JP2003259703A - トラクタの油圧昇降装置 - Google Patents

トラクタの油圧昇降装置

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JP2003259703A
JP2003259703A JP2002065518A JP2002065518A JP2003259703A JP 2003259703 A JP2003259703 A JP 2003259703A JP 2002065518 A JP2002065518 A JP 2002065518A JP 2002065518 A JP2002065518 A JP 2002065518A JP 2003259703 A JP2003259703 A JP 2003259703A
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hydraulic
lifting
rod
lift arm
tractor
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JP2002065518A
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Yasushi Goto
廉史 後藤
Mitsuo Toyokawa
光夫 豊川
Fumiaki Nishikawa
文顕 西川
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Iseki and Co Ltd
Iseki Agricultural Machinery Mfg Co Ltd
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Iseki and Co Ltd
Iseki Agricultural Machinery Mfg Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 構成が簡潔で廉価に構成でき、操作も容易な
作業機昇降用油圧機構を得ることを目的とする。 【解決手段】 リフトアーム35の回動軸外端部に延長
ボス42を着脱自在に取り付け、この延長ボス42に、
油圧操作レバー37を中立位置に戻す油圧フィードバッ
クロッド65と、機体下部に装着された作業機15を昇
降させる作業機昇降ロッド52とを挿通保持させ、前記
油圧フィードバックロッド65は、平面視において、リ
フトアーム35と作業機昇降ロッド52との間に介装す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、機体の腹下部に
モア等の芝刈機を装着して草刈作業等を行なうトラクタ
の油圧昇降装置に関する。
【0002】
【従来の技術】機体の腹下部に芝刈機を装着したい、わ
ゆるミッドモアを有するトラクタにおいては、刈刃部分
を覆うモアデッキを昇降させる油圧アクチュエータ(油
圧シリンダ)と昇降操作具が必要である。
【0003】一般に、農用トラクタではポジション制御
が可能な油圧操作レバーを座席の横に設け、この油圧操
作レバーを前後方向に操作して、機体後部のリフトアー
ムを回動させるようにしている。そして、機体後部に設
けた昇降リンクを介して、機体後部に各種作業に応じた
作業機を着脱変更自在に取り付けて、各作業を行ってい
る。一方、走行車両の機体腹下部にあって昇降リンクに
支持されたモアデッキを昇降させるためには前記リフト
アーム機構とは別に単動式の油圧シリンダを設け、この
単動式油圧シリンダに作動油を送って、あるいは排出さ
せてモアデッキを昇降させなければならない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ポジション制御付きト
ラクタは、油圧操作レバーとリフトアームの位置を夫々
正確に検出してこれらの動きを常時昇降用の油圧バルブ
にフィードバックさせなければならず、フィードバック
系の構成が複雑になる分だけ製造コストが高くなる欠点
がある。
【0005】また、機体の腹下部に装着されたモアデッ
キを専用の油圧シリンダを用いて昇降させるように構成
すると、高価な油圧シリンダやバルブを別に準備しなけ
ればならない他、新たに油圧配管等を配設しなければな
らないために構成が複雑になり、製造コストが高くなる
欠点が生じる。
【0006】本発明の課題は、前記した問題点に鑑みて
提案するものであって、構成が簡潔で廉価に構成でき、
操作も容易な腹下部用作業機昇降用の油圧機構を得るこ
とである。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明は、前記した問
題点を解決するために次のような技術的手段を講じた。
すなわち、請求項1の発明は、作業機昇降用リフトアー
