JPH0796662A - 感圧複写シート - Google Patents

感圧複写シート

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JPH0796662A
JPH0796662A JP5243395A JP24339593A JPH0796662A JP H0796662 A JPH0796662 A JP H0796662A JP 5243395 A JP5243395 A JP 5243395A JP 24339593 A JP24339593 A JP 24339593A JP H0796662 A JPH0796662 A JP H0796662A
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JP
Japan
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acid
isononyl
group
salicylic acid
pressure
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Pending
Application number
JP5243395A
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English (en)
Inventor
Akira Kunugihara
章 椚原
Masahito Tanaka
雅人 田中
Toshio Kimura
年男 木村
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New Oji Paper Co Ltd
Original Assignee
New Oji Paper Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 感圧複写シートの記録像の記録濃度、耐水性
及び耐可塑剤性などの諸特性を高水準に保ちながら、特
に記録像の耐光性に優れた感圧複写シートを提供するこ
と。 【構成】 電子供与性無色染料と電子受容性顕色剤との
発色反応を利用した感圧複写シートであり、電子供与性
無色染料がベンゾトリアゾール誘導誘導体とともにマイ
クロカプセルに内包されており且つ顕色剤として、一般
式(I)で表わされる核置換サリチル酸の多価金属塩を
含有する感圧複写シート。 【化1】 (式中、R1 はイソノニル基又はイソドデシル基を示
し、R2 は置換基をもっていてもよいアルキル基又はシ
クロアルキル基を示す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子供与性の無色染料と
電子受容性の顕色剤との顕色反応を利用した感圧複写シ
ートにおいて、紫外線吸収剤及び改良された顕色剤を併
用した著しく耐光性の優れた感圧複写シートに関する。
【0002】
【従来の技術】電子供与性の無色染料と電子受容性の顕
色剤との顕色反応を利用した感圧複写シートはノーカー
ボン紙、感圧記録材料又は感圧記録体などと称され公知
であり、既に多くの分野で使用されている。特開昭63
−67180号には電子供与性の無色染料を含有するマ
イクロカプセルを含む層に紫外線吸収剤を含有させ、マ
イクロカプセルを含む層の光照射に対し発色能の低下を
防止する技術が開示されている。しかし、記録像の耐光
性、耐水性及び耐可塑剤性などの諸特性を十分に維持で
きないという欠点を有する。
【0003】また電子受容性の顕色剤については、米国
特許第2712507号、同第2800457号及び同
第3418250号などで説明されているような酸性の
粘土鉱物からなる無機顕色剤が最初に採用され、実用化
された。続いて、特開昭48−98914号、同51−
25174号、同62−17687号、同62−194
86号、同62−178387号、同62−17838
8号及び特開平1−145189号の各公報などで説明
されているようなフェノール類のホルムアルデヒドによ
る縮重合体又は核置換サリチル酸の多価金属塩からなる
有機顕色剤が実用化された。
【0004】感圧複写シートの記録像に求められる諸特
性の内で、現在、記録濃度、その耐光性、耐水性及び耐
可塑剤性が特に重要視されている。有機顕色剤を使用し
た感圧複写シートの記録像は無機顕色剤のものに比べ
て、いずれもよい特性を有していると言われてはいる
が、各特性への要求度は時代とともにその酷しさを増し
てゆくのが自然であって、特に記録像の耐光性は感圧複
写シートのより広い需要分野を開拓するためにも、その
改良が要望されている。
【0005】このように電子供与性の無色染料を含有す
るマイクロカプセルを含む層への紫外線吸収剤の添加又
は電子受容性の顕色剤の改良との面から、それぞれ耐光
性等の記録像の保存性改良が試みられているが、充分な
効果が得られていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は感圧複
写シートの記録像の記録濃度、耐水性及び耐可塑剤性な
どの諸特性を高水準に保ちながら、特に耐光性の著しく
優れた感圧複写シートを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は電子供与性無色
染料と電子受容性顕色剤との発色反応を利用した感圧複
写シートであり、前記電子供与性無色染料がベンゾトリ
アゾール誘導体とともにマイクロカプセルに内包されて
おり、且つ前記電子受容性顕色剤が一般式(I)
【0008】
【化2】
【0009】(式中、R1 はイソノニル基又はイソドデ
シル基を示し、R2 は置換基をもっていてもよいアルキ
