JP2886994B2 - 前部作業機昇降機構 - Google Patents

前部作業機昇降機構

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JP2886994B2
JP2886994B2 JP1220691A JP1220691A JP2886994B2 JP 2886994 B2 JP2886994 B2 JP 2886994B2 JP 1220691 A JP1220691 A JP 1220691A JP 1220691 A JP1220691 A JP 1220691A JP 2886994 B2 JP2886994 B2 JP 2886994B2
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博己 西尾
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、トラクタ等の前部に装
着した作業機を昇降する為の油圧機構において、作業機
が地面の凹凸へ追随する追随性能を向上したり、前輪の
登坂力を向上させる技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から前部作業機昇降機構に関する技
術は公知とされているのである。例えば、実開昭60−
77327号公報に記載の技術の如くである。しかし、
該従来の技術においては、作業機を持ち上げるバネのバ
ネ荷重が、地面の凹凸の部分で変化するので、地面の凹
部ではバネが伸びており、モアが小石等に当たると直ぐ
にバウンドして刈り高さが変化するという不具合があっ
たのである。また、地面の凸部ではバネが圧縮されて、
吊り上げ効果が無くなるという不具合があったのであ
る。またモアのメンテナンスの際において、リンクピン
を外すとバネ力でモアが不測に上昇してしまい危険であ
り、ロック装置等の安全装置が必要であるという不具合
があったのである。
【0003】
【発明が解決すべき課題】本発明は上記従来の不具合を
解消するものであり、更にトラクタの前輪にモアの荷重
を掛けて、登坂力を増大させ、モアが地上面に掛ける押
圧力を減少させて、ゲージホイールや橇等により発生す
る軌跡を少なくしたものである。
【0004】
【課題を解決する手段】本発明の解決すべき課題は以上
の如くであり、次に該課題を解決する手段を説明する。
油圧ポンプ27から吐出される圧油を切換弁16を介し
て切換えて昇降用シリンダ10に供給し、機体前部に配
置した作業機を該昇降用シリンダ10の伸縮により昇降
自在に装着した構成において、油圧ポンプ27と切換弁
16との間の油路と作動油タンク37との間に、高圧の
主リリーフ弁17を設け、切換弁16には中立位置と下
降位置の他にフロート位置Fと上昇位置Uを設け、該フ
ロート位置Fと作動油タンク37との間の油路に、主リ
リーフ弁17よりも低圧に設定された副リリーフ弁12
を介装し、切換弁16をフロート位置Fと上昇位置Uと
に切り換えることにより、主リリーフ弁17の開弁圧力
を低圧の副リリーフ弁12の場合と、高圧の主リリーフ
弁17の場合とに切換可能とし、作業時には主リリーフ
弁17の開弁設定圧力よりも低圧の圧力油を昇降用シリ
ンダ10に供給し、作業機昇降時には主リリーフ弁17
により高圧の圧力油を昇降用シリンダ10に供給する
のである。
【0005】
【作用】次に作用を説明する。従来はトラクタの前部に
装着したモア装置が、地面の凹凸に上手く追随するよう
に、付勢バネで吊上げていたのであるが、本発明におい
ては、該吊上げ方向の付勢バネの代わりに、副リリーフ
弁12により低圧を昇降用シリンダ10に掛けた状態で
フロート位置Fを構成したのである。故に、モア装置は
やや吊設された状態でトラクタに支持されることとな
り、地面の凹凸にも追随し易くなり、従来の付勢バネに
より吊設付勢していた場合の如く、モア装置を外すとリ
フトアームの部分がバネ力により、突然跳ね上がってオ
ペレータに人身事故を発生させるという不具合が無くな
ったのである。
【0006】
【実施例】図1はトラクタの前部にモア装置を付設した
状態の側面図である。トラクタは前輪5を駆動輪とし、
後輪6を操向輪としている。該後輪6の上部の機体フレ
ーム19の上にエンジンEを配置し、該エンジンEの後
部にラジエータ25を配置している。該エンジンEとラ
ジエータ25をボンネット7により被覆している。前輪
5の上部には座席4が配置されており、該座席4の前部
に操向ハンドル3と、操向ハンドル3を支持する操作コ
ラム18が配置されている。該操作コラム18は、座席
4の下部前方のステップ21の更に前方延長部に立設さ
れている。左側の前輪5の内側に昇降用シリンダ10が
配置されており、該昇降用シリンダ10によりリフトア
ーム13を回動してリフトリンク1を上昇するのであ
る。モア装置は、モアカバー8とデッキカバー9とギア
ボックス2等により構成されている。
【0007】図2はモア装置を接地状態とした側面図、
図3はモア装置を上昇した状態の側面図、図4は図2の
平面図、図5は昇降用シリンダ10とリフトアーム13
の部分の拡大側面図、図6は図5の平面図である。図2
・図3・図4において示す如く、昇降用シリンダ10の
縮小により、リフトアーム13をトラクタ側に回動して
リフトリンク1を引き上げ、モア装置を上昇すべく構成
している。またモア装置のモアカバー8の後端の位置
に、ワイヤー31の先端が係止されており、該ワイヤー
31はアイドルプーリ30に巻回されて、トラクタの側
に通常は係止されている。故に通常のモア装置の昇降の
際には、ワイヤー31はそのままの姿勢でモア装置を昇
降する役目をする。しかし、図4の如くモア装置を最高
に上昇した位置で、アイドルプーリ30に巻回したワイ
ヤー31を緩めることにより、モア装置はリフトリンク
