JP2883136B2 - アイオノマー、その製法及びその組成物 - Google Patents

アイオノマー、その製法及びその組成物

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は新規なアイオノマーに関する。さらに詳しく
は、本発明は帯電防止性能の改善された新規なアイオノ
マーに関する。
[従来の技術及びその問題点] 一般に熱可塑性重合体の成形品は静電気を帯び易く、
そのため使用時あるいは加工時に帯電による種々の障害
が発生することはよく知られている。従来、これら成形
品の帯電防止法としては種々の方法が提案され、実施さ
れてきたが、いずれかの方法も何らかの問題点を含んで
いた。例えば帯電防止剤の練り込む方法が一般に採用さ
れているが、帯電防止剤のブリードによって表面のべと
つきや汚染が生じたり、外部条件による導電性の変化が
大きい、あるいは効果の持続性に欠けるなどの欠点があ
った。また導電性カーボン等の導電性充填剤を添加する
方法も知られているが、多量に添加しないと安定した帯
電防止効果が得られず、成形品が不透明となり、また、
充填剤が成形品表面から剥落して汚染するという難点が
あった。さらに、成形品表面に金属や金属酸化物などの
導電性材料を塗布や蒸着により被覆する方法も知られて
いるが、単純な形状のものでないと適用が難しく、また
コスト高となり、その上不透明になるといった問題点が
あった。
このような諸欠点を回避する試みとして、重合体自体
に帯電防止性能を付与しようとする提案もすでに行われ
ている。例えば特開昭60−240704号公報によれば、エチ
レン・不飽和カルボン酸共重合体をNa,K,Rb及びCsから
選ばれるアルカリ金属で中和したアイオノマーであっ
て、アルカリ金属量が少なくとも1.3ミリモル/g樹脂の
導電性樹脂を開示している。本発明者らはこの提案につ
いて検討したところ、確かに前述したような従来技術の
欠点を解消しているものの、充分な帯電防止効果を得る
ためにはアルカリ金属量を1.5ミリモル/g樹脂以上含有
させる必要があること、また成形後にある程度の時間が
経過しないと充分な帯電防止効果が得られないことなど
を知得するに至った。
[発明が解決しようとする課題] 本発明者は、アルカリ金属量がさらに低濃度でも帯電
防止効果が得られること、さらには成形直後速やかに帯
電防止効果が得られることについて改善処方を検討した
結果、上記アイオノマーを変性することによってその目
的が達成できることを見出すに至った。また、この改質
されたアイオノマーは、他樹脂に配合した場合に、少量
の添加でも帯電防止性の改善に効果があることも見出す
に至った。従って本発明の目的は、改善された帯電防止
性能を有する新規なアイオノマーを提供することにあ
る。
[課題を解決するための手段] 本発明は、 (A)エチレン単位が50〜90モル% (B)一部又は全部がアルカリ金属で中和されている不
飽和カルボン酸単位が1〜25モル% (C)ポリオキシアルキレン化合物でエステル化されて
いる不飽和カルボン酸単位が0.01〜5モル%、および (D)他のビニル単量体が0〜25モル% からなるランダム共重合体であって、190℃、2160g荷重
で測定したメルトフローレートが0.01〜500g/10分であ
るアイオノマー、およびその製造法ならびに上記アイオ
ノマーと他の熱可塑性重合体からなるアイオノマー組成
物である。
本発明のアイオノマーは、すでに知られているエチレ
ン系アイオノマーにおいて、ポリオキシアルキレン化合
物でエステル化されている不飽和カルボン酸単位をさら
に重合体単位として有する点が特徴的である。このアイ
オノマーは、(A)エチレン単位が50〜99モル%、好ま
しくは70〜97モル%、(B)一部又は全部がアルカリ金
属で中和されている不飽和カルボン酸単位が1〜25モル
%、好ましくは3〜10モル%、(C)ポリオキシアルキ
レン化合物でエステル化されている不飽和カルボン酸単
位が0.01〜5モル%、好ましくは0.1〜3モル%からな
り、必須成分ではないが他のビニル単量体単位が25モル
%以下、好ましくは15モル%以下の割合で含有されてい
てもよい。これらの単量体単位はランダムに配列されて
いる。上記(B)成分における不飽和カルボン酸単位と
しては、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、
マレイン酸モノエチルなどを例示することができる。
