JP2883079B1 - 蒸留水処理装置 - Google Patents

蒸留水処理装置

Info

Publication number
JP2883079B1
JP2883079B1 JP13066298A JP13066298A JP2883079B1 JP 2883079 B1 JP2883079 B1 JP 2883079B1 JP 13066298 A JP13066298 A JP 13066298A JP 13066298 A JP13066298 A JP 13066298A JP 2883079 B1 JP2883079 B1 JP 2883079B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
space
sewage
membrane
hydrophobic
water
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP13066298A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH11319497A (ja
Inventor
政弘 大嶋
治夫 石田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kawasaki Motors Ltd
Original Assignee
Kawasaki Jukogyo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kawasaki Jukogyo KK filed Critical Kawasaki Jukogyo KK
Priority to JP13066298A priority Critical patent/JP2883079B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2883079B1 publication Critical patent/JP2883079B1/ja
Publication of JPH11319497A publication Critical patent/JPH11319497A/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
  • Heat Treatment Of Water, Waste Water Or Sewage (AREA)

Abstract

【要約】 【課題】 疎水性膜を使用して汚水を浄化する際に熱エ
ネルギの損失が少ない蒸留水処理装置を提供すること。 【解決手段】 装置ハウジング2と、装置ハウジング1
2内に配設された疎水性膜4および親水性膜6とを備
え、疎水性膜4は装置ハウジング2内に温度の高い汚水
が送給される第1の空間26を規定し、親水性膜6は装
置ハウジング2内に温度の低い清水が送給される第2の
空間28を規定するとともに、疎水性膜4と協働して減
圧される第3の空間30を規定する蒸留水処理装置。第
1の空間26にて発生した水蒸気が疎水性膜4を通して
第3の空間30に透過し、第3の空間30にて凝縮した
水が親水性膜6を通して第2の空間28に透過する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、膜を利用して汚水
から水蒸気を取出して清水に浄化する蒸留水処理装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、疎水性膜を利用して汚水を浄
化する蒸留水処理装置が提案されている。この公知の蒸
留水処理装置は、装置ハウジングと、装置ハウジング内
に配設された疎水性膜とを備えている。疎水性膜は、装
置ハウジング内の空間を仕切り、たとえばその片側の第
1の空間と、その他側の第2の空間とを規定する。この
装置においては、第1の空間を通して浄化すべき汚水が
送給され、第2の空間を通して清水が送給される。ま
た、第1の空間を流れる汚水の温度は第2の空間を流れ
る清水の温度より高く設定され、汚水はたとえば60℃
に、清水はたとえば5℃に設定され、このように温度差
を持たせることによって、第1の空間と第2の空間との
間には水蒸気分圧差が生じる。したがって、水蒸気分圧
の高い第1の空間(汚水側)にて発生した水蒸気が、水
蒸気分圧差を駆動力として疎水性膜を通して水蒸気分圧
の低い第2の空間(清水側)に透過し、第2の空間にて
冷却、凝縮されて清水の一部となり、このようにして汚
水が浄化されて清水となる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の蒸留水処理装置
では、上述したように、水蒸気分圧差を利用して浄化す
るために、温度差のある汚水と清水とが疎水性膜を介し
て隔てられている。それ故に、温度の高い汚水から疎水
性膜を介して温度の低い清水に熱が伝達され、汚水を所
望の温度に維持するためには汚水を常時加熱しなければ
ならず、そのための熱エネルギを必要とする問題があ
る。特に、熱エネルギの必要性は、宇宙空間などで用い
る場合に大きな欠点となる。
【0004】本発明の目的は、汚水から清水への熱伝達
がほとんどなく、汚水を清水に浄化することができる蒸
留水処理装置を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、装置ハウジン
グと、前記装置ハウジング内に配設された疎水性膜およ
び親水性膜とを備え、前記疎水性膜は前記装置ハウジン
グ内に第1の空間を規定し、前記親水性膜は前記装置ハ
ウジング内に第2の空間を規定するとともに、前記疎水
性膜と協働して第3の空間を規定し、前記第1の空間を
通して汚水が送給され、前記第2の空間を通して清水が
