JP2893682B2 - カラー画像処理方法 - Google Patents
カラー画像処理方法Info
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- JP2893682B2 JP2893682B2 JP62323818A JP32381887A JP2893682B2 JP 2893682 B2 JP2893682 B2 JP 2893682B2 JP 62323818 A JP62323818 A JP 62323818A JP 32381887 A JP32381887 A JP 32381887A JP 2893682 B2 JP2893682 B2 JP 2893682B2
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Description
【発明の詳細な説明】
産業上の利用分野
本発明は、入力されたカラーオリジナル画像情報に基
づいて、画像生成装置においてカラー複製画像を生成す
る過程において必要とされるカラー画像信号の処理方法
に係り、特に、画像生成装置において、カラー複製画像
上にカラーオリジナル画像の色彩イメージを忠実に再現
可能なカラー画像信号の処理方法に関するものである。 従来の技術 最近では、入力されたカラーオリジナル画像信号に基
づいて、記録媒体上いカラー複製画像を生成するカラー
画像生成装置がさまざまな分野に普及し始めている。こ
のカラー画像生成装置の一例として、例えばインクジェ
ットプリンタの利用分野を挙げれば、その色再現性がき
わめて優れていることから、アパレルやインリアなどの
デザイン関係及び画像処理等の分野、つまりオリジナル
画像に対して忠実な色再現性が要求される分野において
主に使用されている。 ところで、オリジナル画像としてカラーCRTディスプ
レイ上に表示されているカラー画像を、複製画像として
インクジェットプリンタよりプリントアウトされるカラ
画像を例示して説明すれば、第8図(a),(b)に示
すように、オリジナル画像の彩度及び明度についての再
現範囲、つまり色再現範囲と、複製画像の色再現範囲と
は一般的に相異なることから、オリジナル画像の色彩イ
メージを複製画像上に忠実に再現するには、この再現処
理過程において、インクジェットプリンタに入力される
カラー画像信号に対して補正を加える必要がある。 そこで特開昭61−288662号公報には、入力カラー画像
信号の色再現範囲が出力系の色再現範囲より広い場合
に、入力カラー画像信号の色再現範囲を出力系の色再現
範囲に圧縮写像することにより、オリジナル画像に対す
る忠実な色再現性をもって複製画像を再現処理する技術
が提案されている。この技術によれば、入力カラー画像
信号に何らの補正も加えない場合と比較して、豊かな階
調性をもった複製画像を得ることができる。 発明が解決しようとする問題点 しかしながら、前述した従来のカラー画像信号の処理
方法によれば、豊かな階調性をもった複製画像を得るこ
とができる一方で、この複製画像が不自然なものになる
虞れがあった。 これは、従来のカラー画像信号の処理方法にあって
は、オリジナル画像と複製画像との色再現範囲を整合す
る点のみしか考慮しておらず、白色点あるいは無彩色軸
については考慮していなかったことに起因する不具合で
ある。 すなわち、従来のカラー画像信号の処理方法によれ
ば、白色点あるいは無彩色軸を整合する点については全
く考慮していなかったことから、白レベルあるいは色相
がずれつつ階調表現がなされる場合があり、このため、
例えば白色を表現する際に、白色に灰色味がかかった
り、あるいは灰色を表現する際に、灰色が赤味がかかっ
たり、または青味がかかったりしてしまい、したがっ
て、複製画像上に縞模様が現われる等の現象が生じて複
製画像がきわめて不自然なものになる虞れがあった。 本発明は、上述した実情に鑑みてなされたもので、入
力系におけるオリジナル画像の色彩イメージを、出力系
における複製画像上に忠実に再現するための処理過程に
おいて、色再現範囲の他に、白色点及び無彩色軸をも考
慮して前記再現処理を行なうことにより、オリジナル画
像の色彩イメージが忠実に再現された複製画像を得るカ
ラー画像処理方法を提供することを目的とする。 問題点を解決するための手段 上記目的を達成するための本発明は、入力系における
オリジナル画像の色紙イメージを、出力系における複製
画像上に忠実に再現するためのカラー画像処理方法であ
って、前記オリジナル画像と前記複製画像との夫々の色
再現範囲内に存在する各々の白色点及び無彩色軸を整合
し、その整合に基づいて前記複製画像の色再現範囲を補
正して、オリジナル画像の色再現範囲と整合させること
を特徴とするカラー画像処理方法である。 作用 上記手段を採用すれば、オリジナル画像と複製画像と
の夫々の色再現範囲内に存在する各々の白色点及び無彩
色軸を整合し、その整合に基づいて複製画像の色再現範
囲を補正して、オリジナル画像の色再現範囲と整合させ
ることとしたので、白色点あるいは無彩色軸を整合する
点について全く考慮していない従来のカラー画像処理方
法と比較して、白レベルあるいは色相がずれつつ階調表
現がなされる等の不具合がなくなるため、これによりき
わめて自然で、かつ、オリジナル画像の色彩イメージが
忠実に再現された複製画像を得ることができる。 実施例 以下に、本発明に係るカラー画像処理方法について、
オリジナル画像としてコンピュータグラフィクス装置
(以下、単にCG装置という。)の一構成部材であるカラ
ーCRTディスプレイ上に表示されているカラー画像を、
複製画像としてCG装置より転送されたカラー画像信号に
基づいてインクジェットプリンタよりプリントアウトさ
れるカラー画像を例示し、図面を参照しつつ説明する。 第2図には本発明に係るカラー画像処理方法を実現す
る装置構成の一実施例が示してある。 同図に示すように、カラーCRTディスプレイ2、キー
ボード3、テーブル4,コントローラ5等の構成部材より
なるCG装置1には、画像信号及び制御信号等を転送する
ための接続ケーブル6を介してインクジェットプリンタ
7が接続してある。このインクジェットプリンタ7に
は、後述するモードセレクトスイッチ8及び、操作パネ
ル9上に配置され、プリント開始を選択する図示しない
プリントスイッチ等が設けてある。 なお、本実施例中、オリジナル画像として、CG装置の
構成部材であるカラーCRTディスプレイ上に表示される
カラー画像を例示して説明するが、特にこれに限定され
るものではなく、例えばオリジナル画像として、CAD装
置の構成部材であるカラーCRTディスプレイ上に表示さ
れるカラー画像等の、RGB信号により表現される画像を
採用しても良い。 また、本実施例中、複製画像としてインクジェットプ
リンタよりプリントアウトされるカラー画像を例示して
