JP2870881B2 - 無段変速機の制御装置 - Google Patents

無段変速機の制御装置

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JP2870881B2 JP29083289A JP29083289A JP2870881B2 JP 2870881 B2 JP2870881 B2 JP 2870881B2 JP 29083289 A JP29083289 A JP 29083289A JP 29083289 A JP29083289 A JP 29083289A JP 2870881 B2 JP2870881 B2 JP 2870881B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、車両に搭載された無段変速機の制御装置に
関し、特に変速制御をよりきめ細かく行うことにより、
運転者の感覚や判断により一層近づけた変速制御を行う
ようにする無段変速機の制御装置に関するものである。
[従来の技術] 従来、無段変速機においては、変速速度制御を行うに
あたって、スロットル開度、スロットル開度変化速度、
車速、あるいは加速度等を用いて、適宜の制御則に基づ
いて変速制御値を演算し、得られた制御値に基づいて無
段変速機を制御するようにしている。
この無段変速機の制御方法によれば、車両の走行状態
や運転者の運転操作に応じて、ある程度正確にかつ滑ら
かに自動変速制御を行うことができる。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、このような無段変速機の制御方法に用
いられる制御則は、車両の運転操作や車両走行状態を示
す物理的な経験則に基づいて設定されていることが多
い。したがって、制御則には運転者の感覚や判断等の意
志に基づいて設定されていなく、これらの感覚や判断が
変速制御値に反映されていなかった。このため、無段変
速機は必ずしも運転者の意志に基づいて十分かつ正確に
制御されているとは言えなかった。
また、無段変速機の制御を更にきめ細かく行うように
するため、制御則をより一層細分化してきているが、こ
のように細分化すると、電子制御装置を例えばマイクロ
コンピュータで構成した場合、かなり大きな容量のメモ
リが必要となってしまう。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであ
って、その目的は、無段変速機を運転者の感覚や判断等
により一層近づけて変速制御することができる無段変速
機の制御装置を提供することである。
また本発明の他の目的は、よりきめ細かく制御できる
ようにしながら、しかも小容量のメモリで済むようにで
きる無段変速機の制御装置を提供することである。
[課題を解決するための手段] 本発明は、無段変速機のファジィ推論処理を用いて制
御する電子制御装置を備えた無段変速機の制御装置にお
いて、前記電子制御装置は、スロットル開度の変化率及
び車速からファジィ推論処理を用いて速い変速の要求度
合を算出する加速要求度合算出手段と、前記無段変速機
のトルク比の目標値の変化速度及び前記無段変速機のト
ルク比の目標値と実際値との偏差からファジィ推論処理
を用いて遅い変速の要求度合を算出する変速滑らかさ要
求度合算出手段と、前記加速要求度合算出手段により算
出された速い変速の要求度合及び前記変速滑らかさ要求
度合算出手段により算出された遅い変速の要求度合か
ら、ファジィ推論処理を用いて、前記無段変速機のトル
ク比の変速速度を算出する変速速度算出手段とを有する
ことを特徴としている。
[作用及び発明の効果] このような構成をした本発明に係る無段変速機の制御
装置においては、加速要求度合算出手段がスロットル開
度の変化率及び車速からファジィ推論処理を用いて速い
変速の要求度合を算出するとともに、変速滑らかさ要求
度合算出手段が無段変速機のトルク比の目標値の変化速
度及び無段変速機のトルク比の目標値と実際値との偏差
からファジィ推論処理を用いて遅い変速の要求度合を算
出し、更に変速速度算出手段が加速要求度合算出手段に