送給され、前記汚水の温度は前記清水の温度より高く設
定されており、また、前記第3の空間は減圧されてお
り、前記第1の空間にて発生した水蒸気が前記疎水性膜
を通して前記第3の空間に透過し、前記第3の空間にて
凝縮した水が前記親水性膜を通して前記第2の空間に透
過することを特徴とする蒸留水処理装置である。
【0006】本発明に従えば、汚水が送給される第1の
空間にて発生した水蒸気が、減圧された第3の空間との
水蒸気分圧差を駆動力として疎水性膜を通して第3の空
間に透過する。そして、透過した水蒸気は第2の空間を
流れる清水によって冷却、凝縮され、かく凝縮された水
が、第2の空間との水蒸気分圧差を駆動力として親水性
膜を通して清水が送給される第2の空間に透過する。し
たがって、第1の空間と第2の空間との間には減圧され
た第3の空間が存在するので、第1の空間に送給される
温度の高い汚水から第2の空間に送給される温度の低い
清水への熱の伝達がほとんど行われず、汚水から清水へ
の熱伝達を著しく抑えながら汚水を清水に浄化すること
ができる。
【0007】また本発明は、前記疎水性膜および前記親
水性膜は、前記装置ハウジング内に同心状に配設され、
前記第1の空間、前記第3の空間および前記第2の空間
が、この順序で、半径方向外側から内側に向けて、また
は半径方向内側から外側に向けて配設されていることを
特徴とする。
【0008】本発明に従えば、疎水性膜および親水性膜
は、装置ハウジング内に同心状に配設されるので、第
1、第3および第2の空間が、この順序で、半径方向外
側から内側に向けて、または内側から外側に向けて配設
される。したがって、装置ハウジングをコンパクトにし
ながら疎水性膜および親水性膜の有効面積を大きくする
ことができ、汚水を効率よく浄化することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して、さら
に詳細に説明する。図1は、本発明に従う蒸留水処理装
置の第一の実施形態を簡略的に示す断面図である。
【0010】図1を参照して、図示の蒸留水処理装置
は、円筒状の装置ハウジング2を備え、この装置ハウジ
ング2の内部空間内に同心状に疎水性膜4および親水性
膜6が配設されている。疎水性膜4は、たとえばPTF
E(ポリテトラフルオロエチレン)、ポリプロピレンな
どから形成され、液体は透過しないが、気体は透過する
ことができる。また、親水性膜6は、親水化したPTF
E、酢酸セルロースなどから形成され、気体は透過しな
いが、液体は透過することができる。
【0011】装置ハウジング2は、円筒状の側壁8と、
側壁8の下端部に設けられた円形状の大底壁10と、側
壁8の上端部に設けられた円筒状の大上壁12とから構
成され、その内部に円筒状空間を規定する。疎水性膜4
は、装置ハウジング2内の円筒状空間に配設された膜蒸
留モジュール14に設けられている。膜蒸留モジュール
14は、装置ハウジング2の大底壁10の内側に配設さ
れた円形状の中底壁16と、装置ハウジング2の大上壁
12の内側に配設された円形状の中上壁18とを有し、
疎水性膜4は、装置ハウジング2の側壁8の内側にて中
底壁16と中上壁18との間にわたって設けられてい
る。親水性膜6は、膜蒸留モジュール14内の円筒状空
間に配設された凝縮モジュール20に設けられている。
凝縮モジュール20は、膜蒸留モジュール14の中底壁
16の内側に配設された円形状の小底壁22と、膜蒸留
モジュール14の中上壁18の内側に配設された円形状
の小上壁24とを有し、親水性膜6は疎水性膜4の内側
にて小底壁22と小上壁24との間にわたって設けられ
ている。
【0012】この実施形態では、装置ハウジング2の側
壁8の内側に疎水性膜4が同心状に配設され、また疎水
性膜4の内側に親水性膜6が同心状に配設されている。
したがって、装置ハウジング2の側壁8と膜蒸留モジュ
ール14の疎水性膜4との間に環状の第1の空間26が
規定され、凝縮モジュール20の親水性膜6の内側に、
円筒状の第2の空間28が規定され、また、凝縮モジュ
ール20の親水性膜6と膜蒸留モジュール14の疎水性
膜4との間に、環状の第3の空間30が規定され、第
1、第3および第2の空間26,30,28がこの順序
で半径方向外側から内側に向けて形成されている。上述
した形態では疎水性膜4の内側に親水性膜6を配設して
いるが、これとは反対に、疎水性膜4の外側に親水性膜
6を配設するようにしてもよい。かかる場合、疎水性膜
4の内側に第1の空間が規定され、疎水性膜6の外側に
第2の空間が規定され、また疎水性膜4と親水性膜6と
の間に第3の空間が規定され、第1、第3および第2の
空間がこの順序で半径方向内側から外側に向けて形成さ
れる。
【0013】装置ハウジング2の大底壁10の外周部に
は、汚水送給管32が接続され、汚水送給管32は第1
の空間26に連通されている。汚水送給管32は汚水送
給ポンプ34に接続されている。また、装置ハウジング
2の大上壁12の外周部には汚水排出管36が接続さ
れ、汚水排出管36は第1の空間26に連通されてい
る。したがって、汚水送給ポンプ34が作動されると、
浄化すべき汚水は汚水送給管32から装置ハウジング2
の第1の空間26に送給され、かく送給された汚水は第
1の空間26を通して流れ、汚水排出管36から装置ハ
ウジング2の外へ排出される。
【0014】凝縮モジュール20の小底壁22には、清
水送給管38が接続され、清水送給管38は装置ハウジ
ング2の大底壁10および膜蒸留モジュール14の中底
壁16を貫通して、第2の空間28に連通されている。
清水送給管38は清水送給ポンプ40に接続されてい
る。また、凝縮モジュール20の小上壁24には、清水
排出管42が接続され、この清水排出管42は、装置ハ
ウジング2の大上壁12および膜蒸留モジュール14の
中上壁18を貫通して第2の空間28に連通されてい
