JP2898865B2 - 難燃性樹脂組成物 - Google Patents
難燃性樹脂組成物Info
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- JP2898865B2 JP2898865B2 JP5301794A JP30179493A JP2898865B2 JP 2898865 B2 JP2898865 B2 JP 2898865B2 JP 5301794 A JP5301794 A JP 5301794A JP 30179493 A JP30179493 A JP 30179493A JP 2898865 B2 JP2898865 B2 JP 2898865B2
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- Japan
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- phosphate
- resin composition
- flame
- weight
- ethylene
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、火災発生による燃焼に
よっても有害かつ腐蝕性のハロゲン系ガスを全く発生し
ない、電線、ケーブル等の被覆、ホース類、シートおよ
び射出製品等への適用を目的とした難燃性樹脂組成物に
関するものである。
よっても有害かつ腐蝕性のハロゲン系ガスを全く発生し
ない、電線、ケーブル等の被覆、ホース類、シートおよ
び射出製品等への適用を目的とした難燃性樹脂組成物に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、電線、ケーブル等の被覆、ホース
類、シートおよび射出製品等に多用されているポリオレ
フィン組成物に難燃性を付与するためには、ポリオレフ
ィンにハロゲン化合物と三酸化アンチモンを添加するこ
とにより達成されていた。しかるに、これらの組成物は
ハロゲン組成物であり、燃焼時にハロゲン系ガスを発生
するので人体に有害であり、かつ金属が腐蝕されるため
好ましくなかった。また発煙量が多く、視界が悪いた
め、火災時の人の避難および消火活動が著しく制限され
ていた。特に、最近は安全面からこのようなハロゲン系
ガスを発生しないことが強く要望されるようになってき
た。このような情勢を踏まえ、発煙性、有害性の非常に
少ない水和金属化合物を用いる無機系難燃剤が注目され
るようになってきた。近年、難燃性を付与するために、
水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等を含む樹脂
複合物が実用化されているが、これらの難燃性樹脂組成
物においては、ハロゲン系ガスの発生を防止しうるも、
燃焼時に該樹脂組成物が溶融して落下するという所謂ド
リップ現象を発生し、垂直燃焼試験例えばUL規格の垂
直燃焼試験(VW−1)に不合格になるという問題があ
った。
類、シートおよび射出製品等に多用されているポリオレ
フィン組成物に難燃性を付与するためには、ポリオレフ
ィンにハロゲン化合物と三酸化アンチモンを添加するこ
とにより達成されていた。しかるに、これらの組成物は
ハロゲン組成物であり、燃焼時にハロゲン系ガスを発生
するので人体に有害であり、かつ金属が腐蝕されるため
好ましくなかった。また発煙量が多く、視界が悪いた
め、火災時の人の避難および消火活動が著しく制限され
ていた。特に、最近は安全面からこのようなハロゲン系
ガスを発生しないことが強く要望されるようになってき
た。このような情勢を踏まえ、発煙性、有害性の非常に
少ない水和金属化合物を用いる無機系難燃剤が注目され
るようになってきた。近年、難燃性を付与するために、
水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等を含む樹脂
複合物が実用化されているが、これらの難燃性樹脂組成
物においては、ハロゲン系ガスの発生を防止しうるも、
燃焼時に該樹脂組成物が溶融して落下するという所謂ド
リップ現象を発生し、垂直燃焼試験例えばUL規格の垂
直燃焼試験(VW−1)に不合格になるという問題があ
った。
【0003】又これを改良した難燃性樹脂組成物とし
て、エチレンアクリル酸エラストマーに水酸化アルミニ
ウム、水酸化マグネシウム等の無機系難燃剤を配合した
ものが開発された(特開昭62-186411号)。しかしなが
