JP2887152B2 - ゴム変性芳香族モノビニル樹脂組成物 - Google Patents

ゴム変性芳香族モノビニル樹脂組成物

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、良好な外観及び機械的性質を有するゴム変
性芳香族モノビニル樹脂組成物に関するものである。
[従来の技術] ゴム状重合体を芳香族モノビニル単量体に溶解・重合
して粒子状に分散して得られたゴム変性芳香族モノビニ
ル樹脂、例えばゴム変性ポリスチレンは、従来乳化重合
により得られたABS樹脂に比して、成形品の光沢及び外
観が劣り、剛性と耐衝撃強度のバランスが及ばない欠点
を有していた。
最近ABS樹脂の特性に近づけたゴム変性ポリスチレン
の出現が要望され、コストダウン、薄肉化志向が強い。
従来ゴム変性ポリスチレンは、ゴム状重合体をスチレン
単量体に溶解し、重合撹拌しながら分散ゴム粒子とした
後、そのまま塊状又は溶液重合(溶剤塊状重合)する
か、懸濁重合に付すかのいずれかの方法で造られる。し
かしながらかかる方法で得られた樹脂は、成形品の外
観、光沢、剛性、耐衝撃強度のいずれかのバランスに難
があった。
例えばゴム変性ポリスチレンの光沢を高める目的で分
散ゴム粒子の平均径を、0.5〜1.6μmの範囲に調整する
ことが古くから行われて来たが、前記方法に依る場合に
は、衝撃強度や剛性等の他の物性のバランスが充分でな
かった。この為ゴム粒子径の調整に加えて粒子の形態、
架橋度を調節した樹脂組成物(特開昭60-23316号公報,
特開昭60-233118号公報)や、特定のゴム状重合体を用
い、且つゴム変性ポリスチレンに少量の有機ポリシロキ
サンを添加して成る樹脂組成物(特開昭57-170949号公
報,特開昭57-187345号公報)などが提案されてきた。
これらの組成物は、従来のゴム変性ポリスチレンと比較
すれば、かなり良好な光沢,耐衝撃性,剛性のバランス
を有するものであったが、上記目的達成の為には尚改善
を要するものであった。
[発明が解決しようとする課題] 本発明の目的は、上記欠点を克服し、優れた光沢、剛
性のレベルを維持しつつ、更に耐衝撃強度の改良された
ゴム変性芳香族モノビニル樹脂組成物を提供することで
ある。
[課題を解決するための手段及び作用] 本発明者らは、上記課題を解決するべく鋭意検討した
結果、芳香族モノビニル重合体マトリックス中に、ゴム
状重合体が、平均粒粒子0.5〜1.6μmのゴム質粒子とし
て分散しているゴム変性芳香族モノビニル樹脂と、ポリ
ジメチルシロキサンより成るゴム変性芳香族モノビニル
樹脂組成物のうち、ゲル成分のトルエン中の膨潤指数
と、ポリジメチルシロキサンの量を特定の範囲に限定
し、更に用いるゴム状重合体の弾性率を特定するという
ように、従来それぞれ別々のものとしてコントロールさ
れていた要因を総合的に特定することにより初めて上記
目的を効果的に達成し得ることを見出し、本発明を完成
するに至った。
即ち、本発明は、芳香族モノビニル重合体マトリック
ス中に、ゴム状重合体が、平均粒子径0.5〜1.6μmのゴ
ム質粒子として分散しているゴム変性芳香族モノビニル
樹脂と、ポリジメチルシロキサンより成る樹脂組成物に
於て、 (A) 該樹脂組成物中に含有されているゲル成分のト
ルエン中の膨潤指数が7〜12の範囲にあり、 (B) 該樹脂組成物中の、ポリジメチルシロキサン
が、0.002〜0.1重量%であり、 且つ (C) 該ゴム状重合体の50重量%以上が、少なくとも
有機リチウム化合物とポリビニル芳香族化合物とを含む
反応生成物からなる有機リチウム系触媒でブタジエンを
重合して得られる重合体であり、且つ該ゴム状重合体の
