JP2899857B2 - カルシウム自動添加装置及び電解イオン整水装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、供給された流水にカ
ルシウムを含む添加剤を自動的に添加するカルシウム自
動添加装置、及び供給された流水にカルシウムを含む添
加剤を自動的に添加するカルシウム添加部を備えた電解
イオン整水装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、連続通水式電解イオン整水装置で
は、飲料として用いるアルカリイオン水のミネラル分濃
度を高めるために、電解イオン整水装置内の通水路中に
カルシウム添加筒を設け、この添加筒に収納されている
粉末または顆粒状のグリセロリン酸カルシウム等のカル
シウムを含む添加剤（以下カルシウム添加剤または単に
添加剤ということもある）を前記通水路中の水に少しず
つ添加していた。このカルシウム添加筒としては、周囲
を網状に成形した円筒形樹脂容器を用いるのが普通であ
り、そして、この添加筒には前記通水路を通過する水を
通すことにより、この水に前記添加剤が添加される。ま
た、前記添加筒へは使用者が予め定められた使用期限毎
に前記添加剤を補充していた。

【０００３】ところで、前記カルシウム添加筒内の添加
剤は、通水により大部分が舞上げられ、その一部が水に
溶けて前記網状の部分より流出するが、舞上げられない
添加剤は添加筒の底部に残っている。そして、通水を止
めると前記底部に残った添加剤の上に前記の舞上げられ
た添加剤が堆積する。再度通水すると、前記堆積した添
加剤の大部分は舞い上がるが、前記底部に残った添加剤
は、今回も残る。このようにして、カルシウム添加筒内
の添加剤の一部は残ったままとなる。この残った添加剤
は、通水を止めるたびに乾燥されつつあるので、これに
カビが生えて不衛生になるという問題がある。また、前
記のように、添加剤が残っていると、添加筒の実質的な
容積が小さくなるので、添加剤が充分に添加され得る期
間が短くなり、予め設定された使用期限内でも添加剤が
実質的に添加されなくなってしまうことになる。

【０００４】本出願人は、先に上記の課題を解決すべ
く、通水時にカルシウム添加筒内において添加剤の舞い
上がる量が多くなり、従って底部に残る添加剤の量が極
めて少なくなるばかりではなく、通水量に応じて舞い上
がる量が変化して、添加剤の添加量が制御されるように
したカルシウム自動添加装置、及びこの添加装置を添加
部として用いた電解イオン整水装置を提供した。

【０００５】これらのカルシウム自動添加装置、及びこ
の添加装置を添加部として用いた電解イオン整水装置
は、次のようなものである。先ず、カルシウム自動添加
装置は、流水にカルシウムを含む添加剤を自動的に添加
するカルシウム自動添加装置であって、入水口及び出水
口を有する添加筒ケースと、該ケースに回転自在に収納
され、かつ周面が細網状に形成されたカルシウム添加筒
とを備え、前記添加筒ケースの内周面と該ケースに収納
された前記カルシウム添加筒の外周面との間には前記入
水口から入水された水が通過して前記出水口に至る流水
路が形成され、前記カルシウム添加筒には前記流水路を
流れる水によって回転される水車を一体に形成し、この
カルシウム添加筒に収納された前記添加剤は前記細網状
の部分を介して侵入した水と共に前記細網状の部分を介
して該添加筒外に流出し、これが前記流水路を流れる水
と混合されて前記出水口から出水されるように構成した
ことを特徴とする。

【０００６】また、前記添加装置を添加部として用いた
電解イオン整水装置は、原水の不快かつ有害な異臭及び
異物を除去するための浄水部と、供給された水をアルカ
リイオン水と酸性イオン水に電解分離する電解槽とを備
えた連続通水式電解イオン整水装置において、前記浄水
部を経た水が、前記したカルシウム自動添加装置を介し
て前記電解槽に入水されるようにしたことを特徴とす
る。

【０００７】上記のように構成されたカルシウム自動添
加装置では、前記カルシウム添加筒が流水路を流れる水
により回転されるので、この回転により、カルシウム添
加筒内の添加剤が充分に舞い上がり、カルシウム添加筒
の底部に残る添加剤は極めて少量となる。また、前記流
水路の水量に応じて添加筒の回転速度も変化するので、
前記添加剤の舞い上がる量も変化し、このため前記水量
に応じて添加剤の添加量も変化する。従って、この添加
量を前記水量に見合った量に制御することができる。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記本
出願人の提供したカルシウム自動添加装置でも、添加剤
の補充時期を的確に把握するための機能を有するもので
はなかった。また、一般に電解イオン整水装置では、供
給された水の水量を検出する水量センサーを備え、検出
された水量の積算値が所定値になったときに、浄水部を
構成する活性炭、中空糸膜等の吸着材、濾過材等の交換
を促す表示を動作させるようにしたり、前記水量センサ
ーにより水の供給されていることが検出された時のみ前
記電解槽への電解電流を供給するようにしていた。この
ように前記水量センサーは電解イオン整水装置において
用途の多いものであるが、この水量センサーを設けるた
めに部品点数が増え、かつ構成が複雑になるという欠点
があった。