ム35の回動軸外端部に延長ボス42を着脱自在に取り
付け、この延長ボス42に、油圧操作レバー37を中立
位置に戻す油圧フィードバックロッド65と、機体下部
に装着された作業機15を昇降させる作業機昇降ロッド
52とを挿通保持させたことを特徴とするトラクタの油
圧昇降装置の構成とした。
【0008】また、請求項2の発明は、前記中立復帰用
の油圧フィードバックロッド65は、平面視において、
リフトアーム35と作業機昇降ロッド52との間に介装
されていることを特徴とする請求項1記載のトラクタの
油圧昇降装置の構成とした。
【0009】前記構成による作用は次の通りである。油
圧操作レバー37を前後方向に操作するとそれに連動し
てリフトアーム35が上昇方向、又は下降方向に回動す
る。
【0010】このとき、リフトアーム35の軸外端部に
取り付けられた延長ボス42もリフトアーム35と一体
的に回動し、延長ボス42に挿通保持された2つのロッ
ド52,65を前後方向に押し引きする。
【0011】上昇位置、又は下降位置にあった油圧操作
レバー37は油圧フィードバックロッド65によって強
制的に中立位置に戻され、コントロールバルブ39を中
立位置に戻して作業機昇降用の油圧装置が作動し続ける
ことを防止する。
【0012】このとき、下降位置にあったモアデッキ2
9は上昇し、反対に上昇位置にあったモアデッキ29は
下降し、油圧操作レバー37が中立位置になった位置で
停止する。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面に示す実施例に基づい
て、この発明の実施例を説明する。まず、構成から説明
すると、小型の農用トラクタ1の機体の前部にエンジン
2を搭載し、このエンジン2の回転動力をミッションケ
ース3の前部に取り付けられた静油圧式無段変速装置
(HST)4にユニバーサルジョイント5を介して伝達
する。静油圧式無段変速装置4に入った動力はフロア8
の右側(前進方向に向かって)に設けられたHSTペダ
ル9の踏込量に応じてその斜板の傾倒角が変更され、モ
ータ軸(図示省略)の回転数と回転方向を制御する。す
なわち、HSTペダル9の前側をつま先で踏み込むと機
体は前進し、HSTペダル9の後側を踵で踏むと機体は
後進し、いずれの場合もその踏込量に応じて速度が増大
するように構成している。
【0014】ミッションケース3内には変速装置が設け
られ、この変速装置で最終的に減速された回転動力が左
右の後輪10,10に伝達される。
【0015】ミッションケース3の前部には前輪11,
11を駆動するための前輪駆動軸12と、機体腹下部に
取り付けられる作業機を駆動するためのミッドPTO軸
14が軸支されている。なお、この実施例では作業機と
して草や芝を刈るミッドモア15を平行リンク機構16
によって支持する構成としている。
【0016】平行リンク機構16の上端は機体に枢支さ
れ、下端はミッドモア15に枢着されている。
【0017】そして、前輪駆動軸12とフロントアクス
ルハウジング18の後部から後方へ向けて突出軸架され
た入力軸19とをユニバーサルジョイント20で連結し
て前輪11,11を駆動すると共に、ミッドモア15側
の入力軸22と前記ミッドPTO軸14とをユニバーサ
ルジョイント24で連結してミッドモア15を駆動する
構成としている。
【0018】更に詳述すると、ミッドモア15のギヤケ
ース25には刈刃駆動軸27が縦方向に軸架され、その
下部に刈刃30が取り付けられている。エンジン2始動
後、ミッションケース3内の油圧式PTOクラッチ32
を接続するとミッドPTO軸14が駆動され、その回転
がユニバーサルジョイント24を介してミッドモア15
側のギヤケース25に伝えられ、刈刃駆動軸27が回転
駆動され、回転する刈刃30によって草や芝を刈り取る
ようにしている。
【0019】この実施例では、ミッドモア15のモアデ
ッキ29内の左右幅方向には3枚の刈刃30,30,3
0が設けられ、これらは上から見て時計方向に回転する
ように支持されている。
【0020】また、ミッションケース3の上部には油圧
シリンダケース34が搭載され、その左右両側部にはリ
フトアーム35,35が回動自在に枢支されている。リ
フトアーム35,35は機体後部に連結されるロータリ
作業機や機体腹下部に装着される作業機を昇降させるた
めに設けられたもので、油圧操作レバー37を前後方向
に回動操作することによってリフトアーム35,35が
上下方向に回動する。
【0021】なお、農用トラクタ1において、ミッショ
ンケース3の前面上部に取り付けられたギヤポンプ3
8、油圧コントロールバルブ39、PTOクラッチ32
を入切りするPTOクラッチ入切レバー40が設けられ
ている。
【0022】ギヤポンプ38はエンジン2の近傍に取り
付けて直接これを駆動するようにしても良いが、この実
施例では配管類を短くするためにエンジン2から後方の