有機過酸化物架橋体のトルエン中の膨潤指数と動的弾性
率の積が、該膨潤指数が8〜12の範囲に於て、160kg/cm
2以下である ことを特徴とする光沢と衝撃強度,剛性に優れるゴム変
性芳香族モノビニル樹脂組成物である。
本発明に於る芳香族モノビニル単量体とは、スチレン
及びo−メチルスチレン、p−メチルスチレン、m−メ
チルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、エチルスチレ
ン、p−tert−ブチルスチレン等の核アルキル置換スチ
レン、α−メチルスチレン、α−メチル−p−メチルス
チレン等のα−アルキル置換スチレン、o−クロルスチ
レン、m−クロルスチレン、p−クロルスチレン、p−
ブロモスチレン、2−メチル−1,4−クロルスチレン、
2,4−ジブロモスチレン等の核ハロゲン化スチレン、ビ
ニルナフタレンであり、単独又はいずれか2種以上の混
合物であっても良い。
本発明のゴム変性芳香族モノビニル樹脂は、ゴム状重
合体として、前記(C)の要件を満たすゴム状重合体を
用いることが必須であり、そうでない場合には、例え前
記(A)〜(B)の要件が満たされていても、本発明の
目的を達成することは出来ない。かかるゴム変性芳香族
モノビニル樹脂は、特定のゴム状重合体を前記芳香族モ
ノビニル単量体に溶解して特定条件下に重合することに
より得ることが出来る。
本発明にて用いるゴム状重合体は、その50重量%以上
が、少なくとも有機リチウム化合物とポリビニル芳香族
化合物とを含む反応生成物からなる有機リチウム系触媒
でブタジエンを重合して得られる重合体であり、且つ該
ゴム状重合体の有機過酸化物架橋体のトルエン中の膨潤
指数と動的弾性率の積が、該膨潤指数が8〜12の範囲に
於て、160kg/cm2以下であることが必要である。ここ
に、「有機過酸化物架橋体」とは、ゴム状重合体の試料
100重量部に対し、有機過酸化物ジクミルパーオキサイ
ドを0.02〜0.20重量部を添加して混練したものを、160
℃の温度で15分間圧縮成形して得られる過酸化物架橋体
のことであり、「トルエン中の膨潤指数」とは、該過酸
化物架橋体をトルエン中に3時間浸漬して得られる膨潤
物の重量(WETゲル重量)を、該膨潤物の加熱・脱溶媒
後の重量(DRYゲル重量)で割った値のことである。又
「動的弾性率」とは、該過酸化物架橋体のシートをカッ
トした試験片を、下記条件にて測定し得られた値であ
る。
(測定条件) 測定機種:(株)岩本製作所製VESF-III型、 測定法 :伸長変形(初期荷重一定)、 測定周波数:100Hz、 初期荷重:200g、 加振振幅:300μ、 測定温度:25℃、 サンプル寸法:(幅)5mm×(厚さ)2mm×(長さ)30
mm、 有機リチウム系触媒によりブタジエンを重合して得ら
れるポリブタジエンの場合、上記条件により得られる有
機過酸化物架橋体のトルエン中の膨潤指数は、概収5〜
15の範囲の値となることが判明したが、意外にも、該膨
潤指数と動的弾性率の積が、該トルエン中の膨潤指数が
8〜12の範囲に於て、160kg/cm2以下であるゴム状重合
体が、衝撃強度及び剛性の高い、ゴム変性芳香族モノビ
ニル樹脂を与えることが判明したのである。
上記要件を満たすゴム状重合体が、高い衝撃強度を与
える理由は定かではないが、該トルエン中の膨潤指数が
8〜12の範囲は、ゴム状重合体がゴム質粒子となって芳
香族モノビニル重合体のマトリックス中に分散している
状態での架橋状態に近く、この範囲に於て弾性率が低い
という特性が、樹脂組成物に外力が加えられた場合に、
従来のゴム状重合体と比較して、優れた応用集中効果を
示し、結果として優れた補強効果を示すに至るものと考