より算出された速い変速の要求度合及び変速滑らかさ要
求度合算出手段により算出された遅い変速の要求度合か
らファジィ推論処理を用いて無段変速機のトルク比の変
速速度を算出するようにしているので、車両の運転操作
そのもの及び車両走行状態そのものである物理量による
変速制御では加味されない人間の感覚や判断を変速制御
中に採り入れることができるようになる。したがって、
運転者の意志に、より一層忠実に対応して無段変速機を
制御できるようになる。
また、無段変速機の制御をファジィ推論処理という簡
単な制御則により行うようにしているので、無段変速機
の制御をよりきめ細かくかつ精度よく行うことができ
る。しかも、制御則が簡単であることから、小容量のメ
モリで高精度の変速制御を行うことができるようにな
る。
更に、ファジィ制御の結果をメモリに記憶させておけ
ば、その都度ファジイ推論処理により演算を行う必要が
なくなり、処理時間を短縮することができる。
[実施例] 以下、図面を用いて本発明の実施例を説明する。
第1図は、本発明の一実施例が適用されるトルクコン
バータを備えたVベルト式無段変速機(CVT)の一例の
断面図、第2図はこの実施例のシステム構成図である。
図中、1はエンジン、2は発進装置、3は前後進切換装
置、4はVベルト式無段変速機装置、5は油圧制御装
置、6は電子制御装置、7はパターン選択装置、8はシ
フトレバー、9はブレーキである。
第1図及び第2図に示すように、エンジン1には発進
装置2が連結されており、この発進装置2には前後進切
換装置3を介してVベルト式無段変速部(CVT)4が連
結されている。更にこのVベルト式無段変速部4は、カ
ウンタギヤ機構103を介して差動歯車機構104に連結され
ている。
エンジン1にはスロットル開度検出手段11及びエンジ
ン回転数検出手段12が配設されている。これらのスロッ
トル開度検出手段11及びエンジン回転数検出手段12はそ
れぞれ電子制御装置6に接続されていて、スロットル開
度検出手段11はスロットル開度信号を、またエンジン回
転数検出手段12はエンジン回転数を、それぞれ電子制御
装置6に出力するようになっている。
発進装置2は、ロックアップクラッチ21付のトルクコ
ンバータ22から構成されている。このロックアップクラ
ッチ21及びトルクコンバータ22は、ともに油圧制御装置
5によって制御されるようになっている。
前後進切換装置3はフォワードクラッチ31及びリバー
スブレーキ32を備えており、これらフォワードクラッチ
31及びリバースブレーキ32がそれぞれ油圧制御装置5に
よって制御されることにより前後進の切換制御が行われ
るようになっている。また、この前後進切換装置3には
オートマチックトランスミッション(A/T)油温検出手
段33が設けられている。このA/T油温検出手段33も同様
に電子制御装置6に接続されていて、A/T内の作動油の
油温t信号を電子制御装置6に出力するようになってい
る。
Vベルト式無段変速部4はプライマリシーブ41と、セ
カンダリシーブ42と、これらの両シーブ41,42に巻回さ
れたVベルト43とを備えている。そして、CVT変速用モ
ータ44によって両シーブの可動シーブが適宜制御される
ことにより、自動変速制御が行われるようになってい
る。またこのCVT変速用モータ44の保持用ブレーキ45が
設けられている。これらCVT変速用モータ44及びブレー
キ45はそれぞれ電子制御装置6からの制御信号に基づい
て作動制御される。更にCVT変速用モータ44にはモータ
回転数検出手段46が設けられており、モータ回転数検出
手段46はCVT変速用モータ44の回転数を電子制御装置6
に出力するようになっている。更に、プライマリシーブ
回転数検出手段47及びセカンダリシーブ回転数検出手段
48が、それぞれ電子制御装置6に接続されており、これ
らの検出手段47,48は、それぞれ対応するシーブ41,42の
回転数を検出してその回転数信号を電子制御装置6に出
力するようになっている。
油圧制御装置5は、ポンプ51、ライン圧制御装置52、
ロックアップ圧制御装置53、選速装置54及び背圧制御装
置55を備えている。ロックアップ制御装置53は電子制御
