JP2882741B2 - 配線用電線の電線情報出力装置 - Google Patents

配線用電線の電線情報出力装置

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JP2882741B2
JP2882741B2 JP5301897A JP30189793A JP2882741B2 JP 2882741 B2 JP2882741 B2 JP 2882741B2 JP 5301897 A JP5301897 A JP 5301897A JP 30189793 A JP30189793 A JP 30189793A JP 2882741 B2 JP2882741 B2 JP 2882741B2
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平 長谷川
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、住宅などの配線に使
用される電線の使用電線情報や結線情報を出力する、配
線用電線の電線情報出力装置に関する。
【0002】
【従来の技術】住宅などの屋内配線では、住宅に配置さ
れる電気器具を配線するために使用される使用電線や使
用電線の結線を、電気配線作業者が住宅の間取りなどを
参照して決める。このように使用電線や結線を決める際
に、配置された電気器具に合う電線の選択などをするの
で、電気配線作業者の手間を必要とする。
【0003】一方、特開平1ー142980号公報に示
されるような電線情報作成システムがある。この電線情
報作成システムは、CAD(Computer Aided Design)
システムで作成した図面を用いて、配線に必要なワイヤ
やパーツの表を自動的に作成して出力する。電気配線作
業者の手間を省くために、このような電線情報作成シス
テムを応用して、住宅の配線に必要な使用電線や使用電
線同士の結線の情報を得ることが考えられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、住宅などの
屋内配線には、複数の負荷を接続する際に、これらの負
荷を直列状態で接続する負荷渡り結線がある。このと
き、配置される電気器具の容量や接続数によって、容量
が1kWを越えると、この容量に耐えるために、使用電
線を変えなければならない。
【0005】このために、負荷渡り結線で接続される負
荷の容量の合計が1kWを越えるかどうかを、電気配線
作業者が判断する。この判断作業でミスが発生して、使
用電線の容量を負荷の合計の容量より少なく見積ると、
加熱や発火が発生することがある。したがって、ミスを
防ぐために、判断には時間と手間が必要であり、作業の
効率が悪くなる。
【0006】一方、先に述べた装置は、ハーネス用のワ
イヤやパーツの表を出力するものである。このために、
配線の中に負荷渡り結線があると、配線に必要な使用電
線情報や結線情報を正確に出力できない。
【0007】この発明の目的は、このような欠点を除
き、配線の中に負荷渡り結線が存在しても、正確な使用
電線情報や結線情報を出力できる、配線用電線の電線情
報出力装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明は、その目的を
達成するため、住宅の間取りが入力され、間取り上に配
置される電気器具およびその結線パターンが入力される
と共に、電気器具が配置された間取り上に分電盤回路区
分の境界が入力される入力手段と、入力手段に入力され
た分電盤回路区分内の電気器具に負荷渡り結線があるか
どうかを調べ、負荷渡り結線があるときには、この結線
で接続される電気器具の容量を調べ、この容量に応じ
て、あらかじめ記憶している電線の中から配線に使用す
る電線を選択して使用電線情報を作成し、入力手段に入
力された電気器具および結線パターンから、選択された
電線の結線を示す結線情報を作成する算出手段と、算出
手段が作成した使用電線情報と結線情報とを出力する出
力手段とを有する。
【0009】
【作用】この構成により、装置のオペレータは、入力手
段を用いて、住宅の間取りと、間取り上に配置される電
気器具および電気器具の結線パターンと、電気器具が配
置された間取り上に分電盤回路区分の境界とを入力す
る。
【0010】これらの入力が終了すると、算出手段は、
