JP2776585B2 - 感圧複写紙用顕色剤水分散液の製造方法 - Google Patents

感圧複写紙用顕色剤水分散液の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は、高濃度で取り扱い性と貯蔵安定性の改良さ
れた感圧複写紙用顕色剤水分散液の製造方法に関し、特
に顕色剤シートの印刷適性を極めて顕著に改良し得る顕
色剤水分散液の製造方法を提供するものである。
「従来の技術」 ノボラック型のフェノール樹脂や置換サリチル酸の金
属塩は、活性白土などの無機顕色剤に対して有機顕色剤
と呼ばれ、感圧複写紙用として広く実用化されている
〔特公昭42−20144号、同51−25174号)。
そして、これらの顕色剤は通常水を媒体として微粉砕
もしくは微分散され、無機体質顔料、接着剤、その他を
混合してから紙面に塗布される〔特公昭48−16341号、
特開昭54−143322号〕。
ところで、感圧複写紙用顕色剤(以下、単に顕色剤と
言う)として使用される置換サリチル酸の金属塩は、通
常非結晶性の固体からなっている。
この顕色剤は一般に水で分散させて紙表面に塗布され
るので、濃厚で取り扱い性と安定性の優れた水分散液と
して供給されるのが最も望ましい。
しかし、この顕色剤の粗粒子を、分散剤を含む水の中
でボールミルやサンドグラインダー等で、塗布するのに
好ましい程度の大きさまで微粉砕すると、分散剤は著し
くチキソトロピックとなって、流動性の乏しい取り扱い
の困難な状態にしかならない。
そして、多少ともこれを流動性にしようとすれば、分
散液中の顕色剤濃度を低下させたり、泡立ちが著しい程
度に多量の分散剤を使用したりしなければならず、好ま
しくない。
一方、この顕色剤を有機溶剤に溶解して、分散剤を含
む水溶液に、強力な撹拌手段で乳化分散させると、高濃
度でも流動性のよい乳化分散液が得られるが、分散粒子
が有機溶剤を含む液滴であるために、長時間の貯蔵中
に、粒子のサイズが大きくなったり、容器の壁付近で乳
化が破壊されたりする現象がおこって、安定性に欠けて
いる。
そのため、本発明者等は高濃度で取り扱い性と貯蔵安
定性にすぐれた顕色剤水分散液の開発について鋭意研究
の結果、特定の置換サリチル酸塩を主成分とする軟化点
30℃以上の顕色剤を、特定のポリビニルアルコールを含
む水中で乳化分散せしめ、つづいてこの分散液を加熱し
て有機溶剤を蒸留除去することによって、顕色剤を真球
状粒子として水中に分散させる方法を見出し、先に特願
昭62−188930号として出願した。
この方法で得られる顕色剤の水分散液は高濃度でも取
り扱い性と貯蔵安定性にすぐれており、工業的な効果は
極めて大きなものがある。
「発明が解決しようとする課題」 しかし、このような方法で得られた顕色剤の水分散液
を用いて感圧複写紙用の顕色剤シートを製造した場合
に、製造された顕色剤シートの印刷適性において、なお
改良の余地が残されていることが明らかとなった。
即ち、真球状粒子として水中に分散された顕色剤を用
いて製造した感圧複写紙用中用紙に印刷をすると、顕色
剤塗布面に施されるベタ印刷部分に存在するインキビヒ
クルと、印圧によって破壊されたマイクロカプセル中に
存在する染料溶解オイルとの相互作用によるものと考え
られる発色汚れが生じることが明らかとなった。
かかる現状に鑑み、上記の如き方法で製造される特定
の置換サリチル酸の金属塩からなる顕色剤水分散液につ
いてさらに鋭意研究の結果、得られる顕色剤の水分散液
を、顕色剤の平均粒子径が10%以上減少しない条件で湿
式微粉砕処理すると、発色汚れが極めて効率よく解消さ
れ、しかも初期発色性や耐光性にも優れた中用紙が得ら
れることが明らかとなり、顕色剤シートの印刷適性が極
めて顕著に改良されることを見出し、本発明を完成する
に至った。
「課題を解決するための手段」 本発明の顕色剤水分散液は、一般式〔I〕 〔一般式〔I〕において、R1,R2,R3,R4は同じでも異な
