JP2887924B2 - 電子内視鏡装置 - Google Patents

電子内視鏡装置

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JP2887924B2
JP2887924B2 JP3050088A JP5008891A JP2887924B2 JP 2887924 B2 JP2887924 B2 JP 2887924B2 JP 3050088 A JP3050088 A JP 3050088A JP 5008891 A JP5008891 A JP 5008891A JP 2887924 B2 JP2887924 B2 JP 2887924B2
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茂 西村
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、医療用,工業用等とし
て用いられる電子内視鏡に関し、特に固体撮像素子を面
順次方式で駆動して、被写体の映像を撮影する際におい
て、動画像と静止画像とを同時にモニタ装置に表示する
ことができるようにした電子内視鏡装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】電子内視鏡は、周知の如く、体腔等に挿
入される挿入部の先端にCCD等の固体撮像素子を設け
てなるものであって、挿入部を細径化する関係から、固
体撮像素子としては、単板からなる固体撮像素子を用
い、しかも解像度向上等の見地からこの固体撮像素子を
面順次方式で駆動して、例えばR(赤),G(緑)及び
B(青)の3色の画像データを順次取得し、これら3色
の画像を合成することによって、同時式のビデオ信号を
生成してモニタ装置に被写体のカラー映像を表示するよ
うにしている。また、この被写体像を動画状態だけでな
く、静止画状態にして表示したり、そのハードコピーを
作成したりすることもできるようになっている。このよ
うに静止した画像、即ちフリーズ画像を取得するための
フリーズ制御機構を備えている。
【0003】ここで、被写体の完全なカラー画像を取得
するためには、経時的に異なる複数の画像データ(フィ
ールド画像の場合にはR,G,Bの各色の3つの画像デ
ータ、フレーム画像の場合には、奇数,偶数のフィール
ドにおけるR,G,Bの各色の6つの画像データ)を合
成しなければならないために、被写体と挿入部に設けた
固体撮像素子との間に相対的な動きがあると、動画状態
で表示する場合には格別大きな問題とはならないが、静
止画として表示する場合には、画像に色ずれが生じて解
像度が悪く、見にくいものとなる。従って、静止画を取
得する場合には、フリーズ画像を色ずれのない鮮明な状
態にして撮影するために、固体撮像素子から連続的に取
得される画像に基づいて被写体の動きを検出し、画像の
フリーズ制御がなされても直ちには画像をフリーズせ
ず、この動き検出回路により被写体が静止していること
を検出したときに初めて画像フリーズを行うようにして
いる。具体的には、固体撮像素子からの信号を処理して
A/D変換する前の段階で、この画像信号を動き検出回
路に取り込んで、前後のフィールドの画像データを比較
することによって、動きの有無を検出して、被写体が静
止しているか、または動きがあっても、色ずれが生じな
い程度のものであるときに、画像メモリ回路のデータ更
新を禁止すると共に、この状態の画像をモニタ装置に表
示される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前述したよ
うに、画像フリーズ操作時の制御を行った後に初めて被
写体の動き検出が開始して、その後において被写体が静
止したときに、その画像をフリーズさせるようにしたの
では、被写体の状態等によっては、フリーズ操作してか
ら実際にフリーズ画像が表示されるまでの間にかなり長
い時間が経過することがあり、甚だしい場合には、必要
とする検査部位及び状態の画像をタイミングよく表示す
ることができなくなるという欠点がある。
