることができるようにすることによって、棒材
を柱体に取り付けるときに柱体に棒材を挿通するための
孔を開ける必要がなく、しかも、棒材として左右の柱体
の相互間隔に見合う短い長さの棒材を用いることができ
て、電線ボックス設置工事を簡単に行うことのできる電
線ボックス支持用棒材の取付具を提供することを目的と
する。
【0006】また、本発明は、柱体に棒材を挿通するた
めの孔を開けずに、しかも、棒材として左右の柱体の相
互間隔に見合う短い長さの棒材を用いて、電線ボックス
設置工事を簡単に行うことのできる上記取付具を用いた
電線ボックス取付構造を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明の電
線ボックス支持用棒材の取付具は、細長い金属板の長手
方向の複数箇所を折り曲げることによって形成された電
線ボックス支持用棒材の取付具であって、固定側取付面
に固着される座板部と、この座板部の一端部に第1折曲
部を介し連設され上記取付面から離れる方向に延び出た
脚板部と、この脚板部の先端部に第2折曲部を介し連設
され上記取付面に沿って上記座板部から遠ざかる方向に
延び出た前板部と、を備えると共に、上記脚板部と上記
前板部とに跨がって電線ボックス支持用棒材の端部を嵌
合可能な細長開口部が開設され、上記前板部に位置する
上記細長開口部の長手方向の一端部に、上記棒材の端部
を受け止める棒材支持用孔部が設けられ、上記細長開口
部に、その細長開口部に嵌合された上記棒材を上記孔部
に嵌め込むときにその棒材に押されて開き変形しかつそ
の棒材が上記孔部に嵌め込まれたときに復帰変形してそ
の棒材の上記孔部からの抜止めをする突片部が設けられ
た棒材支持部を有する、というものである。
【0008】この取付具において、上記座板部を柱体な
どに具備された固定側取付面に固着すると、上記脚板部
と上記前板部とがその固定側取付面の前方に突き出るの
で、上記座板部と上記脚板部とによって凹所が形成され
る。そして、この凹所に電線ボックス支持用棒材の端部
を位置させてから、その棒材の端部を上記脚板部と上記
前板部とに跨がって開設されている細長開口部に嵌合さ
せ、その棒材の端部を上記棒材支持用孔部に向けて押し
込むと、上記突片部がその棒材に押されて開き変形した
後、その棒材が上記孔部に嵌め込まれたときにその突片
部が復帰変形してその棒材を抜止めし、その突片部によ
って上記棒材が上記孔部から抜け出さなくなる。
【0009】請求項2に係る発明の電線ボックス支持用
棒材の取付具は、請求項1に記載したものにおいて、上
記棒材支持部が、細長い上記金属板における長手方向に
間隔を隔てた2箇所に設けられていると共に、一方の上
記棒材支持部に具備されている上記前板部には第3折曲
部を介して上記取付面に近付く方向に延び出た連結板部
が連設され、この連結板部の先端部には他方の上記棒材
支持部に具備されている上記座板部の他端部が第4折曲
部を介して連設されている、というものである。
【0010】この取付具によると、細長い上記金属板に
おける長手方向に間隔を隔てた2箇所に設けられている
それぞれの棒材支持部に、2本の電線ボックス支持用棒
材を各別に取り付けることができる。また、U字形に折
り曲げた上記棒材の両端部を2箇所の棒材支持部に各別
に取り付けることができる。
【0011】請求項3に係る発明の電線ボックス支持用
棒材の取付具は、請求項1または請求項2に記載したも
のにおいて、上記棒材支持部の上記座板部とその座板部
に連設された上記脚板部との開き角度、および、上記棒
材支持部の上記脚板部とその脚板部に連設された上記前
板部との開き角度のそれぞれが、直角よりも大きい角度
になっている、というものである。
【0012】この取付具によると、上記した凹所に電線
ボックス支持用棒材の端部を位置させてからその棒材の
端部を上記細長開口部に嵌合させるときに、その棒材の
最端部が最初にその細長開口部に嵌合すると、その棒材
の端部自体がガイドとして作用するので、その棒材の端