ル基又はシクロアルキル基を示す。)で表わされる核置
換サリチル酸の多価金属塩を含有することを特徴とする
感圧複写シートである。また、一般式(I)で表わされ
る核置換サリチル酸が3−イソノニル−5−メトキシサ
リチル酸、3−イソノニル−5−エトキシサリチル酸、
3−イソノニル−5−イソプロポキシサリチル酸、3−
イソノニル−5−(2−メトキシエトキシ)サリチル
酸、3−イソノニル−5−(2−エトキシエトキシ)サ
リチル酸、3−イソノニル−5−(2−フェノキシエト
キシ)サリチル酸、3−イソノニル−5−{2−(4−
メトキシフェノキシ)エトキシ}サリチル酸、3−イソ
ノニル−5−シクロヘキシロキシサリチル酸、3−イソ
ドデシル−5−メトキシサリチル酸、3−イソドデシル
−5−エトキシサリチル酸及び3−イソドデシル−5−
シクロヘキシロキシサリチル酸からなる群から選ばれた
少なくとも一種であることを特徴とする上記の感圧複写
シートを開示する。
【0010】
【作用】感圧複写シートは、電子供与性の無色染料を包
含するマイクロカプセルを支持体に塗布して得られる上
用シート、中用シート、自己発色型感圧複写シート等の
マイクロカプセル面と中用シート、下用シートの顕色面
とを対向させて、通常マイクロカプセル面の背面から筆
圧又はインパクトプリンターによる圧力でマイクロカプ
セルを破壊し、内包された染料溶液を顕色面に移行させ
ることによって、圧力に応じた記録像を顕色面に発現さ
せるものである。
【0011】本発明においてマイクロカプセルに内包さ
れる染料はトリフェニルメタン系染料、トリフェニルメ
タンフタリド系染料、フルオラン系染料、フェノチアジ
ン系染料、インドリルフタリド系染料、インドリルアザ
フタリド系染料、ロイコオーラミン系染料、ローダミン
ラクタム系染料、トリアゼン系染料、スピロピラン系染
料又はフルオレン系染料などのロイコ体が使用される。
【0012】本発明において染料を内包するマイクロカ
プセルに含有されるベンゾトリアゾール誘導体の紫外線
吸収剤の好ましい具体例としては、2−ベンゾトリアゾ
リル−4−メチルフェノール、2−ベンゾトリアゾリル
−4,6−ジターシャリブチルフェノール、2−ベンゾ
トリアゾリル−4−カルボキシエチル−6−ターシャリ
ブチルフェノール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メ
チルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒド
ロキシ−5’−ターシャリブチルフェニル)ベンゾトリ
アゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジタ
ーシャリブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−
(2’−ヒドロキシ−3’−ターシャリブチル−5’−
メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2
−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジターシャリブチ
ルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−
(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジターシャリアミル
フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキ
シ−4’−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、
2−ベンゾトリアゾリル−4−カルボキシエチル−6−
ターシャリブチルフェノールとポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール又はポリブチレングリコ
ールとのエステル化物等が挙げられる。紫外線吸収剤の
好ましい使用量は、マイクロカプセルに内包される染料
に対して5〜100重量%、より好ましくは10〜50
重量%である。
【0013】尚、本発明の効果を阻害しない範囲で、他
の紫外線吸収剤と併用することもできる。たとえば、
2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ
−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−
オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデ
シロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4
−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−
4,4’−ジメトキシベンゾフェノン又は2−ヒドロキ
シ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン等のベン
ゾフェノン系の紫外線吸収剤、又は2−エチルヘキシル
−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート又は
エチル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレー
ト等のシアノアクリレート系の紫外線吸収剤等。
【0014】本発明において染料と紫外線吸収剤を共に
溶解する溶剤としてはアルキル化ナフタレン、アルキル
化ジフェニル、アルキル化ジフェニルメタン、アルキル
化ターフェニル等の合成油、木綿油、ヒマシ油等の植物