る。したがって、清水送給ポンプ40が作動されると、
清水は清水送給管36を通して第2の空間28に送給さ
れ、かく送給された清水は、第2の空間28を通して流
れ、清水排出管42から外部に排出される。第2の空間
28を流れる清水の温度は第1の空間26を流れる汚水
の温度よりも低く設定される。
【0015】膜蒸留モジュール14の中底壁16の外周
部には減圧管44が接続され、この減圧管44は、装置
ハウジング2の大底壁10を貫通して第3の空間30に
連通されている。減圧管44には開閉弁48が設けら
れ、この開閉弁48を介して宇宙空間の如き減圧源46
に接続されている。したがって、開閉弁48を開放する
と第3の空間30内が減圧され、第3の空間30は所定
の減圧状態に保持される。
【0016】次に、上述した第1の実施形態の蒸留水処
理装置の作用について説明する。浄化すべき汚水は、汚
水送給管32を通して装置ハウジング2の第1の空間2
6に送給される。この第1の空間26はたとえば大気圧
に保持され、また第1の空間26に送給される汚水の温
度は、たとえば60℃に設定され、これによって第1の
空間26の水蒸気分圧は150mmHgに保持される。
一方、第3の空間30は、減圧管44を介して減圧源4
6、たとえば宇宙空間に開閉弁48を介して連通され、
したがってこの第3の空間30は減圧状態、たとえば3
0mmHgに保持され、この空間30を満たす気体は水
蒸気のみであるため、水蒸気分圧は30mmHgとな
る。第1および第3の空間26,30がこのように保持
されるので、第1の空間26内にて疎水性膜4付近を流
れる汚水は、疎水性膜4を介して減圧され、これによっ
てその沸点が下がり、疎水性膜4の表面またはその近傍
にて水蒸気が発生する。このように水蒸気が生成される
と、第1および第3の空間26,30間にて水蒸気分圧
が存在するので第1の空間26(水蒸気分圧が高い空
間)にて発生した水蒸気が、水蒸気分圧差による駆動力
でもって疎水性膜4を通して第3の空間30(水蒸気分
圧が低い空間)に透過する。このように水蒸気が透過す
ると、第3の空間30内の水蒸気は飽和状態となり、飽
和状態になると、水蒸気の上述した透過は終了する。
【0017】また、第2の空間28には、予め浄化され
た清水が、清水送給管38を通して送給される。この第
2の空間28もたとえば大気圧に保持され、第2の空間
28に送給される清水の温度は、たとえば5℃に設定さ
れ、これによって第2の空間28の水蒸気分圧は6〜7
mmHgに保持される。一方、第3の空間30内は、第
1の空間26からの水蒸気が透過されるので、その温度
はたとえば60℃に保持される。第2および第3の空間
28,30が上述したように保持されるので、第2の空
間28を流れる清水によって親水性膜6が冷却され、こ
れによって親水性膜6の表面またはその近傍に位置する
飽和状態にある水蒸気が冷却される。かく冷却される
と、第3の空間30内の水蒸気は親水性膜6の表面また
はその近傍において凝縮し、凝縮した水は、第3および
第2の空間30,28間に存在する水蒸気分圧差でもっ
て親水性膜6を通して第2の空間28に透過し、第2の
空間28を流れる清水の一部となる。かくして、汚水
は、疎水性膜4および親水性膜6によって浄化され、浄
化された水は第2の空間28を流れる清水とともに清水
排出管42から装置ハウジング2の外に排出される。
【0018】上述した蒸留水処理装置は、次のとおりの
特徴を有する。汚水が流通する第1の空間26と、温度
の低い清水が流通する第2の空間28との間に、減圧さ
れた第3の空間30が介在されている。それ故に、第1
の空間26から第2の空間28への熱の伝達が少なく、
汚水をほとんど加熱することなく水蒸気分圧差を利用し
て汚水を清水に浄化することができる。また、疎水性膜
4および親水性膜6を装置ハウジング2内に同心状に配
設しているので、疎水性膜4の有効面積(水蒸気が透過
する部分の面積)および親水性膜6の有効面積(水が透
過する部分の面積)を比較的大きくすることができ、汚
水を効率よく浄化することができる。また、このように
構成することによって、装置全体を小形化することもで
きる。
【0019】上述した実施形態においては、装置ハウジ
ング2、疎水性膜4および親水性膜6は円筒状に形成さ
れているが、これに代えて、四角筒状、六角筒状などの
多角筒状に形成することもできる。
【0020】図2は、本発明に従う蒸留水処理装置の第
2の実施形態を簡略的に示す断面図である。この第2の
実施形態においては、装置ハウジング内の片端側から他
端側に向けて第1、第3および第2の空間がこの順序で
設けられている。
【0021】図2を参照して、図示の蒸留水処理装置
は、円筒状の装置ハウジング102を備え、装置ハウジ
ング102は、円筒状の側壁104と、側壁104の下
端部に設けられた円形状の底壁106と、側壁104の
上端部に設けられた円形状の上壁108から構成され、
内部に円筒状空間を規定している。装置ハウジング10
2内の上部には、円形状の疎水性膜110が配設され、
疎水性膜110の周縁部は装置ハウジング102の側壁
104に取付けられている。また、装置ハウジング10
2内の下部には、親水性膜112が疎水性膜110と間
隔をおいて配設され、その周縁部は側壁104に取付け
られている。
【0022】図2に示すとおり、疎水性膜110は、装
置ハウジング102の上壁108との間に第1の空間1
14を規定し、親水性膜112は装置ハウジング102
の底壁106との間に第2の空間116を規定し、装置
ハウジング102内の中間部、すなわち疎水性膜110
と親水性膜112との間には第3の空間118が規定さ
れる。
【0023】装置ハウジング102の側壁104の上部
には汚水送給管120および汚水排出管124が接続さ