また(B)成分におけるアルカリ金属としては、ナト
リウム、カリウム、ルビジウム、セシウムなどを例示で
きるが、帯電防止性能の点からはカリウム、ルビジウム
及びセシウムが好ましく、とりわけカリウムが最も好ま
しい。アルカリ金属による中和度は(B)成分の不飽和
カルボン酸単位量によっても異なってくるが、アルカリ
金属で中和された不飽和カルボン酸単位が1.5〜12モル
%、とくに2〜8モル%存在させるのが好ましい。すな
わちアルカリ金属量が過少であると帯電防止性能の優れ
たアイオノマーとなり難く、一方、アルカリ金属量が多
くなりすぎると、吸湿傾向が大きくなりすぎるという欠
点が出てくるので、吸水ポリマーの如き用途以外には、
その量を前記範囲より多くするのは得策ではない。
(C)成分はアルコール成分としてポリオキシアルキ
レン化合物を用いてエステル化された不飽和カルボン酸
のエステルであり、分子中にポリオキシアルキレン基
(−(R′O)−)を有するエステルであればよい。
ここにR′はメチレン、エチレン、プロピレン、ブチレ
ンのような低級アルキレン基、nは2〜100のものが好
ましい。このような不飽和カルボン酸エステルはアルコ
ール成分として、ポリアルキレングリコールまたはその
エーテル等を用いてエステル化反応することによって得
られるが、特にポリオキシアルキレン化合物として片末
端にグリシジル基を有する化合物、例えば (ここにRは、フェニル基のようなアリール基、シクロ
ヘキシル基のようなシクロアルキル基、エチル基のよう
なアルキル基等の炭化水素基又は水素、R′およびnは
先に定義したと同じである)で示されるものを用いるこ
とにより、容易にエステル結合を形成させることができ
る。前式において、Rがフェニル基又はアルキル基、
R′がエチレン又はプロピレン、nは3〜30のものが特
に好ましい。エステル化は前述の不飽和カルボン酸のカ
ルボキシル基とグリシジル基の反応により で示される結合の生成による。なお、末端にグリシジル
基を有する化合物を用いた場合、エステル化条件によっ
ては、上式のOH基がさらに反応して網状化が起こる場合
があるが、メルトフローレートが、所望の範囲に入る程
度であれば許容される。
重合体中に上記ポリオキシアルキレン化合物が存在す
ることは、赤外線吸収スペクトル測定により、1107cm-1
の波長に、エーテル結合に基づく吸収が現われることに
よって確認することができる。この吸収は未変性のアイ
オノマーには存在しないものである。
(C)成分の含有量はすでに述べたような範囲である
が、上式のnの値によっても若干異なり、アルコール成
分であるポリオキシアルキレン化合物単位が重量で0.5
〜20%、とくに1〜15%の如き割合で含有されているも
のが好ましい。
(C)成分の量が少ないと改良効果が顕著でなく、ま
たその量があまり多くなりすぎると、吸湿性が高くなっ
たり、成形加工性が不良となることから好ましくない。
上記任意成分である(D)他のビニル単量体として好
ましいものは、不飽和カルボン酸のエステル又はビニル
エステルである。不飽和カルボン酸のエステルとしては
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチ
ル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル
酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシ
ル、マレイン酸ジエチルなど、またビニルエステルとし
ては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどを例示する
ことができる。
本発明のアイオノマーは、成形加工性、機械的強度の
点から、190℃、2160g荷重におけるメルトフローレート
が、0.01〜500g/10分、好ましくは0.1〜200g/10分であ
る。
本発明のアイオノマーは、例えば次のような方法によ
り製造することができる。
(1)エチレン単位、一部がアルカリ金属で中和されて
いる不飽和カルボン酸単位、さらに任意成分としての他
のビニル単量体単位から構成されるランダム共重合体と
ポリオキシアルキレン化合物を反応させる方法。
(2)エチレン単位、不飽和カルボン酸単位、さらに任
意成分としての他のビニル単量体単位から構成されるラ
ンダム共重合体とポリオキシアルキレン化合物を反応さ
せ、さらに残存する不飽和カルボン酸単位の一部又は全