説明するが、特にこれに限定されるものではなく、例え
ば複製画像として、熱転写方式、あるいは静電方式のプ
リンタよりプリントアウトされるカラー画像等の、YMC
信号により表現される画像を用いても良いのは勿論であ
る。 次に、第1図には、第2図に示すように構成された装
置間におけるカラー画像信号の処理回路が示してある。 同図に示すように、CG装置1には、接続ケーブル6及
び図示しない適当なインターフェースを介して、インク
ジェットプリンタ7内に設けられたフレームメモリ10が
接続してあり、ここで、CG装置1より転送された、カラ
ーCRTディスプレイ2上にオリジナル画像を表示させる
ためのRGB信号が格納されるように構成してある。なお
ここで、RGB信号とは、加法混色における三原色である
赤(R),緑(G),青(B)の各色を搬送するための
信号である。カラーCRTディスプレイ2にあっては、こ
の赤(R),緑(G),青(B)の各色を適宜の強さに
調節して加法混色することにより、略全ての色を表現可
能なように構成されている。 フレームメモリ10には、RGB信号を転送するためのRGB
バス11を介してルップアップテーブルメモリ12が接続し
てある、ここに格納されたルップアップテーブルを参照
しつつ、カラーCRTディスプレイ2に適合するRGB信号
が、インクジェットプリンタ7に適合するTMC信号に変
換されるように構成されている。なお、TMC信号とは、
減法混色における三原色であるイエロー(Y),マゼン
タ(M),シアン(C)の各色を搬送するための信号で
ある、インクジェットプリンタ7にあっては、このイエ
ロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C)の各色を適
宜の強さに調節して減法混色することにより、略全ての
色を表現可能なように構成されている。 ルックアップテーブルメモリ12には、ここで変換され
たYMC信号を転送するためのYMCバス13を介して、YMC信
号で表現された1ライン分のカラー画像情報を格納する
ラインバッファメモリ14が接続してある。そして、ライ
ンバッファメモリ14には、YMCバス13を介して入力され
たカラー画像情報に基づいて記録紙上にカラー画像を生
成するプリントメカニズム15が接続されている。 一方、ルックアップテーブルメモリ12には、モードセ
レクトスイッチ8及び後に詳述する複数の係数列16が接
続され、モードスイッチ8の設定に従い複数の係数列16
のうちから一つの係数列を選択するマルチプレクサ17が
接続された計算器18が接続してあり、ここで、前記選択
された係数列に基づいて、オリジナル画像情報を複製画
像情報に変換する際に参照されるルックアップテーブル
が生成されるように構成してある。なお、本実施例で
は、計算器に、複数の係数列が接続されたマルチプレク
サを接続するよう例示したが、例えば、係数列は単数で
も良く、この場合にはマルチプレクサを省略できる。 次に、本発明に係る画像処理方法における画像の処理
過程について、第3図に示すインクジェットプリンタの
動作フローチャートに基づいて説明する。 まず、インクジェットプリンタ7の図示しない電源ス
イッチをオンすると、インクジェットプリンタ7内の制
御装置が初期化されて(S1)、起動準備が整う。なお、
カラーCRTディスプレイ2上には、CG装置1より転送さ
れたオリジナル画像が表示されており、このオリジナル
画像が必要に応じてインクジェットプリンタ7に転送可
能な状態にあるものとする。また、モードセレクトスイ
ッチ8は、適当な位置に設定されているものとする。 S1の初期化が終了すると、制御装置は、プリントスイ
ッチがオンされたか否かの判断を行なう(S2)。なお、
S2の判断は、プリントスイッチがオンされるまで繰り返
される。この時、プリントスイッチがオンされると、制
御装置は、接続ケーブル6を介してCG装置1よりフレー
ムメモリ10へ、RGB信号の形態で搬送されるオリジナル
画像情報を取込む命令を実行し(S3)、この画像情報を
フレームメモリ10における所定のアドレスに順次格納す
る。なお、オリジナル画像情報を、プリントスイッチが
オンされる以前に取込んでおいても良い。 一方、制御装置は、モードセレクトスイッチ8の設定
に従い選択される係数列16を、マルチプレクサ17を介し
て計算器18へ転送する命令を行なう。さらに制御装置
は、係数列16に格納されている補正関数、及びフレーム
メモリ10に格納されているオリジナル画像情報とを読出
して、この補正関数に基づいて、計算器18に、オリジナ
ル画像情報をアドレスとするルックアップテーブルを生
成させる命令を実行する(S4)。計算器18において生成
されたルックアップテーブルは、ルックアップテーブル
メモリ12上に所定のアドレスに格納されている。このよ
うに、ルックアップテーブルがルックアップテーブルメ
モリ12の所定のアドレスに格納されると、オリジナル画
像を複製画像に変換する準備が整う。 ここで、あらかじめ用意されている係数列16の一例と
して、オリジナル画像より複製画像への色再現が忠実に
行なわれることを目標として準備された係数列16aの演
算方法について説明する。 まず、カラーCRTディスプレイ上に表示されているオ
リジナル画像の色を(XYZ)表色系を用いて(XYZ)CRT
と表し、CG装置1よりカラーCRTディスプレイへ転送さ
れる。RGB信号により表現される色を(RGB)表色系を用
いて(RGB)CRTと表せば、前記両者の関係は周知のよう
に式.1に示す如く定義される。なお、式.1中のfは、カ
ラーCRTディスプレイ2の特定を表す固有の関数であ
る。 一方、インクジェットプリンタ7よりプリントアウト
される複製画像の色を(XYZ)表色系を用いて(XYZ)CO
PYと表し、フレームメモリ10よりルックアップテーブル
メモリ12へ転送される、RGB信号により表現される色を
(RGB)表色系を用いて(RGB)COPYと表せば、前記両者
の関係は周知のように式.2に示す如く定義れる。なお、
式.2中のφは、インクジェットプリンタ7の特性を表す
固有の関数である。 ここで、前述したように、オリジナル画像より複製画
像への色再現処理が忠実に行なわれるには、オリジナル
画像の色を表わす(XYZ)CRTと、複製画像の色を表わす
(XYZ)COPYとが等しくなれば良いことから式.3の成立
が仮定され、これより式.4が導出される。したがって、
式.4中のφ-1・fなる関数が得られれば係数列16aが求
められることになる。 すなわち、 ところが、一般的に関するφ-1・fは一義的に決定す
ることはできない。そこで、均等知覚色空間としての
(L*a*b*)表色系を用いて、オリジナル画像と複
製画像との色再現範囲内の夫々より適当な標本数Nだけ
対応する代表色を抽出し、この代表色に対して、白色点