部を容易に上記細長開口部に嵌合することができるよう
になる。
【0013】請求項4に係る発明の電線ボックス支持用
棒材の取付具を用いた電線ボックス取付構造は、請求項
1、請求項2、請求項3のいずれかに記載した電線ボッ
クス支持用棒材の取付具が一対一組として用いられてお
り、それら一対一組の取付具が間隔を隔てて設けられた
左右一対の柱体に各別に振り分けられていると共に、そ
れぞれの取付具における上記棒材支持部の上記座板部
が、上記柱体のそれぞれに具備されている上記取付面に
固着されてそれら一対一組の上記取付具が互いに向き合
って左右対称に配備され、それら一対一組の上記取付具
に具備されている上記棒材支持部の上記棒材支持用孔部
の相互間に亘って上記棒材が横架され、その棒材に電線
ボックスが取り付けられている、というものである。
【0014】この取付構造を採用すると、左右一対の柱
体のいずれにも棒材を挿通するための孔を開ける必要が
ない。また、左右一対の柱体の相互間隔に見合う短い長
さの棒材を用いることができる。そのため、四角柱状の
柱体のような閉断面の柱体であってもC型鋼のような開
断面の柱体であっても、区別なく上記棒材を取り付ける
ことが可能になる。
【0015】請求項5に係る発明の電線ボックス支持用
棒材の取付具を用いた電線ボックス取付構造は、請求項
2に記載した電線ボックス支持用棒材の取付具に具備さ
れている2つの上記棒材支持部のそれぞれの上記座板部
が、柱体に具備されている上記取付面に固着されてその
取付具が上記柱体に取り付けられ、U字状に折り曲げら
れて一対の脚杆部とそれらの脚杆部相互間の連結杆部と
が具備された上記棒材における一方の上記脚杆部の先端
部と他方の上記脚杆部の先端部とが、上記取付具におけ
る2つの上記棒材支持部のそれぞれの上記棒材支持用孔
部に各別に受け止められてその棒材が2つの上記棒材支
持部によって支持されており、その棒材の一対の上記脚
杆部に跨がって電線ボックスが取り付けられている、と
いうものである。
【0016】この取付構造を採用すると、柱体の取付面
に固定した1つの取付具にU字状に折り曲げられた一本
の棒材を取り付けるだけで、電線ボックスを確実に設置
することができる。
【0017】上記したそれぞれの発明についての構成や
作用は、以下の実施形態についての説明によってさらに
具体的になる。
【0018】
【発明の実施の形態】図1は本発明の実施の一形態を示
す取付具Aの概略斜視図、図2は図1の取付具Aを用い
た電線ボックスBの取付構造を示す正面図、図3は図1
の取付具Aを用いた電線ボックスBの取付構造を示す平
面図、図4は上記取付具Aに電線ボックス支持用棒材1
を取り付けるときの手順などを示した拡大正面図、図5
は図4のV−V線に沿う部分を一部破断して示した断面
図、図6は図4のVI−VI線に沿う部分の断面図、図
7は図1の取付具Aを用いた電線ボックスBの他の取付
構造を示す平面図、図8は電線ボックスBなどを示す概
略斜視図である。
【0019】図1に示したように、この取付具Aは、ス
テンレスでなる細長い金属板の長手方向の複数箇所(図
例では7箇所)を折り曲げることによって形成されてい
るものであって、上記金属板における間隔Sを隔てた2
箇所に棒材支持部2,3が設けられている。
【0020】一方の上記棒材支持部2は、柱体5などの
固定側取付面(図5などを参照)51に固着される座板
部21と、この座板部21の一端部に第1折曲部22を
介し連設され上記取付面51から離れる方向に延び出た
脚板部23と、この脚板部23の先端部に第2折曲部2
4を介し連設され上記取付面51に沿ってその取付面5
1と平行に上記座板部21から遠ざかる方向に延び出た
前板部25とを備えている。また、この棒材支持部2に
は、上記脚板部23と上記前板部25とに跨がる細長開
口部26が開設されている。図例の棒材支持部2におい
ては、この細長開口部26が上記座板部21にまで延び
ている。この細長開口部26は、その幅寸法が後述する
電線ボックス支持用棒材1の端部の直径よりもやゝ大き