油、動物油、鉱物油、さらにはこれらの混合物等から成
る炭化水素系の比較的高沸点の溶剤が使用される。
【0015】染料含有マイクロカプセルの製造方法とし
ては、界面重合法、内部重合法、相分離法、外部重合
法、コアセルベーション法などがあり、アミノアルデヒ
ド樹脂、ポリウレタン−ポリウレア樹脂、ゼラチン等の
壁膜を有するカプセルが用いられる。かくして調製され
た染料を内包したマイクロカプセルは、常法に従って澱
粉粒、セルロース粉末等の保護材、ラテックス、水溶性
バインダー等を適宣配合してマイクロカプセル塗液とし
て調製され、上用シートや中用シート、自己発色型感圧
複写シート等の製造に使用される。
【0016】本発明では特に一般式(I)で示される電
子受容性顕色剤を用いることに大きな特徴を有する。一
般式におけるR1 はイソノニル基又はイソドデシル基を
示し、本発明においては、イソノニル基はプロピレン三
量体(イソノネン)が、イソドデシル基はプロピレン四
量体(イソドデセン)がそれぞれサリチル酸核に付加し
て生成したとみなせる基であると定義する。
【0017】R2 は置換基を持っていてもよいアルキル
基又はシクロアルキル基を示し、そのアルキル基等が置
換基を持つ場合にはその置換基の好ましい例としては置
換基を持っていてもよいアルコキシ基、置換基を持って
いてもよいアリールオキシ基、置換基を持っていてもよ
いアリールスルホニル基又は置換基を持っていてもよい
アリール基などが挙げられる。R2 の好ましい具体例と
してはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル
基、ブチル基、イソブチル基、セカンダリブチル基、ア
ミル基、イソアミル基、ヘキシル基、オクチル基、イソ
オクチル基(2−エチルヘキシル基)、2−メトキシエ
チル基、2−エトキシエチル基、2−イソプロポキシエ
チル基、2−ブチロキシエチル基、2−イソブチロキシ
エチル基、2−フェノキシエチル基、2−(4−メトキ
シフェノキシ)エチル基、1−メチル−2−メトキシエ
チル基、1−メチル−2−エトキシエチル基、1−メチ
ル−2−フェノキシエチル基、3−フェノキシプロピル
基、3−(4−メトキシフェノキシ)プロピル基、3−
フェニルスルホニルプロピル基、3−(4−メチルフェ
ニル)スルホニルプロピル基、3−メトキシブチル基、
4−メトキシブチル基、4−エトキシブチル基、2−
(2−メトキシエトキシ)エチル基、2−(2−エトキ
シエトキシ)エチル基、ベンジル基、4−メチルベンジ
ル基、2−フェニルエチル基又はシクロヘキシル基など
が挙げられる。
【0018】一般式(I)で表わされる核置換サリチル
酸の好ましい具体例としては、R1とR2 の好ましい例
の組み合せの総てを挙げることができるが、より好まし
い具体例としては3−イソノニル−5−メトキシサリチ
ル酸、3−イソノニル−5−エトキシサリチル酸、3−
イソノニル−5−イソプロポキシサリチル酸、3−イソ
ノニル−5−(2−メトキシエトキシ)サリチル酸、3
−イソノニル−5−(2−エトキシエトキシ)サリチル
酸、3−イソノニル−5−(2−フェノキシエトキシ)
サリチル酸、3−イソノニル−5−{2−(4−メトキ
シフェノキシ)エトキシ}サリチル酸、3−イソノニル
−5−シクロヘキシロキシサリチル酸、3−イソドデシ
ル−5−メトキシサリチル酸、3−イソドデシル−5−
エトキシサリチル酸又は3−イソドデシル−5−シクロ
ヘキシロキシサリチル酸などが挙げられる。
【0019】一般式(I)で表わされる核置換サリチル
酸の構造的な特徴の一つはR1 がイソノニル基又はイソ
ドデシル基であることである。特公昭51−25174
号明細書には、本発明で用いる核置換サリチル酸と類似
した化合物である3−ターシャリブチル−5−エトキシ
サリチル酸、3−ターシャリブチル−5−ベンジロキシ
サリチル酸、3−ターシャリオクチル−5−エトキシサ
リチル酸、3−(α,α−ジメチルベンジル)−5−メ
トキシサリチル酸、3−(α,α−ジメチルベンジル)
−5−エトキシサリチル酸、3−(α,α−ジメチルベ
ンジル)−5−ベンジロキシサリチル酸、3,6−ジシ
クロヘキシル−5−メトキシサリチル酸、3,6−ジシ
クロヘキシル−5−エトキシサリチル酸、3,6−ジタ
ーシャリブチル−5−メトキシサリチル酸、3,6−ジ
ターシャリブチル−5−エトキシサリチル酸、3,6−
ジ(α,α−ジメチルベンジル)−5−メトキシサリチ
ル酸及び3,6−ジ(α,α−ジメチルベンジル)−5
−エトキシサリチル酸などが開示されているが、これら
の多価金属塩を顕色剤として使用したとしても、本発明
が目標としている程度の記録像の濃度を達成することが
できない。更に、これらの顕色剤を本発明で採用してい
る方法に従って乳化分散し、有機溶媒を蒸留除去しよう
としても、途中で乳化系が急変して凝集してしまい、本
発明が目的としているような、小粒径で高濃度の水分散
液は得られない。その理由として、これらの顕色剤は結
晶性であって、有機溶媒に溶解しにくいことが考えられ
る。一方、本発明の一般式(I)で示される核置換サリ
チル酸の多価金属塩はすべてが非結晶性であって、顕色
剤として使用したときに充分な記録濃度が得られるし、
本発明で採用している方法に従って、小粒径で高濃度の
水分散液を得ることも容易である。その理由として、R
1 がイソノニル基又はイソドデシル基であって、これら
の基を生成するプロピレン三量体及びプロピレン四量体
が既に非常に数多くの異性体を含有し、その結果、これ
らを付加して生成した核置換サリチル酸及びその多価金
属塩も多種類の異性体の混合体であって、非結晶性が保
たれているためであろうと考えられる。このことがR1
