JP2003277623A - ノンハロゲン難燃性樹脂組成物と難燃性電源コード - Google Patents

ノンハロゲン難燃性樹脂組成物と難燃性電源コード

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JP2003277623A
JP2003277623A JP2002084882A JP2002084882A JP2003277623A JP 2003277623 A JP2003277623 A JP 2003277623A JP 2002084882 A JP2002084882 A JP 2002084882A JP 2002084882 A JP2002084882 A JP 2002084882A JP 2003277623 A JP2003277623 A JP 2003277623A
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JP2002084882A
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Takashi Edo
崇司 江戸
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Fujikura Ltd
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Fujikura Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ハロゲン元素を含まず焼却時にもダイオキシ
ン等の有害ガスを発生することがなく、JIS規格C3
005の60度傾斜燃焼試験およびUL規格1581に
規定される垂直燃焼試験VW−1の両方に合格する難燃
性を有し、かつ優れた柔軟性(可撓性)が得られまた電
気絶縁特性にも優れた、ノンハロゲン難燃性樹脂組成物
およびこれを用いた難燃性電源コードを提供することに
ある。 【解決手段】 スチレン系樹脂5〜40重量部、酸変性
スチレン系樹脂2〜20重量部とオレフィン系重合体、
天然或いは合成ゴム、熱可塑性エラストマーから選ばれ
る少なくとも1種からなる樹脂混合物100重量部に対
して、金属水和物100〜200重量部を配合したノン
ハロゲン難燃性樹脂組成物を用いることによって、解決
される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃焼時にハロゲン
ガス等の有害ガスを発生することがなく、高度な難燃性
と優れた柔軟性(或いは可撓性)並びに電気絶縁特性を
有するノンハロゲン難燃性樹脂組成物およびそれを被覆
材料として用いた難燃性電源コードに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来ハロゲンフリーの難燃性樹脂組成物
としては、エチレン系単独重合体、エチレン系共重合体
やエチレン・プロピレンゴム等のゴム系材料に多量の水
酸化マグネシウムや水酸化アルミニウム等を配合したも
のが知られており、各種成形品や電線・ケーブルの被覆
材料として用いられている。しかしながら、このような
難燃性オレフィン重合体組成物は、前述のように多量の
水酸化マグネシウム等を添加するする必要があるため
に、特に電源コード類の被覆材料としては、被覆が硬く
なり過ぎ、また伸びも不十分なため柔軟性(可撓性)の
点において問題があった。そこで柔軟性を改良するた
め、スチレン系の熱可塑性エラストマーを混合すること
も試みられているが、前記スチレン系のエラストマーは
極性が低いために前記金属水和物との相溶性が悪く、こ
のことが機械的特性や電気絶縁性の低下を招くと考えら
れている。
【0003】また難燃性に関しては、前記水酸化マグネ
シウムの添加量を減らすためにリン系難燃剤を組み合わ
せて難燃性を向上させようとすることも行われている
が、しかしながらこのリン系難燃剤は地中に埋設処理し
た場合に、リンが流出して環境問題を生じるとされるこ
とから、添加量を少量の使用に止めるとあまり難燃性の
向上には貢献しない。そこで種々の難燃剤を組み合わせ
ることが研究されているが、最近の難燃性の要求にはさ
らに高度な難燃性の要求もでてきており、これらの問題
