JP2886263B2 - 感圧記録紙用顕色剤の製造方法及び感圧記録紙 - Google Patents

感圧記録紙用顕色剤の製造方法及び感圧記録紙

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JP2886263B2 JP2137266A JP13726690A JP2886263B2 JP 2886263 B2 JP2886263 B2 JP 2886263B2 JP 2137266 A JP2137266 A JP 2137266A JP 13726690 A JP13726690 A JP 13726690A JP 2886263 B2 JP2886263 B2 JP 2886263B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は感圧記録紙用顕色剤の製造方法及び感圧記録
紙に関し、特に記録像の発色濃度及び発色速度が著しく
改良された記録紙が得られる感圧記録紙用顕色剤の製造
方法に関する。
〔従来の技術〕
活性白土などは無機顕色剤と称されているのに対し
て、ノボラック型のフェノール樹脂や核置換サリチル酸
の金属塩等は有機顕色剤と称され、感圧記録紙用として
広く実用化されている(特公昭42−20144号公報、特公
昭51−25174号公報)。そして、これらの有機顕色剤は
いずれも、通常は水を媒体として微粒化され、無機体質
顔料、接着剤その他と混合してから支持体に塗布され、
感圧記録紙として仕上げられている(特公昭48−16341
号公報、特開昭54−143322号公報)。
〔発明が解決しようとする課題〕
核置換サリチル酸の亜鉛塩は顕色能が大きいので、感
圧記録紙用の顕色剤として広く実用されている。そし
て、これらの顕色剤には酸化亜鉛を併用することが多
く、酸化亜鉛の添加によって記録像の発色濃度及び発色
速度が改良されると言われている。通常、酸化亜鉛は、
顕色剤百重量部に対して数十ないし数百重量部添加され
ていて、これ以上の酸化亜鉛を添加しても記録像の発色
濃度及び発色速度の改善効果は限界に達していて、それ
以上には向上しない。一方、酸化亜鉛は白色顔料として
隠蔽力が比較的大きく、記録像の濃度を光学的に希釈す
る作用を有していて、過剰量の酸化亜鉛の添加はこの点
で好ましくない。特に、過剰量の酸化亜鉛の使用は黒色
の記録像の鮮明性を害すると考えられている。
このように、酸化亜鉛は核置換サリチル酸の亜鉛塩の
顕色能を増大させる良い効果を有するにもかかわらず、
一方で記録像を淡色化する悪い影響も併せもっているた
めに、実用に当たってはその良い効果が充分に引き出さ
れない程度の使用量で妥協点を見出さざるを得ないのが
現状である。
〔課題を解決するための手段〕
上記の課題を解決するために種々検討した結果、核置
換サリチル酸の亜鉛塩と酸化亜鉛とを混合加熱処理する
事によって、酸化亜鉛のもつ顕色能増大効果が非常に向
上して、少量の酸化亜鉛の使用で、その顕色能増大効果
が充分に引き出される事が見出された。あわせて、酸化
亜鉛と同じ効果が水酸化亜鉛及び炭酸亜鉛などの亜鉛化
合物にも見られる事が判り、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、少なくとも1個の炭化水素置換
基を有し、それらの置換基の合計炭素数が8個以上であ
る核置換サリチル酸の亜鉛塩と、酸化亜鉛、水酸化亜鉛
及び炭酸亜鉛の少なくとも1種とを混合加熱処理する事
を特徴とする感圧記録紙用顕色剤の製造方法である。
少量の酸化亜鉛を使用して本発明の製造方法に従って
製造した顕色剤は、感圧記録紙に応用した時に極めて鮮
明な記録像の得られる特徴的な感圧記録紙の製造を可能
にする。
上記の製造方法で用いる核置換サリチル酸の亜鉛塩に
おいて置換基の合計炭素数が8個未満の場合には、顕色
剤としての効果が不十分であることは従来から知られて
いる。従って、本発明においても少なくとも1個の炭化
水素置換基を有し、それらの置換基の合計炭素数が8個
以上である核置換サリチル酸の亜鉛塩を用いる。