【0005】そこで、本発明者は画像メモリ手段と並列
に静止画メモリ手段を設け、画像フリーズを行っていな
い間でも、フリーズ画像として色ずれの生じない画像が
得られる毎に静止画メモリ手段に逐次書き込むようにな
し、フリーズ操作が行われたときに、この静止画メモリ
手段に記録されている最新の静止画像に関するデータを
直ちに出力するように構成したものを開発し、特願平2
−139044号として特許出願をした。この先願発明
の装置を用いれば、フリーズ操作に対する応答性を良好
ならしめ、かつ現在観察している部位及び状態に最も近
いフリーズ画像を表示することができるようになる等極
めて優れた利点があるが、なおこの先願発明には改良の
余地がない訳ではない。
【0006】一般に、内視鏡検査において、被写体像を
動画状態で観察する必要があるのは当然として、患部そ
の他の部位を精査する場合等においては、静止画像で表
示するのがきわめて有利である。また、検査に最適の部
位及びタイミングにおける静止画像を取得するには、あ
る種のサーチを行うことができるようになっていること
が必要である。例えば、体腔内を動画状態にして観察し
ている間に、特定の部位において患部の可能性のある部
位を発見したときには、フリーズ操作して画像をフリー
ズさせるが、必ずしも最適のフリーズ画像が表示できる
とは限らない。静止画メモリ手段から順次出力される静
止画像を表示することができるようになっておれば、そ
の中から最適なフリーズ画像を取得することができる可
能性が高まる。また、表示自体を考えたときに、動画状
態で表示している間において、静止画像を同時に表示で
きたり、また静止画像を表示している間にも、動画の表
示を行うことができるようにすることが好ましい場合が
多い。
【0007】本発明は前述の点に鑑みてなされたもので
あって、動画状態の画像と静止画像または準静止画像と
を同時に表示することができるようにした電子内視鏡装
置を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】前述した目的を達成する
ために、本発明は、それぞれ相異なる波長光をもって被
写体に向けて順次照明を行う照明手段と、この順次照明
下で各色の波長光による被写体を撮影する撮像手段と、
この撮像手段からの各色の画像信号の処理を行う映像信
号処理手段と、この映像信号処理手段により処理された
各色の画像データを記憶するフィールドメモリ回路と、
このフィールドメモリ回路と並列に設けられ、前記映像
信号処理手段からの画像データを選択的に取り込む静止
画メモリ回路と、被写体に動きがあるか否かを検出する
動き検出手段と、この動き検出手段からの信号に基づい
て静止画メモリ回路の書き込み,読み出しの動作制御を
行う静止画制御手段と、前記静止画メモリ回路における
データの更新を禁止する画像フリーズ手段とを備えるこ
とによって、動画像と、完全な静止画像からなるフリー
ズ画像と、順次切り換わる静止画像からなる準フリーズ
画像との3種類の画像データを取得し、動画像と、フリ
ーズ画像または準フリーズ画像との2画面をモニタ装置
に表示可能な構成としたことをその特徴とするものであ
る。
【0009】
【作用】被写体を撮影している間においては、静止画像
として色ずれが発生しない画像データは動き検出手段か
らの信号に基づいて逐次静止画メモリ回路に書き込ま
れ、フリーズ操作が行われると、この静止画メモリ回路
の記憶内容の書き換えが禁止される。従って、フィール
ドメモリ回路によって動画信号を取得すると同時に、静
止画メモリ回路によって静止画信号も同時に取得するこ
とができ、静止画信号はフリーズ操作が行われていない
場合には、順次切り換わる準フリーズ画像となり、フリ
ーズ操作が行われると、完全なフリーズ画像が得られ
る。そこで、モニタ装置に動画と静止画との2つの画像
表示を行う。この2つの画像表示は、2個のモニタ装置
を用いて行うこともできるが、1個のモニタ装置におい
て、親子画面表示とすることも可能である。特に、電子
内視鏡の画像の表示は、通常、中央部分に略円形にトリ
ミングして、周辺部分をマスキングした状態に表示する