部をアルカリイオンでイオン化する方法。
(3)(2)の方法で、エステル化とイオン化を同時的
に行う方法。
上記方法の原料となりうるエチレン単位、不飽和カル
ボン酸単位、さらに任意成分としての他のビニル単量体
からなるランダム共重合体は、すでに知られているよう
に反応圧力100〜3000kg/cm2、反応温度150〜300℃の如
き条件でバルク重合することにより容易に得ることがで
きる。また、上記ランダム共重合体の一部がアルカリ金
属で中和されている共重合体も、上記ランダム共重合体
を公知の方法でイオン化することによって得られる。
前記した本発明のアイオノマーを製造する方法は、溶
融条件下、あるいは適当な溶媒中での溶液状態で、ある
いは水性ディスパージョン中で行うことができる。これ
らの方法の中では、押出機やニーダーなどを用い、溶融
条件下で行う方法が最も簡便で経済的である。ランダム
共重合体と、ポリオキシアルキレン化合物の溶融条件下
の反応は、例えばランダム共重合体の融点から300℃の
範囲で行うことができる。
また溶融条件下でイオン化する方法は、例えば共重合
体の融点から300℃程度の温度範囲で、アルカリ金属の
炭酸塩、重炭酸塩、カルボン酸塩などの反応させること
により行うことができる。
本発明のアイオノマーは種々の成形品に加工して使用
することができる。使用に際し、本発明のアイオノマー
を2種以上混合することができる。この際、重合単位が
互いに異なるもの、MIの互いに異なるものなどを使用す
ることができる。また成形品に加工するに際し、酸化防
止剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、顔料、染料、スリッ
プ剤、ブロッキング防止剤、無機充填剤などを配合する
ことができる。
本発明のアイオノマーはまた各種熱可塑性樹脂と任意
割合で配合することができる。例えば熱可塑性樹脂の帯
電防止性を改善する目的で本発明のアイオノマーを配合
することができる。あるいは本発明のアイオノマーの帯
電防止性能をあまり低下させずに、吸水性、吸湿性を低
下させる目的で本発明のアイオノマーに他の熱可塑性樹
脂を配合することができる。本発明のアイオノマーと各
種熱可塑性樹脂と配合する場合の配合割合は、その目的
によっても異なるが、例えば本発明のアイオノマー1〜
99重量部、好ましくは5〜60重量部に対し熱可塑性樹脂
を99〜1重量部、好ましくは95〜40重量部の如き割合と
することができる。なお、前述した本発明のアイオノマ
ーの製造方法においては、このような熱可塑性樹脂の共
存下に行って、直接組成物を製造することもできる。
本発明のアイオノマーと配合することのできる熱可塑
性樹脂としては、例えば高圧法ポリエチレン、直鎖状低
密度ポリエチレン、中高密度ポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリ−1−ブテン、ポリ−4−メチル−1−ペン
テンのようなポリオレフィン系樹脂、エチレン・酢酸ビ
ニル共重合体、エチレン・不飽和カルボン酸エステル共
重合体、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体又はその
金属塩、エチレン・不飽和カルボン酸・不飽和カルボン
酸エステル共重合体又はその金属塩、エチレン・ビニル
アルコール共重合体のようなエチレン・ビニル単量体共
重合体、ポリスチレン、スチレン・アクリロニトリル共
重合体SBS,ABSなどのスチレン系重合体、ポリエチレン
テレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエ
ステルエーテルのようなポリエステル系重合体、ポリア
ミド、ポリスルホン、ポリカーボネート、ポリフェニレ
ンエーテル、ポリアセタール、ポリ塩化ビニル、ポリ塩
化ビニリデンなどの熱可塑性樹脂、ポリブタジエン、ポ
リイソプレン、ポリイソブチレン、エチレン・プロピレ
ンゴムのような弾性体などを挙げることができる。
本発明のアイオノマーあるいは本発明のアイオノマー
と他の熱可塑性樹脂との組成物は、紙、アルミニウム、
熱可塑性樹脂などの各種基材と積層して用いることもで
きる。
[発明の効果] 本発明のアイオノマーは帯電防止性に優れており、ま
た成形後早期に非帯電性が発現する。また、他の熱可塑
性樹脂を相当量配合しても帯電防止性能の低下が小さい
という利点を有している。
このような利点を生かし本発明のアイオノマーは非帯
