JP3617886B2 - 作業機装着装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、走行機体の前部に装着する作業機、特に、草刈機の高さを制御するための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、走行機体の前部に草刈機を昇降可能に配置した草刈作業車は公知となっている。前記草刈機と走行機体の間には油圧シリンダーが介装されて、該油圧シリンダーを伸縮することによって草刈機を昇降するように構成していた。該油圧シリンダーの伸縮は、油圧シリンダーと油圧ポンプの間に介装した電磁弁を、操作部に設けたスイッチで切り換えることによって行っていた。
そして、前記油圧シリンダーにワイヤーの一端を連結し、該ワイヤーの他端を運転席の操作レバーの近傍に設けた刈り高さ表示アームと接続し、油圧シリンダーを伸縮させると、その伸縮に応じて油圧シリンダーが回動し、ワイヤーを押し引きして刈り高さ表示アームが回動され、該刈り高さ表示アームの先端に設けた指針が表示部上を移動して、草刈機の刈り高さが判るようにし、作業者はその表示部を目視しながら昇降スイッチを操作して、刈り高さを設定していたのである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来のような構成であると、実際の草刈機の刈り高さは機体や草刈機によって遮られて見えないために、表示部上の指針を見ながら刈り高さを調節することになるので、作業者は運転しながら操作パネル上の表示部を見る必要があり、安全性に問題があった。また、昇降スイッチを操作して刈り高さを所望の高さに合わせるためには、上昇スイッチと下降スイッチを繰り返し操作しなければならず、刈り高さを一定に保つことが難しく、停止して刈り高さを設定することが最も正確にできるが、作業中に停止させることは作業効率を低下させてしまう。また、作業中に高さ調節を繰り返しているうちに高さが変化することもあったのである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以上のような課題を解決するために、次のような手段を用いる。
油圧シリンダー29の伸縮で昇降回動する作業機装着装置Bを走行機体Aの前部に配置し、電磁弁45の切り換えで前記油圧シリンダー29を伸縮して作業機を昇降する構成において、前記電磁弁45を、操作パネル3に突出した走行レバー5に設けた昇降スイッチ8の操作で切り換え可能とするとともに、操作パネル3上に作業機の高さ表示部17を設け、該高さ表示部17に刈り高さ表示アーム33と電磁弁の作動停止部材を付設した高さ設定具40を配置し、該刈り高さ表示アーム33は、下端のボス部33aを枢支軸35に回転自在に枢支し、中途部には上昇側に付勢するバネ36が係止され、上端は表示部17の部分に突出され指針34が固定され、該刈り高さ設定具40は、ネジ部40aを表示部17の下方に突出し、該ネジ部40aには挟持プレート42を介してナット43を螺装し、該挟持プレート42に油圧シリンダー29の作動停止部材としてスイッチ44を固定し、該スイッチ44の当接接点44aを刈り高さ表示アーム33の回動側に位置させて、刈り高さ表示アーム33が下降側に回動したときに当接接点44aに当接すべく構成し、該刈り高さ表示アーム33と前記作業機装着装置Bとを連動連結して、高さ設定具40にて設定した高さに作業機を停止させるように構成し、前記刈り高さ表示アーム33の下端のボス部33aを枢支する枢支軸35に、前記走行レバー5を枢支したものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明の解決すべき課題及び手段は以上の如くであり、次に添付の図面に示した本発明の一実施例を説明する。
図1は本発明の昇降装置を採用した草刈作業車の側面図、
図2は同じく平面図、
図3は油圧シリンダー取付部の平面図、
図4は同じく側面図、
図5は操作部の後面図一部断面図、
図6は表示部の側面図、図7は同じく平面図、図8は昇降制御回路図、図9は他の実施例を示す平面図、図10は同じく昇降制御回路図である。
【0006】
図1、図2よりハンマーナイフ型草刈機を作業機とした草刈作業車の全体構成から説明する。