ミッションケース3側に移し、ミッションケース3内の
ギヤによって駆動するようにしている。このギヤポンプ
38から送り出された作動圧油は前記油圧コントロール
バルブ39内に流入し、油圧操作レバー37によって油
路が切換えられる。
【0023】すなわち、油圧コントロールバルブ39は
油圧操作レバー37と連動して動くメインスプールの切
換えによって油路が切換えられるものであって、油圧コ
ントロールバルブ39には、「中立位置」を挟んで「上
昇位置」と「下降位置」が設定され、油圧操作レバー3
7を「上昇位置」にするとギヤポンプ38からの作動圧
油は油圧シリンダケース34内に設けられた油圧シリン
ダ33内に流入してリフトアーム35,35を上昇方向
に回動させる。
【0024】反対に油圧操作レバー37を前進方向前側
に倒して「下降位置」に操作すると、油圧シリンダ33
内に流入していた作動圧油が油圧タンクを兼ねるミッシ
ョンケース3内に排出され、リフトアーム35,35を
下降側に回動させる。
【0025】次に図2〜図4に基づいてミッドモア15
の昇降機構と油圧操作レバー37の中立復帰機構につい
て説明する。
【0026】図4に示すように、前進方向(図4では左
側)に向かって右のリフトアーム35の回動軸外端部に
は昇降機構の一部を構成する円筒状の延長ボス42が着
脱自在に取り付けられている。
【0027】図2は延長ボス42の一部を破断して示す
正面図、図3は側面図である。
【0028】図2に示すように延長ボス42の内側には
リフトアーム35の回動軸外端部が入り込むことができ
る中空部42aが設けられ、さらに延長ボス42をリフ
トアーム35の外側面に固定するためのプレート44が
一体的に設けられている。このプレート44には2個の
通孔45,45が穿設され、この通孔45,45とリフ
トアーム35側のねじ孔(図示省略)とを対応合致させ
た後、ボルト46,46を締め込んで両者を締着固定す
るようにしている。
【0029】延長ボス42の外側には、さらに2枚の平
行なプレート48,48が下向に固着され、このプレー
ト48,48間に立方体状の駒50を回動可能な状態で
保持している。駒50の中心には正面から見て円形の孔
50aが前後方向に貫通するようにして設けられ、この
孔50aに作業機昇降ロッド52を挿通する。
【0030】作業機昇降ロッド52の後端にはねじ部5
3が設けられてここにナット54が螺着されている。さ
らに、図6で示すように、作業機昇降ロッド52の先端
部にはU字状に折り曲げた金具55が溶着され、そこに
長孔状の融通部56が形成されている。
【0031】機体中央部の横軸59によって枢着された
昇降アーム58,58は横軸59の左右に設けられ、こ
の昇降アーム58,58と前記ロッド52とはピン6
0,60を介して連結されている。
【0032】また、上部に長孔62,62を有する中継
リンク61,61は、前記昇降アーム58,58とピン
63,63で連結されている。中継リンク61,61の
下端はモアデッキ29を昇降させる前記平行リンク機構
16の一部にピン64,64にて連結される。
【0033】従って、リフトアーム35が上昇側に回動
するとロッド52が後方に移動され、昇降アーム58,
58、中継リンク61,61を順次介して平行リンク機
構16を引き上げ、モアデッキ29を上昇させるように
している。この場合、作業機昇降ロッド52の後端に螺
着されたナット54を適宜回動調節すれば作業機昇降ロ
ッド52の前後位置の調節が行なえてモアデッキ29の
微小な刈高さの調節が行なえる。
【0034】次に油圧操作レバー37を中立位置に戻す
中立復帰機構について図2乃至図5を主体に説明する。
【0035】延長ボス42の内側プレート44には油圧
フィードバックロッド65を挿通支持する第二の駒66
装着用の孔67が設けられ、この孔67に駒66が着脱
自在に取り付けられている。
【0036】油圧フィードバックロッド65は、この駒
66の通孔66aを貫通する形で前後方向に沿わせて設
けられ、駒66の前後にはスプリング69,70が介装
されている。この油圧フィードバックロッド65の後端
部にもねじ部65aが設けられ、ナット72が螺着され
ている。一方、前側スプリング69の前側には、位置決
め用のストッパ72が油圧フィードバックロッド65上
において前後スライド自在に嵌合されており、位置調節
後、ボルト73を締め付ければ任意の位置でストッパ7
2が固定されるようにしている。
【0037】図5において、油圧操作レバー37の回動
支点となる軸75にはクランク状のアーム76が固着さ
れ、このアーム76の上端に油圧操作レバー37が上方
へ向けて取り付けられ、アーム76の下端には前記油圧
フィードバックロッド65の前端がピン77にて枢着さ
れている。
【0038】同図において、油圧操作レバー37を上昇
側に操作すると、アーム76と一体の軸75が回されて