1の先端から垂直にぶら下がった形状8’の状態とな
り、デッキカバー9とモアカバー8の間を開けて、刈り
芝を振り落とすことが出来るのである。
【0008】リフトリンク1はトラクタの前端に設けた
枢支軸32に枢支されており、該ワイヤー31の部分に
於けるリフトリンク1の回動を連動リンク20により、
PTO変速レバー11に連動し、昇降用シリンダ10を
縮小して、リフトリンク1を上昇し、モア装置を上昇し
た場合には、PTO変速レバー11を中立位置に強制的
に戻して、PTO軸29の回転を停止すべく構成してい
る。該PTO軸29よりギアボックス2の入力軸へは、
ユニバーサルジョイントを介して、動力伝達すべく構成
している。またリフトリンク1は枢支軸32に枢支して
おり、またリフトアーム13も枢支軸32に枢支してお
り、両者は一体的には構成されていないのである。該リ
フトアーム13がL型に構成されており、該L型のリフ
トアーム13の下方の接当体13aがリフトリンク1の
下面に接当すべく構成している。該接当体13aとリフ
トリンク1との間が離れた状態でフロート状態が可能と
なっているのである。
【0009】以上のような前部作業機昇降機構の全体構
成において、本発明は図7に示す如く油圧機構を構成し
たものである。油圧ポンプ27はエンジンにより駆動さ
れており、圧油が供給されている。エンジンによりHS
T式変速装置24の油圧駆動ポンプを駆動している。ま
た油圧ポンプ27からの圧油はフローデバイダDにより
分岐して、油圧式操向機構23と油圧式操向シリンダ2
2に圧油を供給している。該フローデバイダDにより分
岐した主回路の圧油が、切換弁16と主リリーフ弁17
に分岐されている。図7においては、主リリーフ弁17
はリリーフ圧を高圧の一定の圧力に設定すべく構成して
いる。そして、切換弁16により制御した圧油を昇降用
シリンダ10に送る回路内に、副リリーフ弁12を設け
て、切換弁16がフロート位置Fの位置に切換えられた
際においては、モア装置の昇降用シリンダ10に低圧の
圧力を常時付勢し、モア装置を持ち上げ気味に付勢すべ
く構成している。該副リリーフ弁12の圧力は、主リリ
ーフ弁17のリリーフ圧よりも低く4分の1から5分の
1の圧力に設定している。
【0010】しかし、切換弁16と作動油タンク37の
間に副リリーフ弁12が介装されているために、切換弁
16の中立・下げの位置においても、副リリーフ弁12
が効いて、実際は作動油タンク37に開放されるべきド
レーン油に、副リリーフ弁12により圧力が掛けられて
しまうこととなるので、切換弁16が中立及び下げの位
置に切換られた際に開放される下げ切換弁14と、下げ
切換レバー15が設けられている。また、切換弁16の
上昇位置Uに切換られた場合には、チェック弁50を経
て昇降用シリンダ10に圧油が供給されるので、副リリ
ーフ弁12の回路は通過しないこととなり、副リリーフ
弁12のリリーフ圧ではなくて、主リリーフ弁17のリ
リーフ圧により昇降用シリンダ10が上昇されるのであ
る。
【0011】
【発明の効果】本発明は以上の如く構成したので、次の
ような効果を奏するのである。第1に、切換弁16に、中立位置と下降位置の他に、フ
ロート位置Fと上昇位置Uを設けて、フロート位置Fと
作動油タンク37との間の油路に、主リリーフ弁17よ
りも低圧に設定された副リリーフ弁12を介装し、切換
弁16をフロート位置Fと上昇位置Uとに切り換えるこ
とにより、主リリーフ弁の開弁圧力を低圧の副リリーフ
弁12の場合と、高圧の主リリーフ弁17の場合とに切
換可能とし、作業時には主リリーフ弁17の開弁設定圧
力よりも低圧の圧力油を昇降用シリンダ10に供給し、
作業機昇降時には主リリーフ弁17により高圧の圧力油
を昇降用シリンダ10に供給する構成としたので、切換
弁の他に、フロート状態を 作り出す為の電磁弁を配置す
る必要がなく、切換弁のみの切り換えにより、フロート
状態を作りだすことが可能となったのである。 第2に、 副リリーフ弁12の低リリーフ圧より上昇側に
モア装置を軽く付勢したので、従来のモア装置を吊設し
たバネのバネ荷重の如く、地面の凹凸の部分でも変化す
ることがなくなったのである。第3に、 従来の付勢バネによる場合の不具合である、地
面の凹部や前下がり傾斜面では、付勢バネが伸びている
ので、モア装置が小石等に接触すると、直ぐにバウンド
して刈り高さが変化し、また地面の凸部や前上がり部で
は、バネが圧縮されて吊り上げ効果が無くなるという不
具合を解消することが出来たのである。第4に、 モア装置の荷重を前輪にかけることにより、登
坂力を増大することが可能となったのである。またモア
装置の地面に対する抵抗を小さくすることができて、ゲ
ージホイールや橇等により軌跡が無くなったのである。
また地面の凹凸への追随性を良好にし、刈り高さを一定
にすることが出来るのである。また簡単に前部作業機昇
降機構に後付けすることが出来たのである。第5に、 切換弁16のフロート位置Fの位置で、常時モ
ア装置を持ち上げる方向に軽く付勢することが出来たの
で、フロート状態でモア装置を軽く浮かした状態を作り
だすことが出来たのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】トラクタの前部にモア装置を付設した状態の側
面図である。
【図2】モア装置を接地状態とした側面図である。
【図3】モア装置を上昇した状態の側面図である。
【図4】図2の平面図である。
【図5】昇降用シリンダ10とリフトアーム13の部分
の拡大側面図である。
【図6】図5の平面図である。
【図7】本発明の油圧回路図である。
【符号の説明】
3 操向ハンドル 10 昇降用シリンダ 12 副リリーフ弁 16 切換弁 17 主リリーフ弁 27 油圧ポンプ 37 作動油タンク F フロート位置 U 上昇位置