本発明に使用される、少なくとも1個の炭化水素置換
基を有し、それらの置換基の合計炭素数が8個以上であ
る核置換サリチル酸の具体例としては、3−メチル−5
−セカンダリオクチルサリチル酸、3−メチル−5−タ
ーシャリオクチルサリチル酸、3−メチル−5−イソノ
ニルサリチル酸、3−メチル−5−セカンダリデシルサ
リチル酸、3−メチル−5−セカンダリドデシルサリチ
ル酸、3−メチル−5−イソドデシルサリチル酸、3−
メチル−5−(α−メチルベンジル)サリチル酸、3−
メチル−5−(α,α−ジメチルベンジル)サリチル
酸、3−イソプロピル−5−ターシャリオクチルサリチ
ル酸、3−イソプロピル−5−イソノニルサリチル酸、
3−イソプロピル−5−(α−メチルベンジル)サリチ
ル酸、3−イソプロピル−5−(α,α−ジメチルベン
ジル)サリチル酸、3,5−ジターシャリブチルサリチル
酸、3,5−ジターシャリブチル−6−メチルサリチル
酸、3−ターシャリブチル−5−ターシャリオクチルサ
リチル酸、3−ターシャリブチル−5−イソノニルサリ
チル酸、3−ターシャリブチル−5−(α−メチルベン
ジル)サリチル酸、3−ターシャリブチル−5−(α,
α−ジメチルベンジル)サリチル酸、3,5−ジターシャ
リアミルサリチル酸、3,5−ジターシャリアミル−6−
メチルサリチル酸、3,5−ジセカンダリヘキシルサリチ
ル酸、3−セカンダリオクチルサリチル酸、3−セカン
ダリオクチル−5−メチルサリチル酸、3−セカンダリ
オクチル−6−メチルサリチル酸、3−セカンダリオク
チル−5−イソプロピルサリチル酸、3−ターシャリオ
クチルサリチル酸、3−ターシャリオクチル−5−メチ
ルサリチル酸、3−ターシャリオクチル−6−メチルサ
リチル酸、3−イソノニルサリチル酸、3−イソノニル
−5−メチルサリチル酸、3−イソノニル−6−メチル
サリチル酸、3,5−ジイソノニルサリチル酸、3−イソ
ノニル−5−(α−メチルベンジル)サリチル酸、3−
セカンダリデシルサリチル酸、3−セカンダリデシル−
5−メチルサリチル酸、3−セカンダリデシル−6−メ
チルサリチル酸、3−セカンダリドデシルサリチル酸、
3−セカンダリドデシル−5−メチルサリチル酸、3−
イソドデシルサリチル酸、3−イソドデシル−5−メチ
ルサリチル酸、3−イソドデシル−6−メチルサリチル
酸、3−シクロヘキシル−5−ターシャリブチルサリチ
ル酸、3−シクロヘキシル−5−イソノニルサリチル
酸、3−シクロヘキシル−5−(α−メチルベンジル)
サリチル酸、3−フェニル−5−イソノニルサリチル
酸、3−フェニル−5−(α−メチルベンジル)サリチ
ル酸、3−フェニル−5−(α,α−ジメチルベンジ
ル)サリチル酸、3−(α−メチルベンジル)サリチル
酸、3−(α−メチルベンジル)−5−メチルサリチル
酸、3−(α−メチルベンジル)−5−イソノニルサリ
チル酸、3,5−ジ(α−メチルベンジル)サリチル酸、
3−(α,α−ジメチルベンジル)サリチル酸、3−
(α,α−ジメチルベンジル)−5−メチルサリチル
酸、3−(α,α−ジメチルベンジル)−6−メチルサ
リチル酸、3,5−ジ(α,α−ジメチルベンジル)サリ
チル酸、3,5−ジ(α,α−ジメチルベンジル)−6−
メチルサリチル酸又は3,5−ジ(α−メチルベンジル)
サリチル酸とベンジルクロライド又はスチレンとの縮合
又は付加生成物などが挙げられる。但し、ここでターシ
ャリオクチル基とはジイソブチレン又は1−ブテンの2
量体が、イソノニル基とはプロピレンの3量体が、そし
てイソドデシル基とはプロピレンの4量体又は1−ブテ
ンの3量体がそれぞれサリチル酸の核に付加して生成す
る置換基であると定義する。これらの核置換サリチル酸
はいずれも亜鉛と塩を形成する。塩は核置換サリチル酸
の二分子に対して一原子の亜鉛が対応している中性塩と
二分子に対して一原子以上の亜鉛が対応している塩基性
塩が存在するが、いずれも本発明の目的に供する事がで
きる。
酸化亜鉛、水酸化亜鉛及び炭酸亜鉛はいずれも水及び
有機溶媒に不溶性の白色微粉末であり、本発明の目的に