【０００９】この発明は上記の問題点を解決し、添加剤
の補充時期を的確に把握するとができるカルシウム自動
添加装置、及び専用の水量センサーを必要とすることな
く、前記活性炭等の交換を促す表示を動作させること等
ができるようにした電解イオン整水装置を提供すること
を目的とするものである。

【００１０】

【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めの、この発明のカルシウム自動添加装置は、流水にカ
ルシウムを含む添加剤を自動的に添加するカルシウム自
動添加装置であって、入水口及び出水口を有する添加筒
ケースと、該ケースに回転自在に収納され、かつ周面が
細網状に形成されたカルシウム添加筒とを備え、前記添
加筒ケースの内周面と該ケースに収納された前記カルシ
ウム添加筒の外周面との間には前記入水口から入水され
た水が通過して前記出水口に至る流水路が形成され、前
記カルシウム添加筒には前記流水路を流れる水によって
回転される水車を一体に形成し、このカルシウム添加筒
に収納された前記添加剤は前記細網状の部分を介して侵
入した水と共に前記細網状の部分を介して該添加筒外に
流出し、これが前記流水路を流れる水と混合されて前記
出水口から出水されるように構成したものにおいて、前
記カルシウム添加筒の回転を検出する手段を備え、この
回転数の積算結果を表示するようにしたことを特徴とす
るものである。

【００１１】また、この発明の電解イオン整水装置は、
原水の不快かつ有害な異臭及び異物を除去するための浄
水部と、供給された水をアルカリイオン水と酸性イオン
水に電解分離する電解槽と、供給された水にカルシウム
を含む添加剤を自動的に添加するカルシウム添加部とを
備えた連続通水式電解イオン整水装置であって、前記カ
ルシウム添加部は、入水口及び出水口を有する添加筒ケ
ースと、該ケースに回転自在に収納され、かつ周面が細
網状に形成されたカルシウム添加筒とを備え、前記添加
筒ケースの内周面と該ケースに収納された前記カルシウ
ム添加筒の外周面との間には前記入水口から入水された
水が通過して前記出水口に至る流水路が形成され、前記
カルシウム添加筒には前記流水路を流れる水によって回
転される水車を一体に形成し、このカルシウム添加筒に
収納された前記添加剤は前記細網状の部分を介して侵入
した水と共に前記細網状の部分を介して該添加筒外に流
出し、これが前記流水路を流れる水と混合されて前記出
水口から出水されるように構成したものにおいて、前記
カルシウム添加筒の回転を検出する手段を備えたことを
特徴とするものである。

【００１２】

【作用】上記のように構成されたカルシウム自動添加装
置では、供給された水の流量に応じてカルシウム添加筒
が回転され、この回転数が積算されるので、この積算結
果を表示して添加剤の補充を促すことができる。また、
上記のように構成された電解イオン整水装置では、前記
回転筒の回転が検出されるので、従来のように専用の流
量センサーを設けることなく、活性炭等の交換を促す表
示を動作させることができる。

【００１３】

【実施例】以下に、この発明の一実施例を図１乃至図３
について説明する。図２はカルシウム添加部を設けた電
解イオン整水装置の概略を示すものである。 この図２
において、１は活性炭、中空糸膜等の吸着材、濾過材等
により構成された周知の浄水部であり、管２からの原水
（一般的には水道水）が供給され、この原水中に含まれ
る不快、有害な異臭、異物が除去される。３はカルシウ
ム添加部であり、前記浄水部１を経た水が供給される。
このカルシウム添加部３を通過する水には、事前にこの
添加部３に収納されたグリセロリン酸カルシウム、乳酸
カルシウム等のカルシウム添加剤が添加され、ミネラル
分が高められた後、周知の電解槽４にて電解される。５
は電解槽４にて電解されたアルカリイオン水の出水管、
６は酸性イオン水の出水管をそれぞれ示す。なお、図２
においては、浄水部１を通過した水の全部をカルシウム
添加部３へ流入させているが、浄水部１からの水を分岐
させ、この分岐された一部の水のみをカルシウム添加部
３へ流入させ、前記添加剤が添加された水と前記分岐に
より添加部３を通過しない水とを合流させ、この合流さ
れた水を電解槽４へ流入させてもよい。

