JP2003268250A - ノンハロゲン難燃性組成物および難燃性電源コード - Google Patents

ノンハロゲン難燃性組成物および難燃性電源コード

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JP2003268250A
JP2003268250A JP2002079197A JP2002079197A JP2003268250A JP 2003268250 A JP2003268250 A JP 2003268250A JP 2002079197 A JP2002079197 A JP 2002079197A JP 2002079197 A JP2002079197 A JP 2002079197A JP 2003268250 A JP2003268250 A JP 2003268250A
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flame
retardant
weight
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ethylene
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JP2002079197A
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Takashi Edo
崇司 江戸
Tomohisa Watanabe
知久 渡辺
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Fujikura Ltd
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Fujikura Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ハロゲン元素を含まず焼却時にもダイオキシ
ン等の有害ガスを発生することがないと共に、JIS規
格C3005の60度傾斜燃焼試験並びにUL規格VW
−1の垂直燃焼試験のいずれにも合格する高度な難燃性
を有し、かつ優れた柔軟性(可撓性)を有するノンハロ
ゲン難燃性組成物を導体上に被覆することによって、目
的とする難燃性電源コードを提供することにある。 【解決手段】 オレフィン系重合体、合成ゴム、熱可塑
性エラストマーから選ばれる少なくとも1種のベースポ
リマー100重量部に対して、金属水和物50〜200
重量部、窒素系難燃剤10〜150重量部および亜鉛系
難燃助剤3〜30重量部を配合してなるノンハロゲン難
燃性組成物とすることによって、解決される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃焼時にハロゲン
ガス等の有害ガスを発生することがなく、高度な難燃性
と優れた柔軟性(或いは可撓性)を有するノンハロゲン
難燃性組成物並びにそれを被覆材料として用いた難燃性
電源コードに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来ハロゲンフリーの難燃性樹脂組成物
としては、エチレン系単独重合体、エチレン系共重合体
やエチレン・プロピレンゴム等のゴム系材料に多量の水
酸化マグネシウムや水酸化アルミニウム等を配合したも
のが知られており、各種成形品や電線・ケーブルの被覆
材料として用いられている。しかしながら、このような
難燃性オレフィン重合体組成物は、前述のように多量の
水酸化マグネシウム等を添加するする必要があるため
に、電源コード類の被覆材料としては被覆が硬すぎ、ま
た伸びも不充分なため柔軟性(可撓性)の点において問
題があった。また難燃性においても、前記水酸化マグネ
シウム等の金属水和物のみでは対応できない高度な難燃
性の要求もでてきている。
【0003】そこでポリオレフィン系樹脂にスチレン系
のエラストマーを混合することによって、柔軟性を向上
させようとする提案もされているが、本発明が目的とす