くなっている。そして、上記前板部25に位置する上記
細長開口部26の長手方向の一端部に、上記棒材1の端
部を受け止めるための棒材支持用孔部27が設けられて
いると共に、その細長開口部26における上記棒材支持
用孔部27に隣接する箇所の両方の開口縁部に一対の突
片部28,28がやゝ内向きに傾斜して設けられてい
る。
【0021】一対の上記突片部28,28は、上記細長
開口部26に嵌合された上記棒材1を上記孔部27に嵌
め込むときにその棒材1に押されて開き変形しかつその
棒材1が上記孔部27に嵌め込まれたときに復帰変形し
てその棒材1の上記孔部27からの抜止めをする機能を
有している。図例の突片部28,28は、図4や図5で
判るように、上記孔部27に嵌め込まれた上記棒材1を
下方に押し付けることによって、その棒材1が軸方向に
位置ずれすることをも防ぎ得るようになっている。
【0022】他方の上記棒材支持部3も上記した一方の
棒材支持部2と略同様の構成になっている。すなわち、
他方の上記棒材支持部3は、上記固定側取付面(図5な
どを参照)51に固着される座板部31と、この座板部
31の一端部に第1折曲部32を介し連設され上記取付
面51から離れる方向に延び出た脚板部33と、この脚
板部33の先端部に第2折曲部34を介し連設され上記
取付面51に沿ってその取付面51と平行に上記座板部
31から遠ざかる方向に延び出た前板部35とを備えて
いると共に、上記脚板部33と上記前板部35とに跨が
る細長開口部36が開設されている。この細長開口部3
6が上記座板部31にまで延びている点についても、上
記した一方の棒材支持部2と同様である。また、この棒
材支持部3に設けられている上記細長開口部36の幅寸
法は後述する電線ボックス支持用棒材1の端部の直径よ
りもやゝ大きくなっている。そして、上記前板部35に
位置する上記細長開口部36の長手方向の一端部に、上
記棒材1の端部を受け止めるための棒材支持用孔部37
が設けられていると共に、その細長開口部36における
上記棒材支持用孔部37に隣接する箇所の両方の開口縁
部に一対の突片部38,38がやゝ内向きに傾斜して設
けられている。これらの突片部38,38についても、
上記細長開口部36に嵌合された上記棒材1を上記孔部
37に嵌め込むときにその棒材1に押されて開き変形し
かつその棒材1が上記孔部37に嵌め込まれたときに復
帰変形してその棒材1の上記孔部37からの抜止めをす
る機能を有しており、また、上記孔部37に嵌め込まれ
た上記棒材1を下方に押し付けることによって、その棒
材1が軸方向に位置ずれすることをも防ぎ得るようにな
っている。
【0023】また、一方の上記棒材支持部2に具備され
ている上記前板部25には第3折曲部29を介して上記
取付面51に近付く方向に延び出た連結板部41が連設
され、この連結板部41の先端部には他方の上記棒材支
持部3に具備されている上記座板部31の他端部が第4
折曲部39を介して連設されている。さらに、他方の上
記棒材支持部3に具備されている上記前板部35には、
第5折曲部42を介して上記取付面51に近付く方向に
延び出た下端片部43が連設されている。
【0024】ここで、一方の上記棒材支持部2や他方の
上記棒材支持部3において、それらの座板部21,31
とそれらの座板部21,31に連設された上記脚板部2
3,33との開き角度、および、上記脚板部23,33
とそれらの脚板部23,33に連設された上記前板部2
5,35との開き角度のそれぞれは、直角よりも大きい
角度になっている。すなわち、上記脚板部23,33が
前下がりに傾斜している。このように脚板部23,33
が前下がりに傾斜していると、水平に配備した上記棒材
1を下方へ平行移動させて上記細長開口部26に嵌合さ
せるときに、図5の一点鎖線で示したようにその棒材1
の最端部11が最初にその細長開口部26に嵌合するの
で、その棒材1の端部自体がガイドとして作用してその
棒材1の端部が容易に上記細長開口部26に嵌合される
ようになるという利点がある。