装置6からのロックアップ制御信号によってオン・オフ
制御されるソレノイド56で作動されて、ロックアップク
ラッチ21を制御するようになっている。また、選速装置
54はフォワードクラック31及びリバースブレーキ32を制
御するようになっている。
また、背圧制御装置55は、電子制御装置6からの背圧
制御信号によって、オン・オフ制御されるソレノイド57
で作動されて、フォワードクラッチ31とリバースブレー
キ32のアキュムの背圧を制御する。
パターン選択手段7は、エコノミーモードEまたはパ
ワーモードPを選択設定するためのものであり、その選
択信号が電子制御装置6に出力するようになっている。
自動変速のためのシフトレバー8には、シフトポジシ
ョン検出手段81及びが設けられている。このシフトポジ
ション検出手段81は、シフトレバー8のシフトポジショ
ンを検出してその検出信号を電子制御装置6に出力する
ようになっている。
更に、フットブレーキ9は車両を制動するブレーキで
あり、このブレーキ9にはブレーキ信号検出手段91が設
けられており、このブレーキ信号検出手段91からのブレ
ーキ信号が同様に電子制御装置6に入力されるようにな
っている。
したがって、電子制御装置6は、スロットル開度信号
θ、A/T油温信号t、エンジン回転数信号ne、モータ回
転数信号nm、プライマリシーブ回転数信号np、セカンダ
リシーブ回転数信号ns、シフトポジション信号s、及び
ブレーキ作動信号bに基づいて、ロックアップ圧制御信
号Pt信号、背圧制御信号Pb、CVT変速用モータ44制御信
号m、及びモータ保持用ブレーキbm信号をそれぞれ出力
して、油圧制御装置5及びCVT4を制御する。
第3図はその電子制御装置6が行う機能のブロック図
である。
第3図に示すように、電子制御装置6は入力部6a、演
算部6b及び出力部6cから構成されている。
入力部6aは、モータ回転数検出手段46からの信号nm
入力されるモータ回転速度算出部611、スロットル開度
検出手段11からの信号θが入力されるスロットル開度検
出部612、ソフトタイマーを勘案してこのスロットル開
度検出部612に入力されたスロットル開度θに基づいて
スロットル変化率を検出するスロットル変化率検出部61
3、プライマリシーブ回転数検出手段47からの信号np
入力されるプライマリシーブ回転数検出部614、セカン
ダリシーブ回転数検出手段48からの信号nsが入力される
セカンダリシーブ回転数検出部615、このセカンダリシ
ーブ回転数検出部615に入力されたセカンダリシーブ回
転数nsに基づいて車両速度vを検出する車速検出部61
6、エンジン回転数検出手段12からの信号neが入力され
るエンジン回転数検出部617、パターン選択手段7から
のエコノミーモードEまたはパワーモードPの信号ps
入力されるパターンスイッチ検出部618、シフトポジシ
ョン検出手段81からの信号sが入力されるシフトポジシ
ョン検出部619、このシフトポジション検出部619に入力
されたシフトポジションsに基づいてシフトポジション
変化率を検出するシフトポジション変化率検出部620、
ブレーキ信号検出手段91からのブレーキ作動信号91から
のブレーキ信号検出部621、バッテリー電圧検出手段101
からのバッテリー電圧信号vatが入力されるバッテリー
電圧検出部622、モータ電流検出手段102からの信号im
入力されるモータ電流検出部623、及び油温検出手段33
からの信号tが入力される油温検出部624からなってい
る。
演算部6bは、実際のトルク比算出部626、最良燃費及
び最大動力判断部627、目標トルク以上、下限算出部62
8、CVT部変速判断部629、及びCVT部変速速度算出部630
からなっている。
出力部6cは、CVT変速用モータ44の制御信号出力部6
c1、CVT4における油圧制御装置5のアキュムレータの背
圧制御信号出力部6c2、及びロックアップ制御信号出力
部6c3からなっている。
CVT変速用モータ44の制御信号出力部6c1は、変速用モ
ータ制御部631、モータ部異常検出部632、ドライバ駆動
信号発生部633、モータブレーキ駆動信号発生部634、及