油圧コントロールバルブ39内に内装されたメインスプ
ールが上昇側に切り替えられ、油圧コントロールバルブ
39から送り出された作動圧油が次第に油圧シリンダ3
3内に流入してリフトアーム35,35を上昇側に回動
させて行く。そして、リフトアーム35,35の上昇側
への回動に伴って油圧フィードバックロッド65がスプ
リング70を介して後方に引かれ、上昇位置にあった油
圧操作レバー37を前側へ引き戻し、中立位置に復帰さ
せる。腹下作業機は上昇した位置を保って吊持されてい
る。
【0039】一方、油圧操作レバー37を下降側に操作
すると、油圧シリンダ33内に流入していた作動圧油が
ミッションケース3内に排出されてリフトアーム35,
35が下降側に回動する。
【0040】すると、油圧フィードバックロッド65は
スプリング69を介して前方に押されてクランク状のア
ーム76を図5において反時計方向に回動させ、油圧操
作レバー37を「下降位置」から「中立位置」に戻す。
このとき、腹下作業機は、下降状態で吊持されている。
【0041】なお、図4はトラクター1の平面図であ
り、この図から明らかなように前記2つのロッド52,
65はリフトアーム35と後輪10のフェンダー79間
に設けられており、2本のロッド52,65が互いに平
行な状態で前後方向に沿わせて設けられている。
【0042】また、図7は図4と同じ平面から見たもの
であるが、この図においては、前記2本のロッド52,
65の図示を省略している。符号80は前輪駆動入切レ
バー、81は副変速レバーである。前輪駆動入切レバー
80を入位置にすると前後輪10,11が共に駆動され
る四輪駆動状態になり、このレバー80を切位置にする
と後輪11のみが駆動される二駆状態となる。これら2
本のレバー80,81はガイド溝82,83上において
直線的に移動操作可能に設けられている。
【0043】また、これらのレバー80,81の内側に
は油圧操作レバー37が併設されている。左側フェンダ
ー79の内側ガイド溝84にはPTOクラッチ入切レバ
ー40が設けられ、その外側のガイド溝85にはミッド
PTO入切レバー88とリヤPTO入切レバー89が設
けられている。
【0044】ミッドPTO軸14とリヤPTO軸17は
独立して回転駆動できるものであり、前記ミッドPTO
入切レバー88とリヤPTO入切レバー89を入位置に
操作し、PTOクラッチ入切レバー40を入位置にする
とミッドPTO軸14とリヤPTO軸17が共に回転す
る。
【0045】なお、同図において、符号90は静油圧無
段変速装置4の前部に取り付けられた冷却ファン、91
はリフトアーム35の下降速度を調整するスローリター
ンバルブ調整ノブ、92はブレーキペダル、93はデフ
ロックペダル、94は座席、95はステアリングハンド
ル、96は燃料タンクの給油口である。また、フロア8
の一部は開口100されていてこの部分に鉄板で形成さ
れた蓋99(図6参照)が着脱自在に取り付けられる。
蓋99は座席94下部前方に位置していて、静油圧式無
段変速装置4が取り付けられている部分の上方を覆う。
蓋99を外すと前記静油圧式無段変速装置4の周辺部が
上方から覗けるように構成している。
【0046】蓋99を開けると、前輪11を駆動する前
輪駆動軸12部分や冷却ファン90、油圧コントロール
バルブ39、ギヤポンプ38、及び配管類が目視できる
ようになっており、日常の点検等が容易に行なえるよう
にしている。
【0047】次に図8、図9に示すブレーキペダル92
とHSTペダル9の中立復帰機構の関係について構成を
説明する。
【0048】HSTペダル9を前進方向又は後進方向に
踏み込むと静油圧無段変速装置4の斜板の傾きが変更調
節されてモータ軸の回転方向と回転数がコントロールさ
れ、HSTペダル9から足を離すと静油圧式無段変速装
置4に設けられた中立復帰用のスプリングによって静油
圧式無段変速装置4は中立位置に復帰される。
【0049】図8はブレーキペダル92の戻し用スプリ
ングと静油圧式無段変速装置4の中立復帰用のスプリン
グ101とを1本のスプリングで連結し、ブレーキペダ
ル92を踏み込んだときにはHSTペダル9も強制的に
中立に戻るようにしたものである。図8において、10
2はブレーキペダルストッパ、103はリターンスプリ
ング、104はHSTペダル9の回動支点、105はV
字溝113を有する中立復帰アームである。この中立復
帰アーム105はトラニオン軸106に取り付けられ、
このトラニオン軸106をHSTペダル9で回動させる
べくHSTペダルアーム9aと中立復帰アーム105側
のプレート108とをロッド107で連結している。1
10はニュートラルアームで、軸111に枢着され、中
間部に枢着したローラ112を中立復帰アーム105の
V字溝113内に当接させている。ニュートラルアーム
110とブレーキペダル92とは1本のスプリング10