【0025】図2および図3を参照して上記取付具Aを
用いた電線ボックスBの取付構造を説明する。図2およ
び図3に示した事例は、間隔を隔てて設けられた左右一
対の間仕切り用の柱体5,5の間の所定位置に図8に示
した電線ボックスBを設置したものである。
【0026】図8の電線ボックスBは、合成樹脂で成形
された有底で矩形のボックス本体7を有し、そのボック
ス本体7の底壁71や矩形筒形の側壁72の適所に、押
圧力を加えることによって当該底壁71や側壁72から
分離可能な塞ぎ板73で塞がれた電線導入孔74が設け
られている。また、底壁71の相隣接する2つずつのコ
ーナ部のそれぞれに、ボックス本体7と一体に、2つで
一組をなす突出部75,75が設けられており、これら
の2つで一組をなす上記突出部75,75は同心状に棒
材挿通孔76,76を備えている。そして、一組の突出
部75,75のそれぞれに電線ボックス支持用棒材1,
1を各別に挿通するだけで、その棒材1,1に電線ボッ
クスBを取り付けることができる。このような電線ボッ
クスBは、アウトレットボックスやスイッチボックスと
いった電気配線用ボックスとして用い得る。
【0027】図2および図3に示した事例においては、
図1に示した取付具Aが一対一組として用いられてい
る。すなわち、それら一対一組の取付具A,Aが左右一
対の上記柱体5,5に各別に振り分けられ、それぞれの
取付具A,Aにおける2つの上記棒材支持部2,3の上
記座板部21,31が、上記柱体5,5のそれぞれに具
備されている上記取付面51,51に固着されてそれら
一対一組の上記取付具A,Aが互いに向き合って左右対
称に配備されている。上記取付面51に対する一方の棒
材支持部材2の座板部21は、その座板部21に形成さ
れた挿通孔20を通したドリルねじ6を上記取付面51
にねじ込むことによって固定されている。上記取付面5
1に対する他方の棒材支持部材3の座板部31について
は図示していないけれども、上述したところと同様に、
その座板部31に形成された挿通孔30を通したドリル
ねじを上記取付面51にねじ込むことによって固定され
ている。
【0028】図1に示したように、他方の棒材支持部材
3の座板部31には矢印形の刻印a…を施してあり、こ
の刻印aによって当該取付具Aの長手方向の中央位置を
知ることができるようになっている。したがって、この
取付具Aを柱体5に固定する場合に、上記刻印a…を目
安として上記柱体5の立設された床面(不図示)からの
取付具Aの取付高さを容易に定めることができる利便が
ある。また、柱体5側の所定高さ位置に何らかの目印を
付けておけば、その目印に上記刻印a…を合わせること
によって、その取付具Aを柱体5の所定位置に正確に固
定することができる。
【0029】左右一対の柱体5,5に上記のようにして
固定された一対一組の上記取付具A,Aの相互間には、
2本の電線ボックス支持用棒材1,1が平行に横架され
ている。このことを具体的に説明すると、それぞれの取
付具A,Aの相互間において、一方の上記棒材支持部
2,2の上記孔部27,27の相互間に亘って上記棒材
1が横架され、また、他方の上記棒材支持部3,3の上
記孔部37,37の相互間に亘って上記棒材1が横架さ
れている。そして、それら2本の棒材1,1に図8で説
明した上記電線ボックスBが取り付けられている。な
お、この電線ボックスBは、棒材1,1を上記取付具
A,Aに取り付ける前に、それらの棒材1,1に取り付
けられているものである。
【0030】棒材1の片側の端部を左側の柱体5に固定
されている取付具Aの一方の棒材支持部2の上記孔部2
7に嵌合させるときには、たとえば次のような手順を行
えばよい。すなわち、図4や図5に二点鎖線で示したよ
うに上記座板部21と上記脚板部23とによって形成さ
れている凹所Mに上記棒材1の端部を位置させてから、
図5に一点鎖線で示したようにその棒材1の最端部11
を最初にその細長開口部26に嵌合し、続いてその棒材
1を図4や図5の下向き矢印のように下方に押し下げる
