JP2885466B2 - 顕色剤水分散液の製造方法及び感圧複写紙 - Google Patents

顕色剤水分散液の製造方法及び感圧複写紙

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JP2885466B2 JP2086476A JP8647690A JP2885466B2 JP 2885466 B2 JP2885466 B2 JP 2885466B2 JP 2086476 A JP2086476 A JP 2086476A JP 8647690 A JP8647690 A JP 8647690A JP 2885466 B2 JP2885466 B2 JP 2885466B2
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Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は、高濃度で取り扱い性と貯蔵安定性の改良さ
れた顕色剤水分散液の製造方法及び多数枚発色性に優れ
た感圧複写紙に関する。
「従来の技術」 ノボラック型のフェノール樹脂や置換サリチル酸の金
属塩は、活性白土などの無機顕色剤に対して有機顕色剤
と呼ばれ、感圧複写紙用として広く実用化されている
(特公昭42−20144号、同51−25174号)。これらの顕色
剤は通常水を媒体として微粉砕もしくは微分散され、無
機顔料、接着剤、その他を混合してから紙面に塗布され
る(特公昭48−16341号、特開昭54−143322号)。
感圧複写紙用顕色剤として使用される置換サリチル酸
の金属塩は、濃厚で取り扱い性と安定性に優れた水分散
液として供給されるのが望ましいが、この顕色剤の粗粒
子を、そのまま分散剤を含む水の中でボールミルやサン
ドグラインダー等で、適度な大きさまで微粉砕すると、
分散液は著しくチキソトロピックとなって、流動性の乏
しい取り扱いの困難な状態にしかならない。そして、多
少ともこれを流動性にしようとすれば、分散液中の顕色
剤濃度を低下させたり、泡立ちが著しい程度に多量の分
散剤を使用したりしなければならず、好ましくない。
一方、この顕色剤を有機溶剤に溶解して、分散剤を含
む水溶液に、強力な撹拌手段で乳化分散させると、高濃
度でも流動性のよい乳化分散液が得られるが、分散粒子
が有機溶剤を含む液滴であるために、長時間の貯蔵中
に、粒子のサイズが大きくなったり、容器の壁付近で乳
化が破壊されたりする現象がおこって、安定性に欠けて
いる。
そのため、本発明者は高濃度で取り扱い性と貯蔵安定
性にすぐれた顕色剤水分散液の開発について鋭意研究の
結果、特定の置換サリチル酸塩を主成分とする顕色剤を
有機溶剤に溶解し、特定のポリビニルアルコールを含む
水中で乳化分散せしめ、つづいてこの分散液を加熱して
有機溶剤を蒸留除去することによって、高濃度でも取り
扱い性と貯蔵安定性にすぐれた顕色剤分散液が得られる
ことを見出し、先に特開平1−34782号として出願し
た。
「発明が解決しようとする課題」 しかし、このような方法で得られた顕色剤の水分散液
を用いて得られる感圧複写紙でも、なお多数枚発色性に
おいて改良の余地が残されていることが明らかとなっ
た。
即ち、上記の方法で得られた顕色剤を用いて製造した
感圧複写紙用中用紙及び下用紙を多数枚、例えば5〜10
枚重ね合わせた状態で印字した場合、字が途切れ途切れ
になり、印字のつながりが悪くなる問題がある。また、
印字の際の圧力が弱い場合には、一層字が読み取り難く
なり、場合によっては判別できなくなることすらある。
本発明は上記の問題を解決し、多数枚発色性に優れた
感圧複写紙を提供することを目的とする。
「課題を解決するための手段」 本発明は、一般式〔I〕 〔一般式〔I〕において、R1,R2,R3,及びR4は同じでも
異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素数
1から15までのアルキル基、シクロアルキル基、フェニ