草刈作業車は走行機体Aの前部に、作業機装着装置Bを介して草刈機Cを装着しており、走行機体Aはクローラー式走行装置1上にエンジンやミッションケースを載置して、本体カバー2によって覆っている。機体後部にはステップ9が上方へ折り畳み収納可能に配置され、作業者が歩行しながら、または、ステップ9に乗りながら運転操作できるようにしている。
【0007】
また、走行機体Aの前部中央に動力取出ケース10が配置され、該動力取出ケース10の側部よりPTO軸を突出し、該PTO軸に出力プーリー11が固設されている。一方、草刈機Cのカバー13の右側上部に伝動軸受14が左右方向に横設され、該伝動軸受14内に伝動軸が横架され、該伝動軸の一端に入力プーリー12が固設され、他端は草刈機C側部に設けた伝動ケース15に入力し、前記入力プーリー12と出力プーリー11の間にはベルト16が巻回されて、伝動軸、伝動ケース15を介してカバー13内の刈刃を装着した刈取軸19を駆動する構成としている。
【0008】
そして、作業機装着装置Bは、走行機体Aの前部両側に枢支部が配置され、本実施例ではトラックフレームより前方に支持フレーム20・20を突出し、該支持フレーム20・20の前上端に昇降アーム21・21の後端を枢支ピン22・22によって枢支している。
該昇降アーム21・21間の前部には支持シャフト23・24が横架され、一方、前記草刈機Cのカバー13の上後面の両側にはヒッチが設けられ、該ヒッチに支持シャフト23を係止し、昇降アーム21・21の前下部とヒッチの下部をピン34によって固定できるようにし、該ピン34の抜き差しと支持シャフト23の係合によって草刈機Cを着脱可能としている。
【0009】
また、前記支持シャフト23・24の中央部には支持プレート26・26が固設され、図3、図4に示すように、走行機体A前部の機体フレーム30の中央前側には枢支体27が突設され、該枢支体27と支持プレート26との間に油圧シリンダー29が介装され、該油圧シリンダー29の伸縮によって昇降アーム21を上下回動して草刈機Cを昇降できるようにしている。
そして、該油圧シリンダー29のシリンダー後面には支持プレート31が固設され、該支持プレート31の端部にワイヤー32が連結されている。但し、本実施例では油圧シリンダー29にワイヤー32を連結しているが、作業機装着装置の回動する部分であれば、昇降アーム21や支持シャフト23・24等と連結することもできる。
【0010】
そして、本体カバー2の後部上には運転部が配置され、該運転部はハンドル4が本体カバー2後面より操作パネル3の上方周囲を囲むように配置され、前記操作パネル3上には図2、図5に示すように、走行レバー5や作業クラッチレバー6やアクセルレバー7等が突出され、該走行レバー5のグリップ5a(本実施例では側面)には昇降スイッチ8が配置され、該走行レバー5の側部の操作パネル3上には作業機の高さ表示部、本実施例では作業機が草刈機であるので刈り高さ表示部17が設けられている。
【0011】
該刈り高さ表示部17は、図5、図6、図7に示すように、操作パネル3の一部に長孔状のガイド孔17aを開口し、その側部上面に作業機の高さを示す目盛りを設けている。該ガイド孔17aには刈り高さ表示アーム33の上端が突出され、該刈り高さ表示アーム33の上端には指針34が固定され、該指針34で目盛りから作業機の高さを判断できるようにしている。
刈り高さ表示アーム33の下端のボス部33aは、枢支軸35に回転自在に枢支され、該刈り高さ表示アーム33の中途部はバネ36に係止され、該バネ36の他端は前記枢支軸35を支持するブラケット37に係止され、刈り高さ表示アーム33を前方(上昇側)に付勢している。
また、前記ボス部33aよりアーム39が突設され、該アーム39先端に前記ワイヤー32の他端が連結されている。
【0012】
従って、油圧シリンダー29を縮小させると、草刈機Cが下降され、油圧シリンダー29は前方へ回動し、シリンダーに支持プレート31を介して連結したワイヤー32が引っ張られて、アーム39を下方へ回動し、刈り高さ表示アーム33が油圧シリンダー29の縮小長さに比例して後方へ回動されるのである。
逆に、油圧シリンダー29を伸長して草刈機Cを上昇させると、油圧シリンダー29は後方へ回動し、ワイヤー32はバネ36の付勢力によって戻され、刈り高さ表示アーム33は油圧シリンダー29の伸長に応じて前方へ回動する。
