JP2884081B1 - アリールホウ素化合物触媒を用いたアルデヒド類又はケトン類の製造方法 - Google Patents

アリールホウ素化合物触媒を用いたアルデヒド類又はケトン類の製造方法

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Abstract

【要約】 【課題】 オッペンナウアー法を用いて、アリルアルコ
ールをアルデヒド又はケトンに酸化する方法としては、
過剰量の活性二酸化マンガンを用いるプロセスが一般で
ある。しかし、活性二酸化マンガンはその作り方によっ
て活性度が一定でなく、しかも使用量が基質に対し大過
剰である。従って、従来マンガン廃棄物を大量に排出す
るという問題があった。また、オッペンナウアー法を工
業的に実用可能とするプロセスは殆どなかった。 【解決手段】 本発明は、上記問題を解決するためのも
のであり、一級又は二級アルコール等をアリールホウ素
化合物触媒の存在下、温和条件下で酸化させ対応するア
ルデヒド類又はケトン類を得ることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アリルアルコール
の酸化方法に関し、更に詳しくは特定のボリン酸触媒の
存在下アリルアルコールを酸化してアルデヒド化合物又
はケトン化合物を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】オッペンナウアー(Oppenauer) 酸化(O
PP)は、第二級アルコールをケトンに変換する有用な
方法の一つである。この方法においては、炭素炭素二重
結合、三重結合、アルデヒド、アミン、ハロゲン、イオ
ウ原子含有基の如き官能基は影響を受けない。従って、
このOPP法は非常に有利なプロセスである。しかし、
一般にOPP法により第一級アルコールを対応するアル
デヒドに酸化することは困難である。すなわち、通常、
一級アルコールの酸化は反応剤が塩基性のため、酸化に
続くアルドール反応などの副反応が主となってしまう。
【0003】一方、多種多用の有機および無機金属試剤
が、OPP触媒としてこれらで報告されている。OPP
法を用いて、アリルアルコールをアルデヒド又はケトン
に酸化する従来方法としては、過剰量の活性二酸化マン
ガンを用いるプロセスが一般的であった。しかし、活性
二酸化マンガンはその作り方によって活性度が必ずしも
一定でなく、使用する酸化剤の量や溶媒の種類によって
も、反応の様子が左右されることが多いので、実験条件
の探索が難しかった。また、一般に用いる活性二酸化マ
ンガンの量は、重量で基質の5−30倍と大過剰であ
り、大量合成に不向きであるばかりか、マンガン廃棄物
を大量に排出する問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】アリルアルコールを酸
化して不飽和カルボニル化合物を効率よく得ることは有
機合成上非常に重要である。しかも前記のように工業的
に応用可能な実用性のある酸化方法はこれまでほとんど
なかった。そこで、この不安定な不飽和カルボニル化合
物を大量にかつ高純度であることを目的に、環境に優し
い触媒的酸化反応の開発が期待された。本発明は、かか
る要求に応えるためになされたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記問題を解
決するため、なされたものであり、本発明は
【化16】 で表されるペリリルアルコール(perillyl alcohol)を、
次式II:
【化17】 (式中、ArはC6 5 を表し、nは2又は3である)
で表されるアリールホウ素化合物触媒の存在下で酸化さ
せ次式 III:
【化18】 で表されるペリラアルデヒド(perillaldehyde)を得るこ
とを特徴とする。
【0006】更に本発明は、次式IV:
【化19】 (式中、R1 又はR2 は、互いに独立に水素、所望によ
りハロゲンで置換されていてもよいC1 〜C10の分枝鎖
又は直鎖の飽和又は不飽和の脂肪族炭化水素基であり、
3 は水素又はC1 〜C4 アルキルである)で表される
アルコールを次式II:
【化20】 (式中、ArはC6 5 を表し、nは2又は3である)
で表されるアリールホウ素化合物触媒の存在下で酸化さ
せ、次式V:
【化21】 (式中、R1,R2,R3 は、各々式Iで定義された意味を
有する)で表されるα,β−不飽和ケトンを得ることを
特徴とする。
【0007】更に本発明は、次式VI:
【化22】 (式中、Xは水素、ハロゲン又はC1 〜C4 アルキルで
あり、R4 は水素であり、R5 は水素又はハロゲンであ
り、R6 およびR7 はそれぞれ水素であるか;又はXは
水素、ハロゲン又はC1 〜C4 アルキルであり、R4
よびR5 は共に一緒になってベンゼン環を形成し、R6
およびR7 はそれぞれ水素であるか;又はXは水素、ハ
ロゲン又はC1 〜C4 アルキルであり、R4 は水素であ
り、R5 は水素、ハロゲン又はC1 〜C4 アルキルであ
り、R6 とR7 は共に一緒になって5員環を形成する)
で表されるアルコールを、次式II:
【化23】 (式中、ArはC6 5 を表し、nは2又は3である)
で表されるアリールホウ素化合物触媒の存在下で酸化さ
せ、次式VII:
【化24】 で表される芳香族ケトンを得ることを特徴とする。
【0008】更に本発明は、次式VIII :
【化25】 で表されるミルテノール(myrtenol)を、次式II:
【化26】 (式中、ArはC65 を表し、nは2又は3である)
で表されるアリールホウ素化合物触媒の存在下で酸化さ
せ、次式IX:
【化27】 で表される架橋環系アルデヒドを得ることを特徴とす
る。
【0009】更に本発明は、次式X:
【化28】 で表される(S)−シス−ベルベノール(verbenol)を、
次式II:
【化29】 (式中、ArはC6 5 を表し、nは2又は3である)
で表されるアリールホウ素化合物触媒の存在下で酸化さ
せ、次式XI:
【化30】 で表される架橋系ケトンを得ることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明者等は、前記のオッペンナ
ウアー酸化反応において前記の欠点を有しない優れた活
性を有する触媒を開発すべく鋭意研究を行い、その結果
ビス(ペンフルオロフェニル)ボリン酸が前記酸化反応
において優れた触媒であることを見出し本発明を完成し
た。
【0011】すなわち、有機溶剤、例えばトルエン溶剤
を用い、反応基質のアルコールに対し、1〜2 mol%の
ビス(ペンタフルオロフェニル)ボリン酸触媒、6当量
のビバルアルデヒド(ヒドリド受容体)、硫酸マグネシ
ウム(乾燥剤)を加え、室温で数時間攪拌するだけで目
的とするカルボニル化合物をほぼ定量的に得ることがで
きる。一級、二級を問わずいずれのアリルアルコールで
も酸化反応は円滑に進行した。本発明は一級のベンジル
アルコールや環状の二級ベンジルアルコールに対しても
有効である。即ち、本発明の適用できるアルコール(基
質)は、アリルアルコール類、ベンジルアルコール類、
他の官能基(例えばハロゲン、エーテル等)を分子内に
含むアルコール類および他の官能基(例えばハロゲン、
エーテル等)を分子内に含むベンジルアルコール類等で
ある。
【0012】一方、嵩高位のベンジルアルコールや飽和
アルコールについては著しく反応性が低下することか
ら、本発明はアリルアルコールの選択的酸化に特に有効
であることが判明した。
【0013】本発明プロセスにおいては、ビス(ペンタ
フルオスフェニル)ボリン酸が最も好ましく使用できる
が、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボロン(式IIに