を整合すると共に無彩色軸を整合する等の演算処理を施
し、該処理後の前記代表色に対して最小二乗近似を行な
うことにより、オリジナル画像と複製画像との色差が最
小になるような関数φ-1・fを求めている。 以下に、上述した手順について詳細に説明する。 まず、L*,a*,b*の各々を、公知の(XYZ)表色系
より(L*a*b*)表色系への変換式である式・5を
用いて算出する。 L*=116(Y/Y。)1/3−16 a*=500[(X/X。)1/3−(Y/Y。)1/3 b*=200[(Y/Y。)1/3−(Z/Z。)1/3 式.5 ただし、X。,Y。,Z。は照明に使用する標準光源また
は標準光の三刺激値である。 次に、この(L*a*b*)表色系を用いて、オリジ
ナル画像と複製画像との色再現範囲内の夫々より対応す
る代表色、 (Li*,ai*,bi*)CRT及び、 (Li*,ai*,bi*)COPYを適当な標本数N個だけ抽出す
る(ただし、i=1,2,…,j,…,N)。なお、このN個の
標本点のうち、i=jである標本点(Lj*,aj*,bj*)
CRT及び(Lj*,aj*,bj*)COPYの両者が、第4図
(a)に示すように、理論上の仮想L*−a*面上にあ
る場合を想定して説明する。 この標本点(Lj*,aj*,bj*)CRT及び(Lj*,aj*,b
j*)COPYは、オリジル画像と複製画像との色再現範囲
の夫々に存在する白色点を整合する処理を行なった際に
は、第4図(b)に示すと共に式.6〜7に表すように移
動される。 すなわち、 (Lj*,aj*,bj*)′CRT= {(100,0,0)−(Lw*,aw*,bw*)CRT} +(Lj*,aj*,bj*)CRT 式.6 ただし、(Lj*,aj*,bj*)′CRTは、標本点(Lj*,
aj*,bj*)CRTが移動後の点、(100,0,0)は理論上の
仮想L*−a*面における仮想白色点、(Lw*,aw*,bw
*)CRTはオリジナル画像の色再現範囲における白色点
である。 また同様に、 (Lj*,aj*,bj*)′COPY= {(100,0,0)−(Lw*,aw*,bw*)COPY} +(Lj*,aj*,bj*)COPY 式.7 ただし、(Lw*,aw*,bw*)COPYは複製画像の色再現
範囲における白色点である。 このように、理論上の仮想白色点から、オリジナル画
像と複製画像との色再現範囲の夫々に存在する白色点を
差し引き、この差し引いた値に各々の標本点である、
(Lj*,aj*,bj*)CRTあるいは(Lj*,aj*,bj*)COP
Yを加えることにより、前記各々の標本点を、オリジナ
ル画像と複製画像との白色点が整合するように移動させ
ている。なお、この移動は、(Li*,ai*,bi*)CRT及
び、(Li*,ai*,bi*)COPYにおける全てのN個の標本
点について実行される。 上述の演算より各白色点を整合する処理が完了する
と、第5図(a),(b)に示すように、今度は、オリ
ジナル画像と複製画像との各色再現範囲における無彩色
軸を理論上の仮想無彩色軸L*に整合する処理を行う。
この時、移動対象となる各標本点のうち、前記白色点を
整合した際に移動された標本点(Lj*,aj*,bj*)′CR
T及び(Lj*,aj*,bj*)′COPYにおける、各無彩色軸
を仮想無彩色軸L*に整合するために必要な移動量であ
る、(lj,mj,nj)′CRT、あるいは(lj,mj,nj)′COPY
は、第6図に示すと共に次に表す式.8〜9のように、前
記各標本点から各彩色軸までの距離dに反比例する関数
を用いて算出されることにより、各無彩色軸近傍におけ
る標本点の移動量が大きくなるようにしている。 すなわち、 (lj,mj,nj)′CRT= (1−dCRT/d′CRT)・(lj,mj,nj)CRT 式.8 ただし、dCRTは、標本点から無彩色軸までの最短距
離、(lj,mj,nj)CRTは、無彩色軸から仮想無彩色軸L
*までの距離、d′CRTはあらかじめ定められている定
数である。なお、この定数d′CRTは、前記した距離dCR
Tより充分大きい値が決定される。 また、 (lj,mj,nj)′COPY= (1−dCOPY/d′COPY)・(lj,mj,nj)COPY 式.9 ただし、dCOPY、(lj,mj,nj)COPY及びd′COPYにつ
いては前述と同様である。 次に、前記算出した点(Lj*,aj*,bj*)′及び移動
量(lj,mj,nj)′に基づいて、白色点及び無彩色軸が整
合後の移動点(Lj*,aj*,bj*)″を求めると、これは
第6図に示すと共に式・10〜11のように表せる。 すなわち、 (Lj*,aj*,bj*)″CRT= (Lj*,aj*,bj*)′CRT+(lj,mj,nj)′CRT 式.10 また、 (Lj*,aj*,bj*)″COPY= (Lj*,aj*,bj*)′COPY+(lj,mj,nj)′COPY 式.11 なお、本実施例では、距離dを、移動対象である任意
の標本点より、無彩色軸を横切りつつ仮想無彩色軸へ向
けて落とした垂線のうち、該標本点から無彩色軸までの
距離として近似しているが、実際には、白色点を中心と
し、前記標本点を半径として描かれる円弧のうち、該標
本点から無彩色軸までの距離を求めるべきである。しか
し、本実施例では、演算処理の簡単化、及びそれほどの
高精度が要求される部分ではないことから、近似値をも
って距離dとしている。これは、(lj,mj,nj)について
も同様である。 このようにして白色点、及び無彩色軸が整合すると、
最後にオリジナル画像における色再現範囲内に存在する
色のうち、複製画像における色再現範囲外に存在する色
に対して、第7図に示すように、複製画像の色再現範囲
表面に移動させる処理が実行される。 すなわち、複製画像における色再現範囲を、例えば、
300面の多面体で近似し、そのうちの一面を (Lj*,aj*,bj*)と表し、複製画像における色再現範
囲外に存在する、オリジナル画像における色再現範囲内
の色点を(Lj*,aj*,bj*)CRTと表せば、 は、周知のように、定数A,B,C,Dを用いて式.12の如く定
義される。 ALj*,Baj*,Cbj*+D=0 式.12 また、標本点(Lj*,aj*,bj*)CRTを通る における垂線の足の座標(Lj*′,aj*′,bj*′)は
式.13〜15のように表せる。 すなわち、 したがって、最終的な移動点(Lj*,aj*,bj*)
は、複製画像における色再現範囲内に存在する標本点に
ついては、前述した(Lj*,aj*,bj*)″と等しいが、
これに対して、オリジナル画像における色再現範囲内に
存在する色のうち、複製画像における色再現範囲外に存
在する色の標本点についての最終的な移動点(Lj*,aj
*,bj*)は(Lj*′,aj*′,bj*′)と等しくな
る。 このように、最終的な移動点(Lj*,aj*,bj*)が
算出できたが、この最終的な移動点(Lj*,aj*,bj*)
