JP2896786B2 - 磁性トナー - Google Patents

磁性トナー

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JP2896786B2 JP1095156A JP9515689A JP2896786B2 JP 2896786 B2 JP2896786 B2 JP 2896786B2 JP 1095156 A JP1095156 A JP 1095156A JP 9515689 A JP9515689 A JP 9515689A JP 2896786 B2 JP2896786 B2 JP 2896786B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はトナーを用いて得られた未定着トナー画像を
担持した担持体を加熱・加圧することにより該担持体上
に定着画像を得る定着方法に用いる磁性トナーに関す
る。
[従来の技術] 従来、熱定着法に用いられる定着装置は、所定の温度
に維持された加熱ローラと、弾性層を有して該加熱ロー
ラに圧接する加圧ローラとによって、未定着のトナー画
像が形成された転写材を挟持搬送しつつ加熱するローラ
定着方式が多用されている。
この種の装置にあっては、転写材上の未定着トナー
が、該トナーを加熱してこれを転写材に融着せしめるべ
き定着ローラ側に付着し、これが次の転写材に転写され
てしまう、いわゆるオフセット現象という問題がある。
オフセットを防止する手段として、トナーに架橋成分
を存在させることが一般的に行なわれるが、この方法で
は、耐オフセット性は付与されるが、架橋成分の存在に
より樹脂の脆性が増し、粉砕性の低下や定着画像の折曲
げ強度の低下につながる。
かかる問題を解決する方法として、U.S.P.3,578,797
号に開示されているように、トナー像を加熱体でその融
点まで加熱、溶融し、そのトナーを冷却して比較的高い
粘性状態とし、トナーの付着する傾向を弱めた状態で加
熱ウェブから剥離することによって、オフセットを生ぜ
ずに定着する方法が知られている。U.S.P.3,578,797号
ではこれに加えて、加熱体に対してトナー像及び転写材
を加圧圧接することなしに加熱する方式をとっているの
で、転写材を加熱する必要がなく、他の方法に比べては
るかに少ないエネルギーでトナーを溶融できるとしてい
る。しかしながら、公知の如く、加圧圧接することなく
加熱体に接触した場合には、熱伝達効率が低下し、トナ
ーの加熱溶融に比較的長時間を要する。それに対し、特
公昭51−29825号公報では、公知の加圧・圧接技術を付
加して熱伝達効率の向上を図り、トナーの加熱溶融を短
時間でしかも充分に行なうことが提案されている。この
方法によれば、加圧・圧接を行なっているのでトナーを
充分加熱・溶融することが可能となる。しかし、加熱・
溶融時に加圧されているので、加熱体とトナー間の接着
力は強くなり、冷却後においてもその剥離性が問題とな
る。該公報においては、加熱体に表面エネルギーの低い
テフロン(商品名,ポリ4フッ化エチレン等のフッ素樹
脂)を用い、接着力の低下を図り剥離性を付与してい
る。加熱体としてテフロンシートを使用する場合、テフ
ロンが高価である為に繰り返し使用が現実的である。し
かし、加熱・冷却サイクルを短時間の内で繰り返し、且
つ、絶えず適当な張力を必要とするため、このような定
着装置に用いるには、テフロンは引張強度が充分ではな
く、耐久性に欠けている。
即ち、特公昭51−29825号公報に開示されたような定
着器を実用化する為には、表面エネルギーが低く、且
つ、機械的強度・熱的強度に優れた材料を加熱体として
用いるか、逆に、加熱体の材質を選ばず、トナー中に離
型性を有する材料を含んだトナーを用いることが必要と
なる。
離型性物質を含有したトナーとしては、粉砕法トナー
において、ポリエチレンワックス、ポリオレフィンワッ
クスの添加が公知である。
しかしながら十分な離型性を与える量のポリエチレン
ワックス、ポリオレフィンワックスを添加した場合、樹
脂との溶融粘度の違いから混練がむずかしく、かりに混