おいてn=3)も触媒として利用できる。
【0014】本発明方法において使用されるアリールホ
ウ素化合物触媒は、例えば次のようにして好ましく調製
できる。本発明における代表的触媒、すなわちビス(ペ
ンタフルオスフェニル)ボリン酸(以下の式1bで示さ
れる触媒)は、水性2NHClを用いて公知のクロロボ
ランを加水分解することによって得られる((a)Chamber
s, R.D.; Chivers, T.J. Chem. Soc. 1964, 4782, (b)C
humbers, R.D.; Chivers, T.J.Chem. Soc. 1965, 393
3)。該ビス(ペンタフルオロフェニル)ボリン酸は、白
色の微結晶固体であり、空気中で取り扱いが容易であ
り、そして多くの有機溶剤に可溶である。更に該ビス
(ペンタフルオロフェニル)ボリン酸は、(ペンタフル
オロフェニル)ボロン酸よりもより強いルイス酸である
が、しかしトリス(ペンタフルオロフェニル)ボロンよ
りも弱い。
【0015】本発明プロセスは、前記アリールホウ素化
合物触媒の存在下、基質として適用できる前記アルコー
ル類を、ベンゼン又はトルエン等の芳香族系有機溶剤、
ジクロロメタン等のハロゲン系有機溶剤、シクロヘキサ
ンやオクタン等の脂肪族系有機溶剤に溶解又は懸濁さ
せ、例えば0〜160℃で5分から42時間の反応時間
で実施できるが、合成操作上好ましいことに、室温で2
〜5時間攪拌させることによって実施できる。また、本
反応プロセスは大過剰量のベンゾフェノン等のケトン類
又はピバルアルテヒドやベンズアルデヒド等のアルデヒ
ド類を存在させて行うことが極めて有効である。反応生
成物はクロマトグラフィー等を用いた常法手段によって
精製することができる。
【0016】本発明方法によって、実施例でも明示され
るように、目的生成物を極めて高い収率で得ることが可
能となる。
【0017】以下、本発明を実施例および比較例により
更に説明する。
【実施例】実施例1 以下の式1a,1bおよび1cおよび式2b及び式3
b:
【化31】 で表わされる種々のアリールホウ素化合物を触媒として
用い、(S)−ペリリルアルコール(perillyl alcohol)
の酸化反応を行なった。酸化反応条件および生成化合物
の収率を表1に示す。
【0018】
【表1】
【0019】すなわち、前記酸化反応において、1−2
モル%の触媒を用い、ヒドリド受容体として6当量のピ
バルアルデヒド(t−BuCHO)を用いた。表1に示
されるように、ジアリールホウ素化合物、特に1bの触
媒が最も高い活性を示した(実験No. 2、Vs No.4,
5)。一方1aの触媒は全く触媒活性が存在しなかっ
た。
【0020】興味深いのは、触媒1cが触媒bと同等の
活性を示したことである。これは本反応条件下で触媒1
cは徐々に分解してボリン酸1bとトリフルオロベンゼ
ンに、最終的にはホウ酸1aになるためである。つま
り、真の触媒活性種は触媒1cではなく触媒1bであ
る。従って、本反応での触媒活性の向上にはボリン酸の
分解を防ぐ工夫が必要である。ボリン酸は一般に中性あ
るいは塩基性で分解されやすく、酸性条件下では比較的
安定である。本反応におけるボリン酸の分解は、生成す
る水やアルデヒド又は原料のアルコールのホウ素上への
求核付加が原因と推察でき、実際、反応系への硫酸マグ
ネシウムの付加が有効であった。
【0021】次に、実施例における実験手順を示す。 実験手順:アルゴン雰囲気下、ビス(ペンタフルオロフ
ェニル)ボリン酸1b(3.6mg、0.01mmo
l)、硫酸マグネシウム(120mg、1.0mmo
l)、(S)−ペリリルアルコール(perillyl alcohol)
(159mL、1.0mmol)を混ぜたトルエン(2
mL)けん濁液にピバルアルデヒド(326mL,3.
