JP2897272B2 - 電子部品封止用硬化型樹脂組成物 - Google Patents

電子部品封止用硬化型樹脂組成物

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JP2897272B2
JP2897272B2 JP21971289A JP21971289A JP2897272B2 JP 2897272 B2 JP2897272 B2 JP 2897272B2 JP 21971289 A JP21971289 A JP 21971289A JP 21971289 A JP21971289 A JP 21971289A JP 2897272 B2 JP2897272 B2 JP 2897272B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は電子部品封止用硬化型樹脂組成物に関するも
のである。さらに詳しくは、紫外線などの活性光線によ
り一次硬化する反応と、次いで加熱により完全硬化する
反応とを併用することにより、耐熱衝撃性、耐湿性、電
気絶縁性などの諸性能に優れた電子部品封止用硬化型樹
脂組成物に関するものである。
(従来の技術) 近年、電子産業にめまぐるしい発展により、OA機器、
自動車用途等の電子部品の需要が急増し、その信頼性が
要求されている。それに伴い、電子部品用封止剤の高性
能化が要望されている。
従来電子部品用封止剤としてエポキシ、或いはエポキ
シフェノール等の熱硬化型樹脂が使用されてきた。しか
し、これら熱硬化型樹脂は、硬化時の溶剤の揮発に伴う
ピンホールの発生による耐湿性の低下、熱衝撃にもろい
等において高信頼性という要求を、十分満足するもので
はない。さらに、硬化時間が長いため、生産性の低下に
伴うコストの上昇、また、溶剤を使用するための非衛生
的であるという欠点を有している。
一方、近年、無溶剤と速硬化性に優れる紫外線硬化型
樹脂の開発が進められてきた。
(発明が解決しようとする課題) この紫外線硬化型樹脂は、速硬化性、接着性、電気絶
縁性、耐溶剤性などの諸性能に優れるものであるが、耐
熱衝撃性、耐プレッシャー・クッカー・テスト性が十分
ではなく、信頼性の面で実用化されていないのが現状で
ある。
(課題を解決するための手段) そこで、本発明者らは、耐熱衝撃性、耐プレッシャー
・クッカー・テスト性に優れ、併せて接着性、電気絶縁
性、耐溶剤性などの諸性能を保持した硬化型樹脂組成物
を得るべく鋭意研究を重ねた結果、ホモポリマーのガラ
ス転移温度がー40℃以下である光重合性化合物を、少な
くとも一成分として配合することにより、耐熱衝撃性、
耐プレッシャー・クラッカー・テスト性に優れた、硬化
型樹脂組成物が得られることを見出し、本発明に到達し
た。
すなわち、本発明は、分子内に少なくとも2個のエポ
キシ基を有する化合物(A)、分子内にカルボキシル基
を有する光重合性化合物(B)、他の光重合性化合物
(C)、光重合開始剤(D)および、潜在性エポキシ硬
化剤(E)からなり、前記光重合性化合物(C)の少な
くとも一成分は、そのホモポリマーのガラス転移温度が
−40℃以下であることを特徴とする、電子部品封止用硬
化型樹脂組成物である。
本発明で使用する少なくとも2個のエポキシ基を有す
るエポキシ化合物(A)とは、1分子中にエポキシ基を
2個以上有するエポキシ化合物であり、そのエポキシ当
量は100〜4000、好ましくは100〜1000である。
代表的な化合物としては、ビスフェノールA、ビスア
フェノールF、ハロゲン化ビスフェノールAなどのジグ
リシジルエーテルであるビスフェノール型エポキシ樹脂
や、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなど
のポリグリシジルエーテルであるノボラック型エポキシ
樹脂を代表とする2価以上の、多価フェノール類のポリ
グリシジルエーテル類、エチレングリコール、プロピレ
ングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブタン
ジオール、1,6−ヘキサンジオール、トリメチロールプ
ロパンなどの2価以上の多価アルコール類のポリグリシ
エーテル類などがある。これらのエポキシ化合物は単独
にまたは2種以上併用して使用することができる。
また、アリルグリシジルエーテル、フェニルグリシジ
ルエーテルなどの分子内に、エポキシ基を1個有するエ