を解決することが望まれていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】よって本発明が解決し
ようとする課題は、ハロゲン元素を含まず燃焼時にダイ
オキシン等の有害ガスを発生することがなく、またJI
S規格C3005の60度傾斜燃焼試験およびUL規格
1581に規定される垂直燃焼試験VW−1の両方に合
格する難燃性、優れた柔軟性(可撓性)を有し、さらに
電気絶縁特性にも優れたノンハロゲン難燃性樹脂組成物
およびこの組成物を導体上に被覆した、難燃性電源コー
ドを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】前述の課題を解決するた
めには、請求項1に記載されるスチレン系樹脂5〜40
重量部および酸変性スチレン系樹脂2〜20重量部とオ
レフィン系重合体、天然或いは合成ゴム、熱可塑性エラ
ストマーから選ばれる少なくとも1種からなる樹脂混合
物100重量部に対して、金属水和物100〜200重
量部を配合したノンハロゲン難燃性樹脂組成物とするこ
とによって、解決される。
【0006】また請求項2に記載されるように、スチレ
ン系樹脂5〜40重量部および酸変性スチレン系樹脂2
〜20重量部とオレフィン系重合体、天然或いは合成ゴ
ム、熱可塑性エラストマーから選ばれる少なくとも1種
からなる樹脂混合物100重量部に対して、金属水和物
70〜180重量部および窒素系難燃剤を10〜100
重量部配合したノンハロゲン難燃性樹脂組成物とするこ
とによって、解決される。
【0007】さらに請求項3に記載されるように、スチ
レン系樹脂5〜40重量部および酸変性スチレン系樹脂
2〜20重量部とオレフィン系重合体、天然或いは合成
ゴム、熱可塑性エラストマーから選ばれる少なくとも1
種からなる樹脂混合物100重量部に対して、金属水和
物50〜150重量部、窒素系難燃剤10〜100重量
部および亜鉛系難燃助剤3〜30重量部を配合したノン
ハロゲン難燃性樹脂組成物とすることによって、解決さ
れる。
【0008】さらにまた請求項4に記載されるように、
前記請求項1〜3のいずれかに記載のノンハロゲン難燃
性樹脂組成物を、導体上に押出し被覆したことを特徴と
する難燃性電源コードとすることによって、解決され
る。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳しく説明する。
請求項1に記載される発明は、スチレン系樹脂5〜40
重量部および酸変性スチレン系樹脂2〜20重量部とオ
レフィン系重合体、天然或いは合成ゴム、熱可塑性エラ
ストマーから選ばれる少なくとも1種からなる樹脂混合
物100重量部に対して、金属水和物100〜200重
量部を配合したノンハロゲン難燃性樹脂組成物である。
このようなノンハロゲンの難燃性樹脂組成物とすること
によって、優れた柔軟性(可撓性)と高度な難燃性を有
し、電気絶縁特性にも優れたものとすることができる。
すなわち柔軟性(可撓性)については、硬度(ショア
D)が45以下、引張り強度が10MPa以上となるよ
うな機械的特性を持たせることによって、目的の柔軟性
(可撓性)のものを得ることができる。そしてこのよう
な特性を有する前記難燃性樹脂組成物は、難燃性電源コ
ードとして十分な柔軟性(可撓性)を有するものであ
る。
【0010】また難燃性に関しては、前述のノンハロゲ
ン難燃性樹脂組成物を導体上に押出し被覆して得られた
難燃性電源コードは、JIS規格C3005の60度傾
斜燃焼試験およびUL規格1581に規定される垂直燃
焼試験VW−1のいずれにも合格し、前記電源コードに
要求される高度な難燃性を有するものとすることができ
る。そしてこの難燃性電源コード類は、ハロゲン元素を
含まないので焼却処分してもダイオキシンに代表される
有害ガスを発生することがなく、環境問題を生ずること
がない。さらに電気絶縁性に関しても、絶縁抵抗(MΩ
・km)を十分に50以上のものとすることができる。
【0011】まずノンハロゲン難燃性樹脂組成物のベー
スポリマーとなる樹脂混合物について述べる。本発明の
前記樹脂混合物には、スチレン系樹脂と酸変性スチレン
系樹脂を必ず含有するものであるが、前記酸変性スチレ
ン系樹脂を含むことによって難燃剤として多量に添加す
