JP2898034B2 - 無段変速機の制御装置 - Google Patents

無段変速機の制御装置

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JP2898034B2 JP34152189A JP34152189A JP2898034B2 JP 2898034 B2 JP2898034 B2 JP 2898034B2 JP 34152189 A JP34152189 A JP 34152189A JP 34152189 A JP34152189 A JP 34152189A JP 2898034 B2 JP2898034 B2 JP 2898034B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、車両に搭載されて無段変速を行う無段変速
機に関し、特にこの無段変速機を所定の制御パターンで
制御するようになっている無段変速機の制御装置に関す
るものである。
[従来の技術] 運転者の意志に対応した量や車速等の車両走行条件に
より連続的に無段変速を行うようにした無段変速機が開
発されており、この無段変速機を制御する方法として、
従来例えば特開昭59-217050号公報に開示されている制
御方法がある。この制御方法は、例えばパワーモード及
びエコノミーモード等の所定の制御パターンを予め設定
しておき、これらの制御パターンにおける目標エンジン
回転数に実際のエンジン回転数がなるように無段変速機
のトルク比を制御するようにしている。
このように予め設定した制御パターンを適宜選択しそ
の選択された制御パターンにしたがって無段変速機のト
ルク比を制御することにより、無段変速機はより効率よ
く制御されるようになる。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、予め選択された制御パターンにしたが
って無段変速機のトルク比を制御するようにしたので
は、一旦制御パターンが選択されると、無段変速機はそ
の選択された制御パターンでの目標エンジン回転数で制
御されていくため、その選択された制御パターンでの制
御中に運転者がその制御パターンでは達成しにくい変速
要求をした場合、その運転者の変速要求に確実に応える
ことができなく、運転性能(ドライバビリティー)を十
分に発揮させることができないことがある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであ
って、その目的は、予め選択された制御パターンで変速
制御が行われているときに、他の制御パターンに対応す
る運転要求がなされた場合には、制御パターンをその運
転要求に対応する制御パターンに変更することができる
ようにして、その運転要求に確実に応えることのできる
無段変速機の制御装置を提供することである。
[課題を解決するための手段] 前述の課題を解決するために、請求項1の発明は、少
なくともスロットル開度に応じて目標回転数を設定し、
該目標回転数に基づいて無段変速機のトルク比を制御す
る無段変速機の制御装置において、前記スロットル開度
の変化率を検出する手段と、前記スロットル開度の変
化率の平均値 を算出する手段と、前記スロットル開度の変化率の最
大値maxを算出する手段と、前記平均値と前記最大値
との偏差γに応じて、前記目標回転数を補正する手段f3
(θ,γ)とを有することを特徴としている。
また、請求項2の発明は、前記スロットル開度の変化
率が平均値 よりも所定値β以上大きい場合に、前記平均値 と前記最大値maxとの偏差から、前記目標回転数を補
正することを特徴としている。
更に、請求項3の発明は、燃費重視で設定された目標
回転数のパターンf1(θ)と、動力性能重視で設定され
た目標回転数のパターンf2(θ)とを有し、前記スロッ
トル開度の変化率が平均値 よりも所定値β以上大きい場合に、前記平均値 と前記最大値maxとの偏差から、前記両パターンの間
で前記目標回転数を補正することを特徴としている。
[作用および発明の効果] このような構成をした本発明に係る無段変速機の制御
装置においては、スロットル開度の変化率を検出し
て、このスロットル開度の変化率の平均値 を算出するとともに、スロットル開度の変化率の最大
maxを算出し、算出した平均値 と最大値maxとの偏差γに応じて、目標回転数を補正
しているので、スロットル開度の変化率の平均値 がそのドライバの変速フィーリングに関連した値である
ことから、無段変速機はドライバによって種々異なる運
転要求に確実に応えることができるようになる。
これにより、それぞれのドライバの運転要求に合った
無段変速機の制御パターンで変速制御を行うことができ
るようになる。したがって、運転者の運転要求に合った
運転性能(ドライバビリティ)を確実に得ることができ
る。
[実施例] 以下、図面を用いて本発明の実施例を説明する。
第1図は、本発明の一実施例が適用されるトルクコン
バータを備えたVベルト式無段変速機(CVT)の一例の
断面図、第2図はこの実施例のシステム構成図である。
図中、1はエンジン、2は発進装置、3は前後進切換装
置、4はVベルト式無段変速部、5は油圧制御装置、6
は電子制御装置、7はパターン選択装置、8はシフトレ
バー、9はブレーキである。
第1図及び第2図に示すように、エンジン1には発進
装置2が連結されており、この発進装置2には前後進切
換装置3を介してVベルト式無段変速部(CVT)4が連
結されている。更にこのVベルト式無段変速部4は、カ
ウンタギヤ機構103を介して差動歯車機構104に連結され
ている。
エンジン1にはスロットル開度検出手段11及びエンジ
ン回転数検出手段12が配設されている。これらのスロッ
トル開度検出手段11及びエンジン回転数検出手段12はそ
れぞれ電子制御装置6に接続されていて、スロットル開
度検出手段11はスロットル開度信号θを、またエンジン
回転数検出手段12はエンジン回転数neを、それぞれ電子
制御装置6に出力するようになっている。
発進装置2は、ロックアップクラッチ21付のトルクコ
ンバータ22から構成されている。このトルクコンバータ
22のポンプ側がエンジン1の出力軸110連結されている
と共に、タービン側がトルクコンバータ22の出力軸23に