ら、この難燃性樹脂組成物は燃焼時におけるドリップ性
に優れており、JIS規格の水平或は60°傾斜の燃焼
試験には合格するが、UL規格のVW−1の試験には合
格できないものであった。又この難燃性を向上せしめる
為に上記無機系難燃剤を多量に配合すると、引張強さ、
伸び等の機械的特性が極端に低下したり、又樹脂組成物
の粘度が高くなり押出成形することが困難となるという
欠点があった。一方、リン系難燃剤は、一般に広く使用
されている難燃剤であり、その中でもリン酸系難燃剤は
種類が多く、且つ広く使用されており、これらもハロゲ
ン系難燃剤のようにハロゲン系ガスを発生しない。とこ
ろが、リン酸系難燃剤で所望の難燃性を得るためには多
量の添加が必要である。しかしながら、リン酸系難燃剤
はその極性のためにポリオレフィン樹脂との相溶性が悪
く、少量の添加でもブリードアウトしてしまい添加量を
増大させることができずあまり使用されていなかった。
て、エチレンアクリル酸エラストマーに水酸化アルミニ
ウム、水酸化マグネシウム等の無機系難燃剤を配合した
ものが開発された(特開昭62-186411号)。しかしなが
ら、この難燃性樹脂組成物は燃焼時におけるドリップ性
に優れており、JIS規格の水平或は60°傾斜の燃焼
試験には合格するが、UL規格のVW−1の試験には合
格できないものであった。又この難燃性を向上せしめる
為に上記無機系難燃剤を多量に配合すると、引張強さ、
伸び等の機械的特性が極端に低下したり、又樹脂組成物
の粘度が高くなり押出成形することが困難となるという
欠点があった。一方、リン系難燃剤は、一般に広く使用
されている難燃剤であり、その中でもリン酸系難燃剤は
種類が多く、且つ広く使用されており、これらもハロゲ
ン系難燃剤のようにハロゲン系ガスを発生しない。とこ
ろが、リン酸系難燃剤で所望の難燃性を得るためには多
量の添加が必要である。しかしながら、リン酸系難燃剤
はその極性のためにポリオレフィン樹脂との相溶性が悪
く、少量の添加でもブリードアウトしてしまい添加量を
増大させることができずあまり使用されていなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる現状
に鑑み鋭意研究を行った結果、燃焼時におけるドリップ
性を防止し且つUL規格に示すVW−1の試験に合格す
る燃焼性を有し、しかも燃焼時に煙の発生が少ない難燃
性樹脂組成物を提供するものである。
に鑑み鋭意研究を行った結果、燃焼時におけるドリップ
性を防止し且つUL規格に示すVW−1の試験に合格す
る燃焼性を有し、しかも燃焼時に煙の発生が少ない難燃
性樹脂組成物を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、エチレン
系コポリマーと難燃性良好なフェノール樹脂及び難燃剤
系について検討した結果、フェノールノボラック樹脂の
添加量を増やすと難燃性は改善されるが、耐寒性、引張
特性の低下を招くという欠点が生じることが判った。そ
こで更に鋭意検討した結果、フェノールノボラック樹脂
とリン酸系難燃剤及びホウ酸亜鉛の添加量及び組み合わ
せにより耐寒性、引張特性等を損なうこと無く、又ブリ
ードアウトもなく、更に難燃性が向上することを見いだ
し本発明を完成するに至った。本発明の難燃性樹脂組成
物は、下記の(a)〜(e)の成分からなる組成物であっ
て、(a)+(b)100重量部[但し(a):(b)=95:
5〜80:20]に対して、(c)を3〜15重量部、
(d)を3〜15重量部、(e)を50〜150重量部含有
することを特徴とするものである。 (a) エチレンとα−オレフィンとの共重合体、エチレ
ン−エチルアクリレート共重合樹脂またはエチレン−メ
チルメタクリレート共重合樹脂の中から選ばれる1種ま
たは2種以上の樹脂、(b) フェノールノボラック樹
脂、(c) リン酸系難燃剤、(d) ホウ酸亜鉛、(e)
水和金属化合物。
系コポリマーと難燃性良好なフェノール樹脂及び難燃剤
系について検討した結果、フェノールノボラック樹脂の
添加量を増やすと難燃性は改善されるが、耐寒性、引張
特性の低下を招くという欠点が生じることが判った。そ
こで更に鋭意検討した結果、フェノールノボラック樹脂
とリン酸系難燃剤及びホウ酸亜鉛の添加量及び組み合わ
せにより耐寒性、引張特性等を損なうこと無く、又ブリ
ードアウトもなく、更に難燃性が向上することを見いだ
し本発明を完成するに至った。本発明の難燃性樹脂組成
物は、下記の(a)〜(e)の成分からなる組成物であっ