練できたとしてもその樹脂全体に可撓性が付与されるた
めに粉砕性に劣るものとなるなどの欠点を有している。
このため該熱定着法に適した粉砕トナーは見い出されて
いなかった。
[発明が解決しようとする課題] 本発明の目的は該熱定着方法に適し、定着性に優れ、
オフセットの起こらない磁性トナーを提供することにあ
る。
本発明の目的は定着紙上、耐おりまげ性に優れた画像
の得られる磁性重合トナーを提供することにある。
[課題を解決するための手段及び作用] 本発明の磁性トナーの特徴は、磁性体を含有した重合
性単量体系を水系媒体中に懸濁重合することにより得ら
れる磁性トナーであって、磁性トナーのTHF可溶分のゲ
ルパーミェーションクロマトグラフィー(GPC)による
分子量分布において、分子量2,000以下の領域にピークM
p2及び分子量10,000以上の領域にピークMp1を有し、重
量平均分子量(Mw)が10,000〜80,000、数平均分子量
(Mn)が1,500〜8,000、Mw/Mnが3以上であり、ゲル分
の含有量が0〜5重量%であることである。
本発明の磁性トナーは熱定着法に用いるトナーであ
り、かかる定着方法を第1図に基づいて説明する。
第1図において、1は加熱ローラでヒータ2を内蔵し
ている。該加熱ローラ1は金属等の芯材上にフッ素系ゴ
ム、シリコンゴム等より成る弾性層を有しており、その
表面温度は140℃〜200℃の間の設定温度に保たれる。
一方3は加圧ローラで、加熱ローラ1と同様に金属等
の芯材上にフッ素系ゴム、シリコンゴム等より成る弾性
層を有し、これら加熱・加圧ローラ1,3は同一周速にて
不図示の駆動源により駆動されている。
これら加熱・加圧ローラ1,3は耐熱シート4を介して
圧接している。該耐熱シート4は矢印A方向へ回転する
送り出し軸5に巻かれており、さらに加熱・加圧ローラ
1,3間を通過後、曲率の大きな分離ローラ6を介してシ
ート巻き取り軸7に巻きとられる。該耐熱シート4は耐
熱性を有する、ポリイミド又はポリエステルもしくはポ
リアミドより成り、例えば約9μm厚の耐熱処理を施し
たポリエステルが用いられる。又、該耐熱シート4の移
動速度は加熱・加圧ローラ1,3の周速と同一に設定され
る。かかる本実施例装置にあっては、転写紙8(転写
材)上の加熱溶融性のトナーより成るトナー画像は先
ず、耐熱シート4を介して加熱・加圧ローラ1,3により
加熱され、軟化溶融する。しかる後、分離ローラ6に達
する間に、放熱板9及び放熱板を兼ねたガイド板10の間
を通過し、強制的に冷却・固化される。その後、曲率の
大きな分離ローラ6を通過した後に、耐熱シート4は転
写紙8から剥離される。
上述の熱定着方法に適した磁性トナーに関して、本発
明者らは、次のような知見を得て本発明を完成するに至
った。
先にも述べたが、粉砕法にて得られる磁性トナーにお
いては、離型性物質を添加した場合、該離型性物質はト
ナー内部のみならず表面にも存在する。本定着方法に粉
砕法トナーを適用する場合、耐熱シートと定着画像間で
充分な離型性を付与する為に、トナーに溶融粘度の低い
低分子量物質を適当量添加することが必要である。しか
し、粉砕法トナーである為、該低分子量物質もトナー表
面に存在する為、ブロッキング性が問題となり、該低分
子量物質を用いて、離型性と耐ブロッキング性を両立す
ることは困難であった。一方、ブロッキング性に於いて
問題のない中分子量成分を添加する場合、充分な離型性
を付与する為には、多量に添加する必要がある。しか
し、この方法では、融点の高い物質を多量に添加する必
要もあり、定着エネルギーの増大、即ち、定着温度の高
温化、定着スピードの低速化を余儀なくされる。又、透
明担持体上の定着画像の透明性も低下し、中分子量成分
の添加も好ましい方法ではない。即ち、本発明における
定着方法に適した磁性トナーとしては、離型性付与に優
れた低分子量成分を含有し、且つ、耐ブロッキング性、
透明性を満足することが必要である。
本発明者らは鋭意検討の結果、水系媒体中で重合性単
量体系を懸濁重合することにより得られる重合トナーに
着目した。
前述の熱定着方法によれば、耐熱シートと定着画像の
