JP2891252B1 - ケーブル保持装置 - Google Patents

Abstract

【要約】 【課題】 ケーブルの種類及びその外径と本数に依存さ
れずにケーブルを容易に固定し、かつ、ケーブル保持力
の調整可能な機構を有し、実装領域の狭域化を図ること
ができるケーブル保持装置を提供する。 【解決手段】 ケーブル保持装置は、異なる外径のケー
ブル１及び２を押さえるための各々２個からなる角型の
ケーブル押さえ片３及び４と、ケーブル押さえ片３及び
４の各々をケーブル１，２に対して案内自在に支持する
ための案内板５と、任意の数量の案内板５を連続的に取
り付け可能な２つの固定金具６と、締め込むことによっ
て、ケーブル押さえ片３、４を案内板５の切溝５ａに沿
って移動させ、ケーブル１、２を両側から圧接するため
のねじ７ａとを含んでいる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、電子装置に関し、
特に通信装置などのケーブル導入口部におけるケーブル
を保持するケーブル保持装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】電子装置のケーブル導入口部におけるケ
ーブル保持装置は、電子装置内に導入されるケーブル毎
にその外径に適合したブッシングを多種多様使用し、ブ
ッシング取付用の専用孔を有する電子装置のケーブル導
入口部に対して、ケーブルを電子装置内に導入した後ブ
ッシングを固定していた。

【０００３】この他にもケーブルを保持するものとし
て、特開平６−８５４７０号公報に記載されているケー
ブルクランパがある。図４に従来公知のケーブルクラン
プの概略構成を示す。ケーブルクランプは図４に示すよ
うに、金属板をコ字形に折り曲げしたケーブル保持部３
１と、このケーブル保持部３１の両端を開脚しケーブル
サポート金具３２に固定する取付足３３と、ケーブル保
持部３１の頂部に螺入れした押しねじ３４の先端に押さ
れて、ケーブル保持部３１に挿通したケーブル３５をケ
ーブルサポート金具３２に圧接する押さえ具３５とで構
成されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上記のブッシングを使
用する従来技術には次のような問題点がある。

【０００５】第１の問題点としては、電子装置のケーブ
ル導入口部に対してケーブルの外径に適合したブッシン
グ取付用の専用孔を設け、ケーブル毎にブッシングを専
用孔に取り付けているため、作業能率が悪化することで
ある。その理由は、ブッシングのケーブル保持力を強固
にするため、ケーブルの種類に関わらずケーブルの外径
でブッシングを選択し、ブッシングにケーブルを挟み込
んだ後、ブッシングを手指で可能な限り圧縮し、電子装
置のブッシング取付用の専用孔に差し込むか、または電
子装置のケーブル導入口部の底板に両側からブッシング
で挟み込み、ブッシングの頭部を回転させることによ
り、ケーブルの締め付けと電子装置への固定を同時に行
うためである。

【０００６】第２の問題点は、ケーブルの外径に適合し
たブッシングを使用するため、電子装置に対してブッシ
ング取付用の専用孔をケーブル外径及び本数に合わせて
設ける必要があることである。その理由は、電子装置外
部から導入されるケーブルの外径及び本数によって、ケ
ーブル固定部材及びケーブル導入口部の形状が専用にな
ってしまい、ケーブルの仕様が事前に特定されていまう
からである。

【０００７】第３の問題点は、ブッシングが電子装置の
外部に突出することである。その理由は、電子装置のケ
ーブル導入口部に対して、ブッシングを差し込むか、ま
たは挟み込む取付構造となっているためである。

【０００８】また、特開平６−８５４７０号公報に記載
されているケーブルクランパには次のような問題点があ
る。

【０００９】上記のケーブルクランプでは、ケーブル保
持力を調整する押しねじを過剰に締め付けると、押さえ
具によってケーブルが断線する危険性がある。また、取
付足とケーブルの間に隙間を生じるとともに取付足が可
動することで安全性に欠け、実装領域の拡大となる欠点
があった。