1で連結され、ブレーキペダル92とブレーキ装置11
4のブレーキアーム115とは1本のロッド116で連
結されている。
【0050】上例において、HSTペダル9を前進側に
踏み込むとロッド107が後方(右)に押され、トラニ
オン軸106を時計方向に回転させる。すると、静油圧
式無段変速装置4のモータ軸が前進方向側に回転されて
機体は前進する。
【0051】走行中にHSTペダル9から足を離すとス
プリング101の弾性力によりローラ112がV字溝1
13の底部に入り込んで静油圧式無段変速装置4を中立
位置に戻す。HSTペダル9から足を離しながら略同時
にブレーキペダル92を踏み込むとスプリング101の
セット長さが長くなるため、静油圧式無段変速装置4の
中立復帰力が大きくなり、同時にブレーキ装置114も
制動されるため制動性能が高くなる。
【0052】図9は図8と同じ作用をなすもので、図8
との違いはリターンスプリング103の代わりをスプリ
ング101で全て行なわせるようにした点である。
【0053】この場合はスプリングが2本から1本で済
むために部品点数が少なくなり製造コストも安くするこ
とができる。
【0054】
【発明の効果】この発明は、次のように構成したので、
以下のような効果を奏する。即ち、請求項1の発明は、
作業機昇降用リフトアーム35の回動軸外端部に延長ボ
ス42を着脱自在に取り付け、この延長ボス42に、油
圧操作レバー37を中立位置に戻す油圧フィードバック
ロッド65と、機体下部に装着された作業機15を昇降
させる作業機昇降ロッド52とを挿通保持させたことを
特徴とするトラクタの油圧昇降装置としたので、後部作
業機用のリフトアーム35の回動をそのまま利用して油
圧操作レバー37の中立位置への強制的な戻しと、腹下
部の作業機の昇降とを簡単に行なうことができるもので
ある。しかも、延長ボス42をリフトアーム35の軸外
端部に固着するだけで良いので構成が簡潔であり、廉価
に構成できるものである。
【0055】また、請求項2では、中立復帰用の油圧フ
ィードバックロッド65は、平面視において、リフトア
ーム35と作業機昇降ロッド52との間に介装されてい
るので、フェンダー横の狭い空間内に2本のロッド6
5,52を合理的に配設できて作動も良好になると共
に、座席の横に設けた油圧操作レバー37と油圧フィー
ドバックロッド65との連係も適切に取ることができ、
油圧操作レバー37の円滑な中立復帰動作が期待でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 乗用芝刈機の側面図である。
【図2】 延長ボスの正面図である。
【図3】 延長ボスの側面図である。
【図4】 乗用芝刈機の平面図である。
【図5】 要部の拡大側面図である。
【図6】 要部の側面図である。
【図7】 要部の拡大平面図である。
【図8】 ブレーキペダルとHSTペダルの関係を説明
した作用説明図である。
【図9】 図8に相当する図である。
【符号の説明】
1 トラクタ 2 エンジン 3 ミッションケース 4 静油圧式
無段変速装置 8 フロア 9 HSTペ
ダル 15 作業機(ミッドモア) 35 リフトア
ーム 37 油圧操作レバー 39 油圧コン
トロールバルブ 42 延長ボス 52 作業機昇
降ロッド 65 油圧フィードバックロッド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西川 文顕 愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機 株式会社技術部内 Fターム(参考) 2B083 AA02 BA12 BA18 CA09 HA22 2B304 KA03 LA02 LA12 LB04 LB16 MA04 PA01 PC08 RA08 RA17

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 作業機昇降用リフトアーム35の回動軸
    外端部に延長ボス42を着脱自在に取り付け、この延長
    ボス42に、油圧操作レバー37を中立位置に戻す油圧
    フィードバックロッド65と、機体下部に装着された作
    業機15を昇降させる作業機昇降ロッド52とを挿通保
    持させたことを特徴とするトラクタの油圧昇降装置。
  2. 【請求項2】 前記中立復帰用の油圧フィードバックロ
    ッド65は、平面視において、リフトアーム35と作業
    機昇降ロッド52との間に介装されていることを特徴と
    する請求項1記載のトラクタの油圧昇降装置。
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Cited By (4)

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