JP2887694B2 - 液状炭化水素中の水銀の除去方法 - Google Patents

液状炭化水素中の水銀の除去方法

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  • Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 天然ガスコンデンセート、特に重質コンデンセートの
ような液状炭化水素には単体水銀(元素水銀)、イオン
状水銀、有機水銀(難反応性水銀)が含まれている。こ
れら水銀類の含有量は産地により大差があり、数ppb含
むものから数千ppb含むものまである。
産地の異なる幾つかのコンデンセートについて全水銀
含有量と難反応性水銀の含有量を第1表に示す。
難反応性水銀の分析方法としては、コンデンセートを
四硫化ソーダ(Na2S4)水溶液を用いて室温で抽出し、
油相に残存する水銀を難反応性水銀とした。これは予め
行ったモデル試験においてモデル化合物として用いた単
体水銀とイオン状水銀がこの操作で抽出され、有機水銀
[(C2H52Hg]は抽出されなかったからである。有機
水銀と表示せず難反応性水銀と表示したのは、コンデン
セートの場合、ミクロフィルターにて除去可能なスラッ
ジ中に含まれる無機水銀化合物も前記抽出後の油相に若
干量残存するからである。
第1票に示すとおり、東南アジア系コンデンセートは
水銀含量が多いだけでなく、難反応性水銀が数十ppb含
まれていた。
またこれらコンデンセートや原油等を原料とした蒸留
留分及びその残渣分などの石油製品には難反応性水銀が
含まれていることがある。
このような液状炭化水素の生産、或は化学原料として
の使用にあたってはアルミニウム合金製熱交換器の腐
食、触媒の劣化、作業環境の汚染などが問題になる。従
って出来るかぎり低濃度まで水銀及び水銀化合物を除去
する必要がある。本発明は、水銀及び水銀化合物、特に
難反応性水銀化合物を含有する液状炭化水素中の水素を
除去する方法に関するものである。
[従来の技術] 天然ガスなどガス中の水銀除去方法は硫黄を担持した
活性炭などを用いて既に工業的に実施されている。しか
し液状炭化水素中の水銀除去に関してはまだ工業化され
た例はない。
液状炭化水素中の水銀除去が困難な理由は、液中には
単体水銀のほか、イオン状水銀、有機水銀も含まれ、そ
れぞれ反応性が異なるため、単一の方法では除去できな
いためである。
液状炭化水素中の水素除去方法として公知の技術に
は、a)触媒を用いて有機水銀を水素化分解し、ついで
吸着剤により除去する方法(特開平1−231920号)、
b)熱処理したのち、吸着処理する方法(特開平1−28
9894号、特開平1−315489号)などが知られている。
a)の方法では、水素がない場合には水素プラントの
新設を必要とすること、さらに、水銀の一部は反応器出
口の水素中にも含まれて排出されるため、排出水素から
の水銀除去も必要になる等の問題があった。
b)の方法として、特開平1−289894号明細書には、
水銀類を含む炭化水素系油を加熱処理した後に、鉄、ニ
ッケル、銅、亜鉛、アルミニウム及びカドミウムから選
ばれる少なくとも1つの金属、その合金またはその酸化
物、塩化物、硫化物等よりなる粉粒体状の処理剤と接触
させるという炭化水素系油中の水銀類の除去方法が提案
され、金属鉄、酸化鉄、硫化鉄、金属銅、酸化銅、硫化
銅、金属ニッケル、酸化ニッケル或は硫化ニッケルを用
いた実施例が示されている。また特開平1−315489号明
細書には、水銀類を含む炭化水素系油を加熱処理した後
に、活性炭自体またはその表面に上記金属類又はその化
合物を担持した処理剤と接触させるという炭化水素系油
中の水銀類の除去方法が提案されている。
本発明者らはこの方法について追試したが、この方法
では、効率的に処理できる水銀濃度に限界があるほか、
時間とともに除去率が低下し、特に難反応性水銀化合物
を含む液状炭化水素中の水銀除去は困難であった。
[発明が解決しようとする課題] 本発明の目的は、難反応性水銀化合物を含有する液状