ル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、核置換され
たフェニル基、アラールキル基または核置換されたアラ
ールキル基であり、またR1,R2,R3,及びR4のうち相隣る
二つが結合して環を形成してもよい。nは1以上の数、
Mは多価金属原子を示す。〕 で表される核置換サリチル酸塩を主成分とする顕色剤を
有機溶剤に溶解させ、この溶液を分散剤を含有する水溶
液中で乳化分散させ、つづいてこの分散液を加熱して有
機溶剤を蒸留除去して得られる顕色剤水分散液を、さら
に湿式微粉砕処理して顕色剤の平均粒子径を10%以上減
少させてなる顕色剤水分散液の製造方法である。
また本発明は、上記の分散剤が、重合度が100以上で
あり、アルキルアミド70〜96モル%とアクリル酸、メタ
クリル酸、イタコン酸叉はマレイン酸の炭素数4以下の
アルキル叉はアルコキシアルキルエステル4〜30モル%
との共重合比を有するアクリルアミド共重合体である顕
色剤水分散液の製造方法である。
更に本発明は、上記の製造方法により得られた顕色剤
水分散液を含む塗液を支持体に塗布してなる感圧複写紙
である。
「作用」 一般式〔I〕で表される置換サリチル酸塩は、いずれ
も感圧複写紙用としての顕色能が大きく、その代表的な
例としては、3−メチル−5−(イソ)ノニルサリチル
酸、3−メチル−5−(イソ)ドデシルサリチル酸、3
−メチル−5−(イソ)ペンタデシルサリチル酸、3−
メチル−5−(α−メチルベンジル)サリチル酸、3−
メチル−5−(α,α−ジメチルベンジル)サリチル
酸、3,5−ジセカンダリブチルサリチル酸、3,5−ジター
シャリブチル−6−メチルサリチル酸、3−ターシャリ
ブチル−5−フェニルサリチル酸、3,5−ジターシャリ
アミルサリチル酸、3−シクロヘキシル−5−(イソ)
ノニルサリチル酸、3−フェニル−5−(イソ)ノニル
サリチル酸、3−(α−メチルベンジル)−5−(イ
ソ)ノニルサリチル酸、3−イソプロピル−5−(イ
ソ)ノニルサリチル酸、3−(イソ)ノニルサリチル
酸、3−(イソ)ノニル−5−メチルサリチル酸、3−
(イソ)ノニル−5−シクロヘキシルサリチル酸、3−
(イソ)ノニル−5−フェニルサリチル酸、3−(イ
ソ)ノニル−5−(α−メチルベンジル)サリチル酸、
3−(イソ)ノニル−5−(4,α−ジメチルベンジル)
サリチル酸、3−(イソ)ノニル−5−(α,α−ジメ
チルベンジル)サリチル酸、3−(α,α−ジメチルベ
ンジル)−5−(イソ)ノニルサリチル酸、5−(イ
ソ)ノニルサリチル酸、3−(イソ)ノニル−6−メチ
ルサリチル酸、3−ターシャリブチル−5−(イソ)ノ
ニルサリチル酸、3,5−ジ(イソ)ノニルサリチル酸、
3−(イソ)ドデシルサリチル酸、3−(イソ)ドデシ
ル−5−メチルサリチル酸、3−(イソ)ドデシル−6
−メチルサリチル酸、3−イソプロピル−5−(イソ)
ドデシルサリチル酸、3−(イソ)ドデシル−5−エチ
ルサリチル酸、5−(イソ)ドデシルサリチル酸、3−
(イソ)ペンタデシルサリチル酸、3−(イソ)ペンタ
デシル−5−メチルサリチル酸、3−(イソ)ペンタデ
シル−6−メチルサリチル酸、5−(イソ)ペンタデシ
ルサリチル酸、3,5−ジシクロヘキシルサリチル酸、3
−シクロヘキシル−5−(α−メチルベンジル)サリチ
ル酸、3−フェニル−5−(α−メチルベンジル)サリ
チル酸、3−フェニル−5−(α,α−ジメチルベンジ
ル)サリチル酸、3−(α−メチルベンジル)サリチル
酸、3−(α−メチルベンジル)−5−メチルサリチル
酸、3−(α−メチルベンジル)−6−メチルサリチル
酸、3−(α−メチルベンジル)−5−フェニルサリチ
ル酸、3,5−ジ(α−メチルベンジル)サリチル酸、3
−(α−メチルベンジル)−5−(α,α−ジメチルベ
ンジル)サリチル酸、3−(α−メチルベンジル)−5
−ブロモサリチル酸、3−(α,4−ジメチルベンジル)
−5−メチルサリチル酸、3,5−ジ(α,4−ジメチルベ