っていてもよい水素原子,ハロゲン原子,炭素数1から
9までのアルキル基,アルキレン基、シクロアルキル
基、シクロアルキレン基、フェニル基、核置換されたフ
ェニル基、アラールキル基または核置換されたアラール
キル基で、R1,R2,R3,R4のうち相隣る二つが結合して環
を形成してもよく、R1,R2,R3,R4のうち一つ以上がアル
キレン基、核置換されたアラールキル基またはシクロア
ルキレン基のときは一分子中に二以上のサリチル酸骨格
を含んでよい。nは1以上の数、Mはマグネシウム、カ
ルシウム、亜鉛、アルミニウム、鉄、コバルト、ニッケ
ルまたはこれらの塩基性イオンを示す。〕 で表される置換サリチル酸塩を主成分とする軟化点30℃
以上の顕色剤を有機溶剤に溶解させ、この溶液を重合度
が500以上であり、鹸化度が70%以上であるポリビニル
アルコール水溶液中で加熱下または非加熱下に乳化分散
せしめ、つづいてこの分散液を加熱して有機溶剤を蒸留
除去して得られる水分散液を、さらに顕色剤の平均粒子
径が10%以上減少しない条件で湿式微粉砕処理する方法
で製造される。
「作用」 一般式〔I〕で表される置換サリチル酸塩は、いずれ
も感圧複写紙用としての顕色能が大きく、その代表的な
例としては、3−メチル5−(α−メチルベンジル)サ
リチル酸亜鉛、3,5−ジターシャリブチルサリチル酸亜
鉛、3−ターシャリブチル−5−フェニルサリチル酸亜
鉛、3,5−ジターシャリアミルサリチル酸亜鉛、3,5−ジ
シクロヘキシルサリチル酸亜鉛、3−シクロヘキシル−
5−(α−メチベンジル)サリチル酸亜鉛、3−フェニ
ル−5−(α−メチルベンジル)サリチル酸亜鉛、3−
フェニル−5−(α,α−ジメチルベンジル)サリチル
酸亜鉛、3−(α−メチルベンジル)−5−フェニルサ
リチル酸亜鉛、3,5−ジ(α−メチルベンジル)サリチ
ル酸亜鉛、3−(α−メチルベンジル)−5−(α,α
−ジメチルベンジル)サリチル酸亜鉛、3−(α−メチ
ルベンジル)−5−ブロモサリチル酸亜鉛、3−(α−
メチルベンジル)−4−メチルサリチル酸亜鉛、3−
(α−メチルベンジル)−6−メチルサリチル酸亜鉛、
3−ノニル−5−フェニルサリチル酸亜鉛、5−(4−
メシチルメチルベンジル)サリチル酸亜鉛、ピネン化サ
リチル酸亜鉛、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸亜鉛、
3−ヒドロキシ−7−(α,α−ジメチルベンジル)−
2−ナフトエ酸亜鉛、及びこれらの置換サリチル酸亜鉛
をマグネシウム、カルシウム、アルミニウム、鉄、コバ
ルトまたはニッケルに代えたサリチル酸塩等が挙げられ
る。
これらの置換サリチル酸塩の中には単独では結晶性で
あるものもあるし、その軟化点もまちまちである。非結
晶性で好ましい軟化点を有する顕色剤を調整するには、
その多くは適当に混合して目的の物性になるように調節
しなければならない。
顕色剤の軟化点が低すぎると、紙表面に塗布、乾燥さ
れる顕色剤が紙繊維間に浸透移行して顕色作用の損失が
みられるし、顕色剤の水分散液も凝固しやすく、長時間
にわたって充分に安定であるとは言えない。
一方、顕色剤の軟化点が高すぎても、紙表面に塗布、
乾燥される時に殆ど自着作用を現す事がないので、これ
を紙表面に固着させるために多量の接着剤を使用しなけ
ればならず、その場合は接着剤が膜となってマイクロカ
プセル中に存在する染料溶解オイルの移行を妨げる結
果、顕色作用の損失が見られる。
これらの理由から顕色剤の好ましい軟化点範囲の下限
と上限がきめられる。顕色剤の軟化点は30℃以上が好ま
しく、更に好ましくは35℃〜85℃である。
顕色剤の軟化点を好ましい温度に調節する方法として
は、第一には軟化点の異なる顕色剤を混合する事、第二
には高すぎる軟化点の顕色剤に軟化点を低下させるよう