剥離が、該定着画像が冷却・固化した後に行なわれるた
め、高温オフセットという現象は発生し得ない。従って
従来の加熱・加圧ローラ定着方法用トナーが、高温での
耐オフセット性、離型性と耐ブロッキング性に留意して
樹脂の分子量設計を行なっていたのに対し、本発明では
室温での離型性と耐ブロッキング性に留意すれば良い。
即ち、従来公知の重合法トナーにおいては、ワックス
等離型性物質を添加する一方で、耐熱性付与の目的でゲ
ル分の存在や高分子量化といった手段により高温オフセ
ットを防止していたが本発明のトナーはこの高温オフセ
ットを考慮する必要がないのである。
本発明の磁性トナーはTHF可溶分のゲルパーミェーシ
ョンクロマトグラフィー(GPC)による分子量分布にお
いて、分子量2,000以下好ましくは200以上、より好まし
くは500以上及び10,000以上好ましくは200,000以下、よ
り好ましくは100,000以下にそれぞれピークを有してい
る。
又、Mwは10,000〜80,000、Mnは1,500〜8,000、Mw/Mn
が3以上である。
本発明の磁性トナーの分子量測定方法を以下に示す。
1)サンプル調製 i)標準試料 標準試料として、次に示した市販の標準ポリスチレン
を用いる。
分子量 メーカー 8.42×106 T*1 2.7 ×106 W*2 1.2 ×106 W 7.75×105 T 4.7 ×105 W 2.0 ×105 W 3.5 ×104 W 1.5 ×104 W 1.02×104 T 3.6 ×103 W 2.35×103 W 5.0 ×102 T *1 東ソー(株) *2 ウォーターズ(Waters)社 これら12の標準ポリスチレンを次のように3グループ
に分ける。
8.42×106,7.75×105,3.5×104,3.6×103 2.7×106,4.7×105,1.5×104,2.35×103 1.2×106,2.0×105,1.02×104,5.0×10 30mlサンプルビンにグループ内の4試料を約3mg(ミ
クロスパーテルに1杯)ずつ取り、15mlのTHFを加え、
室温に4hrs放置する。(この間30分毎に1分間ははげし
く振る)次いで、メンブランフィルター(再生セルロー
ス,0.45μ:東洋紙製)を用いて過し、標準試料と
する。
ii)未知試料 試料60mgをサンプルビンに秤量し、さらにTHF15mlを
加える。抽出条件は初期3hrsは30分毎に振とうしなが
ら、室温に24hrs放置する。さらに15分間超音波をか
け、抽出を充分に行なう。不溶分を遠心分離(5000rpm/
20min)により沈降させた後、その上澄液について、メ
ンブランフィルター(再生セルロース,0.45μm:東洋
紙製)を用いて過し、サンプルとする。
2.GPC 装置としてウォーターズ、社150C ALC/GPCを用い、以
下の条件下で測定した。
i)溶媒 THF(キシダ化学製 特級) ii)カラム ショーデックスA−802,A803,A−804,A−8
05の4連結(昭和電工製) iii)温度 28℃ iv)流速 1.0ml/min v)注入量 0.5ml vi)検出器 RI 3.GPCデータ処理法 i)検量線 ・標準試料のクロマトグラムをとりピーク時の保持時間
を読む。ピークが分かれている時はメインピークの時間
とする。
・標準試料の分子量とピークの保持時間より検量線を引
く。
ii)未知試料 ・未知試料のクロマトグラムをとりその保持時間から検
量線を用いて分子量を算出する。
本発明の磁性トナーにおいて、分子量2,000以下にピ
ークを与える材料としては、非極性物質で且つ離型性を
有していることか好ましく、例えばパラフィンワックス
が挙げられる。パラフィンワックスは、内包化されては
いるものの、その融点が環境温度より低い場合は、液化
し表層部にしみ出してブロッキングの原因となる。これ
より、パラフィンワックスの融点は55℃以上であること
が好ましい。又、パラフィンワックス量はモノマー100
重量部に対し、5重量部より少ないと充分な離型性をト
ナーに付与できず、又、50重量部をこえると、パラフィ