びモータブレーキ異常判断部635からなっている。
CVT4における油圧制御装置5のアキュムレータの背圧
制御信号出力部6c2は、背圧制御部636、背圧制御用ソレ
ノイド駆動信号発生部637、及び背圧制御用ソレノイド
異常判断部638からなっている。
ロックアップ制御信号出力部6c3は、ロックアップ圧
制御部639、ロックアッップ用ソレノイド駆動信号発生
部640、及びロックアップ用ソレノイド異常判断部641か
らなっている。
そして、実際のトルク比算出部626は、プライマリ回
転数検出部614からの信号及びセカンダリ回転数検出部6
15からの信号が入力され、これらの各信号に基づいて実
際のトルク比を算出してその算出結果をCVT部変速判断
部629及びCVT部変速速度算出部630に出力する。
最良燃費及び最大動力判断部627は、パターンスイッ
チ検出部618からの信号及びシフトポジション検出部619
からの信号がそれぞれ入力され、これらの各信号に基づ
いて最良燃費特性で制御するかあるいは最大動力特性で
制御するかを判断し、その判断結果を目標トルク比上、
下限算出部628に出力する。
目標トルク比上、下限算出部628は、最良燃費及び最
大動力判断部627からの信号、スロットル開度検出部612
からの信号、及び車速検出部616からの信号が入力さ
れ、これらの各信号に基づいて目標トルク比の上、下限
値Tmax *,Tmin *を算出し、その算出結果をCVT部変速判
断部629に出力する。
CVT部変速判断部629は、目標トルク比上、下限算出部
628からの信号、モータ部異常検出部632からの信号、実
際のトルク比算出部626からの信号、シフトポジション
検出部619からの信号、スロットル開度検出部612からの
信号、及び車速検出部616からの信号が入力され、これ
らの各信号に基づいてCVT部のベルトトルク比を変更す
べきか否かの判断を行い、その変速信号をCVT部変速速
度算出部630、ドライバ駆動信号発生部633及びモータブ
レーキ駆動信号発生部634にそれぞれ出力する。
CVT部変速速度算出部630は、CVT部変速判断部629から
の信号、目標トルク比上、下限算出部628からの信号、
モータ部異常検出部632からの信号、実際のトルク比算
出部626からの信号、シフトポジション変化検出部620か
らの信号、シフトポジション検出部619からの信号、車
速検出部616からの信号、スロットル変化率検出部613か
らの信号、及びブレーキ信号検出部621からの信号が入
力され、これらの各信号に基づいて現時点で要求されて
いるフィーリングを実現するためのCVT部変速速度を算
出して変速用モータ制御部631に出力する。
変速用モータ制御部631は、モータ回転速度算出部611
からの信号、バッテリー電圧検出部622からの信号、及
びCVT部変速速度算出部630からの信号に基づいてドライ
バ駆動信号発生部633に信号を出力する。この信号によ
り、要求されているCVT4部の変速を実現するためにモー
タ44回転方向とモータ44にかける電圧が制御される。
モータ部異常検出部632は、モータ回転速度算出部611
からの信号、バッテリー電圧検出部622からの信号、モ
ータ電流検出部623からの信号、及びモータブレーキ異
常判断部635からの信号に基づいて、モータ44の過電
流、モータ44の速度の飽和、及びモータ44のロック状態
等の異常を検出し、その検出信号をCVT部変速判断部629
及びCVT部変速速度算出部630に出力する。
ドライバ駆動信号発生部633は、変速用モータ制御部6
31からの信号及びCVT部変速判断部629からの信号に基づ
いて、CVT変速用モータ44に変速指令があった場合にモ
ータ駆動用ドライバーに与える電圧信号を発生させ、CV
T変速用モータ44に出力する。
モータブレーキ駆動信号発生部634は、CVT部変速判断
部629からの信号に基づいて、CVT変速用モータ44に変速
指令があった場合にモータ保持用ブレーキ45を解放する
ように信号を出力する。また、この信号はモータブレー
キ異常判断部635にも出力される。
モータブレーキ異常判断部635は、モータブレーキ駆