ポキシ化合物を併用して使用することもできる。
これらの、少なくとも2個のエポキシ基を有するエポ
キシ化合物の中で好ましいエポキシ化合物として、ビス
フェノールA型エポキシ化合物、フェノールノボラック
型ポリエポキシ化合物、クレゾールノボラック型ポリエ
ポキシ化合物などがあげられる。
本発明で使用するカルボキシル基を有する、光重合性
化合物(B)としては、例えば、(I)アクリル酸、メ
タクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマル酸などの
不飽和カルボン酸系化合物類や、(II)次の一般式
(I)で表わされる化合物がある。
(式中、R1は水素又はメチル基を示し、R2およびR3
各々脂肪族、芳香族、脂環族の残基を示し、Aはエステ
ル結合を表わし、mおよびnは各々1〜3の正の整数を
示す。) 一般式(I)において、R2は炭素原子数2〜10である
2〜4価の炭化水素基、またはヒドロキシル基含有炭化
水素基であることがこのましく、R3は炭素原子数2〜10
である2〜4価の脂肪族多塩基酸残基、炭素原子数6〜
15である2〜4価の芳香族多塩基酸残基または、炭素原
子数6〜10である2〜4価の脂環族多塩基酸残基である
ことが好ましい。
一般式(I)で表わされる化合物としては、例えば、
次のような化合物がある。
m=1、n=1の化合物としては、例えば、コハク酸
モノ(メタ)アクリロイルオキシエチルエステル(アク
リロイルオキシエチルエステルおよびメタクリロイルオ
キシエチルエステルを示す。以下同様に略記する。)、
フタル酸モノ(メタ)アクリロイルオキシエチルエステ
ル、マレイン酸モノ(メタ)アクリロイルオキシエチル
エステル、テトラハイドロフタル酸モノ(メタ)アクリ
ロイルオキシエチルエステル、ヘキサハイドロフタル酸
モノ(メタ)アクリロイルオキシエチルエステル、エン
ド−ビシクロ(2・2・1)−5−ヘプテン−2,3−ジ
カルボン酸モノ(メタ)アクリロイルオキシエチルエス
テル、テトラハイドロフタル酸モノ−2−(メタ)アク
リロイルオキシ−1−(フェノキシメチル)エチルエス
テル、フタル酸モノ−2−ヒドロキシ−3−(メタ)ア
クリロイルオキシプロピルエステル、コハク酸モノ−2
−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシプロピ
ルエステルなどがある。
m=1、n=2の化合物としては、例えば、トリメリ
ット酸モノ−2−(メタ)アクリロイルオキシエチルエ
ステルなどがある。m=1、n=3の化合物としては、
例えば、ピロメリット酸モノ−2−(メタ)アクリロイ
ルオキシエチルエステルなどがある。
m=2、n=1の化合物としては、例えば、フタル酸
モノ−〔2,3−ビス(メタ)アクリロイルオキシイソプ
ロピル〕エステル、メチルテトラハイドロフタル酸モノ
−〔2,3−ビス(メタ)アクリロイルオキシイソプロピ
ル〕エステル、コハク酸モノ−〔2,3−ビス(メタ)ア
クリロイルオキシイソプロピル〕エステルなどがある。
m=2、n=2の化合物としては、例えば、トリメリ
ット酸モノ−〔4、5−ビス(メタ)アクリロイルオキ
シネオペンチル〕エステル、トリメリット酸モノ−〔3,
4−ビス(メタ)アクリロイルオキシイソブチル〕エス
テルなどがある。
m=3、n=2の化合物としては、例えば、トリメリ
ット酸モノ−〔3,4,5−トリス(メタ)アクリロイルオ
キシネオペンチル〕エステルなどがある。
m=3、n=3の化合物としては、例えば、ピロメリ
ット酸モノ−〔3,4,5−トリス(メタ)アクリロイルオ
キシネオベンチル〕エステルなどがある。
カルボキシル基を有する光重合性化合物(B)として
は、前述の化合物の中で、特に(II)のものが好まし
い。これらのカルボキシル基を有する光重合性化合物
(B)は、単独にまたは、2種以上併用して後記する他
の光重合性化合物(C)の1種または、2種以上と併用
して使用される。
本発明で使用するカルボキシル基を有する光重合性化
合物(B)と、他の光重合性化合物(C)とからなる光
重合性化合物中に占める分子内に1個以上のカルボキシ
ル基を含有する光重合性化合物(B)の配合量は10〜90
重量%である。その配合量が10重量%未満の場合は、得
られる樹脂組成物の硬化性が著しく劣る。
本発明で使用する光重合性化合物(C)とは、分子内
に1個以上の光重合性二重結合を有する光重可能な化合
物である。