好ましい粉末の大きさはその一次粒子径が5ミクロン以
下である。
核置換サリチル酸の亜鉛塩と、酸化亜鉛、水酸化亜鉛
及び炭酸亜鉛から選ばれた亜鉛化合物との混合物を加熱
処理して顕色剤を製造する方法として次に列挙するよう
ないろいろな実施態様があるが、いずれの方法を用いて
も良好な結果を得ることができる。
1.核置換サリチル酸の亜鉛塩と亜鉛化合物とを混合し、
加熱処理し、冷却後微粉砕して顕色剤とする。
2.核置換サリチル酸の亜鉛塩と亜鉛化合物とを水又は有
機溶媒の存在下に混合加熱処理し、所望によりその加熱
処理後に水又は有機溶媒を除去し、乾燥してから微粉砕
して顕色剤とする。
3.核置換サリチル酸の亜鉛塩と亜鉛化合物とを水又は有
機溶媒の存在下に混合加熱処理しつつ水又は有機溶媒を
除去し、乾燥してから微粉砕して顕色剤とする。この場
合にも上記2項と同様の結果が得られる。
4.核置換サリチル酸の亜鉛塩の水分散液に更に亜鉛化合
物を分散させてから加熱処理し、所望によりその加熱処
理後に有機溶媒の少なくとも一部又は有機溶媒の少なく
とも一部と水の一部を除去して顕色剤水分散液とする。
5.核置換サリチル酸の亜鉛塩と亜鉛化合物とを水、分散
剤及び有機溶媒の存在下に乳化分散させ、つづいて加熱
処理し、所望によりその加熱処理後に有機溶媒の少なく
とも一部又は有機溶媒の少なくとも一部と水の一部を除
去して顕色剤水分散液とする。
6.核置換サリチル酸の亜鉛塩と亜鉛化合物とを水、分散
剤及び有機溶媒の存在下に乳化分散させ、つづいて加熱
処理しつつ有機溶媒の少なくとも一部又は有機溶媒の少
なくとも一部と水の一部を除去して顕色剤分散液とす
る。この場合にも上記5項と同様の結果が得られる。
7.核置換サリチル酸のアルカリ金属塩に更に過剰量の水
酸化アルカリ又は炭酸アルカリを加えた水溶液と硫酸亜
鉛又は塩化亜鉛などの水溶液とを複分解して核置換サリ
チル酸の亜鉛塩とともに水酸化亜鉛又は炭酸亜鉛を生成
させ、水不溶解物を分離して顕色剤とする。加熱処理は
複分解時又は複分解後に行う。
8.核置換サリチル酸のアルカリ金属塩の水溶液に酸化亜
鉛、有機溶媒及び硫酸亜鉛又は塩化亜鉛などの水可溶性
亜鉛塩の水溶液を加えて複分解を行い、生成する核置換
サリチル酸の亜鉛塩と酸化亜鉛を含有する有機層を分別
し、その有機層を上記第2項、第3項、第5項又は第6
項と同様の方法で処理して顕色剤又は顕色剤水分散液と
する。
上記の加熱処理温度は40ないし220℃の範囲が好まし
く、更に好ましくは50ないし200℃の範囲である。加熱
処理時間は加熱処理温度及び水又は有機溶媒の存在の有
無に依存しており、5秒間ないし200時間の広い範囲で
変化する。加熱処理温度が低いときはより長時間の処理
が必要であり、また水又は有機溶剤が適当量存在すれば
処理時間を短縮しうる効果がある。
本発明で用いることのできる有機溶媒は常圧で50ない
し200℃の範囲の沸点をもつものが好ましい。その具体
例としては、メタノール、エタノール、イソプロパノー
ル、ブタノール、セカンダリブタノール、イソブタノー
ル、ターシャリブタノール、ペンタノール、イソペンタ
ノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチ
レングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコー
ルモノブチルエーテル、3−メトキシブタノール、エチ
レングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコー
ルジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサ
ン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチル
ケトン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ジクロルエタ
ン、トリクロルエタン、シクロエキサン、メチルシクロ
ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベン
ゼン、クロルベンゼン又はジクロルベンゼンなどが挙げ
られる。
本発明で用いることのできる好ましい分散剤として
は、アルキル硫酸エステル、アルキルスルホン酸、アル
キルナフタリンスルホン酸、N−メチルタウリンオレイ
ン酸アミド、スルホコハク酸ジアルキルエステル又はア
ルキルフェノールエチレンオキサイド付加物の硫酸エス
テルのアルカリ金属、アンモニウム又はアミン塩及びロ
ート油などで代表されるアニオン界面活性剤、アルギン
酸、カルボキシメチルセルローズ、りん酸化澱粉、リグ
ニンスルホン酸、アクリル酸重合体、アクリル酸共重合
体、ビニルベンゼンスルホン酸重合体、ビニルベンゼン
スルホン酸共重合体、マレイン酸共重合体、イタコン酸
共重合体又はポリビニルアルコールの硫酸エステルなど
のアルカリ金属、アンモニウム又はアミン塩で代表され
る高分子量アニオン性化合物及びポリビニルアルコー
ル、メチルセルローズ、アクリルアミド重合体又はアク
リルアミド共重合体などで代表される水溶性の非イオン
高分子化合物などが挙げられる。
核置換サリチル酸の亜鉛塩の感圧記録紙用顕色剤とし
ての適性を更に向上させる目的で、酸化防止剤、紫外線
吸収剤、可そ剤又は高分子化合物などを添加する事がで
きる。
核置換サリチル酸の亜鉛塩と亜鉛化合物とは、亜鉛化
合物が核置換サリチル酸の亜鉛塩の微粒子に内包される
位置関係にある場合が最も好ましい。そして、亜鉛化合
物は核置換サリチル酸の亜鉛塩100重量部に対して1な
いし300重量部の範囲で、より好ましくは2ないし50重
量部の範囲で使用する。
本発明の方法によって製造される顕色剤は必要に応じ
て湿式微粉砕し、これに接着剤としての澱粉、カゼイ
ン、アラビヤゴム、カルボキシメチルセルローズ、ポリ
ビニルアルコール、スチレン・ブタジエン共重合ラテッ
クス、酢酸ビニル系ラテックス又はアクリルエステル系
ラテックス等、無機顔料としての酸化亜鉛、酸化マグネ
シウム、酸化チタン、水酸化アルミニウム、炭酸カルシ
ウム、炭酸マグネシウム又は硫酸カルシウム等、及びそ
の他の各種助剤を添加して、顕色剤層を形成するための
塗液を調製する。
そして、このようにして調製した顕色剤塗液をエアー
ナイフコーター、ブレードコーター、ロールコーター、
サイズプレスコーター、カーテンコーター又はショート
ドウェルコーターなど、通常の塗布装置によって上質
紙、コート紙、合成紙またはフィルム等の支持体上に塗
布し、感圧記録紙用顕色紙として仕上げる。
〔実施例〕
以下に、本発明の特徴と効果を一層明確にするために
実施例と比較例を挙げて説明する。なお、各例中の
「部」及び「パーセント」は「重量部」及び「重量パー
セント」を表わす。
比較例1 内容積500ミリリットルのトールビーカーに3,5−ジ
(α−メチルベンジル)サリチル酸亜鉛85グラム、スチ
レン・α−メチルスチレン共重合体(平均分子量1,20
0)15グラム及びトルエン80グラムを仕込み、混合溶解
させた。これに、アクリル酸ブチル7モルパーセント、
アクリル酸3モルパーセント及びアクリルアミド90モル
パーセントからなるアクリルアミド共重合体4グラム及
び炭酸ナトリウム0.2グラムを含む水溶液150グラムを加
え、ホモミキサー(特殊機化工業株式会社製;モデル
M)で45℃に於いて毎分10,000回の回転数で15分間乳化
分散させた。この乳化分散液をかきまぜ機、温度計及び
蒸留口のついた内容積500ミリリットルの硬質ガラス製
三つ口フラスコに移し、更に水50グラムを加え、ゆっく
りかきまぜながらフラスコを加熱して蒸留口からトルエ
ンと水とを留出させた。この間フラスコ内温は80℃から
100℃を示した。トルエンと水の合計留出量が130グラム
になった時に加熱をやめて内容物を冷却した。この間約
5時間を要した。内容物は約42パーセントの不揮発性成
分を有する顕色剤の水分散液であり、分散相の平均粒径
は1.1ミクロンであった。
実施例1 比較例1と全く同じ操作を行って得られた顕色剤の水