る難燃性電源コード類の被覆材料としてはやはり柔軟性
(可撓性)の点において十分ではなく、また難燃性につ
いても前記水酸化マグネシウムの添加量を減らすために
リン系難燃剤を組み合わせて難燃性を向上させようとす
るものであるが、しかしながらこのリン系難燃剤は最近
の環境問題から少量の使用にとどまるので、高度な難燃
性を得ようとする場合は問題があった。そこで、これら
の問題を解決する提案が望まれていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】よって本発明が解決し
ようとする課題は、ハロゲン元素を含まず焼却時にもダ
イオキシン等の有害ガスを発生することがないと共に、
難燃性は、JIS規格C3005の60度傾斜燃焼試験
およびUL規格VW−1の垂直燃焼試験の両方に合格す
ることを目的とし、かつ優れた柔軟性(可撓性)を有す
るノンハロゲン難燃性組成物を導体上に被覆することに
よって、目的とする難燃性電源コードを提供することに
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】前述の課題を解決するた
めには、請求項1に記載されるようにオレフィン系重合
体、合成ゴム、熱可塑性エラストマーから選ばれる少な
くとも1種のベースポリマー100重量部に対して、金
属水和物50〜200重量部、窒素系難燃剤10〜15
0重量部および亜鉛系難燃助剤3〜30重量部を配合し
てなるノンハロゲン難燃性組成物とすることによって、
解決される。
【0006】また請求項2に記載されるように、ノンハ
ロゲン難燃性組成物の前記ベースポリマーとして、前記
オレフィン系重合体から選ばれるエチレン系共重合体4
0〜60重量部と前記熱可塑性エラストマー60〜40
重量部からなる混合物とすることによって、解決され
る。
【0007】さらに請求項3に記載されるように、前記
ベースポリマーが、前記エチレン系共重合体95〜70
重量部とエチレン・アクリルゴム5〜30重量部からな
る混合物とすることによって、解決される。
【0008】さらにまた請求項4に記載されるように、
前記ベースポリマーが、前記エチレン系共重合体40〜
90重量部、スチレン系共重合体30〜5重量部、前記
エチレン・アクリルゴム20〜5重量部からなる混合物
混合物とすることによって、解決される。
【0009】また、請求項5に記載されるように、前記
請求項1〜4に記載されるノンハロゲン難燃性組成物
を、導体上に押出被覆して難燃性電源コードとすること
によって、解決できる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳しく説明する。
請求項1に記載される発明は、オレフィン系重合体、合
成ゴム、熱可塑性エラストマーから選ばれる少なくとも
1種のベースポリマー100重量部に対して、金属水和
物50〜200重量部、窒素系難燃剤10〜150重量
部および亜鉛系難燃助剤3〜30重量部を配合したノン
ハロゲン難燃性組成物に関するもので、このような難燃
性組成物とすることによって、優れた柔軟性(可撓性)
と高度な難燃性を有するものとなる。すなわち柔軟性
(可撓性)については、硬度(ショアD)が40以下、
引張り強度が10MPa以上となるような機械的特性を
持たせるものである。このような各特性値とすることに
よって、電源コードとしての柔軟性(可撓性)を得るこ
とができ、ストレスクラック等が発生することもなくな
る。
【0011】また難燃性に関しては、前述のノンハロゲ
ン難燃性組成物を導体上に押出被覆した難燃性電源コー
ドとすることにより、JIS規格C3005の60度傾
斜燃焼試験およびUL規格VW−1の垂直燃焼試験のい
ずれにも合格するものとすることができる。このような
難燃性電源コードは、特に要求される難燃性について十
分なものであり、またこの電源コード類を焼却処分して
も、ダイオキシンに代表される有害ガスを発生すること
もないものとなる。
【0012】まずノンハロゲン難燃性組成物のベースポ
リマーとなるオレフィン系重合体、合成ゴム、熱可塑性