る金属水和物等との相溶性が良好となり、分散性が向上
し破断強度や伸び等の機械的特性が低下することを防止
できる。また、同様の現象により電線・ケーブルの浸水
時における電気絶縁性低下の問題も防ぐことができる。
よって、前記金属水和物等からなる難燃剤を比較的多量
に添加する場合には、前記樹脂組成物中に前記酸変性ス
チレン系樹脂を添加することが好ましい。そして前記酸
変性スチレン系樹脂は、2〜20重量部の範囲で混合す
ることが好ましい。この混合量が2重量部未満である
と、殆ど極性基の効果を生ぜず添加する意義がなく、ま
た20重量部を超えて添加すると硬度が上昇し、柔軟性
(可撓性)が問題なり好ましくない。そして、このよう
な酸変性スチレン系樹脂としては、スチレン・エチレン
・エチレンプロピレン・スチレン(SEEPS)、スチ
レンエチレンプロピレン(SEP)等のスチレン系熱可
塑性樹脂を、マレイン酸、無水マレイン酸、メタクリル
酸等によって酸変性させることによって得られるもの
で、通常1〜20%程度酸変性されたものである。そし
て具体的には、商品名クレイトン(シェル化学社)とし
て知られている。
【0012】また前記酸変性スチレン系樹脂と共に添加
する酸変性されていないスチレン系樹脂は、得られる樹
脂組成物の柔軟性(可撓性)を向上させるために添加す
るもので、熱可塑性のスチレン系エラストマーである。
具体的には、前述したSEEPS、SEP等である。そ
してその添加量は、ベースポリマーとなる樹脂混合物中
に5〜40重量部配合されるものである。その混合量が
5重量未満であると、目的とする柔軟性向上に寄与しな
い。また40重量部を越えて添加すると、引張り強度等
の機械的特性が低下して好ましくない。
【0013】そして前記酸変性スチレン系樹脂と酸変性
されていないスチレン系樹脂と共にベースポリマーを構
成する樹脂等としては、オレフィン系重合体、天然或い
は合成ゴム、熱可塑性エラストマーから少なくとも1種
が選定されて、混合される。前記オレフィン系重合体と
しては、低密度ポリエチレン(LDPE)、超低密度ポ
リエチレン(VLDPE)直鎖状低密度ポリエチレン
(LLDPE)等の単独重合体やエチレン・酢酸ビニル
共重合体(EVA)、エチレン・エチルアクリレート共
重合体(EEA)、エチレン・メチルメタアクリレート
(EMMA)やエチレン・プロピレンジエン共重合体
(EPDM)等のエチレン系共重合体が用いられる。こ
のエチレン系共重合体は特に好ましいもので、前記EV
Aや前記EEAがそれぞれ単独で、または2種を混合し
て用いることができる。また前記ゴムとしては、天然ゴ
ムやエチレン・プロピレンゴム(EPR)、アクリルゴ
ム(ACR)やエチレン・アクリルゴム(EAC)等が
挙げられるが、中でも前記EACが好ましく用いられ
る。さらに前記熱可塑性エラストマーとしては、スチレ
ン系以外の熱可塑性エラストマーであって、例えばポリ
プロピレン・エチレンプロピレン共重合体(PP−E
P)、ポリウレタン系エラストマーが挙げられる。そし
て本発明では、いずれの組合せの樹脂混合物において
も、前記酸変性されたスチレン系樹脂が2〜20重量部
と酸変性されていないスチレン系樹脂5〜40重量部含
有を必須成分として配合するものである。
【0014】以上のようなベースポリマーとなる樹脂混
合物100重量部に対して、難燃剤として金属水和物が
100〜200重量部添加されて、ノンハロゲンの難燃
性樹脂組成物が得られることになる。前記金属水和物
は、燃焼時に高温での吸熱反応を起こすことによって自
消性を発現するもので、例えば水酸化マグネシウム、水
酸化アルミニウム、水酸化カルシウムや塩基性炭酸マグ
ネシウム等が知られている。中でも水酸化マグネシウム
が最も好ましい。さらに前記金属水和物は、前記ベース
ポリマーとの分散性や相溶性を良好にするために脂肪
酸、シランカップリング剤やチタンカップリング剤等に
よってその表面を処理しておくのが良い。またその平均
粒径も0.5〜10μm程度のものが良い。またその添
加量を100〜200重量部としたのは、100重量部
未満では難燃性の効果が少なく、本発明が目的とするJ
IS規格C3005の60度傾斜燃焼試験およびUL規
格1581に規定される垂直燃焼試験VW−1のいずれ
にも合格することができないためである。また200重