ンワックスを充分に内包化しにくくなり、ブロッキング
の原因となる。
本発明におけるゲル分とは、磁性トナー成分のうち磁
性体及び帯電制御剤を除いたトルエン不溶成分を意味
し、以下に記す測定法による測定値が、0〜5重量%よ
り好ましくは0〜3重量%であることが好ましい。
試料として磁性トナー1gを円筒紙(東洋紙、No86
R使用)に精秤する。これを1のトルエンに浸漬し、
沸とう状態で20hr抽出する。抽出後の紙を乾燥後秤量
し、以下の計算式に基づいてゲル分を算出する。
W0:円筒紙重量(g) W1:抽出前の(試料+円筒紙)重量(g) W2:磁性体及び帯電制御剤の重量を除く抽出・乾燥後の
円筒濾紙重量(g) 本発明中のトナーに適用できる重合性単量体として
は、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレ
ン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−
エチルスチレン等のスチレン及びその誘導体;メタクリ
ル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピ
ル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチ
ル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシ
ル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸
ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメ
チルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル
などのメタクリル酸エステル類;アクリル酸メチル、ア
クリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イ
ソブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−オクチ
ル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシ
ル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチ
ル、アクリル酸フェニルなどのアクリル酸エステル類;
アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミ
ドなどのアクリル酸もしくはメタクリル酸誘導体などの
ビニル系単量体がある。
これらのモノマーは単独ないし混合して使用しうる。
上述したモノマーの中でも、スチレン又はスチレン誘導
体を単独で、または他のモノマーと混合して、重合性単
量体として使用することがトナーの現像特性および耐久
性の点で好ましい。
重合開始剤としては、いずれか適当な重合開始剤、例
えば、2,2′−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリ
ル)、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、1,1′−ア
ゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,
2′−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニ
トリル、その他のアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)
の如きアゾ系又はジアゾ系重合開始剤;ベンゾイルパー
オキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、イソ
プロピルパーオキシカーボネート、キュメンハイドロパ
ーオキサイド、2,4−ジクロリルベンゾイルパーオキサ
イド、ラウロイルパーオキサイドの如き過酸化物系重合
開始剤が挙げられる。これら重合開始剤は、一般には、