0mmol)を室温で加えた。3時間攪拌後、反応混合
物に飽和重曹水(5mL)を加え反応を止め、ジエチル
エーテルで2回抽出した。得られた有機相を硫酸マグネ
シウムで乾燥し、濾過した後、減圧下で濃縮した。粗生
成物はシリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒、ペン
タン:ジエチルエーテル=7:1)により精製し、目的
とするペリラアルデヒド(perillaldehyde)を99%の化
学収率(149mg)で得た。
【0022】次に、実施例1で好ましい触媒として判明
したビス(ペンタフルオロフェニル)ボリン酸を用いて
種々のアルコールに対し本発明方法を適用した。その例
を実施例2〜8に示す。
【0023】実施例2 アルゴン雰囲気下、ビス(ペンタフルオロフェニル)ボ
リン酸(7.2mg,0.02mmol)、硫酸マグネ
シウム(120mg、1.0mmol)、2−トリデセ
ン−1−オール(198mg、1.0mmol)を混ぜ
たトルエン(2mL)けん濁液にピバルアルデヒド(4
36μL、4.0mmol)を室温で加えた。27時間
攪拌後、反応混合物に飽和重曹水(5mL)を加え反応
を止め、ジエチルエーテルで2回抽出した。得られた有
機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過した後、減圧下
で濃縮した。粗生成物はシリカゲルクロマトグラフィー
(展開溶媒、ペンタン:ジエチルエーテル=7:1)に
より精製し、2−トリデセナールを85%の化学収率
(167mg)で得た(表2、実験 No.1参照)。
【0024】実施例3 アルゴン雰囲気下、ビス(ペンタフルオロフェニル)ボ
リン酸(3.6mg,0.01mmol)、硫酸マグネ
シウム(120mg、1.0mmol)、ゲラニオール
(173μL、1.0mmol)を混ぜたトルエン(2
mL)けん濁液にピバルアルデヒド(327μL、3.
0mmol)を室温で加えた。3時間攪拌後、反応混合
物に飽和重曹水(5mL)を加え反応を止め、ジエチル
エーテルで2回抽出した。得られた有機相を硫酸マグネ
シウムで乾燥し、濾過した後、減圧下で濃縮した。粗生
成物はシリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒、ペン
タン:ジエチルエーテル=7:1)により精製し、目的
とするゲラニルアルデヒドを95%の化学収率(145
mg)、E/Z=99:1で得た(表2、実験 No.2参
照)。
【0025】実施例4 アルゴン雰囲気下、ビス(ペンタフルオロフェニル)ボ
リン酸(3.6mg,0.01mmol)、硫酸マグネ
シウム(120mg、1.0mmol)、ネロール(1
76μL、1.0mmol)を混ぜたトルエン(2m
L)けん濁液にピバルアルデヒド(327μL、3.0
mmol)を室温で加えた。3時間攪拌後、反応混合物
に飽和重曹水(5mL)を加え反応を止め、ジエチルエ
ーテルで2回抽出した。得られた有機相を硫酸マグネシ
ウムで乾燥し、濾過した後、減圧下で濃縮した。粗生成
物はシリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒、ペンタ
ン:ジエチルエーテル=7:1)により精製し、目的と
するゲラニルアルデヒドを98%の化学収率(150m
g)、E/Z=72:28で得た(表2、実験 No.3参
照)。
【0026】実施例5 アルゴン雰囲気下、ビス(ペンタフルオロフェニル)ボ
リン酸(3.6mg,0.01mmol)、硫酸マグネ
シウム(120mg、1.0mmol)、(1R)−
(−)−ミルテノール(myrtenol) (152mg、1.