電性ポリマーとして利用できる。あるいは他の熱可塑性
樹脂の帯電防止剤として利用できる。その他水性ディス
パーション、選択透過膜、イオン交換膜、吸水性ポリマ
ーなどとしても使用することができる。
[実施例] 以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。な
お、実施例およびその原料として用いた熱可塑性樹脂、
ポリオキシアルキレン化合物の組成、物性、および得ら
れた樹脂組成物の物性の測定方法は次のとおりである。
1.アイオノマー エチレン−メタクリル酸ランダム共重合体の金属イオ
ン部分中和アイオノマー4種を使用した。その組成、物
性等は表1のとおりである。
2.酸共重合体以外の熱可塑性樹脂 (1)エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA) 酢酸ビニル含量 10重量% MFR(190℃) 9(dg/分) (2)6ナイロン 東レ(株)製 CM−1017C 3.ポリオキシアルキレン化合物 ナガセ化成工業(株)製のポリオキシエチレンエポキ
シ化合物(商品名:ディナコール)2種を使用 (1)ディナコールEx−145: フェノールポリオキシエチレングリシジルエーテル 分子量 427 液状、粘度 60CPS(25℃) (2)ディナコールEx−171 ラウリルアルコールポリオキシエチレングリシジルエ
ーテル 分子量 1040 ペースト状、融点40℃ 4.測定方法 (1)MFR JIS K6760 (2)表面固有抵抗…東京電子(株)製高抵抗計Mode
l TR−3を使用して測定 (3)摩擦帯電性…サンプルを綿布で強くこすり、0.
5cm角のティッシュペーパーが吸い付くか否かで判定し
た。
実施例1〜7 東洋精機(株)製 ラボプラストミル(50ml容量)
に、エチレン・メタクリル酸共重合体(7.5モル%メタ
クリル酸含有)の71mol%をKイオンで中和したアイオ
ノマー1のペレット40gに、ポリオキシアルキレン化合
物を表2に記載した割合で添加し、210℃、毎分60回転
にて10分間混練した。混練の最初は混練トルクが低かっ
たが、反応が進むにつれてトルクが徐々に上昇し、約10
分混練後にトルクが安定して反応がほぼ完了したと推定
された。
ラボプラストミルより混練物を取り出し、160℃、50k
g/cm2の圧力下で熱プレスを行い、その後50kg/cm2、20
℃の冷却プレスで冷却することにより1mm厚みの透明シ
ートを作成した。このシートの作成直後、及びシートを
25℃、相対湿度60−70℃相対湿度の空気中で15日間放置
後、表面固有抵抗及び摩擦帯電性の測定を行ったとこ
ろ、表面固有抗107〜1012Ωでいずれも摩擦による静電
気の発生は認められなかった。またいずれのサンプルと
も、未反応のポリオキシアルキレン化合物のシート表面
へのブリードは見られず、反応はほぼ完全に進行したと
思われた。
得られたポリオキシアルキレン変性アイオノマーの赤
外線吸収スペクトルを測定したところ、いずれもエーテ
ル結合に基ずく1107cm-1の波長に吸収が見られた。第2
図は実施例3で得られたポリオキシアルキレン変性アイ
オノマーの赤外線吸収スペクトルである。一方、実施例
3の変性アイオノマー製造の原料を用いたアイオノマー
1(参考例)の赤外線吸収スペクトル(第1図)には、
この位置に吸収は現われない。このことから、本発明の
改質アイオノマーには、ポリオキシアルキレン化合物
が、アイオノマーにグラフト結合していることが確認さ
れた。
結果を表2に示す。
比較例1 実施例1〜7と同様にして、Znイオンで中和されたア
イオノマー4を40gと、ポリオキシアキレン化合物(デ
ィナコールEx−145)2gとを混練し反応させる。反応は
実施例1〜7と同様に進行した。反応物を実施例1〜7
と同様にして1mm厚さのシートにして表面固有抵抗摩擦
帯電性を測定したところシート作成直後及び15日間経時
後ともに、表面固有抵抗は1012Ωを超え、かつ摩擦によ
って激しく帯電した。結果を表2に示す。
実施例8 30mm径のベント装置付きスクリュー押出機に、アイオ
ノマー1のペレットを2.1kg/hで供給し、押出機の中間
に設けた液体注入口よりポリオキシアルキレン化合物
(ディナコールEx−145)を、アイオノマー1に対し2.7
重量%(全体の組成の0.51mol%)の割合で高圧注入ポ
ンプを使用して添加し、樹脂温度240℃にて押出して反