な物質、例えば脂肪酸の金属塩、トリアルキルフェノー
ル、トリアラールキルフェノールまたはスチレンオリゴ
マー等を添加する事、第三には低すぎる軟化点の顕色剤
に軟化点を上昇させるような物質、例えばポリスチレ
ン、ポリ−α−メチルスチレンまたは石油樹脂等を添加
する事が挙げられる。
なお、本発明でいう軟化点は、顕色剤が水中で平衡水
分を含有する状態での軟化温度をいう。普通、乾燥状態
での軟化点より50℃低めである。また、真球状とは液滴
がその表面張力の作用によって自然に球状になって、固
化した状態をさすものとする。
本発明の方法で使用されるポリビニルアルコールは上
記の如く、500以上の重合度並びに70%以上の鹸化度を
有するポリビニルアルコールであるが、重合度が500に
満たないポリビニルアルコールでは顕色剤の乳化能力が
不十分となり、貯蔵安定性の改良されな顕色剤水分散液
を得ることができない。
従って、500以上、より好ましくは1000以上の重合度
を有するポリビニルアルコールが使用される。しかし、
重合度が5000を超えるとポリビニルアルコール水溶液の
粘度が高くなり、取り扱いが難しくなるので重合度は50
00以下程度に留めるのが望ましい。
また、鹸化度が70%に満たないポリビニルアルコール
では、やはり乳化能が不十分となるため、70%以上、よ
り好ましくは80%以上の鹸化度を有するポリビニルアル
コールが使用される。
なお、本発明でいうポリビニルアルコールとは、酢酸
ビニル重合体や、例えば酢酸ビニル・アクリルアミド共
重合体、酢酸ビニル・エチレン共重合体、酢酸ビニル・
アクリル酸共重合体、酢酸ビニル・ビニルエーテル共重
合体等の酢酸ビニル共重合体の鹸化生成物、及びこれら
とアルデヒドやケトンとの縮合体等をさすが、その中で
も水溶性または水分散性のものが用いられる。
ポリビニルアルコールの使用量は目的とする分散粒子
の大きさなどに応じて適宜調節されるが、好ましくは顕
色剤100重量部に対して1〜30重量部程度の割合で調節
される。
また、ポリビニルアルコールに加えて、分散剤として
特にアニオン性の界面活性剤を併用すると、乳化能が一
層改良され、貯蔵安定性のより改良された水分散液が得
られることが明らかとなった。
併用されるアニオン性の界面活性剤としては、例えば
アルキル硫酸エステルのアルカリ塩、アルキルベンゼン
スルホン酸のアルカリ塩、オレイン酸アミドスルホン酸
のアルカリ塩等の低分子量アニオン性界面活性剤、アラ
ビアガム、アルギン酸ナトリウム等のアニオン性天然高
分子、カルボキシメチルセルロース、リン酸化澱粉、リ
グニンスルホン酸ナトリウム等のアニオン性半合成高分
子、アクリル酸重合体、ビニルベンゼンスルホン酸重合
体、アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体、アクリ
ル酸・アクリルアミド共重合体、エチレン・無水マレイ
ン酸共重合体等のアニオン性合成高分子のアルカリ塩等
が挙げられる。
これらのアニオン性界面活性剤の併用割合については
注意が必要であり、多量に配合すると、得られる顕色剤
シートの発色性能や表面強度の低下を来すため、ポリビ
ニルアルコールの等量以下、好ましくはポリビニルアル
コールの2〜50重量%程度の範囲で調節するのが望まし
い。
顕色剤分散液の調製において、顕色剤粒子の大きさ
は、顕色剤の紙表面への塗布性又はその顕色効果等から
判断して決められるべきである。
一般に、本発明の顕色剤は紙表面1平方メートル当た
り1グラム以下の割合でしか塗布されないので、その大
きさが5ミクロンを超えると、塗布に際して、紙表面へ
の分布が不均一になって記録像の欠落をおこしたり、寒
冷地での記録像の発現速度が低下したりする欠点を生じ
る。
また、その大きさが0.3ミクロンより小さくなると、
粒子が紙繊維間に浸透しやすく、顕色作用の損失がおこ
るし、それ以上に粒子を細かくしても何らの利点も生じ