場合が多いことから、このマスキングされた部位に子画
面領域を形成しておけば、親子の両画面を相互に干渉す
ることなく表示することができる。従って、親画面に動
画を表示しながら、子画面ではフリーズ画像を表示する
動画−フリーズ画表示モード、親画面ではフリーズ画を
表示し、子画面に動画を表示するフリーズ画−動画表示
モード、親画面で動画を表示し、子画面で準フリーズ画
像を表示する動画−準フリーズ画表示モード、親画面で
準フリーズ画を表示し、子画面に動画を表示する準フリ
ーズ画−動画表示モードの4種類の表示モードを適宜選
択して表示することができる。また、動画,フリーズ画
または準フリーズ画を単独で表示する単独表示モードも
選択可能となる。この結果、表示モードを適宜選択する
ことによって、内視鏡による検査,診断をより効率的に
行うことができる。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。まず、図1において、1は内視鏡、10は光
源装置、20はプロセッサをそれぞれ示す。内視鏡1は患
者の体腔等の内部に挿入される挿入部1aを有し、この挿
入部1aの先端部分には、照明光照射部2,観察部3が設
けられている。照明光照射部2には、ライトガイド4の
出射端4aが臨み、また観察部3には対物レンズ5が装着
されると共に、この対物レンズ5の結像位置には撮像手
段としてCCD6が設けられている。
【0011】ライトガイド4の他端は光源装置10内に導
かれている。光源装置10には、光源ランプ11が設けられ
ており、またこの光源ランプ11とライトガイド4の入射
端4bとの間には光源ランプ11側から絞り12,コンデンサ
レンズ13及び回転カラーフィルタ14が順次配設されてい
る。回転カラーフィルタ14はR(赤)の波長光を選択的
に透過させるRフィルタ域14Rと、G(緑)の波長光を
選択的に透過させるGフィルタ域14Gと、B(青)の波
長光を選択的に透過させるBフィルタ域14Bとが、それ
ぞれ間に遮光域を挟んで設けられている。従って、この
回転カラーフィルタ14を回転させると、それぞれ間に遮
光期間を挟んでR,G,Bの順次照明がライトガイド4
から被写体に向けて照射されることになる。
【0012】そして、R,G,Bの各照明期間において
CCD6に信号電荷が蓄積され、遮光期間になると、こ
のCCD6に蓄積された信号電荷が読み出されて、プロ
セッサ20に伝送されて、その信号の処理が行われる。即
ち、CCD6からの信号はまず映像信号処理回路21に伝
送されて、信号クランプ,ブランキング処理,ガンマ補
正等周知の信号処理が行われる。このようにして信号処
理された後に、A/D変換器22によってデジタル信号に
変換されて、各色のフィールド画像信号がフィールドメ
モリ回路23を構成するR,G,Bの各メモリ23R,23
G,23Bにそれぞれ記憶される。このようにしてフィー
ルドメモリ回路23にR,G,Bの各色のフィールド画像
信号が記憶された状態において、例えば、Rのフィール
ド画像信号がこのフィールドメモリ回路23に取り込まれ
ると、メモリ23Rの画像データが更新され、これと同時
に、既にフィールドメモリ回路23に記憶されているG,
Bの2色のフィールド画像信号がこのRフィールドのリ
アルタイム信号と共に読み出されて、D/A変換器24
R,24G,24Bによりアナログ信号に変換されて、同時
式の映像信号として出力されることになる。そして、こ
のフィールドメモリ回路23における各メモリ23R,23
G,23Bの書き換え更新の制御を行うために、回転カラ
ーフィルタ14における各フィルタ域14R,14G,14Bの
いずれが照明光路に臨んでいるかの検出を行うセンサ25
が設けられ、このセンサ25から発生する基準信号で作ら
れたR,G,Bの各イネイブル信号(R−EN,G−E
N,B−EN信号)がメモリ制御回路26に入力されて、
このメモリ制御回路26から出力されるVD(垂直同期信
号),HD(水平同期信号)及びR−EN,G−EN,
B−ENからなる制御信号に基づいてメモリ23R,23