に対して最小二乗近似を行なって、オリジナル画像と
複製画像との色差が最小になるような関数φ-1・fを求
める。このようにして得られた関数φ-1・f、つまり係
数列16aに基づいてルックアップテーブルを生成し、こ
のルックアップテーブルを参照しつつオリジナル画像に
対して補正を行なえば、複製画像における色再現範囲は
オリジナル画像における色再現範囲と整合し、しかも、
白色点及び無彩色軸も整合していることから、係数列16
aが目的とする、オリジナル画像の色彩イメージが忠実
に再現された複製画像を得ることができる。 すなわち、S4においてルックアップテーブルの生成が
完了すると、制御措置は、フレームメモリ10よりRGBバ
ス11を介して順次オリジナル画像情報を読出し、S4にお
いてあらかじめ生成しておいた、オリジナル画像情報を
アドレスとするルックアップテーブルのデータを参照し
つつ、オリジナル画像の色彩イメージを、複製画像上に
忠実に再現するための変換処理を実行する(S5)。な
お、S5において行なわれる変換処理により、RGB信号の
形態で入力されたオリジナル画像情報は、TMC信号の形
態の複製画像情報に変換されることになる。 さらに、制御装置は、S5において変換した複製画像情
報のうち、1ライン分の画像情報を、YMCバス13を介し
て順次ラインバッファメモリ14の所定のアドレスに格納
する命令を行なう。ラインバッファメモリ14に1ライン
分の画像情報が格納されると、制御装置は、ラインバッ
ファメモリ14により順次画像情報を読出す命令を行な
い、ここで読出した画像情報をYMCバス13を介してプリ
ントメカニズム15に転送する命令を実行する。そして、
制御装置は、入力された画像情報に基づいてプリントメ
カニズム15を駆動する命令を実行し、これを受けてプリ
ントメカニズム15は1ライン分の画像情報をプリントア
ウトしてプリントドットが形成される(S6)。 S6終了後、制御装置は、最終ラインの画像情報がプリ
ントアウトされたか否かの判断を行ない(S7)、最終ラ
インがプリントアウトされたと判断された場合にはS2へ
戻り再度プリントスイッチがオンされるまで待ち、一
方、最終ラインがプリントアウトされていないと判断さ
れた場合にはS5へ戻り以下のステップを繰り返す。 以上のように、本実施例においては、オリジナル画像
の色彩イメージが忠実に再現された複製画像を得ること
を目的とする係数列を例示して説明したが、この他に前
記係数列として、例えば、第1係数は第1CRTディスプレ
イ用、一方第2係数列は第2CRTディスプレイ用という様
に、あるいは、CG画像には第3係数列、一方人物画には
第4係数列という様に、入力系の事情に合わせた複数の
係数列を用意しても良く、また、例えば、出力系として
のインクジェットプリンタのインクの種類、または記録
媒体の種類等の出力系の事情に合わせて複数の係数列を
用意しても良い。 さらに、特に忠実な再現性にこだわらなければ、入力
系のオリジナル画像に対して、例えば、コントラストを
強調させたり、画像の輪郭部分を強調させたり等の画像
処理を行なう係数列を必要に応じて用意することもでき
る。これは、オリジナル画像と複製画像との両者の色の
特性を分析することにより容易に実現可能である。 最後に、本実施例中、出力系としてのインクジェット
プリンタ内部の記憶装置に、係数列を格納する様例示し
たが、特にこれに限定されるものではなく、例えば、適
当なインターフェースを介して接続されたホストコンピ
ュータ等から、所望の複製画像が得られる係数列を出力
系に転送することにより、所望の画像補正が実行可能で
ある。 発明の効果 以上詳細に説明したように、本発明によれば、オリジ
ナル画像と複製画像との夫々の色再現範囲内に存在する
各々の白色点及び無彩色軸を整合し、その整合に基づい
て複製画像の色再現範囲を補正して、オリジナル画像の
色再現範囲と整合させることとしたので、白色点あるい
は無彩色軸を整合する点について全く考慮していない従
来のカラー画像処理方法と比較して、白レベルあるいは
色相がずれつつ階調表現がなされる等の不具合がなくな
るため、したがって、きわめて自然で、かつ、オリジナ
ル画像の色彩イメージが忠実に再現された複製画像を得
ることができる。
づいて、画像生成装置においてカラー複製画像を生成す
る過程において必要とされるカラー画像信号の処理方法
に係り、特に、画像生成装置において、カラー複製画像
上にカラーオリジナル画像の色彩イメージを忠実に再現
可能なカラー画像信号の処理方法に関するものである。 従来の技術 最近では、入力されたカラーオリジナル画像信号に基
づいて、記録媒体上いカラー複製画像を生成するカラー
画像生成装置がさまざまな分野に普及し始めている。こ
のカラー画像生成装置の一例として、例えばインクジェ
ットプリンタの利用分野を挙げれば、その色再現性がき
わめて優れていることから、アパレルやインリアなどの
デザイン関係及び画像処理等の分野、つまりオリジナル
画像に対して忠実な色再現性が要求される分野において
主に使用されている。 ところで、オリジナル画像としてカラーCRTディスプ
レイ上に表示されているカラー画像を、複製画像として
インクジェットプリンタよりプリントアウトされるカラ
画像を例示して説明すれば、第8図(a),(b)に示
すように、オリジナル画像の彩度及び明度についての再
現範囲、つまり色再現範囲と、複製画像の色再現範囲と
は一般的に相異なることから、オリジナル画像の色彩イ
メージを複製画像上に忠実に再現するには、この再現処
理過程において、インクジェットプリンタに入力される
カラー画像信号に対して補正を加える必要がある。 そこで特開昭61−288662号公報には、入力カラー画像
信号の色再現範囲が出力系の色再現範囲より広い場合
に、入力カラー画像信号の色再現範囲を出力系の色再現
範囲に圧縮写像することにより、オリジナル画像に対す
る忠実な色再現性をもって複製画像を再現処理する技術
が提案されている。この技術によれば、入力カラー画像
信号に何らの補正も加えない場合と比較して、豊かな階
調性をもった複製画像を得ることができる。 発明が解決しようとする問題点 しかしながら、前述した従来のカラー画像信号の処理
方法によれば、豊かな階調性をもった複製画像を得るこ
とができる一方で、この複製画像が不自然なものになる
虞れがあった。 これは、従来のカラー画像信号の処理方法にあって
は、オリジナル画像と複製画像との色再現範囲を整合す
る点のみしか考慮しておらず、白色点あるいは無彩色軸
については考慮していなかったことに起因する不具合で
ある。 すなわち、従来のカラー画像信号の処理方法によれ
ば、白色点あるいは無彩色軸を整合する点については全
く考慮していなかったことから、白レベルあるいは色相
がずれつつ階調表現がなされる場合があり、このため、