ない。故に、顕色剤粒子の大きさの好ましい範囲は平均
粒径で0.3ないし5ミクロン、更に好ましい範囲は0.6な
いし3ミクロンである。
水分散液中の顕色剤の濃度は、通常10%以上の高濃度
であり、好ましい上限は55%である。このように高濃度
であると、輸送コストを軽減させるのみならず、高濃度
塗工液の調製も可能となり、塗布工程における乾燥効率
のアップ、得られる顕色シートの品質改良効果も期待で
きる。
なお、本発明において顕色剤を有機溶剤に溶解する際
に使用される有機溶剤には、水に対する溶解性が比較的
小さく、顕色剤の溶解性が良い事、沸点が低い事ないし
は分散液の調製中に化学的な変化を受けにくい事等の諸
性質が要求される。
その具体的な例としては、ベンゼン、トルエン、キシ
レン、クロロホルム、四塩化炭素、トリクロロエタン、
クロルベンゼン、メチルエチルケトン、メチルイソブチ
ルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、ブタノール、アミ
ルアルコールまたはメチルターシャリブチルエーテル等
が挙げられる。
有機溶剤の使用量は、やはり目的とする分散粒子の大
きさ等に応じて適宜調節されるが、顕色剤100重量部に
対して500重量部以下の範囲で調節するのが望ましい。
かくして調製された顕色剤の水分散液は、次工程で加
熱処理により、有機溶剤が蒸留除去されて真球状の粒子
からなる顕色剤水分散液が調製されるが、本発明の方法
では、得られた顕色剤水分散液を、さらに顕色剤の平均
粒子径が10%以上減少しない条件で湿式微粉砕処理され
るものである。
顕色剤の平均粒子径が10%を越えて減少する程に微粉
砕処理を施すと、分散液はチキソトロピックとなり流動
性が低下し、初期発色濃度や耐光性にも悪影響がでてく
る。
ところで、本発明の方法で使用される微粉砕処理機と
しては、例えばボールミル、ペブルミル、サンドグライ
ンダー、コボルミル、アトライター等の如く粉砕メディ
アを使用する各種のサンドミル型粉砕機、3本ロールミ
ル、高速インペラー分散機、高速ストーンミル、高速度
衝撃ミル等の高速グラインド装置等が挙げられるが、処
理条件設定の容易さ、粉砕効率等を考慮するとサンドミ
ル型粉砕機,高速インペラー分散機が好ましく、その中
でもサンドミル型粉砕機がより好ましく使用される。
サンドミル型粉砕機で、顕色剤水分散液を処理する際
には、処理後の顕色剤の平均粒子径が10%以上減少しな
いように、例えば粉砕メディアの量、処理分散液の流
量、処理液濃度、処理液中に配合される分散剤の量等を
適宜調節して湿式微粉砕処理が施される。
感圧複写紙用顕色剤層を形成する塗液には、通常接着
剤として、例えば澱粉、カゼイン、アラビアゴム、カル
ボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、スチ
レン・ブタジエン共重合体ラテックス、酢酸ビニル系ラ
テックス等が配合されるが、さらに、酸化亜鉛、酸化マ
グネシウム、酸化チタン、水酸化アルミニウム、炭酸カ
ルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム等の無機
顔料や感圧複写紙製造分野で公知の各種助剤を適宜添加
することができる。
かくして調製された呈色剤塗液は、エアーナイフコー
ター、ブレードコーター、ロールコーター、サイズプレ
スコーター、カーテンコーター、ショートドウェルコー
ター等の通常の塗布装置によって支持体上に塗布され、
感圧複写紙用呈色紙として仕上げられる。
なお、本発明の方法は、支持体の同一面に呈色剤層と
発色剤層を有するか、あるいは呈色剤塗液とカプセル化
した発色剤を含む塗液の混合塗布層を有する自己発色型
感圧複写紙〔所謂セルフコンテインド型〕にも勿論応用
することが出来る。
「実施例」 以下に、本発明の効果を一層明確にするため、実施例