て、(a)+(b)100重量部[但し(a):(b)=95:
5〜80:20]に対して、(c)を3〜15重量部、
(d)を3〜15重量部、(e)を50〜150重量部含有
することを特徴とするものである。 (a) エチレンとα−オレフィンとの共重合体、エチレ
ン−エチルアクリレート共重合樹脂またはエチレン−メ
チルメタクリレート共重合樹脂の中から選ばれる1種ま
たは2種以上の樹脂、(b) フェノールノボラック樹
脂、(c) リン酸系難燃剤、(d) ホウ酸亜鉛、(e)
水和金属化合物。
【0006】本発明の(a)成分は、水和金属化合物を多
量に充填した場合に引き起こされる、特性の低下を防止
する目的で添加される。本発明において使用されるエチ
レンとα−オレフィンとの共重合体のα−オレフィンと
しては、C3 〜C12の例えばプロピレン、ブテン−1、
ペンテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−1、オクテン
−1、4−メチルペンテン−1、4−メチルヘキセン−
1、4,4−ジメチルペンテン−1、ノネン−1、デセ
ン−1、ウンデセン−1又はドデセン−1等が挙げられ
る。本発明の(b)成分は、組成物の燃焼時における発煙
性を抑制すると共に難燃性を付与する目的で添加され
る。本発明において使用されるフェノールノボラック樹
脂は特に限定するものでなく市販されているものであ
り、例えば、フェノール類とホルマリンとをフェノール
類/ホルムアルデヒドの比が、0.5〜1.0となるよ
うな配合比率で反応釜に仕込み、更にシュウ酸、塩酸、
硫酸、トルエンスルホン酸等の触媒を加えた後加熱し、
適当な時間還流反応を行った後、分離した水を除去する
為真空脱水あるいは静置脱水し、更に残っている水と未
反応のフェノール類を除去する方法により得ることがで
きる。これらの樹脂あるいは複数の原料成分を用いるこ
とにより得られる共縮合フェノール樹脂は、単独あるい
は二種以上組み合わせて用いられる。本発明の(a)成分
と(b)成分のフェノールノボラック樹脂は、95:5〜
80:20重量部、好ましくは90:10〜85:15
重量部の範囲で配合される。(b)成分の配合比率が5重
量部を下回ると、難燃性の改善効果が不十分となり、又
(b)成分の配合比率が20重量部を上回ると耐寒性、引
張強さ、伸び等の特性が低下する。
量に充填した場合に引き起こされる、特性の低下を防止
する目的で添加される。本発明において使用されるエチ
レンとα−オレフィンとの共重合体のα−オレフィンと
しては、C3 〜C12の例えばプロピレン、ブテン−1、
ペンテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−1、オクテン
−1、4−メチルペンテン−1、4−メチルヘキセン−
1、4,4−ジメチルペンテン−1、ノネン−1、デセ
ン−1、ウンデセン−1又はドデセン−1等が挙げられ
る。本発明の(b)成分は、組成物の燃焼時における発煙
性を抑制すると共に難燃性を付与する目的で添加され
る。本発明において使用されるフェノールノボラック樹
脂は特に限定するものでなく市販されているものであ
り、例えば、フェノール類とホルマリンとをフェノール
類/ホルムアルデヒドの比が、0.5〜1.0となるよ
うな配合比率で反応釜に仕込み、更にシュウ酸、塩酸、
硫酸、トルエンスルホン酸等の触媒を加えた後加熱し、
適当な時間還流反応を行った後、分離した水を除去する
為真空脱水あるいは静置脱水し、更に残っている水と未
反応のフェノール類を除去する方法により得ることがで
きる。これらの樹脂あるいは複数の原料成分を用いるこ
とにより得られる共縮合フェノール樹脂は、単独あるい
は二種以上組み合わせて用いられる。本発明の(a)成分
と(b)成分のフェノールノボラック樹脂は、95:5〜
80:20重量部、好ましくは90:10〜85:15
重量部の範囲で配合される。(b)成分の配合比率が5重
量部を下回ると、難燃性の改善効果が不十分となり、又
(b)成分の配合比率が20重量部を上回ると耐寒性、引
張強さ、伸び等の特性が低下する。
【0007】本発明の(c)成分は、組成物の燃焼時にお
ける発煙性を抑制すると共に難燃性を付与する目的で添
加される。本発明において使用されるリン酸系難燃剤は
特に限定するものではなく市販されているものであり、
例えば、リン酸トリエチル、リン酸トリクレジル、リン
酸トリフェニル、リン酸クレジルフェニル、リン酸オク
チルジフェニル、ジエチレンリン酸エチルエステル、ジ