炭化水素中の全水銀を長期にわたって効率的に極めて低
濃度まで除去する方法を提供することにある。
[課題を解決するための手段] 本発明に係わる液状炭化水素中の水銀の除去方法は、
難反応性水銀化合物を含有する液状炭化水素を金属アル
ミニウム又は金属亜鉛に200℃以上の温度で接触させる
ことにより難反応性水銀化合物を単体水銀に分解した
後、分解生成した単体水銀を多硫化アルカリを主成分と
する水溶液を抽出剤として抽出除去することを特徴とす
る。
以下本発明の構成を詳細に説明する。
本発明を実施するに当たっては、難反応性水銀化合物
を含有する液状炭化水素をまず金属アルミニウム又は金
属亜鉛に接触させることにより難反応性水銀化合物を単
体水銀に分解する。
難反応性水銀化合物を単体水銀に分解する触媒として
は、Fe、Cu、Snなどの金属及びこれらをアルミナ、シリ
カ、活性炭に担持したものも初期活性で見るとAl、Znと
大差ないかむしろ活性が高いが、長時間使用しているう
ちに活性が劣化した。劣化は高温ほど著しく、かつ担体
を用いたもののほうが大きかった。これは触媒及び担体
にコンデンセート中の成分が強吸着し水銀化合物の反応
を妨害すること及び高温では吸着した炭化水素成分が重
合し活性点を被覆するためであると思われる。
反応温度は200〜300℃、好ましくは200〜250℃であ
る。200℃以下では活性が低いため、目標の反応率を得
るためには長時間を要する。一方、300℃以上では液相
を保つために高圧が必要になるほか、コンデンセート中
の成分がコーキングしやすくなる。反応圧力は液相を保
つ圧力(コンデンセートの蒸気圧)以上であればよい。
原料と触媒の接触時間は接触温度により異なるが、通常
10〜120分、好ましくは30〜120分である。
この処理により、原料中の難反応性水銀は単体水銀に
分解するので、分解生成した単体水銀を抽出除去する。
抽出剤としては一般式MM′Sx(M及びM′はナトリウ
ム、カリウム又はアンモニウム基で、同一でも異なって
いても良い。xは2〜9の範囲の数)で示される多硫化
アルカリ、なかでも安定性とコストの面で多硫化ソーダ
が好ましい。実用的には上記一般式におけるxの平均値
が4のものが商業的に入手が容易な点で好ましい。これ
はx=4以外のものとの混合物の形で使用される。多硫
化アルカリは単独でも良いし、硫化アルカリとの混合液
のように他の成分を含むものでも良い。抽出剤は水溶液
として用いるが、濃度は0.1〜20wt%が実用的である。
これ以下の濃度では反応速度及び抽出速度が低下する。
また20〜40wt%でも特に不都合はないが、飽和濃度の近
くでは温度低下の際に結晶析出が起きることがある。
抽出温度は室温〜250℃であれば良い。抽出温度が高
いほど抽出速度が早く、抽出時間を短縮でき、また炭化
水素と水溶液の分離が容易となるが、接触分解温度以上
にする必要はない。
抽出剤との接触時間は数分ないし数十分、通常5〜10
分程度であるが、接触効率が高い場合は短縮することも
できる。
以下具体例により本発明を説明する。
[予備試験1](触媒の比較) 原料として水銀含量がもっとも高く、且つ難反応性水
銀がもっとも多い第1表記載のコンデンセート3を用い
た。使用時の全水銀含量は1300ppbで、そのうち難反応
性水銀は70ppbであった。第1表に比べ全水銀含量が減
少しているのは保存中に容器などに付着して減少したた
めである。
内径15mm、長さ500mmのステンレス製反応管に第2表
に示す各種の触媒を50ml充填し、原料供給速度50ml/h、
温度150〜250℃で難反応性水銀化合物に対する分解活性
を測定した。初期活性及び200時間後の活性を第2表に
示した。
第2表により、つぎのことがわかった。
初期活性では用いた触媒の全てが触媒のない場合に比
べて高い分解率を示した。
活性の経時変化を見ると、活性変化がほとんどないの
はAl、Znで、その他の金属ではかなりの劣化が認めら
れ、特に担体を用いたものは初期活性は高かったが経時
劣化も大きかった。使用後の触媒の状態を観察したとこ
ろ、劣化した触媒にはコーク(炭素質)の生成が認めら