及び比較例を記載するが、本発明はこれらに限定される
ものではない。また、例中の「部」及び「%」は特に断
らない限りそれぞれ「重量部」及び「重量%」を表わ
す。
実施例1 〔顕色剤分散液の調製〕 3,5−ジ(α−メチルベンジル)サリチル酸亜鉛(軟
化点72℃)100グラム及びトルエン100グラムを70℃で混
合溶解させ、トルエン溶液を調製した。
別に、重合度1700、鹸化度98%のポリビニルアルコー
ル6グラムを含む水300グラムを内容積500ミリリットル
のステンレススチール製のビーカーに入れ、T.K.ホモミ
キサー(特殊機化工業株式会社製)を毎分3000回で回転
撹拌しながら上記トルエン溶液をこれに加えた。
トルエン溶液を加え終った時点で回転数を毎分10000
回に上げ2分間撹拌した。この分散液を撹拌機、温度形
及び蒸留口のついた内容積500ミリリットルの硬質ガラ
ス製三つ口フラスコに移した。撹拌機をゆっくり回転さ
せながらフラスコを加熱して蒸留口からトルエンと水が
留出するようにした。100℃で約1時間この操作を続け
ると分散液は殆どトルエンを含まなくなった。これを冷
却して顕色剤約33%を含有する水分散液を得た。
得られた顕色剤分散粒子の平均粒子径は1.0ミクロン
であった。
次に、この水分散液をサンドミルグラインダー(五十
嵐機械株式会社製,MODEL No.OSG−8G)で毎分2kgの条件
で処理し、平均粒径が0.97ミクロンの顕色剤分散液を調
製した。
〔顕色剤塗液の調製〕
上記の処理で得られた33%の顕色剤分散液15部、炭酸
カルシウム70部、酸化亜鉛10部、水100部を混合分散
し、さらにバインダーとして10%のポリビニルアルコー
ル水溶液100部、50%のカルボキシ変性SBRテラックス
(SN−307,住友ノーガタック社製)20部、水200部を混
合分散して顕色剤塗液を調製した。
〔感圧複写紙用顕色紙の製造〕
上記顕色剤塗液を40g/m2の原紙の片面に乾燥重量が5g
/m2となるように塗布、乾燥して感圧複写紙用顕色紙を
得た。
実施例2 実施例1において、3,5−ジ(α−メチルベンジル)
サリチル酸亜鉛100グラム及びトルエン100グラムの代わ
りに、3,5−ジ−ターシャリーブチルサリチル酸亜鉛100
グラム及びトルエン50グラムと1−ブタノール50グラム
を使用した以外は実施例1と同様にして顕色剤水分散液
を調製した。
得られた顕色剤分散粒子の平均粒子径は1.5ミクロン
であった。
次に、この水分散液をサンドグラインダー(五十嵐機
械株式会社製,MODEL No.OSG−8G)で毎分2kgの条件で処
理し、平均粒径が1.40ミクロンの顕色剤分散液を調製
し、以下実施例1と同様にして感圧複写紙用顕色紙を得
た。
実施例3 実施例1において、顕色剤水分散液のサンドグライン
ダー(五十嵐機械株式会社製,MODEL No.OSG−8G)での
処理条件を毎分1.5kgとした以外は同様に処理して平均
粒径が0.92ミクロンの顕色剤分散液を調製し、以下実施
例1と同様にして感圧複写紙用顕色紙を得た。
実施例4 実施例1において、顕色剤水分散液の粉砕処理をサン
ドグラインダー(五十嵐機械株式会社製,MODEL No.OSG
−8G)の代わりに、コボルミル(神鋼ファドラー株式会
社製,MODEL MSM−32)を使用し、毎分2kgの条件で処理
して平均粒径が0.95ミクロンの顕色剤分散液を調製し、
以下実施例1と同様にして感圧複写紙用顕色紙を得た。
実施例5 かきまぜ機と温度計を備えた内容積20000ミリリット
ルのステンレススチール製の円筒型容器に水2000グラム
及び硫酸亜鉛(7水塩)400グラムを入れ、溶解させ
る。これに3,5−ジ(α−メチルベンジル)サリチル酸
ナトリウム10%水溶液8500グラムを内容物を激しくかき
まぜながら添加する。複分解によって容器内はただちに
チキソトロピック状のドロッとした液になる。ここでα