ヒドロキシプロピレンリン酸ブチルエステル又はエチレ
ンリン酸ジナトリウムエステル等が挙げられる。これら
の添加量として、3重量部以下では所望の難燃効果が得
られず、15重量部以上ではブリードアウトが発生す
る。本発明の(d)成分は、組成物の燃焼時における(b)
成分及び(c)成分の成殻性を補助すると共に難燃性を付
与する目的で添加される。本発明において使用されるホ
ウ酸亜鉛は特に限定するものではなく市販されているも
のである。これらの添加量として、3重量部以下では所
望の難燃効果が得られず、15重量部以上では引張特性
等の機械的特性が低下する。
ける発煙性を抑制すると共に難燃性を付与する目的で添
加される。本発明において使用されるリン酸系難燃剤は
特に限定するものではなく市販されているものであり、
例えば、リン酸トリエチル、リン酸トリクレジル、リン
酸トリフェニル、リン酸クレジルフェニル、リン酸オク
チルジフェニル、ジエチレンリン酸エチルエステル、ジ
ヒドロキシプロピレンリン酸ブチルエステル又はエチレ
ンリン酸ジナトリウムエステル等が挙げられる。これら
の添加量として、3重量部以下では所望の難燃効果が得
られず、15重量部以上ではブリードアウトが発生す
る。本発明の(d)成分は、組成物の燃焼時における(b)
成分及び(c)成分の成殻性を補助すると共に難燃性を付
与する目的で添加される。本発明において使用されるホ
ウ酸亜鉛は特に限定するものではなく市販されているも
のである。これらの添加量として、3重量部以下では所
望の難燃効果が得られず、15重量部以上では引張特性
等の機械的特性が低下する。
【0008】本発明の難燃性樹脂組成物は、(a)成分の
エチレンとα−オレフィンとの共重合体、エチレン−エ
チルアクリレート共重合樹脂またはエチレン−メチルメ
タクリレート共重合樹脂の中から選ばれる1種または2
種以上の樹脂、(b)成分のフェノールノボラック樹脂、
(c)成分のリン酸系難燃剤、(d)成分のホウ酸亜鉛、
(e)成分の水和金属化合物を一括投入し加圧ニーダーや
バンバリーミキサー等で150〜200℃、10〜30
分間溶融混練する方法、又は(b)成分のフェノールノボ
ラック樹脂、(c)成分のリン酸系難燃剤、(d)成分のホ
ウ酸亜鉛を予め加圧ニーダー等で120〜150℃、1
0〜30分間溶融混練した後、(a)成分と(e)成分を添
加し更に二軸押出機等を用いて180〜200℃で混練
する方法により得られるが、後者の方が(b)成分、(c)
成分、及び(d)成分が選択的に混ざり合う為より好まし
い。このように本発明の難燃性樹脂組成物は、(a)成分
の特性低下を殆どまねくこと無く難燃性を向上する効果
を有しているが、その理由として、(a)成分に対しフェ
ノールノボラック樹脂とリン酸系難燃剤及びホウ酸亜鉛
の組み合わせが相溶性を改善し、ミクロ相分離構造を取
ることが可能になった為と考えられる。
エチレンとα−オレフィンとの共重合体、エチレン−エ
チルアクリレート共重合樹脂またはエチレン−メチルメ
タクリレート共重合樹脂の中から選ばれる1種または2
種以上の樹脂、(b)成分のフェノールノボラック樹脂、
(c)成分のリン酸系難燃剤、(d)成分のホウ酸亜鉛、
(e)成分の水和金属化合物を一括投入し加圧ニーダーや
バンバリーミキサー等で150〜200℃、10〜30
分間溶融混練する方法、又は(b)成分のフェノールノボ
ラック樹脂、(c)成分のリン酸系難燃剤、(d)成分のホ
ウ酸亜鉛を予め加圧ニーダー等で120〜150℃、1
0〜30分間溶融混練した後、(a)成分と(e)成分を添
加し更に二軸押出機等を用いて180〜200℃で混練
する方法により得られるが、後者の方が(b)成分、(c)
成分、及び(d)成分が選択的に混ざり合う為より好まし
い。このように本発明の難燃性樹脂組成物は、(a)成分
の特性低下を殆どまねくこと無く難燃性を向上する効果
を有しているが、その理由として、(a)成分に対しフェ
ノールノボラック樹脂とリン酸系難燃剤及びホウ酸亜鉛
の組み合わせが相溶性を改善し、ミクロ相分離構造を取
ることが可能になった為と考えられる。
【0009】本発明において使用される(e)成分の水和
金属化合物としては、分解開始温度が150〜450℃の範囲
にあって、一般式 MmOn・XH2O(ここに Mは金
属、m,nは金属の原子価によって定まる1以上の整数、
Xは含有結晶水を示す数)で表される化合物または該化
合物を含む複塩であり、具体的には、水酸化アルミニウ
ム[Al2O3・3H2O;または Al(OH)3]、水酸