【００１４】図１は、前記カルシウム添加部３の具体例
を示すものである。図において、１１はカルシウム添加
筒であり、その外周には一体に凸リブ１２と細網状部１
３とが樹脂成形されている。この添加筒１１にはグリセ
ロリン酸カルシウムの顆粒等よりなるカルシウム添加剤
１４が収納されていて、この状態で添加筒ケース１５に
収納されている。この添加筒１１は略円筒形（下側が僅
かに細くなっている）をしていて、その下端中心の凸部
１６とキャップ１７の上面中心の凸部１８とが、略円筒
形をした前記添加筒ケース１５の内側底部の軸受け部１
９とケースキャップ２０内の軸受け２１とによりそれぞ
れ軸支持されて、前記添加筒１１は添加筒ケース１５に
対して回転自在となっている。

【００１５】２２はパッキンであり、ケースキャップ２
０の内側に設けられ、添加筒ケース１５の本体と前記ケ
ースキャップ２０とを水密にするものである。前記添加
筒ケース１５の内側面にはゆるやかな螺旋状のリブ２３
が設けられ、外側面には入水口２４と出水口２５とが、
図１（ｂ）に示すように中心軸をずらした位置に配設さ
れている。２６は永久磁石であり、カルシウム添加筒１
１の下面に固定され、前記添加筒ケース１５に固定され
た磁気センサー２７と共にこのカルシウム添加筒１１の
回転を検出する手段を構成するものである。

【００１６】上記のように構成されたカルシウム添加部
３では、使用時に入水口２４から流入した水の一部は、
前記添加筒１１の凸リブ１２に当たってこの添加筒１１
を回転させ、前記の流入した水の残りのものは前記細網
状部１３から添加筒１１内に侵入してこれに前記添加剤
１４が添加され、この状態で前記細網状部１３から添加
筒１１外に排出される。この排出された水と前記添加筒
１１の回転に寄与した水とは共に出水口２５から出水さ
れる。通水時には前記添加筒１１の回転により、該添加
筒内の添加剤１４が充分に舞い上がり、添加筒１１の底
部に残る添加剤１４は極めて少量となる。また、前記入
水口２４から流入した水の量に応じて添加筒１１の回転
速度も変化するので、前記添加剤１４の舞い上がる量も
変化し、このため前記水量に応じて添加剤１４の添加量
も変化して、水量に見合った添加量に制御し得る。

【００１７】また、前記の回転を検出する手段の出力は
カウンター回路（図示せず）に供給されて、ここで回転
数が積算され、この積算値が所定値に達した時に、前記
浄水部１の活性炭等の交換を促す表示、または前記添加
剤１４の補充を促す表示を動作させる。なお、上記説明
では、入水口２４から流入した水の一部が添加筒１１の
回転に寄与し、残りの水に添加剤１４が添加されるよう
に説明したが、上記のように添加筒１１の回転に一部寄
与した後、細網状部１３から添加筒１１内に侵入して添
加剤１４が添加されることもある。

【００１８】上記実施例では、添加筒ケース１５の内側
面に螺旋状のリブ２３が設けられているので、入水口２
４から流入して添加筒１１の回転に寄与し、前記出水口
１５に至る水が整流され、添加筒１１の回転が円滑にな
る。なお、上記実施例では、添加筒１１の細網状部１３
よりも凸リブ１２が外周方向に突出するようにしたが、
このリブ１２に代え、図３のように細網状部１３よりも
内周方向に突出した凸リブ２８を設けてもよく、この場
合には、前記リブ２３に代え、前記の凸リブ２８及び細
網状部１３により形成される添加筒１１の外周面にゆる
やかな螺旋状のリブ２９を設けてもよい。

【００１９】また、図３（ｂ）に示すように、添加筒１
１の下面に黒色等のマーキング３０を施し、このマーキ
ング３０と添加筒ケースに配設したフォトカプラー（図
示せず）とにより添加筒１１の回転を検出する手段を構
成してもよい。上記実施例では、浄水部１と電解槽４と
の間にカルシウム添加部３を配設したが、このカルシウ
ム添加部３を電解槽４のアルカリイオン水吐出側に設け
てもよい。

【００２０】上記実施例では、カルシウム添加部３を電
解イオン整水装置の一部として説明したが、このカルシ
ウム添加部３を独立したカルシウム自動添加装置として
もよい。また、前記カルシウム添加剤１４の補充に際し
ては、添加筒１１を添加筒ケース１５から取り外すの
で、前記永久磁石２６及び磁気センサー２７等の汚れを
容易に清掃することができる。