連結されている。この出力軸23は前後進切換装置3の入
力軸ともなっている。これらのロックアップクラッチ21
及びトルクコンバータ22は、ともに油圧制御装置5によ
って制御されるようになっている。
前後進切換装置3は、出力軸23に設けられたサンギヤ
34、この前後進切換装置3の出力軸35に連結されたキャ
リヤ36、このキャリヤ36に支持されているダブルピニオ
ンギヤ37及びこのダブルピニオンギヤ37を囲むように配
設されたリングギヤ38から構成されている。更にトルク
コンバータ出力軸23とキャリヤ36との間に配設されてい
るフォワードクラッチ31及びリングギヤ38とトランスミ
ッションケース105との間に配設されたリバースブレー
キ32を備えている。そして、フォワードクラッチ31及び
リバースブレーキ32は、それぞれ油圧制御装置5によっ
て制御されることにより前後進の切換制御が行われるよ
うになっている。
また、この前後進切換装置3にオートマチックトラン
スミッション(A/T)油温検出手段33が設けられてい
る。このA/T油温検出手段33も同様に電子制御装置6に
接続されていて、A/T内の作動油の油温信号tを電子制
御装置6に出力するようになっている。
Vベルト式無段変速部4はプライマリシーブ41と、セ
カンダリシーブ42と、これらの両シーブ41,42に巻回さ
れたVベルト43とを備えている。プライマリシーブ41は
固定シーブ41aと可動シーブ41bとからなっており、その
固定シーブ41aはプライマリシャフト35に相対回動可能
にかつ軸方向に相対摺動可能に支持されていると共に、
可動シーブ41bは固定シーブ41aの筒状部41cにボールス
プライン機構41dを介して軸方向にのみ移動可能に支持
されている。同様に、セカンダリシーブ42は固定シーブ
42aと可動シーブ42bとからなっており、その固定シーブ
42aはVベルト式無段変速部4の出力軸45に相対回動可
能にかつ軸方向に相対摺動可能に支持されていると共
に、可動シーブ42bは固定シーブ42aの筒状部42cにボー
ルスプライン機構42dを介して軸方向にのみ移動可能に
支持されている。
プライマリシーブ41において、キャリヤ36及びプライ
マリシャフト35と固定シーブ41aとの間には、調圧カム
機構41eが設けられている。この調圧カム機構41eは、そ
れぞれ対向面が波面状に形成された入力側カム41f及び
出力側カム41gと、これらの両カム41f,41gの対向面間に
配設されたローラ41hとから構成されている。入力側カ
ム41fはキャリヤ36にスプライン結合されていると共
に、プライマリシャフト35にねじ結合されている。ま
た、出力側カム41gは固定シーブ41aにスプライン嵌合さ
れていると共に、ローラ41hと接触する面と反対側の面
が皿ばねを介して固定シーブ41aの背面に当接してい
る。
また、可動シーブ41bの背部には、ボールねじ装置41i
が配設されており、このボールねじ装置41iは雄ねじ部4
1j及び雌ねじ部41kとこれらのねじ部41j,41kのねじ溝間
に配設された多数のボール41m,41m,…とからなる。雄ね
じ部41jは調節部材41n、ベアリング41o及び自動調芯機
構41pを介してプライマリシャフト35の端部に形成され
たフランジ部35aに支持されている。調節部材41nを回動
させて、雄ねじ部41jを雌ねじ部41kに対して相対回転さ
せることにより、プライマリシーブ41におけるベルト43
の初期張力及びベルトの回動運動における幅方向の中心
を調節するようになっている。また、雌ねじ部41kは自
動調芯機構41q及びベアリング41rを介して可動シーブ41
bの背部に支持されている。
したがって、キャリヤ36及びプライマリシャフト35か
ら入力側カム41fに入力された伝達トルクは、調圧カム
機構41eによってこの伝達トルクの大きさに応じた軸方
向の力に変換され、この軸方向の力は出力側カム41gか
ら固定シーブ41aに加えられるようになる。一方、この
軸方向の力の反力が、入力側カム41fからプライマリシ
ャフト35、フランジ部35a、自動調芯機構41p、ベアリン
グ41o、調節部材41n、ボールねじ装置41iの雄ねじ部41
j、ボールねじ装置41iの雌ねじ部41k、自動調芯機構41q
及びベアリング41rを介して可動シーブ41bに伝えられ
る。これらの固定シーブ41a及び可動シーブ41bに加えら
れる軸方向の力がベルト43の挟持力となり、したがって
このベルト43の挟持力はキャリヤ36から入力される伝達
トルクに応じた大きさとなる。また、キャリヤ36からの
伝達トルクは、調圧カム機構41iを介してプライマリシ
ーブ41にら伝達され、更にVベルト43によりセカンダリ
シーブ42に伝えられる。
更に、雌ねじ部41kの一端外周には歯車41sが形成され
ており、この歯車41sはカウンタシャフト44bに設けられ
ている歯車44cに噛み合わされている。このカウンタシ
ャフト44bは減速歯車機構44cを介してCVT変速用モータ4
4の出力軸44dに連結されている。
一方、セカンダリシーブ42において、出力軸45と固定
シーブ42aとの間には、調圧カム機構42eが設けられてい
る。この調圧カム機構42eは、前述のプライマリシーブ4
1における調圧カム機構41eと同様のものであり、それぞ
れ対向面が波面状に形成された入力側カム42f及び出力
側カム42gと、これらの両カム42f,42gの対向面間に配設
されたローラ42hとから構成されている。そして、入力
側カム42fは固定シーブ42aにスプライン嵌合されている
と共に、ローラ42hと接触する面と反対側の面が皿ばね
を介して固定シーブ42aの背面に当接している。一方、
出力側カム42gはVベルト式無段変速部4の出力軸45に
固定されている。
また、可動シーブ42bの背部には、ボールねじ装置42i
が配設されており、このボールねじ装置42iは雄ねじ部4
2j及び雌ねじ部42kとこれらのねじ部42j,42kのねじ溝間
に配設された多数のボール42m,42m,…とからなる。雄ね
じ部42jは調節部材42n、ベアリング42o及び自動調芯機
構42pを介して出力軸45の端部に形成された出力歯車45a
に支持されている。調節部材42nを回動させて、雄ねじ
部42jを雌ねじ部42kに対して相対回転させることによ