れ、汚水送給ポンプ122の作用によって汚水送給管1
20を通して浄化すべき汚水が第1の空間114に送給
され、第1の空間114を通して流れた汚水は、汚水排
出管124から装置ハウジング102の外へ排出され
る。
【0024】装置ハウジング102の側壁104の下部
には清水送給管126および清水排出管130が接続さ
れ、清水送給ポンプ128の作用によって清水送給管1
26を通して清水が第2の空間116に送給され、第2
の空間を通して流れた清水は、清水排出管130から装
置ハウジング102の外部に排出される。
【0025】装置ハウジング102の側壁104の中間
部には減圧管132が接続され、この減圧管132は開
閉弁136を介して減圧源134に接続されており、こ
れによって、第3の空間118は所定の減圧状態に保持
される。
【0026】第2の実施形態の蒸留水処理装置において
も第1の実施形態と同様にして汚水を浄化することがで
き、その作用を概説すると次のとおりである。浄化すべ
き汚水は、汚水送給管120を通して装置ハウジング1
02の第1の空間114に送給される。第1の実施形態
と同様に、第1の空間114はたとえば大気圧に保持さ
れ、汚水の温度は、たとえば60℃に設定され、これに
よって、第1の空間114の水蒸気分圧は760mmH
gに保持される。一方、第3の空間118は減圧状態
に、30mmHgに保持され、この空間118を満たす
気体は水蒸気のみであるため、水蒸気分圧は30mmH
gとなる。第1および第3の空間114,118をこの
ように保持すると、第1の空間114にて疎水性膜11
0付近を流れる汚水は、疎水性膜110を介して減圧さ
れて沸騰し、疎水性膜110の表面またはその近傍にて
水蒸気が生成される。このように水蒸気が発生すると、
発生した水蒸気は水蒸気分圧差によって疎水性膜110
を通して第3の空間118に透過する。
【0027】第2の空間116には、清水が清水送給管
126を通して送給される。第2の空間116は、第1
の実施形態と同様に大気圧に保持され、送給される清水
の温度はたとえば5℃に設定され、これによって、第2
の空間116の水蒸気分圧は6〜7mmHgに保持され
る。このように第2の空間116を保持するので、第3
の空間118にて親水性膜112の表面またはその近傍
に存在する飽和状態の水蒸気が親水性膜112を介して
冷却されて凝縮する。そして、凝縮した水は、第2およ
び第3の空間116,118の水蒸気分圧差によって第
3の空間118から親水性膜6を通して第2の空間11
6に透過し、第2の空間116を流れる清水とともに清
水排出管130から装置ハウジング102の外に排出さ
れる。
【0028】このように、第2の実施形態においても汚
水を所要のとおりに浄化することができる。また第1の
空間114と第2の空間116との間に第3の空間11
8が介在されるので、汚水が流れる第1の空間114か
ら清水が流れる第2の空間116への熱の伝達も著しく
少なくすることができる。
【0029】なお、上述した実施形態における汚水とは
たとえば生活排水、尿などであり、また清水とはたとえ
ば飲水の原料水であり、この蒸留水処理装置は生活排水
などから飲水を得る装置として用いることができる。
【0030】以上、本発明に従う蒸留水処理装置の種々
の実施形態について説明したが、本発明はこれら実施形
態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱する
ことなく種々の変形、修正が可能である。
【0031】
【発明の効果】本発明の請求項1の蒸留水処理装置によ
れば、汚水が送給される第1の空間にて発生した水蒸気
が、減圧された第3の空間との水蒸気分圧差を駆動力と
して疎水性膜を通して第3の空間に透過する。そして、
透過した水蒸気は第2の空間を流れる清水によって冷
却、凝縮され、かく凝縮された水が、第2の空間との水
蒸気分圧差を駆動力として親水性膜を通して清水が送給
される第2の空間に透過する。したがって、第1の空間
と第2の空間との間には減圧された第3の空間が存在す
るので、第1の空間に送給される温度の高い汚水から第
2の空間に送給される温度の低い清水への熱の伝達がほ
とんど行われず、汚水から清水への熱伝達を著しく抑え
ながら汚水を清水に浄化することができる。
【0032】本発明の請求項2の蒸留水処理装置によれ
ば、疎水性膜および親水性膜は、装置ハウジング内に同
心状に配設されるので、第1、第3および第2の空間
が、この順序で、半径方向外側から内側に向けて、また
は内側から外側に向けて配設される。したがって、装置
ハウジングをコンパクトにしながら疎水性膜および親水
性膜の有効面積を大きくすることができ、汚水を効率よ
く浄化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う蒸留水処理装置の第1の実施形態
を簡略的に示す断面図である。
【図2】本発明に従う蒸留水処理装置の第2の実施形態
を簡略的に示す断面図である。
【符号の説明】
2,102 装置ハウジング 4,110 疎水性膜 6,112 親水性膜 26,114 第1の空間 28,116 第2の空間 30,118 第3の空間 32,120 汚水送給管 36,124 汚水排出管 38,126 清水送給管路 42,130 清水排出管 44,132 減圧管 48,136 減圧源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−176404(JP,A) 特開 平1−224006(JP,A) 特開 昭62−262786(JP,A) 特開 昭62−227492(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B01D 61/36 B01D 53/22 C02F 1/04