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油圧ポンプ27から吐出される圧油を切
    換弁16を介して切換えて昇降用シリンダ10に供給
    し、機体前部に配置した作業機を該昇降用シリンダ10
    の伸縮により昇降自在に装着した構成において、油圧ポ
    ンプ27と切換弁16との間の油路と作動油タンク37
    との間に、高圧の主リリーフ弁17を設け、切換弁16
    には中立位置と下降位置の他にフロート位置Fと上昇位
    置Uを設け、該フロート位置Fと作動油タンク37との
    間の油路に、主リリーフ弁17よりも低圧に設定された
    副リリーフ弁12を介装し、切換弁16をフロート位置
    Fと上昇位置Uとに切り換えることにより、主リリーフ
    弁17の開弁圧力を低圧の副リリーフ弁12の場合と、
    高圧の主リリーフ弁17の場合とに切換可能とし、作業
    時には主リリーフ弁17の開弁設定圧力よりも低圧の圧
    力油を昇降用シリンダ10に供給し、作業機昇降時には
    主リリーフ弁17により高圧の圧力油を昇降用シリンダ
    10に供給することを特徴とする前部作業機昇降機構。
JP1220691A 1991-02-01 1991-02-01 前部作業機昇降機構 Expired - Lifetime JP2886994B2 (ja)

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KR100452958B1 (ko) * 2002-05-11 2004-10-14 우성정공 주식회사 작업기 제어장치

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