G,23Bへのデータの書き込み及び読み出し制御がなさ
れる。そして、このフィールドメモリ回路23からの出力
信号は、カラーエンコーダ等を備えた信号出力回路27に
おいて、R,G,Bの3色の信号を合成してNTSC等
のビデオ信号を生成し、これをモニタ装置40に表示され
る。
【0013】次に、フリーズ画像を作成するための回路
構成としては、フィールドメモリ回路23と並列に設けた
静止画メモリ回路30を有し、この静止画メモリ回路30
は、フィールドメモリ回路23と同様にRメモリ30Rと、
Gメモリ30Gと、Bメモリ30Bとから構成されており、
これら各メモリ30R,30G,30BにはA/D変換器22に
よってデジタル信号とした画像信号が取り込まれるよう
になっている。ただし、この静止画メモリ回路30は、フ
ィールドメモリ回路23とは異なり、CCD6からの出力
信号が全て取り込まれるのではなく、動きのない画像信
号を選択的に取り込むように構成されている。そして、
これら各メモリ30R,30G,30Bの出力信号はノイズの
低減を図るためのノイズリデューサ31R,31G,31Bを
介して出力されるようになっている。この静止画メモリ
回路30の各メモリ30R,30G,30Bからの静止画信号
は、前述したフィールドメモリ回路23を介して出力され
る経路とは別個に、ノイズリデューサ31R,31G,31B
によってノイズを除去,提言させた上で、D/A変換器
32R,32G,32Bによりデジタル信号に変換されて、信
号出力回路27に出力されるようになっている。そして、
この静止画メモリ回路30からの出力信号は、モニタ装置
40に表示することができ、またこの信号出力回路27に接
続したVTRや磁気ディスク,光ディスク等の外部記憶
装置41に記憶させることができるようにもなっている。
【0014】ここで、静止画メモリ回路30には、前述し
た如く、色ずれのない静止画像のみを選択的に取り込む
ようになっており、このために映像信号処理回路21から
の出力信号は、フリーズ制御回路33を介してこの静止画
メモリ回路30に伝送されるようになっている。このフリ
ーズ制御回路33は、CCD6から伝送される信号から被
写体の動きを検出して、動きがないと判定されたときに
のみ、A/D変換器22からの信号を取り込んで、記憶情
報の書き換えを行うことができるようになっている。而
して、動き検出はR,G,Bの各色画像それぞれにつき
行うこともできるが、例えばG画像信号、特に偶数フィ
ールドのG画像信号のみについて動き検出を行うのが動
き検出精度,処理の簡略化等の見地から好ましい。従っ
て、このG画像信号に基づいて動き検出を行った結果、
動きがないと判定されると、フィールド画像の場合に
は,これに続くG,B,Rの3つの画像データのサンプ
リング時間分(フレーム画像の場合には、奇数,偶数の
フィールドにおけるR,G,Bの各色の6つの画像デー
タのサンプリング時間分)だけ静止画メモリ回路30の書
き込み及び読み出しを可能ならしめるF−EN信号が、
メモリ制御回路26からのR,G,Bの各イネイブル信号
(R−EN,G−EN,B−EN信号)と共に静止画メ
モリ回路30に入力されて、このイネイブル信号のパルス
幅の期間内に各メモリ30R,30G,30Bに静止画データ
の書き込み及び読み出し動作が実行される。
【0015】そこで、図2に基づいてフリーズ制御回路
33の回路構成について説明する。以下の説明において
は、偶数フィールドのG画像信号に基づいてフリーズ制
御を行うように構成したものを示すが、本発明はこれに
限らず、任意のフィールド画像信号に基づいてフリーズ
制御を行うことができ、またフレーム画像の場合には、
6フィールド分のデータが取り込まれる以外はフィール
ド画像の場合と同様の動作が行われるものである。
【0016】而して、同図において、34は動き検出器を
示し、この動き検出器34には偶数フィールドのG画像信
号が入力される毎に、この信号と前回の偶数フィールド
のG画像信号(即ち、6フィールド前の信号)と輪郭等
の比較を行うことによって、被写体が静止しているか、