分子内に1個の光重合性二重結合を有する光重合可能
な化合物としては、例えば、(I)メチル(メタ)アク
リレート、エチル(メタ)アクリレート、n−および1
−プロピル(メタ)アクリレート、n−,sec−およびt
−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル
(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート
などのアルキル(メタ)アクリレート類、2−ヒドロキ
シエチル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシアルキ
ル(メタ)アクリレート類、あるいはポリエチレングリ
コールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリ
コールモノ(メタ)アクリレートなどの、ポリオキシア
ルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート類、テト
ラヒドロフルフリル(メタ)アクリレートなどの複素環
含有(メタ)アクリレート類、ジメチルアミノエチル
(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)
アクリレートなどのアミノアルキル(メタ)アクリレー
ト類、イソボルニル(メタ)アクリレートなどの脂環含
有(メタ)アクリレート類、フェノキシエチルアクリレ
アート、トリロキシエチルアクリレート、(II)ビスフ
ェノールAのエチレンオキシドおよびプロピレンオキシ
ド付加物などのビスフェノールAのアルキレンオキシド
付加物のモノ(メタ)アクリレート類、(III)ジイソ
シアネート化合物と1個以上のアルコール性水酸基含有
化合物を予め反応させて得られる末端イソシアネアート
基含有化合物に、さらにアルコール性水酸基含有(メ
タ)アクリレート類を反応させて得られる分子内に1個
の(メタ)アクリロイルオキシ基を有するウレタン変性
モノ(メタ)アクリレート類、(IIII)分子内に1個以
上のエポキシ基を有する化合物にアクリル酸または、メ
タクリル酸を反応させて得られるエポキシモノ(メタ)
アクリレート類、および(V)カルボン酸成分として、
アクリル酸またはメタクリル酸および、多価カルボン酸
とアルコール成分として、2個以上の多価アルコールと
を反応させて得られるオリゴエステルモノ(メタ)アク
リレート類などがある。
分子内に2個の光重合性二重結合を有する、光重合可
能な化合物としては、例えば、(I)エチレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ
(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メ
タ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)
アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アク
リレートなどのアルキレングリコールジ(メタ)アクリ
レート類、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリ
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロ
ピレングリコールジ(メタ)アクリレートなどの、ポリ
オキシアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート
類、(II)ビスフェノールAのエチレンオキシドおよ
び、プロピレンオキシド付加物などのビスフェノールA
のアルキレンオキシド付加物のジ(メタ)アクリレート
類、(III)ジイソシアネート化合物と2個以上のアル
コール性水酸基含有化合物を予め反応させて得られる末
端イソシアネート基含有化合物に、さらにアルコール性
水酸基含有(メタ)アクリレート類を反応させて、得ら
れる分子内に2個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有
する、ウレタン変性ジ(メタ)アクリレート類、(III
I)分子内に2個以上のエポキシ基を有する化合物にア
クリル酸または/およびメタクリル酸を反応させて得ら
れるエポキシジ(メタ)アクリレート類、(V)カルボ