をイソノニル基及びイソドデシル基以外の他の基に代え
難い理由である。
【0020】一般式(I)で表わされる核置換サリチル
酸のもう一つの構造的な特徴はサリチル酸核とR2 の間
に酸素原子を有することである。一般式(I)で表わさ
れる核置換サリチル酸と近似している核置換サリチル酸
として、3−イソノニル−5−メチルサリチル酸、3−
イソノニル−5−エチルサリチル酸、3−イソノニル−
5−ターシャリブチルサリチル酸、3−イソノニル−5
−シクロヘキシルサリチル酸、3−イソドデシル−5−
メチルサリチル酸及び3−イソドデシル−5−エチルサ
リチル酸なども知られている。しかし、これらの多価金
属塩を顕色剤として使用しても、感圧複写シートとして
の耐光性において、本発明が目標としている程度の良好
な結果は得られなかった。本発明においてこの構造的な
特徴によりもたらされる効果は耐光性について実に特異
的であるがその理由については未だ解明されていない。
尚、一般式(I)で表わされる核置換サリチル酸の多価
金属塩のうちでも、耐光性についてはR1 がイソノニル
基であるものよりイソドデシル基であるものの方が好ま
しい傾向があり、特に白紙耐光性に優れている。
【0021】感圧複写シートの耐水性は、記録直後の感
圧複写シートを20℃の流水中に浸漬しておき、一時間
後の記録像の濃度の減退程度を目視して測定される。記
録像の水による濃度の減退は顕色剤である核置換サリチ
ル酸の多価金属塩が水に溶解流出するのがその原因であ
ろう。実際に、記録像の濃度の減退程度と顕色剤の水溶
性の間には直接的な関係があり、更に顕色剤の水溶性と
一般式(I)で表わされる核置換サリチル酸の構造とも
直接的な関係が存在する。すなわち、一般式(I)のR
1 とR2 との炭素数の合計が増加するにつれて、その顕
色剤の水溶性が減少し、水に浸漬したときの記録像の濃
度の減退程度も小さくなり、耐水性は向上する。感圧複
写シートが実用的な耐水性をもつためにはR1 とR2
の炭素数の合計の下限は10である。本発明ではR1
2 との炭素数の合計は10以上である。更に、炭素数
の合計が12に増加すれば耐水性は完全になり、それ以
上は炭素数の合計が増加しても顕著な耐水性の向上が認
められない。
【0022】感圧複写シートの耐可塑剤性は、記録直後
の記録面に可塑剤を含有するポリ塩化ビニルフィルムを
圧着し、室温で約2日間放置した後、記録像の濃度の減
退程度を相互に比較することによって測定される。耐可
塑剤性については、耐水性のような核置換サリチル酸の
1 とR2 との炭素数の合計との一次的な関係は見出せ
ない。すなわち、その炭素数の合計が10から増加すれ
ば耐可塑剤性が向上し、その傾向が炭素数の合計が13
になる迄続き、炭素数の合計が14を越えれば炭素数の
合計の増加に伴って次第に耐可塑剤性が低下して、炭素
数の合計が20を越えれば耐可塑剤性が実用上問題視さ
れる程度に低下する。
【0023】一般式(I)で表わされる核置換サリチル
酸は多価金属とで塩を形成することができる。この多価
金属塩は電子供与性の無色染料と強い顕色反応を行う。
本発明の目的に好ましい多価金属はアルミニウム、カル
シウム、コバルト、ニッケル又は亜鉛であり、最も好ま
しくは亜鉛である。
【0024】本発明にかかる一般式(I)で表わされる
核置換サリチル酸は多価金属塩は相互に混合して顕色剤
として使用し得ることは勿論であるが、他の核置換サリ
チル酸の多価金属塩とあらゆる割合で混合して顕色剤と
して使用することもできる。その混合比は一般式(I)
で表わされる核置換サリチル酸は多価金属塩が10重量
パーセント以上であり、他の核置換サリチル酸は多価金
属塩が90重量パーセント以下であることが好ましい。
混合して用いることのできる他の核置換サリチル酸の好
ましい具体例としては、3,5−ジターシャリブチルサ
リチル酸、3,5−ジターシャリブチル−6−メチルサ
リチル酸、3,5−ジターシャリアミルサリチル酸、3
−ターシャリオクチル−5−メチルサリチル酸、3−タ
ーシャリオクチル−5−メトキシサリチル酸、3−ター
シャリオクチル−5−エトキシサリチル酸、3−ターシ
ャリオクチル−5−シクロヘキシロキシサリチル酸、3
−イソノニル−5−メチルサリチル酸、3−イソノニル
−5−ターシャリブチルサリチル酸、3,5−ジイソノ
ニルサリチル酸、3−イソドデシルサリチル酸、3−イ
ソドデシル−5−メチルサリチル酸、3−フェニル−5
−イソノニルサリチル酸、3−フェニル−5−(α,α
−ジメチルベンジル)サリチル酸、3、5−ジ(α−メ
チルベンジル)サリチル酸、3−(α,α−ジメチルベ
ンジル)−5−メチルサリチル酸、3−(α,α−ジメ
チルベンジル)−5−ターシャリブチルサリチル酸、
3,5−ジ(α,α−ジメチルベンジル)サリチル酸、
3−(α,α−ジメチルベンジル)−5−メトキシサリ
チル酸、3−(α,α−ジメチルベンジル)−5−エト
キシサリチル酸、3−(α,α−ジメチルベンジル)−
5−シクロヘキシロキシサリチル酸、5−イソノニルサ
リチル酸、5−(4−メシチルメチルベンジル)サリチ
ル酸、ベンジル化・スチレン化サリチル酸、ピネン化サ
リチル酸、2−ヒドロキシ−3−(α,α−ジメチルベ
ンジル)−1−ナフトエ酸、3−ヒドロキシ−7−
(α,α−ジメチルベンジル)−2−ナフトエ酸又はサ
リチル酸とフェノール類とのホルムアルデヒドによる共
重縮合物などが挙げられる。
【0025】又、本発明の顕色剤及び感圧複写シートの
性能を更に高めるために、高分子化合物、紫外線吸収
剤、酸化防止剤、光安定剤又は発色促進剤などを顕色剤
に添加して顕色剤組成物として用いることもできる。
【0026】添加される高分子化合物は通常オリゴマー
と称される平均分子量500程度のものから平均分子量