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 装置ハウジングと、前記装置ハウジング
    内に配設された疎水性膜および親水性膜とを備え、前記
    疎水性膜は前記装置ハウジング内に第1の空間を規定
    し、前記親水性膜は前記装置ハウジング内に第2の空間
    を規定するとともに、前記疎水性膜と協働して第3の空
    間を規定し、 前記第1の空間を通して汚水が送給され、前記第2の空
    間を通して清水が送給され、前記汚水の温度は前記清水
    の温度より高く設定されており、 また、前記第3の空間は減圧されており、 前記第1の空間にて発生した水蒸気が前記疎水性膜を通
    して前記第3の空間に透過し、前記第3の空間にて凝縮
    した水が前記親水性膜を通して前記第2の空間に透過す
    ることを特徴とする蒸留水処理装置。
  2. 【請求項2】 前記疎水性膜および前記親水性膜は、前
    記装置ハウジング内に同心状に配設され、前記第1の空
    間、前記第3の空間および前記第2の空間が、この順序
    で、半径方向外側から内側に向けて、または半径方向内
    側から外側に向けて配設されていることを特徴とする請
    求項1記載の蒸留水処理装置。
JP13066298A 1998-05-13 1998-05-13 蒸留水処理装置 Expired - Lifetime JP2883079B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13066298A JP2883079B1 (ja) 1998-05-13 1998-05-13 蒸留水処理装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13066298A JP2883079B1 (ja) 1998-05-13 1998-05-13 蒸留水処理装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2883079B1 true JP2883079B1 (ja) 1999-04-19
JPH11319497A JPH11319497A (ja) 1999-11-24