量部を超えて添加すると、例え前記酸変性スチレン系樹
脂を配合したとしても、機械的特性の低下を抑えること
はできなくなる。すなわち柔軟性(可撓性)の目安であ
る硬度並びに引張り強度が、本発明が目標とする硬度
(ショアD)が45以下で、引張り強度(MPa)が1
0MPa以上のものとならなくなるためである。さらに
また電気絶縁特性についても、絶縁抵抗(MΩ・km)
が50に対して余裕がなくなり、好ましくないためであ
る。
【0015】また前記ノンハロゲン難燃性樹脂組成物に
は、請求項2に記載されるように窒素系難燃剤を配合す
ることによって、難燃性の向上と前記金属水和物の添加
量を低減できる効果がある。このことは、難燃性を低下
させずにその他の特性を調整し易くできることにもなり
好ましい。すなわち、前記ノンハロゲン難燃性樹脂組成
物中に窒素系難燃剤10〜100重量部をさらに併用し
て配合するものである。この窒素系の難燃剤は、燃焼時
に窒素ガス等を大量に発生して燃焼を抑制すると考えら
れるものであるが、このような窒素系難燃剤としては、
ポリリン酸アンモニウム、粉末メラミン、メラミンシア
ヌレート等が挙げられるが、中でもメラミンシアヌレー
トが好ましく用いられる。そしてその配合量は、前記樹
脂混合物100重量部に対して10〜100重量部とさ
れる。これは配合量が10重量部未満では、この難燃性
樹脂組成物を難燃性電源コードの被覆材に用いた場合
に、JIS規格C3005の60度傾斜燃焼試験並びに
UL規格1581に規定される垂直燃焼試験VW−1の
両者に合格する高度な難燃性が得られず、また100重
量部を越えて配合すると、硬度や引張り強度等の機械的
特性が低下するので、好ましくないためである。そして
この難燃剤を併用することによって、前記金属水和物の
添加量は70〜180重量部と、金属水和物のみを難燃
剤とする場合に比較して、少ない量で同様の効果を生じ
させることができ、特に前記難燃性樹脂組成物の機械的
特性である硬度、引張り強度等を目的とする値に調整し
易くなり、さらに電気絶縁特性についても、絶縁抵抗
(MΩ・km)が目的とする50以上に対して十分に余
裕を持たせることができるようになる。
【0016】また前記ノンハロゲン難燃性樹脂組成物に
は、請求項3に記載されるように亜鉛系の難燃助剤をさ
らに前記難燃剤に併用して添加することによって、難燃
性の向上と前記金属水和物の添加量をさらに低減できる
ことになる。このことは、難燃性を低下させずに機械的
統制や電気的特性を調整し易くできる効果がある。すな
わち、前記樹脂混合物100重量部に対して、亜鉛系の
難燃助剤を3〜30重量部配合して、ノンハロゲン難燃
性樹脂組成物とするものである。この亜鉛系の化合物
は、燃焼時にチャーと称される難燃性の殻を生成するこ
とによって難燃性に寄与しているものと考えられ、前記
難燃剤と併せて高度な難燃性を発現する。具体的には、
ホウ酸亜鉛、ヒドロキシスズ酸亜鉛、スズ酸亜鉛等であ
る。そしてその添加量は、前記樹脂組成物100重量部
に対して、3〜30重量部とされる。これは添加量が3
重量部未満では、難燃性向上にあまり寄与せず、前記金
属水和物や窒素系難燃剤の配合量の低減効果がないため
である。また30重量部を越えて添加すると、引張り強
度等の機械的特性が低下するため好ましくない。このよ
うに亜鉛系の難燃助剤を添加することによって、特に前
記金属水和物の添加量を50〜150重量部の範囲に低
減できることになる。そしてこのようなノンハロゲン難
燃性樹脂組成物を被覆材料に用いた難燃性電源コード類
は、JIS規格C3005の60度傾斜燃焼試験および
UL規格1581に規定される垂直燃焼試験VW−1の
いずれにも確実に合格する高度な難燃性を有し、またこ
の難燃性電源コード類は焼却処分しても、ダイオキシン
に代表される有害ガスを発生することがないので環境問
題を生じることもない。さらに電気絶縁性に関しても、
絶縁抵抗(MΩ・km)を50に対して十分に余裕を持
たせたものとすることができる。なお以上説明した本発
明のノンハロゲン難燃性樹脂組成物には、通常電線・ケ
ーブルの被覆材料として用いるときに添加する種々の添
加剤を、必要量配合することができる。例えば、老化防
止剤、着色剤、架橋剤、紫外線吸収剤、滑剤、可塑剤等
である。
【0017】さらに請求項4に記載されるように、前記