入力手段に入力された分電盤回路区分内の電気器具に負
荷渡り結線があるかどうかを調べる。負荷渡り結線があ
ると、算出手段は、負荷渡り結線で接続される電気器具
の容量を調べる。そして、算出手段は、この容量に応じ
て、あらかじめ記憶している電線の中から配線に使用す
る電線を選択して使用電線情報を作成する。
【0011】また、算出手段は、入力手段に入力された
電気器具および結線パターンから、選択された電線の結
線を示す結線情報を作成する。
【0012】出力手段は、算出手段が作成した結線情報
と使用電線情報とを出力する。
【0013】
【実施例】次に、この発明の実施例を、図面を用いて説
明する。
【0014】図1は、この発明の一実施例を示すブロッ
ク図である。この配線用電線の電線情報出力装置は、入
力手段50と、算出手段としての情報算出部60と、出
力手段70とを備える。入力手段50は、間取り入力部
51と、電気器具入力部52と、回路区分入力部53と
を備え、出力手段70は、出力装置71と、表示装置7
2と、ファイル作成部73とを備える。
【0015】間取り入力部51は、オペレータにより操
作され、住宅の間取りを入力するための入力装置であ
る。このために、CADで住宅の間取りを入力する。
【0016】電気器具入力部52は、オペレータにより
操作される入力装置である。つまり、間取り入力部51
から入力されて、情報算出部60の制御で表示装置72
に表示された間取り上に、住宅に設置される電気器具を
入力する装置である。また、電気器具の結線パターンを
図形的に入力するための装置でもある。
【0017】回路区分入力部53は、オペレータにより
操作される入力装置である。つまり、表示装置72に表
示された間取り上に、分電盤回路区分を入力するための
装置である。
【0018】情報算出部60は、内部に記憶装置(図示
を省略)を備え、この記憶装置の結線パターンファイル
に電気器具の結線パターンを記憶する。結線パターンに
は、図2に示すように、「コンセント型」、「スイッチ
型」、「2連スイッチ型」、「3連スイッチ型」、「3
路スイッチ型」、「4路スイッチ型」、「負荷渡り型」
の7種類がある。電気器具入力部52に入力される電気
器具は、この7つのパターンの1つに属する。
【0019】情報算出部60の記憶装置の電気マスター
ファイルには、図3に示すように、電気器具のシンボル
マークや使用電線を記憶する。電気器具のシンボルマー
クには、例えば、「コンセント」や「アース付きコンセ
ント」などがある。この電気器具により使用電線が決ま
る。例えば、「コンセント」には、電線「VVF1.6X2C」
が使用電線となり、「アース付きコンセント」には、電
線「VVF1.6X3CG」が使用電線となる。電線「VVF1.6X2
C」は、図4に示すように、2芯のケーブルであり、電
線「VVF1.6X3CG」は、アース付きの3芯のケーブルであ
る。情報算出部60は、これらの電線の情報を記憶して
いる。
【0020】情報算出部60は、入力手段50に、間取
り、電気器具、分電盤回路区分の情報が入力されると、
分電盤回路区分内の電気器具に負荷渡り結線があるかど
うかを調べる。負荷渡り結線があるときには、情報算出
部60は、この負荷渡り結線で接続される電気器具の容
量を調べて、この容量に応じた電線を選択し、選択した
電線に基づいて使用電線情報を作成する。
【0021】情報算出部60は、入力された電気器具お
よび結線パターンから、容量に応じて選択した電線の結
線を示す結線情報を作成する。
【0022】表示装置72は、CRT(Cathode Ray Tu
be)やLCD(Liquid Crystal Display)などを備え、
入力手段50に入力された情報や情報算出部60で作成
された情報などを、情報算出部60の制御により表示す
る。
【0023】ファイル作成部73は、情報算出部60か
らの間取り情報、電気器具情報、使用電線情報、結線情
報をファイルに記憶する。
【0024】出力装置71は、プリンタのようなもので
あり、ファイル作成部73が作成したファイルから、住
宅の間取り情報、電気器具情報、使用電線情報、結線情
報などを読み出して出力する。
【0025】次に、この実施例の動作を、図5,6,7
のフローチャートを用いて説明する。
【0026】装置のオペレータは、間取り入力部51を
操作して、屋内配線が行われる住宅の間取りを入力する