ンジル)サリチル酸、3−(α,α−ジメチルベンジ
ル)−5−メチルサリチル酸、3−(α,α−ジメチル
ベンジル)−6−メチルサリチル酸、3,5−ジ(α,α
−ジメチルベンジル)サリチル酸、5−(4−メシチル
メチルベンジル)サリチル酸、ベンジル化スチレン化サ
リチル酸、2−ヒドロキシ−3−(α,α−ジメチルベ
ンジル)−1−ナフトエ酸又は3−ヒドロキシ−7−
(α,α−ジメチルベンジル)−2−ナフトエ酸、3,5
−ジターシャリブチルサリチル酸、3−(イソ)ノニル
サリチル酸、3−(イソ)ノニル−5−メチルサリチル
酸、3−(イソ)ノニル−6−メチルサリチル酸、3−
(α−メチルベンジル)−4−メチルサリチル酸、ピネ
ン化サリチル酸、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸等の
多価金属塩が挙げられる。多価金属の具体的な例として
は、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム、
鉄、コバルトまたはニッケルが挙げられる。これらは単
独で、または混合して使用される。なお(イソ)アルキ
ルは、イソアルキル基またはノルマルアルキル基を示
す。イソノニル基、イソドデシル基及びイソペンタデシ
ル基は、それぞれプロピレン三量体、プロピレン四量体
または1−ブテン三量体及びプロピレン五量体が付加し
て生じた置換基として定義する。一般式〔I〕において
R1またはR3のうち少なくとも一つがイソノニル基、イン
ドデシル基またはイソペンタデシル基であるものは、感
圧複写紙が日光に曝されても呈色能が低下し難いため好
ましい。
これらの置換サリチル酸塩の中には単独では結晶性で
あるものもあるし、その軟化点もまちまちである。非結
晶性で好ましい軟化点を有する顕色剤を調製するには、
その多くは適当に混合して目的の物性になるように調節
しなければならない。
顕色剤の軟化点が低すぎると、紙表面に塗布、乾燥さ
れる顕色剤が紙繊維間に浸透移行して顕色作用の損失が
みられるし、顕色剤の水分散液も凝固しやすく、長時間
にわたって充分に安定であるとは言えない。
一方、顕色剤の軟化点が高すぎても、紙表面に塗布、
乾燥される時に殆ど自着作用を現す事がないので、これ
を紙表面に固着させるために多量の接着剤を使用しなけ
ればならず、その場合は接着剤が膜となってマイクロカ
プセル中に存在する染料溶解オイルの移行を妨げる結
果、顕色作用の損失が見られる。
これらの理由から顕色剤の好ましい軟化点範囲の下限
と上限がきめられる。顕色剤の軟化点は20℃以上が好ま
しく、更に好ましくは30℃〜85℃である。
顕色剤の軟化点を好ましい温度に調節する方法として
は、第一には軟化点の異なる顕色剤を混合する事、第二
には高すぎる軟化点の顕色剤に軟化点を低下させるよう
な物質、例えば脂肪酸の金属塩、トリアルキルフェノー
ル、トリアラールキルフェノールまたはスチレンオリゴ
マー等を添加する事、第三には低すぎる軟化点の顕色剤
に軟化点を上昇させるような物質、例えばポリスチレ
ン、ポリ−α−メチルスチレンまたは石油樹脂等を添加
する事が挙げられる。
なお、本発明でいう軟化点は、顕色剤が水中で平衡水
分を含有する状態での軟化温度をいう。普通、乾燥状態
での軟化点より50℃低めである。また、真球状とは液滴
がその表面張力の作用によって自然に球状になって、固
化した状態をさすものとする。
なお、本発明において顕色剤を有機溶剤に溶解する際
に使用する有機溶剤には、水に対する溶解性が比較的小
さく、顕色剤の溶解性が良い事、沸点が低い事ないしは
分散液の調製中に化学的な変化を受けにくい事等の諸性
質が要求される。
その具体的な例としては、ベンゼン、トルエン、キシ
レン、クロロホルム、四塩化炭素、トリクロロエタン、
クロルベンゼン、メチルエチルケトン、メチルイソブチ
ルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、ブタノール、アミ