【００２１】

【発明の効果】この発明は上述したように、流水にカル
シウムを含む添加剤１４を自動的に添加するカルシウム
自動添加装置（カルシウム添加部３）であって、入水口
２４及び出水口２５を有する添加筒ケース１５と、該ケ
ースに回転自在に収納され、かつ周面が細網状（細網状
部１３）に形成されたカルシウム添加筒１１とを備え、
前記添加筒ケース１５の内周面と該ケースに収納された
前記カルシウム添加筒１１の外周面との間には前記入水
口２４から入水された水が通過して前記出水口１５に至
る流水路が形成され、前記カルシウム添加筒１１には凸
リブ１２及び凸部１６、１８等よりなる、前記流水路を
流れる水によって回転される水車を一体に形成し、この
カルシウム添加筒１１に収納された前記添加剤１４は前
記細網状の部分を介して侵入した水と共に前記細網状の
部分を介して該添加筒外に流出し、これが前記流水路を
流れる水と混合されて前記出水口２５から出水されるよ
うに構成したから、従来と同様の使い勝手でカルシウム
添加剤１４が添加筒１１内の底部に残って固まることが
ないばかりでなく、通水量に応じた添加剤１４の添加量
の制御が簡単な構成により実現できる。また、永久磁石
２６及び磁気センサー２７等よりなる、前記カルシウム
添加筒１１の回転を検出する手段を設けたので、従来の
ような専用の流量センサーが不要になり、かつこの回転
数の積算結果を表示することにより添加剤の補充時期を
的確に把握することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の一実施例を示すものであり、（ａ）
はカルシウム添加部の一部切り欠き正面図、（ｂ）はそ
の平面図である。

【図２】この発明の一実施例を示すものであり、図１に
示すカルシウム添加部を有する電解イオン整水装置の概
略図である。

【図３】この発明の他の実施例を示すものであり、
（ａ）は要部の正面図、（ｂ）は要部の底面図である。

【符号の説明】

１ 浄水部 ２ 管 ３ カルシウム添加部 ４ 電解槽 １１ カルシウム添加筒 １２，２８ 凸リブ １３ 細網状部 １４ 添加剤 １５ 添加筒ケース １６，１８ 凸部 １７ キャップ １９，２１ 軸受け ２０ ケースキャップ ２３，２９ リブ ２４ 入水口 ２５ 出水口 ２６ 永久磁石 ２７ 磁気センサー ３０ マーキング

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 流水にカルシウムを含む添加剤を自動的
   に添加するカルシウム自動添加装置であって、 入水口及び出水口を有する添加筒ケースと、該ケースに
   回転自在に収納され、かつ周面が細網状に形成されたカ
   ルシウム添加筒とを備え、 前記添加筒ケースの内周面と該ケースに収納された前記
   カルシウム添加筒の外周面との間には前記入水口から入
   水された水が通過して前記出水口に至る流水路が形成さ
   れ、前記カルシウム添加筒には前記流水路を流れる水に
   よって回転される水車を一体に形成し、このカルシウム
   添加筒に収納された前記添加剤は前記細網状の部分を介
   して侵入した水と共に前記細網状の部分を介して該添加
   筒外に流出し、これが前記流水路を流れる水と混合され
   て前記出水口から出水されるように構成したものにおい
   て、 前記カルシウム添加筒の回転を検出する手段を備え、こ
   の回転数の積算結果を表示するようにしたことを特徴と
   するカルシウム自動添加装置。
2. 【請求項２】 原水の不快かつ有害な異臭及び異物を除
   去するための浄水部と、供給された水をアルカリイオン
   水と酸性イオン水に電解分離する電解槽と、供給された
   水にカルシウムを含む添加剤を自動的に添加するカルシ
   ウム添加部とを備えた連続通水式電解イオン整水装置で
   あって、 前記カルシウム添加部は、入水口及び出水口を有する添
   加筒ケースと、該ケースに回転自在に収納され、かつ周
   面が細網状に形成されたカルシウム添加筒とを備え、 前記添加筒ケースの内周面と該ケースに収納された前記
   カルシウム添加筒の外周面との間には前記入水口から入
   水された水が通過して前記出水口に至る流水路が形成さ
   れ、前記カルシウム添加筒には前記流水路を流れる水に
   よって回転される水車を一体に形成し、このカルシウム
   添加筒に収納された前記添加剤は前記細網状の部分を介
   して侵入した水と共に前記細網状の部分を介して該添加
   筒外に流出し、これが前記流水路を流れる水と混合され
   て前記出水口から出水されるように構成したものにおい
   て、 前記カルシウム添加筒の回転を検出する手段を備えたこ
   とを特徴とする電解イオン整水装置。