ン酸成分としてアクリル酸またはメタクリル酸および多
価カルボン酸とアルコール成分として2価以上の多価ア
ルコールとを反応させて得られる、オリゴエステルジ
(メタ)アクリレート類などがある。
分子内に3個以上の光重合性二重結合を有する光重合
可能な化合物としては、例えば、(I)トリメチロール
プロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエ
タントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリストールテ
トラ(メタ)アクリレートなどの3価以上の脂肪族多価
アルコールのポリ(メタ)アクリレート類、(II)ジイ
ソシアネート化合物と3個以上のアルコール性水酸基含
有化合物を予め反応させて得られる末端イソシアネート
基含有化合物に、さらにアルコール性水酸基含有(メ
タ)アクリレートを反応させて得られる分子内に3個以
上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する、ウレタン
変性ポリ(メタ)アクリレート類、(III)分子内に3
個以上のエポキシ基を有する化合物に、アクリル酸また
は/およびメタクリル酸を反応させて得られる、エポキ
シポリ(メタ)アクリレート類などがある。
本発明では、耐熱衝撃性、耐プレッシャー・クッカー
・テスト性に優れた硬化型樹脂組成物を得るため、該光
重合性化合物(C)の少なくとも一成分は、そのホモポ
リマーのガラス転移温度が−40℃以下であることが必須
である。ホモポリマーのガラス転移温度が、−40℃以下
の光重合性化合物としては、例えば、n−プロピルアク
リレート、n−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシ
ルアクリレート、n−オクチルアクリレート、n−デシ
ルメタアクリレート、n−ドテシルメタアクリレート、
n−オクタデシルメタアクリレート、2−メトキシエチ
ルアクリレート、3−メトキシプロピルアクリレート、
3−メトキシブチルアクリレート、2−エトキシメチル
アクリレート、3−エトキシプロピルアクリレート、ジ
エチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテルモ
ノアクリレート、6−シアノ3−チアヘキシルアクリレ
ート、3−チアブチルアクリレート、4−チアヘキシル
アクリレート、3−チアペンチルアクリレートなどがあ
る。
光重合性化合物(C)においての、ホモポリマーのガ
ラス転移温度が−40℃以下である光重合性化合物の配合
量は、光重合性化合物(C)の総量に対して、5〜100
重量%であり、好ましくは10〜100重量%である。その
配合量が5重量%未満の場合は、耐衝撃性、耐プレッシ
ャー・クッカー・テスト性に優れた、硬化物が得がた
い。
本発明で使用するエポキシ化合物(A)と、前記した
カルボキシル基を有する光重合性化合物(B)と、他の
光重合性化合物(C)との混合物との配合比は、エポキ
シ化合物(A):光重合性化合物〔(B)+(C)〕=
10:90〜90:10(重量比)の範囲であり、好ましくは、エ
ポキシ化合物(A):光重合性化合物〔(B)+
(C)〕=20:80〜80:20(重量比)の範囲である。
エポキシ化合物(A)の配合量が10重量%未満では、
前記したカルボキシル基を有する光重合性化合物(B)
とエポキシ化合物(A)との反応が実質的に少なすぎ、
接着性、耐熱性などに優れた硬化物が得がたい。また、
エポキシ化合物(A)の配合量が90重量%を超える場合
は、硬化型樹脂組成物としての粘度が高くなり、取扱い
性に欠けるとともに、活性光線により硬化反応の利点、
すなわち速硬化性を生かし得ない。
本発明で使用する光重合開始剤(D)としては、例え
ば、ベンジルジメチルケタノールなどのケタケール類、
ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテ
ル、ベンゾイン−1−プロピルエーテル、ベンゾイン、
α−メチルベンゾインなどのベンゾイン類、9,10−アン
トラキノン、1−クロルアントラキノン、2−クロルア
ントラキノン、2−エチルアントラキノンなどのアント
ラキノン類、ベンゾフェノン、p−クロルベンゾフェノ
ン、p−ジメチルアミノベンゾフェノン、3,3′,4,4′