−メチルスチレンとスチレンの共重合体(共重合比;40
対60モルパーセント、平均分子量;約1500)150グラム
を含むメチルイソブチルケトン880gを短時間のうちに加
える。チキソトロピック状のドロッとした内容物の流動
性が次第に良くなるので、流動しやすくなったら、容器
を加熱して内容物の温度を75℃にして静置する。上層に
水相が下層に油相が分離するので油層を全量取り出し、
これを内容積5000ミリリットルの硬質ガラス製のビーカ
ーに移す。これに更に、水600グラム、炭酸ナトリウム
2.5グラム、ポリビニルアルコール(ケン化度;98%、重
合度約1700)6%水溶液560グラムを加え、35℃ないし4
0℃の範囲でホモミキサー(モデルM、特殊機化工業株
式会社製)により毎分8800ないし9000回の回転数で20分
間乳化操作を行うことによって水中油型の乳化液が得ら
れる。これをかきまぜ機、温度計及び蒸留口のついた内
容積10000ミリリットルの硬質ガラス製三つ口フラスコ
に移し、更に水1100グラムを加えてから内容物をゆっく
りかきまぜながらフラスコを加熱して沸騰させる。蒸留
口からメチルイソブチルケトン約640グラム及び水約640
グラムを取り出すと、内容物はメチルイソブチルケトン
を殆ど含まない全固形分33%の乳化液になる。得られた
顕色剤分散粒子の平均粒子径は0.7ミクロンであった。
次に、この水分散液をサンドグラインダー(五十嵐機
械株式会社製,MODEL No.OSG−8G)で毎分1.5kgの条件で
処理し、平均粒径が0.65ミクロンの顕色剤分散液を調製
し、以下実施例1と同様にして感圧複写紙用顕色紙を得
た。
実施例6 実施例5において、顕色剤水分散液の粉砕処理をサン
ドグラインダー(五十嵐機械株式会社製,MODEL No.OSG
−8G)の代わりに高速インペラー分散機(特殊機化工業
株式会社製、T.K.ホモミックラインミル MODEL,LM−S
型)を使用し、平均粒子径が0.68ミクロンの顕色剤分散
液を調製し、以下実施例1と同様にして感圧複写紙用顕
色紙を得た。
比較例1 実施例1において、顕色剤水分散液のサンドグライン
ダーによる粉砕処理をしなかった以外は実施例1と同様
にして感圧複写紙用顕色紙を得た。〔使用した顕色剤の
平均粒子径は1.0ミクロンである。〕 比較例2 実施例2において、顕色剤水分散液のサンドグライン
ダーによる粉砕処理をしなかった以外は実施例2と同様
にして感圧複写紙用顕色紙を得た。〔使用した顕色剤の
平均粒子径は1.5ミクロンである。〕 比較例3 実施例1において、顕色剤水分散液のサンドグライン
ダー(五十嵐機械株式会社製,MODEL No.OSG−8G)での
処理条件を毎分0.1kgとした以外は同様に処理して平均
粒径が0.80ミクロンの顕色剤分散液を調製し、以下実施
例1と同様にして感圧複写紙用顕色紙を得た。
かくして得られた9種類の感圧複写紙用顕色紙につい
て以下の品質評価試験を行いその結果を第1表に示し
た。
〔上用紙の作成〕
アルキル化ナフタレンにクリスタルバイオレットラク
トンを溶解し、この油性液をマイクロカプセル化して調
製したカプセル塗液を原紙の片面に乾燥重量が4g/m2
なるように塗布して、乾燥して上用紙を得た。
〔中用紙の作成〕
上記感圧複写紙用顕色紙の原紙面に、上用紙と同様の
カプセル塗液を乾燥重量が4g/m2となるように塗布、乾
燥して中用紙を得た。
初期発色性試験 顕色紙と上用紙を0℃の雰囲気下に1時間放置した。
次に呈色紙と上用紙の塗布面同士を対向させ0℃の雰囲
気下で、落下式発色試験機(錘り:150g,高さ:20cm)に
より発色させ、マクベス反射濃度計で打圧から10秒後、
1日後の発色濃度を測定した。
耐光性試験 顕色紙と上用紙を塗布面同士が対向するように重ね合
わせ、100kg/cm2の荷重をかけて発色像を形成し、マク
ベス色濃度計で発色濃度を測定しその値をD0とした。次