動信号発生部634からの信号に基づいて、ブレーキ動作
電圧を監視し、断線及び短絡等の異常を検出すると共
に、その信号をモータ異常検出部632に出力する。
背圧制御部636は、スロットル開度検出部612からの信
号、シフトポジション検出部619からの信号、シフトポ
ジション変化検出部620からの信号、油温検出部624から
の信号、及び背圧制御用ソレノイド異常判断部638から
の信号に基づいて、N→D、N→R切換時のシフトフィ
ーリングの制御を行うべく、背圧制御用ソレノイド駆動
信号発生部637に制御信号を出力する。
背圧制御用ソレノイド駆動信号発生部637は、背圧制
御部636からの信号に基づいて、背圧制御用ソレノイド5
7にソレノイド駆動用信号を出力すると共に、背圧制御
用ソレノイド異常判断部638にも信号を出力する。
背圧制御用ソレノイド異常判断部638は、背圧制御用
ソレノイド駆動信号発生部637からの信号に基づいて、
背圧制御用ソレノイド57の断線または短絡等の異常を判
断検出し、その信号を背圧制御部636に出力する。
ロックアップ圧制御部639は、スロットル開度検出部6
12からの信号、プライマリ回転数検出部614からの信
号、エンジン回転数検出部617からの信号、油温検出部6
24からの信号、及びロックアップ用ソレノイド異常判断
部641からの信号に基づいて、ロックアップのオン、オ
フ、デューティのいずれかを決定し、その結果をロック
アップ用ソレノイド駆動信号発生部640に出力する。
ロックアップ用ソレノイド駆動信号発生部640は、ロ
ックアップ圧制御部639からの信号に基づいてロックア
ップ用ソレノイド56にソレノイド駆動用信号を出力する
と共に、ロックアップ用ソレノイド異常判断部641にも
信号を出力する。
ロックアップ用ソレノイド異常判断部641は、ロック
アップ用ソレノイド駆動信号発生部640からの信号に基
づいて、ロックアップ用ソレノイド56の断線や短絡等の
異常を判断検出し、その信号をロックアップ圧制御部63
9に出力する。
次に電子制御装置6が行う制御について説明する。第
4図はその制御のメインフローを示す図である。
まず、ステップ1000において、一定時間t1が経過した
かの判定を行う。一定時間t1経過時にCVTの制御を開始
する。ステップ1001において各検出手段からの入力デー
タの読み込みを行う。これは、各検出手段からの信号
を、入力部6aが電子制御装置6で処理できるようにデジ
タル値として読み込む。次にステップ1005で、実際のト
ルク比の算出処理を行う。これは、プライマリ回転数
np、セカンダリ回転数ns、より、実際のトルク比(ベル
ト比)Tpを、式 Tp=np/ns に基づいて算出する。
次にステップ1006で、目標トルク比の上、下限算出処
理を行う。これは、実際のスロットル開度θ、車速v、
現在の走行モードps(パワーモードPまたはエコノミー
モードE)より、目標回転数の上、下限値を求め、この
目標回転数の上,下限値と車速vとにより、目標トルク
比の上、下限値を算出する。
次に、第4図に示すようにステップ1013で、CVT部変
速判断処理を行う。これは、実際のトルク比Tp、目標ト
ルク比T*、車速v、シフトポジション、ブレーキ、CVT
用モータ44、及び保持用ブレーキ45の状態から、アップ
シフト方向、またはダウンシフト方向へどれくらいの速
さで変速するべきかを判断する。このCVT部変速判断処
理は、第5図に示すフローにしたがって行われる。すな
わち、ステップ1017でCVT変速用モータ44が正常である
か否かを判断する。CVT変速用モータ44が正常であれ
ば、ステップ1018でシフトポジションがD,SH,SLのいず
れかであるか否かを判断する。シフトポジションがD,
SH,SLのいずれかであれば、ステップ1019で車速が0で
ないかどうかを判断する。車速が0でなければ、ステッ
プ1020で実際のトルク比Tpが下限の目標トルク比T* min
より小さいか否かを判断する。実際のトルク比Tpが下限
の目標トルク比T* minより小さくなければ、ステップ102
1で実際のトルク比Tpが上限の目標トルク比T* maxより小