のノンハロゲン難燃性樹脂組成物を被覆材料とした本発
明の難燃性電源コードは、優れた柔軟性(可撓性)と高
度な難燃性を有し、電気絶縁特性にも優れたものとする
ことができる。すなわち、硬度(ショアD)が45以
下、引張り強度が10MPa以上となるような機械的特
性を持たせることができ、目的とする柔軟性(可撓性)
のものとなる。また難燃性についても、このノンハロゲ
ン難燃性樹脂組成物を導体上に押出し被覆した難燃性電
源コードは、JIS規格C3005の60度傾斜燃焼試
験およびUL規格1581に規定される垂直燃焼試験V
W−1のいずれにも確実に合格するものであり、要求さ
れる難燃性に対して十分なものである。またこの難燃性
電源コード類は、燃焼時にダイオキシンに代表されるよ
うな有害ガスを発生する環境問題もなく、電気的特性に
関しても、絶縁抵抗(MΩ・km)を50以上に対して
十分に余裕のあるものとすることができる。なおここで
電源コード類と称するものは、通常、銅導体等からなる
導体上に単芯あるいは平型に前記難燃性樹脂組成物を押
出し被覆した絶縁電線やキャブタイヤコードと称される
電線・ケーブル類で、前記被覆層は、通常0.5〜1.
5mm程度の厚さで導体上に設けられるものである。
【0018】
【実施例】以下に具体的な実施例を示して、本発明のノ
ンハロゲン難燃性樹脂組成物並びに難燃性電源コードの
効果を明らかにする。表1に示す内容の各種ノンハロゲ
ン難燃性樹脂組成物を用いて、硬度(ショアD)、引張
り強度(MPa)をJIS規格K7113に基づいて測
定した。また難燃性に関しては、前記各種ノンハロゲン
難燃性樹脂組成物を、素線径0.18mm×30本の銅
撚り線導体上に、厚さ0.8mmに二芯で押出し被覆し
て、難燃性電源コードを作製した。これを用いて、JI
S規格C3005の60度傾斜燃焼試験並びにUL規格
1581の垂直燃焼試験VW−1を行った。結果を合
格、不合格で記載した。なおUL規格の垂直燃焼試験
は、5本の前記電源コードを用いて着火後60秒以内に
5本とも自己消火したものを、合格と記載した。また電
気絶縁特性として、絶縁抵抗(MΩ・km)をJIS規
格C3005に従って測定した。なお、前記ノンハロゲ
ン難燃性樹脂組成物の構成材料として、前記酸変性スチ
レン系樹脂にはマレイン酸変性SEEPSを、前記スチ
レン系樹脂としては熱可塑性スチレン系のエラストマー
であるSEEPSを、前記金属水和物としては、シラン
カップリング剤で表面処理した水酸化マグネシウムを、
窒素系難燃剤としてメラミンシアヌレートを、亜鉛系の
難燃助剤としてヒドロキシスズ酸亜鉛を用いた。また表
1中の各材料の配合割合を示す数値は、重量部で示して
ある
【0019】
【表1】
【0020】表1から明らかな如く、実施例1〜12の
ノンハロゲン難燃性樹脂組成物は、硬度(ショアD)が
45以下であり、引張り強度が10MPa以上と、いず
れも目的とする数値のものとなっており、優れた柔軟性
(可撓性)を有するものである。これは前記各樹脂混合
物中に、酸変性スチレン系樹脂が2〜20重量部の範囲
で、また熱可塑性のスチレン系樹脂を5〜40重量部含
有したことの効果と考えられる。そして、前記酸変性ス
チレン系樹脂および前記スチレン系樹脂とオレフィン系
重合体或いはアクリルゴムの少なくとも1種とを組合わ
せた樹脂混合物を、ベースポリマーとして用いることが
できることが明らかである。また、金属水和物からなる
難燃剤を適量の配合範囲とすることができるので、後述
する難燃性と併せて前記機械的特性や絶縁抵抗値も50
MΩ・kmを大幅に越えたものになっており、好ましい
ものとすることができる。
【0021】また難燃性に関しても表1から明らかなよ
うに、前記ノンハロゲン難燃性樹脂組成物を被覆材料に
用いた難燃性電源コードは、JIS規格C3005の6
0度傾斜燃焼試験およびUL規格1581規定される垂
直燃焼試験VW−1のどちらにも全て合格するものであ
ることがわかる。これは難燃性電源コードに要求される
難燃性を十分に有するものであり、さらにこの難燃性電
源コードはノンハロゲンであるから、このものは廃棄後
に焼却処理を行ってもダイオキシン等の有害ガスを発生
せず環境問題を生じることもない。また併用する前記難
燃剤類を、この実施例の配合範囲とすることによって、