り、セカンダリシーブ42におけるベルト43の初期張力及
びベルトの回動運動における幅方向の中心を調節するよ
うになっている。
したがって、プライマリシーブ41からセカンダリシー
ブ42に入力された伝達トルクは、入力側カム42fに伝え
られ、調圧カム機構42eによってこの伝達トルクの大き
さに応じた軸方向の力に変換される。この軸方向の力は
出力側カム42gから出力軸45、出力歯車45a、自動調芯機
構42p、ベアリング42o、調節部材42n、ボールねじ装置4
2iの雄ねじ部42j、ボールねじ装置42iの雌ねじ部42k、
自動調芯機構42q及びベアリング42rを介して可動シーブ
42bに伝えられる。一方、この軸方向の力の反力が入力
側カム42fを介して固定シーブ42aに加えられるようにな
る。これらの固定シーブ42a及び可動シーブ42bに加えら
れる軸方向の力がセカンダリシーブ42のベルト43の挟持
力となる。したがってこのベルト43の挟持力はプライマ
リシーブ41から入力される伝達トルクに応じた大きさと
なる。
また、雌ねじ部42kは自動調芯機構42q及びベアリング
42rを介して可動シーブ42bの背部に支持されている。更
に、雌ねじ部42kの一端外周には歯車42sが形成されてお
り、この歯車42sはカウンタシャフト44bに設けられてい
る歯車44eに噛み合わされている。
そして、CVT変速用モータ44の回転が減速歯車機構44c
によって減速されてカウンタシャフト44bに伝えられ、
更に歯車44cを介して雌ねじ部41kに伝えられる。これに
より、雌ねじ部41kが雄ねじ部41jに対して相対回転す
る。一方、カウンタシャフト44bに伝えられたCVT変速用
モータ44からの減速回転が図示されていないもう1本の
カウンタシャフトを介して歯車42Sに伝えられる。これ
により、雌ねじ部42kが雄ねじ部42jに対して相対回転す
る。これらの雌ねじ部41k,42kの相対回転により、それ
ぞれのボールねじ装置41i,42iを介して両可動シーブ41
b,42bが実線で示すアンダードライブ側と二点鎖線で示
すオーバドライブ側との間で固定シーブ41a,42aに対し
て軸方向に同期しながら移動する。これにより無段変速
が行われる。
したがって、CVT用変速モータ44を種々の走行条件に
応じて制御することにより、両シーブ41,42の可動シー
ブ41a,42aが適宜制御され、種々の走行条件に応じた自
動変速制御が行われるようになる。
またこのCVT変速用モータ44の保持用ブレーキ49が設
けられている。これらCVT変速用モータ44及びブレーキ4
9はそれぞれ電子制御装置6からの制御信号に基づいて
作動制御される。更にCVT変速用モータ44にはモータ回
転数検出手段46が設けられており、モータ回転数検出手
段46はCVT変速用モータ44の回転数nmを電子制御装置6
に出力するようになっている。更に、プライマリシーブ
回転数検出手段47及びセカンダリシーブ回転数検出手段
48が、それぞれ電子制御装置6に接続されており、これ
らの検出手段47,48は、それぞれ対応するシーブ41,42の
回転数を検出してその回転数信号np,nsを電子制御装置
6に出力するようになっている。
油圧制御装置5は、ポンプ51、ライン圧制御装置52、
ロックアップ制御装置53、選速装置54及び背圧制御装置
55を備えている。ロックアップ制御装置53は電子制御装
置6からのロックアップ制御信号Ptによってオン・オフ
制御されるソレノイド56で作動されて、ロックアップク
ラッチ21を制御するようになっている。また、選速装置
54はフォワードクラッチ31及びリバースブレーキ32を制
御するようになっている。更に、背圧制御装置55は、電
子制御装置6からの背圧制御信号Pbによってオン・オフ
制御されるソレノイド57で作動されてフォワードクラッ
チ31とリバースブレーキ32とのアキュムレータの背圧を
制御するようになっている。
パターン選択手段7は、エコノミーモードE、パワー
モードPまたはノルマルモードNを選択設定するための
ものであり、その選択信号Psが電子制御装置6に出力す
るようになっている。エコノミーモードEは、エンジン
回転数が最良燃費曲線に沿った目標エンジン回転数とな
るように変速制御を行うものであり、またパワーモード
Pは、エンジン回転数が最大動力曲線に沿った目標エン
ジン回転数となるように変速制御を行うものである。更
に、ノルマルモードNはこれら最良燃費曲線と最大動力
曲線との間で変速制御を行うものである。
自動変速のためシフトレバー8には、シフトポジショ
ン検出手段81及びが設けられている。このシフトポジシ
ョン検出手段81は、シフトレバー8のシフトポジション
を検出してその検出信号sを電子制御装置6に出力する
ようになっている。
更に、ブレーキ9は車両を制動するブレーキであり、
このブレーキ9にはブレーキ検出手段91が設けられてお
り、このブレーキ検出手段91からのブレーキ信号bが同
様に電子制御装置6に入力されるようになっている。
したがって、電子制御装置6は、スロットル開度信号
θ、A/T油温信号t、エンジン回転数信号ne、モータ回
転数信号nm、プライマリシーブ回転数信号np、セカンダ
リシーブ回転数信号ns、シフトポジション信号s、及び
ブレーキ作動信号bに基づいて、ロックアップ圧制御信
号Pt信号、背圧制御信号Pb、CVT変速用モータ44制御信
号m、及びモータ保持用ブレーキ信号bmをそれぞれ出力
して、油圧制御装置5及びCVT4を制御する。
第3図はその電子制御装置6が行う機能のブロック図
である。
第3図に示すように、電子制御装置6は入力部6a、演
算部6b及び出力部6cから構成されている。
入力部6aは、モータ回転数検出手段46からの信号nm
入力されるモータ回転速度算出部611、スロットル開度
検出手段11からの信号θが入力されるスロットル開度検
出部612、ソフトタイマーを勘案してこのスロットル開
度検出部612に入力されたスロットル開度θに基づいて
スロットル変化率を検出するスロットル変化率検出部
613、プライマリシーブ回転数検出手段47からの信号np
が入力されるプライマリシーブ回転数検出部614、セカ
ンダリシーブ回転数検出手段48からの信号nsが入力され