(ステップS1)。間取りが入力されると、情報算出部
60は、入力された間取りを、表示装置72に表示させ
る。
【0027】間取りの入力を終了すると、オペレータ
は、表示装置72の表示を見ながら電気器具入力部52
を操作して、間取り上に配置される電気器具を入力する
(ステップS2)。情報算出部60は、内部に電気器具
のシンボルマークを記憶しているので、表示装置72に
表示されている間取り上に、このシンボルマークを表示
する。
【0028】この後、オペレータは、電気器具の結線パ
ターンを入力する(ステップS3)。この入力に際し
て、オペレータは、情報算出部60が記憶する7種類の
結線パターン(図2)から、入力した電気器具の結線パ
ターンを、例えばマウスを用いて選択する。このとき、
照明器具のようにオン、オフが必要な電気器具は、どの
スイッチでオン、オフするのかを判断させるために、電
気器具とスイッチとを破線で結ぶ。この結果、図8に示
す間取りが表示装置72に表示される。図8では、住宅
は、3つの部屋101,102,103に区分されてい
る。
【0029】ステップS3の後、オペレータは、回路区
分入力部53を操作して、分電盤回路区分の総数を入力
する(ステップS4)。この総数が入力されると、情報
算出部60は、図9に示すように、表示装置72に表示
されている間取りの横の位置に、分電盤回路区分番号を
示すための欄111を表示する。欄111内には、総数
が3の分電盤回路区分を番号で示す「1,2,3」の数
字が示され、オペレータは、入力した分電盤回路区分の
総数を簡単に知ることができる。
【0030】ステップS4の後、オペレータは、表示装
置72に表示されている間取り上に、分電盤回路区分の
境界を入力する(ステップS5)。このとき、オペレー
タは、境界を示す4点を指定して境界を決める。例え
ば、部屋101に対する境界を入力するときには、図1
0に示すように、4点121〜124をマウスで指定す
る。
【0031】ステップS5の後、情報算出部60は、図
11に示すように、表示装置72に表示されている分電
盤回路区分の総数を示す番号をマウスで指定して、各回
路区分の番号を決める(ステップS6)。このとき、部
屋101,102,103にそれぞれ対応する分電盤回
路区分の番号「1」,「2」,「3」を、部屋101,
102,103内の部分にそれぞれ表示する。
【0032】ステップS6の後、情報算出部60は、図
12に示すように、分電盤回路区分内にあるすべての電
気器具にそれぞれ通番をする(ステップS7)。この
後、情報算出部60は、各分電盤回路区分にアース付き
電気器具があるかどうかを調べる(ステップS8)。ア
ース付き電気器具が分電盤回路区分内に1つでもある
と、この分電盤回路区分の幹線として、電線「VVF2.0X3
CG」を選択する(ステップS9)。また、アース付き電
気器具がないときには、幹線として電線「VVF2.0X2C」
を選択する(ステップS10)。例えば、図12の
「1」番の分電盤回路区分では、アース付きの電気器具
がないので、幹線に電線「VVF2.0X2C」を用いる。
「2」番の分電盤回路区分では、「2」番の電気器具が
アース付きなので、電線「VVF2.0X3CG」を用いる。
「3」番の分電盤回路区分では、アース付きの器具がな
いので、電線「VVF2.0X2C」を用いる。
【0033】この後、情報算出部60は、入力された電
気器具からこの器具の使用電線を決める(ステップS1
1)。このとき、情報算出部60は、内蔵する電気器具
マスターファイル(図3)を、入力された電気器具で調
べて、この器具の使用電線を決める。例えば、図12の
場合、「1」番の分電盤回路区分では、「1」番と
「2」番のコンセントについて、電気器具マスターファ
イル(図3)を調べると、使用電線は、「VVF1.6X2C」
となる。同じように、「3」番のスイッチと「4」番の
電灯も「VVF1.6X2C」となる。「2」番と「3」番の分
電盤回路区分についても、同じように使用電線を決め
る。
【0034】ステップS11の後、情報算出部60は、
各分電盤回路区分に負荷渡り結線があるかどうかを調べ
る(ステップS12)。負荷渡り結線があるときには、
負荷の容量が1kWを越えるかどうかを調べる(ステッ
プS13)。1kWを越えるとき、情報算出部60は、
配線用の電線として、電線「VVF2.0X2C」または「VVF2.