と、その棒材1の端部自体がガイドとして作用してその
棒材1の端部が上記細長開口部26に確実に嵌合され
る。こうして棒材1の端部を上記細長開口部26に嵌合
してからさらにその棒材1を下方に押し下げると、上記
突片部28,28がその棒材1に押されて開き変形し、
その棒材1がそれらの突片部28,28を乗り越えて上
記孔部27に嵌まり込むと、それらの突片部28,28
が復帰変形してその棒材1に接触してそれを図4〜図6
のように上方から押し付ける。このようにすると、棒材
1がそれらの突片部28,28によって上方への浮き上
がりが防止されて上記孔部27からの抜止めがなされる
と同時に、軸方向へも動かなくなる。
【0031】棒材1の他側の端部を右側の柱体5に固定
されている取付具Aの一方の棒材支持部2の上記孔部2
7に嵌合させるときにも同様な手順を行えばよい。ま
た、別の棒材1の片側の端部を左側の柱体5に固定され
ている取付具Aの他方の棒材支持部3の上記孔部27に
嵌合させるときや、その棒材1の他側の端部を右側の柱
体5に固定されている取付具Aの他方の棒材支持部3の
上記孔部27に嵌合させるときも、同様な手順を行えば
よい。
【0032】以上説明した取付具Aやその取付具Aを用
いた電線ボックス取付構造についての実施形態で明らか
なように、上記取付具Aを用いることによって、柱体5
に棒材1を挿通するための孔を開ける必要がなくなり、
しかも、その棒材1として、左右一対の柱体5,5の相
互間隔に見合う短い長さの棒材1を用いることが可能に
なる。柱体5が図示したような四角柱状の閉断面の柱体
であっても、図示していないがC型鋼のような開断面の
柱体であっても、区別なく上記棒材1を取り付けること
が可能になるという利点があり、このことが、電線ボッ
クスBの取付作業性を高めることに役立つ。なお、棒材
1には複数の電線ボックスBを並べて取り付けることも
可能である。
【0033】図7を参照して上記取付具Aを用いた電線
ボックスBの他の取付構造を説明する。同図の事例は、
1本の柱体5に固定した1つの上記取付具Aの2つの棒
材支持部2,3を利用して一本の棒材1を取り付け、か
つ、その棒材1に図8で説明した電線ボックスBを取り
付けた事例である。
【0034】図7のように、図1の取付具Aにおける2
つの上記棒材支持部2,3の上記座板部21,31が一
本の柱体5の取付面51に固着されている。この固着
は、図5で説明したようにドリルねじを用いて行うこと
が可能である。この場合においても、他方の上記棒材支
持部材3の座板部31に施された矢印形の刻印a…を目
安にして上記柱体5の立設された床面(不図示)からの
取付具Aの取付高さを定めることができる。
【0035】棒材1はU字状に折り曲げられることによ
って、その棒材1に一対の脚杆部12,12とそれらの
脚杆部12,12の相互間の連結杆部13とが具備され
ている。この棒材1における一方の上記脚杆部12の先
端部と他方の上記脚杆部12の先端部とが、上記取付具
Aにおける2つの上記棒材支持部2,3(図1参照)の
それぞれの上記棒材支持用孔部27,37(図1参照)
に各別に受け止められてその棒材1が2つの上記棒材支
持部2,3によって支持されている。そして、その棒材
1の一対の上記脚杆部12,12に跨がって上記電線ボ
ックスBが取り付けられている。なお、この電線ボック
スBは、U字状の棒材1を上記取付具A,Aに取り付け
る前に、その棒材1の一対の脚杆部12,12を電線ボ
ックスBの棒材挿通孔76,76に挿通させることによ
ってその棒材1に取り付けられているものである。
【0036】この実施形態によっても、柱体5に棒材1
を挿通するための孔を開ける必要はない。また、この実
施形態によれば、1つの取付具Aに取り付けた一本の棒
材1に電線ボックスBを取り付けることができるように
なる。そのほか、柱体5が図示したような四角柱状の閉
断面の柱体であっても、図示していないがC型鋼のよう
な開断面の柱体であっても、区別なく上記棒材1を取り