分散液に平均粒径0.6ミクロンの酸化亜鉛の60パーセン
ト水分散液70グラムを加えて70℃で24時間加熱した。冷
却して、不揮発性成分約46パーセントの顕色剤の水分散
液を得た。
実施例2 比較例1と同じトールビーカーに3,5−ジ(α−メチ
ルベンジル)サリチル酸亜鉛85グラム、スチレン・α−
メチルスチレン共重合体15グラム、トルエン80グラム及
び酢化亜鉛42グラムを仕込み、混合溶解させた。これに
比較例1と同じアクリルアミド共重合体4グラム及び炭
酸ナトリウム0.2グラムを含む水溶液180グラムを加え、
ホモミキサーで45℃に於いて毎分10,000回の回転数で15
分間乳化分散させた。分散液を顕微鏡で観察したところ
酸化亜鉛の粒子はすべてが有機相に内包されていて良く
分散されている事がわかった。この乳化分散液を比較例
1と同じ三つ口フラスコに移し、更に水50グラムを加
え、ゆっくりかきまぜながらフラスコに加熱して蒸留口
からトルエンと水の合計留出量が5時間で約130グラム
になるように調節した。この間フラスコの内温は80℃か
ら始まり、100℃で終った。留出終了後、内容物を冷却
した。内容物は不揮発性成分が約46パーセントで、分散
相の平均粒径が1.1ミクロンの顕色剤水分散液であっ
た。
比較例2 水50グラムを含有する3,5−ジ(α−メチルベンジ
ル)サリチル酸亜鉛の粉末900グラムとスチレン・α−
メチルスチレン共重合体の粉末150グラムを良く混合
し、180℃に加熱設定された1インチのタブルスクリュ
ー式押出機で、平均滞留時間が30秒間になるようにして
混練した。押し出されたストランドを空冷して、約300
メッシに粉砕した。この粉末100グラム、アクリルアミ
ド共重合体4グラム及び炭酸ナトリウム0.2グラムを含
む水溶液400グラム及び径1.4ミリメートルのガラスビー
ズ500ミリリットルを冷却ジャケットの付いた内容積1,0
00ミリリットルのポット式サンドミル(五十嵐機械製造
株式会社製;モデルTSG 4H)に仕込み、冷却ジャケッ
トに−15℃のブラインを通しつつ、毎分2,300回の回転
数で、内容物が過熱されないように注意しながら、回転
を断続しつつ、合計回転時間が20分になるように湿式微
粉砕した。ガラスビーズを除去して不揮発性成分が21パ
ーセントで、平均粒径が2.2ミクロンの顕色剤分散液を
得た。
実施例3 水50グラムを含有する3,5−ジ(α−メチルベンジ
ル)サリチル酸亜鉛の粉末900グラム、スチレン・α−
メチルスチレン共重合体の粉末150グラム及び酸化亜鉛4
20グラムを良く混合し、以下比較例2と同様に混練、粉
砕して300メッシの粉末を得た。この粉末142グラムを比
較例2と同様に湿式微粉砕処理して、不揮発性成分が約
30パーセントで、平均粒径が2.2ミクロンの顕色剤分散
液を得た。
実施例4 水10グラムを含有する3,5−ジ(α−メチルベンジ
ル)サリチル酸亜鉛の粉末180グラム、スチレン・α−
メチルスチレン共重合体の粉末30グラム、酸化亜鉛84グ
ラム、ベンゼン70グラム及びエタノール70グラムをかき
まぜ機、温度計及び還流冷却器のついた内容積500ミリ
リットルの三つ口フラスコに仕込んだ。内容物を比較的
強くかきまぜながらフラスコを加熱して内容物が少し沸
とうする程度にした。このときの温度は約80℃になって
いた。この状態を約3時間保ってから、内容物をステン
レススチール製のバットに移して、真空乾燥した。真空
乾燥の最終温度は130℃、真空度は20トールで2時間実
施した。冷却後、これを300メッシに微粉砕して、比較
例2と同様に湿式微粉砕処理して、不揮発性成分が約30
パーセントで、平均粒径が2.3ミクロンの顕色剤分散液
を得た。
比較例3 内容積500ミリリットルのトールビーカーに3−イソ
ドデシルサリチル酸亜鉛の微粉末100グラム及びトルエ
ン80グラムを仕込み、溶解した。これに、アクリルアミ
ド共重合体4グラム及び炭酸ナトリウム0.2グラムを含
む水溶液150グラムを加えホモミキサーで45℃に於いて
毎分10,000回の回転数で15分間乳化分散させた。以下、