重合性単量体の重量の約0.5〜5%の開始剤で十分であ
る。
本発明に用い得る磁性粒子としては、磁場の中に置か
れて磁化される物質が用いられ、例えば鉄、コバルト、
ニッケルなどの強磁性金属の粉末、もしくはマグネタイ
ト、ヘマタイト、フェライトなどの合金や化合物の粉末
があげられる。粒径が0.05〜5μm、好ましくは0.1〜
1μmである磁性微粒子が用いられる。この磁性粒子の
含有量はトナー重量に対し、10〜60重量%、好ましくは
25〜50重量%が良い。又、これら磁性微粒子は前述のシ
ランカップリング剤、チタンカップリング剤、等の処理
剤あるいは適当な反応性の樹脂等で処理されていても良
い。この場合磁性微粒子の表面積、表面に存在する水酸
基の密度にもよるが、5%以下の処理量で十分な分散性
が得られ、トナー物性に対しても悪影響を及ぼさない。
又、単量体系の重合時に添加剤として極性基を有する
重合体、共重合体又は環化ゴムを添加して単量体系を重
合することが好ましく、又、これら、重合性単量体系を
該極性重合体と逆荷電性の分散剤を分散せしめた水相中
に懸濁させ重合させることが好ましい。即ち、重合性単
量体系中に含まれるカチオン性又はアニオン性重合体、
共重合体又は環化ゴムは水相中に分散している逆荷電性
のアニオン性又はカチオン性分散剤と重合進行中のトナ
ーとなる粒子表面で静電気的に引き合い、粒子表面を分
散剤が覆うことにより粒子同士の合一を防ぎ安定化せし
めると共に、重合時に添加した極性重合体がトナーとな
る粒子表層部に集まる為、一種の殻のような形態とな
り、得られた粒子は擬似的なカプセルとなる。比較的高
分子量の極性重合体、共重合体または環化ゴムを用い、
トナー粒子にブロッキング性、現像性、耐摩耗性の優れ
た性質を付与する一方で、内部では比較的低分子量で定
着特性向上に寄与する様に重合を行なう事により定着性
とブロッキング性という相反する要求を満足するトナー
を得ることができる。本発明に使用し得る極性重合体
(極性共重合体を包含する)及び逆荷電性分散剤を以下
に例示する。
(i)カチオン性重合体としては、ジメチルアミノエチ
ルメタクリレート、ジエチルアミノエチルアクリレート
等含窒素単量体の重合体もしくはスチレン、不飽和カル
ボン酸エステル等と該含窒素単量体との共重合体があ
る。
(ii)アニオン性重合体としてはアクリロニトリル等の
ニトリル系単量体、塩化ビニル等の含ハロゲン系単量
体、アクリル酸等の不飽和カルボン酸、不飽和二塩基
酸、不飽和二塩基酸の無水物、ニトロ系単量体の重合体
がある。
(iii)アニオン性分散剤としては、アエロジル#200,
#300,#380(日本アエロジル社製)等のコロイダルシ
リカがある。
(iv)カチオン性分散剤としては酸化アルミニウム、ア
ミノアルキル変性コロイダルシリカ等の親水性正帯電性
シリカ微粉末等がある。
このような分散剤は重合性単量体100重量部に対して
0.2〜20重量部が好ましく、更に好ましくは0.3〜15重量
部である。
一方、必要に応じて添加される荷電制御性物質として
は、一般公知のものが用いられる。
例えば、ニグロシン、炭素数2〜16のアルキル基を含
むアジン系染料、モノアゾ染料の金属錯塩、サリチル
酸、ジアルキルサリチル酸の金属錯塩等が用いられる。
本発明中の磁性トナーは以下の方法で得られる。
重合性単量体中にパラフィン系ワックスを重合性単量
体の5〜50重量%含有させ、さらに着色剤、重合開始剤
等の添加剤を加え、超音波分散機、ホモジナイザーなど
によって均一に溶解又は分散せしめ単量体系を懸濁安定
剤を含有する水相(すなわち連続相)中に通常の攪拌機
又はホモミキサー、ホモジナイザー等により分散せしめ
る。好ましくは単量体液滴が所望のトナー粒子のサイ
ズ、一般に30μm以下の大きさを有する様に攪拌速度、
時間を調整しその後は分散安定剤の作用によりほぼその
状態が維持される様、攪拌を粒子の沈降が防止される程
度に行なえば良い。重合温度は40℃以上、一般的には50
〜90℃の温度に設定して重合を行なう。反応終了後、生
成したトナー粒子を洗浄、過により回収し乾燥する。