ルアルコールまたはメチルターシャリブチルエーテル等
が挙げられる。
有機溶剤の使用量は、やはり目的とする分散粒子の大
きさ等に応じて適宜調節されるが、顕色剤100重量部に
対して500重量部以下程度の範囲で調節するのが望まし
い。
顕色剤を有機溶剤に溶解し、分散剤を有する水溶液中
で乳化分散するが、本発明の方法で使用される分散剤と
しては、例えばアルキル硫酸エステルのアルカリ塩、ア
ルキルベンゼンスルホン酸のアルカリ塩、アルキルナフ
タレンスルホン酸のアルカリ塩、オレイン酸アミドスル
ホン酸のアルカリ塩、ジアルキルスルホコハク酸のアル
カリ塩等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレン
アルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル
等のノニオン性界面活性剤、アラビアガム、アルギン酸
ナトリウム、寒天、ゼラチン等の天然高分子物質、カル
ボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロー
ス、カルボキシメチル化澱粉、リン酸化澱粉、リグニン
スルホン酸ナトリウム等の半合成高分子物質、メチルビ
ニルエーテル・無水マレイン酸共重合体、エチレン・無
水マレイン酸共重合体、スチレン・無水マレイン酸共重
合体、アクリル酸重合体、アクリル酸・メタクリル酸メ
チル共重合体、アクリル酸・アクリルアミド共重合体、
ビニルベンゼンスルホン酸重合体等の重合体や共重合体
のアルカリ塩、ポリビニルアルコール、ポリアクリルア
ミド、ビニルカルボン酸エステル・アクリルアミド共重
合体等の合成高分子物質等が挙げられるが、本発明の方
法ではこれらの中でもビニルカルボン酸エステル・アク
リルアミド共重合体が好ましい。特に本発明の方法では
重合度が100以上であり、アクリルアミド70〜96モル%
とアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸叉はマレイン
酸の炭素数4以下のアルキル叉はアルコキシアルキルエ
ステル4〜30モル%との共重合比のアクリルアミド共重
合体は保護コロイド性が大きく、しかも起泡性の小さな
分散系を与えるため、分散剤として使用するのにより好
ましい。叉、これら分散剤の使用は単独であっても、2
種以上の併用であっても構わない。これらの分散剤の使
用量は目的とする分散粒子の大きさ等に応じて適宜調節
されるが、好ましくは顕色剤100重量部に対して1〜30
重量部程度の割合で調節される。
かくして調製された顕色剤の水分散液は、次工程で加
熱処理により、有機溶剤が蒸留除去されて真球状の粒子
からなる顕色剤水分散液が調製されるが、本発明の方法
では、得られた顕色剤水分散液を、さらに顕色剤の平均
粒子径が10%以上、好ましくは20%以上減少させる条件
で湿式微粉砕処理するものである。
顕色剤の平均粒子径が10%以上減少する湿式微粉砕処
理を行わないと、多数枚発色性において満足し得る感圧
複写紙は得られない。
本発明の方法で使用される微粉砕処理機としては、サ
ンドミル型粉砕機、3本ロールミル、高速インペラー分
散機、高速ストーンミル、高速度衝撃ミル等の高速グラ
インド装置等が挙げられるが、処理条件設定の容易さ、
粉砕効率等を考慮するとサンドミル型粉砕機、高速イン
ペラー分散機が好ましく、その中でもサンドミル型粉砕
機がより好ましく使用される。
サンドミル型粉砕機の具体例としては、撹拌槽にガラ
スビーズ、セラミックボール、スチールボール等のメデ
ィアと処理分散液を一緒に入れ、上部より垂直アームで
撹拌するアトライター、セントリーミル等の如き撹拌槽
型ミル;内部にディスクやピンを有する軸を備えた縦型
や横型の円筒型槽にメディアを充填しておき、これに処
理分散液を連続的に送り込んで粉砕処理をするサンドグ
ラインダー、グレーンミル、パールミル、マターミル、
ダイノーミル等の如き流通管型ミル;二重円筒や二重円