付けることが可能になる。なお、棒材1には複数の電線
ボックスBを並べて取り付けることも可能である。
【0037】上記した取付具Aは、細長い金属板の長手
方向に間隔を隔てた2箇所にそれぞれ棒材支持部2,3
が設けられているので、図2および図3で説明した取付
構造のように、電線ボックスBを2本の棒材1,1に跨
がせて取り付けることができるようになり、また、図7
で説明した取付構造のようにU字状に折り曲げられた一
本の棒材1の一対の脚杆部12,12に跨がせて電線ボ
ックスBを取り付けることができるようになる。しかし
ながら、電線ボックスBの種類によっては、一本の棒材
1だけに取り付けられるようなものもある。このような
タイプの電線ボックスBを支持するための棒材1を取り
付けるために用いられる取付具としては、上記棒材支持
部2,3のいずれかを1つだけ備えておればよい。そし
て、そのような棒材支持部を1つだけ備える取付具にお
いても、その棒材支持部の上記座板部とその座板部に連
設された上記脚板部との開き角度、および、上記棒材支
持部の上記脚板部とその脚板部に連設された上記前板部
との開き角度のそれぞれを、直角よりも大きい角度にし
ておくと、棒材の端部を上記細長開口部に容易に嵌合さ
せることができるようになるという利点がある。
【0038】
【発明の効果】本発明に係る電線ボックス支持用棒材の
取付具によれば、柱体などに具備された固定側取付面に
固着した取付具の棒材支持部に対して棒材の端部を嵌め
込むだけでその棒材をその棒材支持部で支持させること
ができるようになるので、上記棒材を柱体などに取り付
けるときにその柱体などに棒材を挿通するための孔を開
ける必要がなくなり、しかも、棒材として左右の柱体の
相互間隔に見合う短い長さの棒材を用いることができる
ようになる。このため、電線ボックス設置工事を簡単に
行うことができるようになる。
【0039】本発明に係る上記取付具を用いた電線ボッ
クス取付構造によれば、柱体に棒材を挿通するための孔
を開けずに、しかも、棒材として左右の柱体の相互間隔
に見合う短い長さの棒材を用いて、電線ボックス設置工
事を簡単に行うことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態を示す取付具の概略斜視
図である。
【図2】図1の取付具を用いた電線ボックスの取付構造
を示す正面図である。
【図3】図1の取付具を用いた電線ボックスの取付構造
を示す平面図である。
【図4】取付具に電線ボックス支持用棒材を取り付ける
ときの手順などを示した拡大正面図である。
【図5】図4のV−V線に沿う部分を一部破断して示し
た断面図である。
【図6】図4のVI−VI線に沿う部分の断面図であ
る。
【図7】図1の取付具を用いた電線ボックスの他の取付
構造を示す平面図である。
【図8】電線ボックスなどを示す概略斜視図である。
【図9】従来の取付具を用いた電線ボックスの取付構造
を示す平面図である。
【図10】従来の取付具の斜視図である。
【符号の説明】
A 取付具 B 電線ボックス 1 棒材 2,3 棒材支持部 5 柱体 12 脚杆部 13 連結杆部 21,31 座板部 22,32 第1折曲部 23,33 脚板部 24,34 第2折曲部 25,35 前板部 26,36 細長開口部 27,37 棒材支持用孔部 28,38 突片部 29 第3折曲部 39 第4折曲部 41 連結板部 51 取付面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−112312(JP,A) 実開 昭48−53597(JP,U) 実開 昭57−143824(JP,U) 実開 昭62−74431(JP,U) 実開 昭62−84316(JP,U) 実開 昭62−84317(JP,U) 実開 昭57−127517(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H02G 3/08 F16B 37/02