るセカンダリシーブ回転数検出部615、このセカンダリ
シーブ回転数検出部615に入力されたセカンダリシーブ
回転数nsに基づいて車両速度vを検出する車速検出部61
6、エンジン回転数検出手段12からの信号neが入力され
るエンジン回転数検出部617、パターン選択手段7から
のエコノミーモードEまたはパワーモードPの信号ps
入力されるパターンスイッチ検出部618、シフトポジシ
ョン検出手段81からの信号sが入力されるシフトポジシ
ョン検出部619、このシフトポジション検出部619に入力
されたシフトポジションsに基づいてシフトポジション
変化を検出するシフトポジション変化検出部620、ブレ
ーキ検出手段91からのブレーキ作動信号bが入力される
ブレーキ信号検出部621、バッテリー電圧検出手段101か
らのバッテリー電圧信号vatが入力されるバッテリー電
圧検出部622、モータ電流検出手段102からの信号imが入
力されるモータ電流検出部623、及び油温検出手段33か
らの信号tが入力される油温検出部624からなってい
る。
演算部6bは、加速要求判断部625、実際のトルク比算
出部626、最良燃費及び最大動力判断部627、目標トルク
比上、下限算出部628、CVT部変速判断部629、及びCVT部
変速速度算出部630からなっている。
出力部6c1、CVT変速用モータ44の制御信号出力部6c
1、CVT4における油圧制御装置5のアキュムレータの背
圧制御信号出力部6c2、及びロックアップ制御信号出力
部6c3からなっている。
CVT変速用モータ44の制御信号出力部6c1は、変速用
モータ制御部631、モータ部異常検出部632、ドライバ駆
動信号発生部633、モータブレーキ駆動信号発生部634、
及びモータブレーキ異常判断部635からなっている。
CVT4における油圧制御装置5のアキュムレータの背圧
制御信号出力部6c2は、背圧制御部636、背圧制御用ソ
レノイド駆動信号発生部637、及び背圧制御用ソレノイ
ド異常判断部638からなっている。
ロックアップ制御信号出力部6c3は、ロックアップ圧
制御部639、ロックアップ用ソレノイド駆動信号発生部6
40、及びロックアップ用ソレノイド異常判断部641から
なっている。
そして、加速要求判断部625は、スロットル開度検出
部612からの信号、スロットル変化率検出部613からの信
号、及び車速検出部616からの信号がそれぞれ入力さ
れ、これらの各信号に基づいて加速要求がされているか
を判断し、その判断結果を最良燃費及び最大動力判断部
627に出力する。
実際のトルク比算出部626は、プライマリ回転数検出
部614からの信号及びセカンダリ回転数検出部615からの
信号が入力され、これらの各信号に基づいて実際のトル
ク比を算出してその算出結果をCVT部変速判断部629に出
力する。
最良燃費及び最大動力判断部627は、加速要求判断部6
25からの信号、パターンスイッチ検出部618からの信
号、及びシフトポジション検出部619からの信号がそれ
ぞれ入力され、これらの各信号に基づいて最良燃費特性
で制御するかあるいは最大動力特性で制御するかを判断
し、その判断結果を目標トルク比上、下限算出部628に
出力する。
目標トルク比上、下限算出部628は、最良燃費及び最
大動力判断部627からの信号、スロットル開度検出部612
からの信号、及び車速検出部616からの信号が入力さ
れ、これらの各信号に基づいて目標トルク比の上、下限
値Tmax ,Tmin を算出し、その算出結果をCVT部変速
判断部629に出力する。
CVT部変速判断部629は、目標トルク比上、下限算出部
628からの信号、モータ部異常検出部632からの信号、実
際のトルク比算出部626からの信号、シフトポジション
検出部619からの信号、スロットル開度検出部612からの
信号、及び車速検出部616からの信号が入力され、これ
らの各信号に基づいてCVT部のベルトトルク比を変更す
べきか否かの判断を行い、その変速信号をCVT部変速速
度算出部630、ドライバ駆動信号発生部633及びモータブ
レーキ駆動信号発生部634にそれぞれ出力する。
CVT部変速速度算出部630は、CVT部変速判断部629から
の信号、シフトポジション変化検出部620からの信号、
シフトポジション検出部619からの信号、車速検出部616
からの信号、スロットル変化率検出部613からの信号、
及びブレーキ信号検出部621からの信号が入力され、こ
れらの各信号に基づいて現時点での要求を実現するため
のCVT部変速速度を算出して変速用モータ制御部631に出
力する。
変速用モータ制御部631は、モータ回転速度算出部611
からの信号、バッテリー電圧検出部622からの信号、及
びCVT部変速速度算出部630からの信号に基づいてドライ
バ駆動信号発生部633に信号を出力する。この信号によ
り、要求されているCVT4部の変速を実現するためにモー
タ44回転方向とモータ44にかける電圧が制御される。
モータ部異常検出部632は、モータ回転速度算出部611
からの信号、バッテリー電圧検出部622からの信号、モ
ータ電流検出部623からの信号、及びモータブレーキ異
常判断部635からの信号に基づいて、モータ44の過電
流、モータ44の速度の飽和、及びモータ44のロック状態
等の異常を検出し、その検出信号をCVT部変速判断部629
に出力する。
ドライバ駆動信号発生部633は、変速用モータ制御部6
31からの信号及びCVT部変速判断部629からの信号に基づ
いて、CVT変速用モータ44に変速指令があった場合にモ
ータ駆動用ドライバーに与える電圧信号を発生させ、CV
T変速用モータ44に出力する。
モータブレーキ駆動信号発生部634は、CVT部変速判断
部629からの信号に基づいて、CVT変速用モータ44に変速
指令があった場合にモータ保持用ブレーキ49を解放する
ように信号を出力する。また、この信号はモータブレー
キ異常判断部635にも出力される。
モータブレーキ異常判断部635は、モータブレーキ駆
動信号発生部634からの信号に基づいて、ブレーキ動作
電圧を監視し、断線及び短絡等の異常を検出すると共
に、その信号をモータ異常検出部632に出力する。
背圧制御部636は、スロットル開度検出部612からの信
号、シフトポジション検出部619からの信号、シフトポ