錐で構成されるギャップ(メディア4個分程度)中にメ
ディアを充填しておき、外筒又は内筒を回転させながら
連続的に送り込まれる処理分散液を粉砕処理するコニカ
ルボールミル、アニューラーミル等の如きアニューラー
型連続湿式撹拌ミル等が挙げられる。
サンドミル型粉砕機で、顕色剤水分散液を処理する際
には、処理後の顕色剤の平均粒子径が10%以上減少する
ように、例えば粉砕メディアの量、処理分散液の流量、
処理液濃度、処理液中に配合される分散剤の量等を使用
するサンドミルの種類に応じて適宜調節して湿式微粉砕
処理が施される。
顕色剤分散液の調製において、顕色剤粒子の大きさ
は、顕色剤の紙表面への塗布性又はその顕色効果等から
判断して適宜決められる。
一般に、本発明の顕色剤は紙表面1平方メートル当た
り1グラム以下の割合でしか塗布されないので、その大
きさが5ミクロンを超えると、塗布に際して、紙表面へ
の分布が不均一になって記録像の欠落をおこしたり、寒
冷地での記録像の発現速度(初期発色性)が低下する場
合が多い。
水分散液中の顕色剤の濃度は、通常10%以上の高濃度
であり、好ましい上限は55%である。このように高濃度
であると、輸送コストを軽減させるのみならず、高濃度
塗工液の調製も可能となり、塗布工程における乾燥効率
のアップ、得られる顕色シートの品質改良効果も期待で
きる。
感圧複写紙用顕色剤層を形成する塗液には、通常接着
剤として、例えば澱粉、カゼイン、アラビアゴム、カル
ボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、スチ
レン・ブタジエン共重合体ラテックス、酢酸ビニル系ラ
テックス等が配合されるが、さらに、酸化亜鉛、酸化マ
グネシウム、酸化チタン、水酸化アルミニウム、炭酸カ
ルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム等の無機
顔料や感圧複写紙製造分野で公知の各種助剤を適宜添加
することができる。
かくして調製された呈色剤塗液は、エアーナイフコー
ター、ブレードコーター、ロールコーター、サイズプレ
スコーター、カーテンコーター、ショートドウェルコー
ター等の通常の塗布装置によって紙、合成紙、フィルム
等の支持体上に塗布され、感圧複写紙用呈色紙として仕
上げられる。
なお、本発明の方法は、支持体の同一面に呈色剤層と
発色剤層を有するか、あるいは呈色剤塗液とカプセル化
した発色剤を含む塗液の混合塗布層を有する自己発色型
感圧複写紙〔所謂セルフコンテインド型〕にも勿論応用
することが出来る。
「実施例」 以下に、本発明の効果を一層明確にするため、実施例
及び比較例を記載するが、本発明はこれらに限定される
ものではない。また、例中の「部」及び「%」は特に断
らない限りそれぞれ「重量部」及び「重量%」を表わ
す。
実施例1 かきまぜ機と温度計を備えた内容積20000mlのステン
レススチール製の円筒型容器に水2000g及び硫酸亜鉛
(7水塩)400gを入れ、溶解させる。これに3,5−ジ
(α−メチルベンジル)サリチル酸ナトリウム10%水溶
液8500gを内容物を激しくかきまぜながら添加する。複
分解によって容器内はただちにチキソトロピック状のド
ロッとした液になる。ここでα−メチルスチレンとスチ
レンの共重合体(共重合比;40対60モルパーセント、平
均分子量;約1500)150gを含むメチルイソブチルケトン
溶液880gを短時間のうちに加える。チキソトロピック状
のドロッとした内容物の流動性が次第に良くなるので、
流動しやすくなったら、容器を加熱して内容物の温度を
75℃にして静置する。上層に水相が下層に油相が分離す
るので油層を全量取り出し、これを内容積5000mlの硬質
ガラス製のビーカーに移す。これに更に、水600g、炭酸
ナトリウム2.5g、アクリルアミド共重合体(アクリルア
ミドとアクリル酸ブチルのモル比=90:10)5%水溶液5
60gを加え、35℃ないし40℃の範囲でホモミキサーによ
り(モデルM、特殊機化工業株式会社製)毎分8800ない