0mmol)を混ぜたトルエン(2mL)けん濁液にピ
バルアルデヒド(327μL、3.0mmol)を室温
で加えた。3時間攪拌後、反応混合物に飽和重曹水(5
mL)を加え反応を止め、ジエチルエーテルで2回抽出
した。得られた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾
過した後、減圧下で濃縮した。粗生成物はシリカゲルク
ロマトグラフィー(展開溶媒、ペンタン:ジエチルエー
テル=10:1)により精製し、目的とするミルテナー
ル(myrtenal)を>99%の化学収率(150mg)で得
た(表2、実験 No.4参照)。
【0027】実施例6 アルゴン雰囲気下、ビス(ペンタフルオロフェニル)ボ
リン酸(3.6mg,0.01mmol)、硫酸マグネ
シウム(120mg、1.0mmol)、(S)−シス
−ベルベノ−ル(verbenol,別名(1S−cis)−4,6,
6−trimethylbicyclo〔3.3.1〕hept−3−en−2
−ol)(152mg、1.0mmol)を混ぜたトルエ
ン(2mL)けん濁液にピバルアルデヒド(327μ
L、3.0mmol)を室温で加えた。2時間攪拌後、
反応混合物に飽和重曹水(5mL)を加え反応を止め、
ジエチルエーテルで2回抽出した。得られた有機相を硫
酸マグネシウムで乾燥し、濾過した後、減圧下で濃縮し
た。粗生成物はシリカゲルクロマトグラフィー(展開溶
媒、ペンタン:ジエチルエーテル=2:1)により精製
し、目的とする(1S)−(−)−ベルベノン(verbeno
ne, 別名(1S−cis)−4,6,6−trimethylbicyclo
[3.3.1]hept−en−2−one)を>99%の
化学収率(150mg)で得た(表2、実験 No.5参
照)。
【0028】実施例7 アルゴン雰囲気下、ビス(ペンタフルオロフェニル)ボ
リン酸(7.2mg,0.02mmol)、硫酸マグネ
シウム(120mg、1.0mmol)、1−ナフタレ
ンメタノール(158mg、1.0mmol)を混ぜた
トルエン(2mL)けん濁液にピバルアルデヒド(43
6μL、4.0mmol)を室温で加えた。42時間攪
拌後、反応混合物に飽和重曹水(5mL)を加え反応を
止め、ジエチルエーテルで2回抽出した。得られた有機
相を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過した後、減圧下で
濃縮した。粗生成物はシリカゲルクロマトグラフィー
(展開溶媒、ペンタン:ジエチルエーテル=12:1)
により精製し、目的とする1−ナフタレンアセトアルデ
ヒドを85%の化学収率(133mg)で得た(表2、
実験 No.6参照)。
【0029】実施例8 アルゴン雰囲気下、ビス(ペンタフルオロフェニル)ボ
リン酸(7.2mg,0.02mmol)、硫酸マグネ
シウム(240mg、2.0mmol)、1−インダノ
ール(134mg、1.0mmol)を混ぜたトルエン
(2mL)けん濁液にピバルアルデヒド(436μL、
4.0mmol)を室温で加えた。5時間攪拌後、反応
混合物に飽和重曹水(5mL)を加え反応を止め、ジエ
チルエーテルで2回抽出した。得られた有機相を硫酸マ
グネシウムで乾燥し、濾過した後、減圧下で濃縮した。
粗生成物はシリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒、
ペンタン:ジエチルエーテル=3:1)により精製し、
目的とする1−インダノンを90%の化学収率(119
mg)で得た(表2、実験 No.7参照)。
【0030】次に、本発明プロセスの適用に際し、基質
によっては反応性が低下する場合があった。例えば、基
質が嵩高いベンジルアルコールや飽和アルコールの場合
である。以下に、それらの例を比較例として示す。
【0031】比較例1 アルゴン雰囲気下、ビス(ペンタフルオロフェニル)ボ
リン酸(7.2mg,0.02mmol)、硫酸マグネ
シウム(240mg、2.0mmol)、1−フェニル
−1−プロパノール(136mg、1.0mmol)を
混ぜたトルエン(2mL)けん濁液にピバルアルデヒド
(327μL、3.0mmol)を室温で加えた。5時
間攪拌後、反応混合物に飽和重曹水(5mL)を加え反