または動きがあるかの検出を行うことができるようにな
っている。この動き検出信号は偶数フィールドのG−E
N信号と共にフリップフロップ回路35に入力されるよう
になっている。また、このフリップフロップ回路35に
は、VDパルスとR−EN,G−EN,B−EN信号か
ら生成されるC−EN信号、即ち偶数フィールドのG−
EN信号の後、3フィールド分だけH(ハイ)レベルと
なり、次の3フィールド分はL(ロー)レベルとなる信
号がリセット信号として入力されるようになっている。
従って、このフリップフロップ回路35に入力されるG−
EN信号と動き検出信号に基づいて、動きがなければ、
静止画メモリ回路30に書き換え信号が入力されて、この
書き換え信号に基づいて静止画メモリ回路30の記憶内容
の書き換えが開始される。そして、この静止画メモリ回
路30の書き換え期間は、C−EN信号がHの状態を保持
している間だけ継続し、このC−ENパルスがLになる
と、この静止画メモリ回路30の書き換え期間が終了す
る。従って、このC−ENパルスは記憶内容の書き換え
可能な期間を規定するもので、これによって、このフリ
ップフロップ回路35からは静止画メモリ回路30の書き換
え可能信号F−EN信号が出力される。而して、このF
−EN信号は偶数フィールドのGーEN信号がHレベル
からLレベルに変化した直後において、3フィールドの
時間t1〜t3の時間間隔となっているので、最短の時
間でしかもR,G,Bの全てのメモリ30R,30G,30B
のデータが確実に書き換えられることになる。
【0017】ただし、このF−EN信号があれば、必ず
静止画メモリ回路30の書き換えが行われるのではなく、
フリーズ制御が行われたときには、たとえF−EN信号
が出力されたとしても、静止画メモリ回路30の記憶内容
の書き換えを実行させないようにしている。このため
に、フリップフロップ回路35の出力側には、NAND回
路36が接続されており、このNAND回路36にはフリッ
プフロップ回路35からのF−EN信号と共に、フリーズ
操作手段(図示せず)からの信号に基づいてHレベルと
Lレベルとに切り換わる(この場合、フリーズ選択が行
われていない場合にはHレベルで、フリーズ選択がなさ
れると、Lレベルに切り換わる)フリーズ選択手段37か
らの信号が入力されるようになっており、フリップフロ
ップ回路35からF−EN信号が出力されても、静止画メ
モリ回路30の書き換えが行われない。即ち、フリーズ選
択手段37がHレベル状態であるときにおいて、F−EN
信号がフリップフロップ回路35から出力されたときに限
り、静止画メモリ回路30に記憶内容の書き換え信号が加
えられるようになっている。ここで、フリーズ選択手段
37からのフリーズ選択信号は、VD信号に連動して切り
換わるものであり、R,G,Bの各イネイブル期間中に
フリーズ操作が行われても、フリーズ選択手段37はVD
信号が出力されるまではHレベルからLレベルに切り換
わらないようになっている。また、静止画メモリ回路30
の書き換えが実行されている間は、この書き換え実行が
開始すると、それが優先されて、その間にフリーズ操作
が行われても、書き換え禁止の指令は出されないように
なっている。
【0018】而して、前述したように、フリーズ操作が
行われていない状態で、静止画像が取得されると、その
度毎に静止画メモリ回路30の記憶内容が書き換えられる
が、この書き換え毎に静止画メモリ回路30から静止画デ
ータが出力されて、ノイズリデューサ31R,31G,31B
を介して信号出力回路27に送り込まれて、同時式の信号
に変換されて外部記憶装置41に順次取り込まれて、この
外部記憶装置41に記憶されるようになっている。
【0019】次に、モニタ装置40は、親子の2画面表示
が可能なものである。そして、この親子画面には、フィ
ールドメモリ回路23からの出力信号に基づいて動画状態
の画像と、静止画メモリ回路30からの信号による静止画
像とを同時に表示することができるようになっている。
ここで、静止画メモリ回路30から出力される信号として
は、フリーズ選択手段37によってフリーズ画像の選択が
