JP2895818B2 - 不正開封防止カートン - Google Patents

不正開封防止カートン

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JP2895818B2 JP9077797A JP7779797A JP2895818B2 JP 2895818 B2 JP2895818 B2 JP 2895818B2 JP 9077797 A JP9077797 A JP 9077797A JP 7779797 A JP7779797 A JP 7779797A JP 2895818 B2 JP2895818 B2 JP 2895818B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主に板状のチョコ
レートやキャラメルなどの菓子類を包装するラップラウ
ンド式のカートンにおいて、不正に開封したかどうかを
判別できる不正開封防止カートンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば板状のチョコレートやキャ
ラメルなどの菓子類を包装するための不正開封防止カー
トンには、図7乃至図9で示すようなものがある。この
カートンは、図7の展開されたブランク板で示すよう
に、天面板(41)の一方の長辺側に折線(61)を介
して側面板(42)が連設され、更にその側面板(4
2)に折線(62)を介して底面板(43)が連設され
るとともに、天面板(41)の他方の長辺側に折線(6
3)を介して側面板(44)が連設され、更にその側面
板(44)に折線(64)を介して貼着板(45)が連
設されている。そして、天面板(41)の短辺側にはそ
れぞれ折線(65)(66)を介して側面板(46)
(47)が連設されており、側面板(46)(47)に
はそれぞれ折線(67)(68)を介して差込式のフラ
ップ(48)(49)が連設されている。また、底面板
(43)の一方の短辺側には折線(69)を介して貼着
用の側面板(50)が、他方の短辺側にはミシン線(7
0)と折線(71)を介して貼着用の側面板(51)が
連設されている。また、側面板(42)には折線(7
2)(73)を介してダストフラップ(52)(53)
が、側面板(44)には折線(74)(75)を介して
ダストフラップ(54)(55)がそれぞれ連設されて
いる。
【0003】カートンを成形するには、まず、アルミ箔
等の包材で包装された板状チョコレートなどの内容物に
天面板(41)を被せ、天面板(41)の短辺側の側面
板(46)(47)及びフラップ(48)(49)を折
線(65)(66)(67)(68)に沿って折り曲
げ、次に長辺側の側面板(44)及び貼着板(45)を
それぞれ折線(63)(64)に沿って折り曲げて内容
物を3方から覆い、その後、側面板(42)及び底面板
(43)をそれぞれ折線(61)(62)に沿って折り
曲げ、底面板(43)を貼着板(45)の上に重ねて接
着するとともに、底面板(43)に連設されている側面
板(50)(51)をそれぞれ折線(69)と、ミシン
線(70)及び折線(71)に沿って折り曲げ、フラッ
プ(48)(49)が連設されている側面板(46)
(47)の上に重ねて接着する(図8)。なお、このと
き、接着剤(80)は、図7で示すように、底面板(4
3)の側面板(42)が連設されていない長辺側の内面
周縁部に5箇所、底面板(43)の短辺側に連設されて
いる側面板(50)(51)上にそれぞれ2箇所ずつ塗
布される。
【0004】以上のように内容物を包装しながらブラン
ク板を折り畳み成形することによって得られるラップラ
ウンド式の不正開封防止カートンには、図8、図9で示
すような開封手段が設けられている。すなわち、底面板
(43)の少なくとも一方の短辺側中央に設けられた円
弧状のミシン線(76)と、これに連続して設けられて
いるミシン線(70)を、図示のように切り開かない
と、カートンが開封しないようになっている。しかし
て、不正に開封されていたら一目で判別ができ、結果的
に不正開封を防止するようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、以上の
ような不正開封防止カートンは、カートンを成形する
際、接着剤を底面板(43)と底面板から連設されてい
る側面板(50)(51)にそれぞれ塗布しなければな
らないため、接着剤を塗布する装置に負担がかかるとい
った問題がある。また、接着剤の使用量が少なくて済め
ばコスト的にも好ましい。そこで、本発明は、不正に開