比較例1と全く同様に処理して、不揮発性成分を43パー
セント含有し、平均粒径が0.9ミクロンの顕色剤の水分
散液を得た。
実施例5 内容積500ミリリットルのトールビーカーに3−イソ
ドデシルサリチル酸亜鉛の微粉末100グラム、酸化亜鉛4
2グラム及びトルエン80グラムを仕込み、混合溶解し
た。ついで、比較例3と全く同様の操作をして、不揮発
性成分を50パーセント含有し、平均粒径が0.9ミクロン
の顕色剤の水分散液を得た。
実施例6 かきまぜ機、温度計、滴下ロート及び還流冷却器の付
いた内容積2,000ミリリットルの四つ口フラスコに3−
イソドデシルサリチル酸ナトリウム100グラムを含有す
る水溶液900グラム、酸化亜鉛42グラム及びトルエン80
グラムを仕込み、フラスコ内の温度を80℃に保ちつつ、
はげしくかきまぜながら滴下ロートから20パーセント硫
酸亜鉛水溶液300グラムを滴下した。滴下終了後、2時
間その状態に保ってから、内容物を分液ロートに移し、
有機相を分取した。核置換サリチル酸亜鉛及び酸化亜鉛
を含有する有機層を比較例3と全く同様の操作で処理し
て、不揮発性成分を50パーセント含有し、平均粒径が0.
9ミクロンの顕色剤の水分散液を得た。
顕色剤塗液の調製及び感圧記録紙用顕色紙の製造 比較例1ないし比較例3及び実施例1ないし実施例6
で得られた顕色剤の水分散液の3,5−ジ(α−メチルベ
ンジル)サリチル酸亜鉛又は3−イソドデシルサリチル
酸亜鉛量が10部に相当する量、炭酸カルシウム75部、表
1に記載した量の酸化亜鉛及び水100部を混合分散し、
続いてバインダーとしてポリビニルアルコール10パーセ
ント水溶液100部、固形分50パーセントのカルボキシル
変性SBRラテックス(SN−307、住友ノーガタック株式会
社製)20部及び水200部を混合分散して顕色剤塗液を調
製した。
この塗液を40グラム/平方メートルの原紙の片面に上
記の核置換サリチル酸亜鉛が0.4グラム/平方メートル
だけ付着するように塗布し、乾燥して感圧記録紙用顕色
紙を得た。この工程で、比較例1による顕色剤の水分散
液からは比較例1−1又は比較例1−2、実施例1によ
るものからは実施例1−1が得られるものとして、以下
同様に顕色紙が得られるものとする。
上葉紙の製造 アルキルナフタリンにクリスタルバイオレットラクト
ンを溶解し、この油性液をマイクロカプセル化して調製
したマイクロカプセル塗液を原紙の片面に乾燥重量が4
グラム/平方メートルだけ増加するように塗布し、乾燥
して上葉紙を得た。
顕色紙の試験 1.発色性試験 前記の比較例及び実施例で得られた顕色紙と上葉紙を
0℃の雰囲気下に1時間放置し、次に顕色紙と上葉紙の
塗布面を互に対向させ0℃の雰囲気下で、落下式発色試
験機(錘り;150グラム、高さ;20センチメートル)によ
り発色させてから、マクベス反射濃度計で、打圧の10秒
後及び1日後の発色濃度を測定した。
2.試験結果 試験結果を表1に記載する。
但し、発色性は比較例1−1、比較例2−1及び比較
例3−1の発色濃度をそれぞれ100として、比較例1−
1には比較例1−2、実施例1−1及び実施例2−1
を、比較例2−1には比較例2−2、実施例3−1及び
実施例4−1を、及び比較例3−1には比較例3−2、
実施例5−1及び実施例6−1を対応させて、発色濃度
の比を表わした。
〔発明の効果〕 表1の結果からも、熱処理による酸化亜鉛の記録像濃
度及び発色速度の改良効果は明白であり、酸化亜鉛量の
節約による経済効果も無視する事が出来ない。
フロントページの続き (72)発明者 塩崎 知晴 兵庫県尼崎市常光寺4丁目3番1号 神 崎製紙株式会社神崎工場内 (72)発明者 田中 雅人 兵庫県尼崎市常光寺4丁目3番1号 神 崎製紙株式会社神崎工場内 (56)参考文献 特開 昭63−98483(JP,A) 特開 平1−263074(JP,A) 特開 昭57−72892(JP,A) 特開 昭57−133092(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B41M 5/155