十分な難燃性と前述の機械的特性や電気的特性にも優れ
た難燃性電源コードとすることができる。
【0022】次に比較例について、表2を用いて説明す
る。前記実施例と同様にして本発明の組成範囲から外れ
たノンハロゲン難燃性樹脂組成物を作製した。この各難
燃性樹脂組成物について、硬度(ショアD)、引張り強
度(MPa)を、また絶縁特性についても実施例と同様
の方法で測定した。さらにこの難燃性樹脂組成物を用い
て難燃性電源コードを実施例と同様に作製し、JIS規
格C3005の60度傾斜燃焼試験並びにUL規格15
81の垂直燃焼試験VW−1を、実施例と同様に行い難
燃性を調べた。その結果を合格、不合格で表示した。な
お表1中の各材料の配合割合を示す数値も、実施例と同
様に重量部で示して。
【0023】
【表2】
【0024】表2の結果から明らかなように、比較例1
〜10にはいずれかの項目において不満足な特性のもの
があり、目的とする難燃性電源コードとして満足できる
ものではなかった。すなわち、柔軟性(可撓性)の目安
としている硬度(ショアD)について比較例1、3、
5、7〜10のものは、いずれも45以上と、また引張
り強度(MPa)に関しては、比較例1、3、5、7〜
10のものが、10MPa以下と本発明で目標とした数
値を超えていた。これらの比較例は、金属水和物やその
他の併用する難燃剤の添加量が多すぎることによるため
と考えられる。また、これらの難燃性樹脂組成物を被覆
した電源コードの難燃性に関しては、比較例2、4、
6、7および8が、JIS規格C3005の60度傾斜
燃焼試験およびUL規格5181に規定される垂直燃焼
試験VW−1に、合格しなかった。これは、酸変性スチ
レン系樹脂が多量に添加され、その他の難燃剤や難燃助
剤が併用されても、水酸化マグネシウムの添加量が少な
すぎると問題があることを示している。また電気的特性
としての絶縁抵抗(MΩ・km)も、水酸化マグネシウ
ムの添加量の多いものは50以下となり、メラミンシネ
レートの添加量の多いものは、合格はするもののあまり
余裕のないものとなっている。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように本発明のノンハロゲ
ン難燃性樹脂組成物は、スチレン系樹脂5〜40重量部
および酸変性スチレン系樹脂2〜20重量部とオレフィ
ン系重合体、天然或いは合成ゴム、熱可塑性エラストマ
ーから選ばれる少なくとも1種からなる樹脂混合物10
0重量部に対して、金属水和物100〜200重量部を
配合したノンハロゲン難燃性樹脂組成物であるから、優
れた柔軟性(可撓性)と高度な難燃性を有し、電気絶縁
特性にも優れたものとすることができる。すなわち柔軟
性(可撓性)については、硬度(ショアD)が45以
下、引張り強度が10MPa以上となる。このような機
械的特性を持たせることによって、目的の柔軟性(可撓
性)を有するのものとなる。また難燃性に関しては、前
述のノンハロゲン難燃性樹脂組成物を導体上に押出し被
覆した難燃性電源コードは、JIS規格C3005の6
0度傾斜燃焼試験およびUL規格1581に規定される
垂直燃焼試験VW−1のいずれにも合格するものであ
る。そしてこのような難燃性電源コードは、要求される
難燃性について十分なものであり、これを焼却処分して
も、ダイオキシンに代表される有害ガスを発生すること
がないので、環境問題を生じない。さらに電気絶縁性に
関しても、絶縁抵抗(MΩ・km)が50以上に対して
余裕を十分にもったものであることがわかる。
【0026】また前記ノンハロゲン難燃性樹脂組成物
は、さらに窒素系難燃剤を併用して配合することによっ
て、さらにまた、前記ノンハロゲン難燃性樹脂組成物に
亜鉛系の難燃助剤を併用して配合することによって、高
度な難燃性を十分維持すると共に前記金属水和物の添加
量を低減でき、機械的特性や電気的特性の向上を図るこ
とが容易となる効果がある。そしてまたこのノンハロゲ
ン難燃性樹脂組成物も、これを焼却処分しても、ダイオ
キシンに代表される有害ガスを発生することがないの
で、環境問題を生じない。
【0027】また、前記のノンハロゲン難燃性樹脂組成
物を被覆材料とした本発明の難燃性電源コードは、優れ
た柔軟性(可撓性)と高度な難燃性を有し、電気絶縁特
性にも優れたものとすることができる。すなわち柔軟性