えられる。
又上記要件を満たすゴム状重合体の一部を、上記要件
を満たさない従来のゴム状重合体で置き換えることが出
来るが、ゴム状重合体の全量のうち50重量%を越えて置
き換えることは出来ない。50重量%を越えて従来のゴム
状重合体で置き換えると、上記要件を満たすゴム状重合
体の特質が失われ、結果的に衝撃強度の低いものとなっ
てしまう。
本発明で用いるポリブタジエンゴムは、前述したよう
に、従来の一般的なゴムに比べて有機過酸化物架橋物の
弾性率が低い。このようなポリブタジエンを製造するた
めの具体的な方法として、例えば、少なくとも有機リチ
ウム化合物とポリビニル芳香族化合物とを含む反応生成
物を触媒としてブタジエン単量体を重合するに際し、該
触媒とブタジエンを各々分割添加して反応を行ない、ブ
タジエン単量体の重合が実質的に完了した後、生成した
末端リチウム活性重合体に多管能性処理剤を結合させる
方法がある。
ここでいうポリビニル芳香族化合物とは、例えばジビ
ニルベンゼン、1,2,4−トリビニルベンゼンなどであ
り、特にジビニルベンゼンが好ましい。
一方、多管能性処理剤としては、例えばトリクロロメ
チルシラン、ジメチルジクロロシラン、シリコンテトラ
クロライドなどのシラン化合物[J.polym.sci,A−1,3,9
3(1965)],炭酸ジエチルなどの炭酸ジエステル類
(特開昭54-8716号公報)、ジビニルベンゼンなどのジ
ビニル芳香族化合物(特開昭51-34290号公報)、四塩化
炭素などのハロゲン化合物、テトラクロロスズのような
スズ化合物など公知のものを使用することができる。
前記方法により得られる本発明のポリブタジエンは重
合条件にもよるが、一般には1,2ビニル結合含量が10〜4
0重量%の範囲のものとなるが、前記(C)の要件を満
たすものであれば1,2ビニル結合含量に特に制約はな
い。1,2ビニル結合含量が40重量%を越えるようになる
と、前記(C)の要件を満足する事は困難となる。
上記のゴム状重合体の溶液粘度としては、ゴム質粒子
の平均粒子径を0.5〜1.6μmの範囲に制御しうるもので
あれば特に制約は無い。該ゴム質粒子の粒子径は、一般
にはゴム状重合体を芳香族モノビニル単量体へ溶解して
重合し、相転換を経てゴム質粒子が形成される時の重合
系に加えられるシェアー強度、ゴム状重合体の溶液粘度
等により調整することが可能である。従って工業的規模
で実施する上からは、ゴム状重合体の5重量%スチレン
溶液粘度が、25℃において20〜100センチポイズ(cps)
更に好ましくは20〜60センチポイズである。該溶液粘度
が100センチポイズを越えるようになると、前記ゴム質
粒子の平均粒子径を1.6μm以下とすることが困難とな
る。又該溶液粘度が20センチポイズに満たない場合は、
前記ゴム質粒子の平均粒子径が0.5μm以下となり、組
成物の耐衝撃強度が劣ったものとなり、好ましくない。
又、本発明の目的を達成する上で、分散ゴムの架橋化
された状態も重要であり、トルエン中での膨潤指数が7
〜12、好ましくは8.5〜11の範囲にあることが必要であ
る。膨潤指数が7より小さくなると耐衝撃強度の低下が
著しく又12より大きくなると剛性及び光沢が低下し好ま
しくない。
ここで述べた膨潤指数は以下の方法にて測定した値で
ある。
(1) 本発明の樹脂組成物1.0gにトルエン20gを加え
て1時間よくふり混ぜ、溶解或は膨潤させる。
(2) 遠心分離機にて35000Gの重力の条件下で1時間
分離を行う。
(3) 分離物の上澄をすて、沈降したゲルを秤量す
る。Xs(膨油ゲル量) (4) この膨油ゲルを160℃常圧で45分間さらに3mmHg