さいか否かを判断する。実際のトルク比Tpが上限の目標
トルク比T* maxより大きければ、ステップ1022で変速方
向をアップシフトに指令する。また同様に実際のトルク
比Tpが下限の目標トルク比T* minより小さければ、ステ
ップ1023で変速方向をダウンシフトに指令する。
次に、ステップ1024で加速要求度合算出処理を行う。
これは、加速度要求度合をスロットル変化率θと実際の
車速vとにより、ファジィ推論処理を行うことにより求
めるようにしている。すなわち、第6図に示すようにこ
の加速要求度合算出処理は、まずステップ1025で、実際
のスロットル開度変化速度θに定数αを乗じて、その値
をx(θ×α→x)とする。同様に、実際の車速vに定
数βを乗じてその値をy(v×β→y)とする。その場
合、x,yはファジィ推論時のパラメータであり、−1≦
x≦1また−1≦y≦1である。メンバーシップ値をフ
ァジィ処理時xのメンバーシップ値のデータテーブルME
NXに置き換える。同様に、vのメンバーシップ値をファ
ジィ処理時yのメンバーシップ値のデータテーブルMENY
に置き換える。加速要求係数のルールをファジィ処理時
のx,yの関係より決まるデータテーブルzに置き換え
る。次に、ステップ1026でファジィ推論処理を行う。こ
のファジィ推論処理は、一般には第7図に示すフローに
したがって行われる。すなわち、まずステップ1027で、
要素xよりメンバーシップ値a,b,cを算出する。その場
合、第8図(a)に示すメンバーシップ関数が用いられ
る。aは要素xでのスモールのメンバーシップ値、bは
要素xでのミディアムのメンバーシップ値、cは要素x
でのビッグのメンバーシップ値である。次にステップ10
28で、要素yよりメンバーシップ値でd,e,fを算出す
る。その場合、第8図(b)に示すメンバーシップ関数
が用いられる。dは要素yでのスモールのメンバーシッ
プ値、eは要素yでのミディアムのメンバーシップ値、
fは要素yでのビッグのメンバーシップ値である。次に
ステップ1029で適合度g00,g01,………,g22を算出す
る。これは、例えば第9図に示すようなa,b,……,fのマ
トリックスを作成する。すなわち、aとdの小さい方を
g00とし、bとdの小さい方をg01とし、………、cとf
の小さい方をg22としたマトリクスを作成する。このマ
トリクスから適合度g00,g01,………,g22を求める。
次にステップ1030で、制御量Zcを求める。この制御量Zc
は Zc=(Z00×g00+Z01×g01+ ……Z22×g22)/(g00+g01+………+g22) の式から求められる。これらのZ00,Z01,………,Z22
も同様に例えば第10図に示すようなマトリクスから求め
られる。
第6図におけるステップ1026でファジィ推論処理が行
われることにより、制御量Zcが求められる。この場合、
例えば第11図に示すメンバーシップ関数及び第12図に示
すように作成されたθとvとのマトリクスが用いられ
る。そしてステップ1031で求められた制御量Zcを加速度
要求度合RESとして設定する。
次に、第5図に示すようにステップ1032で、スムーズ
さ要求度合算出処理を行う。これは、スムーズさ要求度
合を目標トルク比変化速度dT*/dtと目標トルク比T*と実
際のトルク比Tとの偏差量とにより、ファジィ推論を行
うことにより求めるようにしている。すなわち、第13図
に示すようにこのスムーズさ要求度合算出処理は、まず
ステップ1033で、目標トルク比変化速度(dT*/dtに定数
γを乗じて、その値をx(dT*/dt×γ→x)とする。同
様に、前述のトルク比の偏差量(T*−T)に定数δを乗
じてその値をy{(T*−T)×δ→y}とする。このと
き、x,yは前述の同様にファジィ推論時のパラメータで
あり、−1≦x≦1また−1≦y≦1である。dT*/dtの
メンバーシップ値をファジィ処理時xのメンバーシップ
値のデータテーブルMENXに置き換える。同様に、(T*
Tのメンバーシップ値をファジィ処理時yのメンバーシ
ップ値のデータテーブルMENYに置き換える。スムーズさ