例えば白色を表現する際に、白色に灰色味がかかった
り、あるいは灰色を表現する際に、灰色が赤味がかかっ
たり、または青味がかかったりしてしまい、したがっ
て、複製画像上に縞模様が現われる等の現象が生じて複
製画像がきわめて不自然なものになる虞れがあった。 本発明は、上述した実情に鑑みてなされたもので、入
力系におけるオリジナル画像の色彩イメージを、出力系
における複製画像上に忠実に再現するための処理過程に
おいて、色再現範囲の他に、白色点及び無彩色軸をも考
慮して前記再現処理を行なうことにより、オリジナル画
像の色彩イメージが忠実に再現された複製画像を得るカ
ラー画像処理方法を提供することを目的とする。 問題点を解決するための手段 上記目的を達成するための本発明は、入力系における
オリジナル画像の色紙イメージを、出力系における複製
画像上に忠実に再現するためのカラー画像処理方法であ
って、前記オリジナル画像と前記複製画像との夫々の色
再現範囲内に存在する各々の白色点及び無彩色軸を整合
し、その整合に基づいて前記複製画像の色再現範囲を補
正して、オリジナル画像の色再現範囲と整合させること
を特徴とするカラー画像処理方法である。 作用 上記手段を採用すれば、オリジナル画像と複製画像と
の夫々の色再現範囲内に存在する各々の白色点及び無彩
色軸を整合し、その整合に基づいて複製画像の色再現範
囲を補正して、オリジナル画像の色再現範囲と整合させ
ることとしたので、白色点あるいは無彩色軸を整合する
点について全く考慮していない従来のカラー画像処理方
法と比較して、白レベルあるいは色相がずれつつ階調表
現がなされる等の不具合がなくなるため、これによりき
わめて自然で、かつ、オリジナル画像の色彩イメージが
忠実に再現された複製画像を得ることができる。 実施例 以下に、本発明に係るカラー画像処理方法について、
オリジナル画像としてコンピュータグラフィクス装置
(以下、単にCG装置という。)の一構成部材であるカラ
ーCRTディスプレイ上に表示されているカラー画像を、
複製画像としてCG装置より転送されたカラー画像信号に
基づいてインクジェットプリンタよりプリントアウトさ
れるカラー画像を例示し、図面を参照しつつ説明する。 第2図には本発明に係るカラー画像処理方法を実現す
る装置構成の一実施例が示してある。 同図に示すように、カラーCRTディスプレイ2、キー
ボード3、テーブル4,コントローラ5等の構成部材より
なるCG装置1には、画像信号及び制御信号等を転送する
ための接続ケーブル6を介してインクジェットプリンタ
7が接続してある。このインクジェットプリンタ7に
は、後述するモードセレクトスイッチ8及び、操作パネ
ル9上に配置され、プリント開始を選択する図示しない
プリントスイッチ等が設けてある。 なお、本実施例中、オリジナル画像として、CG装置の
構成部材であるカラーCRTディスプレイ上に表示される
カラー画像を例示して説明するが、特にこれに限定され
るものではなく、例えばオリジナル画像として、CAD装
置の構成部材であるカラーCRTディスプレイ上に表示さ
れるカラー画像等の、RGB信号により表現される画像を
採用しても良い。 また、本実施例中、複製画像としてインクジェットプ
リンタよりプリントアウトされるカラー画像を例示して
説明するが、特にこれに限定されるものではなく、例え
ば複製画像として、熱転写方式、あるいは静電方式のプ
リンタよりプリントアウトされるカラー画像等の、YMC
信号により表現される画像を用いても良いのは勿論であ
る。 次に、第1図には、第2図に示すように構成された装
置間におけるカラー画像信号の処理回路が示してある。 同図に示すように、CG装置1には、接続ケーブル6及
び図示しない適当なインターフェースを介して、インク
ジェットプリンタ7内に設けられたフレームメモリ10が
接続してあり、ここで、CG装置1より転送された、カラ
ーCRTディスプレイ2上にオリジナル画像を表示させる
ためのRGB信号が格納されるように構成してある。なお
ここで、RGB信号とは、加法混色における三原色である
赤(R),緑(G),青(B)の各色を搬送するための
信号である。カラーCRTディスプレイ2にあっては、こ
の赤(R),緑(G),青(B)の各色を適宜の強さに
調節して加法混色することにより、略全ての色を表現可
能なように構成されている。 フレームメモリ10には、RGB信号を転送するためのRGB
バス11を介してルップアップテーブルメモリ12が接続し
てある、ここに格納されたルップアップテーブルを参照
しつつ、カラーCRTディスプレイ2に適合するRGB信号
が、インクジェットプリンタ7に適合するTMC信号に変
換されるように構成されている。なお、TMC信号とは、
減法混色における三原色であるイエロー(Y),マゼン
タ(M),シアン(C)の各色を搬送するための信号で
ある、インクジェットプリンタ7にあっては、このイエ
ロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C)の各色を適
宜の強さに調節して減法混色することにより、略全ての
色を表現可能なように構成されている。 ルックアップテーブルメモリ12には、ここで変換され
たYMC信号を転送するためのYMCバス13を介して、YMC信
号で表現された1ライン分のカラー画像情報を格納する
ラインバッファメモリ14が接続してある。そして、ライ
ンバッファメモリ14には、YMCバス13を介して入力され
たカラー画像情報に基づいて記録紙上にカラー画像を生
成するプリントメカニズム15が接続されている。 一方、ルックアップテーブルメモリ12には、モードセ
レクトスイッチ8及び後に詳述する複数の係数列16が接
続され、モードスイッチ8の設定に従い複数の係数列16
のうちから一つの係数列を選択するマルチプレクサ17が
接続された計算器18が接続してあり、ここで、前記選択
された係数列に基づいて、オリジナル画像情報を複製画
像情報に変換する際に参照されるルックアップテーブル
が生成されるように構成してある。なお、本実施例で
は、計算器に、複数の係数列が接続されたマルチプレク
サを接続するよう例示したが、例えば、係数列は単数で
も良く、この場合にはマルチプレクサを省略できる。 次に、本発明に係る画像処理方法における画像の処理
過程について、第3図に示すインクジェットプリンタの
動作フローチャートに基づいて説明する。 まず、インクジェットプリンタ7の図示しない電源ス
イッチをオンすると、インクジェットプリンタ7内の制
御装置が初期化されて(S1)、起動準備が整う。なお、
カラーCRTディスプレイ2上には、CG装置1より転送さ
れたオリジナル画像が表示されており、このオリジナル
画像が必要に応じてインクジェットプリンタ7に転送可
能な状態にあるものとする。また、モードセレクトスイ