エラストマーについて説明する。前記のオレフィン系重
合体としては、低密度ポリエチレン(LDPE)、超低
密度ポリエチレン(VLDPE)直鎖状低密度ポリエチ
レン(LLDPE)等の単独重合体やエチレン−酢酸ビ
ニル共重合体(EVA)、エチレン−エチルアクリレー
ト(EEA)、エチレン−メチルメタアクリレート(E
MMA)やエチレン・プロピレンジエン共重合体(EP
DM)等のエチレン系共重合体が用いられる。また前記
合成ゴムとしては、エチレン・プロピレンゴム(EP
R)、エチレン・アクリルゴム、アクリルゴム(AC
M)等が上げられ、中でもエチレン・アクリルゴムが好
ましく用いられる。さらに前記熱可塑性エラストマーと
しては、スチレン−エチレン−エチレンプロピレン−ス
チレン共重合体(SEEPS)、ポリプロピレン−エチ
レンプロピレン共重合体(PP−EP)等を挙げること
ができるが、前記SEEPSが好ましく使用される。こ
のスチレン系共重合体である熱可塑性エラストマーは、
柔軟性かつ高強度と言う特性を有するもので好ましいも
のである。そしてこれらのベースポリマーは、前記各材
料を単独で或いは混合して用いるが、混合物の場合にお
いては、組成物中のベースポリマーとして100重量部
となるように配合される。
【0013】つぎに難燃剤として配合される金属水和物
について説明する。この金属水和物は、燃焼時に高温で
の吸熱反応を起こすことによって自消性を発現するもの
で、例えば水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、
水酸化カルシウムや塩基性炭酸マグネシウム等が知られ
ている。中でも水酸化マグネシウムが最も好ましい。さ
らに前記金属水和物は、前記ベースポリマーとの分散性
や相溶性を良好にするために脂肪酸、シランカップリン
グ剤等によって表面処理したものが好ましく、その平均
粒径も0.5〜10μm程度のものが良い。そしてこの
ような金属水和物は、前記ベースポリマー100重量部
に対して、50〜200重量部の範囲で添加するのが良
い。前述のように多量の添加は機械的特性の低下を招く
ので、特に難燃性と柔軟性(可撓性)を求められる本発
明の難燃性電源コード類の被覆材料では、この両者のバ
ランスをとる必要がある。添加量の上限は、200重量
部までとするのが好ましい。
【0014】また第2の難燃剤として配合される窒素系
難燃剤について説明すると、この窒素系の難燃剤は、燃
焼時に窒素ガス等を大量に発生して燃焼を抑制するもの
であるが、こような窒素系難燃剤としては、ポリリン酸
アンモニウム、粉末メラミン、メラミンシアヌレート等
が挙げられるが、中でもメラミンシアヌレートが好まし
く用いられる。そしてその配合量は、前記ベースポリマ
ー100重量部に対して、10〜150重量部とされ
る。これは配合量が10重量部未満では、難燃性電源コ
ードの被覆材に用いた場合に、JIS規格C3005の
60度傾斜燃焼試験並びにUL規格VW−1の垂直燃焼
試験の両者に合格する難燃性が得られない。またその配
合量が150重量部を越えると、引張り強度等の機械的
特性の低下を生じると共に、柔軟性(可撓性)の点でも
問題が生じるためである。
【0015】さらに前記難燃剤の難燃助剤として添加さ
れる、亜鉛系の難燃助剤について説明する。この亜鉛系
の化合物は、燃焼時にチャーと称される難燃性の殻を生
成することによって難燃性に寄与しているものと考えら
れ、前記難燃剤と併せて高度な難燃性を発現する。具体
的には、硼酸亜鉛、スズ酸亜鉛、ヒドロキシスズ酸亜鉛
などである。そしてその添加量は、前記ベースポリマー
100重量部に対して3〜30重量部とされる。これは
添加量が3重量部未満では十分な難燃性を得ることがで
きず、また30重量部を越えて添加すると機械的特性が
低下する。特に引張り強度が10MPa以上とならない
ためである。なお、本発明のノンハロゲン難燃性組成物
には、通常電線・ケーブルの被覆材料として用いるとき
に添加する種々の添加剤を、必要量配合することができ
る。例えば、老化防止剤、着色剤、架橋剤、紫外線吸収