行われていない場合には、静止画メモリ回路30における
信号の書き換え毎に更新される静止画、即ち準フリーズ
画となり、またフリーズ選択手段37によりフリーズ画像
の選択が行われると、その期間だけ完全に静止したフリ
ーズ画像となる。そして、信号出力回路27には、内視鏡
1の本体操作部等に設けられるモード選択手段(図示せ
ず)からの信号が入力されるモード選択端子28からのモ
ード選択信号が入力されるようになっており、このモー
ド選択信号に基づいて、モニタ装置40には、図4に示し
たように、 (a)親画面40aに動画が表示され、子画面40bにはフ
リーズ画像が表示される動画−フリーズ画表示モード
と、 (b)親画面40aではフリーズ画を表示し、子画面40b
に動画を表示するフリーズ画−動画表示モード、 (c)親画面40aで動画を表示し、子画面40bで準フリ
ーズ画像を表示する動画−準フリーズ画表示モード、 (d)親画面40aで準フリーズ画を表示し、子画面40b
に動画を表示する準フリーズ画−動画表示モード の4種類の同時画面表示モードを適宜選択して表示する
ことができるようになっている。また、動画,フリーズ
画,準フリーズ画のいずれかの画面を単独で表示する単
独表示モードも選択可能となっている。
【0020】本実施例は前述のように構成されるもので
あって、次にその作動について図3を参照して説明す
る。内視鏡1を体内等の所定の観察を行うべき部位に挿
入して、その先端部に設けたCCD6によって被写体の
像を撮像して、図3における(a)で示したVDパルス
によってこのCCD6からの信号が読み出されて、この
信号をプロセッサ20に伝送して、映像信号処理回路21で
処理することによって、図3の(b)に示したR,G,
Bの画像信号が取得される。このようにして得られる
R,G,Bの各色画像信号を時系列的に1から順番に番
号を付す。このようにして取得した画像信号はA/D変
換器22を介してデジタル信号に変換されて、フィールド
メモリ回路23に記憶せしめられる。そして、例えばRの
リアルタイム信号が伝送されたときに、メモリ制御回路
26からの信号に基づいてGメモリ23G及びBメモリ23B
の記憶信号を読み出して、これら3つの色画像信号をそ
れぞれD/A変換器24R,24G,24Bを介して信号出力
回路27に伝送されて、この信号出力回路27によってこれ
らの信号を合成して同時式の信号としてモニタ装置40に
伝送されて、被写体のカラー映像が表示される。
【0021】これと同時に、信号処理回路21からの信号
は動き検出器34に取り込まれて、例えば輪郭抽出等の処
理を実行することによって、動きの検出を行う。ここ
で、動き検出を行うためには、それ以前のデータ、即
ち、偶数フィールドのG信号を動き検出として用いるよ
うにしているので、この動き検出において実際に比較さ
れる前回の偶数フィールドのG信号は6フィールド前の
信号であり、従って、この6フィールドを隔てた前後の
信号を比較することになる。そして、この動き検出器34
からは図3の(c)で示したように、被写体に動きがあ
るときにパルスが出力され、動きがないときには、パル
ス出力がない。この図においては、G1,G5及びG7
の画像信号には動きがあり、G3,G9及びG11の画像
信号では動きがないことが示されている。
【0022】前述した動き検出信号と、メモリ制御回路
26から図3(d)に示した偶数フィールドのG−EN信
号とがフリップフロップ回路35に入力されることによっ
て、静止画像である場合には、このフリップフロップ回
路35の出力信号はHレベルとなる。また、このフリップ
フロップ回路35には、図3(f)に示したC−EN信号
が入力されるので、このC−EN信号の立ち下がりがリ
セット信号となって、Lレベルに復帰する。これによっ
て、同図(e)に示したような静止画メモリ回路30の書
き換え可能信号であるF−EN信号が出力される。ただ
し、このF−EN信号が出力されると常に静止画メモリ
回路30の記憶内容の書き換えが実行されるのではなく、
フリーズ選択手段37を参照して、このフリーズ選択手段