ジション変化検出部620からの信号、及び油温検出部624
からの信号、及び背圧制御用ソレノイド異常判断部638
からの信号に基づいて、N→D、N→R切換時のシフト
フィーリングの制御行うべく、背圧制御用ソレノイド駆
動信号発生部637に制御信号を出力する。
背圧制御用ソレノイド駆動信号発生部637は、背圧制
御部636からの信号に基づいて、背圧制御用ソレノイド5
7にソレノイド駆動用信号を出力すると共に、背圧制御
用ソレノイド異常判断部638にも信号を出力する。
背圧制御用ソレノイド異常判断部638は、背圧制御用
ソレノイド駆動信号発生部637からの信号に基づいて、
背圧制御用ソレノイド57の断線または短絡等の異常を判
断検出し、その信号を背圧制御部636に出力する。
ロックアップ圧制御部639は、スロットル開度検出部6
12からの信号、プライマリ回転数検出部614からの信
号、エンジン回転数検出部617からの信号、油温検出部6
24からの信号、及びロックアップ用ソレノイド異常判断
部641からの信号に基づいて、ロックアップのオン、オ
フ、デューティのいずれかを決定し、その結果をロック
アップ用ソレノイド駆動信号発生部640に出力する。
ロックアップ用ソレノイド駆動信号発生部640は、ロ
ックアップ圧制御部639からの信号に基づいてロックア
ップ用ソレノイド56にソレノイド駆動用信号を出力する
と共に、ロックアップ用ソレノイド異常判断部641にも
信号を出力する。
ロックアップ用ソレノイド異常判断部641は、ロック
アップ用ソレノイド駆動信号発生部640からの信号に基
づいて、ロックアップ用ソレノイド56の断線や短絡等の
異常を判断検出し、その信号をロックアップ圧制御部63
9に出力する。
次に電子制御装置6が行う制御について説明する。第
4図はその制御のメインフローを示す図である。
まず、ステップ1000において一定時間t1が経過したか
否かの判断を行う。一定時間t1経過時にCVTの制御を開
始する。ステップ1001において各検出手段からの入力デ
ータの読み込みを行う。これは、各検出手段からの信号
を、入力部6aが電子制御装置6で処理できるようにデジ
タル値として読み込む。次にステップ1002でスロットル
変化率の平均値 算出処理を行う。第5図に示すように、この処理は、ま
ずステップ1024で前回のスロットル変化率に今回の
スロットル変化率の値を入れておき、次に今回のス
ロットル開度θと前回のスロットル開度θとの差θ
−θを演算し、その差を今回のスロットル変化率
として定義する。次に、ステップ1025で前回のスロッ
トル変化率が0でないか否かを判断する。先ほどま
でスロットルが止まっているときにはステップ1026で今
回のスロットル変化率が0でないか否かを判断す
る。今回スロットル開度が動き始めて、が0でない
と判断されると、ステップ1027で動きだした方向がプラ
ス(+)の方向かマイナス(−)の方向か、すなわち
>0であるか否かを判断する。動きだした方向が
(+)の方向で>0であると判断されると、ステッ
プ1028で今回のスロットル変化率を(+)方向のス
ロットル変化率の最大値CMAXに入れるとともに、
(−)方向のスロットル変化率の最大値DMAXにとりあ
えず0を入れておく。動きだした方向が(−)の方向で
>0でないと判断されると、ステップ1029で今回の
スロットル変化率を(−)方向のスロットル変化率
の最大値DMAXに入れるとともに、(+)方向のスロッ
トル変化率の最大値CMAXにとりあえず0を入れてお
く。ステップ1026で≠0でないと判断されると、そ
のままの状態を保持する。
ステップ1025で前回が動いているため≠0である
と、ステップ1030で今回動いているか否か、すなわち
=0であるか否かを判断する。今回動いていて
0でないと判断されると、ステップ1031で今回のスロッ
トル変化率が今までメモリに蓄えられている(+)
方向のスロットル変化率の最大値CMAXよりも大きいか
否か、すなわちCMAXであるか否かを判断する。
CMAXであると判断されると、ステップ1032で
(+)方向のスロットル変化率の最大値CMAXに今回の
スロットル変化率を入れる。ステップ1031で
CMAXでないと判断されると、ステップ1033で今回のス
ロットル変化率が今までメモリに蓄えられている
(−)方向のスロットル変化率の最大値DMAXよりも小
さいか否か、すなわちDMAXであるか否かを判断
する。DMAXであると判断されると、ステップ10
34で(−)方向のスロットル変化率の最大値DMAXに今
回のスロットル変化率を入れる。ステップ1033で
DMAXでないと判断されると、そのままの状態を保
持する。
ステップ1030で、=0であると判断されると、ス
テップ1035で(−)方向のスロットル変化率の最大値
DMAXが0であるか否かを判断する。DMAX=0であると
判断されると、ステップ1036で、n-1に、n-2
n-1に、………、にそれぞれ一つずつず
らして入れるとともに、予めメモリされているCMAX
に入れる。そして、n個のデータの平均値 を演算する。ステップ1035で(−)方向のスロットル変
化率の最大値DMAXが0でないと判断されると、そのま
まの状態を保持する。
こうしてスロットル変化率の平均値算出処理が行われ
る。
次にステップ1003で加速要求判断処理を行う。まず、
ステップ1050で加速要求フラグAが0であるか否かを判
断する。加速要求フラグAが0であると判断されると、
ステップ1051で今回のスロットル変化率が、スロッ
トル変化率の平均値算出処理で求められたスロットル変
化率の平均値 よりも車両の走行条件に応じて変化する値βだけ大きい
か否か、すなわち であるか否かを判断する。その場合、値βはスロットル
開度θ、車速V、および車速変化率等の車両走行条件
により決定されるものであり、β=f(θ,V,)で表
される。このβが設けられる理由はスムーズさと加速要
求とを両立させるためである。値βの一例として、第7
図(a)に示すように、V,を一定にして、βをθの関
数とした場合、同図(b)に示すように、θ,を一定
にして、βをVの関数とした場合および同図(c)に示
すように、θ,Vを一定にして、βをの関数とした場合
などがある。
であると判断されると、加速要求有りと判断し、ステッ