【0013】
そして、前記ガイド孔17a内には、該ガイド孔17aに沿って摺動可能な刈り高さ設定具40が配置されている。
該刈り高さ設定具40はネジ部40aを下方に突出し、該ネジ部40aにガイド孔17aより幅広のワッシャ41と挟持プレート42を挿入し、その下部にナット43を螺装して、ワッシャ41と挟持プレート42でガイド孔17aの上下両側の表示部17を挟み、刈り高さ設定具40を締めつけることで、ガイド孔17aの任意位置に固定できるようにしている。
そして、前記挟持プレート42に油圧シリンダー29の作動停止部材としてスイッチ44を固定し、該スイッチ44の当接接点44aを刈り高さ表示アーム33の回動側に位置させて、刈り高さ表示アーム33が下降側に回動したときに当接接点44aに当接するように配置している。
【0014】
そして、図8に示すように、前記スイッチ44の接点44bはノーマルクローズに構成されて、油圧シリンダー29を伸縮させる電磁弁45の下降側のソレノイド45aと前記走行レバー5に設けた昇降スイッチ8の下降側の接点8aに直列に接続されている。前記昇降スイッチ8の上昇側の接点8bには電磁弁45の上昇側のソレノイド45bと接続されている。
該電磁弁45は3ポート3位置切換の電磁弁であって、電磁弁45の一次側のポンプポートは油圧ポンプPに接続され、二次側は無圧シリンダー29にそれぞれ配管を介して接続されている。但し、本実施例では単動式の油圧シリンダーとしているが、複動式の油圧シリンダーとすることもできる。
【0015】
このような構成において、刈り高さ設定具40を弛めて、所望の刈り高さの位置まで摺動して刈り高さ設定具40を締めつけて固定する。この状態から作業を開始するときに、昇降スイッチ8の下降のボタンを押すと、下降側のソレノイド45aが作動されて、油圧シリンダー29は縮小し、ワイヤー32が引っ張られて、刈り高さ表示アーム33が後方へ回動する。
そして、設定高さまで下降すると、刈り高さ表示アーム33がスイッチ44の接点44aに当接し、接点44bが開いて、ソレノイド45aをOFFとし、油圧シリンダー29の縮小は停止され、草刈機Cを設定高さに位置させることができる。作業中においても同様に、圃場が上昇傾斜や凸部等があると、その位置で上昇操作し、その位置を過ぎれば下降操作するだけで設定高さに草刈機を位置させることができる。
【0016】
また、下り傾斜や凹部のときには下げる必要があり、その位置を過ぎれば上昇させて設定高さにする必要があり、この場合にも上昇させたときに設定高さに位置させるように制御する構成とすることもできる。
即ち、図9、図10に示すように、高さ表示部17の側部にガイド孔17aと平行に刈り高さ設定具40のガイド孔17Bを開口し、該刈り高さ設定具40にスイッチ44を固定して、該スイッチ44の当接接点44aを刈り高さ表示アーム33の通過位置に臨ませて配置して、刈り高さ表示アーム33が回動して上昇側からでも下降側からでもONできる構成とする。一方、昇降スイッチ8は二段モーションスイッチとして、一段目の接点8a・8bは前記スイッチ44の接点44b・44bに接続し、二段目の接点8c・8dは接点44b・44bを回避して電磁弁45のソレノイド45a・45bにそれぞれ接続する。
【0017】
このように構成することで、刈り高さ設定具40を所望の高さにセットすれば、作業時に昇降スイッチ8の一段目で下降操作すれば、刈り高さ表示アーム33がスイッチ44の当接接点44aに当接して設定高さで草刈機が停止する。そして、凹凸や傾斜等の圃場に応じて昇降しなければならないときには、昇降スイッチ8を二段目まで押し込んで電磁弁45を作動して昇降させ、再び元の設定高さに戻すときは、昇降スイッチ8を一段目に操作すれば設定高さの位置で停止し、高さ変更の度に指針を見る必要がない。
なお、刈り高さ表示アーム33が設定高さに位置しているときは、一段目の昇降スイッチ8の操作で昇降しないので、誤操作することはない。
【0018】
【発明の効果】
本発明は、以上の如く構成したことにより、次のような効果が得られる。