封すると容易に判別ができ、しかもカートン成形時に
は、接着剤を塗布する装置に負担をかけずに済む不正開
封防止カートンを得ることを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は以上のような目
的を達成するために、次のような不正開封防止カートン
を提供するものである。すなわち、天面板に側面板を介
して連設する貼着板と、天面板に側面板を介して連設す
る底面板とを接着してなるカートンにおいて、前記貼着
板の両端に切欠部を設け、天面板に側面板を介して連設
された差込式のフラップが前記貼着板と共に前記底面板
に接着されるようにするとともに、前記貼着板と接着す
る側の前記底面板の角部に、切取可能な開封タブ部で構
成された開封手段を設け、この開封タブ部を切り取るこ
とによって、前記底面板と前記フラップとの接着が解除
されることを特徴とする不正開封防止カートンである。
なお、前記切欠部は、前記フラップの差込長さとほぼ同
じかあるいはやや短めの長さに切り欠かれており、前記
開封タブ部を切り取る切取手段は、前記底面板に形成さ
れた切欠部から延設され、更に前記開封タブ部には、前
記底面板より突出する突出部が設けられている。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を基に説明する。図1は本発明にかかる角錐台
型不正開封防止カートンのブランク板、図2は同じく直
方体型不正開封防止カートンのブランク板であり、図3
はその部分拡大図である。また、図4はカートンを成形
する様子を示す説明図、図5は開封する様子を示す説明
図であり、図6は開封したカートンから内容物を取り出
す様子を示す説明図である。本発明にかかる不正開封防
止カートンは、主に板状のチョコレート、キャラメル、
ガムなどの菓子類の包装に適用されるラップラウンド式
のカートンである。また、カートンに使用する材質とし
ては、ボール紙などの厚紙類が好ましい。
【0008】今、本発明にかかるカートンで包装する内
容物が、アルミ箔等で構成された包材を用いて包装され
た板状のチョコレートである場合について説明する。図
1、図2は本発明にかかるカートンのブランク板を示す
ものであり、図1は角錐台型カートンのブランク板、図
2は直方体型カートンのブランク板である。(1)は商
品名等が印刷される天面板で、天面板(1)の一方の長
辺側に側面板(2)が折線(21)を介して連設され、
更にその側面板(2)に折曲線(22)を介して底面板
(3)が連設されている。また、天面板(1)の他方の
長辺側にも側面板(4)が折線(23)を介して連設さ
れ、更にその側面板(4)に折曲線(24)を介して貼
着板(5)が連設されている。なお、ここで言う折曲線
とは折線に切り込みが一定間隔で入れられた、いわゆる
ミシン目状の折線のことであり、ある程度の厚さを持つ
紙類でも容易に折り曲げられるようになっている。ま
た、このミシン目の切り込みの深さは、ブランク板の厚
さの半分程度でもよい。
【0009】一方、天面板(1)の短辺側には折線(2
5)(26)を介して側面板(6)(7)がそれぞれ連
設され、更にその側面板(6)(7)には折曲線(2
7)(28)を介して差込式のフラップ(8)(9)が
それぞれ連設されている。なお、側面板(6)(7)と
フラップ(8)(9)との間の折曲線(27)(28)
の両端には切り込み(27a)(28a)が入れられて
いる。また、側面板(2)の両端には、折線(29)
(30)を介してダストフラップ(10)(11)が、
側面板(4)の両端には、折線(31)(32)を介し
てダストフラップ(12)(13)がそれぞれ連設され
ている。
【0010】貼着板(5)の両端には切欠部(5a)
(5b)が形成されており、図示の切欠部(5a)(5
b)は、角形に切り欠かれている。この切欠部(5a)
(5b)は、後述するようにカートンを成形したとき
に、底面板(3)とフラップ(8)(9)とが互いに接
着されるようにするためのものであって、フラップ
(8)(9)の差込長さ(L)とほぼ同じかあるいはや
や短めの長さに切り欠かれることがカートンを成形する
上では好ましいが、底面板(3)と貼着板(5)の接着
が十分に果たされる範囲内であれば、少し長めに切り欠
かれてあっても特に問題はない。また、切欠部(5a)
(5b)の切欠形状も図示のものに限定されるものでは
なく、底面板(3)とフラップ(8)(9)とが互いに
接着できる程度に切り欠かれてあれば、例えば円弧形状
等に切り欠いてもよい。何れにせよ、底面板(3)とフ