剤、滑剤、可塑剤等がある。
【0016】つぎに、本発明のノンハロゲン難燃性組成
物の中でも、特に機械的特性を向上させるのに好ましい
前記ベースポリマーについて規定した請求項2〜4につ
いて、説明する。まず請求項2に記載されるベースポリ
マーは、前記エチレン系共重合体30〜70重量部と前
記熱可塑性エラストマー70〜30重量部からなる混合
物とすることによって、このベースポリマーは非常に柔
軟性に富んだものとすることができる。このような組成
割合とするのは、前記熱可塑性エラストマーの配合割合
が30重量部未満では、十分な柔軟性を得ることができ
ず、また70重量部を越えて混合すると、破断強度等の
機械的特性が低下するためである。なおこの混合物にお
ける前記エチレン系共重合体としては、前記EVAや前
記EEAが、また前記熱可塑性エラストマーとしては、
前記SEEPSが好ましいものである。
【0017】さらに請求項3に記載されるベースポリマ
ーのように、前記エチレン系共重合体95〜70重量部
とエチレン・アクリルゴム5〜30重量部からなる混合
物とすることによって、特に柔軟性や耐外傷性の優れた
ベースポリマーとすることができる。そしてその混合割
合は、前記エチレン・アクリルゴムが5重量部未満であ
ると柔軟性や耐外傷性が向上せず硬度が上昇し、また3
0重量部を越えて配合すると機械的特性が目的とするも
のにならない。特に、引張り強度が10MPa以上の特
性のものが得られない。なおこのベースポリマーにおい
ても、前記エチレン系共重合体としては、前記EVAや
前記EEAが、前記エチレン・アクリルゴムとしては、
商品名:VAMAC D(三井・デュポンポリケミカル
社製)として知られるものが好ましいものである。
【0018】さらにまた請求項4に記載されるベースポ
リマーのように、前記エチレン系共重合体40〜90重
量部、スチレン系共重合体30〜5重量部、エチレン・
アクリルゴム20〜5重量部からなる混合物とすること
によって、優れた柔軟性と耐外傷性さらに目的とする機
械的特性や高度の難燃性の特徴を有するベースポリマー
とすることができる。そして前記の混合割合とするの
は、前記エチレン系共重合体が40重量部未満であると
目的とする機械的特性値が得られず、また90重量部を
越えると耐外傷性や柔軟性が低下する。また前記スチレ
ン系共重合体が30重量部を越えると、ストレスクラッ
クが発生し易くなり、5重量部未満となると柔軟性が著
しく低下する。さらに、前記エチレン・アクリルゴムが
20重量部を超えると、目的とする機械的特性が得られ
ない。5重量部未満であると、柔軟性が著しく低下す
る。なお前記エチレン系共重合体としては、前記EVA
や前記EEAが好ましいものである。そして前述の樹脂
混合物は、有機過酸化物や電子線照射により架橋するこ
とが可能である。このような架橋により引張り強度を向
上させることができるが、伸びは若干低下する。
【0019】以上のようなノンハロゲン難燃性組成物を
被覆材料とした本発明の難燃性電源コードは、高度な難
燃性と優れた柔軟性(可撓性)を有するものとなる。な
おここで電源コードと称するものは、通常、銅等からな
る導体上に単芯あるいは平型に前記難燃性組成物を押出
被覆された電線やキャブタイヤコードと称される電線・
ケーブルである。そして優れた柔軟性(可撓性)として
の指標は、硬度(ショアD)が40以下、引張り強度
(MPa)が10以上のものであり、また難燃性は、J
IS規格C3005の60度傾斜燃焼試験およびUL規
格VW−1の垂直燃焼試験の両者に合格する高度な難燃
性を有するものである。なお、この難燃性電源コード類
の被覆層の厚さは、通常0.5〜1.5mm程度の範囲
で、導体上に押出し被覆される。
【0020】
【実施例】以下に具体的な実施例を示して、本発明のノ
ンハロゲン難燃性組成物並びにその難燃性組成物を導体
上に被覆した難燃性電源コードの効果を明らかにする。
表1に示す内容の各種ノンハロゲン難燃性組成物を用い
て、硬度(ショアD)、引張り強度(MPa)をJIS