20,000程度のもの迄のうち、核置換サリチル酸の
多価金属塩と相溶性のあるものが選ばれる。その好まし
い具体例としてはスチレン重合体、α−メチルスチレン
重合体、スチレン・α−メチルスチレン共重合体、スチ
レン・アクリロニトリル又はメタクリロニトリル共重合
体、スチレン・アクリル酸エステル又はメタクリル酸エ
ステル共重合体、スチレン・α−メチルスチレン・アク
リロニトリル又はメタクリロニトリル共重合体、石油樹
脂、フェノール樹脂、クマロン樹脂又は塩化ビニル樹脂
などが挙げられる。
【0027】紫外線吸収剤としてはベンゾフェノン系又
はベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤が望ましく、そ
の好ましい具体例としては2,4−ジヒドロキシベンゾ
フェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノ
ン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、
2−ヒドロキシ−4−ドデシロキシベンゾフェノン、
2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノ
ン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベ
ンゾフェノン又は2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−
スルホベンゾフェノン、2−ベンゾトリアゾリル−4−
メチルフェノール、2−ベンゾトリアゾリル−4,6−
ジターシャリブチルフェノール、2−ベンゾトリアゾリ
ル−4−カルボキシエチル−6−ターシャリブチルフェ
ノール、2(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニ
ル)ベンゾトリアゾール、2(2’−ヒドロキシ−5’
−ターシャリブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2
(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジターシャリブチル
フェニル)ベンゾトリアゾール、2(2’−ヒドロキシ
−3’−ターシャリブチル−5’−メチルフェニル)−
5−クロロベンゾトリアゾール、2(2’−ヒドロキシ
−3’,5’−ジターシャリブチルフェニル)−5−ク
ロロベンゾトリアゾール、2(2’−ヒドロキシ−
3’,5’−ジターシャリアミルフェニル)ベンゾトリ
アゾール、2(2’−ヒドロキシ−4’−オクトキシフ
ェニル)ベンゾトリアゾール又は2−ベンゾトリアゾリ
ル−4−カルボキシエチル−6−ターシャリブチルフェ
ノールとポリエチレングリコール、ポリプロピレングリ
コール又はポリブチレングリコールとのエステル化物な
どが挙げられる。
【0028】酸化防止剤としてはフェノール系の酸化防
止剤が望ましく、その好ましい具体例としては2,6−
ジターシャリブチルフェノール、2,6−ジターシャリ
ブチル−4−メチルフェノール、2又は3−ターシャリ
ブチル−4−メトキシフェノール、4−ターシャリブチ
ルカテコール、トコフェノール、2,2’−メチレンビ
ス(4−メチル−6−ターシャリブチルフェノール)、
2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−シクロヘキ
シルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチ
ル−6−ターシャリブチルフェノール)、4,4’−メ
チレンビス(2,6−ジターシャリブチルフェノー
ル)、2,2’−チオビス(4−メチル−6−ターシャ
リブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチ
ル−6−ターシャリブチルフェノール)、ビス(3−メ
チル−5−ターシャリブチルベンジル)サルファイド、
2,2’−イソブチリデンビス(2,4−ジメチルフェ
ノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6
−ターシャリブチルフェノール)、2,6−ビス(2−
ヒドロキシ−3−ターシャリブチル−5−メチルベンジ
ル)−4−メチルフェノール、ビス{3,3−ビス(3
−ターシャリブチル−4−ヒドロキシベンゼン)ブチリ
ックアシッド}グリコールエステル、トリス(3,5−
ジターシャリブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシ
アヌレート、1,3,5−トリメチル−2,4,6−ト
リス(3,5−ジターシャリブチル−4−ヒドロキシベ
ンジル)ベンゼン又はテトラキス{メチレン3−(3,
5−ジターシャリブチル−4−ヒドロキシフェニル)プ
ロピオネート}メタンなどが挙げられる。特に、これら
のフェノール系の酸化防止剤R2 で示される置換基が例
えば2−メトキシエチル基、2−(2−メトキシエトキ
シ)エチル基、2−エトキシエチル基又は2−(2−フ
ェノキシエトキシ)エチル基などのようなアルキル・ア
ルキルエーテル基等を有するものである場合に効果的で
あり、記録像及び白紙の耐光性が改善される。
【0029】光安定剤としてはヒンダードアミンと称さ
れるものが望ましく、その好ましい具体例としては、
2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重
合体、6−エトキシ−2,2,4−トリメチル−1,2
−ジヒドロキノリン、4−ベンジロキシ−2,2,6,
6−テトラメチルピペリジン又はビス(2,2,6,6