ラップ(8)(9)との接着面積が十分に確保されるよ
うに切り欠かれてあれば、どのように貼着板(5)の両
端を切り欠いてもよく、特に限定されるものではない。
【0011】底面板(3)の貼着板(5)と接着する側
の一方の角部には、カートン開封用の開封タブ部(3
a)が切取手段としてのミシン線(33)を介して設け
られており、カートン開封時に、底面板(3)から開封
タブ部(3a)を切り取ることによって、後述するよう
に底面板(3)とフラップ(9)との接着部が取り除か
れ、両者の接着が解除されるようになっている。また、
底面板(3)の開封タブ部(3a)が設けられた側の短
辺中央には、フラップ(9)を引き出し易いように円弧
状の切欠部(3b)が設けられており、ミシン線(3
3)は、その切欠部(3b)から延設するように設けら
れている。また、図3で示すように、切欠部(3b)近
傍の開封タブ部(3a)には、底面板(3)より僅かに
突出する突出部(3c)が形成されている。このように
ミシン線(33)を切欠部(3b)から延設するととも
に、開封タブ部(3a)に突出部(3c)を形成する
と、開封作業がし易くなる。なお、このミシン線(3
3)は開封タブ部(3a)を切り取り易いように、即ち
切り取る方向性が良好なように設けてあればよいもので
あって、図示のものはほぼ円弧状に設けられているが、
特に限定されるものではない。また、ミシン線ではな
く、ジッパー状に切取手段を構成してもよく、開封タブ
部(3a)を切取可能にするものであれば、どのように
設けてもよい。
【0012】次に、以上のようなブランク板を折り曲げ
成形する過程について説明する。図4乃至図6は角錐台
型のカートンを示しているが、直方体型のカートンも同
様である。まず、アルミ箔等の包材で包装した板状チョ
コレートに天面板(1)を被せ、そのチョコレートの両
方の短辺側を包み込むようにそれぞれのフラップ(8)
(9)を内方に向けて折り込む。つまり、折線(25)
(26)に沿って側面板(6)(7)を折り曲げ、フラ
ップ(8)(9)も折曲線(27)(28)に沿って折
り曲げる。そして、板状チョコレートの一方の長辺側及
びフラップ(8)(9)を包み込むように貼着板(5)
を内方に向けて折り込む。つまり、折線(23)に沿っ
て側面板(4)を折り曲げ、折曲線(24)に沿って貼
着板(5)を折り曲げる。
【0013】こうして、板状チョコレートを3方から覆
い包むようにした後、折線(21)に沿って側面板
(2)を折り曲げ、折曲線(22)に沿って底面板
(3)を折り曲げて、底面板(3)と貼着板(5)とを
接着するが、このとき底面板(3)に塗布した接着剤の
みでカートンが完成するようになっている。すなわち、
図4で示すように、貼着板(5)の両端に設けられた切
欠部(5a)(5b)により、底面板(3)の側面板
(2)が連設されていない長辺側の内面周縁部の5箇所
に塗布された接着剤の内、中央の3箇所で底面板(3)
と貼着板(5)とを接着するとともに、両端の接着剤
(15)(16)によって底面板(3)とフラップ
(8)(9)とを接着することになるからである。した
がって、ブランク板に塗布する接着剤の塗布部も、図4
で示す底面板(3)上の5箇所のみでよくなり、接着剤
を塗布する装置に負担をかけなくて済む。なお、接着剤
にはホットメルト等を使用するのが好ましい。
【0014】こうして完成されたカートンを開封するに
は、図5で示すように、底面板(3)の一方の角部に設
けられた開封タブ部(3a)を底面板(3)に設けられ
た切欠部(3b)側からつまみ、ミシン線(33)に沿
って切り開くようにして切り取る。つまり、この開封タ
ブ部(3a)は、図4で示すように、丁度接着剤(1
5)が塗布される部分に設けられているもので、開封タ
ブ部(3a)を切り取り、除去することで、底面板
(3)とフラップ(9)との接着部を剥離することがで
きるものである。なお、このとき、開封タブ部(3a)
の接着剤(15)が塗布される部分の周りに、図示のよ
うなハーフカット(36)を設けておけば、開封タブ部
(3a)を切り開いた際に、開封タブ部(3a)の裏側
が層間剥離して、フラップ(9)側に残り、外観上きれ
いに開封タブ部(3a)を切り取り、除去することがで
きるようになる。こうして、底面板(3)とフラップ
(9)との接着部が除かれると、底面板(3)とフラッ
プ(9)との接着が解除され、フラップ(9)は引き出
し可能となり、図6で示すように、内容物である板状チ
ョコレート(18)が取り出せるようになる。
【0015】以上、本発明のカートンによれば、開封タ