化マグネシウム[MgO・H2O;または Mg(O
H)2]、水酸化カルシウム[CaO・H2O;またはC
a(OH)2]、水酸化バリウム[BaO・H2O;または
BaO・9H2O]、酸化ジルコニウム水和物[ZrO
・nH20]、酸化スズ水和物[SnO・H20]、塩基
性炭酸マグネシウム[3MgCO3・Mg(OH)2・3H
2O]、ハイドロタルサイト[6MgO・Al2O3・H2
O]、ドウソナイト[Na2CO3・Al2O3・nH
2O]又は硼砂[Na2O・B2O5・5H2O]等であ
る。これらの添加量として、50重量部以下では所望の
難燃効果は得にくく、また150重量部以上では引張強
さなどの機械的特性が低下し、また押出加工性が悪くな
る。その他の添加剤として本発明の難燃性組成物は所望
により通常に使用される添加剤、例えば酸化防止剤、中
和剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、顔料、分散剤、滑
材、増粘剤、発泡剤、金属劣化防止剤、防カビ剤、流動
調整剤等、その他の無機質充填剤、架橋剤、架橋助剤
等、または他の合成樹脂を含有させることもできる。ま
た電子線照射架橋させることも可能である。
金属化合物としては、分解開始温度が150〜450℃の範囲
にあって、一般式 MmOn・XH2O(ここに Mは金
属、m,nは金属の原子価によって定まる1以上の整数、
Xは含有結晶水を示す数)で表される化合物または該化
合物を含む複塩であり、具体的には、水酸化アルミニウ
ム[Al2O3・3H2O;または Al(OH)3]、水酸
化マグネシウム[MgO・H2O;または Mg(O
H)2]、水酸化カルシウム[CaO・H2O;またはC
a(OH)2]、水酸化バリウム[BaO・H2O;または
BaO・9H2O]、酸化ジルコニウム水和物[ZrO
・nH20]、酸化スズ水和物[SnO・H20]、塩基
性炭酸マグネシウム[3MgCO3・Mg(OH)2・3H
2O]、ハイドロタルサイト[6MgO・Al2O3・H2
O]、ドウソナイト[Na2CO3・Al2O3・nH
2O]又は硼砂[Na2O・B2O5・5H2O]等であ
る。これらの添加量として、50重量部以下では所望の
難燃効果は得にくく、また150重量部以上では引張強
さなどの機械的特性が低下し、また押出加工性が悪くな
る。その他の添加剤として本発明の難燃性組成物は所望
により通常に使用される添加剤、例えば酸化防止剤、中
和剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、顔料、分散剤、滑
材、増粘剤、発泡剤、金属劣化防止剤、防カビ剤、流動
調整剤等、その他の無機質充填剤、架橋剤、架橋助剤
等、または他の合成樹脂を含有させることもできる。ま
た電子線照射架橋させることも可能である。
【0010】
【実施例】以下に実施例を挙げて説明する。表1、2、
3に示す配合剤のうち、(b)成分のフェノールノボラッ
ク樹脂(3〜4)と(C)成分のリン酸系難燃剤(5〜
6)と(d)成分のホウ酸亜鉛(7)を加圧ニーダーを用
いて120〜150℃の温度で混練し、造粒した。この
様にして得られた組成物に(a)成分と(e)成分の水和金
属化合物、及び滑剤、安定剤を添加し、異方向二軸押出
機を用いて押出温度180〜220℃で混練し、造粒し
た。得られた組成物をロールプレスし、測定用試験片を
作成し、酸素指数、耐寒性の評価を行った。又50mmφ
押出機(L/D=24)を用いて、外径0.85mmの導体外
周に上記難燃性樹脂組成物を1.05mm厚に押出被覆
し、絶縁電線を作製した。この絶縁電線について難燃性
(UL規格の垂直燃焼試験:VW−1)、燃焼時のドリ
ップの有無、引張特性等の評価を行った。その評価結果
を表1、2、3に示す。
3に示す配合剤のうち、(b)成分のフェノールノボラッ
ク樹脂(3〜4)と(C)成分のリン酸系難燃剤(5〜
6)と(d)成分のホウ酸亜鉛(7)を加圧ニーダーを用
いて120〜150℃の温度で混練し、造粒した。この
様にして得られた組成物に(a)成分と(e)成分の水和金
属化合物、及び滑剤、安定剤を添加し、異方向二軸押出
機を用いて押出温度180〜220℃で混練し、造粒し
た。得られた組成物をロールプレスし、測定用試験片を
作成し、酸素指数、耐寒性の評価を行った。又50mmφ
押出機(L/D=24)を用いて、外径0.85mmの導体外
周に上記難燃性樹脂組成物を1.05mm厚に押出被覆
し、絶縁電線を作製した。この絶縁電線について難燃性