プ1052で加速要求フラッグAを1とする。ステップ1051
で、 でないと判断されると、加速要求なしと判断し、そのま
まの状態を保持する。
ステップ1050で、加速要求フラッグAが0でないと判
断されると、ステップ1053で車速Vが0であるか否かを
判断する。車速Vが0であると判断されると、ステップ
1054で加速要求フラッグAを0にリセットする。ステッ
プ1053で車速Vが0でないと判断されると、ステップ10
55で(−)方向のスロットル変化率の最大値DMAXが設
定値δ(負の定数)以下であるか否かを判断する。
DMAXが設定値δ以下であると判断されると、ステップ10
54で加速要求フラッグAを0にリセットする。ステップ
1055でDMAXが設定値δ以下でないと判断されると、ス
テップ1056でスロットル開度θがある設定値ξ以下であ
るか否かを判断する。スロットル開度θがある設定値ξ
以下であると判断されると、ステップ1054で加速要求フ
ラッグAを0にリセットする。ステップ1056でスロット
ル開度θがある設定値ξより大きいと判断されると、そ
のままの状態を保持する。このように、車速Vが0であ
ること、(−)方向のスロットル変化率DMAXが設定値
δ以下であること、およびスロットル開度が設定値ξで
あることのいずれか一つの条件により加速要求フラッグ
が0にリセットされる。
こうして、加速要求判断処理が行われる。
次にステップ1005で、実際のトルク比の算出処理を行
う。これは、プライマリ回転数np、セカンダリ回転数ns
より、実際のトルク比(ベルト比)Tpを、式 Tp=np/ns に基づいて算出する。
次にステップ1006で、目標トルク比の上、下限算出処
理を行う。これは、実際のスロットル開度θ、車速v、
現在の走行モードps(パワーモードPまたはエコノミー
モードE)より、目標回転数の上、下限値を求め、この
目標回転数の上、下限値と車速vとにより、目標トルク
比の上、下限値を算出する。これらの目標トルク比の
上、下限値を算出する方法としては、例えば第8図
(b)に示すように最良燃費曲線f1(θ)かあるいは最
大動力曲線f2(θ)かに基づいて求められた目標エンジ
ン回転数Nから目標トルク比の上、下限値を算出する
方法がある。すなわち、同図(a)に示すようにステッ
プ1057で、加速要求があるか否か、すなわちA=1であ
るか否かを判断する。A=1であると判断されると、ス
テップ1058で目標エンジン回転数Nを最大動力曲線f2
(θ)に基づいて求める。したがって、前述の加速要求
判断処理において加速要求有りと判断されたときは必ず
A=1に設定されているので、運転者が加速を要求した
ときには必ず最大動力曲線f2(θ)にしたがった制御パ
ターンに設定される。
またステップ1057でA=1でないと判断されると、ス
テップ1059でパターンスイッチ7がエコノミーモード
(E)に設定されているか、あるいはパワーモード
(P)に設定されているかを判断する。パターンスイッ
チ7がPに設定されていると判断されると、同様にステ
ップ1058で目標エンジン回転数Nを最大動力曲線f
2(θ)に基づいて求める。ステップ1059でパターンス
イッチ7がEに設定されていると判断されると、ステッ
プ1060で目標エンジン回転数Nを最良燃費曲線f
1(θ)に基づいて求める。そして、ステップ1061でこ
のようにして求められた目標エンジン回転数Nから目
標エンジン回転数の下限値N (=N‐ΔNL)およ
び目標エンジン回転数の上限値N (=N‐ΔNU
を求める。ここで、ΔNLは目標エンジン回転数の下方ヒ
ステリシス幅であり、ΔNUは目標エンジン回転数の上方
ヒステリシス幅である。次いで、ステップ1062で目標ト
ルク比上限値T max{=(N /V)×α}および目
標トルク比下限値T min{=(N /V)×α}を演
算する。ここで、αは変速装置のギヤトレーンのギヤ比
によって定まる定数である。
また、目標トルク比の上、下限値を算出する他の方法
として、例えば第9図(b)に示すように最良燃費曲線
f1(θ)と最大動力曲線f2(θ)との間で、スロットル
開度θと加速要求フラグがセットされている間のスロッ
トル変化率の最大値maxからスロットル変化率の
平均値 を差し引いた値γとの関数f3(θ,γ)で表される。予
め設定された曲線に基づいて求められた目標エンジン回
転数Nから目標トルク比の上、下限値を算出する方法
がある。すなわち、同図(a)に示すようにステップ10
63で、加速要求があるか否か、すなわちA=1であるか
否かを判断する。A=1であると判断されると、ステッ
プ1064で今回のスロットル変化率が今までメモリさ
れているスロットル変化率の最大値maxより大きいか
否かを判断する。maxより大きいと判断された
ときには、ステップ1065でそのを新たにmaxにメ
モリした後に、またmaxより大きくないと判断
されたときには直接に、ステップ1066で最大値max
らスロットル変化率の平均値θを差し引いた値γを演算
する。次いで、ステップ1067で関数f3(θ,γ)に基づ
いて目標エンジン回転数Nを求める。したがって、運
転者の加速要求に応じてより一層確実にエンジン回転数
の制御が行われるようになる。
一方、ステップ1063で加速要求がない、すなわちA=
1でないとすると、ステップ1068で最大値maxに0を
入れた後、ステップ1069でパターンスイッチ7がエコノ
ミーモード(E)に設定されているか、あるいはパワー
モード(P)に設定されているかを判断する。パターン
スイッチ7がPに設定されていると判断されると、同様
にステップ1070で目標エンジン回転数Nを最大動力曲
線f2(θ)に基づいて求め、またパターンスイッチ7が
Eに設定されていると判断されるとステップ1071で目標
エンジン回転数Nを最良燃費曲線f1(θ)に基づいて
求める。
こうして求められた目標エンジン回転数Nから、前
述の例と同様にステップ1072で目標エンジン回転数の下
限値N (=N‐ΔNL)および目標エンジン回転数
の上限値N (=N‐ΔNU)を求める。次いで、ス
テップ1073で目標トルク比上限値T max{=(N /
V)×α}および目標トルク比下限値T min{=(N
/V)×α}を演算する。