ッチ8は、適当な位置に設定されているものとする。 S1の初期化が終了すると、制御装置は、プリントスイ
ッチがオンされたか否かの判断を行なう(S2)。なお、
S2の判断は、プリントスイッチがオンされるまで繰り返
される。この時、プリントスイッチがオンされると、制
御装置は、接続ケーブル6を介してCG装置1よりフレー
ムメモリ10へ、RGB信号の形態で搬送されるオリジナル
画像情報を取込む命令を実行し(S3)、この画像情報を
フレームメモリ10における所定のアドレスに順次格納す
る。なお、オリジナル画像情報を、プリントスイッチが
オンされる以前に取込んでおいても良い。 一方、制御装置は、モードセレクトスイッチ8の設定
に従い選択される係数列16を、マルチプレクサ17を介し
て計算器18へ転送する命令を行なう。さらに制御装置
は、係数列16に格納されている補正関数、及びフレーム
メモリ10に格納されているオリジナル画像情報とを読出
して、この補正関数に基づいて、計算器18に、オリジナ
ル画像情報をアドレスとするルックアップテーブルを生
成させる命令を実行する(S4)。計算器18において生成
されたルックアップテーブルは、ルックアップテーブル
メモリ12上に所定のアドレスに格納されている。このよ
うに、ルックアップテーブルがルックアップテーブルメ
モリ12の所定のアドレスに格納されると、オリジナル画
像を複製画像に変換する準備が整う。 ここで、あらかじめ用意されている係数列16の一例と
して、オリジナル画像より複製画像への色再現が忠実に
行なわれることを目標として準備された係数列16aの演
算方法について説明する。 まず、カラーCRTディスプレイ上に表示されているオ
リジナル画像の色を(XYZ)表色系を用いて(XYZ)CRT
と表し、CG装置1よりカラーCRTディスプレイへ転送さ
れる。RGB信号により表現される色を(RGB)表色系を用
いて(RGB)CRTと表せば、前記両者の関係は周知のよう
に式.1に示す如く定義される。なお、式.1中のfは、カ
ラーCRTディスプレイ2の特定を表す固有の関数であ
る。 一方、インクジェットプリンタ7よりプリントアウト
される複製画像の色を(XYZ)表色系を用いて(XYZ)CO
PYと表し、フレームメモリ10よりルックアップテーブル
メモリ12へ転送される、RGB信号により表現される色を
(RGB)表色系を用いて(RGB)COPYと表せば、前記両者
の関係は周知のように式.2に示す如く定義れる。なお、
式.2中のφは、インクジェットプリンタ7の特性を表す
固有の関数である。 ここで、前述したように、オリジナル画像より複製画
像への色再現処理が忠実に行なわれるには、オリジナル
画像の色を表わす(XYZ)CRTと、複製画像の色を表わす
(XYZ)COPYとが等しくなれば良いことから式.3の成立
が仮定され、これより式.4が導出される。したがって、
式.4中のφ-1・fなる関数が得られれば係数列16aが求
められることになる。 すなわち、 ところが、一般的に関するφ-1・fは一義的に決定す
ることはできない。そこで、均等知覚色空間としての
(L*a*b*)表色系を用いて、オリジナル画像と複
製画像との色再現範囲内の夫々より適当な標本数Nだけ
対応する代表色を抽出し、この代表色に対して、白色点
を整合すると共に無彩色軸を整合する等の演算処理を施
し、該処理後の前記代表色に対して最小二乗近似を行な
うことにより、オリジナル画像と複製画像との色差が最
小になるような関数φ-1・fを求めている。 以下に、上述した手順について詳細に説明する。 まず、L*,a*,b*の各々を、公知の(XYZ)表色系
より(L*a*b*)表色系への変換式である式・5を
用いて算出する。 L*=116(Y/Y。)1/3−16 a*=500[(X/X。)1/3−(Y/Y。)1/3 b*=200[(Y/Y。)1/3−(Z/Z。)1/3 式.5 ただし、X。,Y。,Z。は照明に使用する標準光源また
は標準光の三刺激値である。 次に、この(L*a*b*)表色系を用いて、オリジ
ナル画像と複製画像との色再現範囲内の夫々より対応す
る代表色、 (Li*,ai*,bi*)CRT及び、 (Li*,ai*,bi*)COPYを適当な標本数N個だけ抽出す
る(ただし、i=1,2,…,j,…,N)。なお、このN個の
標本点のうち、i=jである標本点(Lj*,aj*,bj*)
CRT及び(Lj*,aj*,bj*)COPYの両者が、第4図
(a)に示すように、理論上の仮想L*−a*面上にあ
る場合を想定して説明する。 この標本点(Lj*,aj*,bj*)CRT及び(Lj*,aj*,b
j*)COPYは、オリジル画像と複製画像との色再現範囲
の夫々に存在する白色点を整合する処理を行なった際に
は、第4図(b)に示すと共に式.6〜7に表すように移
動される。 すなわち、 (Lj*,aj*,bj*)′CRT= {(100,0,0)−(Lw*,aw*,bw*)CRT} +(Lj*,aj*,bj*)CRT 式.6 ただし、(Lj*,aj*,bj*)′CRTは、標本点(Lj*,
aj*,bj*)CRTが移動後の点、(100,0,0)は理論上の
仮想L*−a*面における仮想白色点、(Lw*,aw*,bw
*)CRTはオリジナル画像の色再現範囲における白色点
である。 また同様に、 (Lj*,aj*,bj*)′COPY= {(100,0,0)−(Lw*,aw*,bw*)COPY} +(Lj*,aj*,bj*)COPY 式.7 ただし、(Lw*,aw*,bw*)COPYは複製画像の色再現
範囲における白色点である。 このように、理論上の仮想白色点から、オリジナル画
像と複製画像との色再現範囲の夫々に存在する白色点を
差し引き、この差し引いた値に各々の標本点である、
(Lj*,aj*,bj*)CRTあるいは(Lj*,aj*,bj*)COP
Yを加えることにより、前記各々の標本点を、オリジナ
ル画像と複製画像との白色点が整合するように移動させ
ている。なお、この移動は、(Li*,ai*,bi*)CRT及
び、(Li*,ai*,bi*)COPYにおける全てのN個の標本
点について実行される。 上述の演算より各白色点を整合する処理が完了する
と、第5図(a),(b)に示すように、今度は、オリ
ジナル画像と複製画像との各色再現範囲における無彩色
軸を理論上の仮想無彩色軸L*に整合する処理を行う。
この時、移動対象となる各標本点のうち、前記白色点を
整合した際に移動された標本点(Lj*,aj*,bj*)′CR
T及び(Lj*,aj*,bj*)′COPYにおける、各無彩色軸
を仮想無彩色軸L*に整合するために必要な移動量であ
る、(lj,mj,nj)′CRT、あるいは(lj,mj,nj)′COPY
は、第6図に示すと共に次に表す式.8〜9のように、前
記各標本点から各彩色軸までの距離dに反比例する関数
を用いて算出されることにより、各無彩色軸近傍におけ