応を止め、ジエチルエーテルで2回抽出した。得られた
有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過した後、減圧
下で濃縮した。粗生成物はシリカゲルクロマトグラフィ
ー(展開溶媒、ペンタン:ジエチルエーテル=12:
1)により精製し、目的とする1−フェニル−1−プロ
パノンを20%の化学収率(27mg)で得た(表2、
実験 No.8参照)。
【0032】比較例2 アルゴン雰囲気下、ビス(ペンタフルオロフェニル)ボ
リン酸(7.2mg,0.02mmol)、硫酸マグネ
シウム(120mg、1.0mmol)、トリデカノー
ル(200mg、1.0mmol)を混ぜたトルエン
(2mL)けん濁液にピバルアルデヒド(436μL、
4.0mmol)を室温で加えた。6時間攪拌後、反応
混合物に飽和重曹水(5mL)を加え反応を止め、ジエ
チルエーテルで2回抽出した。得られた有機相を硫酸マ
グネシウムで乾燥し、濾過した後、減圧下で濃縮した。
粗生成物はシリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒、
ペンタン:ジエチルエーテル=7:1)により精製した
が、分離できない不純物を含むトリデカナールを<26
%の化学収率(52mg)で得た(表2、実験 No.9参
照)。
【0033】比較例3 アルゴン雰囲気下、ビス(ペンタフルオロフェニル)ボ
リン酸(7.2mg,0.02mmol)、硫酸マグネ
シウム(120mg、1.0mmol)、4−t−ブチ
ルシクロヘキノール(156mg、1.0mmol)を
混ぜたトルエン(2mL)けん濁液にピバルアルデヒド
(327μL、3.0mmol)を室温で加えた。6時
間攪拌後、反応混合物に飽和重曹水(5mL)を加え反
応を止め、ジエチルエーテルで2回抽出した。得られた
有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過した後、減圧
下で濃縮した。粗生成物はシリカゲルクロマトグラフィ
ー(展開溶媒、ペンタン:ジエチルエーテル=7:1)
により精製し、目的とする4−t−ブチルシクロヘキサ
ノンを49%の化学収率(76mg)で得た(表2、実
験 No.10参照)。
【0034】
【表2】
【0035】応用例 以上の説明より、本発明方法は、アリルアルコールの選
択的酸化に非常に有効である。例えば、シーン−アンチ
比が42:58のカルベオール(carveol) の酸化反応を
1mol%の触媒1bを用いて行うと、シン体が優先し
て酸化されカルボンを48%の収率で与え、回収される
カルベオール(carveol) は98%アンチ体であった(式
XII)。すなわち同じアリルアルコールでも、より立体障
害の少ない水酸基が選択的に酸化されやすい。式XII の
反応では、シン体の方が立体障害が少なく選択的に反応
が進行している。
【0036】また、ゲラニオールとβ−シトロネロール
の1対1混合物の酸化反応を同様に行うと、アリルアル
コールであるゲラニオールが優先して酸化され、得られ
たゲラニアールとシトロネラールの比は93:7になっ
た(式XIII) 。
【0037】
【化32】
【0038】
【化33】
【0039】
【発明の効果】以上、説明したように本発明は、オッペ
ンナウアー酸化が適用されるアルコール類を、特定の触
媒すなわちアリールホウ素化合物の存在下で酸化反応さ
せるように構成したものであるから、一級、二級を問わ
ずいずれのアリルアルコールに対しても酸化反応が円滑
に進行し反応生成物であるアルデヒド又はケトンを高い
収率で得る効果を奏する。更に本発明方法は、一級のベ
ンジルアルコールや環状の二級ベンジルアルコールに対
しても有効に適用できる。一方、嵩高いベンジルアルコ
ールや飽和アルコールについては著しく反応性が低下す
ることから、本発明方法はアリルアルコールの選択的酸
化に特に有効である。従って、本発明方法は医薬品合成
や有機材料の化学合成に幅広く応用できる効果を奏す
る。
【0040】更に、従来触媒として用いられていた二酸
化マンガンは、その使用量が基質に対し、大過剰であ
り、マンガン廃棄物の処理が環境保全上問題であった。
一方、本発明方法では、特定のアリールホウ素化合物を