目標トルク比の上、下限値を算出する更に他の方法と
して、第10図に示すように、前述の第9図(a),
(b)に示す例に運転者の意志を組み入れた方法があ
る。なおこの例の説明においては、第9図(a),
(b)に示す例と同じ部分はその説明を省略する。した
がって、第10図(a),(b)も第9図(a),(b)
と異なる部分のみ示し、その他の部分は省略する。第10
図(a)に示すようにこの例では、ステップ1066で最大
maxからスロットル変化率の平均値 を差し引いた値γを演算し、ステップ1074でこのγおよ
びスロットル開度θとにより運転者の意志δ{=f
0(θ,γ)}を推論する。この運転者の意志δを推論
する方法として、第11図(b)、(c)に示すγ,θの
メンバーシップ関数と同図(e)に示すγ,θのマトリ
クスで表されたルールとからファジィ推論処理により求
める方法がある。更に説明すると、このファジィ推論処
理は、第11図(a)に示すフローにしたがって行われ
る。まずステップ1080でγでのメンバーシップ値a,b,c
を算出する。その場合、第11図(b)に示すγについて
のメンバーシップ関数が用いられる。aはγでのスモー
ルのメンバーシップ値、bはγでのミディアムのメンバ
ーシップ値、cはγでのラージのメンバーシップ値であ
る。次にステップ1081でθでのメンバーシップ値でd,e,
fを算出する。その場合、同図(c)に示すθについて
のメンバーシップ関数が用いられる。dはθでのスモー
ルのメンバーシップ値、eはθでのミディアムのメンバ
ーシップ値、fはθでのラージのメンバーシップ値であ
る。次に、ステップ1082でθとγでの適合度g00,……
…、g22を算出する。これにより同図(d)に示すよう
なa,b,……,fのマトリックスを作成する。すなわち、a
とdの小さい方をg00とし、bとdの小さい方をg01
し、………、cとfの小さい方をg22としたマトリクス
を作成する。また、同様にして、同図(e)に示すよう
にγとθと加速要求との間には次のような関係がある。
すなわち、γが小さくθが小さいならばSL(加速要求が
ほとんどない)とし、γが中位でθが小さいならばLS
(加速要求が少しある)とし、γが大きくθが小さいな
らばMD(加速要求が中位である)とし、………、γが大
きくθが大きいならばBG(加速要求が強い)としたマト
リクスを作成する。
そして、これらのマトリクスから運転者の意志δを求
める。この運転者の意志δは、 δ=f0(θ,γ) =(SL×g00+LS×g01+……BG×g22)/(g00+g01 +………g22) の式から求められる。
次いで、ステップ1075で関数f3(θ,δ)に基づいて
目標エンジン回転数Nを求める。以下、前述と同様の
処理が行われる。このようにこの例によれば、運転者の
意志δが加味されるので、運転者の加速要求に更に一層
確実に応えることができる。
次に、第4図に示すようにステップ1013で、CVT部変
速判断処理を行う。これは、実際のトルク比、目標トル
ク比、車速、シフトポジション、ブレーキ、CVT用モー
タ44、及び保持用ブレーキ49の状態から、アップシフト
方向、またはダウンシフト方向へどれくらいの速さで変
速するべきかを判断する。このCVT部変速判断処理は、
第12図に示すフローにしたがって行われる。すなわち、
ステップ1017でCVT変速用モータ44が正常であるか否か
を判断する。CVT変速用モータ44が正常であれば、ステ
ップ1018でシフトポジションがD,SH,SLのいずれかであ
るか否かを判断する。シフトポジションがD,SH,SLのい
ずれかであれば、ステップ1019で車速が0でないかどう
かを判断する。車速が0でなければ、ステップ1020で実
際のトルク比Tpが下限の目標トルク比T minより小さ
いか否かを判断する。実際のトルク比Tpが下限の目標ト
ルク比T minより小さくなければ、ステップ1021で実
際のトルク比Tpが上限の目標トルク比T maxより大き
いか否かを判断する。実際のトルク比Tpが上限の目標ト
ルク比T maxより大きければ、ステップ1022で変速方
向をアップシフトに指令する。またステップ1020で実際
のトルク比Tpが下限の目標トルク比T minより小さけ
れば、ステップ1023で変速方向をダウンシフトに指令す
る。ステップ1022でのアップシフト指令後またはステッ
プ1023でのダウンシフト指令後、ステップ1040で目標変
速速度を算出する。この目標変速速度は、第13図に
示すように目標トルク比と実際のトルク比との偏差量x
と現在の車速vとの関数{=f(x,v)}で表され
る。すなわち、これら偏差量xと車速vとにより、目標
変速速度が設定される。
ステップ1017〜1019および1021において、それぞれの
判断がNOであるときは、ステップ1041で変速停止指令を
行う。したがって、この場合には変速は行われない。
次にメインフローに戻りステップ1014で、モータ制御
処理を行う。これは、CVT変速部判断処理より算出され
た変速速度を実現すべく現在のモータ回転数、バッテリ
ー電圧に基づいて、モータ駆動信号を制御する。すなわ
ち、第14図に示すフローにおいて、まずステップ1042で
CVT変速部にアラームが有りか否かを判断する。アラー
ムがなければ、ステップ1043で実際のモータ回転数MVP
を算出する。次いで、ステップ1044で変速速度と実際
のトルク比Tpとから目標モータ回転数MVTGTを算出す
る。この目標モータ回転数MVTGTは変速速度との間に
第15図に示すような関係がある。更にステップ1045で実
際のモータ回転数と実際のバッテリ電圧とから基本デュ
ーティ比DBas{=f1(MVP,Vp)}を算出する。次に、ス
テップ1046で目標回転数と実際の回転数との差と実際の
バッテリ電圧とから補正デューティ比DCRT{=f2(y,
Vp),y=MVTGT−MVP}を算出する。そして、これらDBas
及びDCRTから制御ディューティ比DCTL(=DBas+DCRT
を算出する。その場合、各デューティ比を算出するにあ
たっては、第16図に示すモータ回転数とデューティ比と
の関係図が用いられる。また、ステップ1042でアラーム
があれば、ステップ1048で制御デューティ比DCTL=0に
設定する。最後にステップ1049で、第17図に示すモータ