規格K7113に基づいて測定した。すなわちベースポ
リマーとしては、エチレン系共重合体の例として前記E
VA(VA量20%)、前記EEA(EA量15%)
を、熱可塑性エラストマーの例として前記SEEPS
(スチレン含有量20%)を、合成ゴムの例としてエチ
レン・アクリルゴム(VAMAC D)を用い、これに
シランカップリング剤で表面処理した水酸化マグネシウ
ム、窒素系難燃剤としてメラミンシアヌレートを、また
亜鉛系難燃助剤として硼酸亜鉛並びにヒドロキシ錫酸亜
鉛を配合した各種ノンハロゲン難燃性組成物について、
前述の試験を行った。なお各材料の配合割合を示す数値
は、重量部で示してある。また、これらのノンハロゲン
難燃性組成物を、0.75mmの銅導体上に、厚さ
0.8mmに押出し被覆して、難燃性電源コードを作製
した。この電源コードについて、JIS規格C3005
の60度傾斜燃焼試験並びにUL規格VW−1の垂直燃
焼試験を行った。結果を合格、不合格で記載した。なお
合格としたものは、JIS規格に関しては60秒以内に
自己消火したもの、UL規格に関しては、5回の接炎全
てが60秒以内に自己消火した場合である。
【0021】
【表1】
【0022】表1から明らかな如く、実施例1〜18の
ノンハロゲン難燃性組成物は、硬度(ショアD)並びに
引張り強度(MPa)がいずれも目的とする数値のもの
となっており、優れた柔軟性(可撓性)を有するもので
ある。具体的に述べると、実施例1、実施例2および実
施例7の前記EVA単独のベースポリマーとする例、実
施例3および実施例4の前記EEA単独をベースポリマ
ーとする例、実施例5および実施例6の前記SEEPS
単独をベースポリマーとするものは、全て硬度(ショア
D)が39以下、引張り強度が10MPa以上と全ての
ものが目標とする数値のものであった。また、前記EV
Aと前記SEEPSの混合物をベースポリマーとする例
である、実施例8および9、前記EVAとエチレン・ア
クリルゴムの混合物をベースポリマーとする例である、
実施例10および11、さらに前記EEAとエチレン・
アクリルゴムの混合物をベースポリマーとする例である
実施例12および13の場合も、それぞれを単独で用い
た場合と同様に、本発明で目標とする数値範囲に入るも
のであることが判る。またベースポリマーが3元系の混
合物である例を示す実施例14〜17のノンハロゲン難
燃性組成物も、硬度が40以下、引張り強度が10MP
a以上のものであることがわかる。このように前記いず
れのベースポリマーを用いても、電源コード用の柔軟性
(可撓性)に優れた材料を得ることが出きる。
【0023】また難燃性に関しても表1から明らかなよ
うに、金属水和物(シランカップリング剤で表面処理し
た水酸化マグネシウム)が50〜200重量部、窒素系
難燃剤が10〜150重量部並びに亜鉛系の難燃助剤が
3〜30重量部の範囲で配合された前記ノンハロゲン難
燃性組成物を被覆した難燃性電源コードは、JIS規格
C3005の60度傾斜燃焼試験およびUL規格VW−
1の垂直燃焼試験のどちらにも、全て合格する高度な難
燃性を有するものであることがわかる。さらに、実施例
14のノンハロゲン難燃性樹脂組成物を被覆した難燃性
電源コードを、電子線照射して架橋させた例である実施
例18も同様の難燃性のものであり、かつ前記機械的特
性を有するものであった。このように本発明の電源コー
ド類は、ノンハロゲンの難燃性電源コードであり、この
ものは廃棄後に焼却処理を行ってもダイオキシン等の有
害ガスを発生することがなく、環境問題を発生すること
がない。また前述の機械的特性も併せて有するものであ
るから柔軟性(可撓性)にも優れ、高度な難燃性を有す
る難燃性電源コードとして、作業性等にも優れたもので
ある。
【0024】次に比較例について、表2を用いて説明す
る。前記実施例と同様に前記EVA、前記EEA、前記
SEEPSの単独並びに前記EVAと前記EEAの混合
物、前記EVAと前記SEEPSの混合物、前記EVA
または前記EEAとエチレン・アクリルゴムとの混合物
をベースポリマーとし、これに窒素系難燃剤としてメラ