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも1個の炭化水素置換基を有し、
    それらの置換基の合計炭素数が8個以上である核置換サ
    リチル酸の亜鉛塩と、酸化亜鉛、水酸化亜鉛及び炭酸亜
    鉛の少なくとも1種とを混合加熱処理する事を特徴とす
    る感圧記録紙用顕色剤の製造方法。
  2. 【請求項2】少なくとも1個の炭化水素置換基を有し、
    それらの置換基の合計炭素数が8個以上である核置換サ
    リチル酸の亜鉛塩と、酸化亜鉛、水酸化亜鉛及び炭酸亜
    鉛の少なくとも1種とを水又は有機溶媒の存在下に混合
    加熱処理する事を特徴とする感圧記録紙用顕色剤の製造
    方法。
  3. 【請求項3】少なくとも1個の炭化水素置換基を有し、
    それらの置換基の合計炭素数が8個以上である核置換サ
    リチル酸の亜鉛塩と、酸化亜鉛、水酸化亜鉛及び炭酸亜
    鉛の少なくとも1種とを水又は有機溶媒の存在下に混合
    加熱処理しつつ水又は有機溶媒を除去する事を特徴とす
    る感圧記録紙用顕色剤の製造方法。
  4. 【請求項4】少なくとも1個の炭化水素置換基を有し、
    それらの置換基の合計炭素数が8個以上である核置換サ
    リチル酸の亜鉛塩と、酸化亜鉛、水酸化亜鉛及び炭酸亜
    鉛の少なくとも1種とを水、分酸剤及び有機溶媒の存在
    下に乳化分散させ、つづいて加熱処理する事を特徴とす
    る感圧記録紙用顕色剤の製造方法。
  5. 【請求項5】少なくとも1個の炭化水素置換基を有し、
    それらの置換基の合計炭素数が8個以上である核置換サ
    リチル酸の亜鉛塩と、酸化亜鉛、水酸化亜鉛及び炭酸亜
    鉛の少なくとも1種とを水、分酸剤及び有機溶媒の存在
    下に乳化分散させ、つづいて加熱処理しつつ水及び有機
    溶媒を除去する事を特徴とする感圧記録紙用顕色剤の製
    造方法。
  6. 【請求項6】少なくとも1個の炭化水素置換基を有し、
    それらの置換基の合計炭素数が8個以上である核置換サ
    リチル酸のアルカリ金属塩の水溶液に酸化亜鉛、有機溶
    媒及び水可溶性亜鉛塩の水溶液を加えて、加熱下又は非
    加熱下に複分解を行い、その生成した核置換サリチル酸
    の亜鉛塩及び酸化亜鉛を含有する有機層を分別し、これ
    に水及び分散剤を加えて乳化分散させ、つづいて加熱処
    理する事を特徴とする感圧記録紙用顕色剤の製造方法。
  7. 【請求項7】少なくとも1個の炭化水素置換基を有し、
    それらの置換基の合計炭素数が8個以上である核置換サ
    リチル酸のアルカリ金属塩の水溶液に酸化亜鉛、有機溶
    媒及び水可溶性亜鉛塩の水溶液を加えて、加熱下又は非
    加熱下に複分解を行い、その生成した核置換サリチル酸
    の亜鉛塩及び酸化亜鉛を含有する有機層を分別し、これ
    に水及び分散剤を加えて乳化分散させ、つづいて加熱処
    理しつつ水及び有機溶媒を除去する事を特徴とする感圧
    記録紙用顕色剤の製造方法。
  8. 【請求項8】加熱処理温度が50ないし200℃である請求
    項(1)ないし(7)の何れかに記載の感圧記録紙用顕
    色剤の製造方法。
  9. 【請求項9】前記の核置換サリチル酸が3,5−ジ(α−
    メチルベンジル)サリチル酸である請求項(1)ないし
    (8)の何れかに記載の感圧記録紙用顕色剤の製造方
    法。
  10. 【請求項10】前記の核置換サリチル酸が3−イソドデ
    シルサリチル酸である請求項(1)ないし(8)の何れ
    かに記載の感圧記録紙用顕色剤の製造方法。
  11. 【請求項11】請求項(1)ないし(10)の何れかに記
    載の製造方法によって得られた感圧記録紙用顕色剤を含
    有する塗液を支持体に塗布してなる感圧記録紙。
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