テトラ−(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフ
エノンなどのベンゾフェノン類、2−ヒドロキシ−2−
メチルプロピオフェノン、1−(4−イソプロピルフェ
ニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン
などのプロピオフェノン類、ジベンゾスベロンなどのス
ベロン類、ジフェニルジスルフィド、テトラメチルチウ
ラムジスルフィド、チオキサントンなどの含イオウ化合
物類、メチレンブルー、エオシン、フルオレセインなど
の色素類などがあげられ、単独にまたは2種以上併用し
て使用される。
この重合開始剤の配合量はエポキシ化合物(A)と、
光重合性化合物(B+C)との総量に対して0.05〜20重
量%であり、好ましくは、0.5〜10重量%である。この
重合開始剤の配合量が0.05重量%未満では、紫外線非照
射部の硬化性が低下し、完全硬化した硬化物が得がた
い。また、この重合開始剤の配合量が20重量%を超える
場合は、貯蔵安定性が悪い。
本発明で使用する潜在性エポキシ硬化剤(E)として
は、例えば、分散型硬化剤としてBF3錯体類、イミダゾ
ール誘導体類、ジシアンおよびその誘導体、有機酸ヒド
ラジト類、ジアミノマレオニトリルおよびその誘導体、
メラミンおよびその誘導体、ポリアミド類などがある。
また、熱分解型硬化剤としてアミンイミド、光分解型硬
化剤として芳香族ジアゾニウム塩、ジアリルヨードニウ
ム塩、トリアリルスルホニウム塩、トリアリルセレニウ
ム塩などがある。さらにモレキュラーシーブ封入型硬化
剤、イミダゾールなどを微細な油滴として被膜で包み込
んだマイクロカプセル化硬化剤などがある。
この潜在性エポキシ硬化剤の配合量は、エポキシ化合
物(A)と光重合性化合物(B+C)との総量に対し
て、0.5〜10重量%であり、好ましくは1〜5重量%で
ある。この潜在性エポキシ硬化剤の配合量が0.5重量%
未満では、硬化性が著しく低下し完全硬化した硬化物が
得がたい。また、10重量%を超える場合は、貯蔵安定性
が悪い。
本発明においてはエポキシ基とカルボキシル基との反
応を促進させる必要がある場合は、反応促進剤の添加が
効果的である。反応促進剤としては、例えば、2−メチ
ルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル
−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチル
イミダゾールなどのイミダゾール類、ベンジルメチルア
ミン、トリエタノールアミン、N,N−ジメチルアミノエ
タノール、N,N−ジエチルアミノエタノール、N,N−ジプ
ロピルアミノエタノールなどの第3級アミン類、トリジ
メチルアミノメチルフェノールのトリアセテートおよ
び、トリベンゾエートなどの第3級アミン塩類などがあ
り、単独にまたは2種以上併用して使用される。
本発明においては、これら反応促進剤の添加量はエポ
キシ化合物(A)と光重合性化合物との総量に対して0.
05〜5重量%であり、好ましくは0.1〜3.5重量%であ
る。
本発明に使用する硬化型樹脂組成物は、室温または必
要により加温下で撹拌混合することにより容易に製造さ
れる。製造時の熱重合や貯蔵中の暗反応を防止するため
に、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテ
ル、1−ブチル−カテコール、p−ベンゾキノン、2,5
−t−ブチル−ハイドロキノン、フェノチアジンなどの
公知の熱重合防止剤を添加するのが望ましい。その添加
量は本発明に使用する光重合性化合物に対し、0.001〜
0.1重量%であり、好ましくは、0.001〜0.05重量%であ
る。
本発明に使用する硬化型樹脂組成物には、上記添加剤
の他に、公知の着色剤、表面平滑剤、消泡剤、充填剤、
分散剤、カップリング剤、難燃剤などの各種添加剤を必
要に応じて添加することができる。
本発明の硬化型樹脂組成物の硬化方法は、まず活性光
線の照射により、カルボキシル基を有する光重合性化合
物(B)あるいは(B)と、他の光重合性化合物(C)
との混合物を重合させ、カルボキシル基含有重合物と
し、次いで加勢によりエポキシ化合物(A)と上記重合
物に含有されるカルボキシル基とを反応させて完全硬化
させる2段階から成る。
本発明の前記硬化型樹脂組成物を用いた電子部品封止
方法としては、ディッピング法、ディスペンサーによる