の減圧下で15分間乾燥させ、冷却後秤量する。乾燥ゲル
量 Yg 本発明に記載の芳香族モノビニル樹脂組成物の重合法
としては、前記ゴム状重合体を芳香族モノビニル重合体
に溶解し、次いで所望のゴム粒子径に粒子化する迄撹拌
し、次いで塊状重合、懸濁重合で重合する方法、又は特
開昭59-105013号公報、特開昭60-130613号公報に述べら
れている方法、その他公知の重合方法でも得られる。
一般に重合終了後に未重合の単量体を除去及び加熱処
理する方法がとられる。この加熱処理の温度、時間等の
条件を選定することにより、該ゲル成分のトルエン中で
の膨潤指数を制御することが出来る。
又、上記重合は重合開始剤の不存在下、又は存在下で
重合され、重合開始剤としてはラジカルを発生する有機
過酸化物が適当である。
上記有機過酸化物としては、1,1−ビス(tert−ブチ
ルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(tert−ブ
チルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン等
のパーオキシケタール類、ジ−tert−ブチルパーオキサ
イド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキ
シ)ヘキサン等のジアルキルパーオキサイド類、ベンゾ
イルパーオキサイド、m−トルオイルパーオキサイド等
のジアシルパーオキサイド類、ジミリスチルパーオキシ
ジカーボネート等のパーオキシジカーボネート類、tert
−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート等のパー
オキジエステル類、シクロヘキサノンパーオキサイド等
のケトンパーオキサイド類、p−メンタハイドロパーオ
キサイド等のハイドロパーオキサイド類を挙げることが
出来る。
次に、本発明に於ては、組成物中に0.002〜0.1重量%
のポリジメチルシロキサンが含有されていることが必要
である。ポリジメチルシロキサンの含量が、0.002重量
に満たない場合には、衝撃強度が充分でない。又ポリジ
メチルシロキサンの添加重が0.1重量%を越えると、添
加量に応じた衝撃強度の向上が認められず経済的で無
い。
本発明のゴム変性芳香族モノビニル樹脂組成物を製造
する方法は、特に限定されることはなく、例えば、芳香
族モノビニル単量体にポリジメチルシロキサンを添加し
て重合を行なってもよいし、ゴム変性芳香族モノビニル
樹脂とポリジメチルシロキサンを押出機等を用いて混合
しても良い。
更に本発明の樹脂に染顔料、滑剤、充填剤、離型剤、
可塑剤、帯電防止剤、難撚剤等の添加剤を必要に応じて
添加することができる。
又、本発明の樹脂とビーズ、ペレット状のポリスチレ
ンとを混合或は溶融混練した樹脂組成物として用いるこ
ともできる。ポリスチレン以外の他のポリマーとの混合
或は混練した樹脂組成物を造ることもできる。
[実施例] 1) ゴム状重合体の調整 本発明の実施例及び比較例では、以下の方法に従って
得た低弾性率ゴム状重合体及び市販のポリブタジエンを
用いた。
(参考例1)ゴム状重合体(A−1)の調整 〈有機リチウム系触媒の調製〉 洗浄乾燥した容器に、ジビニルベンゼン3.6g,n−ブチ
ルリチウム6.4g、ブタジエン10g及びトルエン480gを仕
込み、70℃で40分間反応を行い、有機リチウム系触媒を
得た。
〈ブタジエンの重合〉 あらかじめ、洗浄乾燥し、窒素置換した内容積100lの
反応器に、精製、乾燥したシクロヘキサン40kg、ブタジ
エン3kg及び上記有機リチウム系触媒をn−ブチルリチ
ウム換算量で7g仕込み、70℃に昇温し、重合を開始し