る標本点の移動量が大きくなるようにしている。 すなわち、 (lj,mj,nj)′CRT= (1−dCRT/d′CRT)・(lj,mj,nj)CRT 式.8 ただし、dCRTは、標本点から無彩色軸までの最短距
離、(lj,mj,nj)CRTは、無彩色軸から仮想無彩色軸L
*までの距離、d′CRTはあらかじめ定められている定
数である。なお、この定数d′CRTは、前記した距離dCR
Tより充分大きい値が決定される。 また、 (lj,mj,nj)′COPY= (1−dCOPY/d′COPY)・(lj,mj,nj)COPY 式.9 ただし、dCOPY、(lj,mj,nj)COPY及びd′COPYにつ
いては前述と同様である。 次に、前記算出した点(Lj*,aj*,bj*)′及び移動
量(lj,mj,nj)′に基づいて、白色点及び無彩色軸が整
合後の移動点(Lj*,aj*,bj*)″を求めると、これは
第6図に示すと共に式・10〜11のように表せる。 すなわち、 (Lj*,aj*,bj*)″CRT= (Lj*,aj*,bj*)′CRT+(lj,mj,nj)′CRT 式.10 また、 (Lj*,aj*,bj*)″COPY= (Lj*,aj*,bj*)′COPY+(lj,mj,nj)′COPY 式.11 なお、本実施例では、距離dを、移動対象である任意
の標本点より、無彩色軸を横切りつつ仮想無彩色軸へ向
けて落とした垂線のうち、該標本点から無彩色軸までの
距離として近似しているが、実際には、白色点を中心と
し、前記標本点を半径として描かれる円弧のうち、該標
本点から無彩色軸までの距離を求めるべきである。しか
し、本実施例では、演算処理の簡単化、及びそれほどの
高精度が要求される部分ではないことから、近似値をも
って距離dとしている。これは、(lj,mj,nj)について
も同様である。 このようにして白色点、及び無彩色軸が整合すると、
最後にオリジナル画像における色再現範囲内に存在する
色のうち、複製画像における色再現範囲外に存在する色
に対して、第7図に示すように、複製画像の色再現範囲
表面に移動させる処理が実行される。 すなわち、複製画像における色再現範囲を、例えば、
300面の多面体で近似し、そのうちの一面を (Lj*,aj*,bj*)と表し、複製画像における色再現範
囲外に存在する、オリジナル画像における色再現範囲内
の色点を(Lj*,aj*,bj*)CRTと表せば、 は、周知のように、定数A,B,C,Dを用いて式.12の如く定
義される。 ALj*,Baj*,Cbj*+D=0 式.12 また、標本点(Lj*,aj*,bj*)CRTを通る における垂線の足の座標(Lj*′,aj*′,bj*′)は
式.13〜15のように表せる。 すなわち、 したがって、最終的な移動点(Lj*,aj*,bj*)
は、複製画像における色再現範囲内に存在する標本点に
ついては、前述した(Lj*,aj*,bj*)″と等しいが、
これに対して、オリジナル画像における色再現範囲内に
存在する色のうち、複製画像における色再現範囲外に存
在する色の標本点についての最終的な移動点(Lj*,aj
*,bj*)は(Lj*′,aj*′,bj*′)と等しくな
る。 このように、最終的な移動点(Lj*,aj*,bj*)が
算出できたが、この最終的な移動点(Lj*,aj*,bj*)
に対して最小二乗近似を行なって、オリジナル画像と
複製画像との色差が最小になるような関数φ-1・fを求
める。このようにして得られた関数φ-1・f、つまり係
数列16aに基づいてルックアップテーブルを生成し、こ
のルックアップテーブルを参照しつつオリジナル画像に
対して補正を行なえば、複製画像における色再現範囲は
オリジナル画像における色再現範囲と整合し、しかも、
白色点及び無彩色軸も整合していることから、係数列16
aが目的とする、オリジナル画像の色彩イメージが忠実
に再現された複製画像を得ることができる。 すなわち、S4においてルックアップテーブルの生成が
完了すると、制御措置は、フレームメモリ10よりRGBバ
ス11を介して順次オリジナル画像情報を読出し、S4にお
いてあらかじめ生成しておいた、オリジナル画像情報を
アドレスとするルックアップテーブルのデータを参照し
つつ、オリジナル画像の色彩イメージを、複製画像上に
忠実に再現するための変換処理を実行する(S5)。な
お、S5において行なわれる変換処理により、RGB信号の
形態で入力されたオリジナル画像情報は、TMC信号の形
態の複製画像情報に変換されることになる。 さらに、制御装置は、S5において変換した複製画像情
報のうち、1ライン分の画像情報を、YMCバス13を介し
て順次ラインバッファメモリ14の所定のアドレスに格納
する命令を行なう。ラインバッファメモリ14に1ライン
分の画像情報が格納されると、制御装置は、ラインバッ
ファメモリ14により順次画像情報を読出す命令を行な
い、ここで読出した画像情報をYMCバス13を介してプリ
ントメカニズム15に転送する命令を実行する。そして、
制御装置は、入力された画像情報に基づいてプリントメ
カニズム15を駆動する命令を実行し、これを受けてプリ
ントメカニズム15は1ライン分の画像情報をプリントア
ウトしてプリントドットが形成される(S6)。 S6終了後、制御装置は、最終ラインの画像情報がプリ
ントアウトされたか否かの判断を行ない(S7)、最終ラ
インがプリントアウトされたと判断された場合にはS2へ
戻り再度プリントスイッチがオンされるまで待ち、一
方、最終ラインがプリントアウトされていないと判断さ
れた場合にはS5へ戻り以下のステップを繰り返す。 以上のように、本実施例においては、オリジナル画像
の色彩イメージが忠実に再現された複製画像を得ること
を目的とする係数列を例示して説明したが、この他に前
記係数列として、例えば、第1係数は第1CRTディスプレ
イ用、一方第2係数列は第2CRTディスプレイ用という様
に、あるいは、CG画像には第3係数列、一方人物画には
第4係数列という様に、入力系の事情に合わせた複数の
係数列を用意しても良く、また、例えば、出力系として
のインクジェットプリンタのインクの種類、または記録
媒体の種類等の出力系の事情に合わせて複数の係数列を
用意しても良い。 さらに、特に忠実な再現性にこだわらなければ、入力
系のオリジナル画像に対して、例えば、コントラストを
強調させたり、画像の輪郭部分を強調させたり等の画像
処理を行なう係数列を必要に応じて用意することもでき
る。これは、オリジナル画像と複製画像との両者の色の
特性を分析することにより容易に実現可能である。 最後に、本実施例中、出力系としてのインクジェット
プリンタ内部の記憶装置に、係数列を格納する様例示し
たが、特にこれに限定されるものではなく、例えば、適
当なインターフェースを介して接続されたホストコンピ
ュータ等から、所望の複製画像が得られる係数列を出力
系に転送することにより、所望の画像補正が実行可能で