れ担体を用いたものほどコークの生成が顕著であった。
なお、表には示していないが、反応温度が高いほど反
応管出口の全水銀量の減少が見られ、高温では反応管な
らびに配管に吸着される水銀量が増加することがわかっ
た。
[予備試験2](接触時間の影響) 予備試験1で用いた原料について、触媒としてA1を用
い、原料供給速度50ml/h、温度225℃で接触時間の影響
を調べた。結果を第3表に示す。
第3表に示したように、接触時間を30分以上にするこ
とにより、難反応性水銀量を10ppb以下にすることがで
きた。
[参考試験] 触媒を使わずに熱分解のみを行った結果を第4表に示
す。熱分解だけでは難反応性水銀が20ppb以下にならな
いことがわかった。
第4表において、出口水銀量が高温ほど減少している
のは反応管及び配管などに吸着しているためである。原
料中の水銀濃度が低い場合、この吸着により出口濃度が
下がり、熱処理のみでかなりの低濃度になるケースもあ
る。
[実施例1] 原料として第1表記載のコンデンセート3(使用時の
全水銀含量1300ppb、そのうち難反応性水銀70ppb)を用
い、金属Al(16〜32メッシュ)を触媒として、原料供給
速度50ml/h、温度225℃、触媒時間80分で分解したコン
デンセート50mlと5wt%Na2S4水溶液50mlとを室温で30分
攪拌した後、コンデンセート中の水銀を分析したところ
2ppbであった。この結果は接触分解で分解されなかった
難反応性水銀以外はNa2S4で抽出できることを示してい
る。
[実施例2] 実施例1で使用したのと同じコンデンセートを用い、
同一条件で接触分解したコンデンセート50mlと、(N
H42S水溶液に所定量の単体硫黄を混合溶解させて調製
した12wt%(NH42S4水溶液50mlとを室温で30分攪拌し
た後測定したところ、コンデンセート中の水銀は2ppbま
で減少していた。
[比較例1] 第1表記載のコンデンセート3(使用時の全水銀含量
1300ppb、そのうち難反応性水銀70ppb)を250℃で60分
加熱処理した後、金属Alに室温で30分接触させたとこ
ろ、処理液中の全水銀濃度は260ppbであった。このコン
デンセートの処理液50mlと5wt%Na2S4水溶液50mlを室温
で30分、振とう機を用いて混合した後の水銀濃度は25pp
bであった。このことより、加熱処理だけでは難反応性
水銀の分解は不十分であり、熱処理したコンデンセート
を室温でAlと接触させても水銀除去は不十分であり、さ
らに続けてNa2S4水溶液で抽出してもやはり不十分であ
ることがわかった。
[発明の効果] 水銀及び水銀化合物、特に難反応性水銀化合物を含有
する液状炭化水素中の水銀を効果的に除去することがで
きる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松澤 亨 愛知県半田市州の崎町2番110 日揮株 式会社衣浦研究所内 (56)参考文献 特開 平1−315489(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C10G 29/04,29/10

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】難反応性水銀化合物を含有する液状炭化水
    素を金属アルミニウム又は金属亜鉛に200℃以上の温度
    で接触させることにより難反応性水銀化合物を単体水銀
    に分解した後、分解生成した単体水銀を多硫化アルカリ
    を主成分とする水溶液を抽出剤として抽出除去すること
    を特徴とする液状炭化水素中の水銀の除去方法。
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AU2010340924A1 (en) * 2010-01-05 2012-08-30 Basf Se Mixtures of alkali polysulfides

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