37によって画像のフリーズ動作が行われているときに
は、静止画メモリ回路30の書き換えを禁止してモニタ装
置40に表示されているフリーズ画像が変化するのを防止
する。即ち、前述したF−EN信号はフリーズ選択手段
37からの信号と共にNAND回路36に入力されて、フリ
ーズ選択手段37からの出力信号(図3(g))がHレベ
ル、即ちフリーズ操作が行われていない場合には、静止
画メモリ回路30の記憶内容が順次書き換えられて、準フ
リーズ画像が取得される。また、Lレベルのときには、
静止画メモリ回路30の書き換えが禁止され、完全なフリ
ーズ画像となる。即ち、静止画メモリ回路30の書き換え
は同図(h)の矢印で示した期間に実行されることにな
る。ただし、この静止画メモリ回路30の書き換え実行中
において、同図(i)に示したように、フリーズ選択手
段37からフリーズ開始信号が出力されても、この書き換
え実行が優先されて、実際にフリーズが開始するのは、
点線で示したように、C−EN信号がLレベルに変化し
て、書き換えが終了した後であり、またフリーズ終了信
号が出力されても静止画メモリ回路30は、それ以後にお
いてC−EN信号の立ち上がりがあった後において動き
検出器34から静止状態であることの検出信号が出力され
たときに限り、書き換えが行われる。従って、この
(i)において、F−EN信号がフリップフロップ回路
35から出力されている状態で、フリーズ終了信号が出力
されたとしても、直ちに静止画メモリ回路30において信
号の書き換えが開始するわけではない。
【0023】以上のように、フィールドメモリ回路23の
他に、静止画メモリ回路30を設けることにより取得され
る動画及び静止画は、例えば内視鏡の本体操作部その他
に設けたモード選択手段を操作することによって、モニ
タ装置40の親画面40a及び子画面40bに表示することが
できる。即ち、動画−準フリーズ画表示モードが選択さ
れると、このモード選択信号はモード選択端子28から信
号出力回路27に伝送されて、親画面40aにはフィールド
メモリ回路23からの出力信号によって動画が表示され
る。また、子画面40bには、静止画メモリ回路30からの
出力信号に基づいて順次切り換わる準フリーズ画像が表
示される。そこで、この状態において、フリーズ選択手
段37にフリーズ制御が行われると、子画面40bにおける
静止画像の更新が禁止されて、フリーズ画像が表示され
て、動画−フリーズ画表示モードで表示されることにな
る。そして、このフリーズ画をより精査するためには、
フリーズ画−動画表示モードに切り換える。これによっ
て、フリーズ画が親画面40aに表示され、また動画は子
画面40bに表示されるように切り換わる。
【0024】従って、例えば動画を親画面40aに表示す
ることにより観察を行っている間に、これと併せて、子
画面40bを観察することにより、より精査を行う必要が
ある部位やタイミングを測り、最適のフリーズ画像とな
ったときに、フリーズ操作を行うことによって、準フリ
ーズ画をその状態で停止させることができる。そして、
このフリーズ画を親画面40aに表示させることにより、
患部をより精密に検査する場合等に至便である。また、
このときに、子画面40bには動画の表示を継続すること
によって、フリーズ画を精査しながら内視鏡の操作を行
って、別の部位の観察を行ったりすること等も可能とな
る。そして、この場合において、子画面40bにおける画
像表示領域は親画面40aのマスクされた領域に表示する
ようにすれば、両画面共に見易くなり、しかも同一のモ
ニタ装置40上に表示されるので、同時に2つの画面を観
察するのに有利である。また、このフリーズ画及び準フ
リーズ画は、色ずれがなく、しかもノイズリデューサ31
R,31G,31Bによりノイズ低減処理された極めて高い
画質の画像となる。このように、動画と、フリーズ画ま
たは準フリーズ画との2つの画像を同時に表示すること
ができるようにすると、内視鏡による観察,診断をより
効率的に行うことができるようになる。ただし、例えば
フリーズ画像を精査する場合等、子画面表示がなされて
いるとかえって煩わしい場合もあるが、このような場合