ブ部を切り取らないと、カートンを開封させることがで
きないため、不正に開封されるのを防止することがで
き、購入者に安心感を与えることができる。つまり、購
入前に不正に開封されていたら一目で判別ができるた
め、結果的に不正開封防止の目的が達成できる。また、
ブランク板に塗布する接着剤を極力少なくすることがで
きるため、従来のものに比べて接着剤を塗布する装置に
負担がかからなくて済むし、接着剤の使用量も減ってコ
スト的にも好ましいものとなる。なお、カートンの形状
は図示した角錐台型、直方体型に限定されるものではな
く、本発明の精神の範囲内において、適宜設計変更可能
なものである。
【0016】
【発明の効果】本発明によれば、天面板に側面板を介し
て連設する貼着板と、天面板に側面板を介して連設する
底面板とを接着してなるカートンにおいて、貼着板の両
端に切欠部を設け、天面板に側面板を介して連設された
差込式のフラップを貼着板と共に底面板に接着するよう
にし、貼着板と接着する側の底面板の角部に、切取可能
な開封タブ部で構成した開封手段を設けて、この開封タ
ブ部を切り取ることによって、底面板とフラップとの接
着が解除されるようにしたから、開封タブ部を切り取ら
ない限り、カートンを開封することができなくなり、し
たがって不正に開封されていたら一目で判別ができ、不
正開封を防止できるとともに、購入者に安心感を与える
ことができる。また、このように不正に開封することが
できないカートンが得られるとともに、ブランク板に塗
布する接着剤を極力少なくすることができるので、従来
のものに比べて接着剤を塗布する装置に負担をかけない
で済むし、接着剤の使用量を減らすことができるため、
コスト的にも好ましいものとなる。また、前記切欠部を
フラップの差込長さとほぼ同じかあるいはやや短めの長
さに切り欠いて構成したので、両者の接着面積を十分に
確保することができる。また、前記開封タブ部の切取手
段を底面板に形成した切欠部から延設し、前記開封タブ
部に底面板より突出する突出部を設けたので、開封タブ
部を切り取る作業がし易く、開封が容易にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる角錐台型カートンの展開図
【図2】本発明にかかる直方体型カートンの展開図
【図3】展開されたカートンの部分拡大図
【図4】カートンを成形する様子を示す説明図
【図5】カートンを開封する様子を示す説明図
【図6】開封したカートンから内容物を取り出す様子を
示す説明図
【図7】従来のカートンの展開図
【図8】同上の開封部分の説明図
【図9】同上の開封した様子を示す説明図
【符号の説明】
1 天面板 2 側面板 3 底面板 4 側面板 5 貼着板 6 側面板 7 側面板 8 フラップ 9 フラップ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平10−273138(JP,A) 特開 平8−244762(JP,A) 特開 昭60−251033(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B65D 5/00 - 5/76

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 天面板に側面板を介して連設する貼着板
    と、天面板に側面板を介して連設する底面板とを接着し
    てなるカートンにおいて、前記貼着板の両端に切欠部を
    設け、天面板に側面板を介して連設された差込式のフラ
    ップが前記貼着板と共に前記底面板に接着されるように
    するとともに、前記貼着板と接着する側の前記底面板の
    角部に、切取可能な開封タブ部で構成された開封手段を
    設け、この開封タブ部を切り取ることによって、前記底
    面板と前記フラップとの接着が解除されることを特徴と
    する不正開封防止カートン。
  2. 【請求項2】 前記切欠部は、前記フラップの差込長さ
    とほぼ同じかあるいはやや短めの長さに切り欠かれてい
    ることを特徴とする請求項1に記載の不正開封防止カー
    トン。
  3. 【請求項3】 前記開封タブ部を切り取る切取手段が、
    前記底面板に形成された切欠部から延設され、更に前記
    開封タブ部に、前記底面板より突出する突出部が設けら
    れていることを特徴とする請求項1又は2に記載の不正
    開封防止カートン。
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