(可撓性)に関しては、硬度(ショアD)が45以下、
引張り強度が10MPa以上となるような機械的特性を
有し、また難燃性に関しても、前述のノンハロゲン難燃
性樹脂組成物を用いた難燃性電源コードは、JIS規格
C3005の60度傾斜燃焼試験およびUL規格158
1に規定される垂直燃焼試験VW−1のいずれにも合格
するものであり、さらにまた電気絶縁性に関しても、絶
縁抵抗(MΩ・km)が50以上に対して十分に余裕を
持ったものである。そして、このような難燃性電源コー
ドは、燃焼時にダイオキシンに代表されるような有害ガ
スを発生しないので環境問題もない。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01B 3/44 H01B 3/44 F K P 7/04 7/04 7/295 C08L 25:04 //(C08L 101/00 H01B 7/34 B 25:04) Fターム(参考) 4J002 AC01W BB03W BB06W BB07W BB15W BC04X BG01Y BG05W BH01Y DE076 DE086 DE108 DE146 DE266 DH057 DK008 EU187 FD136 FD137 FD138 GQ01 5G305 AA02 AB17 AB25 BA13 CA01 CA02 CA04 CA41 CA45 CA47 CA55 CC03 CC04 5G311 AC06 AD03 5G315 CA03 CB02 CC08 CD02 CD03 CD04 CD14

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スチレン系樹脂5〜40重量部および酸
    変性スチレン系樹脂2〜20重量部とオレフィン系重合
    体、天然或いは合成ゴム、熱可塑性エラストマーから選
    ばれる少なくとも1種からなる樹脂混合物100重量部
    に対して、金属水和物100〜200重量部を配合した
    ことを特徴とするノンハロゲン難燃性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 スチレン系樹脂5〜40重量部および酸
    変性スチレン系樹脂2〜20重量部とオレフィン系重合
    体、天然或いは合成ゴム、熱可塑性エラストマーから選
    ばれる少なくとも1種からなる樹脂混合物100重量部
    に対して、金属水和物70〜180重量部および窒素系
    難燃剤を10〜100重量部配合したことを特徴とする
    ノンハロゲン難燃性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 スチレン系樹脂5〜40重量部および酸
    変性スチレン系樹脂2〜20重量部とオレフィン系重合
    体、天然或いは合成ゴム、熱可塑性エラストマーから選
    ばれる少なくとも1種からなる樹脂混合物100重量部
    に対して、金属水和物50〜150重量部、窒素系難燃
    剤10〜100重量部および亜鉛系難燃助剤3〜30重
    量部を配合したことを特徴とするノンハロゲン難燃性樹
    脂組成物。
  4. 【請求項4】 前記請求項1〜3のいずれかに記載のノ
    ンハロゲン難燃性樹脂組成物を、導体上に押出被覆した
    ことを特徴とする難燃性電源コード。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007238845A (ja) * 2006-03-10 2007-09-20 Kurabe Ind Co Ltd 難燃性組成物及び電線
JP2010100734A (ja) * 2008-10-23 2010-05-06 Furukawa Electric Co Ltd:The 難燃性樹脂組成物とそれを用いた成形物品

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JP2007238845A (ja) * 2006-03-10 2007-09-20 Kurabe Ind Co Ltd 難燃性組成物及び電線
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