には、単独表示モードを選択すれば、子画面40bの表示
がなくなり、フリーズ画のみを表示することもできる。
【0025】なお、前述した実施例においては、2画面
を同一のモニタ装置荷より表示するように構成したもの
を示したが、これら2画面を別個のモニタ装置に表示す
ることも可能である。また、フリーズ選択手段37によっ
てフリーズ画が選択されていないときにおいて、静止画
メモリ回路30に情報の書き換えが行われる毎に、その記
憶内容は静止画メモリ回路30から出力させて、ノイズリ
デューサ31R,31G,31Bを介して信号出力回路27に伝
送され、この信号出力回路27に接続されている外部記憶
装置41に記憶されることができる。而して、この外部記
憶装置41には格別フリーズ画像を取得するための操作を
行わなくとも、色ずれがなく、しかもノイズが少なく、
極めて高い画質の画像を取得することができるようにな
る。従って、検査,診断等が終った後に、この外部記憶
装置41から再生すれば、多数の画像から記録として保管
するために最も好適な画像を選択することができるよう
になる。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、フリー
ズメモリ回路から出力される動画と、静止画メモリ回路
から出力されるフリーズ画または準フリーズ画を同時に
表示することができるように構成したので、電子内視鏡
装置による検査,診断等をより効率的に、しかも高精度
に行うことができる等の諸効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す電子内視鏡装置の回路
構成図である。
【図2】図1のメモリ制御回路の構成図である。
【図3】電子内視鏡装置における各部の信号波形図であ
る。
【図4】モニタ装置における画像表示態様を示す説明図
である。
【符号の説明】
1 内視鏡 6 CCD 20 プロセッサ 21 信号処理回路 23 フィールドメモリ回路 23R,23G,23B メモリ 26 メモリ制御回路 27 信号出力回路 28 モード選択端子 30 静止画メモリ回路 30R,30G,30B メモリ 31,31R,31G,31B ノイズリデューサ 33 フリーズ制御回路 34 動き検出器 35 フリップフロップ回路 36 NAND回路 37 フリーズ選択手段 40 モニタ装置 40a 親画面 40b 子画面 41 外部記憶装置

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 それぞれ相異なる波長光をもって被写体
    に向けて順次照明を行う照明手段と、この順次照明下で
    各色の波長光による被写体を撮影する撮像手段と、この
    撮像手段からの各色の画像信号の処理を行う映像信号処
    理手段と、この映像信号処理手段により処理された各色
    の画像データを記憶するフィールドメモリ回路と、この
    フィールドメモリ回路と並列に設けられ、前記映像信号
    処理手段からの画像データを選択的に取り込む静止画メ
    モリ回路と、被写体画像に動きがあるか否かを検出する
    動き検出手段と、この動き検出手段からの信号に基づい
    て静止画メモリ回路の書き込み,読み出しの動作制御を
    行う静止画制御手段と、前記静止画メモリ回路における
    データの更新を禁止する画像フリーズ手段とを備えるこ
    とによって、動画像と、完全な静止画像からなるフリー
    ズ画像と、順次切り換わる静止画像からなる準フリーズ
    画像との3種類の画像データを取得し、動画像と、フリ
    ーズ画像または準フリーズ画像との2画面をモニタ装置
    に表示可能な構成としたことを特徴とする電子内視鏡装
    置。
  2. 【請求項2】 前記モニタ装置によって前記2画面を親
    子画面として表示する構成としたことを特徴とする請求
    項1記載の電子内視鏡装置。
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