た。反応終了後、引き続きブタジエン3kg及び上記有機
リチウム系触媒をn−ブチルリチウム換算量で17g追添
加し、重合を継続し、反応終了後、四塩化ケイ素を加え
て30分間反応させた。反応終了後、安定剤として、2,6
−ジ−tert−4−メチルフェノール(BHT)を重合体100
重量部に対し、0.5重量部加えた後、脱溶媒してゴム状
重合体を得た。
(参考例−2)ゴム状重合体(A−2)の調製 参考例−1に於て、有機リチウム系触媒の調整を、ジ
ビニルベンゼン3.3g,n−ブチルリチウム6.7gとするほか
は同様の操作を行い、ゴム状重合体(A−2)を得た。
(参考例−3)ゴム状重合体(A−3)の調製 ゴム状重合体(A−1)の調製と同様にして、100lの
反応器に、シクロヘキサン40kg、ブタジエン6kgを仕込
み、60°Cに昇温し、n−ブチルリチウムのシクロヘキ
サン溶液(濃度10重量%)65gを添加して重合を開始し
た。反応終了後、四塩化ケイ素を2.0g添加して20分間反
応させた。反応終了後、A−1の調製と同様に安定剤を
加え、ゴム状重合体を得た。
(参考例−4)ゴム状重合体(A−4)の調製 ゴム状重合体(A−1)の調製と同様にして、100lの
反応器に、シクロヘキサン40kg、ブタジエン6kgを仕込
み、60°Cに昇温し、n−ブチルリチウムのシクロヘキ
サン溶液(濃度10重量%)36gを添加して重合を開始し
た。反応終了後、A−1の調製と同様に安定剤を加え、
ゴム状重合体を得た。
2) ゴム状重合体の有機過酸化物架橋物の動的弾性率
の測定 1)にて調製したゴム状重合体(A−1)100重量部
に対し、有機過酸化物であるジクミルパーオキサイドを
各々0.03,0.05,0.20重量部添加し、ラボプラストミルに
て混練し、次いで混練物を160℃の温度にて15分間圧縮
成形して、有機過酸化物架橋物のシートを得た。次い
で、各々のシートの2gを秤取し、トルエン50ml中に3時
間浸漬して膨潤させた後、この膨潤物を100メッシュ金
網フィルターで溶媒から分離し、試料表面に付着してい
る溶媒をろ紙で除き重量を測定し(WETゲル重量)、次
いで加熱真空乾燥して溶媒を完全に除去したのち、再び
重量測定し(DRYゲル重量)、次式によりトルエン中の
膨潤指数(S.I.)を求めた。
次に、有機過酸化物架橋体のシートより試験片をカッ
トし動的弾性率を測定した。
A−2,A−3及びA−4のゴム試料についても同様の
操作を繰り返し動的弾性率を求めた。結果を表1及び第
1図に示した。
第1図にゴム状重合体A−1〜A−4について有機過
酸化物架橋体の、トルエン中の膨潤指数と動的弾性率の
関係を示した。図中、動的弾性率(E)とトルエン中の
膨潤指数(S.I.)の積が160となる曲線を破線で示し
た。これよりトルエン中の膨潤指数8〜12の範囲に於
て、破線より下に位置するA−1,A−2は本発明の要件
(C)を満足し、A−3,A−4は要件(C)を満足しな
いことが判る。
3) ゴム変性芳香族モノビニル樹脂の調製 参考例に示したゴム状重合体A−1〜A−4を用い、
以下の方法によりゴム変性芳香族モノビニル樹脂を調製
した。尚実施例、比較例に示された測定値は次の方法に
より測定されたものである。
ゴム質平均粒子径:コールターカウンターを用いて測定
し50%メジアン径として表わした。
アイゾット衝撃強度:JIS K7110によった。
曲げ弾性率:ASTM D790によった。
光沢:ASTM D638のダンベル試験片をシリンダー温度220
℃、金型温度60℃、射出圧力はショートショットの圧力
+5kg/cm2にて射出成形し、試験片のゲート端から40mm
の位置の中央部及び反ゲート端から40mmの位置の中央部