触媒として用いることにより、その使用量が基質に対し
極めて少量で良い。従って環境に優しい触媒的酸化反応
を実施できる効果を奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07C 47/42 C07C 47/42 47/546 47/546 49/603 49/603 49/67 49/67 49/76 49/76 A // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07C 47/07 B01J 31/02 C07C 45/39 C07C 47/11 C07C 47/21 C07C 47/42 C07C 47/546 C07C 49/603 - 49/76 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次式I: 【化1】 で表されるペリリルアルコール(perillyl alcohol)を、
    次式II: 【化2】 (式中ArはC6 5 を表し、nは2又は3である)で
    表されるアリールホウ素化合物触媒の存在下で酸化さ
    せ、次式 III: 【化3】 で表されるアルデヒドを得ることを特徴とする、ペリラ
    アルデヒド(perillaaldehyde) の製造方法。
  2. 【請求項2】 次式IV: 【化4】 (式中、R1 又はR2 は、互いに独立に水素、所望によ
    りハロゲンで置換されていてもよいC1 〜C10の分枝鎖
    又は直鎖の飽和又は不飽和の脂肪族炭化水素基であり、
    3 は水素又はC1 〜C4 アルキルである)で表される
    アルコールを、次式II: 【化5】 (式中、ArはC6 5 を表し、nは2又は3である)
    で表されるアリールホウ素化合物触媒の存在下で酸化さ
    せ、次式V: 【化6】 (式中、R1,R2,R3 は、各々式Iで定義された意味を
    有する)で表される不飽和ケトンを得ることを特徴とす
    るα,β−不飽和ケトンの製造方法。
  3. 【請求項3】 次式VI: 【化7】 で表されるアルコールを、次式II:(式中、Xは水素、
    ハロゲン又はC1 〜C4 アルキルであり、R4 は水素で
    あり、R5 は水素又はハロゲンであり、R6 およびR7
    はそれぞれ水素であるか;又はXは水素、ハロゲン又は
    1 〜C4 アルキルであり、R4 およびR5 は共に一緒
    になってベンゼン環を形成し、R6 およびR7 はそれぞ
    れ水素であるか;又はXは水素、ハロゲン又はC1 〜C
    4 アルキルであり、R4 は水素であり、R5 は水素、ハ
    ロゲン又はC1 〜C4 アルキルであり、R6 とR7 は共
    に一緒になって5員環を形成する)で表されるアルコー
    ルを、次式II: 【化8】 (式中、ArはC6 5 を表し、nは2又は3である)
    で表されるアリールホウ素化合物触媒の存在下で酸化さ
    せ、次式VII: 【化9】 (式中、R4,R5,R6 およびR7 は、式IVで定義された
    意味を表す)で表されるケトンを得ることを特徴とす
    る、芳香族ケトンの製造方法。
  4. 【請求項4】 次式VIII : 【化10】 で表されるミルテノール(myrtenol)を、次式II: 【化11】 (式中、ArはC6 5 を表し、nは2又は3である)
    で表されるアリールホウ素化合物触媒の存在下で酸化さ
    せ、次式IX: 【化12】 で表されるアルデヒドを得ることを特徴とする、架橋環
    系アルデヒド化合物の製造方法。
  5. 【請求項5】 次式X: 【化13】 で表される(S)−シス−ベルベノール(verbenol)を、
    次式II: 【化14】 (式中、ArはC6 5 を表し、nは2又は3である)
    で表されるアリールホウ素化合物触媒の存在下で酸化さ
    せ、次式XI: 【化15】 で表されるケトンを得ることを特徴とする、架橋環系ケ
    トン化合物の製造方法。
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