−テトラメチル−4−ピペリジン)アジペートなどが挙
げられる。
【0030】本発明において発色促進剤とは感圧複写シ
ートの初期発色性、特に低温環境下における初期発色性
を改良するために顕色剤に添加されるものを称し、その
好ましい具体例としてはN,N−ジブチルトルエンスル
ホンアミド、N,N−ジオクチルベンゼンスルホンアミ
ド、N,N−ジオクチルメタンスルホンアミド、N−オ
クチルキシレンスルホンアミド、N−(トルエンスルホ
ニル)モルホリン、N,N−ジ(2−エチルヘキシル)
アセトアミド、N,N−ジシクロヘキシルアセトアミ
ド、N,N−ジエチルラウロイルアミド、N,N−ジブ
チルラウロイルアミド、N,N−ジメチルオレオイルア
ミド、N,N−ジエチルオレオイルアミド、N,N−ジ
ブチルオレオイルアミドなどが挙げられる。
【0031】本発明の顕色剤は総てがガラス状固体であ
って、感圧複写シートに応用するには有機溶媒溶液にす
るか、0.3ないし5ミクロン程度の微小粒子として分
散させた分散液として使用することが好ましい。微小粒
子の調製方法としては、水を媒質として、サンドグライ
ンダー又はアトライターなどによって機械的に粉砕する
方法も採用することができるが、更に好ましくは顕色剤
を有機溶媒に溶解してから、分散液を含有する水溶液中
に乳化分散させ、続いて有機溶媒を蒸留除去する方法が
採用される。本発明の顕色剤は総てが後者の方法によっ
て円滑に微小粒子に調製することができる。これは本発
明の重要な利点の一つである。この際に使用しうる有機
溶媒としてはベンゼン、トルエン、エチルベンゼン又は
キシレンなどの炭化水素系溶媒、四塩化炭素、ジクロロ
エタン又はクロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素、
酢酸エチル又は酢酸ブチルなどのエステル類及びメチル
イソブチルケトン又はシクロヘキサノンなどのケトン類
などが挙げられる。後者の方法による微小粒子はその殆
どが真球状であって、微小粒子の平均粒径は乳化分散の
段階で調節することによって、最終0.3ないし5ミク
ロン程度にすることは容易である。又、このようにして
得られる顕色剤の微小粒子を含む水分散液は高濃度でも
流動性が高く、取り扱い性がよい。
【0032】本発明で用いた顕色剤の水分散液(顕色剤
組成物の水分散液を包含する)には更に水、分散剤、接
着剤又は無機顔料を添加混合して塗料(塗液)を調製す
ることができる。ここで、分散剤としてはアルキル硫酸
エステル塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼン
スルホン酸塩、アルキルナフタリンスルホン酸塩又はジ
アルキルスルホコハク酸塩などのアニオン性界面活性
剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシ
エチレンアルキルアリールエーテル又はポリオキシエチ
レン脂肪酸エステルなどの非イオン系界面活性剤及び部
分けん化ポリビニルアルコール、低級アルキルエーテル
変性ポリビニルアルコール、アクリルアミド重合体、ア
クリルアミド共重合体、ポリアクリル酸塩、ポリスチレ
ンスルホン酸塩、無水マレイン酸・イソブチレン共重合
体塩、カルボキシメチルセルローズ塩、ヒドロキシエチ
ルセルローズ、澱粉、カゼイン、アラビアゴム又はゼラ
チンなどの水溶性高分子化合物からなる分散剤などが使
用される。接着剤としてはポリビニルアルコール又はカ
ルボキシ変性スチレン・ブタジエンラテックス等各種の
ものが使用される。又、無機顔料としては酸化チタン、
酸化亜鉛、ケイ酸亜鉛、炭酸亜鉛、炭酸マグネシウム、
炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化けい素、カオリ
ン、活性白土又はタルクなどが挙げられ、これらは5ミ
クロン以下の微粒子であることが好ましい。
【0033】顕色剤を含有する塗料をブレードコーター
又はエアナイフコーターなどのコーティングマシーンに
よって、紙、合成紙、プラスチックシート又は樹脂コー
テッド紙などの支持体の上に顕色剤が0.02g/m2
いし2g/m2程度になるように塗布し、乾燥して感圧複
写シートの顕色面を仕上げる。 本発明の主題はマイク
ロカプセルへの特定の紫外線吸収剤の内包と顕色面の改
良の併用である。この顕色剤は下用シート、中用シート
等のCF層、自己発色型感圧複写シート等に用いられ
る。特定の紫外線吸収剤は、上用シート、中用シートの
CB層自己発色型感圧複写シート等に用いられる。
【0034】本発明を更に明確にするため、以下に具体
的な実施例を挙げて説明する。
【0035】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明するが、勿論これらに限定されるものではない。な
お例中の部及び%は、特に断らない限り各々重量部及び
重量%を示す。
【0036】実施例1 [顕色剤水分散液の調製]3−イソノニル−5−メトキ
シサリチル酸亜鉛100gをメチルイソブチルケトン6
5gに溶解した。これを重合度1,500、鹸化度95
%のポリビニルアルコール2.5g、アクリルアミド9
3モル%及びアクリル酸ブチル7モル%の共重合体で平
均重合度が500のもの1.5g及び炭酸ナトリウム
0.2gを含む水溶液130gに乳化分散させて、分散
層の平均粒径が0.8ミクロンになるようにした。かき
混ぜ機、温度計及び蒸留口の付いた内容積500ミリリ
ットルの三つ口フラスコに水100gと上記乳化分散液
とを移した。ゆっくりかき混ぜながらフラスコを加熱し
て、メチルイソブチルケトン及び水を蒸留口から除去し
た。内容物の固形分濃度が、40ないし45%になる迄