【００１０】本発明は、上記のような従来技術の問題点
を解決するものであり、ケーブルの種類及びその外径と
本数に依存されずにケーブルを容易に固定し、かつ、ケ
ーブル保持力の調整可能な機構を有し、実装領域の狭域
化を図ることができるケーブル保持装置を提供すること
を目的とする。

【００１１】

【発明を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、電子装置内部に導入された複数本の異なる
外径のケーブルを、ケーブル導入口で保持するケーブル
保持装置であって、前記各ケーブルを両側から押さえる
ための複数のケーブル押さえ片と、前記各ケーブル押さ
え片を前記各ケーブルに対して摺動自在に案内する複数
の案内板と、前記複数本のケーブルが間に位置するよう
に前記ケーブル導入口の周辺に固定され、任意の数量の
前記案内板が連続して並ぶように取り付けられた２つの
固定金具と、前記固定金具を貫通して前記各案内板にね
じ込まれ、さらに前記各案内板に装着された前記ケーブ
ル押さえ片をケーブルに向けて移動させるねじとを備え
たことを特徴とする。

【００１２】具体的には前記ケーブル押さえ片は角型部
材からなり、前記各ケーブルの外径に適合したＵ字溝と
両端に凸部を有しており、前記案内板は前記ケーブル押
さえ片を収容する凹部を有し、該凹部内の両側面には前
記ケーブル押さえ片の両端の凸部を挿入可能な切溝が設
けられ、前記凹部の底面には雌ネジが切られた貫通のね
じ穴が設けられている。

【００１３】ケーブルの未導入の場合、前記ケーブル押
さえ片に代えて、前記ケーブル押さえ片と同じように端
面に凸部を有するがＵ字溝は持たない角型の塞ぎ片を使
用することが好ましい。

【００１４】さらに、前記固定金具は、前記案内板の側
面が接するように前記案内板を連続して取り付けるため
の平面状の第１の取付部を含み、該第１の取付部には、
前記案内板のねじ穴とねじ締め可能な前記ねじを通す貫
通孔が設けられている。

【００１５】前記固定金具には、前記案内板のねじ穴に
対して前記ねじを回転させている時に前記案内板が回転
することを防止する案内板回転防止部が形成されている
事が好ましい。

【００１６】加えて、前記固定金具は前記第１の取付部
に対して垂直であって固定金具自身を電子装置に取り付
けるための平面状の第２の取付部をさらに有する。

【００１７】（作用）上記のとおりの発明では、ケーブ
ル押さえ片を案内板に挿入し、固定金具の貫通孔を介し
て案内板をねじで仮固定し、ケーブルの両側から挟み込
み電子装置のケーブル導入口の周辺に固定金具を固定し
た後、前記仮固定されたねじを締め付けることにより、
案内板の切溝に沿ってケーブル押さえ片が移動しケーブ
ルを圧接する。このときのケーブル保持力はねじの締め
付け量によって調整可能となる。また、固定金具に案内
板を連続的に取り付けることによって実装領域の狭領化
が図れる。

【００１８】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。

【００１９】図１は本発明の実施形態のケーブル保持装
置を示す分解図、図２は図１は本発明の実施形態のケー
ブル保持装置によるケーブル保持状態を示す組立図、図
３は図２のＡ―Ａ’線断面図である。

【００２０】この形態のケーブル保持装置は複数本の異
なる外径のケーブルを電子装置のケーブル導入口より装
置内部に導入した後、そのケーブル導入口で各ケーブル
を保持、固定するものである。この装置は例えば図１に
示すように、異なる外径のケーブル１及び２を押さえる
ための各々２個からなる角型のケーブル押さえ片３及び
４と、ケーブル押さえ片３及び４の各々をケーブル１，
２に対して案内自在に支持するための案内板５と、任意
の数量の案内板５を連続的に取り付け可能な２つの固定
金具６とを備えている。

【００２１】具体的に上記の２個のケーブル押さえ片３
の各々はケーブル１の外径に適合したＵ字溝３ａと両端
に凸部３ｂを有しており、これと同様に２個のケーブル
押さえ片４の各々はケーブル２の外径に適合したＵ字溝
４ａと両端に凸部４ｂを有している。