Family

ID=15039619

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP13066298A Expired - Lifetime JP2883079B1 (ja) 1998-05-13 1998-05-13 蒸留水処理装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2883079B1 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5463022B2 (ja) * 2008-11-20 2014-04-09 三菱重工業株式会社 宇宙ステーション用の排水処理装置及び方法
JP5110020B2 (ja) * 2009-03-31 2012-12-26 日本錬水株式会社 イオン交換樹脂の充填方法および電気再生式純水製造装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH11319497A (ja) 1999-11-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4536257A (en) Desalination system
ES2192527T3 (es) Procedimiento de purificacion de un liquido por destilacion membranar, particularmente para la produccion de agua desalinizada a partir de agua de mar, de agua de salobre o de agua de procedimiento.
US3361645A (en) Distillation of saline water using silicone rubber membrane
JP2883079B1 (ja) 蒸留水処理装置
CN206940681U (zh) 一种温泉废水处理系统
CN111111451B (zh) 一种减压多效膜蒸馏方法及其装置
JPH09108653A (ja) 海水淡水化装置
US3489649A (en) Double-distillation apparatus with distilland level control
JPH11267644A (ja) 水処理装置
JPH02273519A (ja) 揮発性有機液体水溶液の濃縮液製造方法
JP3114039U (ja) 自己完結型屎尿処理施設
JP2006263574A (ja) 二重円筒加熱型の膜モジュール
RU2115737C1 (ru) Многокорпусная выпарная установка
JP2007203210A (ja) 膜モジュール及び膜分離方法
US20190083935A1 (en) Thermal water purification system and method for operating said system
JPS60227802A (ja) 液体混合物の蒸留装置
CN217732875U (zh) 一种中药生产用纯化水装置
CN215161146U (zh) 一种膜蒸馏处理高盐废水系统
WO2020158049A1 (ja) 膜蒸留モジュールに用いられる疎水性多孔質膜の洗浄方法
JP3162520B2 (ja) 良質上水供給装置
JPH0398620A (ja) 淡水化装置
JP2587645B2 (ja) サーモパーベーパレーション装置
JPH091126A (ja) 海水淡水化システム
SU1457940A1 (ru) Выпарной аппарат
JPH0522249Y2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090205

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100205

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110205

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120205

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120205

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130205

Year of fee payment: 14

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130205

Year of fee payment: 14

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140205

Year of fee payment: 15

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140205

Year of fee payment: 15

EXPY Cancellation because of completion of term