し9000回の回転数で20分間乳化操作を行うことによって
水中油型の乳化液が得られる。これをかきまぜ機、温度
計及び蒸留口のついた内容積10000mlの硬質ガラス製三
つ口フラスコに移し、更に水1100gを加えてから内容物
をゆっくりかきまぜながらフラスコを加熱して沸騰させ
る。蒸留口からメチルイソブチルケトン及び一部の水を
取り出すと、内容物はメチルイソブチルケトンを含まな
い全固形分33%の乳化液になる。得られた顕色剤分散粒
子の平均粒子径は1.0μであった。なお平均粒子径は島
津製作所製の遠心沈降式粒度分布測定装置SA−CP3によ
り測定した重量平均粒子径である。
次に、この水分散液をサンドグラインダー(五十嵐機
械株式会社製,MODEL No OSG−8G)で毎分500gの条件
で処理し、平均粒径が0.85μの顕色剤分散液を調製し
た。この分散相の軟化点は75℃であった。
〔顕色剤塗液の調製〕
上記の処理で得られた33%の顕色剤分散液15部、炭酸
カルシウム70部、酸化亜鉛10部、水100部を混合分散
し、さらにバインダーとして10%のポリビニルアルコー
ル水溶液100部、50%のカルボキシ変性SBRラテックス
(SN−307,住友ノーガタック社製)20部、水200部を混
合分散して顕色剤塗液を調製した。
〔感圧複写紙用顕色紙の製造〕
上記顕色剤塗液を40g/m2の原紙の片面に乾燥重量が5g
/m2となるように塗布、乾燥して感圧複写紙用顕色紙を
得た。
実施例2 実施例1においてサンドグラインダーの処理条件を毎
分50gとして平均粒径が0.72μの顕色剤分散液を調製し
た以外は実施例1と同様にして感圧複写紙用顕色紙を得
た。
実施例3 実施例1においてサンドグラインダーの代わりにコニ
カルボールミル(神鋼ファドラー株式会社製,コボルミ
ル MODEL MSM−32)を使用し平均粒径が0.75μの顕色
剤分散液を調製した以外は実施例1と同様にして感圧複
写紙用顕色紙を得た。
実施例4 3−イソドデシルサリチル酸亜鉛200g(軟化点43℃)
と3,5−ジ(α−メチルベンジル)サリチル酸亜鉛295g
をトルエン400gに50℃で混合溶解させ、トルエン溶液を
調製する。
別に内容積3000mlのステンレススチル製のビーカー
に、水600g、炭酸ナトリウム2.5g、アクリル酸エチルと
アクリルアミドの共重合体(共重合比;13対87モルパー
セント、重合度;約400)25%水溶液100gを加え、35℃
ないし40℃の範囲でホモミキサー(モデルM、特殊機化
工業株式会社製)毎分8800ないし9000回の回転数により
20分間乳化操作を行うことによって水中油型の乳化液が
得られる。これをかきまぜ機、温度計及び蒸留口のつい
た内容積10000mlの硬質ガラス製三つ口フラスコに移
し、更に水1000gを加えてから内容物をゆっくりかきま
ぜながらフラスコを加熱して沸騰させる。蒸留口からト
ルエン及び一部の水を取り出すと、内容物はトルエンを
含まない乳化液になる。得られた顕色剤分散粒子の平均
粒子径は1.0μであった。次に、この水分散液をサンド
グラインダー(五十嵐機械株式会社製,MODEL No OSG
−8G)で毎分100gを条件で処理し、平均粒径が0.77μ
で、全固形分33%の顕色剤分散液を調製した。
以下実施例1と同様にして感圧複写紙用顕色紙を得
た。
実施例5 実施例1において分散剤をアクリルアミド共重合体を
使用する代わりにポリアクリルアミドの5%水溶液とし
た以外同様にして平均粒子径が1.0μの顕色剤水分散液
を得た。ただしホモミキサーにより毎分8800ないし9000
回の回転数で30分の時間を要した。次にこの水分散液を
サンドグラインダーにより毎分500gの流量で処理し、平
均粒子径が0.87μの顕色剤水分散液を調製した。
以下実施例1と同様にして感圧複写紙用顕色紙を得
た。
実施例6 実施例1において分散剤をアクリルアミド共重合体を
使用する代わりにポリスチレンスルホン酸ナトリウムの
5%水溶液とした以外同様にして平均粒子径が1.0μの