ミンシアヌレート、シランカップリング剤で表面処理し
た水酸化マグネシウム、亜鉛系難燃助剤として硼酸亜鉛
或いはヒドロキシ錫酸亜鉛を同様に配合した各種ノンハ
ロゲン難燃性組成物について、硬度(ショアD)および
引張り強度(MPa)を、実施例と同様の方法で測定し
た。また、電源コードを実施例と同様に作製し、JIS
規格C3005の60度傾斜燃焼試験並びにUL規格V
W−1の垂直燃焼試験を実施例と同様に行い難燃性を評
価した。その結果を合格、不合格で表示した。合格の基
準は、前記実施例の場合と同様である。
【0025】
【表2】
【0026】表2の結果から明らかなように、比較例1
〜11は難燃性に関する試験の内でUL規格VW−1の
垂直燃焼試験に合格しないものが多かった。また、柔軟
性(可撓性)を示す指標とした硬度(ショアD)と引張
り強度(MPa)の内のどちらかが、本発明で目的とす
る数値範囲から外れるものがある。具体的に説明する
と、窒素系難燃剤であるメラミンシアヌレートの添加量
が少ない場合の例である比較例1、3、4および5、ま
た金属水和物(シランカップリング剤処理水酸化マグネ
シウム)の添加量が少ない比較例7および9は、難燃性
の指標の一つとしたUL規格VW−1の垂直燃焼試験に
合格しなかった。また、前記水酸化マグネシウムの添加
量が本発明の配合範囲を越えた例である比較例6および
8は、引張り強度(MPa)が低く機械的特性に問題が
あった。さらに前記水酸化マグネシウムの添加量が30
重量部と少なく、亜鉛系難燃助剤の添加量が60重量部
と多い例である比較例2、7および9は、硬度が40を
超えるものや引張り強度(MPa)が目標とする値より
も低く、機械的特性に問題があった。このような機械的
特性のものは、柔軟性(可撓性)がなく本発明の電源コ
ード類としては使用できない。さらにまた、ベースポリ
マーの混合物の混合割合が本発明の範囲を外れる場合の
例である、比較例10および11は、難燃性の指標であ
る2つの前記燃焼試験には合格するが、機械的特性の指
標となる硬度(ショアD)および引張り強度(MPa)
が、目標値から外れるものとなり、本発明の電源コード
としての柔軟性(可撓性)に欠けるものとなり、好まし
くない。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように本発明のノンハロゲ
ン難燃性組成物並びに難燃性電源コードは、オレフィン
系重合体、合成ゴム、熱可塑性エラストマーから選ばれ
る少なくとも1種のベースポリマー100重量部に対し
て、金属水和物50〜200重量部、窒素系難燃剤10
〜150重量部および亜鉛系難燃助剤3〜30重量部を
配合してなるノンハロゲン難燃性組成物とすること、ま
たノンハロゲン難燃性組成物の前記ベースポリマーとし
て、前記オレフィン系重合体から選ばれるエチレン系共
重合体30〜70重量部と前記熱可塑性エラストマー7
0〜30重量部からなる混合物とすること、さらに前記
ベースポリマーが、前記エチレン系共重合体95〜70
重量部とエチレン・アクリルゴム5〜30重量部からな
る混合物とすること、さらにはまた前記ベースポリマー
が、前記エチレン系共重合体40〜90重量部、スチレ
ン系共重合体30〜5重量部、前記エチレン・アクリル
ゴム20〜5重量部からなる混合物混合物とすることに
よって、得られたノンハロゲン難燃性組成物は、機械的
特性の指標である硬度(ショアD)が40以下、引張り
強度が10MPa以上の目的とする数値のものとなり、
優れた柔軟性(可撓性)を有するものである。さらに難
燃性に関しても、金属水和物、窒素系難燃剤並びに亜鉛
系化合物の難燃助剤を組み合わせて配合したので、極め
て高い難燃性を有するものである。すなわち、JIS規
格3005の60度傾斜燃焼試験並びにUL規格VW−
1の垂直燃焼試験の両方に合格するものである。
【0028】また、前記ノンハロゲン難燃性組成物を導
体上に押出し被覆して難燃性電源コードとすることによ
って、難燃性に関してはJIS規格C3005の60度
傾斜燃焼試験およびUL規格VW−1の垂直燃焼試験の