要求係数のルールをファジィ処理時のx,yの関係より決
まるデータテーブルzに置き換える。次に、ステップ10
34でファジィ推論処理を行い、制御量Zcを求める。その
場合、第14図に示すメンバーシップ関数及び第15図に示
すdT*/dtと(T*−T)とのマトリクスを用いてファジィ
推論処理を行う、このようにして求められた制御量Zc
重心となっている。そして、ステップ1035でこの制御量
Zcをスムーズの要求度合Smthとして設定する。
次に、第5図に示すようにステップ1036で、変速速度
算出処理を行う。これは、変速速度を目標トルク比T*
と実際のトルク比Tとの偏差量、加速要求度合RES、及
びスムーズさ要求度合Smthにより、ファジィ推論を行う
ことにより求めるようにしている。すなわち、第16図に
示すようにこの変速速度算出処理は、まずステップ1037
で、RESをx(RES→x)とする。同様に、Smthをy(Sm
th→y)とする。更に加速要求度合RES、スムーズさ要
求度合Smthより決まる変速速度のルールをファジィ推論
時のルールの格納バッファzに格納する。このとき、x,
yは前述と同様にファジィ推論時のパラメータであり、
−1≦x≦1また−1≦y≦1である。そして、ステッ
プ1038でファジィ推論処理を行い、制御量Zcを求める。
その場合、第17図に示すメンバーシップ関数と第18図に
示すRESとSmthとのマトリクスを用いてファジィ推論処
理を行う。このようにして求められた制御量Zcを、ステ
ップ1039でこの制御量Zcを変速速度の係数Kとして設定
する。次に、ステップ1040で求めた係数Kにより変速速
度を、第19図に示すように(T*−T)の関数(=Kf
(T*−T)}で表し、この関数から変速速度比を求め
る。
第5図のステップ1017〜1021において、それぞれの判
断がNOであるときは、ステップ1041で変速停止指令を行
う。したがって、この場合には変速は行われない。
次に第4図に戻ってステップ1014で、モータ制御処理
を行う。これは、CVT変速部判断処理より算出された変
速速度を実現すべく現在のモータ回転数、バッテリー電
圧に基づいて、モータ駆動信号を制御する。すなわち、
第20図に示すフローにおいて、まずステップ1042でCVT
変速部にアラームが有りか否かを判断する。アラームが
なければ、ステップ1043で実際のモータ回転数MVPを算
出する。次いで、ステップ1044で変速速度から目標モ
ータ回転数MVTGTを算出する。その場合、目標モータ回
転数MVTGTを、第21図に示すようにとTpとの関数{MVT
GT=f(,Tp)}で表し、この関数から目標モータ回
転数MVTGTを求める。更にステップ1045で実際のモータ
回転数から基本デューティ比DBass{=f1(MVP)}を算
出する。次に、ステップ1046で目標回転数と実際の回転
数との差から補正デューティ比DCRT{=f2(MVTGT−MV
P)}を算出する。そして、これらDBass及びDCRTから制
御デューティ比DCTL(=DBass+DCRT)を算出する。そ
の場合、各デューティ比を算出するにあたっては、第22
図に示すモータ回転数とデューティ比との関係図が用い
られる。また、ステップ1042でアラームがあれば、ステ
ップ1048で制御デューティ比DCTL=0に設定する。最後
にステップ1049で、第23図に示すモータ駆動用ドライバ
回路に制御デューティ比が出力され、モータ44が駆動制
御される。
再び第4図に戻り、ステップ1015で、背圧用ソレノイ
ド制御処理を行う。これは、スロットル開度θ、シフト
ポジション、及び油温に基づいて、アキュムレータの背
圧を制御する。
最後にステップ1016で、ロックアップ用ソレノイド制
御処理を行う。これは、プライマリ回転数np、エンジン
回転数ne、スロットル開度θ、及び油温tに基づいてロ
ックアップ圧用ソレノイド56を制御する。
以上のように、本発明の無段変速機の制御装置によれ
ば、ファジィ推論により目標変速速度を算出しているの
で、物理量で扱いにくい人間の感覚及び判断を定量化し
て、制御中に採り入れることができるようになる。した