濃縮すれば使用したメチルイソブチルケトンは完全に除
去された。これを冷却して固形分濃度を40%に調節し
た。
【0037】[顕色面の調製]顕色剤水分散液(固形分
濃度40%)25部、55%軽質炭酸カルシウム(商品
名:ブリリアントS−15, 白石工業社製)164部及
び水50部を混合分散し、さらにバインダーとして10
%ポリビニルアルコール(商品名:PVA−210,ク
ラレ社製)水溶液50部、48%SBRラテックス(商
品名:SN−307,住友ダウ社製)16部及び水15
0部を混合して顕色剤塗液を調製した。次に上記顕色剤
塗液を40g/m2の原紙の片面に乾燥重量5g/m2にな
るようにエアーナイフコーターで塗布、乾燥した感圧複
写シート(下用紙)の顕色面を得た。
【0038】[マイクロカプセル分散液の調製]加熱装
置を備えた攪拌混合容器中に、ポリビニルアルコール
(商品名:PVA−117,クラレ社製)の3%水溶液
150部を加えてカプセル調製用水性媒体とした。別
に、アルキルジフェニルエタン100部に染料としてク
リスタルバイオレットラクトン6部と紫外線吸収剤とし
て2(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベン
ゾトリアゾール2部を溶解し、更にポリメチレンポリフ
ェニルイソシアネート(商品名:ミリオネートMR40
0,日本ポリウレタン工業社製)5部と2−イソシアナ
ートエチル−2,6−ジイソシアナートヘキサノエート
(商品名:T−100,東レ社製)2部を溶解して得た
溶液をカプセル芯物質として上記カプセル調製用水性媒
体中にT.K.ホモミキサー(特殊機化工業株式会社製)を
用いて毎分10,000回転で1分間乳化分散した。
【0039】この乳化分散液にジエチレントリアミン1
部を加え、室温下で30分間攪拌した後、系の温度を7
0℃まで昇温して攪拌を続けながら3時間反応させた。
室温まで温度を下げて平均粒子径が6ミクロンで、壁膜
の平均厚さが0.2ミクロンのポリウレア樹脂/ポリウ
レタン樹脂壁膜カプセルを調製した。
【0040】[マイクロカプセル塗液の調製]上記マイ
クロカプセル分散液100部(固形分)に、小麦デンプ
ン80部とカルボキシ変性SBRラテックス15部(固
形分)を加え、固形分濃度が20%になるように調製し
てマイクロカプセル塗液を得た。
【0041】[中用紙の製造]上記マイクロカプセル塗
液を前記の感圧複写シート(下用紙)の反対面に乾燥重
量が4g/m2となるようにエアーナイフコーターで塗布
乾燥し感圧複写シート用中用紙を作成した。
【0042】実施例2 ベンゾトリアゾール誘導体として2−(2′−ヒドロキ
シ−3′,5′−ジターシャリブチルフェニル)−5−
クロロベンゾトリアゾールを用いた以外は、実施例1と
同様にして感圧複写シート用中用紙を作成した。
【0043】実施例3 顕色剤として3−イソドデシル−5−メトキシサリチル
酸亜鉛100gを用いた以外は、実施例1と同様にして
感圧複写シート用中用紙を作成した。
【0044】実施例4 ベンゾトリアゾール誘導体として2−(2′−ヒドロキ
シ−3′,5′−ジターシャリブチルフェニル)−5−
クロロベンゾトリアゾールを用いた以外は、実施例3と
同様にして感圧複写シート用中用紙を作成した。
【0045】比較例1 マイクロカプセル分散液の調製でベンゾトリアゾール誘
導体を配合しなかった以外は、実施例1と同様にして感
圧複写シート用中用紙を作成した。
【0046】比較例2 マイクロカプセル分散液の調製でベンゾトリアゾール誘
導体の代わりに2,4−ジヒドロキシベンゾフェノンを
用いた以外は、実施例1と同様にして感圧複写シート用
中用紙を作成した。
【0047】比較例3 3,5−ジ(α−メチルベンジル)サリチル酸亜鉛10
0gをトルエン100gに70℃で混合溶解してトルエ
ン溶液を調製した。別に、重合度1,700、鹸化度9
8%のポリビニルアルコール6gを含む水300gを内
容積1,000ミリリットルのステンレススチール製ビ
ーカーに入れT.K.ホモミキサーを毎分3,000回転で
攪拌しながら上記トルエン溶液をこれに加えた。
【0048】トルエン溶液を加え終った時点で回転数を
毎分10,000回に上げて2分間攪拌した後、この分
散液を攪拌機、温度計及び蒸留口のついた内容積1,0
00ミリリットルの硬質ガラス製三つ口フラスコに移し
た。攪拌機をゆっくり回転させながらフラスコを加熱し
て蒸留口からトルエンと水が留出するようにした。10
0℃で約1時間この操作を続けると分散液は殆どトルエ
ンを含まなくなった。これを冷却して顕色剤約40%を
含有する水分散液を得た。得られた顕色剤分散粒子の平
均粒子径は1.0ミクロンであった。以下、この顕色剤
を用いた以外実施例1と同様にして感圧複写シート用中
用紙を作成した。
【0049】比較例4 pH4に調整されたポリビニルベンゼンスルホン酸の一
部ナトリウム塩(平均分子量500,000)の4.4
%水溶液100部に染料としてクリスタルバイオレット
ラクトン6部と紫外線吸収剤として2−(2’−ヒドロ
キシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール2部
をジイソプロピルナフタレン100部に溶解して得た溶
液を乳化分散して平均粒子径が4.5ミクロンの乳化液
を得た。別に、メラミン6部、37%ホルムアルデヒド
水溶液11部、水30部を60℃に加熱攪拌して30分
後に透明なメラミンホルムアルデヒド初期縮合物の混合
水溶液を得た。この混合水溶液のpHは6.0〜8.0
であった。上記の方法で得たメラミンとホルムアルデヒ
ド及びメラミン−ホルムアルデヒド初期縮合物の混合水
溶液を上記乳化混合物に添加混合し、攪拌しながら3.