【００２２】各案内板５はケーブル押さえ片３、４を収
容する凹部を有し、該凹部内の両側面にはケーブル押さ
え片３、４の凸部３ｂ、４ｂを挿入可能な切溝５ａが設
けられ、前記凹部の底面には雌ネジが切られた貫通のね
じ穴５ｂが設けられている。

【００２３】固定金具６は、案内板５の側面が接するよ
うに案内板５を連続して取り付けるための平面状の第１
の取付部１０と、第１の取付部１０に対して垂直であっ
て固定金具６自身を電子装置に取り付けるための平面状
の第２の取付部１１とを含んで構成される。第１の取付
部１０には、側面どうしが接するように連続して取り付
けられる案内板５のねじ穴５ｂとねじ締め可能なねじ７
ａを通す貫通孔６ａが設けられている。第２の取付部１
１には、固定金具６を電子装置に取り付ける際に使用す
るねじ７ｂを通す貫通孔６ｂが形成されている。但し、
貫通孔６ａはねじ７ａの頭部を、貫通孔６ｂはねじ７ｂ
の頭部は通さないように設定されている。なお、固定金
具６には、案内板５のねじ穴５ｂに対してねじ７ａを回
転させている時に案内板５が回転することを防止する案
内板回転防止部１２が形成されていることが好ましい。

【００２４】次に、図１乃至図３に基づき、上記の構成
部品によるケーブルの保持方法について説明する。ここ
では、電子装置のケーブル導入口に導入された異なる外
径のケーブル１とケーブル２を固定する場合を例に採っ
て説明する。

【００２５】まず、ケーブル押さえ片３と４とをそれぞ
れ案内板５に切溝５ａに沿って挿入する。そして、ケー
ブル押さえ片３を装着した２個の案内板５をケーブル１
の両側に配置する。ケーブル２の両側にも、ケーブル押
さえ片４を装着した２個の案内板５を配置する。このと
き、ケーブル１に対してはケーブル押さえ片３のＵ字溝
３ａを合わせ、ケーブル２に対してはケーブル押さえ片
４のＵ字溝４ａを合わせておく。

【００２６】上記の状態を維持するように、各案内板５
のねじ穴５ｂにねじ７ａを固定金具６の貫通孔６ａを通
して緩くねじ締め、固定金具６に対して各案内板５を仮
固定する。さらに、電子装置のケーブル導入口８の周辺
のねじ穴８ａにねじ７ｂを固定金具６の貫通孔６ｂを通
してねじ締め、固定金具６を電子装置に固定する。図２
は固定金具６を電子装置に固定する直前の状態を表して
いる。

【００２７】固定金具６を電子装置に固定した後、さら
に前記仮固定のねじ７ａを締め込むことによって、ケー
ブル押さえ片３、４が案内板５の切溝５ａに沿って移動
し、ケーブル１、２が両側から圧接される（図３参
照）。このときの各ケーブル１、２の保持力はねじ７ａ
のねじ締め量により調整することができる。

【００２８】ケーブル１又は２などが電子装置のケーブ
ル導入口８に導入されていない場合は、図１及び２に示
すようにケーブルの無い箇所に、ケーブル押さえ片３，
４に代えて、ケーブル押さえ片３，４と同じように端面
に凸部を有するがＵ字溝は持たない角型の塞ぎ片９を使
用する。ケーブルが未導入の場合、上述したケーブル押
さえ片３，４を使用したままだと、ケーブル１，２を押
さえるためのＵ字溝３ａ，４ａにより電子装置のケーブ
ル導入口８の密閉性を損なってしまう。しかし本形態で
は、ケーブルの未導入箇所に対応して塞ぎ片９を使用す
るため、電子装置のケーブル導入口８の密閉性が高ま
る。これにより、、電子装置内外部からのノイズの進入
流出経路を閉鎖し電子装置内外部からの影響を断ち、電
子装置の信頼性を向上させることができる。