顕色剤水分散液を得た。ただしホモミキサーにより毎分
8800ないし9000回の回転数で40分の時間を要した。次に
この水分散液をサンドグラインダーにより毎分500gの流
量で処理し、平均粒子径が0.88μの顕色剤水分散液を調
製した。
以下実施例1と同様にして感圧複写紙用顕色紙を得
た。
比較例1 実施例1においてサンドグラインダーによる粉砕処理
をしなかった以外は実施例1と同様にして感圧複写紙用
顕色紙を得た。
比較例2 実施例1においてサンドグラインダーにより毎分1000
gの流量で処理し平均粒径が0.94μの顕色剤分散液を調
製した以外は実施例1と同様にして感圧複写紙用顕色紙
を得た。
かくして得られた各感圧複写紙用顕色紙の原紙面に、
アルキル化ナフタレンにクリスタルバイオレットラクト
ンを溶解し、この油性液をマイクロカプセル化して調製
したカプセル塗液を乾燥重量が4g/m2となるように塗
布、乾燥して得た中用紙について以下の品質評価を行な
い、その結果を第1表に示した。
多数枚発色性試験 中用紙を10枚重ね合わせ、電子タイプライター(オリ
ンピア製、スーパータイプ)で印字させ、一番下の中用
紙の顕色面の印字部の読み取り易さの程度を目視判定し
た。
[評価基準] ◎:鮮明に読み取れる。
○:十分読み取れる。
△:やや読み取り難い。
×:非常に読み取り難い。
「効果」 第1表の結果から明らかなように、本発明の実施例で
得られた感圧複写紙用顕色紙は多数枚発色性に優れた特
性を備えていた。
フロントページの続き (72)発明者 塩崎 知晴 大阪府茨木市五日市1丁目10番24号 株 式会社三光開発科学研究所内 (72)発明者 斉藤 寅之助 大阪府茨木市五日市1丁目10番24号 株 式会社三光開発科学研究所内 (56)参考文献 特開 平3−202388(JP,A) 特開 平3−215084(JP,A) 特開 昭64−34782(JP,A) 特開 平1−234288(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B41M 5/155

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式〔I〕 〔一般式〔I〕において、R1,R2,R3,及びR4は同じでも
    異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素数
    1から15までのアルキル基、シクロアルキル基、フェニ
    ル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、核置換され
    たフェニル基、アラールキル基または核置換されたアラ
    ールキル基であり、またR1,R2,R3,及びR4のうち相隣る
    二つが結合して環を形成してもよい。nは1以上の数、
    Mは多価金属原子を示す。〕 で表される核置換サリチル酸塩を主成分とする顕色剤を
    有機溶剤に溶解させ、この溶液を分散剤を含有する水溶
    液中で乳化分散させ、つづいてこの分散液を加熱して有
    機溶剤を蒸留除去して得られる顕色剤水分散液を、さら
    に湿式微粉砕処理して顕色剤の平均粒子径を10%以上減
    少させてなる顕色剤水分散液の製造方法。
  2. 【請求項2】分散剤が、重合度が100以上であり、アル
    キルアミド70〜96モル%とアクリル酸、メタクリル酸、
    イタコン酸叉はマレイン酸の炭素数4以下のアルキル叉
    はアルコキシアルキルエステル4〜30モル%との共重合
    比を有するアクリルアミド共重合体である請求項(1)
    記載の顕色剤水分散液の製造方法。
  3. 【請求項3】請求項(1)または(2)記載の製造方法
    により得られた顕色剤水分散液を含む塗液を支持体に塗
    布してなる感圧複写紙。
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