駆動用ドライバ回路に制御デューティ比が出力され、こ
のデューティ比に基づいてモータ44が駆動制御される。
次にメインフローに戻ってステップ1015で、背圧用ソ
レノイド制御処理を行う。これは、スロットル開度θ、
シフトポジション、及び油温に基づいて、アキュムレー
タの背圧を制御する。
最後にステップ1016で、ロックアップ用ソレノイド制
御処理を行う。これは、プライマリ回転数np、エンジン
回転数ne、スロットル開度θ、及び油温tに基づいてロ
ックアップ圧用ソレノイド56を制御する。
こうして、電子制御装置6はCVT変速用モータ44、モ
ータ保持用ブレーキ49、背圧制御用ソレノイド57および
ロックアップ用ソレノイド56を制御する。
以上のようにこの実施例によれば、スロットル変化率
がそのスロットル変化率の平均値よりも所定の値以上大
きい場合には加速要求が有りとして、無段変速機の制御
パターンをエコノミーモードからパワーモードに変更す
るようにしているので、ドライバの要求に応じた加速性
能を得ることができるようになる。これにより、運転性
能(ドライバビリティー)を向上させることが可能とな
る。
また、無段変速機の制御パターンをエコノミーモード
からパワーモードに変更するようにしているので、スロ
ットル変化率の最大値からスロットル変化率の平均値θ
を差し引いた値γが正のときには、エコノミーモードか
らパワーモードまでの間でγに応じてモードを選択する
ことにより、ドライバの要求に応じた加速性能を更に一
層効果的に得ることができる。
更に、運転者の意志をファジィ推論することにより、
運転者の意志を加味した変速制御を行うことにより、更
に一層ドライバの要求に応じた変速制御を行うことがで
きる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る無段変速機の制御装置の一実施例
が適用されるトルクコンバータを備えた無段変速機の一
例を示す断面図、第2図はこの実施例のシステム構成
図、第3図は電子制御装置のブロック図、第4図は電子
制御装置による制御のメインフローを示す図、第5図は
スロットル変化率の平均値算出処理のためのフローを示
す図、第6図は加速要求判断処理のためのフローを示す
図、第7図は車両走行条件により決定される値βとスロ
ットル開度θ、車速Vおよび車速変化率との関係の一
例を示し、(a)はθとβとの関係を示す図、(b)は
Vとβとの関係を示す図、(c)はVとβとの関係を示
す図、第8図は目標トルク比上、下限算出処理の一例を
説明し、(a)はそのフローを示す図、(b)はスロッ
トル開度θと目標エンジン回転数Nとの関係を示す
図、第9図(a),(b)は目標トルク比上、下限算出
処理の他の例を説明する第8図(a),(b)と同様の
図、第10図(a),(b)は目標トルク比上、下限算出
処理の更に他の例を説明する第8図(a),(b)と同
様の図、第11図(a)はこの実施例における運転者の意
志を推論するためのファジィ推論処理を説明し、
(b),(c)はγおよびθでのメンバーシップ関数を
示す図、(d)はγとθでの適合度のマトリクスを示す
図、(e)はγとθとのある関係をのときの加速要求の
度合を示すマトリクスの図、第12図はCVT部変速判断処
理を行うためのフローを示す図、第13図は目標エンジン
回転数と実際のエンジン回転数との偏差量xに対する目
標変速速度eの関係を示す図、第14図は変速用モータ制
御処理を行うためのフローを示す図、第15図は変速速度
eと目標モータ回転数MVTGTとの関係を示す図、第16図
はモータ回転数とデューティ比との関係を示す図、第17
図はモータの電気回路を示す図である。 1……エンジン、2……発進装置、21……ロックアップ
クラッチ、22……トルクコンバータ、4……ベルト式無
段変速部、41……プライマリシーブ、42……セカンダリ
シーブ、6……電子制御装置、7……パターン選択手
段、8……シフトレバー、θ……今回のスロットル変
化率(今回の運転者の意志に対応した量の変化率)、θ
……スロットル変化率の平均値(運転者の意志に対応し
た量の変化率の平均値)、β……車両走行条件により決
まる定数(所定の値)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−176846(JP,A) 特開 昭60−95253(JP,A) 特開 昭63−19458(JP,A) 特開 平3−107669(JP,A) 実開 昭63−118448(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16H 59/00 - 61/12 F16H 61/16 - 61/24 F16H 63/40 - 63/48

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくともスロットル開度に応じて目標回
    転数を設定し、該目標回転数に基づいて無段変速機のト
    ルク比を制御する無段変速機の制御装置において、 前記スロットル開度の変化率を検出する手段と、 前記スロットル開度の変化率の平均値 を算出する手段と、 前記スロットル開度の変化率の最大値maxを算出す
    る手段と、 前記平均値と前記最大値との偏差γに応じて、前記目標
    回転数を補正する手段f3(θ,γ)とを有することを特
    徴とする無段変速機の制御装置。
  2. 【請求項2】前記スロットル開度の変化率が平均値 よりも所定値β以上大きい場合に、前記平均値 と前記最大値maxとの偏差から、前記目標回転数を補
    正することを特徴とする請求項1記載の無段変速機の制
    御装置。
  3. 【請求項3】燃費重視で設定された目標回転数のパター
    ンf1(θ)と、動力性能重視で設定された目標回転数の
    パターンf2(θ)とを有し、 前記スロットル開度の変化率が平均値 よりも所定値β以上大きい場合に、前記平均値 と前記最大値maxとの偏差から、前記両パターンの間
    で前記目標回転数を補正することを特徴とする請求項1
    記載の無段変速機の制御装置。
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