応を行った。反応物は透明で、MFRは0.62(mg/分)であ
った。得られたポリオキシアルキレン変性Kアイオノマ
ーより、実施例1〜7と同様にして1mm厚のプレスシー
トを作成した。このシートの表面固有抵抗及び摩擦帯電
性を実施例1〜7と同様にして測定したところ、表面固
有抵抗はプレスシート作成直後で4×1010Ω、25℃、60
%相対湿度中に1週間経時後で6×107Ωであり、いず
れも摩擦による帯電は生じなかった。
実施例9〜10、比較例2〜3 実施例8で使用した押出機を使用し、実施例8のポリ
オキシアルキレン変性Kアイオノマー及び未変性のアイ
オノマー1(Kアイオノマー)をそれぞれ重量比で2倍
量のNaアイオノマー(アイオノマー2,アイオノマー3)
と220℃の樹脂温度で溶融混練した。得られた混練ポリ
マーを実施例8と同様にして1mmシートを作成し、表面
固有抵抗を測定したところ、ポリオキシアルキレン変性
KアイオノマーとNaアイオノマーとの混練品はほとんど
帯電しなかったが、未変性KアイオノマーとNaアイオノ
マーの混練品は帯電した。結果を表3に示す。
実施例11 ラボプラストミルにアイオノマー1を5g、ディナコー
ルEx−145を1g(アイオノマー1に対し1.5mol%)、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)を35g添加し、160
℃、毎分60回転にて5分間混練し、ポリオキシアルキレ
ン化合物とKアイオノマーとの反応及びEVAとのブレン
ドを同時に行った。混練物を実施例1〜7と同様にして
1mm厚のプレスシートにして表面固有抵抗と摩擦帯電性
を測定したところ、プレスシート作成直後では帯電が見
られたが、シートを23℃、60%相対湿度の空気中に5日
間置いた後では帯電しなかった。混練物のMFRは8.0dg/
分であった。結果を表4に示す。
比較例4 実施例11と同じ混練条件にて、アイオノマー1と5gEV
Aを35gの割合で混練し、混練物を1mm厚のプレスシート
にした。このシートの表面固有抵抗と摩擦帯電性を実施
例8と同じ条件にて測定したところ、シート作成直後及
び空気中5日間放置後共、表面固有抵抗は1012Ω以上
で、摩擦による帯電が生じた。混練物のMFRは8.5dg/分
であった。結果を表4に示す。
実施例12、13 実施例8のポリオキシアルキレン変性Kアイオノマー
のペレットと6ナイロンペレットを重量比でそれぞれ2
5:75及び15:85の割合で30mmスクリュー径の押出機に供
給し、230℃の樹脂温度にて混練し、ペレタイズした。
得られた混練組成物を230℃にし、熱プレスしたプレス
シートを作成した。シート作成後25℃、60%相対湿度の
空気中に1週間シートを置いた後に、表面固有抵抗及び
摩擦帯電性を測定したところ、いずれも帯電性を示さな
かった。結果を表5に示す。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のアイオノマー製造の原料に用いた未変
性アイオノマーの赤外線吸収スペクトルである。 第2図は本発明のポリオキシアルキレン変性アイオノマ
ーの赤外線吸収スペクトルである。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)エチレン単位が50〜90モル% (B)一部又は全部がアルカリ金属で中和されている不
    飽和カルボン酸単位が1〜25モル% (C)ポリオキシアルキレン化合物でエステル化されて
    いる不飽和カルボン酸単位が0.01〜5モル%及び (D)他のビニル単量体単位が0〜25モル% からなるランダム共重合体であって、190℃、2160g荷重
    で測定したメルトフローレートが0.01〜500g/10分であ
    るアイオノマー
  2. 【請求項2】(A)エチレン単位が50〜99モル% (E)一部がアルカリ金属で中和されている不飽和カル
    ボン酸単位が1〜25モル%及び (D)他のビニル単量体単位が0〜25モル%からなるエ
    チレンランダム共重合体と、 末端にグリシジル基を有するポリオキシアルキレン化合
    物 を反応させることを特徴とする請求項1記載のアイオノ
    マーの製造方法。
  3. 【請求項3】請求項1記載のアイオノマーと他の熱可塑
    性重合体からなるアイオノマー組成物。
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