ある。 発明の効果 以上詳細に説明したように、本発明によれば、オリジ
ナル画像と複製画像との夫々の色再現範囲内に存在する
各々の白色点及び無彩色軸を整合し、その整合に基づい
て複製画像の色再現範囲を補正して、オリジナル画像の
色再現範囲と整合させることとしたので、白色点あるい
は無彩色軸を整合する点について全く考慮していない従
来のカラー画像処理方法と比較して、白レベルあるいは
色相がずれつつ階調表現がなされる等の不具合がなくな
るため、したがって、きわめて自然で、かつ、オリジナ
ル画像の色彩イメージが忠実に再現された複製画像を得
ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係るカラー画像処理方法を実現する装
置間におけるカラー画像信号の処理回路、第2図は本発
明を実現する装置構成の一実施例を示す概略構成図、第
3図は本発明の説明に供するインクジェットプリンタの
動作フローチャート、第4図乃至第7図は本発明の説明
に供する図、第8図は本発明と従来例との説明に供する
図である。 1…コンピュータグラフィックス装置(入力系)、2…
カラーCRTディスプレイ(入力系)、7…インクジェッ
トプリンタ(出力系)、16…係数列。
置間におけるカラー画像信号の処理回路、第2図は本発
明を実現する装置構成の一実施例を示す概略構成図、第
3図は本発明の説明に供するインクジェットプリンタの
動作フローチャート、第4図乃至第7図は本発明の説明
に供する図、第8図は本発明と従来例との説明に供する
図である。 1…コンピュータグラフィックス装置(入力系)、2…
カラーCRTディスプレイ(入力系)、7…インクジェッ
トプリンタ(出力系)、16…係数列。
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.入力系におけるオリジナル画像の色紙イメージを、
出力系における複製画像上に忠実に再現するためのカラ
ー画像処理方法であって、 前記オリジナル画像と前記複製画像との夫々の色再現範
囲内に存在する各々の白色点及び無彩色軸を整合し、そ
の整合に基づいて前記複製画像の色再現範囲を補正し
て、オリジナル画像の色再現範囲と整合させることを特
徴とするカラー画像処理方法。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62323818A JP2893682B2 (ja) | 1987-12-23 | 1987-12-23 | カラー画像処理方法 |
US07/287,841 US5073818A (en) | 1987-12-23 | 1988-12-21 | Method for processing color image and apparatus therefor |
EP88121523A EP0321983B1 (en) | 1987-12-23 | 1988-12-22 | Method for processing color image and apparatus therefor |
DE88121523T DE3884170T2 (de) | 1987-12-23 | 1988-12-22 | Verfahren und Vorrichtung zur Farbbildverarbeitung. |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62323818A JP2893682B2 (ja) | 1987-12-23 | 1987-12-23 | カラー画像処理方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01167791A JPH01167791A (ja) | 1989-07-03 |
JP2893682B2 true JP2893682B2 (ja) | 1999-05-24 |
Family
ID=18158942
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62323818A Expired - Lifetime JP2893682B2 (ja) | 1987-12-23 | 1987-12-23 | カラー画像処理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2893682B2 (ja) |
Families Citing this family (8)
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JP3744808B2 (ja) | 2001-03-28 | 2006-02-15 | セイコーエプソン株式会社 | 画像処理装置、画像処理方法、プログラムおよび記録媒体 |
JP4205000B2 (ja) | 2004-03-05 | 2009-01-07 | コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 | 画像処理装置、画像出力装置、画像入力装置、および複合機 |
JP4592089B2 (ja) * | 2005-06-02 | 2010-12-01 | キヤノン株式会社 | 画像処理方法、プロファイル作成方法および画像処理装置 |
JP4909308B2 (ja) * | 2008-03-25 | 2012-04-04 | キヤノン株式会社 | 画像処理方法及び装置 |
JP4909428B2 (ja) * | 2010-04-06 | 2012-04-04 | キヤノン株式会社 | 画像処理方法及び装置 |
JP4818459B2 (ja) * | 2010-10-28 | 2011-11-16 | キヤノン株式会社 | 画像処理方法及び装置 |
JP5761491B2 (ja) | 2010-12-24 | 2015-08-12 | 富士ゼロックス株式会社 | 色処理装置及び色処理プログラム |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS60197072A (ja) * | 1984-03-21 | 1985-10-05 | Hitachi Ltd | カラ−画像情報の符号化処理方法 |
-
1987
- 1987-12-23 JP JP62323818A patent/JP2893682B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01167791A (ja) | 1989-07-03 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
EXPY | Cancellation because of completion of term |