懸濁重合法においては、通常モノマー100重量部に対し
て水300〜3000重量部を分散媒として使用する。
このようにして得られた重合トナーに対し、流動性改
質剤をトナー粒子と混合(外添)して用いても良い。流
動性改質剤としてはコロイダルシリカ、脂肪酸金属塩、
テフロン微粉末などがある。又、増量の目的で炭酸カル
シウム、微粉末状シリカ等の充填剤を0.5〜20重量%の
範囲でトナー中に配合してもよい。
[実施例] 以下実施例に基づいて詳細に説明する。尚、以下にお
ける部数はすべて重量部である。
実施例1〜3 下記に示す処方にて均一に溶解又は分散させた単量体
組成物を水中に懸濁安定剤を分散させた分散媒系中にて
懸濁重合することにより重合法磁性トナーを得た。
上記シランカップリング剤処理磁性体含有スラリーの
製法を以下に示す。
硫酸第一鉄53Kgを50lの水に溶解し、蒸気で加温して4
0℃以上の液温を維持しながら、鉄濃度2.4モル/lの溶液
を作製し、空気を吹き込みながら、溶液中のFe(II)/F
e(III)の比を50に調整した。SiO2品位28%のケイ酸ソ
ーダ560g(SiO2換算値156.8g)を13lの水に添加し、溶
解してpH調整した後、前記硫酸第二鉄溶液に添加し、ケ
イ酸成分含有の硫酸第一鉄溶液とした。
苛性ソーダ12Kgを50lの水に溶解した溶液を用い、こ
の溶液を上記で得たケイ酸成分含有の硫酸第一鉄溶液
に、機械的に攪拌しながら、徐々に添加して中和を行な
い、水酸化第一鉄スラリー溶液中の残留苛性ソーダが2g
/lとなるよう調整した。液温85℃を維持しながら、この
水酸化第一鉄スラリー溶液に37l/分の量の空気を吹き込
み、5時間30分で反応を終了させた。
次に、このスラリーを濾過洗浄し、乾燥して、ケイ素
元素を有する磁性酸化鉄を得た。得られた磁性酸化鉄中
のケイ素元素の存在率を前述したプラズマ発光分光法に
より測定したところ、ケイ素元素の存在率は、鉄元素を
基準として0.72重量%であった。
上記で得られた磁性粒子のBET比表面積は8.4m2/gであ
った。また、この磁性粒子は、透過型電子顕微鏡による
観察測定から、平均粒径0.25μmで、ほとんど球形粒子
を含まない八面体形状の粒子であった。
の割合で混合し、70℃に加温しながら、超音波分散機
(10KHz,200W)にて30分間分散、処理し、前記シランカ
ップリング剤処理磁性体含有スチレンスラリーを得た。
得られたトナーの物性値を表−2に示した。
これらのトナーをキヤノン製NP−270Zにより現像を行
ない、得られた未定着画像を第1図に示した定着装置を
用い、表−1における定着条件で定着画像を得た。得ら
れた画像は表−2に示す如くベタ部のグロス60%以上の
表面光沢を有し濃度も満足しうるものであった。
比較例 ワックスを添加しない系で実施例と同様の実験を行な
ったが、ポリエステルフィルムを剥離する時、フィルム
にトナーがオフセットし実用に供せるものではなかっ
た。
[発明の効果] 以上説明した様に本発明によるオフセット現象が防止
され鮮明で高画質な複写画像が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のトナーを用いる定着装置の概略図であ
る。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】磁性体を含有した重合性単量体系を水系媒
    体中に懸濁重合することにより得られる磁性トナーであ
    って、磁性トナーのTHF可溶分のゲルパーミェーション
    クロマトグラフィー(GPC)による分子量分布におい
    て、分子量2,000以下の領域にピークMp2及び分子量10,0
    00以上の領域にピークMp1を有し、重量平均分子量(M
    w)が10,000〜80,000、数平均分子量(Mn)が1,500〜8,
    000、Mw/Mnが3以上であり、ゲル分の含有量が0〜5重
    量%であることを特徴とする磁性トナー。
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