(UL規格の垂直燃焼試験:VW−1)、燃焼時のドリ
ップの有無、引張特性等の評価を行った。その評価結果
を表1、2、3に示す。
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】(1) 日本石油化学製 ソフトレックス
(エチレン−α−オレフィン共重合体) (2) 日本石油化学製 レクスロン(エチレン−エチル
アクリレート共重合体) (3) 住友デュレズ製 スミライトレジンR(ストレー
トフェノールノボラック樹脂) (4) 住友デュレズ製 スミライトレジンR(パラオク
チルフェノールノボラック樹脂) (5) 大八化学製 TPP(トリフェニルホスフェ
ート) (6) 大八化学製 TCP(トリクレジルホスフェ
ート) (7) 旭電化製 マークガード 2335 (8) 昭和電工製 ハイジライト H42M (9) 協和化学製 キスマ 5B (10) 三洋化成工業製 サンワックス 171P
1.0重量部 チバガイギー製 イルガノックス 1076 0.3重
量部 住友化学工業製 スミライザー WXR 0.3重
量部の混合物 (11) ブリード性:溶融混練後のシート表面の状態を目
視で観察し評価した。 ○:ブリード無し ×:ブリード有り (12) 50mmφ単軸押出機(L/D=24) 圧縮比:
3.5 押出温度:120-150-160-170-170(℃) 導体径:0.85mm 被覆厚:1.05mm ○:押出性良好 ×:押出不可 (13)(14) UL規格の垂直燃焼試験(VW−1) (15) JIS K 7201に準拠 (16) JIS K 6723に準拠 (17)(18) JIS K 6760に準拠
(エチレン−α−オレフィン共重合体) (2) 日本石油化学製 レクスロン(エチレン−エチル
アクリレート共重合体) (3) 住友デュレズ製 スミライトレジンR(ストレー
トフェノールノボラック樹脂) (4) 住友デュレズ製 スミライトレジンR(パラオク
チルフェノールノボラック樹脂) (5) 大八化学製 TPP(トリフェニルホスフェ
ート) (6) 大八化学製 TCP(トリクレジルホスフェ
ート) (7) 旭電化製 マークガード 2335 (8) 昭和電工製 ハイジライト H42M (9) 協和化学製 キスマ 5B (10) 三洋化成工業製 サンワックス 171P
1.0重量部 チバガイギー製 イルガノックス 1076 0.3重
量部 住友化学工業製 スミライザー WXR 0.3重
量部の混合物 (11) ブリード性:溶融混練後のシート表面の状態を目
視で観察し評価した。 ○:ブリード無し ×:ブリード有り (12) 50mmφ単軸押出機(L/D=24) 圧縮比:
3.5 押出温度:120-150-160-170-170(℃) 導体径:0.85mm 被覆厚:1.05mm ○:押出性良好 ×:押出不可 (13)(14) UL規格の垂直燃焼試験(VW−1) (15) JIS K 7201に準拠 (16) JIS K 6723に準拠 (17)(18) JIS K 6760に準拠
【0015】
【発明の効果】表1より明かなように、本発明の難燃性
樹脂組成物によれば、燃焼時のドリップ性を防止し得る
と共にUL規格に示すVW−1に合格する高度の難燃性
を有し、しかも燃焼時に有害ガスを発生することなく、
優れた機械的特性を有する等工業上有用なものである。
樹脂組成物によれば、燃焼時のドリップ性を防止し得る
と共にUL規格に示すVW−1に合格する高度の難燃性
を有し、しかも燃焼時に有害ガスを発生することなく、
優れた機械的特性を有する等工業上有用なものである。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 61:06)
Claims (5)
- 【請求項1】 下記の(a)〜(e)の成分からなる組成物
であって、(a)+(b)100重量部[但し(a):(b)=
95:5〜80:20]に対して、(c)を3〜15重量
部、(d)を3〜15重量部、(e)を50〜150重量部
含有することを特徴とする難燃性樹脂組成物。 (a) エチレンとα−オレフィンとの共重合体、エチレ
ン−エチルアクリレート共重合樹脂またはエチレン−メ
チルメタクリレート共重合樹脂の中から選ばれる1種ま
たは2種以上の樹脂、(b) フェノールノボラック樹
脂、(c) リン酸系難燃剤、(d) ホウ酸亜鉛、(e)
水和金属化合物。 - 【請求項2】 α−オレフィンが、プロピレン、ブテン
−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−1、オ