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 細長い金属板の長手方向の複数箇所を折
    り曲げることによって形成された電線ボックス支持用棒
    材の取付具であって、 固定側取付面に固着される座板部と、この座板部の一端
    部に第1折曲部を介し連設され上記取付面から離れる方
    向に延び出た脚板部と、この脚板部の先端部に第2折曲
    部を介し連設され上記取付面に沿って上記座板部から遠
    ざかる方向に延び出た前板部と、を備えると共に、上記
    脚板部と上記前板部とに跨がって電線ボックス支持用棒
    材の端部を嵌合可能な細長開口部が開設され、上記前板
    部に位置する上記細長開口部の長手方向の一端部に、上
    記棒材の端部を受け止める棒材支持用孔部が設けられ、
    上記細長開口部に、その細長開口部に嵌合された上記棒
    材を上記孔部に嵌め込むときにその棒材に押されて開き
    変形しかつその棒材が上記孔部に嵌め込まれたときに復
    帰変形してその棒材の上記孔部からの抜止めをする突片
    部が設けられた棒材支持部を有することを特徴とする電
    線ボックス支持用棒材の取付具。
  2. 【請求項2】 上記棒材支持部が、細長い上記金属板に
    おける長手方向に間隔を隔てた2箇所に設けられている
    と共に、一方の上記棒材支持部に具備されている上記前
    板部には第3折曲部を介して上記取付面に近付く方向に
    延び出た連結板部が連設され、この連結板部の先端部に
    は他方の上記棒材支持部に具備されている上記座板部の
    他端部が第4折曲部を介して連設されている請求項1に
    記載した電線ボックス支持用棒材の取付具。
  3. 【請求項3】 上記棒材支持部の上記座板部とその座板
    部に連設された上記脚板部との開き角度、および、上記
    棒材支持部の上記脚板部とその脚板部に連設された上記
    前板部との開き角度のそれぞれが、直角よりも大きい角
    度になっている請求項1または請求項2に記載した電線
    ボックス支持用棒材の取付具。
  4. 【請求項4】 請求項1、請求項2、請求項3のいずれ
    かに記載した電線ボックス支持用棒材の取付具が一対一
    組として用いられており、それら一対一組の取付具が間
    隔を隔てて設けられた左右一対の柱体に各別に振り分け
    られていると共に、それぞれの取付具における上記棒材
    支持部の上記座板部が、上記柱体のそれぞれに具備され
    ている上記取付面に固着されてそれら一対一組の上記取
    付具が互いに向き合って左右対称に配備され、それら一
    対一組の上記取付具に具備されている上記棒材支持部の
    上記棒材支持用孔部の相互間に亘って上記棒材が横架さ
    れ、その棒材に電線ボックスが取り付けられていること
    を特徴とする電線ボックス支持用棒材の取付具を用いた
    電線ボックス取付構造。
  5. 【請求項5】 請求項2に記載した電線ボックス支持用
    棒材の取付具に具備されている2つの上記棒材支持部の
    それぞれの上記座板部が、柱体に具備されている上記取
    付面に固着されてその取付具が上記柱体に取り付けら
    れ、U字状に折り曲げられて一対の脚杆部とそれらの脚
    杆部相互間の連結杆部とが具備された上記棒材における
    一方の上記脚杆部の先端部と他方の上記脚杆部の先端部
    とが、上記取付具における2つの上記棒材支持部のそれ
    ぞれの上記棒材支持用孔部に各別に受け止められてその
    棒材が2つの上記棒材支持部によって支持されており、
    その棒材の一対の上記脚杆部に跨がって電線ボックスが
    取り付けられていることを特徴とする電線ボックス支持
    用棒材の取付具を用いた電線ボックス取付構造。
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