ポッティング法、ドリッピング法などの一般的な封止方
法がある。
光重合反応条件としては特に制限はないが、積算光量
100mJ/m2〜5000mJ/m2が好ましい。また、熱硬化反応条
件としては、温度80〜250℃において、1〜300分が好ま
しい。
本発明の硬化型樹脂組成物は、紫外線、電子線などの活
性光線を照射して重合反応を誘起させる。紫外線照射に
用いる光源としては、太陽光線、ケミカルランプ、低圧
水銀灯、高圧水銀灯、カーボンアーク灯、キセノンラン
プ、メタルハライドランプなどが使用される。電子線を
照射する場合には、必ずしも光開始剤は必要としない。
加熱に用いられる熱源としては、例えば、赤外線ヒー
ター、熱風加熱、高周波加熱などの公知の加熱方法が使
用される。また、紫外線照射に用いる光源が発する熱を
利用することもできる。
(実施例) 以下、本発明を具体的に説明するために実施例を挙げ
るが、本発明はそれらの実施例に何ら限定されるもので
はない。
実施例中、部および%とあるのは各々重量部および重
量%を示す。硬化型樹脂組成物の樹脂特性およびその硬
化物の性能は次の方法により測定した。
1)粘度:JIS K6901に準じてブルックフェールド型粘
度計を用いて、25℃で測定した。
2)揺変度:JIS K6901に準じてブルックフェールド型
粘度計を用いて、25℃2r.p.mで測定した粘度と20r.p.m
で測定した粘度の比の値を算出した。
3)硬度:鉛筆硬度を測定した。
4)耐熱衝撃性:ハイブリッドICをディップコートした
テストピースを用い、−55℃,30分〜125℃、30分のヒー
トサイクルを300回繰り返した後、外観変化の有無を目
視観察した。さらに、ハイブリッドIC基板に印刷された
銀・パラジウム導体の線間(1mm)の絶縁抵抗値を500
V、1分間の電圧を印加後、測定した。
5)耐プレッシャー・クッカー・テスト性:121℃、2at
m、100%RH環境下に300時間放置したテストピースの外
観、目視視察および、同テストピースを室温で2時間放
置した後の絶縁抵抗値を測定した。
実施例1 ビスフェノールA型エポキシ化合物であるエピコート
5050(油化シェルエポキシ(株)製)100部、2−アク
リロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸50部、トリ
ロキシエチルアクリレート104部、ホモポリマーのガラ
ス転移温度が−65℃であるジエチレングリコールモノ2
−エチルヘキシルエーテルモノアクリレート34部を撹拌
容器に仕込み、80℃で混合撹拌し、透明な樹脂組成物
(1)を得た。この樹脂組成物(1)100部に対し、光
重合開始剤として、3,3′,4,4′−テトラ(t−ブチル
パーオキシカルボニル)ベンゾフェノン1部、ベンジル
ジメチルケタール1部、潜在性エポキシ硬化剤として、
2−メチルイミダゾールのマイクロカプセル化硬化剤2
部、各種添加剤としてシランカップリング剤1部、シラ
ン系消泡剤0.1部、着色剤0.2部および分散剤0.5部を配
合し、樹脂組成物(2)を得た。この樹脂組成物(2)
100部に対し、充填剤としてタルク32部および難燃剤と
してSb2O31.5部を配合し、分散して硬化型樹脂組成物
(a)を得た。次いで、ハイブリッドICを硬化型樹脂組
成物(a)でディップコートした後、2000mJ/m2の紫外
線を照射し、次いで150℃で30分間加熱して硬化した封
止ハイブリッドICを得た。得られた硬化型樹脂組成物の
樹脂特性およびその硬化物の特性を第1表に示した。次
に、得られた封止ハイブリッドICの耐熱衝撃性および耐
プレッシャー・クッカー・テスト性を測定した。
実施例2、3 実施例2では、実施例1の硬化型樹脂組成物(a)の
他の光重合性化合物(C)を、ジエチレングリコールモ
ノ2−エチルヘキシルエーテルモノアクリレート136部
のみに変更した硬化型樹脂組成物(b)を実施例3では
実施例1の硬化型樹脂組成物(a)の光重合性化合物
(C)の一成分であるトリロキシエチルアクリレートを
テトラヒドロキシフルフリルアクリレート78部に変更し
た硬化型樹脂組成物(C)を得た。次いで実施例1と同
様にしてハイブリッドICを硬化型樹脂組成物(b)
(c)で、各々ディップコートした後、2000mJ/m2の紫
外線を照射し、次いで150℃で30分間加熱して硬化さ
せ、封止ハイブリッドICを得た。それぞれの樹脂特性お
よび硬化物の特性を第2表に示した。次に得られた封止