両方に合格し、ハロゲンも含まないノンハロゲンの難燃
性樹脂組成物であるので、これらを焼却処分してもダイ
オキシン等の有害ガスを発生することがなく、環境問題
がない。さらに前記難燃性電源コードは、機械的特性の
指標である硬度(ショアD)が40以下、引張り強度が
10MPa以上の目的とする数値のものとなり、優れた
柔軟性(可撓性)を有する高度な難燃性の電源コードと
することができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 5/3492 C08K 5/3492 C08L 23/08 C08L 23/08 53/00 53/00 H01B 3/00 H01B 3/00 A 3/28 3/28 3/44 3/44 F M P 7/295 7/34 B Fターム(参考) 4J002 AA00W AC00W BB03W BB06W BB072 BB073 BB15W BC022 BG04W BP02W BP02X DE076 DE146 DE188 DE266 DH057 DK008 EU187 FD136 FD137 FD138 GQ01 5G303 AA06 AA08 AB20 BA12 CA11 5G305 AA02 AB17 AB25 AB35 BA12 BA13 BA15 CA01 CA02 CA04 CA07 CA08 CA47 CA51 CB15 CC03 CC11 CD13 5G315 CA03 CA04 CB02 CB06 CC08 CD01 CD02 CD13 CD14 CD17

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オレフィン系重合体、合成ゴム、熱可塑
    性エラストマーから選ばれる少なくとも1種のベースポ
    リマー100重量部に対して、金属水和物50〜200
    重量部、窒素系難燃剤10〜150重量部および亜鉛系
    難燃助剤3〜30重量部を配合したことを特徴とするノ
    ンハロゲン難燃性組成物。
  2. 【請求項2】 前記ベースポリマーが、エチレン系共重
    合体40〜60重量部と前記熱可塑性エラストマー60
    〜40重量部からなる混合物であることを特徴とする請
    求項1に記載のノンハロゲン難燃性組成物。
  3. 【請求項3】 前記ベースポリマーが、前記エチレン系
    共重合体95〜70重量部とエチレン・アクリルゴム5
    〜30重量部からなる混合物であることを特徴とする請
    求項1記載のノンハロゲン難燃性組成物。
  4. 【請求項4】 前記ベースポリマーが、前記エチレン系
    共重合体40〜90重量部、スチレン系共重合体30〜
    5重量部、前記エチレン・アクリルゴム20〜5重量部
    からなる混合物であることを特徴とする請求項1記載の
    ノンハロゲン難燃性組成物。
  5. 【請求項5】前記請求項1〜4のいずれかに記載のノン
    ハロゲン難燃性組成物を、導体上に押出被覆したことを
    特徴とする難燃性電源コード。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005092975A1 (ja) * 2004-03-25 2005-10-06 Mitsui Chemicals, Inc. 難燃性エチレン系樹脂組成物およびその用途
JP2007238845A (ja) * 2006-03-10 2007-09-20 Kurabe Ind Co Ltd 難燃性組成物及び電線
JP2011126961A (ja) * 2009-12-16 2011-06-30 Yazaki Corp 熱可塑性樹脂組成物
JP2012082278A (ja) * 2010-10-08 2012-04-26 Furukawa Electric Co Ltd:The ノンハロゲン難燃性樹脂組成物、成形物品及びノンハロゲン難燃性絶縁電線

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