【００２９】また、ケーブルの太さ変更に対応してケー
ブル押さえ片３，４等を交換することで、電子装置に汎
用性を持たせることができる。

【００３０】

【発明の効果】本発明は以上説明したように構成されて
いるので、以下の効果を奏する。

【００３１】第１の効果は、電子装置のケーブル導入口
部に対して、ブッシング取付用の専用孔に関係なく、任
意の孔を設けられ、本ケーブル保持装置を使用すること
により、ケーブル固定作業が容易となる。その理由は、
電子装置のケーブル導入口部の孔を任意の大きさにでき
ることで、ケーブルの導入を容易にし、且つケーブルの
先端にコネクタ付きの状態でもケーブル導入が行える。
また、ケーブルの保持力調整が汎用の工具でできるよう
になる。

【００３２】第２の効果は、ケーブル仕様が特定されな
い場合でも、電子装置のケーブル導入口部に任意の孔が
設けられることである。これにより、装置構成の簡素化
ができるようになる。その理由は、ケーブル押さえ片が
ケーブルの外径に合わせ、交換可能のため、部分的な部
材の変更で対応できるからである。

【００３３】第３の効果は、電子装置の外部にケーブル
固定部材が突出しないことである。その理由は、ケーブ
ルの保持部分を装置内部に取り込むことが可能となった
からである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施形態によるケーブル固定構造の分
解図である。

【図２】本発明の実施形態によるケーブル固定構造の組
立て図である。

【図３】図２のＡ―Ａ’線断面図である。

【図４】従来公知のケーブルクランプを示す概略構成図
である。

【符号の説明】

１、２ ケーブル ３、４ ケーブル押さえ片 ５ 案内板 ５ａ 切溝 ５ｂ、８ａ ねじ穴 ６ 固定金具 ６ａ、６ｂ 貫通孔 ７ａ、７ｂ ねじ ８ 電子装置のケーブル導入口 ９ 塞ぎ片 ９ａ 凸部 １０ 第１の取付部 １１ 第２の取付部 １２ 案内板回転防止部

Claims (6)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 電子装置内部に導入された複数本の異な
   る外径のケーブルを、ケーブル導入口で保持するケーブ
   ル保持装置であって、 前記各ケーブルを両側から押さえるための複数のケーブ
   ル押さえ片と、 前記各ケーブル押さえ片を前記各ケーブルに対して摺動
   自在に案内する複数の案内板と、 前記複数本のケーブルが間に位置するように前記ケーブ
   ル導入口の周辺に固定され、任意の数量の前記案内板が
   連続して並ぶように取り付けられた２つの固定金具と、 前記固定金具を貫通して前記各案内板にねじ込まれ、さ
   らに前記各案内板に装着された前記ケーブル押さえ片を
   ケーブルに向けて移動させるねじと、を備えたことを特
   徴とするケーブル保持装置。
2. 【請求項２】 前記ケーブル押さえ片は角型部材からな
   り、前記各ケーブルの外径に適合したＵ字溝と両端に凸
   部を有しており、前記案内板は前記ケーブル押さえ片を
   収容する凹部を有し、該凹部内の両側面には前記ケーブ
   ル押さえ片の両端の凸部を挿入可能な切溝が設けられ、
   前記凹部の底面には雌ネジが切られた貫通のねじ穴が設
   けられている請求項１に記載のケーブル保持装置。
3. 【請求項３】 ケーブルの未導入の場合、前記ケーブル
   押さえ片に代えて、前記ケーブル押さえ片と同じように
   端面に凸部を有するがＵ字溝は持たない角型の塞ぎ片を
   使用する請求項２に記載のケーブル保持装置。
4. 【請求項４】 前記固定金具は、前記案内板の側面が接
   するように前記案内板を連続して取り付けるための平面
   状の第１の取付部を含み、該第１の取付部には、前記案
   内板のねじ穴とねじ締め可能な前記ねじを通す貫通孔が
   設けられている請求項３に記載のケーブル保持装置。
5. 【請求項５】 前記固定金具には、前記案内板のねじ穴
   に対して前記ねじを回転させている時に前記案内板が回
   転することを防止する案内板回転防止部が形成されてい
   る請求項４に記載のケーブル保持装置。
6. 【請求項６】 前記固定金具は前記第１の取付部に対し
   て垂直であって固定金具自身を電子装置に取り付けるた
   めの平面状の第２の取付部をさらに有する請求項４又は
   ５に記載のケーブル保持装置。