6%塩酸溶液にてpHを6.0に調節し、液温を65℃
に上げ6時間攪拌し続けた。このマイクロカプセル分散
液を室温まで冷却し20%水酸化ナトリウムでpH9.
0に調節した。
【0050】上記マイクロカプセル分散液に対して10
%ポリビニルアルコール水溶液100部及びカルボキシ
変性SBRラテックスを固形分で10部及びデンプン粒
子50部及びと炭酸カルシウム10部を添加し水を加え
て、固形分濃度が20%になるように調整してマイクロ
カプセル塗液を得た。
【0051】上記マイクロカプセル塗液を用いた以外
は、比較例3と同様にして感圧複写シート用中用紙を作
成した。
【0052】[品質比較テスト]実施例及び比較例で作
成した感圧複写シート用中用紙を各2枚を1セットとし
て伝票を作成し、電動タイプライター(商品名:ele
ctric65,OLYMPIA社製)インパクト強度
強圧で複写を取り、2枚目の顕色面に発現された記録像
について下記の評価試験を行った。それらの結果を表1
に示す。
【0053】評価1[記録濃度] 複写10分後、顕色面の記録像の記録濃度をマクベス濃
度計で測定した。
【0054】評価2[記録像の耐光性と白紙の耐光性] 複写20時間後、顕色面の記録像を晴天の1日(約8時
間)、顕色面が太陽とほぼ垂直になるように、2時間お
きに顕色面の向きを調節して太陽光に曝した。暴露後、
記録像の記録濃度をマクベス濃度計で測定した。処理前
の記録濃度に対する処理後の記録濃度との比(単位:
%)を記録像の保存率とし、これを記録像の耐光性とす
る。なお暴露後、白紙部分に同じ複写を行い、同様に評
価した。これを白紙の耐光性とする。
【0055】評価3[記録像の耐水性] 複写後すぐに記録全体を水道水中に浸し、1時間経って
から記録像を乾燥して、記録像の褪色程度を目視で評価
した。 (評価基準)◎:非常に良い、○:良い、△:劣る、
×:実用不可。
【0056】評価4[記録像の耐可塑剤性] 複写1時間後に、記録像を外にして、表面の平滑なガラ
スビンに記録紙を巻きつけ、その上からハイラップ(商
品名:V,三井東圧化学社製)に張力をかけつつ更に3
重に巻き付けた。これを1日間、25℃の暗所に保存
し、記録像の褪色程度を目視して評価3と同じ基準で評
価した。これを記録像の耐可塑剤性とする。
【0057】
【表1】
【0058】
【発明の効果】表1の結果から明らかなように、本発明
の実施例で得られた感圧複写シートは記録像の記録濃
度、耐水性及び耐可塑剤性などの諸特性を高水準に保ち
ながら、特に記録像の耐光性に著しく優れている。これ
は従来見られなかった特徴である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子供与性無色染料と電子受容性顕色剤
    との発色反応を利用した感圧複写シートであり、前記電
    子供与性無色染料がベンゾトリアゾール誘導体とともに
    マイクロカプセルに内包されており、且つ前記電子受容
    性顕色剤が一般式(I) 【化1】 (式中、R1 はイソノニル基又はイソドデシル基を示
    し、R2 は置換基をもっていてもよいアルキル基又はシ
    クロアルキル基を示す。)で表わされる核置換サリチル
    酸の多価金属塩を含有することを特徴とする感圧複写シ
    ート。
  2. 【請求項2】 一般式(I)で表わされる核置換サリチ
    ル酸が3−イソノニル−5−メトキシサリチル酸、3−
    イソノニル−5−エトキシサリチル酸、3−イソノニル
    −5−イソプロポキシサリチル酸、3−イソノニル−5
    −(2−メトキシエトキシ)サリチル酸、3−イソノニ
    ル−5−(2−エトキシエトキシ)サリチル酸、3−イ
    ソノニル−5−(2−フェノキシエトキシ)サリチル
    酸、3−イソノニル−5−{2−(4−メトキシフェノ
    キシ)エトキシ}サリチル酸、3−イソノニル−5−シ
    クロヘキシロキシサリチル酸、3−イソドデシル−5−
    メトキシサリチル酸、3−イソドデシル−5−エトキシ
    サリチル酸及び3−イソドデシル−5−シクロヘキシロ
    キシサリチル酸からなる群から選ばれた少なくとも一種
    であることを特徴とする請求項1に記載の感圧複写シー
    ト。
  3. 【請求項3】 ベンゾトリアゾール誘導体が2−(2′
    −ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾ
    ール又は2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジター
    シャリブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾー
    ルである請求項1記載の感圧複写シート。
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