の光沢度(入射角60°)をグロスメータで測定する。3
本の試験片について測定してそれぞれの平均値を求め、
さらにゲート部の平均値と反ゲート部の平均値の相加平
均をとって光沢の測定値とする。
実施例 1 次の混合物を撹拌装置付1.5lセパラブルフラスコに移
す。
105℃で2時間、115℃で2時間重合し、ゴム質粒子の
平均粒子径が1.2μmとなるように撹拌された。この時
の重合液中の固体物質濃度は、40重量%であった。更に
125℃で2時間140℃で2時間、160℃で2時間重合し
た。
この時溶液の固体物質の濃度は80重量%であった。次
いで重合物を減圧加熱炉内に移して、230℃,−735mmHg
の減圧下に揮発性成分を除去して樹脂組成物を得た。得
られた樹脂の諸物性を測定した。結果を表2に示す。
実施例 2 実施例1においてゴム状重合体A−1の50重量%をA
−3にて置き換え撹拌数を変えた他は同様にして重合物
を得た。結果を表2に示す。
実施例 3 実施例1において、ゴム状重合体A−1に代えてA−
2を用い撹拌数を変えた他は同様にして重合物を得た。
結果を表2に示す。
比較例 1 実施例1において、ゴム状重合体A−1に代えてA−
3を用い撹拌数を変えた他は同様にして重合物を得た。
比較例1において、ゴム状重合体A−1に代えてA−
4を用い、撹拌数を変えた他は同様にして重合物を得
た。結果を表2に示す。
比較例 3 実施例1において、減圧加熱炉での揮発性成分の除去
の温度を270℃とする他は同様にして重合物を得た。結
果を表2に示す。
比較例 4 実施例1において、減圧加熱炉での揮発性成分の除去
の温度を210℃とする他は同様にして重合物を得た。結
果を表2に示す。
比較例 5 実施例1において、ポリジメチルシロキサンを添加し
ない他は、同様にして重合物を得た。結果を表2に示
す。
[発明の効果] 本発明の樹脂組成物は、光沢、剛性、耐衝撃強度のバ
ランスに優れ、射出成形品、インジェクションブロー成
形品、押出シート、押出・真空成形品等を造る上で有用
であり、ABS樹脂からの代替、製品薄肉化が可能とな
り、コストダウンにつながり、その工業的価値は大であ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例及び比較例で用いたゴム状重合
体の有機過酸化物架橋体のトルエン中の膨潤指数と動的
弾性率の関係を示した相関図である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】芳香族モノビニル重合体マトリックス中
    に、ゴム状重合体が、平均粒子径0.5〜1.6μmのゴム質
    粒子として分散しているゴム変性芳香族モノビニル樹脂
    と、ポリジメチルシロキサンより成る樹脂組成物に於
    て、 (A) 該樹脂組成物中に含有されているゲル成分の、
    トルエン中の膨潤指数が7〜12の範囲にあり、 (B) 該樹脂組成物中の、ポリジメチルシロキサン
    が、0.002〜0.1重量%であり、 且つ (C) 該ゴム状重合体の50重量%以上が、少なくとも
    有機リチウム化合物とポリビニル芳香族化合物とを含む
    反応生成物からなる有機リチウム系触媒でブタジエンを
    重合して得られる重合体であり、且つ該ゴム状重合体の
    有機過酸化物架橋体のトルエン中の膨潤指数と動的弾性
    率の積が、該膨潤指数が8〜12の範囲に於て、160kg/cm
    2以下である ことを特徴とするゴム変性芳香族モノビニル樹脂組成
    物。
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