即ち、高さ設定具を所望の高さにセットしておけば、昇降スイッチを押すだけで、作業機は設定高さに停止するようになり、作業者は高さ表示部を目視で確認しながら昇降操作する必要がなくなり、運転操作が容易に行え、設定高さから更に昇降しても、戻し側の昇降スイッチを押すだけで設定高さに戻すことができて、楽に操作でき作業効率も向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の昇降装置を採用した草刈作業車の側面図である。
【図2】同じく平面図である。
【図3】油圧シリンダー取付部の平面図である。
【図4】同じく側面図である。
【図5】操作部の後面図一部断面図である。
【図6】表示部の側面図である。
【図7】同じく平面図である。
【図8】昇降制御回路図である。
【図9】他の実施例を示す平面図である。
【図10】同じく昇降制御回路図である。
【符号の説明】
A 走行機体
B 作業機装着装置
C 草刈機
8 昇降スイッチ
3 操作パネル
17 高さ表示部
29 油圧シリンダー
33 高さ表示アーム
40 高さ設定具
44 スイッチ
45 電磁弁
Claims (1)
- 油圧シリンダー29の伸縮で昇降回動する作業機装着装置Bを走行機体Aの前部に配置し、電磁弁45の切り換えで前記油圧シリンダー29を伸縮して作業機を昇降する構成において、
前記電磁弁45を、操作パネル3に突出した走行レバー5に設けた昇降スイッチ8の操作で切り換え可能とするとともに、操作パネル3上に作業機の高さ表示部17を設け、該高さ表示部17に刈り高さ表示アーム33と電磁弁の作動停止部材を付設した高さ設定具40を配置し、
該刈り高さ表示アーム33は、下端のボス部33aを枢支軸35に回転自在に枢支し、中途部には上昇側に付勢するバネ36が係止され、上端は表示部17の部分に突出され指針34が固定され、
該刈り高さ設定具40は、ネジ部40aを表示部17の下方に突出し、該ネジ部40aには、挟持プレート42を介してナット43を螺装し、該挟持プレート42に油圧シリンダー29の作動停止部材としてスイッチ44を固定し、該スイッチ44の当接接点44aを刈り高さ表示アーム33の回動側に位置させて、刈り高さ表示アーム33が下降側に回動したときに当接接点44aに当接すべく構成し、
該刈り高さ表示アーム33と前記作業機装着装置Bとを連動連結して、高さ設定具40にて設定した高さに作業機を停止させるように構成し、
前記刈り高さ表示アーム33の下端のボス部33aを枢支する枢支軸35に、前記走行レバー5を枢支したことを特徴とする作業機装着装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26308196A JP3617886B2 (ja) | 1996-10-03 | 1996-10-03 | 作業機装着装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP26308196A JP3617886B2 (ja) | 1996-10-03 | 1996-10-03 | 作業機装着装置 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH10108518A JPH10108518A (ja) | 1998-04-28 |
JP3617886B2 true JP3617886B2 (ja) | 2005-02-09 |
Family
ID=17384577
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP26308196A Expired - Lifetime JP3617886B2 (ja) | 1996-10-03 | 1996-10-03 | 作業機装着装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3617886B2 (ja) |
-
1996
- 1996-10-03 JP JP26308196A patent/JP3617886B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
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JPH10108518A (ja) | 1998-04-28 |
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