がって、よりきめの細かい制御を簡単かつ精度よく実現
することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明にかかる無段変速機の制御装置の一実施
例が適用されるトルクコンバータを備えた無段変速機の
一例を示す断面図、第2図はこの実施例のシステム構成
図、第3図は電子制御装置のブロック図、第4図は電子
制御装置による制御のメインフローを示す図、第5図は
CVT部変速判断処理を行うためのフローを示す図、第6
図は加速要求度合算出処理を行うためのフローを示す
図、第7図はファジィ推論処理を行うためのフローを示
す図、第8図はファジィ推論処理に使用されるメンバー
シップ関数の一例を示す図、第9図、第10図はファジィ
推論処理に使用されるマトリクスの一例を示す図、第11
図は加速要求度合算出処理に用いられるメンバーシップ
関数の一例を示す図、第12図は加速要求度合算出処理に
用いられるマトリクスの一例を示す図、第13図はスムー
ズさ要求算出処理を行うためのフローを示す図、第14図
はこのスムーズさ要求算出処理に使用されるメンバーシ
ップ関数の一例を示す図、第15図はこのスムーズさ要求
算出処理に使用されるマトリクスの一例を示す図、第16
図は変速速度算出処理を行うためのフローを示す図、第
17図はこの変速速度算出処理に使用されるメンバーシッ
プ関数の一例を示す図、第18図はこの変速速度算出処理
に使用されるマトリクスの一例を示す図、第19図は変速
速度を目標トルク比と実際のトルク比との偏差量の関数
で表した場合の一例を示す図、第20図はモータ制御処理
のフローを示す図、第21図は目標モータ回転数と変速速
度との関係を示す図、第22図はモータ回転数とデューテ
ィ比との関係を示す図、第23図はモータの電気回路を示
す図である。 1…エンジン、2…発進装置、21…ロックアップクラッ
チ、22…トルクコンバータ、4…ベルト式無段変速部
(CVT)、41…プライマリシーブ、42…セカンダリシー
ブ、44…CVT変速用モータ、5…油圧制御装置、6…電
子制御装置、626…実際のトルク比算出部、628…目標ト
ルク比上、下限算出部、631…変速用モータ制御部、642
…トルクコンバータのトルク比算出部、7…パターン選
択手段、8…シフトレバー、9…ブレーキ、1024…加速
要求度合算出手段、1032…スムーズさ要求度合算出手
段、1036…変速速度算出手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F16H 63:06 (56)参考文献 特開 平1−255748(JP,A) 特開 平3−125062(JP,A) 特開 平3−74670(JP,A) 特開 平1−275944(JP,A) 特開 昭64−49748(JP,A) 特開 平1−203750(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16H 61/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】無段変速機のファジィ推論処理を用いて制
    御する電子制御装置を備えた無段変速機の制御装置にお
    いて、 前記電子制御装置は、 スロットル開度の変化率及び車速からファジィ推論処理
    を用いて速い変速の要求度合を算出する加速要求度合算
    出手段と、 前記無段変速機のトルク比の目標値の変化速度及び前記
    無段変速機のトルク比の目標値と実際値との偏差からフ
    ァジィ推論処理を用いて遅い変速の要求度合を算出する
    変速滑らかさ要求度合算出手段と、 前記加速要求度合算出手段により算出された速い変速の
    要求度合及び前記変速滑らかさ要求度合算出手段により
    算出された遅い変速の要求度合から、ファジィ推論処理
    を用いて、前記無段変速機のトルク比の変速速度を算出
    する変速速度算出手段と、 を有することを特徴とする無段変速機の制御装置。
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