ぎに、発色像に20cmの距離から紫外線を照射した後、発
色濃度を測定しその値をD1とした。
耐光性は次式で規定されるが、数値が100に近い程耐
光性が良好である。
印刷発色汚れテスト ビジネスフォーム印刷機(明製作所,17BH)で、中葉
紙の顕色剤塗布面にウェツトオフセット印刷方式で印刷
を行い300mの巻取とした。印刷後の巻取を50℃の条件下
に3日間放置した後、巻芯から100m程度のところの顕色
剤塗布面の汚れの状態を目視判定した。
〔評価基準〕
○ ほとんど汚れて(発色して)いない。
△ わずかに汚れて(発色して)いる。
× 著しく汚れて(発色して)いる。
「効果」 第1表の結果から明らかなように、本発明の実施例で
得られた感圧複写紙用顕色紙は、初期発色性、耐光性及
び印刷適性のいずれにおいても優れた特性を備えてい
た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 塩崎 知晴 兵庫県尼崎市常光寺4丁目3番1号 神 崎製紙株式会社神崎工場内 (72)発明者 村田 祥一 大阪府茨木市五日市1丁目10番24号 株 式会社三光開発科学研究所内 (72)発明者 川端 英二 大阪府茨木市五日市1丁目10番24号 株 式会社三光開発科学研究所内 (72)発明者 北村 秀一 大阪府茨木市五日市1丁目10番24号 株 式会社三光開発科学研究所内 (56)参考文献 特開 昭63−98483(JP,A) 特開 昭64−34782(JP,A) 特開 昭64−45686(JP,A) 特開 平1−224056(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B41M 5/124

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式〔I〕 〔一般式〔I〕において、R1,R2,R3,R4は同じでも異な
    っていてもよい水素原子,ハロゲン原子,炭素数1から
    9までのアルキル基,アルキレン基、シクロアルキル
    基、シクロアルキレン基、フェニル基、核置換されたフ
    ェニル基、アラールキル基または核置換されたアラール
    キル基で、R1,R2,R3,R4のうち相隣る二つが結合して環
    を形成してもよく、R1,R2,R3,R4のうち一つ以上がアル
    キレン基、核置換されたアラールキル基またはシクロア
    ルキレン基のときは一分子中に二以上のサリチル酸骨格
    を含んでよい。nは1以上の数、Mはマグネシウム、カ
    ルシウム、亜鉛、アルミニウム、鉄、コバルト、ニッケ
    ルまたはこれらの塩基性イオンを示す。〕 で表される置換サリチル酸塩を主成分とする軟化点30℃
    以上の顕色剤を有機溶剤に溶解させ、この溶液を重合度
    が500以上であり、鹸化度が70%以上であるポリビニル
    アルコール水溶液中で加熱下または非加熱下に乳化分散
    せしめ、つづいてこの分散液を加熱して有機溶剤を蒸留
    除去して得られる水分散液を、さらに顕色剤の平均粒子
    径が10%以上減少しない条件で湿式微粉砕処理すること
    を特徴とする感圧複写紙用顕色剤水分散液の製造方法。
  2. 【請求項2】湿式微粉砕処理手段がサンドミルである請
    求項(1)記載の感圧複写紙用顕色剤水分散液の製造方
    法。
  3. 【請求項3】湿式微粉砕処理手段が高速インペラー分散
    機である請求項(1)記載の感圧複写紙用顕色剤水分散
    液の製造方法。
  4. 【請求項4】ポリビニルアルコールの重合度が1000以上
    であり、鹸化度が80%以上である請求項(1),(2)
    または(3)記載の感圧複写紙用顕色剤水分散液の製造
    方法。
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