0X3CG」を選択する(ステップS14)。また、1kW
を越えないとき、配線用の電線として、電線「VVF1.6X2
C」または「VVF1.6X3CG」を選択する(ステップS1
5)。
【0035】例えば、図12の「3」番の分電盤回路区
分では、「3」番〜「13」番の電気器具が負荷渡り結
線であり、かつ、「4」番〜「13」番の電灯の容量の
合計が1kWを越えるので、「3」番のスイッチには、
電線「VVF2.0X2C」を使用する。このとき、「4」番〜
「13」番の電灯には、電線「VVF1.6X2C」を使用す
る。
【0036】使用電線が決まると、情報算出部60は、
入力手段50に入力された電気器具と結線パターンとか
ら、電線と電線とを接続するための結線方法を決める
(ステップS16)。また、ステップS12で、負荷渡
り結線がないときには、情報算出部60は、このステッ
プS16の処理をする。この後、情報算出部60は、未
処理の分電盤回路区分があるかどうかを調べる(ステッ
プS17)。もし、未処理の分電盤回路区分があれば、
情報算出部60は、処理をステップS8に戻す。
【0037】ステップS17で、すべての分電盤回路区
分について処理が終了すると、情報算出部60は、算出
した使用電線情報から次に示す表を作成する。
【0038】
【表1】 また、情報算出部60は、算出した結線情報から次に示
す表を作成する。
【0039】
【表2】 この表の中で、例えば、「1」番の分電盤回路区分で
は、「1」番と「2」番の電気器具に取り付けられてい
る電線の「白」側を、幹線の「白」側に接続し、「1」
番と「2」番の電気器具の電線の「黒」側を、幹線の
「黒」側に接続する。「3」番の電気器具の電線の
「白」側を、「4」番の電気器具の電線の「黒」側に接
続し、「3」番の電気器具の電線の「黒」側を、幹線の
「黒」側に接続する。また、「4」番の電気器具の電線
の「白」側を幹線の「白」側に接続する。他の分電盤回
路区分でも、同じように電線を接続する。
【0040】情報算出部60は、作成した2つの表を表
示装置72に表示し、また、必要に応じて出力装置71
から出力する(ステップS18)。この後、情報算出部
60は、間取り情報、分電盤回路区分情報、使用電線情
報、結線情報をファイル作成部73に保存する。
【0041】このようにして、分電盤回路区分の負荷渡
り結線に応じて使用電線情報と結線情報とを作成するの
で、住宅施工の知識がオペレータになくても、正確な使
用電線情報と結線情報とを出力できる。
【0042】この出力により、電気配線作業者が配線作
業をするので、作業者自身が使用電線と結線を決めると
きに比べて、使用配線の判断ミスや結線ミスを減少でき
る。
【0043】
【発明の効果】以上、説明したように、この発明は、使
用電線と結線とを決める際に、配線の中の負荷渡り結線
の有無を調べて、使用電線と電線の結線を判断するの
で、負荷渡り結線が発生しても、正確な使用電線情報と
結線情報とを出力できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例を示すブロック図である。
【図2】結線パターンファイルを示す図である。
【図3】電気器具マスターファイルの一例を示す図であ
る。
【図4】配線用の電線を示す図である。
【図5】この実施例の動作を説明するためのフローチャ
ートである。
【図6】この実施例の動作を説明するためのフローチャ
ートである。
【図7】この実施例の動作を説明するためのフローチャ
ートである。
【図8】表示装置に表示される間取りを示す図である。
【図9】表示装置に表示される間取りを示す図である。
【図10】表示装置に表示される間取りを示す図であ
る。
【図11】表示装置に表示される間取りを示す図であ
る。
【図12】表示装置に表示される間取りを示す図であ
る。
【符号の説明】
50 入力手段 60 情報算出部 70 出力手段

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 住宅の間取りが入力され、間取り上に配
    置される電気器具およびその結線パターンが入力される
    と共に、電気器具が配置された間取り上に分電盤回路区
    分の境界が入力される入力手段と、 前記入力手段に入力された分電盤回路区分内の電気器具
    に負荷渡り結線があるかどうかを調べ、負荷渡り結線が
    あるときには、この結線で接続される電気器具の容量を
    調べ、この容量に応じて、あらかじめ記憶している電線
    の中から配線に使用する電線を選択して使用電線情報を
    作成し、前記入力手段に入力された電気器具および結線
    パターンから、前記選択された電線の結線を示す結線情
    報を作成する算出手段と、 前記算出手段が作成した使用電線情報と結線情報とを出
    力する出力手段とを有する配線用電線の電線情報出力装
    置。
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Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
電設工業 平成元年5月号 38−47頁 米沢宣彦 「電気設備設計用CADシステム,ACE901 −大滝設備事務所の実施例」

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