ハイブリッドICの耐熱衝撃性および耐プレッシャー・ク
ッカー・テスト性を測定した。
比較例1、2、3 比較例1では実施例1の硬化型樹脂組成物(a)から
光重合性化合物(c)の一成分であるホモポリマーのガ
ラス転移温度が−65℃であるジエチレングリコールモノ
2−エチルヘキシルエーテルモノアクリレートを除いた
硬化型樹脂組成物(d)を、比較例2、3では実施例1
の硬化型樹脂組成物(a)の光重合性化合物(c)の一
成分であるホモポリマーのガラス転移温度が−65℃であ
るジエチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテ
ルモノアクリレートを、それぞれホモポリマーのガラス
転移温度が94℃、215℃である、イソボニルアクリレー
ト26部、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレー
ト67部に変更した硬化型樹脂組成物(e)(f)を得
た。次いで実施例1と同様にしてハイブリッドICを硬化
型樹脂組成物(d)(e)(f)で、各々ディップコー
トした後、2000mJ/m2の紫外線を照射し、次いで150℃で
30分間硬化させ、封止ハイブリッドICを得た。それぞれ
の硬化型樹脂組の樹脂特性および硬化物の特性を第3表
に示した。次に得られた封止ハイブリッドICの耐熱衝撃
性、耐プレッシャー・クッカー・テスト性を測定した。
実施例1、2、3および比較例1、2、3の測定結果
を比較評価すると、本発明硬化型樹脂組成物である光重
合性化合物の一成分に、ホモポリマーのガラス転移温度
が、−40度以下である光重合成化合物を配合した実施例
1、2、3は、ホモポリマーのガラス転移温度が−40℃
以下である、光重合成化合物を成分に含まない比較例
1、2、3と比較して耐熱衝撃性、耐プレッシャー・ク
ッカー・テスト性が非常に優れる、それぞれの基本樹脂
組成表および、耐熱衝撃性、耐プレッシャー・クッカー
・テスト性の測定結果を第4表、第5表に示した。
(発明の効果) 本発明の特に優れた効果としては、次の点が挙げられ
る。
(1) 本発明の樹脂組成物は、ホモポリマーのガラス
転移温度が−40℃以下である光重合性化合物を配合する
ことにより耐熱衝撃性、耐プレッシャー・クッカー・テ
スト性に非常に優れ、併せて各種プラスチック、セラミ
ック、ガラス金属に対する接着性にも優れている。
(2) 本発明の樹脂組成物は加熱により硬化を行な
い、紫外線などの活性光線が照射されにくい肉厚部分や
遮光された部分であっても、樹脂の完全硬化物を得るこ
とができ、併せて、紫外線硬化型樹脂の特長である速硬
化性を有している。
(3) 本発明の樹脂組成物は、多量の充てん剤が配合
される場合や肉厚部であっても、紫外線照射により極く
短時間のうちに樹脂の流動性が失われるため、直ちに次
工程へ移すことができ、従来の熱硬化型樹脂あるいは紫
外線・熱硬化併用型樹脂と比較して、大巾な生産性向上
が可能である。
(4) エポキシ化合物(A)と光重合性化合物
((B)と(C))とは相溶性が良好であり、樹脂組成
物の粘度は自由に調整できる。
本発明の硬化型樹脂組成物は、このような長所を生か
して、IC、LSI、ダイオード、サイリスタ、ハイブリッ
ドIC、抵抗器、コンデンサー、発光ダイオード、液晶表
示素子、光センサー、圧力センサー、温度センサーなど
の電子部品、光電子部品の封止・被覆用途に使用され
る。また、塗料用途、インキ用途、接着用途などの分野
にも使用可能である。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08G 59/40 - 59/66 H01L 23/29

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】分子内に少なくとも2個のエポキシ基を有
    する化合物(A)、分子内にカルボキシル基を有する光
    重合性化合物(B)、他の光重合性化合物(C)、光重
    合開始剤(D)及び、潜在性エポキシ樹脂硬化剤(E)
    からなり、前記光重合性化合物(C)の少なくとも一成
    分は、そのホモポリマーのガラス転移温度が、−40℃以
    下であることを特徴とする電子部品封止用硬化型樹脂組
    成物。
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