クテン−1、4−メチルペンテン−1、4−メチルヘキ
セン−1、4,4−ジメチルペンテン−1、ノネン−
1、デセン−1、ウンデセン−1又はドデセン−1であ
る請求項1記載の難燃性樹脂組成物。 - 【請求項3】 リン酸系難燃剤が、リン酸トリエチル、
リン酸トリクレジル、リン酸トリフェニル、リン酸クレ
ジルフェニル、リン酸オクチルジフェニル、ジエチレン
リン酸エチルエステル、ジヒドロキシプロピレンリン酸
ブチルエステル又はエチレンリン酸ジナトリウムエステ
ルである請求項1又は2記載の難燃性樹脂組成物。 - 【請求項4】 水和金属化合物が、一般式 MmOn・X
H2O(ここに Mは金属、m,nは金属の原子価によって
定まる1以上の整数、Xは含有結晶水を示す数)で表さ
れる化合物または該化合物を含む複塩である請求項1、
2又は3記載の難燃性樹脂組成物。 - 【請求項5】 水和金属化合物が、水酸化アルミニウム
[Al2O3・3H2O;または Al(OH)3]、水酸化
マグネシウム[MgO・H2O;または Mg(O
H)2]、水酸化カルシウム[CaO・H2O;または C
a(OH)2]、水酸化バリウム[BaO・H2O;または
BaO・9H2O]、酸化ジルコニウム水和物[ZrO
・nH20]、酸化スズ水和物[SnO・H20]、塩基
性炭酸マグネシウム[3MgCO3・Mg(OH)2・3H
2O]、ハイドロタルサイト[6MgO・Al2O3・H2
O]、ドウソナイト[Na2CO3・Al2O3・nH
2O]又は硼砂[Na2O・B2O5・5H2O]である請
求項1、2又は3記載の難燃性樹脂組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5301794A JP2898865B2 (ja) | 1993-12-01 | 1993-12-01 | 難燃性樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5301794A JP2898865B2 (ja) | 1993-12-01 | 1993-12-01 | 難燃性樹脂組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07149965A JPH07149965A (ja) | 1995-06-13 |
JP2898865B2 true JP2898865B2 (ja) | 1999-06-02 |
Family
ID=17901260
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5301794A Expired - Lifetime JP2898865B2 (ja) | 1993-12-01 | 1993-12-01 | 難燃性樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2898865B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1038915B1 (de) * | 1999-03-22 | 2003-12-03 | Ciba Spezialitätenchemie Pfersee GmbH | Bor, Phosphor und Polymer enthaltende flammhemmende Zusammensetzungen |
WO2015170668A1 (ja) * | 2014-05-08 | 2015-11-12 | Nok株式会社 | エチレンアクリルゴム組成物、エチレンアクリルゴム、ゴム金属複合体及びボンデッドピストンシール |
JP2019210316A (ja) * | 2018-05-31 | 2019-12-12 | 住友ベークライト株式会社 | フェノール樹脂組成物および成形品 |
JP2020105275A (ja) * | 2018-12-26 | 2020-07-09 | 住友ベークライト株式会社 | フェノール樹脂成形材料および成形品 |
-
1993
- 1993-12-01 JP JP5301794A patent/JP2898865B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07149965A (ja) | 1995-06-13 |
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